特許第6679488号(P6679488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679488
(24)【登録日】2020年3月23日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】ナノ粒子フィラーを含むフィルム
(51)【国際特許分類】
   C08L 35/00 20060101AFI20200406BHJP
   C08L 45/00 20060101ALI20200406BHJP
   C08L 39/04 20060101ALI20200406BHJP
   C08L 101/02 20060101ALI20200406BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20200406BHJP
【FI】
   C08L35/00
   C08L45/00
   C08L39/04
   C08L101/02
   C08K3/013
【請求項の数】35
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-544418(P2016-544418)
(86)(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公表番号】特表2017-503057(P2017-503057A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2014071785
(87)【国際公開番号】WO2015102978
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年12月21日
(31)【優先権主張番号】61/922,922
(32)【優先日】2014年1月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】フアン、 チャオホン
【審査官】 中根 知大
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/012587(WO,A1)
【文献】 特開2015−056479(JP,A)
【文献】 特開2010−037534(JP,A)
【文献】 特開2012−053497(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/035869(WO,A1)
【文献】 特開2013−080837(JP,A)
【文献】 特開2006−036915(JP,A)
【文献】 特開2006−339057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F2/00−2/60,292/00
C08K3/00−13/08
C08L1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも20重量%が、マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、およびイタコンイミドモノマーからなる群より選択される1または複数のモノマーであり、少なくとも20重量%が、(メタ)アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを10〜25重量%、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマーを5〜20重量%、
任意にエポキシモノマーを0.5〜10重量%、
任意にエポキシ硬化剤を0.1〜10重量%、
フリーラジカル重合開始剤を0.1〜2重量%、
粒子フィラーであって、
該粒子フィラーの少なくとも5重量%、2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するフィラー、および
150ナノメートルを超え5ミクロンを超えない粒径を有する残りのフィラー
を含む、粒子フィラーを20〜80重量%、
任意にラジカル安定化剤を0.1〜0.5重量%、および
任意に非反応性有機希釈剤を50重量%まで含有する組成物であって、組成物の溶融粘度が、5〜10℃/分のランプ速度で測定したとき20,000ポワズ未満である組成物。
【請求項2】
少なくとも20重量%が、マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、およびイタコンイミドモノマーからなる群より選択される1または複数のモノマーであり、少なくとも20重量%が、(メタ)アクリレートモノマーである、少なくとも1つのラジカル重合性モノマーを10〜25重量%、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマーを5〜20重量%、
エポキシモノマーを0.5〜10重量%、
エポキシ硬化剤を0.1〜10重量%、
フリーラジカル重合開始剤を0.1〜2重量%、
粒子フィラーであって、
該粒子フィラーの少なくとも5重量%、2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するフィラー、および
150ナノメートルを超え5ミクロンを超えない粒径を有する残りのフィラー
を含む粒子フィラーを50〜60体積%、
ラジカル安定化剤を0.1〜0.5重量%、および
任意に非反応性有機希釈剤を50重量%まで含有する組成物であって、組成物の溶融粘度が、5〜10℃/分のランプ速度で測定したとき20,000ポワズ未満である、組成物。
【請求項3】
ゲル時間によって測定される硬化速度が、250℃で1〜5秒の範囲である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
テクスチャーアナライザーによって測定される粘着性が、室温で100グラム重量未満である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
それから調製されるアンダーフィルフィルムが、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明度を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
任意に、1以上の流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラクシング剤、またはこれらの任意の2以上の混合物を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、またはイタコンイミドモノマーが以下の構造を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【化1】
(式中、
mは1〜15であり、
pは、0〜15であり、
各Rは、独立して水素または低級アルキルから選ばれ、および
Jは以下から選択される一価または多価の基である。:
−典型的には、6〜500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル種または置換されたヒドロカルビル種であり、ヒドロカルビル種が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−典型的には、6〜500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン種または置換されたヒドロカルビレン種であり、ヒドロカルビレン種が、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−6〜300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビル種または置換された芳香族ヒドロカルビル種であり、芳香族ヒドロカルビル種が、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−6〜300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビレン種または置換された芳香族ヒドロカルビレン種であり、芳香族ヒドロカルビレン種が、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−6〜300個の範囲の炭素原子を有する複素環または置換複素環種
