【発明が解決しようとする課題】
【0006】
釣合錘の構造によっては、釣合錘に枠バンドを取り付ける際に幾つかの錘片を取り替える必要が生じる。以下、
図9〜
図13を用いて、枠バンド7の取り付けの際に幾つかの錘片3の取り替えが必要になる釣合錘10の構造、及びその釣合錘10に対する枠バンド7を取り付けの際に生じる問題点について説明する。
【0007】
なお、釣合錘10は、本発明の錘片抜挿装置で枠バンド7を取り付けできる釣合錘であり、後の実施形態の説明に用いる。また、実施形態での記載も含め以下の説明及び図面で、X方向は、釣合錘10の奥行き方向を表し、Y方向は、釣合錘10の幅方向を表し、Z方向は、釣合錘10の高さ方向を表す。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。また、本明細書では、錘片3が取り換えられる前の釣合錘を、釣合錘10と表現し、幾つかの錘片3が別の錘片33に取り換えられて、枠バンド7が取り付け可能な状態の釣合錘を、錘片取替後釣合錘11と表現する。また、枠バンド7が取り付けられた錘片取替後釣合錘11をバンド付釣合錘1と表現する。
【0008】
図9は、釣合錘10を正面から見たときの正面図であり、
図10は、釣合錘10を
図9に矢印Aで示す下方向にからみたときの図である。また、
図11は、枠バンド7が取り付け可能になる錘片33と、たて枠21a,21bとの位置関係を示す平面図であり、
図12は、錘片取替後釣合錘11を正面から見たときの正面図である。また、
図13は、バンド付釣合錘1を正面から見たときの正面図であり、
図14は、バンド付釣合錘1を
図13に矢印Bで示す下方向から見たときの図である。なお、バンド付釣合錘1の構造を分かり易く説明するため、
図10及び
図14では、以下に説明する下枠23の図示を省略する。
【0009】
図9に示すように、釣合錘10は、錘枠2、複数の棒状の錘片3、綱車4、4つのガイドシュー5、及び2つの外れ止め6を含む。錘枠2は、一対のたて枠21a,21bと、上枠22と、下枠23を有する。一対のたて枠21a,21bは、Y方向に間隔をあけて配置され、上枠は22、一対のたて枠21a,21bの上端部同士を連結し、下枠23は、一対のたて枠21a,21bの下端部同士を連結する。複数の棒状の錘片3は、Z方向に積み重ねられた状態で錘枠2に保持される。詳しくは、各錘片3は、一方のたて枠21aと他方のたて枠21bとの間をY方向に延在する。各錘片3の一端部は一方のたて枠21aに離脱不可能に保持され、各錘片3の他端部は他方のたて枠21bに離脱不可能に保持される。錘片3がたて枠21a,21bに対して離脱不可能になる構造については、後で説明する。
【0010】
綱車4は、上枠22に回動自在に取り付けられる。例えば、綱車4は、上枠22の裏側から昇降路奥側(奥側の壁側)にX方向に突出する円柱状の軸部(図示せず)に軸受を介して回転自在に取り付けられる。綱車4に巻回されたワイヤーロープ9の張力に基づいて釣合錘10がZ方向に昇降する。
【0011】
ガイドシュー5は、錘枠2の四隅に取り付けられ、外れ止め6は、錘枠2のZ方向中央付近のY方向の両端部に取り付けられる。Y方向一方側に配置されるガイドシュー5は、釣合錘10のY方向一方側に位置してZ方向に延在する一方側レール8aに嵌合し、Y方向他方側に配置されるガイドシュー5は、釣合錘10のY方向他方側に位置してZ方向に延在する他方側レール8bに嵌合する。外れ止め6は、Z方向中央部付近で釣合錘10がレール8a,8bから外れることを抑制する。ガイドシュー5がレール8a,8bに案内されることで釣合錘10がY方向に大きく振れずにZ方向に昇降可能になる。
【0012】
