特許第6678839号(P6678839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6678839
(24)【登録日】2020年3月19日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】荷受け仕分け装置及び荷受け仕分け方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
   B65G1/00 501F
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-564116(P2019-564116)
(86)(22)【出願日】2019年3月26日
(86)【国際出願番号】JP2019012968
【審査請求日】2019年11月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 清楠
(72)【発明者】
【氏名】田爪 敏明
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−115041(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/103411(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 35/00
B65G 47/74
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の荷受け及び仕分けのための作業エリアを含むステージと、
前記作業エリアを横切って移動することで前記荷物を押すことが可能なベルトと、
相互の間隔が変動するように移動可能で前記ベルトが架け渡される第1ホルダ及び第2ホルダと、
前記作業エリアの周縁に沿って前記第1ホルダ及び前記第2ホルダの移動をガイドする移動路と、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを移動させるアクチュエータと、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに前記ベルトを引き込むリトラクタと、
を有し、
前記作業エリアの前記周縁は、前記荷物を前記作業エリアの外に送出するための複数の送出セクションを含み、
前記移動路は、前記複数の送出セクションにそれぞれ隣り合う複数の受渡セクションと、前記荷物の送出が完了したときに前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の最終位置と、前記荷物の送出の途中に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の途中位置と、を含み、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記複数の受渡セクションの選択された1つの両側にあり、
前記一対の途中位置は、前記移動路に沿って、前記一対の最終位置よりも相互に離れ、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の途中位置にあるときに、前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに架け渡されて前記作業エリアを横切り、前記荷物は、前記ベルトと前記選択された1つの受渡セクションの間にあり、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に近づくときに、相互に接近し、
前記ベルトは、前記リトラクタによって前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに引き込まれることで、前記荷物を前記選択された1つの受渡セクションの方向に引っ張るようになっていることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項2】
請求項1に記載された荷受け仕分け装置において、
前記一対の途中位置は、前記移動路にある複数の位置のうち、前記作業エリアを横切った直線距離で最も離れた2つの位置にあることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項3】
請求項1に記載された荷受け仕分け装置において、
前記アクチュエータは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記選択された1つの受渡セクションを通らないように、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に移動させることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項4】
請求項1に記載された荷受け仕分け装置において、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションに隣接することを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項5】
請求項1に記載された荷受け仕分け装置において、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションが介在し、前記複数の受渡セクションの他のいずれも介在しない位置であることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、
前記移動路は、前記荷物の仕分けを開始するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の開始位置を含み、