−ポリシロキサンまたは
−ポリシロキサン−ポリウレタンブロック共重合体および
以下の結合基から選択される結合基を有する、1以上の上記の組み合わせであり、結合基が、
共有結合、−O−、−S−、−NR−、−NR−C(O)−、−NR−C(O)−O−、−NR−C(O)−NR−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−NR−C(O)−、−O−NR−C(O)−O−、−O−NR−C(O)−NR−、−NR−O−C(O)−、−NR−O−C(O)−O−、−NR−O−C(O)−NR−、−O−NR−C(S)−、−O−NR−C(S)−O−、−O−NR−C(S)−NR−、−NR−O−C(S)−、−NR−O−C(S)−O−、−NR−O−C(S)−NR−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR−、−NR−C(S)−、−NR−C(S)−O−、−NR−C(S)−NR−、−S−S(O)−、−S−S(O)−O−、−S−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、−NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−P(O)R−、−S−P(O)R−、または−NR−P(O)R−である(ここで各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換されたアルキルを表す))
【請求項8】
Jが、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、ヘテロサイクリック、オキシヘテロサイクリック、チオヘテロサイクリック、アミノヘテロサイクリック、カルボキシヘテロサイクリック、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリールまたはカルボキシアルキニルアリール、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシへテロアリーレン、チオへテロアリーレン、アミノへテロアリーレン、カルボキシへテロアリーレン、へテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、オキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、チオへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、アミノへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、またはカルボキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
(メタ)アクリレートモノマーが、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、およびより高い官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
極性基を有するポリマーが、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルゴム、ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、アクリル共重合体およびこれらの変性ポリマーからなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
エポキシが、ビスフェノールAに基づく液型エポキシ、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ、ビスフェノールFに基づく液型エポキシ、フェノールノボラック樹脂に基づく多官能エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、またはこれらの任意の2種以上の混合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項12】
エポキシが、脂環式アルコールのジエポキシド、水添ビスフェノールA、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル、またはこれらの任意の2種以上の混合物である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
エポキシが存在する場合、エポキシ硬化剤も存在し、エポキシ硬化剤が、尿素、脂肪族および芳香族アミン、アミン硬化剤、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、尿素−アミンハイブリッド硬化システム、フリーラジカル開始剤、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール類、酸無水物、ルイス酸、およびルイス塩基からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項14】
フリーラジカル重合開始剤が、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、またはアゾ化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項15】
ラジカル安定化剤が、存在する場合、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒンダードフェノール、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系紫外線吸収剤からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項16】
フィラーが、シリカである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
粒子フィラーの少なくとも10重量%が、2〜150ナノメートルの範囲の粒径有し、残りのフィラーが、150ナノメートルを超え5ミクロンを超えない粒径を有し、200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項18】
希釈剤が、存在する場合、芳香族炭化水素、飽和炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、ポリオール、エステル、ケトン、アミド、又は複素環式芳香族化合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項19】
希釈剤が、存在する場合、全組成物の10〜50重量%の範囲で含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項20】
マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、およびイタコンイミドモノマーからなる群より選択される1または複数のモノマーを5重量%以上含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項21】
(メタ)アクリレートモノマーを5重量%以上含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1または2に記載の組成物を作製する方法であって、方法が、実質的に均一なブレンドを生成するのに適する条件下で、その成分を組み合わせることを含む方法。
【請求項23】
請求項1または2に記載の組成物をB−ステージ硬化する際に得られた反応生成物を含むアンダーフィルフィルム。
【請求項24】
フィルムが、その中にナノ粒子フィラーを欠く組成物に対して透明性が改善している、請求項23に記載のアンダーフィルフィルム。
【請求項25】
フィルムが、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明性を有する、請求項23に記載のアンダーフィルフィルム。
【請求項26】
アンダーフィルフィルムを調製するための方法であって、方法が、適する基板への適用後に、請求項1または2に記載の組成物を硬化させることを含む方法。
