(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1によるRFIDタグを概略的に示す上面図である。
図2は、
図1のラインA−Aに沿った概略的な断面図である。
図1では、内部が見えるように透視図でRFIDタグ1を示す。
【0010】
以下では、左右方向について、
図1に示すように、基板10の長辺の方向(長辺方向)を左右方向として説明を行う。また、基板10の短辺の方向(短辺方向)を前後方向として説明を行う。また、上下方向について、
図2に示すように、基板10に対してICチップ20が設けられる側を上側と定義して説明を行う。但し、RFIDタグ1の搭載の向きは任意である。
【0011】
RFIDタグ1は、例えば物品の管理等に利用できる。管理対象の物品は、任意であるが、例えば、宿泊施設や娯楽施設の従業員が使用する制服、宿泊施設で使用するシーツや枕カバー等がある。
【0012】
RFIDタグ1は、基板10と、ICチップ20と、アンテナ部30とを含む。
【0013】
基板10は、アンテナ部30用の基材であり、可撓性のある基板である。基板10は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)により形成されてよい。基板10は、ICチップ20及びアンテナ部30が実装された状態で保護層12で上下面が覆われ、更に外装部14より保護される。保護層12は、例えばラミネート加工により形成される。外装部14は、例えばゴムのような可撓性のある材料により形成される。
【0014】
ICチップ20は、基板10に接着剤で接合される。即ち、ICチップ20は、基板10に接着層40(
図3参照)を介して接合される。ICチップ20は、アンテナ部30で受け取られた電磁波により動作する。ICチップ20は、固有のID(Identification)情報が付与されており、かかるID情報が物品の管理等に利用される。
【0015】
アンテナ部30は、例えばダイポールアンテナである。アンテナ部30は、ICチップ20に電気的に接続される。アンテナ部30は、左側のアンテナ配線31と、右側のアンテナ配線32とを含む。アンテナ配線31及び32は、好ましくは、左右方向で同一の長さを有する。アンテナ配線31及び32は、基板10の表面(上側の表面)に導体パターンとして形成される。
【0016】
次に、
図3及び
図4を参照して、RFIDタグ1のアンテナ部30及び接着層40について説明する。
【0017】
図3は、
図1のX部の拡大図である。
図4は、
図3のラインB−Bに沿った断面図である。
図3では、ICチップ20又は接着層40よりも下側の部位については、点線で示されている。また、
図3では、基板10の図示が省略されている。また、
図4では、保護層12及び外装部14の図示が省略されている。
【0018】
RFIDタグ1は、
図3及び
図4に示すように、接着層40を更に含む。接着層40は、上述のように、ICチップ20を基板10に接合する接着剤により形成される。接着剤は、任意であるが、例えば、異方導電性ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)等が使用されてよい。接着層40は、基板10の表面(上側の表面)に形成される。接着層40は、
図3及び
図4に示すように、基板10の表面におけるアンテナ部30の存在領域では、アンテナ部30上に形成される。
【0019】
ICチップ20は、
図3及び
図4に示すように、基板10に接合される側の第1面にバンプ101(第1接続端子又は第2接続端子の一例)及びバンプ102(第2接続端子又は第1接続端子の一例)を備える。また、ICチップ20は、
図3及び
図4に示すように、基板10に接合される側の第1面にダミーバンプ103及び104を備えてよい。ダミーバンプ103及び104は、基板10上のICチップ20の姿勢の安定性を高めるために形成される。
【0020】
尚、
図3に示す例では、ICチップ20は、中心Cが基板10の中心線CL(前後方向の中心を通る左右方向の中心線)上に位置するように、基板10に対して配置されている。また、ICチップ20は、中心Cが基板10の左右方向の中心に来るように、基板10に対して配置されている。即ち、ICチップ20の中心Cは基板10の中心と一致する。但し、後述の実施例4のように、ICチップ20の中心Cは基板10の中心に対してオフセットされてもよい。
【0021】
接着層40は、基部41(
図4参照)と、フィレット部42とを含む。基部41及びフィレット部42は、一体に形成される。例えば、フィレット部42は、基板10に塗布する接着剤の量を調整することで形成できる。
【0022】
基部41は、基板10の接合領域に延在する。接合領域は、上面視でICチップ20の下方の領域(ICチップ20に重なる領域)である。即ち、基部41は、上下方向でICチップ20と基板10との間に延在する。
【0023】
フィレット部42は、基板10の接合領域の周辺領域に延在する。即ち、フィレット部42は、ICチップ20の周辺領域に設けられる。フィレット部42は、基部41の外周縁(
図4の位置P参照)から連続し、基部41を囲繞する。以下では、フィレット部42の外周縁421のような、フィレット部の外周縁を、「フィレット際」と称する。
【0024】
フィレット部42は、好ましくは、
図4に示すように、ICチップ20の側面21に接合する高さHを有する。これにより、フィレット部42がICチップ20の側面21に接合しない場合に比べて、ICチップ20の基板10への接合を強固にできる。即ち、基板10に対するICチップ20の接合強度を高めることができる。
【0025】
アンテナ配線31は、アンテナ本体部310と、ランド部位311とを含む。
【0026】
アンテナ本体部310は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。アンテナ本体部310は、右側端部がランド部位311に繋がり、左側端部が開放端となる。
【0027】
ランド部位311は、アンテナ配線31におけるバンプ101側の端部に形成される。ランド部位311は、例えば各辺の長さがアンテナ本体部310の線幅よりも有意に長い矩形の外形を有する。
図3に示す例では、ランド部位311は、アンテナ本体部310の線幅を前方向のみに拡大する態様で、形成される。アンテナ配線31は、ランド部位311において、
図3及び
図4に示すように、バンプ101を介してICチップ20に電気的に接続される。
図3及び
図4に示す例では、ランド部位311は、ICチップ20の中心Cに対して左側に配置される。この場合、ランド部位311における開口部312(後述)よりも右側の部位は、バンプ101に対応する位置に形成される。
【0028】
アンテナ配線31のアンテナ本体部310は、接着層40のフィレット部42のフィレット際421に形成された複数の経路を介して、バンプ101に電気的に接続される。
図3に示す例では、複数の経路は、第1経路71と、第2経路72の2経路である。即ち、第1経路71が通るフィレット際421の区間S1と、第2経路72が通るフィレット際421の区間S2とは、区間S5を介して分離している。フィレット際421の区間S5は、アンテナ配線31上でない区間である。以下、このようにして、アンテナ配線31をフィレット際421に形成された複数の経路を介してバンプ101に電気的に接続することを、「フィレット際421での複数経路化」と称する。例えば、
図3に示す例では、フィレット際421での2経路化である。
【0029】
第1経路71及び第2経路72は、
図3に示すように、それぞれ、フィレット部42の下方においてバンプ101まで延在し、互いに合流する。
【0030】
このような第1経路71及び第2経路72は、
図3に示すように、ランド部位311における開口部312により形成される。開口部312は、ランド部位311においてフィレット際421を跨ぐように形成される。尚、フィレット際421を跨ぐとは、フィレット際421よりも外側からフィレット際421よりも内側へと入ることを表す。開口部312は、ランド部位311の略中心に形成される。
