(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記揺動軸が傾倒されない状態で前記揺動軸が貫く側から見て、前記揺動軸の周囲に前記揺動負荷付与ユニットが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作装置。
前記揺動軸が傾倒されない状態で前記揺動軸が貫く側から見て、前記揺動負荷付与ユニットのそれぞれが、前記揺動軸の軸中心とのなす中心角が等角度となるように配設されていることを特徴とする請求項4に記載の操作装置。
【背景技術】
【0002】
近年、操作者が操作部材を操作した際に、この操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与することにより、操作フィーリングを良好にして所望の操作が確実に行えるようにしたフォースフィードバック機能付きの操作装置が種々提案されている。特に、エアコンやオーディオあるいはナビゲーション等の車載用制御機器の操作においては、視認しながら操作するのではなく、ブラインド操作する場合が多く、操作部材(操作ノブ)に対して力覚を付与することは、安全性の面からも有効であった。
【0003】
このような操作装置を用いた自動車用の手動入力装置800が特許文献1(従来例1)に提案されている。
図9は、従来例1の手動入力装置800を説明する図であって、その基本構成の要部を示す縦断面図である。
【0004】
図9に示す手動入力装置800は、運転者(操作者)により手動操作され回転するノブ880(操作部材)と、ノブ880と一体的に設けられたキャリア軸851を有する遊星歯車機構と、遊星歯車機構のリングギア862を常に固定する円筒状のリングギアケース860(固定部材)と、遊星歯車機構のサンギア832と係合した出力軸811を有するモータ810と、モータ810の出力軸811の回転を検出するエンコーダ830(検出手段)と、エンコーダ830の検出結果に応じてモータ810の回転を制御する制御手段と、を備えて構成されている。そして、手動入力装置800は、所定のタイミングでモータ810を回転させ、この回転力を遊星歯車機構を介してノブ880に伝達し、所定の操作感触を操作者に与えるようにしている。
【0005】
しかしながら、この手動入力装置800は、良好な操作感触を与えることができるが、モータ810を用いているので、更なる小型化の要望に対して対応が難しいものであった。そこで、モータ810を用いないで、操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法が模索されてきた。
【0006】
特許文献2(従来例2)では、自身の流動性が磁場発生手段により影響を受ける磁気粘性流体を用いたジョイスティック装置901(入力装置)が提案されている。
図10は、従来例2のジョイスティック装置901を説明する図であって、縦断面図である。但し、操作レバー902及び揺動基部903は断面化されていない。
【0007】
図10に示すジョイスティック装置901は、所定傾斜角内で揺動可能な操作レバー902と、操作レバー902の下端に固設された揺動基部903と、揺動基部903が嵌め込まれた球面状の受け部906を有するベース904と、受け部906内に充填された磁気粘性流体(図示していない)と、を備えて構成されている。また、揺動基部903には、受け部906内の空間領域を複数に隔てる隔壁932と、隔壁932を貫通して空間領域同士を連通する連通孔933と、が設けられている。また、ベース904は、磁束を発生させるコイル941と、コイル941を保持するボビン942と、磁束を誘導するヨーク943と、非磁性体からなる中間体944と、を備えて構成されている。
【0008】
そして、コイル941に通電を行うと、
図10に破線で示す矢印YJに沿って磁路が形成され、磁気粘性流体の粘度が電流値に応じて高くなるとともに、磁気粘性流体が連通孔933を通過することも阻害される。このため、ジョイスティック装置901は、コイル941に電流を印加しない状態と比較して、操作レバー902を操作する際の操作抵抗を高めることができ、モータを用いないで、操作レバー902への操作感触を操作者に対して与えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来例2では、操作レバー902の操作によって揺動基部903が受け部906の球面に沿ってあらゆる角度に可動するようになっているが、形成される磁路は、
図10に示す上側から下側に向かった上下方向となっている。このため、揺動基部903の表面に沿って存在する磁気粘性流体に対して、あらゆる角度で磁界がかかることとなる。しかしながら、従来例2のような構成では、可動する部材(揺動基部903)の可動方向と磁気粘性流体にかかる磁界の方向とが直交する方向(効率が良いとされている方向)にできず、コイルが発生した磁束を効率良く操作感触に用いることができないという課題があった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するもので、磁気粘性流体を用いて良好な操作感触が得られる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、本発明の操作装置は、操作者の操作により揺動動作する操作体を有した操作部材と、該操作体の揺動を自在に支持する支持体と、前記操作体に対して揺動負荷を付与する揺動負荷付与ユニットと、を備えた操作装置であって、前記操作体には、前記操作に応じて、一端側を支点として他端側が可動する揺動軸を有し、前記支持体には、前記揺動軸の前記支点を支持し前記操作体の遥動を可能にする支点支持部を有し、前記揺動負荷付与ユニットが、前記揺動軸の前記揺動動作と連動してスライド動作する可動部材と、該可動部材と隙間を挟んで対向する磁気発生機構と、該隙間の少なくとも一部に存在し磁界の強さに応じて粘性が変化する磁気粘性流体と、を備え、前記磁気発生機構が、通電により磁界を発生させるコイルと、該コイルを囲むように設けられ前記可動部材の一方側に配設された第1ヨークと、を備えていることを特徴としている。