【請求項27】
適する基板が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、またはガラスである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
適する基板に付着した請求項23に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品。
【請求項29】
アンダーフィルフィルムを調製する方法であって、方法が、
適する基板に請求項1または2に記載の組成物を適用し、その後、組成物を硬化することを含む方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法によって調製したアンダーフィルフィルム。
【請求項31】
シリカ粒子含有アンダーフィル配合物の硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法であって、
シリカ粒子含有アンダーフィル配合物が、
少なくとも20重量%が、マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、およびイタコンイミドモノマーからなる群より選択される1または複数のモノマーであり、少なくとも20重量%が、(メタ)アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを10〜25重量%、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマーを5〜20重量%、
任意にエポキシモノマーを0.5〜10重量%、
任意にエポキシ硬化剤を0.1〜10重量%、
フリーラジカル重合開始剤を0.1〜2重量%、
5ミクロンを超えない粒径を有するシリカ粒子を20〜80重量%、
任意にラジカル安定化剤を0.1〜0.5重量%、および
任意に非反応性有機希釈剤を50重量%まで含有し、
方法が、シリカ粒子の少なくとも5重量%を2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するナノシリカ粒子で置換することを含み、ただし残りのシリカ粒子は150ナノメートルを超え5ミクロンを超えない粒径を有する、方法。
【請求項32】
シリカ粒子含有アンダーフィル配合物の硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法であって、
シリカ粒子含有アンダーフィル配合物が、
少なくとも20重量%が、マレイミドモノマー、ナジイミドモノマー、およびイタコンイミドモノマーからなる群より選択される1または複数のモノマーであり、少なくとも20重量%が、(メタ)アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを10〜25重量%、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマーを5〜20重量%、
エポキシモノマーを0.5〜10重量%、
エポキシ硬化剤を0.1〜10重量%、
フリーラジカル重合開始剤を0.1〜2重量%、
5ミクロンを超えない粒径を有するシリカ粒子を50〜60体積%、
ラジカル安定化剤を0.1〜0.5重量%、および
任意に非反応性有機希釈剤を50重量%まで含有し、
方法が、シリカ粒子の少なくとも5重量%を2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するナノシリカ粒子で置換することを含み、ただし残りのシリカ粒子は150ナノメートルを超え5ミクロンを超えない粒径を有する、方法。
【請求項33】
ゲル時間によって測定される硬化速度が、250℃で1〜5秒の範囲である、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
5〜10℃/分のランプ速度で測定した場合、溶融粘度が、20,000ポアズ未満である、請求項31または32に記載の方法。
【請求項35】
テクスチャーアナライザーによって測定される配合物の粘着性が、室温で100グラム重量未満である、請求項31または32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリアプライドアンダーフィル組成物に関する。一態様では、本発明は、アンダーフィルフィルムに関する。別の態様では、本発明は、ナノ粒子フィラーを含む組成物および3次元集積回路の調製におけるそれらに使用に関する。さらに別の態様では、本発明は、3次元集積回路およびそれらの調製方法に関する。さら別の態様では、本発明は、シリカ含有アンダーフィル配合物の硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明によれば、硬化速度、透明性、粘着性及び/または溶融粘度間の良好なバランスを有する組成物が提供される。一態様では、ナノ粒子フィラーを含む組成物および種々の電子部品、例えば、三次元集積回路の調製におけるそれらの使用が提供される。一態様では、本発明の組成物を用いて調製される三次元集積回路(すなわち、ナノ粒子フィラーを含む組成物)、ならびにそのような組成物を調製する方法、および得られた三次元集積回路を提供する。
【0003】
一態様では、硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法もまた提供する。一態様では、また、改善された加工性を有するプリアプライドアンダーフィル組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明によれば、ビニル基、マレイミド基、ナジイミド基、イタコンイミド基、(メタ)アクリロイル基およびアリル基からなる群から選択される1以上の官能基を有する少なくとも1つのラジカル重合性モノマー、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマー、
任意にエポキシモノマー
任意にエポキシ硬化剤、
フリーラジカル重合開始剤、
フィラーの少なくとも5重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有し、残りのフィラーは、5ミクロンを超えない粒径を有する粒子フィラー、
任意にラジカル安定化剤、および
任意に非反応性有機希釈剤を含有する組成物であって、組成物の溶融粘度が、5〜10℃/分のランプ速度で測定したとき20,000ポワズ未満である組成物が提供される。
【0005】
一態様では、本発明の組成物の溶融粘度、および本発明に用いられる粒子フィラーの粒径は、アンダーフィル材料としてその使用を可能にするのに適し、組成物は、小さい間隙内(たとえば、10〜20ミクロンの隙間)を流れることができる。
【0006】
一態様では、ゲル時間によって測定される本発明の組成物の硬化速度は、250℃で約1〜5秒の範囲である。
【0007】
一態様では、テクスチャーアナライザーによって測定される本発明の組成物の粘着性は、室温で100グラム重量未満である。
【0008】
一態様では、本発明の組成物から調製されるアンダーフィルフィルムは、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明度を有する。
【0009】
本発明による組成物は、任意に1以上の流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラクシング剤など、またこれらの任意の2以上の混合物を含んでもよい。
【0010】
本明細書で使用する場合、用語「流動添加剤」は、それらが導入された配合物の粘度を改変する化合物を意味する。このような特性を付与する例示的な化合物は、シリコンポリマー、エチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ケトオキシムのリン酸エステルのアルキロールアンモニウム塩など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「接着促進剤」は、それらが導入された配合物の接着特性を向上させる化合物を意味する。
【0012】
本明細書で使用する用語「レオロジー調整剤」は、それらが導入された配合物の1以上の物理的特性を改変する添加剤を意味する。
【0013】
