特許第6679420号(P6679420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679420
(24)【登録日】2020年3月23日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】棚板の取付構造
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/06 20060101AFI20200406BHJP
   A47B 96/02 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   A47B96/06 E
   A47B96/06 B
   A47B96/06 C
   A47B96/02 G
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-116249(P2016-116249)
(22)【出願日】2016年6月10日
(65)【公開番号】特開2017-217374(P2017-217374A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 寛子
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−000169(JP,A)
【文献】 特表2008−540945(JP,A)
【文献】 特開平05−000113(JP,A)
【文献】 特開平09−206150(JP,A)
【文献】 米国特許第06164610(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B55/00〜55/06
91/00〜97/08
F16B 5/00〜 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材を介して棚板を壁面に取り付ける棚板の取付構造であって、
前記棚板は、後面が開放されたフラッシュ構造を有しており、
前記支持部材は、
壁面にビス止めされる取付ベースから複数の支持アームが前方側に張り出した支持金具と、
前記支持金具の支持アームに取り付けられた木製の棚受材と
を有し、
前記取付ベースが壁面にビス止めされた前記支持部材の前記支持アーム及び棚受材に前記棚板の空洞部を嵌挿した状態で、前記棚板が前記棚受材にビス止めされていることを特徴とする棚板の取付構造。
【請求項2】
前記支持アームの高さは、前記棚受材の高さより小さく設定されており、
前記支持アームが棚板に接触しないように、前記棚受材が前記支持アームに取り付けられている請求項1に記載の棚板の取付構造。
【請求項3】
前記取付ベースには、それぞれの前記支持アームの両側近傍に、壁面にビス止めするためのビス孔が形成されている請求項1または2に記載の棚板の取付構造。
【請求項4】
前記取付ベースにおける各支持アームの両側近傍に形成された前記ビス孔が壁を構成している柱または間柱に対応するように、隣り合う前記支持アームの間隔が設定されている請求項3に記載の棚板の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、棚板を壁面に取り付ける棚板の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
棚板を壁面に取り付ける棚板の取付構造としては、例えば、特許文献1に開示されている。この棚板の取付構造では、図17図19に示すように、壁面に取り付けた支持部材60によって棚パネル本体50を壁面に水平に支持するようになっており、支持部材60によって支持された棚パネル本体50を連結金具70によって支持部材60に連結することで、棚パネル本体50が水平姿勢で壁面から前方に突出した状態で取付けられる。
【0003】
前記棚パネル本体50は、前端縁に沿って幅方向に延びる前枠部51a、この前枠部51aの左右両側から後方に延びる左右一対の側枠部51b、51b及び側枠部51b、51b間において前枠部51aの後端から後方に延びる複数の中枠部51cからなる芯材と、この芯材の上下面に貼着される上下の面板52と、芯材51の前側面及び左右側面に貼着される木口面板53とで構成されたフラッシュ構造であり、側枠部51bと中枠部51cとの間及び中枠部51c、51c間に、後方側面に開口する空隙部がそれぞれ形成されている。
【0004】
前記支持部材60は、壁面に固定される金属製の取付けプレート61と、この取付けプレート61に突設され棚パネル本体50の空隙部に後方から挿入して棚パネル本体50を支持する金属製の支持アーム62と、取付けプレート61の両端部に連設された大径の頭部を有する一対の金属製の連結ピン63とを備えており、取付けプレート61は、棚パネル本体50の後方側面の面内に収まる寸法を有している。