図10に示すように、たて枠21a,21bは、XY平面に平行な切断面でコ字形状を有し、たて枠21a,21bのコ字の開口はY方向の錘片3側に向けられている。錘片3は、Y方向の両側にY方向外方に突出する突出部3a,3bを有し、突出部3aは、断面コ字状のたて枠21aの凹部内に配設され、突出部3bは、断面コ字状のたて枠21bの凹部内に配設される。係る構成によって、錘片3が錘枠2から離脱できなくなる。
【0013】
たて枠21a,21bのX方向長さ(幅方向長さ)は、錘片3のX方向長さ(幅方向長さ)よりも短くなっている。他方、後で詳述するが、枠バンド7(
図13、
図14参照)は、鉄板等の金属製の板を環状に配設した構造を有し、たて枠21a,21bにおいてX方向両側に位置してY方向に延在する側壁部28a,28b,29a,29bにボルトにより取り付けられる。よって、
図10に示す錘片3は、たて枠21a,21bよりもX方向に突出しているため、枠バンド7が、たて枠21a,21bに取り付けできない。そのため、枠バンド7が取り付けられるZ方向範囲(高さ範囲)に存在する錘片3は、X方向長さ(幅方向長さ)がたて枠21a,21bのX方向長さよりも短い錘片33(
図11参照)に取り替えられる必要がある。
【0014】
枠バンド7の取り付けZ方向範囲にある錘片3の錘片33への交換は、次のように行われる。
図9に示すように、Y方向一方側にあるたて枠21aには、Z方向上方側にY方向内側に開口する切欠34が設けられる。切欠34は、YZ平面に平行な切断面で矩形の形状を有し、
図9に示す正面図で、Y方向に延在する一対の縁と、Z方向に延在する1つの縁とを有する。切欠34のZ方向長さは、棒状の錘片3,33の高さよりも長い。
【0015】
取り替えられる錘片3は、一人又は二人の作業員によって切欠34形成高さまで持ち上げられ、その後、切欠34を用いて錘枠2から取り外される。枠バンド7の取り付け位置の下端よりも上方にある部分を含む錘片3は、全て外される。続いて、幅が短い錘片33(
図11参照)を、切欠34を用いて錘枠2内に収容する。複数の錘片33を連続して錘枠2内に収容することによって枠バンド7のZ方向存在範囲に配置される錘片の全てが錘片33で構成されるようにする。その後、例えば、枠バンド7のZ方向存在範囲の上端よりも下端位置がZ方向上方に位置する全ての錘片が錘片3で構成されるように、1以上の錘片3を、切欠34を用いて錘枠2内に収容する。このようにして、
図12に示す錘片取替後釣合錘11を構成し、所定数の錘片3を錘片33へ交換する作業を終了する。
【0016】
その後、
図13に示すように、錘片取替後釣合錘11に枠バンド7を取り付ける。枠バンド7は、環状構造を有し、錘片取替後釣合錘11におけるZ方向の中央部付近に配設される。錘枠2は、一対のたて枠21a,21b及び錘片33(
図12参照)を取り囲むように配設される。
図14に示すように、枠バンド7は、表側板71、裏側板72、一方側コ字状アングル73、他方側コ字状アングル74、複数のボルト77、及び複数のナット78を有する。一方側及び他方側コ字状アングル73,74は、XY平面に平行な切断面において略コ字状の形状を有する。一方側コ字状アングル73は、Y方向外側に開口を向けた状態でY方向一方側に配設され、他方側コ字状アングル74は、Y方向外側に開口を向けた状態でY方向他方側に配設される。
【0017】
表側板71、裏側板72、一方側コ字状アングル73、及び他方側コ字状アングル74の夫々は、鉄等の金属材料で構成される。表側板71は、X方向で釣合錘10のカゴ側に配設され、裏側板72は、X方向でカゴ側とは反対側に配設される。
図13に示すように、表側及び裏側板71,72の夫々は、表側及び裏側面が略矩形の板材で構成される。
図14に示すように、表側板71と裏側板72とは、ねじ孔の数を除いて略同一の構造を有する。
【0018】