【0013】
これによれば、本発明の操作装置は、コイルへの通電により磁界が発生し、磁路が第1ヨークから可動部材側に広がって形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1ヨークから可動部材、可動部材から第1ヨークにかけて形成された磁束を横切る方向にスライド動作する可動部材に対して、磁気粘性流体によりスライド負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び揺動軸を介して操作体に揺動負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置を提供することができる。
【0014】
また、本発明の操作装置は、前記揺動軸の一端が曲面状の凸形状であるか若しくは曲面状の凹形状であり、前記支点支持部には、前記凸形状に対応した形状の凹部若しくは前記凹形状に対応した形状の凸部を有しており、前記揺動軸の前記一端と他端との間に連結部が設けられており、該連結部が、前記揺動軸が中央を貫く球体形状の球部と、該球部を取り囲み該球体形状に対応した形状の受部と、該受部が設けられた基部と、を有し、該基部と前記可動部材とが接続されていることを特徴としている。
【0015】
これによれば、揺動軸の一端を支点として、支点支持部が操作体(揺動軸)をあらゆる方向に揺動動作させることができる。また、揺動軸の一端と他端との間に設けられた球部と受部とが摺動することにより、揺動軸の傾倒動作に対して、受部が設けられた基部がスライド動作することとなる。このため、簡単な構成でありながら、操作者により揺動動作する操作体(揺動軸)に対して、基部に接続された可動部材をスライド動作させることができる。
【0016】
また、本発明の操作装置は、前記可動部材が軟磁性体からなることを特徴としている。
【0017】
これによれば、第1ヨークから可動部材に、可動部材から第1ヨークにかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が第1ヨークと可動部材と互いに対向する対向面方向に揃うこととなる。このため、磁性粒子が揃った対向面方向を横切る方向にスライド動作する可動部材に対して、より強いスライド負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び回転軸を介して操作体により強い揺動負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0018】
また、本発明の操作装置は、前記磁気発生機構が前記可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークを有することを特徴としている。
【0019】
これによれば、可動部材のスライド動作する方向と垂直な方向に磁性粒子を揃えることができ、より強い揺動負荷をかけることができる。
【0020】
また、本発明の操作装置は、前記可動部材と前記第2ヨークとの隙間に前記磁気粘性流体が充填されていることを特徴としている。
【0021】
これによれば、磁束を横切る方向にスライド動作する可動部材に対して、更なる揺動負荷を付与することができる。このことにより、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0022】
また、本発明の操作装置は、前記揺動軸が傾倒されない状態で前記揺動軸が貫く側から見て、前記揺動軸の周囲に前記揺動負荷付与ユニットが複数設けられていることを特徴としている。
【0023】
これによれば、更なる揺動負荷を付与することができる。このことにより、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0024】
また、本発明の操作装置は、前記揺動軸が傾倒されない状態で前記揺動軸が貫く側から見て、前記揺動負荷付与ユニットのそれぞれが、前記揺動軸の軸中心とのなす中心角が等角度となるように配設されていることを特徴としている。
【0025】
これによれば、あらゆる方向への揺動操作に対して、それぞれの可動部材に均等にスライド負荷を付与することができる。このことにより、より一層良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の操作装置は、コイルへの通電により磁界が発生し、磁路が第1ヨークから可動部材側に広がって形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1ヨークから可動部材、可動部材から第1ヨークにかけて形成された磁束を横切る方向にスライド動作する可動部材に対して、磁気粘性流体によりスライド負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び揺動軸を介して操作体に揺動負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置100の斜視構成図である。