前記一対の開始位置は、前記移動路に沿って、前記一対の途中位置よりも相互に接近しており、
前記一対の開始位置は、前記一対の最終位置とは異なることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項7】
請求項6に記載された荷受け仕分け装置において、
前記移動路は、前記荷物の仕分けの開始前に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の初期位置を含み、
前記アクチュエータは、前記一対の初期位置が前記一対の最終位置と一致するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させるようになっていることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項8】
請求項7に記載された荷受け仕分け装置において、
前記移動路は、前記一対の初期位置を前記移動路に沿って近い方向に結ぶ初期セクションを含み、
前記アクチュエータは、前記選択された1つの受渡セクションに前記初期セクションが重なるときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させるようになっていることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項9】
請求項8に記載された荷受け仕分け装置において、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動する方向は、前記移動路に沿って同じ方向であることを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、
前記ステージに隣接して、前記複数の送出セクションにそれぞれ対応する複数の収納スペースを有する収納庫をさらに含むことを特徴とする荷受け仕分け装置。
【請求項11】
荷物を、作業エリアを含むステージに荷卸しするステップと、
第1ホルダ及び第2ホルダに架け渡されたベルトを、前記作業エリアを横切って移動させて、前記荷物を押すステップと、
前記ベルトによって、前記荷物を、前記作業エリアの周縁にある複数の送出セクションの1つから外に送出するステップと、
を含み、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記作業エリアの前記周縁に沿った移動路にガイドされて移動可能であり、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを移動させることで、前記ベルトが移動し、
前記移動路は、前記複数の送出セクションにそれぞれ隣り合う複数の受渡セクションと、前記荷物の送出が完了したときに前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の最終位置と、前記荷物の送出の途中に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の途中位置と、を含み、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記複数の受渡セクションの選択された1つの両側にあり、
前記一対の途中位置は、前記移動路に沿って、前記一対の最終位置よりも相互に離れ、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の途中位置にあるときに、前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに架け渡されて前記作業エリアを横切り、前記荷物は、前記ベルトと前記選択された1つの受渡セクションの間にあり、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に近づくときに、相互に接近し、
前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに引き込まれることで、前記荷物を前記選択された1つの受渡セクションの方向に引っ張ることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項12】
請求項11に記載された荷受け仕分け方法において、
前記一対の途中位置は、前記移動路にある複数の位置のうち、前記作業エリアを横切った直線距離で最も離れた2つの位置にあることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項13】
請求項11に記載された荷受け仕分け方法において、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記選択された1つの受渡セクションを通らないように、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に移動させることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項14】
請求項11に記載された荷受け仕分け方法において、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションに隣接することを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項15】
請求項11に記載された荷受け仕分け方法において、
前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションが介在し、前記複数の受渡セクションの他のいずれも介在しない位置であることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか1項に記載された荷受け仕分け方法において、