詳述しないが、枠バンド7は、次のようにたて枠21a,21bに取り付けられる。表側板71は、一方側及び他方側コ字状アングル73,74の表側側壁部にボルト77及びナット78で取り付けられ、一方側コ字状アングル73と他方側コ字状アングル74との間をY方向に延在する。また、裏側板72は、一方側及び他方側コ字状アングル73,74の裏側側壁部にボルト77及びナット78で取り付けられ、一方側コ字状アングル73と他方側コ字状アングル74との間をY方向に延在する。表側板71と、裏側板72とは、X方向に対向する。一方側及び他方側コ字状アングル73,74に対する表側及び裏側板71,72の取り付けで、表側板71、裏側板72、一方側コ字状アングル73、及び他方側コ字状アングル74は、一体化され、環状構造を構成する。
【0019】
表側板71には、X方向に延在する貫通孔であるねじ孔が設けられ、たて枠21a,21bの表側側壁部にも、X方向に延びるねじ孔が設けられる。ボルト77を、表側板71のねじ孔、及びたて枠21aの表側側壁部のねじ孔に締め込み、他のボルト77を、表側板71のねじ孔、及びたて枠21bの表側側壁部のねじ孔に締め込む。係るボルト77の締め込みにより、枠バンド7がたて枠21a,21bに取り付けられる。表側板71、裏側板72、一方側コ字状アングル73、及び他方側コ字状アングル74は、Z方向長さが略一致し、Z方向存在範囲も略一致する。
【0020】
上述の複数の錘片3の錘片33への取り替えに関し、次の問題が存在する。すなわち、1つの錘片3は、重量物であり、重量が30kg程度にまで達するものまである。したがって、錘片3の持ち上げで、作業員が重労働を強いられる。また、錘片3が重量物であるので、作業に危険を伴う虞もある。したがって、作業員が、錘片3の抜挿作業(取替作業)の労力を軽減でき、しかも安全に作業できるようになれば大きな意義がある。
【0021】
そこで、本発明の目的は、労力を軽減でき、作業の安全性も高くできる錘片抜挿装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係る錘片抜挿装置は、エレベーターにおいて、積み重ねられた棒状の複数の錘片と、前記複数の錘片を保持すると共に前記錘片を抜挿するための切欠を有する錘枠と、を含む釣合錘から前記錘片を抜挿するときに用いられる錘片抜挿装置であって、前記エレベーターの固定側構造部材に取り付けられる巻上げ機であって、紐状部材を巻き付けるドラムと、前記ドラムを回動させる回動部とを有する巻上げ機と、前記紐状部材の先端部に連結部を介して接続され、先端部が前記錘片の幅方向の一方側に配置される錘片一方側取付部材と、前記紐状部材の前記先端部に連結部を介して接続され、先端部が前記錘片の前記幅方向の他方側に配置される錘片他方側取付部材と、前記錘片一方側取付部材の前記先端部に取り付けられると共に、前記錘片の前記幅方向の一方側部分が係止される錘片一方側係止部と、前記錘片他方側取付部材の前記先端部に取り付けられると共に、前記錘片の前記幅方向の他方側部分が係止される錘片他方側係止部と、を備え、前記巻上げ機が前記固定側構造部材に取り付けられ、更に、前記錘片一方側係止部が前記一方側部分を係止し、前記錘片他方側係止部が前記他方側部分を係止した状態で、前記ドラムを回動させて前記ドラムに巻回される前記紐状部材の長さを変動させることによって、前記錘片を前記釣合錘から抜き出す際には前記錘片を前記切欠の高さまで上昇させる一方、前記錘片を前記錘枠内で載置位置に載置する際には前記錘片を前記切欠の高さから下降させる。
【0023】
本発明によれば、巻上げ機を固定側構造部材に取り付け、かつ、錘片の幅方向の一方側部分を錘片一方側係止部に係止すると共に、錘片の幅方向の他方側部分を錘片他方側係止部に係止した上で、巻上げ機のドラムに巻回される紐状部材の長さを変動させるだけで、錘片を釣合錘の高さ方向に移動させることができる。したがって、作業員が重量物である錘片を、手で抱えて持ち上げたり、手で抱えて下降させたりする必要がないので、作業員が重労働を強いられることがなく、錘片の取り替え作業も安全に行うことができる。