図2は、
図1に示すZ1側から見た操作装置100の上面構成図である。
図3は、
図2に示すIII−III線における操作装置100の断面構成図である。
【0030】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、
図1及び
図2に示すような矩形の外観を呈し、
図3に示すように、操作者の操作により揺動動作する操作体11を有した操作部材1と、操作体11の揺動を自在に支持する支持体3と、操作体11に対して揺動負荷を付与する揺動負荷付与ユニットF5と、操作体11と揺動負荷付与ユニットF5とを連結する連結部4と、を備えて主に構成されている。また、揺動負荷付与ユニットF5は、
図3に示すように、操作体11の揺動動作と連動してスライド動作する可動部材55と、可動部材55と隙間5gを挟んで対向する磁気発生機構FM5と、この隙間5gに存在する磁気粘性流体75と、を備えて構成されている。
【0031】
また、第1実施形態の操作装置100では、上述の構成要素に加え、
図3に示すように、磁気発生機構FM5を固定する固定部材6と、可動部材55の外周の外側(
図3ではX1方向側或いはX2方向側)に配設された側壁スペーサS17と、揺動負荷付与ユニットF5の中に配設されるスリットスペーサS57と(
図3を参照)、可動部材55を挟持して配設されたスペーサ体S77と、を有している。そして、この操作装置100は、操作部材1の操作部51(操作ノブ)が操作体11の他端側に係合され、操作者により操作部51が把持されて操作され、操作体11が全方向に傾倒動作するようになっている。
【0032】
また、この際に、操作体11の傾倒動作を検出する検出手段、例えば、可動部材55のスライド動作を検出するスライド検出手段を備えると、この操作装置100は、傾倒操作型の入力装置として用いることができる。例えば、このスライド検出手段として、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗体パターンを摺接する摺動子とから構成された、所謂、スライド型可変抵抗器を用いると、このスライド型可変抵抗器を操作体11と連動する可動部材55に係合させることで、容易に操作体11の傾倒動作を検出することができる。なお、スライド検出手段として、スライド型可変抵抗器に限るものではない。例えば、永久磁石と磁気検出センサを用いた磁気式の検出装置であっても良い。
【0033】
先ず、操作装置100の操作部材1について説明する。操作部材1は、
図1に示すように、操作者が把持する操作部51と、操作者の傾倒操作に伴って傾倒動作する操作体11と、を有している。
【0034】
操作部材1の操作体11は、鉄等の金属材料を用い、
図3に示すように、円柱形状で一端側(
図3に示すZ2側)を支点として他端側(
図3に示すZ1側)が大きく可動する揺動軸11jを有して作製されている。なお、本発明の第1実施形態では、操作体11は、揺動軸11jのみで簡単に構成されている。
【0035】
また、
図3に示すように、揺動軸11jの一端が曲面状の凸形状に形成されており、後述する支持体3の支点支持部23と当接している。また、揺動軸11jの他端側には、
図1に示す操作部51が係合されて取り付けられている。
【0036】
操作部材1の操作部51は、
図1に示すように、操作者が把持し易いような細長い楕円形状に形成されており、その作製は、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、polybutylene terephtalate)等の合成樹脂を用いて射出成形されている。
【0037】
次に、操作装置100の支持体3について簡単に説明する。支持体3は、
図3に示すように、揺動軸11jの一端を支持する支点支持部23と、揺動軸11jと下方側(
図3に示すZ2方向側)で係合されたばね部材33と、揺動軸11jと上方側(
図3に示すZ1方向側)で係合された軸支持部53と、から主に構成されている。そして、この支持体3は、操作体11(揺動軸11j)の揺動(傾倒動作)が自在になるように、操作部材1を支持している。
【0038】
支持体3の支点支持部23は、ポリアセタール(POM、polyoxymethylene)等の合成樹脂を用い、
図3に示すように、揺動軸11jの凸形状に対応した形状の凹部23uを有して平板状に射出成形されて作製されている。そして、後述する固定部材6の蓋体96に載置されて固定されている。これにより、揺動軸11jの一端が支点として、操作体11(揺動軸11j)をあらゆる方向に揺動動作させることができる。
【0039】
支持体3のばね部材33は、詳細な図示はしていないが、一般的なコイルばねを用いており、
図3に示すように、一端側が揺動軸11jに係合されているとともに、他端側が磁気発生機構FM5(後述する第1ヨーク15)に係合されている。これにより、ばね部材33は、揺動軸11jの傾倒動作に伴って、揺動軸11jに対して引っ張りまたは押圧の力を与えることとなる。このため、例えば、操作者により操作部51が傾倒操作されて、揺動軸11j及び操作部51が初期状態から傾倒移動した後に、傾倒操作が中止された際に、このばね部材33により揺動軸11j及び操作部51を初期状態に自動復帰させることができる。