【0005】
前記棚パネル本体50の両側部には、支持部材60の取付けプレート61に連設された連結ピン63が挿通される、側枠部51b、51bの後端面から前方側に延びるピン挿通孔54が形成されていると共に、棚パネル本体1の下面から上方側に延びてピン挿通孔54の前端部に連通する縦穴55が形成されており、ピン挿通孔54に連結ピン63を挿通した状態で、縦穴55に連結具70を嵌入することで、連結ピン63の大径の頭部が連結具70に係止され、棚パネル本体50が支持部材60に連結されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した棚板の取付構造では、壁に取付けた支持部材60の支持アーム62が棚パネル本体50の空隙部内に挿入されて棚パネル本体50を内部から支持するので、棚パネル本体50を確実に支持することができると共に、取付けプレート61を棚パネル本体50の後方側面の面内に収めることができるので、支持部材60が外部に露出することがなく、美感を損なうことがないという利点があるが、棚パネル本体50の両側部に形成されたピン挿通孔54に支持部材60連結ピン63を挿通した状態で、棚パネル本体50の両側部に形成された縦穴55に連結具70を嵌入することで、棚パネル本体50と支持部材60とを連結するようになっているので、部屋の形状や使い勝手に応じて、現場で棚パネル本体50を必要な長さに切断して壁面の入隅部等に取り付けることができず、施工の自由度に欠けるという欠点がある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、支持部材を露出させることなく、確実に壁面に取り付けることができるだけでなく、棚板を現場で必要な長さに切断して壁面の入隅部等に取り付けることができる施工の自由度の高い棚板の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、支持部材を介して棚板を壁面に取り付ける棚板の取付構造であって、前記棚板は、後面が開放されたフラッシュ構造を有しており、前記支持部材は、壁面にビス止めされる取付ベースから複数の支持アームが前方側に張り出した支持金具と、前記支持金具の支持アームに取り付けられた木製の棚受材と
を有し、前記取付ベースが壁面にビス止めされた前記支持部材の前記支持アーム及び棚受材に前記棚板の空洞部を嵌挿した状態で、前記棚板が前記棚受材にビス止めされていることを特徴とする棚板の取付構造を提供するものである。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の棚板の取付構造において、前記支持アームの高さは、前記棚受材の高さより小さく設定されており、前記支持アームが棚板に接触しないように、前記棚受材が前記支持アームに取り付けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明の棚板の取付構造において、前記取付ベースには、それぞれの前記支持アームの両側近傍に、壁面にビス止めするためのビス孔が形成されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の棚板の取付構造において、前記取付ベースにおける各支持アームの両側近傍に形成された前記ビス孔が壁を構成している柱または間柱に対応するように、隣り合う前記支持アームの間隔が設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、請求項1に係る発明の棚板の取付構造では、壁面にビス止めされる取付ベースから複数の支持アームが前方側に張り出した支持金具と、この支持金具の支持アームに取り付けた木製の棚受材とによって支持部材を構成し、取付ベースが壁面にビス止めされた支持部材の支持アーム及び棚受材に、後面が開放されたフラッシュ構造を有する棚板の空洞部を嵌挿した状態で、棚板を木製の棚受材にビス止めすることで、棚板を壁面に取り付けるようにしたため、規定寸法の棚板を壁面に取り付けることができるだけでなく、例えば、規定寸法の棚板より短い棚板を壁面の入隅部に取り付けたい場合は、棚板を必要な長さに切断すると共に、棚受材に相当する木製部材を壁面に固定し、棚板の切断端を壁面に固定した木製部材に嵌め込んで木製部材にビス止めすればよく、施工の自由度が向上する。
【0014】