【0031】
同様に、アンテナ配線32は、アンテナ本体部320と、ランド部位321とを含む。アンテナ本体部320は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。アンテナ本体部320は、左側端部がランド部位311に繋がり、右側端部が開放端となる。
【0032】
ランド部位321は、アンテナ配線32におけるバンプ102側の端部に形成される。ランド部位321は、例えば各辺の長さがアンテナ本体部320の線幅よりも有意に長い矩形の外形を有する。
図3に示す例では、ランド部位321は、アンテナ本体部320の線幅を前方向のみに拡大する態様で、形成される。アンテナ配線32は、ランド部位321において、
図3及び
図4に示すように、バンプ102を介してICチップ20に電気的に接続される。
図3及び
図4に示す例では、ランド部位321は、ICチップ20の中心Cに対して右側に形成される。この場合、ランド部位321における開口部322(後述)よりも左側の部位は、バンプ102に対応する位置に形成される。
【0033】
アンテナ配線32のアンテナ本体部320は、接着層40のフィレット部42のフィレット際421に形成された複数の経路を介して、バンプ102に電気的に接続する。
図3に示す例では、複数の経路は、第3経路73と、第4経路74の2経路である。即ち、第3経路73が通るフィレット際421の区間S3と、第4経路74が通るフィレット際421の区間S4とは、区間S6を介して分離している。フィレット際421の区間S6は、アンテナ配線32上でない区間である。このようにして、アンテナ配線32に関しても、フィレット際421での複数経路化が実現される。例えば、
図3に示す例では、フィレット際421での2経路化である。
【0034】
第3経路73及び第4経路74は、
図3に示すように、それぞれ、フィレット部42の下方においてバンプ102まで延在し、互いに合流する。
【0035】
このような第3経路73及び第4経路74は、
図3に示すように、ランド部位321における開口部322により形成される。開口部322は、ランド部位321においてフィレット際421を跨ぐように形成される。
図3に示す例では、開口部322は、ランド部位321の略中心に形成される。
【0036】
次に、
図5A乃至
図8を参照して、本実施例の効果について説明する。
【0038】
図5A及び
図5Bに示す比較例は、アンテナ配線31'は、フィレット際421に形成された単一の経路を介して、バンプ101に電気的に接続し、アンテナ配線32'は、フィレット際421に形成された単一の経路を介して、バンプ102に電気的に接続する。
図6A及び
図6Bに示す比較例は、アンテナ配線31A'及び32A'は、端部で線幅が拡大されている点が、
図5A及び
図5Bに示す比較例によるアンテナ配線31'及び32'に対して異なるだけである。
【0039】
ここで、本実施例においては、フィレット際421を介してアンテナ部30がICチップ20に電気的に接続されるので、基板10の曲げ変形時などに、ICチップ20のエッジがアンテナ部30に接触してアンテナ部30が破断する可能性は低い。即ち、基板10の曲げ変形時などに、ICチップ20のエッジがアンテナ配線31、32に直接的に当たらず、これにより、ICチップ20のエッジによるアンテナ配線31、32の破断の可能性を低減できる。
【0040】
他方、その反面として、本実施例においては、基板10の曲げ変形時などに、アンテナ配線31、32は、接着層40のフィレット際421を起点として亀裂が発生しやすくなる。特に、本実施例においては、基板10は可撓性があるのに対して、接着層40は基板10に比べて固いため、基板10の曲げ変形時などに、接着層40とアンテナ部30との境界(フィレット際421)で応力集中が発生し、アンテナ部30が破断しやすい。これは、比較例においても同様である。比較例では、
図5Aに模式的に示すように、フィレット際421の区間S0においてアンテナ配線31'に亀裂F0が発生すると、
図5Bに模式的に示すように、亀裂F0はフィレット際421の区間S0で一気に広がり、アンテナ配線31'の全幅にわたる破断となる。即ち、
図5Bにて符号F1で模式的に示すように、アンテナ配線31'が破断し、通信不能となる。尚、このような亀裂F0から破断F1への進行は、アンテナ配線31'の線幅を大きくした場合でも同様に急速となる(
図6A及び
図6B参照)。
【0041】
これに対して、本実施例によれば、
図7B及び
図8にて符号F1で示すように、基板10の曲げ変形時などに、比較例と同様の原理で、アンテナ配線31が破断する場合があり得る。即ち、
図7Aに示すように、フィレット際421の区間S1においてアンテナ配線31に亀裂F0が発生すると、亀裂F0はフィレット際421の区間S0で一気に広がり、破断となる。しかしながら、フィレット際421の区間S1における亀裂から始まる破断は、
図7Bに示すように、区間S5の存在に起因して、区間S1だけに留まる。即ち、フィレット際421の区間S1における亀裂から始まる破断は、区間S5の存在に起因して、区間S2へと伝播しない。この結果、
図7B及び
図8に示す破断F1が生じた場合でも、アンテナ配線31の第2経路72を介したバンプ101への電気的な接続は依然として維持できる。即ち、本実施例によれば、
図7B及び
図8に示す破断F1が生じた場合でも、RFIDタグ1が通信不能となることが無い。このようにして、本実施例によれば、アンテナ配線31、32が接着層40のフィレット際421で切断された場合でもRFIDタグ1の通信機能を維持できる可能性を高めることができる。
【0042】
ところで、本実施例では、RFIDタグ1は、基板10、保護層12及び外装部14が可撓性があるので、可撓性を有する。このような可撓性のあるRFIDタグ1は、人の肌に触れる衣服や寝具などに好適に使用できる。これは、可撓性があるが故に、RFIDタグ1が、衣服等を身に着ける人にとって違和感となる可能性が低くなるためである。また、衣服や寝具などに取り付けられたRFIDタグ1は、以下で説明する洗濯工程において外部からの荷重により変形するため、この点からもRFIDタグ1の可撓性が必要とされる。
【0043】
制服やシーツ、枕カバー等ののような物品は、大規模な洗濯工場で一括で洗濯、脱水、アイロンがけ、折り畳みまで行われる。従って、かかる物品の管理にRFIDタグ1が利用される場合、RFIDタグ1は、物品と共に洗濯工場で同じ洗濯工程の処理を受ける。この洗濯工程では、特に脱水工程(例えば圧力脱水(60bar))や、アイロンがけ工程(例えば大型ロールアイロンによるアイロンがけ)がRFIDタグ1にとって厳しい環境となる。これらの工程では、RFIDタグ1が外部からの荷重により変形しやすく、アンテナ部30の破断が生じやすいためである。本実施例によるRFIDタグ1は、上述のようにアンテナ配線31、32が接着層40のフィレット際421で切断された場合でも通信機能を維持できる可能性が高く、かかる厳しい環境においても高い耐久性を維持できる。
【0044】
次に、
図9乃至
図17を参照して、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対する変形例について説明する。なお、以下の変形例において、上述した実施例1によるRFIDタグ1と同一であってよい構成要素について、説明を省略し、また図示されている構成要素に関しては同一の参照符号を付して説明を省略する。
[変形例1]
図9は、変形例1によるRFIDタグ1Bの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0045】
RFIDタグ1Bは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、前後方向におけるアンテナ配線31及び32とICチップ20(及びそれに伴う接着層40)との位置関係が異なる。具体的には、変形例1では、アンテナ配線31及び32は、開口部312及び322の中心が、基板10(