【0040】
支持体3の軸支持部53は、弾性変形が可能なゴム材料を用いており、一端側が揺動軸11jを取り囲むようにして係合されているとともに、他端側が磁気発生機構FM5(後述する第2ヨーク25)と係合されている。そして、軸支持部53は、中間部分がシート状に形成されており、揺動軸11jを支持しているとともに、揺動軸11jの全方向への傾倒動作を可能にしている。
【0041】
次に、操作装置100の連結部4について簡単に説明する。連結部4は、
図3に示すように、揺動軸11jの一端と他端との間に設けられており、球体形状の球部14と、球体形状に対応した形状の受部34と、受部34が設けられた基部44と、を有して構成されている。
【0042】
連結部4の球部14は、鉄等の金属材料を用いて球体形状に作製されており、揺動軸11jが中央を貫く孔を有している。そして、球部14は、揺動軸11jに固定されている。
【0043】
連結部4の受部34及び基部44は、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂を用いて、一体に射出成形されて作製されており、
図3に示すように、2つの部材で球部14を取り囲むようにして配設されている。これにより、球部14と受部34とが摺動することにより、揺動軸11jの傾倒動作に対して、受部34及び基部44がスライド移動(
図3ではX方向の移動)することを可能にしている。
【0044】
また、基部44には、揺動負荷付与ユニットF5の可動部材55の一部が埋設されて固定接続されている。このため、簡単な構成でありながら、操作者により揺動動作する操作体11(揺動軸11j)に対して、基部44に接続された可動部材55をスライド動作させることができる。
【0045】
次に、操作装置100の揺動負荷付与ユニットF5について説明する。
図4は、揺動負荷付与ユニットF5を説明する構成図であって、
図2に示す筐体76を省略した上面図である。
図4には、説明を分かり易くするため、第2ヨーク25の隠れている部分の可動部材55を破線で示している。
図5は、
図4に示すP部分の拡大断面図である。
【0046】
揺動負荷付与ユニットF5は、前述したように、
図3に示すように、揺動軸11j揺動動作と連動してスライド動作する可動部材55と、可動部材55と隙間5gを挟んで対向する磁気発生機構FM5と、この隙間5gに存在する磁気粘性流体75と、を備えて構成されている。更に、揺動負荷付与ユニットF5の磁気発生機構FM5は、通電により磁界を発生させるコイル35と、コイル35を囲むように設けられた第1ヨーク15と、可動部材55との隙間5gである第2隙間5gbを挟んで対向する第2ヨーク25と、コイル35への通電を制御する操作制御部(図示していない)と、を有して構成されている。
【0047】
また、揺動負荷付与ユニットF5は、揺動軸11jが傾倒されない状態で揺動軸11jが貫く側から見て、
図4に示すように、4つ設けられている。しかも、本発明の第1実施形態では、4つの揺動負荷付与ユニットF5のそれぞれは、揺動軸11jの軸中心ACとのなす中心角が等角度、つまり90°の等角度となるような均等な位置に配設されている。そして、揺動負荷付与ユニットF5は、操作者による傾倒操作を受けて、操作体11に揺動負荷付与ユニットF5からの負荷を与えることにより、操作者に対して操作部材1の操作部51へ揺動負荷を付与するように構成されている。
【0048】
これにより、4つの揺動負荷付与ユニットF5から揺動軸11j(操作部51)に揺動負荷を付与することができ、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。更に、更に、あらゆる方向への揺動操作に対して、4つの揺動負荷付与ユニットF5からそれぞれの可動部材55に均等に揺動負荷を付与することができる。このことにより、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0049】
先ず、揺動負荷付与ユニットF5の磁気発生機構FM5について説明する。磁気発生機構FM5のコイル35は、金属線材が環状に巻回されて形成されており、軸中心ACが垂直に貫く横断面側から見て(
図4を参照)、外形が八角形状に作製されている。そして、このコイル35に通電することにより、コイル35の周囲に磁界が発生するようになっている。また、コイル35は、4つの揺動負荷付与ユニットF5にまたがって1つ設けられている。つまり、4つの揺動負荷付与ユニットF5に対して、1つのコイル35を共用している。なお、コイル35は、金属線材が巻回されて束ねられた形状となっているが、
図3及び
図4では、簡略化して、表面を平坦にして示している。
【0050】
次に、磁気発生機構FM5の第1ヨーク15は、
図3に示すように、コイル35を囲むようにして設けられ、環状のコイル35の内径側(揺動軸11jに対向する側)を覆う内ヨーク15Aと、環状のコイル35の外径側(固定部材6に対向する側)を覆う外ヨーク15Cと、を有して構成されている。そして、この第1ヨーク15により、コイル35から発生する磁束が閉じ込められ、効率的に可動部材55側に磁界が作用することとなる。なお、詳細な図示はしていないが、内ヨーク15Aが固定部材6(後述する蓋体96)に固定されているとともに、外ヨーク15Cが固定部材6(後述する筐体76)に固定されている。
