特許第6679501号(P6679501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6679501メモリセルおよびソース線を酸化させずにマスキング層のドライエッチングを行う方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679501
(24)【登録日】2020年3月23日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】メモリセルおよびソース線を酸化させずにマスキング層のドライエッチングを行う方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20200406BHJP
   H01L 21/8239 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 301M
   H01L27/105 448
   H01L21/90 L
   H01L45/00 Z
   H01L49/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-567870(P2016-567870)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2017-520912(P2017-520912A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】JP2015002282
(87)【国際公開番号】WO2015177972
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年4月10日
(31)【優先権主張番号】14/283,893
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アクター カムラン
(72)【発明者】
【氏名】デュッタ アシム
(72)【発明者】
【氏名】シュリンスキー アレックス ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】トラップ シェーン ジェイ
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−252278(JP,A)
【文献】 特開2003−031580(JP,A)
【文献】 特開2009−170547(JP,A)
【文献】 特開2013−145874(JP,A)
【文献】 特表2002−517901(JP,A)
【文献】 特表2008−519458(JP,A)
【文献】 特開平10−041298(JP,A)
【文献】 特開2002−064190(JP,A)
【文献】 特開2006−019414(JP,A)
【文献】 特開2011−243595(JP,A)
【文献】 特開2005−045053(JP,A)
【文献】 特開2004−247675(JP,A)
【文献】 特開2009−010043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/768
H01L 21/8239
H01L 23/532
H01L 27/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスキング層にトレンチを形成し、
前記トレンチ内にセル構造およびソース線を形成し、
前記セル構造および前記ソース線に、前記セル構造および前記ソース線の酸化を防ぐためのパッシベーション工程として、
前記セル構造および前記ソース線の金属層をパッシベートする化合物を用いて、前記セル構造上および前記ソース線上に、前記化合物と前記金属層との反応から保護膜を形成し、
前記パッシベーション工程後に、酸素系プラズマを用いて前記マスキング層を掘削する
メモリセルの製造方法。
【請求項2】
前記トレンチ内に、第1バリア層、前記セル構造、第2バリア層および前記ソース線をこの順に形成する
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セル構造および前記ソース線は、前記トレンチ内および前記マスキング層上に形成され、
前記マスキング層上の前記セル構造および前記ソース線に平坦化処理を施した後、前記パッシベーション工程を行う
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トレンチは金属コンタクトを露出させる
請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記パッシベーション工程を、反応スパッタリングタイプのプラズマ系処理チャンバ内で行う
請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
更に、前記セル構造から前記保護膜を除去し、前記化合物の後の工程での相互作用を防止することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セル構造からの前記保護膜の除去は、スパッタ除去によってなされる
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スパッタ除去は、インサイチュ(in-situ)でのH2またはH2−Arプラズマを用いてなされる
請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年5月21日に出願されたアメリカ合衆国優先権出願US14/283893の利益を主張し、その全ての内容を参照によって援用する。
【0002】
本開示の所定の形態は、セルおよびソース線を酸化させずにドライ掘削を行う方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の金属膜が代替メモリ技術として、活発に追求されている。銅を含むCBRAM(Conductive Bridge Random Access Memory)セルは、サブトラクティブ法フローとダマシン法フローの両方を用いて開発されている。CBRAMダマシンフローは、カーボンのパターニングを行い、CBRAMセルおよび銅のソース線を設け、続いて、CMP(chemical-mechanical planarization)処理とカーボン掘削とを行う。通常のカーボン掘削処理の間、セルおよびソース線の銅表面は酸素プラズマに晒され、そして、高度に酸化される。それにより、銅線の構造が破壊される。場合によっては、キャッピング材料の使用または代替金属ソース線の使用によって酸化が防止される。しかしながら、これはソース線の抵抗を上昇させ、より複雑で高価な構造と処理積分スキームとが必要となる。同様に、銅膜上へのHARC(high aspect ratio contact)形成は、通常の酸素ストリップ(strip)中の酸化から銅を保護するため、マスクストリップの後に、一面を覆うBLOK (Barrier Low-k)誘電体の穴あけ(パンチ)を要する。このBLOKパンチは、最上部のCD(critical dimension)をかなり増加させ、コンタクトCDがとても小さい場合には、BLOKパンチがスケーリングにとって重大な障壁となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、当該技術分野では、本発明の例示的な形態にしたがって、銅のソース線または銅のセルを酸化させることなく、また、ソース線の抵抗を上昇させることなくドライ掘削を行う方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