図9では図示せず)の中心線CL上に来るように配置される。
【0046】
図9に示す変形例1によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。また、
図9に示す変形例1によれば、アンテナ配線31及び32の開口部312及び322の中心が中心線CL上に来るように配置される。これにより、前後方向におけるアンテナ配線32とICチップ20との位置関係について、設計値に対して誤差が発生した場合でも、アンテナ配線31に関してフィレット際421での2経路化(第1経路71及び第2経路72)を高い確率で実現できる。同様に、前後方向におけるアンテナ配線32とICチップ20との位置関係について、設計値に対して誤差が発生した場合でも、アンテナ配線32に関してフィレット際421での2経路化(第3経路73及び第4経路74)を高い確率で実現できる。
[変形例2]
図10は、変形例2によるRFIDタグ1Cの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0047】
RFIDタグ1Cは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線31及び32がアンテナ配線31C及び32Cで置換された点が異なる。アンテナ配線31C及び32Cは、上述した実施例1によるアンテナ配線31及び32に対して、ランド部位311及び321がランド部位311C及び321Cで置換された点が異なる。具体的には、ランド部位311及び321は正方形の外形であるのに対して、ランド部位311C及び321Cは、前後方向に長い長方形の外形である。同様に、ランド部位311C及び321Cの開口部312C及び322Cは、前後方向に長い長方形の外形である。尚、
図10に示す例では、上述した変形例1と同様、アンテナ配線31C及び32Cは、開口部312C及び322Cの中心が、基板10(
図10では図示せず)の中心線CL上に来るように形成される。但し、アンテナ配線31C及び32Cは、開口部312C及び322Cの中心が、ICチップ20の中心Cに対して
図10に示す位置よりも前方向又は後方向にオフセットする態様で形成されてもよい。
【0048】
図10に示す変形例2によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。また、
図10に示す変形例2によれば、ランド部位311C及び321C、並びに、ランド部位311C及び321Cの開口部312C及び322Cは、前後方向に長い長方形の外形である。これにより、前後方向におけるアンテナ配線31CとICチップ20との位置関係について、設計値に対して誤差が発生した場合でも、アンテナ配線31Cに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71C及び第2経路72C)を高い確率で実現できる。同様に、前後方向におけるアンテナ配線32CとICチップ20との位置関係について、設計値に対して誤差が発生した場合でも、アンテナ配線32Cに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73C及び第4経路74C)を高い確率で実現できる。
[変形例3]
図11は、変形例3によるRFIDタグ1Dの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0049】
RFIDタグ1Dは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線32がアンテナ配線32Dで置換された点が異なる。具体的には、アンテナ配線32Dは、アンテナ配線31よりも前側にオフセットして配置される。また、アンテナ配線32Dは、ランド部位321Dがアンテナ本体部320に対して後側に形成される。ランド部位321Dは、開口部322Dよりも後側の部位が中心線CL上に来るように形成される。ランド部位321Dは、正方形の外形の後側且つ中心C側の角において、後側に突出する延長部323を含む。ランド部位321Dは、延長部323において、バンプ102を介してICチップ20に電気的に接続される。
【0050】
図11に示す変形例3によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。即ち、
図11に示す変形例3によれば、アンテナ配線31Dに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71D及び第2経路72D)を実現できる。同様に、アンテナ配線32Dに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73D及び第4経路74D)を実現できる。
[変形例4]
図12は、変形例4によるRFIDタグ1Eの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0051】
RFIDタグ1Eは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線31及び32がアンテナ配線31E及び32Eで置換された点が異なる。アンテナ配線31E及び32Eは、上述した実施例1によるアンテナ配線31及び32に対して、ランド部位311及び321がランド部位311E及び321Eで置換された点が異なる。また、アンテナ配線31E及び32Eは、上述した実施例1によるアンテナ配線31及び32に対して、ICチップ20に対して後側にオフセットされている点が異なる。
【0052】
ランド部位311E及び321Eには、それぞれ、開口部312E及び322Eが形成される。開口部312E及び322Eには、それぞれ、スリット313E及び323Eが形成される。スリット313Eは、
図12に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線31Eに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71E及び第2経路72E)を実現できる。また、スリット323Eは、
図12に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線32Eに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73E及び第4経路74E)を実現できる。
[変形例5]
図13は、変形例5によるRFIDタグ1Fの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0053】
RFIDタグ1Fは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線31及び32がアンテナ配線31F及び32Fで置換された点が異なる。アンテナ配線31F及び32Fは、上述した実施例1によるアンテナ配線31及び32に対して、ランド部位311及び321がランド部位311F及び321Fで置換された点が異なる。また、アンテナ配線31F及び32Fは、上述した実施例1によるアンテナ配線31及び32に対して、アンテナ本体部310F及び320Fが中心線CL上に位置する点が異なる。
【0054】
ランド部位311F及び321Fは、それぞれ、アンテナ本体部310F及び320Fに対して線幅が前後方向に拡大される態様で形成される。ランド部位311F及び321Fは、前後方向に長い長方形の外形である。同様に、ランド部位311F及び321Fの開口部312F及び322Fは、前後方向に長い長方形の外形である。開口部312F及び322Fには、それぞれ、スリット313F及び323Fが形成される。スリット313Fは、
図13に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線31Fに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71F及び第2経路72F)を実現できる。また、スリット323Fは、