【0051】
また、内ヨーク15A及び外ヨーク15Cは、詳細な図示はしていないが、それぞれコの字形状に形成されており、それぞれ重ね合わされて、筒形状の第1ヨーク15を形成している。その際には、内ヨーク15A及び外ヨーク15Cが図示していない2つのピンで係合されるとともに、位置決めがされている。そして、第1ヨーク15の内ヨーク15A及び外ヨーク15Cのそれぞれは、八角形状の1辺を覆うようにして配設されている。なお、他の3つの揺動負荷付与ユニットF5においても、第1ヨーク15の内ヨーク15A及び外ヨーク15Cのそれぞれは、八角形状の1辺を覆うようにして配設されている。
【0052】
また、第1ヨーク15は、
図3に示すように、可動部材55の一方側(
図3に示す下方側、Z2方向側)に配設されて、可動部材55と対向する側の内ヨーク15A及び外ヨーク15Cが可動部材55との隙間5gである第1隙間5gaを挟んで対向している。ここで、可動部材55と対向している内ヨーク15Aの部分を、第1ヨーク15の第1対向部TA5とし、可動部材55と対向している外ヨーク15Cの部分を、第2対向部TC5としている。
【0053】
また、
図3に示すように、第1対向部TA5と第2対向部TC5との間には、スリット(ヨークスリット)を有しており、このスリットの幅は、第1ヨーク15と可動部材55との隙間5gである第1隙間5gaより狭くなっている。これにより、コイル35への通電により磁界が発生し、例えば第1ヨーク15の第1対向部TA5から可動部材55側にかけて磁路が確実に形成されるとともに、可動部材55側から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて磁路が確実に形成されるようになる。
【0054】
また、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15のスリット(ヨークスリット)の部分には、直方体形状のスリットスペーサS57(
図3を参照)が収納されている。このスリットスペーサS57は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されており、第1ヨーク15(内ヨーク15A)の第1対向部TA5と第1ヨーク15(外ヨーク15C)の第2対向部TC5とを磁気回路においても分割している。なお、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15が、内ヨーク15A及び外ヨーク15Cの2つの部品で構成されているが、これに限るものではなく、3つ以上の部品で構成されていても良い。
【0055】
次に、磁気発生機構FM5の第2ヨーク25は、板状形状で形成されており、
図3及び
図5に示すように、可動部材55の他方側(
図3に示す上方側、Z1方向側)に配設されて、可動部材55との隙間5gである第2隙間5gbを挟んで対向している。これにより、コイル35から発生した磁束が、第1ヨーク15の第1対向部TA5から第2ヨーク25に、第2ヨーク25から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて確実に貫くこととなる。このため、可動部材55のスライド動作するスライド方向(
図4に示すX−Y平面に沿った方向)と垂直な方向、つまり縦断面方向(
図3に示すZ方向)に確実に磁路が形成される。
【0056】
また、第1ヨーク15と第2ヨーク25との間には、可動部材55の外周の三方向を囲むようにして配設された側壁スペーサS17が設けられている。この側壁スペーサS17も、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて射出成形されて作製されており、第1ヨーク15と第2ヨーク25とを磁気回路においても分割している。
【0057】
また、残りの一方向には、
図3に示すように、可動部材55を挟んで2つ配設されたススペーサ体S77が設けられている。このスペーサ体S77は、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂を用いて、射出成形されて作製されており、可動部材55と摺動することにより、可動部材55のスライド移動を可能にしている。そして、第1ヨーク15と第2ヨーク25と側壁スペーサS17とスペーサ体S77とで、揺動軸11j(操作体11)に沿った方向(
図3に示すZ方向)に対して直交する方向(X−Y平面の方向)に狭い収容空間を形成している。この狭い収容空間に、揺動負荷付与ユニットF5の可動部材55が配設されるようになる。
【0058】
次に、磁気発生機構FM5の操作制御部は、集積回路(IC、integrated circuit)を用いており、コイル35への通電量、通電のタイミング等を制御している。具体的には、例えば、操作者の操作により傾倒操作がされた際に、操作体11のスライド動作を検出するスライド検出手段からの検出信号を受けて、操作制御部は、コイル35にある一定量の電流を流したり、操作体11の操作位置に応じて電流量を変化させたりしている。
【0059】