また、請求項2に係る発明の棚板の取付構造では、金属製の支持アームの高さが木製の棚受材の高さより小さく設定されており、金属製の支持アームが棚板に接触しないように、木製の棚受材が支持アームに取り付けられているので、壁面に取り付けた棚板に衝撃を加えても、棚板と金属製の支持アームとが接触することによるばたつき音が発生することがなく、安定した棚板の取付状態を確保することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明の棚板の取付構造では、支持金具の取付ベースには、それぞれの支持アームの両側近傍に、壁面にビス止めするためのビス孔が形成されているので、柱や間柱以外の横桟等にビス止めする場合の支持金具の取付強度が向上する。
【0016】
また、請求項4に係る発明の棚板の取付構造では、取付ベースにおける各支持アームの近傍に形成されたビス孔が壁を構成している柱または間柱に対応するように、隣り合う支持アームの間隔が設定されているので、壁板を剥がして補強の横桟等を設けることなく、既設の壁における柱または間柱部分に支持金具をビス止めすることで、支持金具の十分な取付強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明に係る棚板の取付構造を採用して棚板を壁面に取り付けた状態を示す斜視図である。
図2】同上の棚板の壁面への取り付け状態を示す分解斜視図である。
図3】同上の棚板の壁面への取り付け状態を示す平面図である。
図4図3のX−X線に沿った断面図である。
図5】同上の棚板を示す平面図である。
図6】同上の棚板示す縦断面図である。
図7】(a)は同上の棚板を壁面に取り付けるための支持部材を示す平面図、(b)は同上の支持部材を示す正面図、(c)は同上の支持部材を示す右側面図である。
図8】(a)は同上の支持部材を構成している支持金具を示す平面図、(b)は同上の支持金具を示す正面図、(c)は同上の支持金具を示す右側面図である。
図9】(a)は同上の支持部材を構成している棚受材を示す平面図、(b)は同上の棚受材を示す側面図、(c)は同上の棚受材を示す正面図である。
図10】(a)、(b)は棚板の他の実施形態を示す平面図である。
図11】(a)は支持金具の他の実施形態を示す平面図、(b)は同上の支持金具を示す正面図である。
図12】同上の支持金具に棚受材を取り付けた他の実施形態である支持部材を示す平面図である。
図13】(a)、(b)は図10(a)、(b)に示す棚板を図12に示す支持部材を用いて壁面に取り付けた状態を示す平面図である。
図14】棚板の壁面への取付方法を示す工程図である。
図15】規定寸法外の棚板の壁面への取付方法を示す工程図である。
図16】壁面に取り付けた棚板に収納ボックスを取り付けた状態を示す側面図である。
図17】従来の棚板の取付構造を採用して棚板を壁面に取り付けた状態を示す横断面図である。
図18】同上の棚板の壁面への取り付け状態を示す分解斜視図である。
図19】(a)は従来の棚板の取付構造における棚パネル本体と支持部材との連結方法を示す斜視図、(b)は連結部分を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の棚板の取付構造を採用して壁面WSに棚板10を取り付けた状態を示しており、棚板10は、図2図4に示すように、支持部材20を介して壁面WSに取り付けられている。
【0019】
前記棚板10は、図5及び図6に示すように、厚さ5.5mmの合板によって形成された基板12の下面に単板積層材(LVL)によって形成された芯材13を接着固定してなる基材11と、この基材11の上下面、両側面及び前面に貼着された厚さ4mmのMDFからなる面材14u、14d、14s、14fとを備えたフラッシュ構造を有しており、後面が開放されている。
【0020】
前記芯材13は、基板12の前端縁に沿って配設された前板13aと、基板12の両側縁に沿って配設された両側板13bと、前記前板13aから後方側に所定間隔を開けて前板13aと平行に配設された中板13cと、中板13cの後面に当接する左右一対の側枠板とこの両側枠板の後端同士を接続する後枠板とからなる平面視コ字状の複数の中枠材13dとから構成されており、中枠材13dは、基板12の長手方向に所定間隔を開けて配設され、後枠板は基板12の後端縁よりも前側に位置している。
【0021】
前記支持部材20は、図7(a)〜(c)に示すように、壁面にビス止めされる取付ベース22及びこの取付ベース22から前方側に張り出す複数の支持アーム23からなる金属製の支持金具21(図8(a)〜(c)参照)と、この支持金具21の各支持アーム23にビス止めされる、縦断面長方形状の木製の棚受材24(図9(a)〜(c))とから構成されており、図3及び図4に示すように、棚受材24がビス止めされた支持アーム23が棚板10の中枠材13d間に挿入されるようになっている。
【0022】