図13に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線32Fに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73F及び第4経路74F)を実現できる。
[変形例6]
図14は、変形例6によるRFIDタグ1Gの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0055】
RFIDタグ1Gは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、ICチップ20がICチップ20Gで置換された点が異なる。ICチップ20Gは、上述した実施例1によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が対角位置に配置されている点が異なる。また、RFIDタグ1Gは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、上述した変形例1と同様の態様で、前後方向におけるアンテナ配線31及び32とICチップ20(及びそれに伴う接着層40)との位置関係が異なる。
【0056】
図14に示す変形例6によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。
[変形例7]
図15は、変形例7によるRFIDタグ1Hの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0057】
RFIDタグ1Hは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、ICチップ20がICチップ20Hで置換された点が異なる。ICチップ20Hは、上述した実施例1によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が対角位置に配置されている点が異なる。また、RFIDタグ1Gは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、前後方向におけるアンテナ配線31及び32とICチップ20(及びそれに伴う接着層40)との位置関係が異なる。
【0058】
図14に示す変形例7によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。
[変形例8]
図16は、変形例8によるRFIDタグ1Iの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0059】
RFIDタグ1Iは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、ICチップ20がICチップ20Iで置換された点が異なる。ICチップ20Iは、上述した実施例1によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が対角位置に配置されている点が異なる。また、RFIDタグ1Iは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線31及び32がアンテナ配線31I及び32Iで置換された点が異なる。
【0060】
アンテナ配線31I及び32Iは、それぞれ、バンプ101及び102の下方を通る態様で前後方向に延在し、それぞれスリット313I及び323Iが形成される。スリット313Iは、
図16に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線31Iに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71I及び第2経路72I)を実現できる。また、スリット323Iは、
図16に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線32Iに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73I及び第4経路74I)を実現できる。
[変形例9]
図17は、変形例9によるRFIDタグ1Jの一部(
図1のX部に対応する部分)を示す上面図である。
【0061】
RFIDタグ1Jは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、ICチップ20がICチップ20Jで置換された点が異なる。ICチップ20Jは、上述した実施例1によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が対角位置に配置されている点が異なる。また、RFIDタグ1Jは、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ配線31及び32がアンテナ配線31J及び32Jで置換された点が異なる。
【0062】
アンテナ配線31Jは、バンプ101の下方を通る態様で、且つ、バンプ101の下方位置で前後方向から左右方向に屈曲する態様で形成される。同様に、アンテナ配線32Jは、バンプ102の下方を通る態様で、且つ、バンプ102の下方位置で前後方向から左右方向に屈曲する態様で形成される。アンテナ配線31J及び32Jは、それぞれ、それぞれスリット313I及び323Iが形成される。スリット313Jは、
図17に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線31Jに関してフィレット際421での2経路化(第1経路71J及び第2経路72J)を実現できる。また、スリット323Jは、
図17に示すように、フィレット際421を跨ぐように形成される。これにより、アンテナ配線32Jに関してフィレット際421での2経路化(第3経路73J及び第4経路74J)を実現できる。なお、
図17に示す例では、ダミーバンプ103及び104のそれぞれの下方に延在する導体パターン107及び108が形成されている。導体パターン107及び108は、ICチップ20Jの安定性を高めるために設けられる。このような導体パターン107及び108は、他の実施例(変形例を含む)に対しても設けられてよい。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2は、以下で説明するように、フィレット際での複数経路化として、フィレット際での3経路化(3つの経路に分断)を実現する点が、上述した実施例1に対して異なる。実施例1と同一であってよい構成要素については、
図18及び
図19において同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0063】
図18は、実施例2によるRFIDタグを概略的に示す上面図である。
図19は、
図18のY部の拡大図である。
図18では、内部が見えるように透視図でRFIDタグ2を示す。
図19では、ICチップ20又は接着層40よりも下側の部位については、点線で示されている。また、
図19では、基板10の図示が省略されている。尚、以下の説明において、左右方向、前後方向、及び上下方向の定義は上述のとおりである。
【0064】
RFIDタグ2は、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、アンテナ部30がアンテナ部30−2で置換された点が異なる。
【0065】
アンテナ部30−2は、基板10に形成される導体パターンにより形成される。アンテナ部30−2は、一端がICチップ20に電気的に接続される。アンテナ部30−2は、左側のアンテナ配線33と、右側のアンテナ配線34とを含む。アンテナ配線33及び34は、好ましくは、左右方向で同一の長さを有する。
【0066】
アンテナ配線33は、アンテナ本体部330と、ランド部位331とを含む。
【0067】