本明細書で使用する用語「強化剤」は、それらが導入された配合物の耐衝撃性を向上させる添加剤を意味する。
【0014】
本明細書で使用する用語「フラクシング剤」は、溶融金属の表面に酸化物が形成されるのを防止する還元剤を意味する。
【0015】
本発明の使用に考慮される例示的なラジカル重合性モノマーは、ビニル官能基を有する化合物、すなわち、構造R−CH=CH(式中、Rは、1〜30個の炭素原子を有する有機基である)の化合物が挙げられる。
【0016】
本発明の使用に考慮される例示的なマレイミド、ナジイミド、またはイタコンイミドは、以下の構造を有する化合物が挙げられる。
【0017】
【化1】
(式中、
mは1〜15であり、
pは、0〜15であり、
各Rは、独立して水素または低級アルキルから選ばれ、および
Jは以下から選択される一価または多価の基である。:
−典型的には、約6〜約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル種または置換されたヒドロカルビル種であり、ヒドロカルビル種が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−典型的には、約6〜約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン種または置換されたヒドロカルビレン種であり、ヒドロカルビレン種が、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビル種または置換された芳香族ヒドロカルビル種であり、芳香族ヒドロカルビル種が、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビレン種または置換された芳香族ヒドロカルビレン種であり、芳香族ヒドロカルビレン種が、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する複素環または置換複素環種
−ポリシロキサンまたは
−ポリシロキサン−ポリウレタンブロック共重合体および
以下の結合基から選択される結合基を有する、1以上の上記の組み合わせであり、結合基が、
共有結合、−O−、−S−、−NR−、−NR−C(O)−、−NR−C(O)−O−、−NR−C(O)−NR−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−NR−C(O)−、−O−NR−C(O)−O−、−O−NR−C(O)−NR−、−NR−O−C(O)−、−NR−O−C(O)−O−、−NR−O−C(O)−NR−、−O−NR−C(S)−、−O−NR−C(S)−O−、−O−NR−C(S)−NR−、−NR−O−C(S)−、−NR−O−C(S)−O−、−NR−O−C(S)−NR−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR−、−NR−C(S)−、−NR−C(S)−O−、−NR−C(S)−NR−、−S−S(O)−、−S−S(O)−O−、−S−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、−NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−P(O)R−、−S−P(O)R−、または−NR−P(O)R−である(ここで各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換されたアルキルを表す))
【0018】
本発明の組成物はJが、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、ヘテロサイクリック、オキシヘテロサイクリック、チオヘテロサイクリック、アミノヘテロサイクリック、カルボキシヘテロサイクリック、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリールまたはカルボキシアルキニルアリール、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシへテロアリーレン、チオへテロアリーレン、アミノへテロアリーレン、カルボキシへテロアリーレン、へテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、オキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、チオへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、アミノへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、またはカルボキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造である化合物が含まれる。
【0019】
本発明の使用に考慮される例示的なアクリレートは、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0020】
例示的な単官能(メタ)アクリレートは、フェニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレンアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、脂肪酸アクリレート、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、脂肪酸メタクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジヒドロシクロペンタジエチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、モノペンタエリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、トリペンタエリスリトールアクリレート、ポリぺンタエリスリトールアクリレートなどが挙げられる。
【0021】
例示的な二官能(メタ)アクリレートは、ヘキサンジオールジメタクリレート、ヒドロキシアクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、変性エポキシアクリレート、脂肪酸変性エポキシアクリレート、アミン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、トリシクロデカンジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0022】
例示的な三官能(メタ)アクリレートは、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレートなどが挙げられる。
【0023】
例示的な多官能(メタ)アクリレートは、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどが挙げられる。
【0024】
本発明の実施での使用に考慮されるさらなる例示的なアクリレートは、米国特許5,717,034に記載のものが挙げられ、その全体の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0025】
本発明の使用に考慮される例示的なラジカル重合性モノマーは、アリル官能基を有する化合物、すなわち構造R−CH−CH=CH(式中、Rは、1〜30個の炭素原子を有する有機基である)の化合物が挙げられる。
【0026】
本発明のいくらかの態様では、本発明の使用に考慮されるラジカル重合性モノマーは、アクリレート(例えば、(メタ)アクリロイル基)及びアリル基の両方を含む。
【0027】
いくらかの態様では、本発明の使用に考慮されるラジカル重合性モノマーは、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド官能基とアクリレート官能基を含む。
【0028】
一態様では、本発明の組成物は、約5〜40重量%の範囲のラジカル重合性モノマーを含む。一態様では、本発明の組成物は、約10〜25重量%の範囲のラジカル重合性モノマーを含む。
【0029】