前記取付ベース22には、図8(b)に示すように、壁面にビス止めするために、支持アーム23の片側近傍に上下2個のビス孔22aが、隣り合う支持アーム23、23間の中間位置に上下2個のビス孔22bが、各支持アーム23を挟んで上位のビス孔22aの線対称位置に1個のビス孔22cがそれぞれ形成されていると共に、支持アーム23には、同図(c)に示すように、棚受材24をビス止めするための2個のビス孔23aが形成されており、図3に示すように、上下2個のビス孔22a、22bが壁を構成している柱Pや間柱pの芯に対応するように、隣り合う支持アーム23の間隔が設定されている。
【0023】
取付ベース22のビス孔22a、22bが壁を構成している柱Pや間柱pに対応する位置に支持部材20を取り付けることができる場合は、上下2個のビス孔22a、22bを使用して取付ベース22を壁面にビス止めすればよいが、棚板10の取付位置によっては、取付ベース22の上下2個のビス孔22a、22bが柱Pや間柱pに対応する位置にこない場合があり、その場合は、柱Pと間柱pとの間や間柱p、p間に横桟を設け、その横桟に取付ベース22をビス止めすることになるが、取付ベース22を横桟にビス止めする場合は、支持金具21の取付強度を確保するために、ビス孔22a、22bに加えてビス孔22cも使用してビス止めする。
【0024】
前記支持アーム23の高さは、図7(b)、(c)に示すように、棚受材24の高さより小さく設定されており、棚受材24がビス止めされた支持アーム23が棚板10の中枠材13d間に挿入された状態で、金属製の支持アーム23が棚板10に接触しないように、即ち、棚受材24の上面が支持アーム23の上端より上側に位置し、棚受材24の下面が支持アーム23の下端より下側に位置するように、棚受材24が支持アーム23に取り付けられている。
【0025】
前記支持アーム23にビス止めされた棚受材24が、棚板10の中枠材13d間に挿入された状態では、棚受材24の上面が棚板10の基板12の下面に、棚受材24の下面が棚板10の面材14dの上面にそれぞれ接触しており、面材14dが棚受材24にビス止めされることで、棚板10が支持部材20に固定されるようになっている。
【0026】
図5に示すロングタイプの棚板10以外に、図10(a)に示すミドルタイプの棚板10a及び同図(b)に示すショートタイプの棚板10bが用意されており、取り付ける部屋の大きさや壁面の状況等に応じて、適宜選択することができるようになっている。
【0027】
なお、図10(a)、(b)に示すミドルタイプの棚板10aやショートタイプの棚板10bを使用する場合は、上述した3本の支持アーム23を有する支持金具21に代えて、図11(a)、(b)に示す2本の支持アーム23を有する支持金具21aに棚受材24を取り付けた図12に示す支持部材20aを使用することになり、ミドルタイプの棚板10aの場合は支持部材20aを2組、ショートタイプの棚板10bの場合は支持部材20aを1組使用して、図13(a)、(b)に示すように、壁面WSに棚板10a、10bを取り付けることになる。
【0028】
上述したロングタイプの棚板10の壁面への取付方法を以下に説明する。まず。図14(a)に示すように、棚板10の取付位置における横方向の中心位置cpと、支持金具21の取付高さ位置(取付ベースの上端位置で、例えば、棚板10の天面から10mm下の位置)hpを壁面WSに墨出する。このとき、棚板10の取付位置は、棚板10の長手方向の中心位置が隣り合う柱芯と間柱芯の中間位置または隣り合う間柱芯間の中間位置にくるように設定することが望ましい。
【0029】
次に、同図(b)に示すように、壁面WSに墨出しした中心位置cp及び取付高さ位置hpにあわせて2組の支持金具21を壁面WSにビス止めする。このとき、尺モジュールの場合は、左側に取り付ける支持金具21の最も右側に位置している上下2個のビス孔22aが中心位置cpから左側に227.5mmの位置に、右側に取り付ける支持金具21の最も左側に位置している上下2個のビス孔22aが中心位置cpから右側に227.5mmの位置にそれぞれくるように位置合わせした状態で、ビス孔22a、22b部分で壁面WSにビス止めすると、図3に示すように、柱Pまたは間柱p部分にビス止めされることになる。
【0030】
続いて、図14(c)に示すように、支持金具21の各支持アーム23の所定位置に棚受材24を両面テープで仮固定した後、ビス孔23a部分で棚受材24を支持アーム23にビス止めする。
【0031】
最後に、同図(d)に示すように、支持アーム23にビス止めされた棚受材24を棚板10における側板13bと中枠材13dとの間及び中枠材13d間の空洞部分に挿入するように棚板10を支持部材20に差し込み、棚板10の長手方向の中心位置CPと壁面WSに墨出しした中心位置cpとを位置合わせして棚板10の後端を壁面WSに当接させた状態で、棚板10の下面側から棚受材24にビス止めすると、棚板10が支持部材20に固定され、棚板10の壁面WSへの取り付けが完了する。なお、棚板10が壁面WSに取り付けられた状態では、図4に示すように、棚板10と壁面WSとのなす角度が89度になるように設定されている。