【0024】
また、本発明において、前記連結部は、輪状部材であり、前記錘片一方側取付部材が、前記輪状部材に一端部が取り付けられた錘片一方側吊下用紐状部材である一方、錘片他方側取付部材が、前記輪状部材に一端部が取り付けられた錘片他方側吊下用紐状部材であり、さらに、前記錘片一方側吊下用紐状部材と前記錘片他方側吊下用紐状部材とを連結する棒状部材と、前記錘片一方側係止部と前記錘片他方側係止部とを連結する棒状部材のうちの少なくとも一方を備えてもよい。
【0025】
上記構成によれば、棒状部材によって、錘片一方側係止部と、錘片他方側係止部とを、釣合錘の幅方向に所定長さ離間させることができる。したがって、錘片一方側係止部と、錘片他方側係止部とで、錘片の幅方向両側の所定位置を確実に係止でき、錘片を安定な状態で高さ方向に上下させることができる。
【0026】
また、本発明において、前記錘片一方側係止部及び前記錘片他方側係止部の夫々は、第1平板部と、前記第1平板部から前記第1平板部に直交するように延在すると共に、略平行な状態で間隔をおいて対向する第2平板部及び第3平板部とを有し、前記第2平板部には、雌ねじと、前記雌ねじよりも前記第1平板部側とは反対側に位置する第1支え棒用貫通孔とが設けられる一方、前記第3平板部には、前記第1支え棒用貫通孔に前記第2平板部の法線方向に対向する第2支え棒用貫通孔が設けられ、さらに、前記雌ねじに螺合するボルトと、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に挿通される支え棒と、を備えてもよい。
【0027】
上記構成によれば、第2平板部の雌ねじにボルトを締め込み、ボルトの先端部と第3平板部の間、又はボルトの先端部と第3平板部に接触している部材の間に錘片を挟持できる。また、その後、ドラムを回動させることによって挟持された錘片をその錘片の下側の錘片に対して高さ方向の上方に移動させることができ、続いて、第1支え棒用貫通孔及び第2支え棒用貫通孔に支え棒を挿通できる。そして、その後、ボルトを緩めて、錘片を支え棒に接触させた後、再度ボルトを錘片側に締め付けることができる。したがって、錘片の自重を支え棒にかけて錘片を支え棒で支えた状態で錘片を上げ下げでき、錘片の上げ下げを行う際に錘片が下方に落下することを防止できる。
【0028】
また、本発明において、前記錘片一方側係止部及び前記錘片他方側係止部の夫々は、第1平板部と、前記第1平板部から前記第1平板部に直交するように延在すると共に、略平行な状態で間隔をおいて対向する第2平板部及び第3平板部とを有し、前記第2平板部に、第1支え棒用貫通孔が設けられると共に、前記第3平板部に、第1支え棒用貫通孔に前記第2平板部の法線方向に対向する第2支え棒用貫通孔が設けられ、さらに、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に挿通されると共に、先端部が、厚さが徐々に薄くなるように尖った扁平状の支え棒を備えてもよい。
【0029】
上記構成によれば、支え棒の尖った先端を高さ方向に隣接する2つの錘片の間に差し込むように、支え棒を第1支え棒用貫通孔及び第2支え棒用貫通孔に挿通させることができる。よって、上側の錘片の自重を支え棒にかけて錘片を支え棒で支えた状態で錘片を上げ下げでき、錘片の上げ下げを行う際に錘片が下方に落下することを防止できる。
【0030】