本発明の使用に考慮される極性基を有するポリマーは、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルゴム、ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、アクリル共重合体およびその変性ポリマーが挙げられる。
【0030】
本発明による組成物は、典型的には約5〜40重量%の範囲の極性基を有するポリマーを含む。いくらかの態様では、本発明による化合物は、約5〜20重量%の範囲の極性基を有するポリマーを含む。
【0031】
一態様では、本発明の組成物は、約5〜30重量%の範囲の1以上の極性基を有するポリマーを含む。一態様では、本発明の組成物は、約5〜10重量%の範囲の1以上の極性基を有するポリマーを含む。
【0032】
本発明の実施での使用に考慮される例示的なエポキシモノマーは、ビスフェノールAに基づく液型エポキシ、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ、ビスフェノールFに基づく液型エポキシ(例えば、エピクロンEXA−835LV)、フェノールノボラック樹脂に基づく多官能エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ(例えば、エピクロンHP−7200L)、ナフタレン型エポキシなど、ならびにそれらの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。
【0033】
本発明の使用に考慮される追加の例示的なエポキシモノマーは、脂環式アルコールのジエポキシド、水添ビスフェノールA(Epalloy 5000として市販されている)、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として市販されている)、エピクロンEXA−835LV、エピクロンHP−7200など、およびそれらの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。
【0034】
エポキシモノマー(単数または複数)が、本発明の組成物中に存在する場合、得られる配合物は、約0.5〜20重量%の範囲のエポキシを含む。一態様では、得られた配合物は、約2〜10重量%の範囲のエポキシを含む。
【0035】
エポキシモノマー(単数または複数)が、本発明の配合物中に存在する場合、エポキシ硬化剤もまた存在する。例示的なエポキシ硬化剤は、尿素、脂肪族および芳香族アミン、アミン硬化剤、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、尿素−アミンハイブリッド硬化システム、フリーラジカル開始剤(例えば、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、アゾ化合物など)、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール類、酸無水物、ルイス酸、およびルイス塩基が挙げられる。
【0036】
存在するならば、本発明の組成物は、約0.1〜20重量%の範囲のエポキシ硬化剤を含む。一態様では、本発明の組成物は、約0.1〜10重量%の範囲のエポキシ硬化剤を含む。
【0037】
本発明の組成物は、典型的には約0.2〜2重量%の範囲のフリーラジカル重合開始剤を含む。一態様では、本発明の組成物は、約0.2〜1重量%の範囲のフリーラジカル重合開始剤を含む。
【0038】
一態様では、本発明の組成物は、さらにラジカル安定化剤を含む。存在するならば、本発明の使用に考慮されるラジカル安定化剤は、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒンダードフェノール、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0039】
存在する場合、本発明の組成物は、約0.1〜1重量%の範囲のラジカル安定化剤を含む。一態様では、本発明の組成物は、約0.1〜0.5重量%の範囲のラジカル安定化剤を含む。
【0040】
本発明の実施での使用に考慮される粒子フィラーは、シリカ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。
【0041】
典型的には、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも5重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有し、残りのフィラーは、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200−1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも10重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも20重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも30重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも40重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも50重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも60重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも70重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも80重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも90重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有する。
【0042】
典型的には、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも5重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも10重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも20重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも30重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも40重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも50重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも60重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも70重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも80重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。;一態様では、本発明の実施に用いられる粒子フィラーの少なくとも90重量%は、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。
【0043】
本発明に係る組成物は、約20〜80重量%の範囲の粒子フィラーを含む。一態様では、本発明による組成物は、約40〜60重量%の範囲の粒子フィラーを含む。
【0044】
本発明の使用に考慮される例示的な希釈剤は、存在する場合は、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、飽和炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラデカン)、塩素化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールエーテル、エチレングリコールのモノアルキル又はジアルキルエーテルなど)、ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテートなど);二塩基酸エステル、α−テルピネオール、β−テルピネオール、ケロシン、ジブチルフタレート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ヘキシレングリコール、高沸点アルコール及びそのエステル、グリコールエーテル、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、複素芳香族化合物(例えば、N−メチルピロリドンなど)など、ならびにそれらの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。