アンテナ本体部330は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図18に示す例では、アンテナ本体部330は、ICチップ20の手前側で前側に垂直方向に屈曲し、再び左右方向に屈曲してランド部位331に繋がっている。しかしながら、アンテナ本体部330は、屈曲することなくランド部位331に繋がってもよいし、更なる他の形態でランド部位331に繋がってもよい。
【0068】
ランド部位331は、アンテナ配線33におけるバンプ101側の端部に形成される。ランド部位331は、例えば各辺の長さがアンテナ本体部330の線幅よりも有意に長い矩形の外形を有する。
図19及び
図20に示す例では、ランド部位331は、アンテナ本体部330の線幅を後方向のみに拡大する態様で、形成される。アンテナ配線33は、ランド部位331において、
図19及び
図20に示すように、バンプ101を介してICチップ20に電気的に接続される。
図19及び
図20に示す例では、ランド部位331は、ICチップ20の中心Cに対して左側に形成される。この場合、ランド部位331における開口部332(後述)よりも右側の部位は、バンプ101に対応する位置に形成される。
【0069】
アンテナ配線33のアンテナ本体部330は、接着層40のフィレット部42のフィレット際421に形成された複数の経路を介して、バンプ101に電気的に接続する。
図19に示す例では、複数の経路は、第1経路81、第2経路82、及び第3経路83の3経路である。即ち、第1経路81が通るフィレット際421の区間S11と、第2経路82が通るフィレット際421の区間S12と、第3経路83が通るフィレット際421の区間S13とは、区間S17及びS18を介して分離している。フィレット際421の区間S17及びS18は、アンテナ配線33上でない区間である。このようにして、アンテナ配線33をフィレット際421に形成された複数の経路を介してバンプ101に電気的に接続できる。即ち、フィレット際421での3経路化(第1経路81、第2経路82、及び第3経路83)が実現される。
【0070】
第1経路81、第2経路82、及び第3経路83は、
図19に示すように、それぞれ、フィレット部42の下方においてバンプ101まで延在し、互いに合流する。
【0071】
このような第1経路81、第2経路82、及び第3経路83は、
図19に示すように、ランド部位331のパターンにおける2つの開口部332により形成される。2つの開口部332は、それぞれ、ランド部位331においてフィレット際421を跨ぐように形成される。2つの開口部332は、前後方向に並ぶ態様で形成される。
【0072】
同様に、アンテナ配線34は、アンテナ本体部340と、ランド部位341とを含む。
【0073】
アンテナ本体部340は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図18に示す例では、アンテナ本体部340は、ICチップ20の手前側で前側に垂直方向に屈曲し、再び左右方向に屈曲してランド部位341に繋がっている。しかしながら、アンテナ本体部330は、屈曲することなくランド部位341に繋がってもよいし、更なる他の形態でランド部位341に繋がってもよい。
【0074】
ランド部位341は、アンテナ配線34におけるバンプ102側の端部に形成される。ランド部位341は、例えば各辺の長さがアンテナ本体部340の線幅よりも有意に長い矩形の外形を有する。
図19及び
図20に示す例では、ランド部位341は、アンテナ本体部340の線幅を後方向のみに拡大する態様で、形成される。アンテナ配線34は、ランド部位341において、
図19及び
図20に示すように、バンプ102を介してICチップ20に電気的に接続される。
図19及び
図20に示す例では、ランド部位341は、ICチップ20の中心Cに対して右側に形成される。この場合、ランド部位341における開口部342(後述)よりも左側の部位は、バンプ102に対応する位置に形成される。
【0075】
アンテナ配線34のアンテナ本体部340は、接着層40のフィレット部42のフィレット際421に形成された複数の経路を介して、バンプ102に電気的に接続する。
図19に示す例では、複数の経路は、第4経路84、第5経路85、及び第6経路86の3経路である。即ち、第4経路84が通るフィレット際421の区間S14と、第5経路85が通るフィレット際421の区間S15と、第6経路86が通るフィレット際421の区間S16とは、区間S19及びS20を介して分離している。フィレット際421の区間S19及びS20は、アンテナ配線34上でない区間である。このようにして、アンテナ配線34をフィレット際421に形成された複数の経路を介してバンプ102に電気的に接続できる。即ち、フィレット際421での3経路化(第4経路84、第5経路85、及び第6経路86)が実現される。
【0076】
第4経路84、第5経路85、及び第6経路86は、
図19に示すように、それぞれ、フィレット部42の下方においてバンプ102まで延在し、互いに合流する。
【0077】
このような第4経路84、第5経路85、及び第6経路86は、
図19に示すように、ランド部位341のパターンにおける2つの開口部342により形成される。2つの開口部342は、それぞれ、ランド部位341においてフィレット際421を跨ぐように形成される。2つの開口部342は、前後方向に並ぶ態様で形成される。
【0078】
本実施例2によれば、上述した実施例1と同質の効果が得られる。また、本実施例2によれば、フィレット際421での3経路化を実現するので、フィレット際421での2経路化を実現する上述した実施例1に比べて、RFIDタグ2が通信不能となる可能性を低くできる。即ち、本実施例2によれば、例えばアンテナ配線33に関して、フィレット際421における区間S11〜S13のうちの、2つの区間で破断が生じた場合でも、RFIDタグ2が通信不能となることが無い。
【0079】
また、本実施例2によれば、前後方向におけるアンテナ配線33とICチップ20との位置関係について、設計値に対して誤差が発生した場合でも、アンテナ配線33に関してフィレット際421での2経路化を高い確率で実現できる。これは、アンテナ配線34に関しても同様である。例えば、
図20に示す例では、ICチップ20の実装位置が設計位置(例えば
図19に示す位置)に対して前方向且つ右方向にずれている。具体的には、後側の開口部332がフィレット際421を跨がなくなるほどの"ずれ"が発生している。しかしながら、
図20に示す例では、かかるずれによって、アンテナ配線33に関してフィレット際421での3経路化が実現されなくなるものの、フィレット際421での2経路化は実現されている。具体的には、第1経路81及び第2経路82が統合されて1経路となるが、該統合後の経路と第3経路83とは依然として分断されている。これは、前側の開口部332が依然としてフィレット際421を跨いでいるためである。尚、上述した実施例1では、
図3及び
図20を対比すると明らかなように、同様のずれが発生すると、アンテナ配線31に関してフィレット際421での2経路化が実現されなくなる。
【0080】
尚、上述した実施例2では、ランド部位331及びランド部位341は、それぞれ、前後方向の中心が中心線CL上に来るように形成されているが、前後方向の中心が中心線CLに対してオフセットされてもよい。また、ランド部位331及びランド部位341は、それぞれ、中心線CLに関して線対称に形成されているが、線対称でなくてもよい。
【0081】
また、上述した実施例2では、フィレット際421での3経路化を実現しているが、それ以上の数で経路化を実現することとしてもよい。
【0082】
次に、上述した実施例2に関して、フィレット際421での3経路化を実現するための条件について説明する。
【0083】
図21は、ランド部位331及び341、ICチップ20、及びフィレット際421に関する各寸法の説明図である。
【0084】
ここでは、