また、操作制御部は、図示していない回路基板に搭載されて、コイル35と電気的に接続されている。なお、操作制御部及び回路基板は、磁気発生機構FM5の近傍に好適に配設されているが、これに限るものではない。例えば、操作制御部は、フレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)等でコイル35と接続され、適用される製品の母基板(マザーボード)に搭載されていても良い。
【0060】
次に、揺動負荷付与ユニットF5の可動部材55について説明する。可動部材55は、鉄等の軟磁性体から形成されており、
図3及び
図4に示すように、板状で矩形状に形成されている。そして、可動部材55の一端側は、
図4に示すように、連結部4の基部44と係合されて、操作体11の揺動軸11jと一体化している。これにより、操作体11の全方向への傾倒動作に伴って、可動部材55がX−Y平面に沿ってスライド移動することとなる。
【0061】
また、可動部材55は、操作装置100が組み立てられた際には、
図3に示すように、上述した狭い収容空間に収容される。そして、可動部材55は、第1ヨーク15と隙間5g(第1隙間5ga)を有して対向するとともに、第2ヨーク25と隙間5g(第2隙間5gb)を有して対向するようになる。これにより、コイル35から発生した磁束が、第1ヨーク15の第1対向部TA5から可動部材55に、可動部材55から第2ヨーク25に、第2ヨーク25から可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて、確実に貫くこととなる。このため、可動部材55のスライド動作する方向(
図4に示すX−Y平面に沿った方向)と垂直な方向(
図3に示すZ方向)により確実に磁路が形成される。
【0062】
次に、揺動負荷付与ユニットF5の磁気粘性流体75について説明する。
図6は、磁気粘性流体75について説明する模式図であって、
図6(a)は、磁界が印加されていない状態の磁気粘性流体75の図であり、
図6(b)は、磁界が印加されている状態の磁気粘性流体75の図である。なお、
図6(b)には、説明を分かり易くするために磁界(磁束)の流れを2点鎖線で示している。
【0063】
磁気粘性流体75は、
図6(a)に示すように、有機溶剤等の溶質SV中に、鉄やフェライト等の磁性を有した微細な磁性粒子JRが分散した物質であって、一般的にMR流体(Magneto Rheological Fluid)と呼称されている。この磁気粘性流体75は、磁界の強さに応じて粘性が変化する特性を有しており、同じような磁性流体(Magnetic Fluid)とは区別されている。両者の形態の大きな違いは粉体の粒子径であり、MR流体の方が1μm〜1mm程度で、磁性流体の方が10nm〜1μm程度で、MR流体の方が磁性流体と比べて粒子径が100〜1000倍程度、大きくなっている。
【0064】
ここで、この磁気粘性流体75における“磁界の強さに応じて粘性が変化する”ことについて簡単に説明する。先ず、磁気粘性流体75に磁界がかかっていない場合、
図6(a)に示すように、磁性粒子JRが不規則に溶質SV中に分散している。この際に、例えば可動部材55がスライド動作する(
図6(a)に示すX方向)と、比較的低い抵抗力を受けながら可動部材55が容易にスライド動作する。
【0065】
次に、磁気発生機構FM5のコイル35に電流が流されて磁界が発生すると、
図6(b)に示すように、磁気粘性流体75に対して作用する磁界に沿って(
図6(b)ではZ方向に沿って)、磁性粒子JRが直鎖状に規則的に揃うようになる。なお、この規則性の度合いは、磁界の強さに応じて変化している。つまり、磁気粘性流体75に対して作用する磁界が強くなればなる程、規則性の度合いが強くなる。そして、この直鎖状に揃った磁性粒子JRの規則性を崩す方向に対して、より強いせん断力が働き、結果として、この方向に対しての粘性が強くなってくる。特に、作用した磁界に対して直交する方向(
図6(b)ではX方向)に最も高いせん断力が働いている。
【0066】
そして、このような通電状態(
図6(b)に示す状態)で、可動部材55がスライド動作すると、可動部材55に対して抵抗力が生じ、可動部材55と連結部4を介して接続された揺動軸11j(操作体11)に、この抵抗力(揺動負荷)が伝達するようになる。これにより、揺動負荷付与ユニットF5は、操作者に対して揺動操作の揺動負荷を付与することができる。その際に、操作制御部によりコイル35への通電量や通電のタイミング等を制御しているので、操作者に対して任意のタイミングで任意の揺動負荷を自由に与えることができる。
【0067】
この“磁界の強さに応じて抵抗力(揺動負荷)が強くなる”ことを検証した結果を
図7に示す。
図7は、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流と操作体11にかかるトルクとの関係の一例を表したグラフである。横軸は電流(A)で縦軸がトルク(Nm)である。このトルクは、操作体11(揺動軸11j)にかかる抵抗力(揺動負荷)に相当する。
図7に示すように、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流を大きくすると、それに伴って発生する磁界が強くなり、この磁界の強さに伴ってトルク、つまり操作体11にかかる抵抗力(揺動負荷)が増大するようになる。
【0068】