【0045】
希釈剤が存在する場合、本発明の組成物は、全組成物に対して約10〜50重量%の範囲の希釈剤を含む。一態様では、本発明の組成物は、全組成物に対して約20〜40重量%の範囲の希釈剤を含む。
【0046】
本発明に係る例示的な組成物は、:
その少なくとも20重量%が、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドモノマーであり、その少なくとも20重量%が、アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを少なくとも10重量%、
極性基を有するポリマーを少なくとも5重量%、
エポキシを少なくとも0.5重量%、
エポキシ硬化剤を少なくとも0.1重量%、
開始剤を少なくとも0.1重量%、
ラジカル安定化剤を少なくとも0.1重量%、
フィラーを少なくとも20重量%、および
任意に、非反応性有機希釈剤を50重量%まで含む。
【0047】
本発明のさらなる例示的な組成物は:
5〜40重量%のマレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
5〜30重量%のアクリレート、
5〜40重量%の極性基を有するポリマー、
0.5〜10重量%のエポキシ、
0.1〜20重量%のエポキシ硬化剤、
0.1〜2重量%の開始剤、
0.1〜1重量%のラジカル安定化剤、
20〜80重量%のフィラー、および任意に10〜50重量%の非反応性有機希釈剤を含む。
【0048】
一態様では、本発明のさらなる例示的な組成物は、:
10〜25重量%のマレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
5〜10重量%のアクリレート、
5〜20重量%の極性基を有するポリマー、
2〜10重量%のエポキシ、
5〜10重量%のエポキシ硬化剤、
0.2〜1重量%の開始剤、
0.1〜0.5重量%のラジカル安定化剤、
40〜60重量%のフィラー、および任意に20〜40重量%の非反応性有機希釈剤を含む。
【0049】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載の組成物を作製する方法が提供され、この方法は、その実質的に均一な混合物を生成するのに適した条件下で成分を組み合わせることを含む。
【0050】
本発明のさらに別の態様によれば、本明細書に記載の組成物を硬化するB−ステージ時に得られる反応生成物を含むアンダーフィルフィルムを提供する。本発明によるアンダーフィルフィルムは、その中にナノ粒子フィラーを欠く組成物に対して透明性を向上させる。例えば、本発明によるアンダーフィルフィルムは、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明度を有する。
【0051】
本発明のさらに別の実態様によれば、アンダーフィルフィルムを調製するための方法が提供され、この方法は、適切な基板への適用後に本明細書に記載される組成物を硬化することを含む。本発明での使用に考慮される適する基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ガラスなどが挙げられる。
【0052】
本発明のさらなる態様によれば、適する基板に付着した本明細書に記載したアンダーフィルフィルムを含む物品を提供する。
【0053】
本発明のさらなる態様によれば、アンダーフィルフィルムを調製するための方法が提供され、方法は、:
適切な基板に、本明細書に記載の組成物を適用し、その後、組成物を硬化することを含む。
【0054】
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のように調製したアンダーフィルフィルムを提供する。
【0055】
本発明のさらに別の態様によれば、シリカ粒子含有アンダーフィル配合物の硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法であって、方法が、シリカ粒子の少なくとも5重量%を約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するナノシリカ粒子で置換することを含む。
【0056】
上記の方法によって考えられる、ゲル時間によって測定される典型的な硬化速度は、250℃で約1〜5秒の範囲である。
【0057】
上記の方法によって考えられる典型的な溶融粘度は、5〜10℃/分のランプ速度で測定した場合、20,000ポアズ未満である。
【0058】
テクスチャーアナライザーによって測定される配合物の粘着性の典型的な値は、室温で100グラム重量未満である。
【0059】
本発明の種々の態様は、以下の非限定的な例によって例示される。例は、例示の目的のためであり、本発明のいずれの実施を限定するものではない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更および変形がなされ得ることが理解される。当業者は、容易に合成または商業的に、本明細書に記載の試薬および成分を得る方法を知る。
【実施例】
【0060】
例1
上述の考慮された各成分を含む組成物を調製した。すなわち、
その少なくとも20重量%が、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドモノマーであり、少なくとも20重量%が、アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを少なくとも10重量%、
極性基を有するポリマーを少なくとも5重量%、
エポキシを少なくとも0.5重量%、
エポキシ硬化剤を少なくとも0.1重量%、
開始剤を少なくとも0.1重量%、
ラジカル安定化剤を少なくとも0.1重量%、
所定の割合のフィラーは、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有し(本明細書では、「ナノ」と言う)、残りのフィラーは、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する(本明細書では、「非ナノ」と言う)フィラーを60体積%含む。
【0061】
この例で調製された組成物の各々は、以下の表1に記載されているように、同じ量のフィラーを含み(すなわち、それぞれ60体積%のフィラーを含む)、非ナノフィラー(すなわち、5μを超えない粒径を有し、約200〜1000nmの範囲の平均粒径を有するフィラー)の量に対するナノフィラー(すなわち、2〜150nmの範囲の粒径を有するフィラー)の量のみが異なる。DSC値、及び得られた組成物の溶融粘度を試験した。結果を表1にまとめる。
【0062】
【表1】
【0063】
上記サンプルのさらなる評価(すなわち、2つの異なる温度でのBステージTGA、及びタック)を行った。結果を表2にまとめる。
【0064】
【表2】
【0065】
上記表の結果は、本発明の組成物が、迅速な硬化、低粘着性、良好な透明性および許容可能な溶融粘度を有することを示す。
【0066】
例2
上述の考慮された各成分を含むさらなる組成物を調製した。すなわち、
その少なくとも20重量%が、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドモノマーであり、少なくとも20重量%が、アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを少なくとも10重量%、
極性基を有するポリマーを少なくとも5重量%、
エポキシを少なくとも0.5重量%、
エポキシ硬化剤を少なくとも0.1重量%、
第1、第2または第3の開始剤を少なくとも0.1重量%、
ラジカル安定化剤を少なくとも0.1重量%、