【0032】
また、例えば、ロングタイプの棚板10よりは短いが、ミドルタイプの棚板10aよりも長い棚板を壁面の入隅部分に取り付けたい場合は、図15(a)に示すように、ロングタイプの棚板10を必要な長さに切断すると共に、切断端に位置している中枠材13dの後枠板を一部切除し、これを棚板10cとして使用する。
【0033】
そして、入隅部を構成している一方の壁面WS1の所定位置に、同図(b)に示すように、3本の支持アーム23を有する支持金具21と、2本の支持アーム23を有する支持金具21aとをビス止めした後、それぞれの支持アーム23に棚受材24をビス止めすることで、支持部材20、20aを形成すると共に、入隅部を構成している他方の壁面WS2の所定異位置に棚受材24だけをビス止めし、支持アーム23にビス止めされた棚受材24及び壁面にビス止めされた棚受材24を棚板10cにおける側板13bと中枠材13dとの間及び中枠材13d間の空洞部分に挿入するように、棚板10cを支持部材20、20aに差し込んで棚板10cの後端及び切断端を一方の壁面WS1及び他方の壁面WS2に当接させた状態で、棚板10cの下面側から棚受材24にビス止めすることで、同図(c)に示すように、規定寸法以外の棚板10cを入隅部の壁面WS1、WS2に取り付けることができる。
【0034】
また、金属製の支持アーム23の高さが木製の棚受材24の高さより小さく設定されており、金属製の支持アーム23が棚板10〜10cに接触しないように、木製の棚受材24が支持アーム23に取り付けられているので、壁面に取り付けた棚板に衝撃を加えても、棚板10〜10cと金属製の支持アーム23とが接触することによるばたつき音が発生することがなく、安定した棚板の取付状態を確保することができる。
【0035】
また、支持金具21、21aの取付ベース22に形成されたビス孔22a、22bが壁を構成している柱Pまたは間柱pに対応するように、隣り合う支持アーム23の間隔が設定されているので、壁板を剥がして補強の横桟等を設けることなく、既設の壁における柱または間柱部分に支持金具21、21aをビス止めすることで、支持金具21、21aの十分な取付強度を確保することができる。
【0036】
また、支持金具21、21aの取付ベース22には、それぞれの支持アーム23の両側近傍に、壁面にビス止めするためのビス孔22a、22cが形成されているので、柱や間柱以外の横桟等にビス止めする場合は、ビス孔22a、22bに加えてビス孔22cも使用してビス止めすることで、支持金具21、21aの取付強度が向上する。
【0037】
また、棚板10〜10cは、支持部材20の棚受材24に支持される上板部分が、厚さ5.5mmの合板からなる基板12と厚さ4mmのMDFからなる面材14uとによって形成されており、厚さ4mmのMDFからなる面材14dのみによって形成されている下面板に比べて板厚が大きくなっているので、棚板上面の撓みや波打ちを抑制することができる。
【0038】
また、上述したように、棚板を壁面に取り付けた状態では、棚板と壁面とのなす角度が89度になるように支持部材20、20aが設計されており、棚板が前上がりの状態で取り付けられるので、棚板の前垂れを防止することができる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、棚板のみを壁面に取り付ける場合について説明したが、例えば、図16に示すように、壁面WSに取り付けた棚板10の下面に収納ボックス30を取り付けることも可能である。ただし、上述したように、棚板10が前上がりの状態で壁面WSに取り付けられているので、棚板10に取り付ける収納ボックス30は、その後面と壁面WSとの間に形成される隙間を目立ちにくくするために、例えば、後面の下半部を意識的に前方側に窪ませる形状にしておくことが望ましく、収納ボックスの天面を棚板と同様に前上がりの状態にしておいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、棚板を壁面に取り付ける場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10、10a、10b、10c 棚板
11 基材
12 基板
13 芯材
13a 前板
13b 側板
13c 中板
13d 中枠材
14u、14d、14s、14f 面材
20、20a 支持部材
21、21a 支持金具
22 取付ベース
22a、22b、22c ビス孔
23 支持アーム
23a ビス孔
24 棚受材
30 収納ボックス
cp、CP 中心位置
hp 取付高さ位置
P 柱
p 間柱
WS、WS1、WS2 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19