本発明の第1実施形態では、上述した特性を有した磁気粘性流体75を好適に用いている。つまり、
図3及び
図5に示すように、磁気粘性流体75が第1ヨーク15と可動部材55との隙間5gである第1隙間5gaに配設され、特に、第1ヨーク15の第1対向部TA5及び第2対向部TC5と可動部材55との第1隙間5gaに充填されている。これにより、第1ヨーク15(第1対向部TA5)から可動部材55、可動部材55から第1ヨーク15(第2対向部TC5)にかけて形成された磁束を横切る方向(
図4に示すX−Y平面に沿った方向)にスライド動作する可動部材55に対して、磁気粘性流体75により可動負荷(スライド負荷)がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び揺動軸11jを介して操作体11に揺動負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置100を提供することができる。
【0069】
更に、本発明の第1実施形態では、
図3及び
図5に示すように、可動部材55と第2ヨーク25との隙間5gである第2隙間5gbにも磁気粘性流体75が充填されている。ここに充填された磁気粘性流体75にも、第1ヨーク15(第1対向部TA5)から可動部材55を介して第2ヨーク25に、第2ヨーク25から可動部材55を介して第1ヨーク15(第2対向部TC5)にかけて形成された磁束が作用することとなる。このため、可動部材55のスライド動作する方向と垂直な方向(縦断面方向)に磁性粒子JRを揃えることができ、より強いスライド負荷をかけることができる。このことにより、操作体11に対して更なる揺動負荷を付与することができ、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0070】
最後に、操作装置100の固定部材6について説明する。固定部材6は、
図1に示すように、揺動軸11j(操作体11)が挿通される貫通穴76kを有する筐体76と、筐体76の一方側(下方側、
図1に示すZ2方向側)の開口を覆う蓋体96と、備えて構成されている。そして、前述したように、固定部材6の筐体76が磁気発生機構FM5(第1ヨーク15)の内ヨーク15Aを固定しているとともに、固定部材6の蓋体96が磁気発生機構FM5(第1ヨーク15)の外ヨーク15Cを固定している。
【0071】
固定部材6の筐体76は、操作部材1の操作部51と同様に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用い、
図1に示すように、略立方体の箱状に射出成形されて作製されている。また、筐体76の天板部には、前述したように、揺動軸11j(操作体11)が挿通される貫通穴76kが設けられている。
【0072】
次に、固定部材6の蓋体96は、筐体76と同様に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用い、
図1に示すように、板状の矩形状に射出成形されて作製されている。そして、詳細な図示はしていないが、蓋体96は、筐体76にネジ止めされて固定されている。
【0073】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置100は、操作部材1の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法として、従来例1のようにモータ810を用いていないので、小型化が図れるとともに、消費電力を低減することができる。
【0074】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置100における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0075】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、揺動負荷付与ユニットF5が操作体11(揺動軸11j)の揺動動作と連動してスライド動作する可動部材55と、可動部材55の一方側に配設された磁気発生機構FM5のコイル35及び第1ヨーク15と、可動部材55との隙間5g(第1隙間5ga)に存在する磁気粘性流体75と、を備えた構成とした。これにより、コイル35への通電により磁界が発生し、磁路が第1ヨーク15からから可動部材55側に広がって形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが磁束に沿って揃うこととなる。このため、第1ヨーク15から可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15にかけて形成された磁束を横切る方向にスライド動作する可動部材55に対して、磁気粘性流体75によりスライド負荷(可動負荷)がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び揺動軸11jを介して操作体11に揺動負荷がかかるようになる。従って、良好な操作感触が得られる操作装置100を提供することができる。
【0076】