所定の割合のフィラーは、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有し(本明細書では、「ナノ」と言う)、残りのフィラーは、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する(本明細書では、「非ナノ」と言う)フィラーを50〜60体積%含む。
【0067】
この例で調製された組成物の各々は、50〜60体積%のフィラーを含む。以下の表3に記載されるように、変化するフィラーの量に加え、ここに記載の組成物は、非ナノフィラー(すなわち、5μを超えない粒径を有し、約200〜1000nmの範囲の平均粒径を有するフィラー)の量に対するナノフィラー(すなわち、2〜150nmの範囲の粒径を有するフィラー)の量もまた変化し、特定の開始剤を用いる。DSC値、及び得られた組成物の溶融粘度を試験した。結果を表3にまとめる。
【0068】
【表3】
【0069】
上記サンプルのさらなる評価(すなわち、2つの異なる温度でのBステージTGA、及びタック)を行った。結果を表4にまとめる。
【0070】
【表4】
【0071】
上記表の結果は、本発明の組成物が、迅速な硬化、低粘着性、良好な透明性および許容可能な溶融粘度を有することを示す。
【0072】
本明細書に示され、記載されたものに加えて、本発明の多くの改変は、上述の当業者には明らかである。そのような改変もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内であることを意味する。
【0073】
本明細書で言及した特許および刊行物は、本発明が関連する当業者のレベルを示す。これらの特許および刊行物が、それぞれ個々の出願または刊行物が明確にかつ個々に本明細書で参照により組み込まれるのと同程度に本明細書では、参照により組み込まれる。
【0074】
前述の記載は、本発明の特定の態様の例示であるが、本発明の実施の際に限定することを意味しない。そのすべての均等を含む、以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義することを意図する。
本発明は以下の事項にも関する。
付記1
ビニル基、マレイミド基、ナジイミド基、イタコンイミド基、(メタ)アクリロイル基およびアリル基からなる群から選択される1以上の官能基を有する少なくとも1つのラジカル重合性モノマー、
水酸基、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される1以上の極性基を有するポリマー、
任意にエポキシモノマー
任意にエポキシ硬化剤、
フリーラジカル重合開始剤、
フィラーの少なくとも5重量%は、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有し、残りのフィラーは、5ミクロンを超えない粒径を有する粒子フィラー、
任意にラジカル安定化剤、および
任意に非反応性有機希釈剤を含有する組成物であって、組成物の溶融粘度が、5〜10℃/分のランプ速度で測定したとき20,000ポワズ未満である組成物。
付記2
ゲル時間によって測定される硬化速度が、250℃で約1〜5秒の範囲である、付記1に記載の組成物。
付記3
テクスチャーアナライザーによって測定される粘着性が、室温で100グラム重量未満である、付記1に記載の組成物。
付記4
それから調製されるアンダーフィルフィルムが、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明度を有する、付記1に記載の組成物。
付記5
任意に、1以上の流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラクシング剤、またはこれらの任意の2以上の混合物を含む、付記1に記載の組成物。
付記6
少なくとも1つのラジカル重合性モノマーが、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドを含む、付記1に記載の組成物。
付記7
マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドが以下の構造を有する、付記6に記載の組成物。
【化1】
(式中、
mは1〜15であり、
pは、0〜15であり、
各Rは、独立して水素または低級アルキルから選ばれ、および
Jは以下から選択される一価または多価の基である。:
−典型的には、約6〜約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル種または置換されたヒドロカルビル種であり、ヒドロカルビル種が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−典型的には、約6〜約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン種または置換されたヒドロカルビレン種であり、ヒドロカルビレン種が、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビル種または置換された芳香族ヒドロカルビル種であり、芳香族ヒドロカルビル種が、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビレン種または置換された芳香族ヒドロカルビレン種であり、芳香族ヒドロカルビレン種が、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、
−約6〜約300個の範囲の炭素原子を有する複素環または置換複素環種
−ポリシロキサンまたは
−ポリシロキサン−ポリウレタンブロック共重合体および
以下の結合基から選択される結合基を有する、1以上の上記の組み合わせであり、結合基が、
共有結合、−O−、−S−、−NR−、−NR−C(O)−、−NR−C(O)−O−、−NR−C(O)−NR−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR−、−O−NR−C(O)−、−O−NR−C(O)−O−、−O−NR−C(O)−NR−、−NR−O−C(O)−、−NR−O−C(O)−O−、−NR−O−C(O)−NR−、−O−NR−C(S)−、−O−NR−C(S)−O−、−O−NR−C(S)−NR−、−NR−O−C(S)−、−NR−O−C(S)−O−、−NR−O−C(S)−NR−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR−、−NR−C(S)−、−NR−C(S)−O−、−NR−C(S)−NR−、−S−S(O)−、−S−S(O)−O−、−S−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、−NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−NR−O−S(O)−、NR−O−S(O)−O−、−NR−O−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−O−、−O−NR−S(O)−NR−、−O−NR−S(O)−、−O−P(O)R−、−S−P(O)R−、または−NR−P(O)R−である(ここで各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換されたアルキルを表す))
付記8
Jが、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、ヘテロサイクリック、オキシヘテロサイクリック、チオヘテロサイクリック、アミノヘテロサイクリック、カルボキシヘテロサイクリック、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリールまたはカルボキシアルキニルアリール、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシへテロアリーレン、チオへテロアリーレン、アミノへテロアリーレン、カルボキシへテロアリーレン、へテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、オキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、チオへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、アミノへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造、またはカルボキシへテロ原子含有2価または多価の環状部分構造である、付記7に記載の組成物。