前記移動路は、前記荷物の仕分けを開始するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の開始位置を含み、
前記一対の開始位置は、前記移動路に沿って、前記一対の途中位置よりも相互に接近しており、
前記一対の開始位置は、前記一対の最終位置とは異なることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項17】
請求項16に記載された荷受け仕分け方法において、
前記移動路は、前記荷物の仕分けの開始前に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の初期位置を含み、
前記一対の初期位置が前記一対の最終位置と一致するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項18】
請求項17に記載された荷受け仕分け方法において、
前記移動路は、前記一対の初期位置を前記移動路に沿って近い方向に結ぶ初期セクションを含み、
前記選択された1つの受渡セクションに前記初期セクションが重なるときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【請求項19】
請求項18に記載された荷受け仕分け方法において、
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動する方向は、前記移動路に沿って同じ方向であることを特徴とする荷受け仕分け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受け仕分け装置及び荷受け仕分け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配ボックスあるいは宅配ロッカー等と呼ばれる、受取人が留守であっても荷物を受け取ることができる施設が普及しつつある。宅配ボックスは、集合住宅に設置される他、鉄道駅等の公共スペースに設置され、不特定多数のユーザにより利用されるものもある。最近ではドローン(無人航空機)を用いた無人配送が検討されている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6201092号公報
【特許文献2】特表2017−517466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のドローンによる複数荷物の荷受けや、複数の荷受人への複数荷物の保管を行うには、非効率的な場合があったり、複雑な機構が必要になったりしていた。
【0005】
本発明は、複数荷物の荷受け及び仕分けを簡単な機構で可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る荷受け仕分け装置は、荷物の荷受け及び仕分けのための作業エリアを含むステージと、前記作業エリアを横切って移動することで前記荷物を押すことが可能なベルトと、相互の間隔が変動するように移動可能で前記ベルトが架け渡される第1ホルダ及び第2ホルダと、前記作業エリアの周縁に沿って前記第1ホルダ及び前記第2ホルダの移動をガイドする移動路と、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを移動させるアクチュエータと、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに前記ベルトを引き込むリトラクタと、を有し、前記作業エリアの前記周縁は、前記荷物を前記作業エリアの外に送出するための複数の送出セクションを含み、前記移動路は、前記複数の送出セクションにそれぞれ隣り合う複数の受渡セクションと、前記荷物の送出が完了したときに前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の最終位置と、前記荷物の送出の途中に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の途中位置と、を含み、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記複数の受渡セクションの選択された1つの両側にあり、前記一対の途中位置は、前記移動路に沿って、前記一対の最終位置よりも相互に離れ、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の途中位置にあるときに、前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに架け渡されて前記作業エリアを横切り、前記荷物は、前記ベルトと前記選択された1つの受渡セクションの間にあり、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に近づくときに、相互に接近し、前記ベルトは、前記リトラクタによって前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに引き込まれることで、前記荷物を前記選択された1つの受渡セクションの方向に引っ張るようになっていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、ベルトを使用した簡単な機構で、複数荷物の荷受け及び仕分けが可能になっている。
【0008】