また、揺動軸11jの一端が曲面状の凸形状であり、支点支持部23がこの凸形状に対応した形状の凹部23uを有しているので、揺動軸11jの一端が支点として、揺動軸11jをあらゆる方向に揺動動作させることができる。また、揺動軸11jの一端と他端との間に設けられた球部14と受部34とが摺動することにより、揺動軸11jの傾倒動作に対して、受部34が設けられた基部44がスライド移動することとなる。このため、簡単な構成でありながら、操作者により揺動動作する操作体11(揺動軸11j)に対して、基部44に接続された可動部材55をスライド動作させることができる。
【0077】
また、可動部材55が軟磁性体からなるので、第1ヨーク15(第1対向部TA5)から可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15(第2対向部TC5)にかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが第1ヨーク15と可動部材55と互いに対向する対向面方向に揃うこととなる。このため、磁性粒子JRが揃った対向面方向を横切る方向にスライド動作する可動部材55に対して、より強いスライド負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び揺動軸11jを介して操作体11により強い揺動負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0078】
また、磁気発生機構FM5が可動部材55の他方側に対向して配設された第2ヨーク25を有するので、可動部材55のスライド動作する方向と垂直な方向に磁性粒子JRを揃えることができ、より強いスライド負荷をかけることができる。
【0079】
また、可動部材55と第2ヨーク25との隙間5g(第2隙間5gb)に磁気粘性流体75が充填されているので、磁束を横切る方向にスライド動作する可動部材55に対して、更なるスライド負荷を付与することができる。このことにより、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0080】
また、揺動軸11jが貫く側から見て、揺動軸11jの周囲に揺動負荷付与ユニットF5が複数設けられているので、更なる揺動負荷を付与することができる。このことにより、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0081】
また、揺動軸11jが貫く側から見て、揺動負荷付与ユニットF5のそれぞれが、揺動軸11jの軸中心ACとのなす中心角が等角度となるように配設されているので、あらゆる方向への揺動操作に対して、それぞれの可動部材55に均等にスライド負荷を付与することができる。このことにより、より一層良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0083】
図8は、操作装置100の変形例を説明する構成図であって、
図8(a)は、変形例3の操作装置C100の図であり、
図8(b)は、変形例4の操作装置D100の図である。
【0084】
<変形例1>
上記第1実施形態では、可動部材55が収容される収容空間(第1ヨーク15と第2ヨーク25と側壁スペーサS17とスペーサ体S77とで形成した収容空間)を満たすように磁気粘性流体75が充填されていたが、これに限るものではなく、磁気粘性流体75が隙間5gの少なくとも一部に存在していれば良い。
【0085】
<変形例2>
上記第1実施形態では、揺動軸11jの一端が曲面状の凸形状であり、支点支持部23が凸形状に対応した形状の凹部23uを有した構成であったが、これに限るものではなく、揺動軸11jの一端が曲面状の凹形状であり、支点支持部23が凹形状に対応した形状の凸部を有した構成であっても良い。
【0086】
<変形例3><変形例4>
上記第1実施形態では、1つのコイル35を共用にして4つの揺動負荷付与ユニットF5を用いた構成としたが、これに限るものではない。例えば、
図8(a)に示すように、第1ヨークC15及び第2ヨークC25も共用にして4つの揺動負荷付与ユニットCF5を構成しても良い{変形例3}。また、例えば、
図8(b)に示すように、更に可動部材D55も一体にして1つの揺動負荷付与ユニットDF5を構成しても良い{変形例4}。
【0087】
<変形例5>
上記第1実施形態では、4つの揺動負荷付与ユニットF5を用いた構成としたが、これに限るものではなく、例えば、1つの揺動負荷付与ユニットF5のみを用いても良いし、2つ、3つ或いは5つと、複数の揺動負荷付与ユニットF5を用いても良い。その際には、例えば、揺動軸11jの軸中心ACとのなす中心角が、2つの場合には180°、3つの場合には120°、5つの場合には72°と、それぞれ等角度となるように配設するのがより好適である。
【0088】
<変形例6>
上記第1実施形態では、可動部材55が好適に軟磁性体から形成されていたが、これに限るものではなく、合成樹脂等の非磁性体であっても良い。
【0089】
<変形例7>
上記第1実施形態では、好適に第2ヨーク25を設ける構成としたが、第1ヨーク15のみ設けた構成でも良い。
【0090】
<変形例8>
上記第1実施形態では、第1ヨーク15の内ヨーク15A及び外ヨーク15Cとで、第1対向部TA5及び第2対向部TC5を構成したが、内ヨーク15A或いは外ヨーク15Cのみで可動部材55と対向する部分を形成し、第1対向部TA5及び第2対向部TC5を設けない構成でも良い。
【0091】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。