特許第6679539号(P6679539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6679539-液位検出装置 図000002
  • 特許6679539-液位検出装置 図000003
  • 特許6679539-液位検出装置 図000004
  • 特許6679539-液位検出装置 図000005
  • 特許6679539-液位検出装置 図000006
  • 特許6679539-液位検出装置 図000007
  • 特許6679539-液位検出装置 図000008
  • 特許6679539-液位検出装置 図000009
  • 特許6679539-液位検出装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679539
(24)【登録日】2020年3月23日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】液位検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/38 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   G01F23/38
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-111090(P2017-111090)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-205136(P2018-205136A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎平
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 真太郎
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−190953(JP,A)
【文献】 特開2005−265468(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0103103(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/30−23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサハウジングと、
前記センサハウジングに回動可能に保持されたホルダと、
前記ホルダに設けられたアーム固定部と、
基端側が前記アーム固定部によって前記ホルダに固定されたフロートアームと、
前記フロートアームの先端に設けられ、タンク内に貯留された液体の液面に追従して変位するフロートと、
前記ホルダに設けられたマグネットと、
前記センサハウジングに設けられ、前記ホルダのマグネットの変位を検出するホール素子と、を備え、
前記フロートアームは、前記ホルダの回動軸を通るように前記回動軸に直交する方向に配置されて前記ホルダに固定され、
前記センサハウジングは、前記フロートアームにおける前記ホルダの前記回動軸よりも先端側が当接することで前記ホルダの回動角度を規制する一対の第一ストッパを備え、
前記アーム固定部は、前記フロートアームの基端を屈曲させた係止端が挿し込まれる係止孔と、前記係止孔に挿し込んだ前記係止端を支点に回動される前記フロートアームが嵌め込まれる保持溝を有する保持部と、前記保持部における前記係止孔と反対側に形成され、前記保持溝に嵌め込まれた前記フロートアームの周面を係止するため前記ホルダの前方側へ突出する爪部を先端に有する可撓アームからなる係止部と、を備え、
前記フロートアームの基端近傍部分が、少なくとも前記回動軸に直交するように前記ホルダの前面側に形成された前記保持溝によって前記回動軸に直交する方向にわたって保持される
ことを特徴とする液位検出装置。
【請求項2】
前記センサハウジングは、
前記フロートアームにおける前記回動軸よりも基端側が当接することで、前記ホルダの回動角度を前記第一ストッパよりも広い回動角度で規制する一対の第二ストッパを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の液位検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンク内に貯留された液体の液位を検出する液位検出装置は、ホール素子を有する装置本体と、装置本体に対して回動可能に設けられたマグネットを有するホルダと、基端部がホルダに組付けられたフロートアームと、フロートアームの先端部に設けられたフロートとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この液位検出装置では、フロートが液面を追従してフロートアームが揺動し、ホルダが装置本体に対して回動することで、装置本体のホール素子がホルダのマグネットの磁束の変化を検出し、その検出結果に基づいて液位を検出する。この液位検出装置では、フロートアームがホルダに固定されており、フロートアームにおけるホルダの回動軸よりも基端側の曲げ部先端が装置本体の規制部材に当接することで、ホルダの回動範囲が規制される構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5176997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記構造の液位検出装置において、例えば、組付け時等にフロートアームが周囲の部材に接触し、フロートアームの曲げ部先端が装置本体のストッパである規制部材に対して大きな力で当接することがある。すると、ホルダにおけるフロートアームの固定箇所に大きな荷重が作用し、フロートアームがホルダから外れたり、ホルダを回動可能に支持する支持部などが変形したりするおそれがある。この大きな荷重に耐えられるようにフロートアームの固定箇所やホルダの支持部を強化すると、構造の複雑化によるコストアップや大型化を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストアップや大型化を招くことなく、フロートアームからの荷重に対して耐久性を持たせることが可能な液位検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る液位検出装置は、下記(1)及び(2)を特徴としている。