付記9
組成物が、約5〜40重量%の範囲のマレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドを含む、付記6に記載の組成物。
付記10
少なくとも1つのラジカル重合性モノマーがアクリレートを含む、付記1に記載の組成物。
付記11
アクリレートが、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、およびより高い官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
付記12
組成物が、約5〜30重量%の範囲のアクリレートを含む、付記10に記載の組成物。
付記13
少なくとも1つのラジカル重合性モノマーが、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド官能基およびアクリレート官能基を含む、付記1に記載の組成物。
付記14
極性基を有するポリマーが、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルゴム、ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、アクリル共重合体およびこれらの変性ポリマーからなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
付記15
組成物が、約5〜40重量%の範囲の極性基を有するポリマーを含む、付記14に記載の組成物。
付記16
エポキシが、ビスフェノールAに基づく液型エポキシ、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ、ビスフェノールFに基づく液型エポキシ、フェノールノボラック樹脂に基づく多官能エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、またはこれらの任意の2種以上の混合物である、付記1に記載の組成物。
付記17
エポキシが、脂環式アルコールのジエポキシド、水添ビスフェノールA、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル、またはこれらの任意の2種以上の混合物である、付記16に記載の組成物。
付記18
エポキシが存在する場合、組成物が、約0.5〜20重量%の範囲のエポキシを含む、付記16に記載の組成物。
付記19
エポキシが存在する場合、エポキシ硬化剤も存在し、エポキシ硬化剤が、尿素、脂肪族および芳香族アミン、アミン硬化剤、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、尿素−アミンハイブリッド硬化システム、フリーラジカル開始剤、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール類、酸無水物、ルイス酸、およびルイス塩基からなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
付記20
組成物が、約0.1〜20重量%の範囲のエポキシ硬化剤を含む、付記19に記載の組成物。
付記21
フリーラジカル重合開始剤が、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、またはアゾ化合物である、付記1に記載の組成物。
付記22
組成物が、約0.2〜2重量%の範囲のフリーラジカル重合開始剤を含む、付記21に記載の組成物。
付記23
ラジカル安定化剤が、存在する場合、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒンダードフェノール、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系紫外線吸収剤からなる群から選択される、付記1に記載の組成物。
付記24
組成物が、約0.1〜1重量%の範囲のラジカル安定化剤を含む、付記23に記載の組成物。
付記25
フィラーが、シリカである、付記1に記載の組成物。
付記26
粒子フィラーの少なくとも10重量%が、約2〜150ナノメートルの範囲の粒径有し、残りのフィラーが、5ミクロンを超えない粒径を有し、約200〜1000ナノメートルの範囲の平均粒径を有する、付記1に記載の組成物。
付記27
組成物が、約20〜80重量%の範囲の粒子フィラーを含む、付記1に記載の組成物。
付記28
希釈剤が、存在する場合、芳香族炭化水素、飽和炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、ポリオール、エステル、ケトン、アミド、又は複素環式芳香族化合物である、付記1に記載の組成物。
付記29
希釈剤が、存在する場合、全組成物の約10〜50重量%の範囲で含む、付記28に記載の組成物。
付記30
組成物が、
少なくとも20重量%が、マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドモノマーであり、少なくとも20重量%が、アクリレートモノマーである、ラジカル重合性モノマーを少なくとも10重量%、
極性基を有するポリマーを少なくとも5重量%、
エポキシを少なくとも0.5重量%、
エポキシ硬化剤を少なくとも0.1重量%、
開始剤を少なくとも0.1重量%、
ラジカル安定化剤を少なくとも0.1重量%、
フィラーを少なくとも20重量%、および
任意に、非反応性有機希釈剤を50重量%まで含む、付記1に記載の組成物。
付記31
組成物が、
5〜40重量%のマレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
5〜30重量%のアクリレート、
5〜40重量%の極性基を有するポリマー、
0.5〜10重量%のエポキシ、
0.1〜20重量%のエポキシ硬化剤、
0.1〜2重量%の開始剤、
0.1〜1重量%のラジカル安定化剤、
20〜80重量%のフィラー、および任意に10〜50重量%の非反応性有機希釈剤を含む、付記30に記載の組成物。
付記32
付記1に記載の組成物を作製する方法であって、方法が、実質的に均一なブレンドを生成するのに適する条件下で、その成分を組み合わせることを含む方法。
付記33
付記1に記載の組成物をB−ステージ硬化する際に得られた反応生成物を含むアンダーフィルフィルム。
付記34
フィルムが、その中にナノ粒子フィラーを欠く組成物に対して透明性が改善している、付記33に記載のアンダーフィルフィルム。
付記35
フィルムが、550nm以上の波長に対して少なくとも80%の透明性を有する、付記33に記載のアンダーフィルフィルム。
付記36
アンダーフィルフィルムを調製するための方法であって、方法が、適する基板への適用後に、付記1に記載の組成物を硬化させることを含む方法。
付記37
適する基板が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、またはガラスである、付記36に記載の方法。
付記38
適する基板に付着した付記33に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品。
付記39
アンダーフィルフィルムを調製する方法であって、方法が、
適する基板に付記1に記載の組成物を適用し、その後、組成物を硬化することを含む方法。
付記40
付記39に記載の方法によって調製したアンダーフィルフィルム。
付記41
シリカ粒子含有アンダーフィル配合物の硬化速度、透明性、粘着性および/または溶融粘度を改善する方法であって、方法が、シリカ粒子の少なくとも5重量%を約2〜150ナノメートルの範囲の粒径を有するナノシリカ粒子で置換することを含む方法。
付記42
ゲル時間によって測定される硬化速度が、250℃で約1〜5秒の範囲である、付記41に記載の方法。
付記43
5〜10℃/分のランプ速度で測定した場合、溶融粘度が、20,000ポアズ未満である、付記41に記載の方法。
付記44
テクスチャーアナライザーによって測定される配合物の粘着性が、室温で100グラム重量未満である、付記41に記載の方法。