図21に示すように、開口部332と開口部342との間の左右方向の最大距離を"a1"とし、前後の開口部332(開口部342についても同様)間の前後方向の最大距離を"a2"とする。また、ランド部位331及び341間の左右方向の最大距離を"a3"とする。また、ICチップ20の左右方向の長さを"b1"とし、ICチップ20の前後方向の長さを"b2"とする。また、フィレット際421の幅(左右方向の最大寸法を"c1"とする。
【0085】
このとき、3経路化を実現するためには、a3>c1であることが必要である。これは、例えば
図22に示すように、a3>c1を満たさない場合、多くても2経路化しか実現できないためである。
図22に示す例では、左側のアンテナ配線について、前側の開口部によりフィレット際421での2経路化が実現されるだけとなる。尚、後側の開口部もフィレット際421を跨ぐように形成されているが、かかる部分は、アンテナ本体部からバンプ101への経路を形成しないため、複数経路化に寄与しない。
【0086】
また、3経路化を実現するためには、a3>c1であるという条件(以下、「条件1」と称する)に加えて、次の条件2及び条件3のいずれかの条件が満たされる必要がある。
条件2:b1<a1
条件3:b2<a2
これは、例えば
図23に示すように、条件2及び条件3のいずれも満たさない場合、3経路化を実現できないためである。他方、例えば
図24に示すように、条件2及び条件3のうちの、条件2だけを満たす場合は、3経路化(例えば、左側のアンテナ配線に関して、第1経路81A、第2経路82A、及び第3経路83A)を実現できる。同様に、例えば
図25に示すように、条件2及び条件3のうちの、条件3だけを満たす場合は、3経路化(例えば、左側のアンテナ配線に関して、第1経路81B、第2経路82B、及び第3経路83B)を実現できる。尚、
図19に示した上述の実施例2では、条件1に加え、条件2及び条件3のいずれも満たしている。
【0087】
尚、ここでは、
図21に示すように、アンテナ配線33のランド部位331及びアンテナ配線34のランド部位341がICチップ20の中心に関して対称であるため、アンテナ配線33及び34の双方に対する一括的な条件が説明された。しかしながら、同じ考え方で、アンテナ配線33に対する条件と、アンテナ配線34に対する条件とをそれぞれ別々に設定することもできる。
【0088】
例えば、アンテナ配線33に関して、条件1であるa3>c1は、a3'>c1'で置換されてもよい。ここで、a3'は、ランド部位331とICチップ20の中心との間の左右方向の最大距離である。c1'は、ICチップ20の中心よりも左側のフィレット際421と、ICチップ20との間の左右方向の最大距離である。条件2であるb1<a1は、b1/2<a1'で置換されてもよい。ここで、a1'は、ICチップ20の中心とアンテナ配線33の開口部332との間の左右方向の最大距離である。同様に、条件3であるb2<a2は、b2/2<a2'で置換されてもよい。ここで、a2'は、ICチップ20の中心とアンテナ配線33の開口部332との間の前後方向の最大距離である。
【0089】
尚、以上の考え方は、上述した実施例1における2経路化に対しても適用できる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。実施例3は、以下で説明するように、ICチップ20−3からの引き出し方向を前後方向とする点が、上述した実施例1に対して異なる。実施例1と同一であってよい構成要素については、
図26及び
図27において同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0090】
図26は、実施例3によるRFIDタグを概略的に示す上面図である。
図27は、
図26のY1部の拡大図である。
図26では、内部が見えるように透視図でRFIDタグ3を示す。
図27では、ICチップ20−3又は接着層40−3よりも下側の部位については、点線で示されている。また、
図27では、基板10の図示が省略されている。尚、以下の説明において、左右方向、前後方向、及び上下方向の定義は上述のとおりである。
【0091】
RFIDタグ3は、上述した実施例1によるRFIDタグ1に対して、ICチップ20がICチップ20−3で置換され、アンテナ部30がアンテナ部30−3で置換され、且つ、接着層40が接着層40−3で置換された点が異なる。
【0092】
ICチップ20−3は、
図27に示すように、上述した実施例1によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が前後方向に並んで配置されている点が異なる。また、ICチップ20−3は、
図27に示すように、上述した実施例1による正方形の外形のICチップ20に対して、長方形の外形である点が異なる。ICチップ20−3は、長方形の長辺が前後方向に対応する向きで配置される。
【0093】
アンテナ部30−2は、基板10に形成される導体パターンにより形成される。アンテナ部30−2は、一端がICチップ20−3に電気的に接続される。アンテナ部30−2は、左側のアンテナ配線35と、右側のアンテナ配線36とを含む。アンテナ配線35及び34は、好ましくは、左右方向で同一の長さを有する。
【0094】
アンテナ配線35は、アンテナ本体部350と、ランド部位351とを含む。
【0095】
アンテナ本体部350は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図26に示す例では、アンテナ本体部350は、左端から中心線CL上を右方向へ延在し、ICチップ20−3の手前側で後側に垂直方向に屈曲し、再び左右方向に屈曲してランド部位351に繋がっている。しかしながら、アンテナ本体部350は、ランド部位351が
図26に示すようにICチップ20−3の後側に形成される限り、屈曲することなくランド部位351に繋がってもよいし、更なる他の形態でランド部位351に繋がってもよい。
【0096】
ランド部位351は、アンテナ配線35におけるバンプ101側の端部に形成される。アンテナ配線35は、ランド部位351において、
図27に示すように、バンプ101を介してICチップ20−3に電気的に接続される。
図27に示す例では、ランド部位351は、ICチップ20−3の中心Cに対して後側に形成される。この場合、ランド部位351における開口部352(後述)よりも前側の部位は、バンプ101に対応する位置に形成される。
【0097】
アンテナ配線35のアンテナ本体部350は、接着層40−3のフィレット際421−3に形成された複数の経路を介して、バンプ101に電気的に接続する。
図27に示す例では、複数の経路は、第1経路91、第2経路92、及び第3経路93の3経路である。第1経路91、第2経路92、及び第3経路93は、
図27に示すように、それぞれ、フィレット部42−3の下方においてバンプ101まで延在し、互いに合流する。このような第1経路91、第2経路92、及び第3経路93は、
図27に示すように、ランド部位351のパターンにおける2つの開口部352により形成される。2つの開口部352は、それぞれ、ランド部位351においてフィレット際421−3を跨ぐように形成される。2つの開口部352は、左右方向に並ぶ態様で形成される。
【0098】
同様に、アンテナ配線36は、アンテナ本体部360と、ランド部位361とを含む。
【0099】
アンテナ本体部360は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図26に示す例では、アンテナ本体部360は、右端から中心線CL上を左方向へ延在し、ICチップ20−3の手前側で前側に垂直方向に屈曲し、再び左右方向に屈曲してランド部位361に繋がっている。しかしながら、アンテナ本体部360は、ランド部位361が
図26に示すようにICチップ20−3の前側に形成される限り、屈曲することなくランド部位361に繋がってもよいし、更なる他の形態でランド部位361に繋がってもよい。
【0100】