(2)(1)に記載された荷受け仕分け装置において、前記一対の途中位置は、前記移動路にある複数の位置のうち、前記作業エリアを横切った直線距離で最も離れた2つの位置にあることを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載された荷受け仕分け装置において、前記アクチュエータは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記選択された1つの受渡セクションを通らないように、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に移動させることを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションに隣接することを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションが介在し、前記複数の受渡セクションの他のいずれも介在しない位置であることを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、前記移動路は、前記荷物の仕分けを開始するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の開始位置を含み、前記一対の開始位置は、前記移動路に沿って、前記一対の途中位置よりも相互に接近しており、前記一対の開始位置は、前記一対の最終位置とは異なることを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(6)に記載された荷受け仕分け装置において、前記移動路は、前記荷物の仕分けの開始前に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の初期位置を含み、前記アクチュエータは、前記一対の初期位置が前記一対の最終位置と一致するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させるようになっていることを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(7)に記載された荷受け仕分け装置において、前記移動路は、前記一対の初期位置を前記移動路に沿って近い方向に結ぶ初期セクションを含み、前記アクチュエータは、前記選択された1つの受渡セクションに前記初期セクションが重なるときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させるようになっていることを特徴としてもよい。
【0015】
(9)(8)に記載された荷受け仕分け装置において、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動する方向は、前記移動路に沿って同じ方向であることを特徴としてもよい。
【0016】
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け装置において、前記ステージに隣接して、前記複数の送出セクションにそれぞれ対応する複数の収納スペースを有する収納庫をさらに含むことを特徴とする荷受け仕分け装置。
【0017】
(11)本発明に係る荷受け仕分け方法は、荷物を、作業エリアを含むステージに荷卸しするステップと、第1ホルダ及び第2ホルダに架け渡されたベルトを、前記作業エリアを横切って移動させて、前記荷物を押すステップと、前記ベルトによって、前記荷物を、前記作業エリアの周縁にある複数の送出セクションの1つから外に送出するステップと、を含み、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記作業エリアの前記周縁に沿った移動路にガイドされて移動可能であり、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを移動させることで、前記ベルトが移動し、前記移動路は、前記複数の送出セクションにそれぞれ隣り合う複数の受渡セクションと、前記荷物の送出が完了したときに前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の最終位置と、前記荷物の送出の途中に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の途中位置と、を含み、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記複数の受渡セクションの選択された1つの両側にあり、前記一対の途中位置は、前記移動路に沿って、前記一対の最終位置よりも相互に離れ、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の途中位置にあるときに、前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに架け渡されて前記作業エリアを横切り、前記荷物は、前記ベルトと前記選択された1つの受渡セクションの間にあり、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に近づくときに、相互に接近し、前記ベルトは、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダに引き込まれることで、前記荷物を前記選択された1つの受渡セクションの方向に引っ張ることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ベルトを使用した簡単な機構で、複数荷物の荷受け及び仕分けが可能になっている。
【0019】
(12)(11)に記載された荷受け仕分け方法において、前記一対の途中位置は、前記移動路にある複数の位置のうち、前記作業エリアを横切った直線距離で最も離れた2つの位置にあることを特徴としてもよい。