方法は、実質的に少なくとも1つの図面と関連付けて示され、かつ/または、記載されているように、より完全には特許請求の範囲に記載のように、銅を酸化させないドライ掘削のためのものである。
【0006】
本開示のこれらの特徴および他の特徴と、利点とは、本開示の以下の詳細な説明を添付の図面とともに読むことにより認識され得る。図面では、全てにわたって同様の数字が同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第1工程を示している。
図2図2は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第2工程を示している。
図3図3は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第3工程を示している。
図4図4は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第4工程を示している。
図5図5は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第5工程を示している。
図6図6は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第6工程を示している。
図7図7は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第1工程を示している。
図8図8は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第2工程を示している。
図9図9は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第3工程を示している。
図10図10は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第4工程を示している。
図11図11は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第5工程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の例示的な形態は、セルおよびソース線を酸化させることなくドライ掘削を行う方法に関するものである。1つの形態によれば、典型的なダマシンフローは、ドライ掘削処理で行われるフッ素系プラズマ工程を備えている。フッ素は、セルおよびソース線(例えば、銅のセルおよび銅のソース線)の物質と反応して、薄いフッ化銅(CuFx)の膜を形成する。フッ化銅の膜は、酸素プラズマに基づくカーボン掘削処理の間、銅のセルおよび銅のソース線を酸化から保護する。
【0009】
典型的なダマシン処理技術では、誘電層が半導体表面にわたって設けられる。誘電層は、典型的には酸化物であり、通常IMD(intermetal dielectric)と呼ばれる。酸化物層は、平坦な上面が得られるように研磨される。次に、種々の金属層の間での相互接続を形成するために、一連の周知の処理工程が施される。ダマシン処理により、小さい、密接配置された相互接続およびコンタクトを形成することができる。
【0010】
図1−6は、ダマシンフローにおいて、セルおよびソース線を酸化させずにカーボン掘削を行う処理を描写している。
【0011】
図1は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第1工程を示している。金属コンタクト110とともに基板108を含むデバイス100が示されている。金属コンタクト110は、標準的な処理を用いてデバイス100内に形成されたものである。カーボンまたはUL(underlayer)の誘電層106は、基板108上に設けられている。マスキング層104は誘電層106上に設けられている。フォトレジスト層102はマスキング層104上に設けられている。フォトレジスト層102はパターニングされ、開口105が形成されている。当該技術分野の通常の知識を有するものであれば、層106が、掘削可能であり、フッ素と反応しないものであれば、カーボン以外のものであってもよいことは理解できるであろう。
【0012】
図2は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第2工程を示している。マスキング層104は、パターニングされたフォトレジスト層102を用いてエッチングされ、誘電層106内にトレンチ200が形成される。トレンチ200は金属コンタクト110および基板108を露出させる。
【0013】
図3は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第3工程を示している。バリアライナー層301は、トレンチ200内に設けられる。バリア層301は、いくつかの形態において、限定されないがCVD/ALD(Chemical Vapor Deposition / Atomic Layer Deposition)酸化物および窒化物を含んでいてもよい。続いて、いくつかの形態では、銅(Cu)のセル原料がトレンチ200内に設けられ、セル300が形成される。そして、別の導電性バリア金属(例えば、エレクトロマイグレーションバリア金属 (electromigration barrier metal))層302がセル300上に設けられ、続いて、別の銅を設けて、ソ−ス線310を形成する。バリア層301、バリア層302、セル300およびソース線310は、誘電層106の平面上に積みあげられている。
【0014】