ランド部位361は、アンテナ配線36におけるバンプ102側の端部に形成される。アンテナ配線36は、ランド部位361において、
図27に示すように、バンプ102を介してICチップ20−3に電気的に接続される。
図27に示す例では、ランド部位361における開口部362(後述)よりも後側の部位は、バンプ102に対応する位置に形成される。
【0101】
アンテナ配線36のアンテナ本体部360は、接着層40−3のフィレット際421−3に形成された複数の経路を介して、バンプ102に電気的に接続する。
図27に示す例では、複数の経路は、第4経路94、第5経路95、及び第6経路96の3経路である。第4経路94、第5経路95、及び第6経路96は、
図27に示すように、それぞれ、フィレット部42−3の下方においてバンプ102まで延在し、互いに合流する。このような第4経路94、第5経路95、及び第6経路96は、
図27に示すように、ランド部位361のパターンにおける2つの開口部362により形成される。2つの開口部362は、それぞれ、ランド部位361においてフィレット際421−3を跨ぐように形成される。2つの開口部362は、左右方向に並ぶ態様で形成される。
【0102】
接着層40−3は、基部41(
図4参照)と、フィレット部42−3とを含む。フィレット部42−3は、
図27に示すように、上述した実施例1による円形状のフィレット部42に対して、楕円状の外形である点が異なる。フィレット部42−3は、楕円の長軸が前後方向に対応する向きで形成される。尚、このようなフィレット部42−3の楕円状の形状は、ICチップ20−3の長方形の形状に起因する。これに伴い、フィレット際421−3は、同様の楕円状の外形である。
【0103】
本実施例3によっても、上述した実施例3と同様、フィレット際421−3での3経路化を実現するので、フィレット際421−3での2経路化を実現する上述した実施例1に比べて、RFIDタグ3が通信不能となる可能性を低くできる。
【0104】
ところで、上述のように、RFIDタグ3は、可撓性があり、曲げ変形が生じる機会が多く発生しうる。RFIDタグ3は、
図26に示すように、長方形の形状であるので、一般的に、長辺側が曲がるモードの曲げ変形が発生しやすい。例えば、基板10の左端と右端とが合わさる方向に曲がるとき、応力が最大となる個所は、基板10の左右方向の中央部である。しかしながら、基板10の左右方向の中心にはICチップ20−3が配置されているので、ICチップ20−3が実装されている領域では、ICチップ20−3の剛性に起因して基板10は曲がり難くなる。即ち、
図27に示すラインB1に沿った曲げ変形は発生し難い。このため、応力が最大となる個所は、左右方向で、ICチップ20−3が実装されている領域よりも外側である。ICチップ20−3が実装されている領域よりも外側には、フィレット部42−3があり、フィレット部42−3自体も剛性があるので、フィレット部42−3が形成される領域では、基板10は曲がり難い。その結果、応力が最大となる個所は、左右方向(長辺方向)でフィレット際421−3の最も外側の位置となる。例えば、
図27に示すラインB2に沿った基板10の曲げ変形が発生しやすくなり、この場合、フィレット際421−3の最も右側の位置P1(前後方向の中心位置)で応力が最大となる。このように、フィレット部42−3(上述の実施例1及び2におけるフィレット部42についても同様)を備える場合、左右方向(長辺方向)でフィレット際421−3の最も外側の位置で応力が最大となりやすい。以下、左右方向(長辺方向)でフィレット際421−3の最も外側の位置を、「フィレット際421−3の最外位置」とも称する。
【0105】
この点、本実施例3によれば、
図27に示すように、最大応力が発生しやすい位置、即ちフィレット際421−3の最外位置には、アンテナ配線35及び36が形成されない。これにより、長辺側が曲がるモードの曲げ変形の際に、アンテナ配線35及び36が破断し難くなり、上述の効果を更に高めることができる。この結果、曲げ変形が生じやすい厳しい環境においても、耐久性を更に高めることができる。
【0106】
また、本実施例3によれば、ICチップ20−3からの引き出し方向が前後方向である。即ち、ランド部位351は、ICチップ20−3の後側に配置され、ランド部位361は、ICチップ20−3の前側に配置される。これにより、フィレット際421−3での3経路化を実現しつつ、フィレット際421−3の最外位置にアンテナ配線35及び36(特に複数経路化された各経路)を形成しないようにすることが容易となる。
【0107】
また、本実施例3によれば、ICチップ20−3は、長方形の外形を有し、その長辺方向が前後方向に一致する向きに配置される。これにより、フィレット際421−3の最外位置に対するアンテナ配線35及び36の離間距離(前後方向で離れた距離)を、ICチップ20−3が他の向きで配置される場合に比べて増加できる。フィレット際421−3の最外位置に対するアンテナ配線35及び36の離間距離が大きいほど、アンテナ配線35及び36の破断の可能性を低減できる。但し、ICチップ20−3は、必ずしも当該向きに配置される必要はなく、また、正方形の外形を有してもよい。
【0108】
尚、本実施例3は、上述のように、フィレット際421−3での3経路化を実現する構成に適用されるが、
図28に示すように、フィレット際421−3での2経路化を実現する構成に適用してもよい。或いは、本実施例3は、フィレット際421−3での4経路化又はそれ以上の数で経路化を実現する構成に適用してもよい。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。実施例4は、以下で説明するように、ICチップ20−4の中心が基板10の中心と一致していない点が、上述した実施例2に対して異なる。実施例2と同一であってよい構成要素については、
図29及び
図30において同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0109】
図29は、実施例4によるRFIDタグを概略的に示す上面図である。
図30は、
図29のY2部の拡大図である。
図29では、内部が見えるように透視図でRFIDタグ4を示す。
図30では、ICチップ20−4又は接着層40−4よりも下側の部位については、点線で示されている。また、
図30では、基板10の図示が省略されている。尚、以下の説明において、左右方向、前後方向、及び上下方向の定義は上述のとおりである。
【0110】
RFIDタグ4は、上述した実施例2によるRFIDタグ2に対して、ICチップ20がICチップ20−4で置換され、アンテナ部30がアンテナ部30−4で置換され、且つ、接着層40が接着層40−4で置換された点が異なる。
【0111】
ICチップ20−4は、
図29に示すように、上述した実施例2によるICチップ20に対して、バンプ101及び102が左右方向に並んで配置されている点が異なる。また、ICチップ20−4は、
図29に示すように、上述した実施例2による正方形の外形のICチップ20に対して、長方形の外形である点が異なる。ICチップ20−4は、長方形の長辺が左右方向に対応する向きで配置される。
【0112】
アンテナ配線37は、アンテナ本体部370と、ランド部位371とを含む。
【0113】
アンテナ本体部370は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図29に示す例では、アンテナ本体部370は、基板10の左端側から、基板10の中心線CLよりも後側で右方向へ延在し、ICチップ20−4の手前側で前側に垂直方向に屈曲して中心線CLを跨ぎ、再び左右方向に屈曲してランド部位371に繋がっている。
【0114】
ランド部位371は、アンテナ配線37におけるバンプ101側の端部に形成される。アンテナ配線37は、ランド部位371において、
図30に示すように、バンプ101を介してICチップ20−4に電気的に接続される。