【0020】
(13)(11)又は(12)に記載された荷受け仕分け方法において、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記選択された1つの受渡セクションを通らないように、前記一対の途中位置から前記一対の最終位置に移動させることを特徴としてもよい。
【0021】
(14)(11)から(13)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け方法において、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションに隣接することを特徴としてもよい。
【0022】
(15)(11)から(14)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け方法において、前記一対の最終位置は、前記移動路に沿って、前記選択された1つの受渡セクションが介在し、前記複数の受渡セクションの他のいずれも介在しない位置であることを特徴としてもよい。
【0023】
(16)(11)から(15)のいずれか1項に記載された荷受け仕分け方法において、前記移動路は、前記荷物の仕分けを開始するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の開始位置を含み、前記一対の開始位置は、前記移動路に沿って、前記一対の途中位置よりも相互に接近しており、前記一対の開始位置は、前記一対の最終位置とは異なることを特徴としてもよい。
【0024】
(17)(16)に記載された荷受け仕分け方法において、前記移動路は、前記荷物の仕分けの開始前に前記第1ホルダ及び前記第2ホルダがそれぞれ位置する一対の初期位置を含み、前記一対の初期位置が前記一対の最終位置と一致するときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させることを特徴としてもよい。
【0025】
(18)(17)に記載された荷受け仕分け方法において、前記移動路は、前記一対の初期位置を前記移動路に沿って近い方向に結ぶ初期セクションを含み、前記選択された1つの受渡セクションに前記初期セクションが重なるときに、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダを、前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動させることを特徴としてもよい。
【0026】
(19)(18)に記載された荷受け仕分け方法において、前記第1ホルダ及び前記第2ホルダが前記一対の初期位置から前記一対の開始位置に移動する方向は、前記移動路に沿って同じ方向であることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る荷受け仕分け装置の平面図である。
図2図1に示す荷受け仕分け装置のII−II線断面図である。
図3】変形例に係る収納庫を示す図である。
図4】移動路の詳細を説明するための図である。
図5】荷受け仕分け装置の制御又は荷受け仕分け方法を説明するためのフロー図である。
図6】一対の最終位置にある第1ホルダ及び第2ホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
図1は、実施形態に係る荷受け仕分け装置の平面図である。図2は、図1に示す荷受け仕分け装置のII−II線断面図である。荷受け仕分け装置は、ステージ20を有する。ステージ20は、荷物22の荷受け及び仕分けのための作業エリア24を含む。作業エリア24は、荷物22の荷卸し及びスライド移動に使用される。
【0030】
荷物22は、例えば無人航空機(図示せず)によって運搬される。無人航空機は、人が搭乗しない航空機であり、例えば、バッテリーで駆動されるドローンであってもよく、エンジンで駆動されてもよい。無人航空機は、プロペラを回転させるためのモータやバッテリーを含み、制御部、記憶部、通信部及びセンサ部を含む。
【0031】
荷物22は、ステージ20に着陸した無人航空機から荷卸しされてもよいし、着陸せずにホバリングしている無人航空機から荷卸しされてもよい。例えば、無人航空機からワイヤで荷物22を吊るして荷卸ししてもよい。
【0032】
作業エリア24の周縁は、荷物22を作業エリア24の外に送出するための複数の送出セクション26を含む。図2に示すように、複数の送出セクション26は、外方向に下がるよう傾斜しており、これにより、荷物22を外方向に滑らせることができる。
【0033】
荷受け仕分け装置は、収納庫28を有する。収納庫28はステージ20(作業エリア24の周縁)に隣接する。収納庫28は、複数の送出セクション26にそれぞれ対応する複数の収納スペース30を有する。
【0034】
収納庫28は、ステージ20の周囲に配置されている。収納庫28は、人の侵入を防止するためにステージ20を途切れなく囲んでいてもよい。収納庫28には、必要に応じて壁が設けられる。収納庫28は、複数の収納スペース30を有する。複数の収納スペース30は、隣同士が物理的に隔離されている。複数の収納スペース30は、異なる大きさの収納スペース30を含んでもよい。複数の収納スペース30は、水平方向に配列されており、さらに鉛直方向に配列してもよい。
【0035】
図3は、変形例に係る収納庫128を示す図である。変形例では、収納庫128は可動式であって、ステージ20に固定されない。例えば、複数の収納スペース130を備えた配送用移動機が収納庫128を有し、荷物22を収納するためにステージ20に隣接してもよい。配送用移動機は、無人で移動可能な無人移動機(ロボット)であってもよいし、有人の車両(配送トラック)でもよい。それぞれの収納スペース130は、ステージ20の外縁に隣接可能な搬入口132を有する。それぞれの収納スペース130は、搬入口132とは反対側の取出口134を有する。取出口134は、開閉操作できる扉136を有する。取出口134は、施錠解錠できるようになっている。取出口134は、荷物22が収納されているときには施錠されるようになっている。