図4は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第4工程を示している。積み上げられた部分は、CMP(chemical mechanical planarization)処理を用いて平坦化され、セル300およびソース線310の銅表面が露出された状態となる。
【0015】
図5は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第5工程を示している。CMPの後、露出されたセル300およびソース線310は、パッシベーション工程でフッ素系エッチャントと反応する。インサイチュ(in-situ)でのフッ素反応は、掘削またはストリップ処理の前に、反応スパッタリングタイプのプラズマ系処理チャンバ内で行われ得る。いくつかの形態によれば、フッ素系エッチャントは、CF4,SF6,NF3,CHF3,CH22または、銅をパッシベートする他のフッ素系化合物であってもよい。この形態では、パッシベーションガスは、流量比1:2、全流量が40mTorrで150sccm となるよう、Ar(He)ガスで希釈されている。プラズマは、500WのRFパワー、13.56MHzの誘導結合ドライエッチチャンバ内で生成される。この形態によれば、銅セル300およびソース線310は、フッ素系プラズマに25秒間晒される。当該技術分野において通常の知識を有するものであれば、適宜、異なるエッチャントおよびタイミングを用いてもよいことは理解できる。銅をフッ素に晒すことにより、セル300およびソース線310に保護膜400が形成される。保護膜400は例えばCuFXにより構成されている。保護膜400は、セル300およびソース線310を酸化から保護するバリアとして機能する。誘電層106もまたフッ素に晒されるが、フッ素は誘電層106の材料とは反応しない。誘電層106の材料は、例えば、カーボンまたはULである。
【0016】
図6は、本発明の例示的な形態に係る掘削処理の第6工程を示している。ドライ掘削は、以下のような状況でなされる。誘電層106の掘削には酸素系プラズマが用いられるが、このとき、保護膜400がセル300およびソース線310を酸化から保護している。通常、酸素プラズマ系の掘削は、セル300およびソース線310を酸化する。しかしながら、保護膜400は酸素を透過させないので、セル300およびソース線310を酸化から保護することができる。掘削の間、バリア層301がセル300の側面を酸素プラズマから保護する。
【0017】
1つの形態によれば、掘削後、セル物質400が設けられた表面上の保護膜400は、インサイチュでのH2,H2−Arプラズマを用いてスパッタ除去される。この工程は、デバイス100に加えられる物質がフッ素と相互作用する虞がある場合に、掘削処理後に任意で行われる。
【0018】
図7−11は、本発明の例示的な形態に従って、HARCエッチングにおいてコンタクトCDを変動(blowout)させることなく行う、ビアのエッチング処理を描写している。
【0019】
図7は、本発明の例示的な形態に係るエッチング処理の第1工程を示している。最初のダマシン処理によりデバイス700を形成する。デバイス700は、パターニングされたフォトレジスト層712とともに、銅膜702、バリア誘電膜704、誘電層706、マスキング層708,710を含んでいる。1つの形態によれば、膜704はBLOK膜(例えば、炭化シリコン/窒化シリコン)であり、誘電層706は酸化膜または窒化膜である。この形態では、マスキング層708は、カーボンポリマーマスクまたはULマスクなどのカーボンマスクである。マスキング層710は、HM(hard mask)または標準的な酸窒化シリコンからなるDARC(Dielectric Anti-Reflection Coating)である。
【0020】
図8は、本発明の例示的な形態に係るエッチング処理の第2工程を示している。ビア800は、マスキング層708、誘電層706およびバリア誘電膜704内にエッチングされ、銅膜702が露出される。
【0021】
図9は、本発明の例示的な形態に係るエッチング処理の第3工程を示している。銅のパッシベーションは、露出された銅膜702の一部にフッ素系プラズマを照射することによりなされる。図1−6に示したように、フッ素系化合物は銅膜702と反応して保護膜900を形成する。保護膜900は、フッ化銅(CuFX)化合物により形成されており、フッ化銅化合物が銅膜702のパッシベーション層として機能する。フッ素系エッチャントは、CF4,SF6,NF3,CHF3,CH22または、銅をパッシベートする他のフッ素系化合物であってもよい。フッ素パッシベーション反応は、掘削またはストリップ処理の前に、処理チャンバ内で行われる。いくつかの形態では、BLOKエッチングとパッシベーション工程とが組み合わされる。この場合、フッ素系エッチングを用いてなされるBLOKエッチングが、銅膜702をパッシベートする。
【0022】
図10は、本発明の例示的な形態に係るエッチング処理の第4工程を示している。マスキング層708は、酸素プラズマ系掘削処理を用いて、掘削される。これにより、マスキング層708が除去され、誘電層706で止まる。保護膜900は、マスキング層708を掘削している間に、銅膜702が酸化されるのを防ぐ。この処理過程により、選択的なマスクの存在下でのバリア層(BLOK)のエッチングがなされるので、コンタクト上部のCDが完全な状態で維持される。これに対し、既存の技術では、銅の酸化を防ぐために、バリア層の存在下でマスクの掘削を行い、続いて、BLOK全面(マスクなし)での穴あけ(パンチ)により銅層を露出させる。これにより、コンタクト上部のCDが変動する。
【0023】
図11は、本発明の例示的な形態に係るエッチング処理の第5工程を示している。保護膜900は、マスキング層708が掘削された後、フッ素と他の化合物との将来的な相互作用を防ぐために、必要に応じて除去される。保護膜900は、インサイチュでのH2,H2−Arプラズマを使用したスパッタ除去で除去される。
【0024】
本開示は、所定の形態を参照して説明してきたが、当該技術分野の通常の知識を有するものであれば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形をなしてもよく、等価物への置き換えをしてもよいことは理解できるであろう。加えて、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、本開示の内容に対して、特定の状況または特定の材料を採用して、多くの変形例を作成してもよい。そして、本開示は、開示された特定の形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲の全ての形態を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11