図30に示す例では、ランド部位371は、その中心が中心線CLに対して前側に来るように形成される。また、ランド部位371は、ICチップ20−4の中心Cに対して左側に形成される。この場合、ランド部位371における開口部372(後述)よりも右側の部位は、バンプ101に対応する位置に形成される。
【0115】
アンテナ配線37のアンテナ本体部370は、接着層40−4のフィレット際421−3に形成された複数の経路を介して、バンプ101に電気的に接続する。複数の経路は、ランド部位371のパターンにおける2つの開口部372により形成される。この態様は、上述した実施例2と実質的に同様であるので、更なる説明を省略する。
【0116】
同様に、アンテナ配線38は、アンテナ本体部380と、ランド部位381とを含む。
【0117】
アンテナ本体部380は、所定の線幅で左右方向に直線状に延在する。尚、
図29に示す例では、アンテナ本体部380は、基板10の右端側から、基板10の中心線CLよりも後側で左方向へ延在し、ICチップ20−4の手前側で前側に垂直方向に屈曲して中心線CLを跨ぎ、再び左右方向に屈曲してランド部位381に繋がっている。
【0118】
ランド部位381は、アンテナ配線38におけるバンプ102側の端部に形成される。アンテナ配線38は、ランド部位381において、
図30に示すように、バンプ102を介してICチップ20−4に電気的に接続される。
図30に示す例では、ランド部位381は、その中心が中心線CLに対して前側に来るように形成される。また、ランド部位381は、ICチップ20−4の中心Cに対して右側に形成される。この場合、ランド部位381における開口部382(後述)よりも左側の部位は、バンプ102に対応する位置に形成される。
【0119】
アンテナ配線38のアンテナ本体部380は、接着層40−4のフィレット際421−4に形成された複数の経路を介して、バンプ102に電気的に接続する。複数の経路は、ランド部位381のパターンにおける2つの開口部382により形成される。この態様は、上述した実施例2と実質的に同様であるので、更なる説明を省略する。
【0120】
接着層40−4は、基部41(
図4参照)と、フィレット部42−4とを含む。フィレット部42−4は、
図30に示すように、上述した実施例2による円形状のフィレット部42に対して、楕円状の外形である点が異なる。フィレット部42−4は、楕円の長軸が左右方向に対応する向きで形成される。尚、このようなフィレット部42−4の楕円状の形状は、ICチップ20−4の長方形の形状に起因する。これに伴い、フィレット際421−4は、同様の楕円状の外形である。
【0121】
本実施例4によっても、上述した実施例2と同様、フィレット際421−4での3経路化が実現される。これにより、フィレット際421−4での2経路化を実現する上述した実施例1に比べて、RFIDタグ3が通信不能となる可能性を低くできる。
【0122】
ところで、上述のように、RFIDタグ4は、可撓性があり、曲げ変形が生じる機会が多く発生しうる。RFIDタグ4は、
図31に示すように、長方形の形状であるので、長辺側が曲がるモード、及び短辺側が曲がるモードの曲げ変形のいずれにおいても、応力が最大となる個所は、基板10の中心Pc付近となる。
【0123】
この点、本実施例4によれば、
図30に示すように、最大応力が発生しやすい位置、即ち基板10の中心Pcに対してICチップ20−4が前方向にオフセットして配置されている。これにより、アンテナ配線37及び38、特に3経路化を実現する各径路が跨ぐフィレット際421−4の各区間を、基板10の中心Pcに対して前方向にオフセットできる。この結果、アンテナ配線37及び38が破断し難くなり、上述の効果を更に高めることができる。即ち、各種の曲げモードでの曲げ変形が生じやすい厳しい環境においても、耐久性を更に高めることができる。
【0124】
尚、上述した実施例4では、基板10の中心Pcに対してICチップ20−4が前方向にオフセットして配置されているが、基板10の中心Pcに対してICチップ20−4が後方向にオフセットして配置されてもよい。即ち、
図29に示した構成に対して中心線CLに関して線対称な構成であってもよい。
【0125】
また、上述した実施例4では、上述のように、フィレット際421−4での3経路化を実現する構成に適用されるが、フィレット際421−4での2経路化を実現する構成に適用してもよい。或いは、本実施例4は、フィレット際421−4での4経路化又はそれ以上の数で経路化を実現する構成に適用してもよい。
【0126】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0127】
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
基板と、
前記基板に接着剤で接合され、前記基板に接合される側の第1面に第1接続端子を備えるチップと、
前記基板に形成され、前記第1接続端子に電気的に接続される第1アンテナ配線と、
前記接着剤により形成され、前記基板における前記チップの前記第1面に対向する領域に設けられる基部と、前記基板における前記チップの周辺領域に設けられるフィレット部とを備える接着層と、を備え、
前記第1アンテナ配線は、前記接着層の前記フィレット部の外周縁に形成された複数の経路を介して、前記第1接続端子に電気的に接続される、RFIDタグ。
(付記2)
前記基板は、フレキシブル基板である、付記1に記載のRFIDタグ。
(付記3)
前記接着層のフィレット部は、前記チップの側面に接合する高さを有する、付記1又は2に記載のRFIDタグ。
(付記4)
前記複数の経路は、前記第1アンテナ配線の導体パターンにおける開口部により形成される、付記1〜3のうちのいずれか1項に記載のRFIDタグ。
(付記5)
前記複数の経路は、前記第1アンテナ配線の導体パターンにおけるスリットにより形成される、付記1〜3のうちのいずれか1項に記載のRFIDタグ。
(付記6)
前記第1アンテナ配線の導体パターンは、前記第1接続端子に接続される側の端部において2つ以上の開口部が形成され、
前記2つ以上の開口部のそれぞれは、前記外周縁を跨ぐように形成される、付記1〜3のうちのいずれか1項に記載のRFIDタグ。
(付記7)
前記複数の経路の数は、前記開口部の数よりも1つ多い、付記6に記載のRFIDタグ。
(付記8)
前記チップは、前記第1面に第2接続端子を更に備え、
前記基板に形成され、前記第2接続端子に電気的に接続される第2アンテナ配線を更に備え、
前記第2アンテナ配線は、前記接着層の前記フィレット部の外周縁に形成された複数の経路を介して、前記第2接続端子に電気的に接続される、付記1〜7のうちのいずれか1項に記載のRFIDタグ。
(付記9)
前記基板は、長辺方向と短辺方向を有し、
前記第1接続端子は、前記基板の中心に対して前記短辺方向の第1側で配置され、
前記第2接続端子は、前記基板の中心に対して前記短辺方向の第2側で配置され、
前記第1アンテナ配線に係る前記複数の経路は、前記基板の中心に対して前記短辺方向の前記第1側に位置し、
前記第2アンテナ配線に係る前記複数の経路は、前記基板の中心に対して前記短辺方向の前記第2側に位置する、付記8に記載のRFIDタグ。
(付記10)
前記基板は、長辺方向と短辺方向を有し、
前記第1接続端子は、前記基板の中心に対して前記長辺方向の第1側で配置され、
前記第2接続端子は、前記基板の中心に対して前記長辺方向の第2側で配置され、
前記第1アンテナ配線に係る前記複数の経路は、前記基板の中心に対して前記長辺方向の前記第1側に位置し、
前記第2アンテナ配線に係る前記複数の経路は、前記基板の中心に対して前記長辺方向の前記第2側に位置する、付記8に記載のRFIDタグ。
(付記11)
前記チップは、前記基板の中心に対して前記短辺方向にオフセットした位置に配置される、付記10に記載のRFIDタグ。
(付記12)
前記第2アンテナ配線に係る前記複数の経路は、前記第1面に対して垂直方向に視たとき、前記第1アンテナ配線に係る前記複数の経路に対して、前記チップの中心に関して点対称に配置される、付記8に記載のRFIDタグ。