【0036】
図1及び図2に示すように、荷受け仕分け装置は、ベルト38を有する。ベルト38は、Vベルト、平ベルト及び丸ベルトを含み、その断面形状を問わない。ベルト38は、繊維、樹脂又は金属のいずれから構成されてもよいが、少なくとも湾曲可能な柔軟性を有する。ベルト38は、作業エリア24を横切って移動することで荷物22を押す(又は引っ張る)ことが可能になっている。
【0037】
ベルト38は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42の間に架け渡される。第1ホルダ40及び第2ホルダ42は、ベルト38の引き出し口(図示せず)が対向することも対向しないことも可能なように、それぞれ自転できるようになっている。ベルト38は、図2に示すリトラクタ44によって、第1ホルダ40及び第2ホルダ42に引き込まれるようになっている。引き込みは例えば巻き取りであり、リトラクタ44は例えばウインチなどの巻き取り機であってもよい。
【0038】
リトラクタ44は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42の少なくとも一方に内蔵されている。第1ホルダ40及び第2ホルダ42のそれぞれがリトラクタ44を内蔵し、第1ホルダ40及び第2ホルダ42のそれぞれから均等速度でベルト38を巻き取るようになっていてもよい。
【0039】
第1ホルダ40及び第2ホルダ42は、相互の間隔が変動するように移動可能になっている。第1ホルダ40及び第2ホルダ42の移動は、移動路46によってガイドされる。移動路46は、作業エリア24の周縁に沿っている。第1ホルダ40及び第2ホルダ42は、アクチュエータ48によって移動する。図2に示す例では、アクチュエータ48は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42のそれぞれに内蔵されたステッピングモータ又はサーボモータ(図示せず)に固定されたピニオンギヤ50と、移動路46に沿って設けられたラック52を含む。第1ホルダ40及び第2ホルダ42は、ピニオンギヤ50の回転によって、ラック52(移動路46)に沿って移動するようになっている。
【0040】
図1に示すように、ベルト38が第1ホルダ40及び第2ホルダ42に引き込まれると、荷物22を、選択された1つの送出セクション26の方向に押す(引っ張る)ことができる。本実施形態によれば、ベルト38を使用した簡単な機構で、複数荷物22の荷受け及び仕分けが可能になっている。
【0041】
図4は、移動路46の詳細を説明するための図である。移動路46は、複数の送出セクション26(図1)にそれぞれ隣り合う複数の受渡セクション54を含む。移動路46は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42が停止可能な複数の位置1〜16を含む。
【0042】
[最終位置FP/受渡セクション54]
移動路46は、図1に示すように、荷物22の送出が完了したときに第1ホルダ40及び第2ホルダ42がそれぞれ位置する一対の最終位置FPを含む。一対の最終位置FPは、移動路46に沿って、複数の受渡セクション54の選択された1つの両側にある。一対の最終位置FPは、移動路46に沿って、選択された1つの受渡セクション54に隣接する。一対の最終位置FPは、移動路46に沿って、選択された1つの受渡セクション54が介在し、複数の受渡セクション54の他のいずれも介在しない位置である。
【0043】
[途中位置MP]
移動路46は、図1に示すように、荷物22の送出の途中に第1ホルダ40及び第2ホルダ42がそれぞれ位置する一対の途中位置MPを含む。一対の途中位置MPは、移動路46に沿って、一対の最終位置FPよりも相互に離れている。一対の途中位置MPは、移動路46にある複数の位置1〜16(図2)のうち、作業エリア24を横切った直線距離で最も離れた2つの位置(例えば位置6,14)にある。
【0044】
[開始位置SP]
移動路46は、荷物22の仕分けを開始するときに、第1ホルダ40及び第2ホルダ42がそれぞれ位置する一対の開始位置SPを含む(図1)。一対の開始位置SPは、一対の最終位置FPとは異なる。一対の開始位置SPは、移動路46に沿って、一対の途中位置MPよりも相互に接近している。
【0045】
[初期位置IP/初期セクション56]
移動路46は、荷物22の仕分けの開始前に第1ホルダ40及び第2ホルダ42がそれぞれ位置する一対の初期位置IPを含む。図1の例では、一対の初期位置IPは、一対の開始位置SPと一致している。移動路46は、一対の初期位置IPを移動路46に沿って近い方向に結ぶ初期セクション56を含む。
【0046】
図5は、荷受け仕分け装置の制御又は荷受け仕分け方法を説明するためのフロー図である。なお、各種制御は、荷受け仕分け装置が備える不図示の制御部、あるいは荷受け仕分け装置を制御する不図示の制御装置により行われる。
【0047】
運搬された荷物22の荷卸しが終わると、荷受け仕分け装置の制御が開始される(S1)。制御が開始されると、一対の初期位置IPが取得される(S2)。アクチュエータ48がステッピングモータ又はサーボモータ(図示せず)を含む場合、第1ホルダ40及び第2ホルダ42の位置はすでにメモリ(図示せず)に記憶されているが、一対の初期位置IPを検出するプロセスを追加してもよい。一対の初期位置IPに対応して、その間の初期セクション56が決定される。図4に示す位置1,2が、図1に示す一対の初期位置IPである。