また、本発明に係る錘片抜挿装置は、エレベーターにおいて、積み重ねられた棒状の複数の錘片と、前記複数の錘片を保持すると共に前記錘片を抜挿するための切欠を有する錘枠と、を含む釣合錘から前記錘片を抜挿する錘片抜挿方法であって、本発明の錘片抜挿装置の前記巻上げ機をエレベーターの固定側構造部材に取り付ける巻上げ機取付ステップと、前記錘片抜挿装置の前記錘片一方側係止部に前記錘片の幅方向の一方側部分を係止する一方、前記錘片他方側係止部に前記錘片の前記幅方向の他方側部分を係止する錘片係止ステップと、前記錘片係止ステップの後に行われ、前記錘片を前記釣合錘から抜き出す場合、前記錘片を、前記切欠を用いて前記錘枠から抜き出し、前記錘片を前記釣合錘に挿入する場合、前記錘片を、前記切欠を用いて前記錘枠に入れ込む、錘片切欠通過ステップと、前記錘片係止ステップの後に前記錘片が前記錘片一方側係止部及び前記錘片他方側係止部に係止された状態かつ前記錘枠に収容されている状態で、前記ドラムを回動させて前記ドラムに巻回される前記紐状部材の長さを変動させることによって、前記錘片を前記釣合錘の高さ方向に移動させる、錘片高さ方向移動ステップと、を含む。
【0031】
本発明によれば、錘片を交換する際に、労力を軽減でき、作業の安全性も高くできる。
【0032】
また、本発明において、前記錘片抜挿装置の前記錘片一方側係止部及び前記錘片他方側係止部の夫々は、第1平板部と、前記第1平板部から前記第1平板部に直交するように延在すると共に、略平行な状態で間隔をおいて対向する第2平板部及び第3平板部とを有し、前記第2平板部には、雌ねじと、前記雌ねじよりも前記第1平板部側とは反対側に位置する第1支え棒用貫通孔とが設けられる一方、前記第3平板部には、前記第1支え棒用貫通孔に前記第2平板部の法線方向に対向する第2支え棒用貫通孔が設けられ、さらに、前記錘片抜挿装置が、前記雌ねじに螺合するボルトと、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に挿通される支え棒とを備え、前記錘片係止ステップには、前記第2平板部の前記雌ねじに前記ボルトを締め込むことで、前記ボルトの先端部と、前記第3平板部との間に前記錘片を挟持するか、又は、前記ボルトの先端部と、前記第3平板部に接触している部材との間に前記錘片を挟持する錘片挟持ステップと、前記錘片挟持ステップの後に、前記ドラムを回動させることにより挟持された前記錘片をその錘片の下側の前記錘片に対して前記高さ方向の上方に移動させる挟持錘片移動ステップと、前記挟持錘片移動ステップの後、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に前記支え棒を挿通する支え棒挿通ステップと、前記支え棒挿通ステップの後、前記ボルトを緩めて、前記錘片を前記支え棒に接触させた後、再度前記ボルトを前記錘片側に締め付ける錘片支え棒接触ステップと、が含まれてもよい。
【0033】
上記構成によれば、錘片の自重を支え棒にかけて錘片を支え棒で支えた状態で錘片を上げ下げでき、錘片の上げ下げを行う際に錘片が下方に落下することを防止できる。
【0034】
また、本発明において、前記錘片抜挿装置の前記錘片一方側係止部及び前記錘片他方側係止部の夫々は、第1平板部と、前記第1平板部から前記第1平板部に直交するように延在すると共に、略平行な状態で間隔をおいて対向する第2平板部及び第3平板部とを有し、前記第2平板部に、第1支え棒用貫通孔が設けられると共に、前記第3平板部に、第1支え棒用貫通孔に前記第2平板部の法線方向に対向する第2支え棒用貫通孔が設けられ、さらに、前記錘片抜挿装置は、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に挿通されると共に、先端部が、厚さが徐々に薄くなるように尖った扁平状の支え棒を備え、前記錘片係止ステップにおいて、前記支え棒の尖った先端を、前記高さ方向に隣接する2つの前記錘片の間に差し込むと共に、上側の面で上側の前記錘片を支持するように、前記支え棒を、前記第1支え棒用貫通孔及び前記第2支え棒用貫通孔に挿通してもよい。
【0035】
上記構成によれば、錘片の自重を支え棒にかけて錘片を支え棒で支えた状態で錘片を上げ下げでき、錘片の上げ下げを行う際に錘片が下方に落下することを防止できる。