【0048】
荷物22をどの収納スペース30に収納するかの情報は、例えば通信によって荷受け仕分け装置に伝えられ、メモリ(図示せず)に記憶されている。つまり、複数の受渡セクション54のうち1つが選択されている。そこで、選択された1つの受渡セクション54に初期セクション56が重なるかどうかが判断される(S3)。この判断は、一対の初期位置IPが一対の最終位置FPと一致するかどうかの判断を含んでもよい。
【0049】
図4に示す位置9,10が、図1に示す一対の最終位置FPである。図1に示す例では、一対の初期位置IP(図4の位置1,2)は、一対の最終位置FP(図4の位置9,10)と一致しない。このように判断結果が「NO」であれば、初期位置IPの変更は不要であり、初期位置IPが開始位置SPに設定される(S4)。一対の開始位置SPは、選択された1つの受渡セクション54に初期セクション56が重ならないように設定される。
【0050】
変形例として判断結果が「YES」であれば、一対の初期位置IPが変更される(S5)。具体的には、第1ホルダ40及び第2ホルダ42を、一対の初期位置IPから別の位置に移動させるように制御が行われる。ここで、第1ホルダ40及び第2ホルダ42の移動方向は、それぞれ、移動路46に沿って同じ方向である。変更された一対の初期セクション56が、同様に、選択された1つの受渡セクション54に重なるかどうかが判断される。この判断は、変更された一対の初期位置IPが一対の最終位置FPと一致するかどうかの判断を含む。そして、判断結果が「NO」になるまで、初期位置IPの変更が繰り返される。こうして、第1ホルダ40及び第2ホルダ42を、一対の初期位置IPから一対の開始位置SPに移動するように制御が行われる。
【0051】
第1ホルダ40及び第2ホルダ42の移動方向が決定される(S6)。第1ホルダ40及び第2ホルダ42は、一対の開始位置SPから一対の最終位置FPに移動する(S7)。第1ホルダ40及び第2ホルダ42の移動方向は、一対の途中位置MPから一対の最終位置FPに近づくときに、相互に接近する方向である。第1ホルダ40及び第2ホルダ42の移動方向は、一対の途中位置MPから一対の最終位置FPに移動するときに、選択された1つの受渡セクション54を通らない方向である。
【0052】
具体的には、一対の開始位置SPのそれぞれと、一対の最終位置FPのそれぞれとの差が算出され、その絶対値が最も小さくなる位置の組み合せが特定される。図1の例では、一対の開始位置SPは位置1,2(図4)であり、一対の最終位置FPは位置9,10(図4)であるため、位置2,9の組み合わせが特定される。したがって、第2ホルダ42の移動方向は、位置2から位置9への方向である。そして、第1ホルダ40の移動方向は、それとは逆の方向である。方向が決まれば、第1ホルダ40及び第2ホルダ42を、それぞれ、一対の開始位置SPから一対の最終位置FPに移動させる制御が行われる(S7)。
【0053】
第1ホルダ40及び第2ホルダ42に架け渡されたベルト38は、作業エリア24を横切って移動する。第1ホルダ40及び第2ホルダ42が一対の途中位置MPにあるときに、ベルト38は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42に架け渡されて作業エリア24を横切る。第1ホルダ40及び第2ホルダ42が一対の途中位置MPにあるときに、荷物22は、ベルト38と選択された1つの受渡セクション54の間にある。
【0054】
図6は、一対の最終位置FPにある第1ホルダ40及び第2ホルダ42を示す図である。第1ホルダ40及び第2ホルダ42が一対の最終位置FPに到達するまで、ベルト38は、まだ引き込まれていない。ベルト38は、第1ホルダ40及び第2ホルダ42から引き出され、荷物22を引っ掛けている。
【0055】
リトラクタ44は、ベルト38を、第1ホルダ40及び第2ホルダ42に引き込む(S8)。荷物22は、選択された1つの受渡セクション54の方向に引っ張られる(図1参照)。ベルト38によって、荷物22を、作業エリア24の周縁にある複数の送出セクション26の1つから外に送出することができる。そして、荷物22を収納スペース30に収容することができ、制御が終了する(S9)。
【0056】
上述した制御は、荷物22の荷卸し毎に行われる。つまり、第1の荷物22の荷卸しをトリガに第1制御が開始され、当該第1制御の終了後に、第2の荷物22の荷卸しが行われた場合、第2制御が開始される。第2制御において取得される初期位置(ステップS2)は、第1制御における最終位置であってもよい。あるいは、第1制御が終了した後、第2制御が行われる前に、初期位置をリセットする(所定の初期位置へ第1ホルダ40及び第2ホルダ42を移動させる)制御が行われてもよい。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【要約】
第1ホルダ(40)及び第2ホルダ(42)が一対の途中位置(MP)にあるときに、ベルト(38)は、第1ホルダ(40)及び第2ホルダ(42)に架け渡されて作業エリア(24)を横切り、荷物(22)は、ベルト(38)と選択された1つの受渡セクション(54)の間にある。第1ホルダ(40)及び第2ホルダ(42)は、一対の途中位置(MP)から一対の最終位置(FP)に近づくときに、相互に接近する。ベルト(38)は、リトラクタ(44)によって第1ホルダ(40)及び第2ホルダ(42)に引き込まれることで、荷物(22)を選択された1つの受渡セクション(54)の方向に引っ張るようになっている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6