(1) センサハウジングと、前記センサハウジングに回動可能に保持されたホルダと、前記ホルダに設けられたアーム固定部と、基端側が前記アーム固定部によって前記ホルダに固定されたフロートアームと、前記フロートアームの先端に設けられ、タンク内に貯留された液体の液面に追従して変位するフロートと、前記ホルダに設けられたマグネットと、前記センサハウジングに設けられ、前記ホルダのマグネットの変位を検出するホール素子と、を備え、前記フロートアームは、前記ホルダの回動軸を通るように前記回動軸に直交する方向に配置されて前記ホルダに固定され、前記センサハウジングは、前記フロートアームにおける前記ホルダの前記回動軸よりも先端側が当接することで前記ホルダの回動角度を規制する一対の第一ストッパを備え、前記アーム固定部は、前記フロートアームの基端を屈曲させた係止端が挿し込まれる係止孔と、前記係止孔に挿し込んだ前記係止端を支点に回動される前記フロートアームが嵌め込まれる保持溝を有する保持部と、前記保持部における前記係止孔と反対側に形成され、前記保持溝に嵌め込まれた前記フロートアームの周面を係止するため前記ホルダの前方側へ突出する爪部を先端に有する可撓アームからなる係止部と、を備え、前記フロートアームの基端近傍部分が、少なくとも前記回動軸に直交するように前記ホルダの前面側に形成された前記保持溝によって前記回動軸に直交する方向にわたって保持されることを特徴とする液位検出装置。
(2) 前記センサハウジングは、前記フロートアームにおける前記回動軸よりも基端側が当接することで、前記ホルダの回動角度を前記第一ストッパよりも広い回動角度で規制する一対の第二ストッパを備えることを特徴とする上記(1)に記載の液位検出装置。
【0008】
上記(1)の構成の液位検出装置によれば、センサハウジングに設けられた第一ストッパが、フロートアームにおける回動軸よりも先端側が当接することでホルダの回動角度を規制する。したがって、フロートアームにおけるホルダの回動軸よりも基端側が当接することでホルダの回動を規制する構造と比べ、フロートアームを固定するホルダのアーム固定部に作用するトルクを極力抑えることができる。これにより、例えば、組付け時等にフロートアームが周囲の部材に接触してフロートアームに大きな力が付与されても、アーム固定部への負荷を抑えることができる。したがって、アーム固定部を強化するためにコストアップや大型化を招くようなことなく、フロートアームからの荷重に対して耐久性を持たせることができる。また、ホルダへ付与される荷重が抑えられるので、センサハウジングにおけるホルダの支持部への負荷が抑えられ、支持部での変形等による液面検出への影響を抑え、高い検出精度を維持させることができる。
上記(2)の構成の液位検出装置では、フロートアームに過荷重が付与されると、第一ストッパに当接したフロートアームが第二ストッパに当接する。これにより、フロートアームに作用する過荷重を第一ストッパと第二ストッパとで分散して受け止めることができ、アーム固定部への負荷をさらに抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コストアップや大型化を招くことなく、フロートアームからの荷重に対して耐久性を持たせることが可能な液位検出装置を提供できる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る液位検出装置の全体の斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る液位検出装置の分解斜視図である。
図3図3は、本実施形態に係る液位検出装置の要部斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係る液位検出装置の断面図である。
図5図5は、センサハウジングの斜視図である。
図6図6は、センサハウジングの一部の正面図である。
図7図7は、ホルダを説明する図であって、図7の(a)はフロートアームの装着前におけるホルダの斜視図、図7の(b)はフロートアームの装着途中におけるホルダの斜視図である。
図8図8は、ホルダの回転角度を説明する液位検出装置の一部の正面図である。
図9図9は、センサハウジングに対するフロートアームの回動状態を示す図であって、図9の(a)はフロートアームが第一ストッパに当接した状態におけるホルダを省略した液位検出装置の一部の正面図、図9の(b)はフロートアームが第一ストッパ及び第二ストッパに当接した状態におけるホルダを省略した液位検出装置の一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液位検出装置10の全体の斜視図である。図2は、本実施形態に係る液位検出装置10の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る液位検出装置10の要部斜視図である。図4は、本実施形態に係る液位検出装置10の断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る液位検出装置10は、装置本体20と、ホルダ70と、フロートアーム71と、フロート72とを有している。装置本体20は、センサハウジング21と、端子22と、保持部材23とを備えている。
【0014】
図3及び図4に示すように、端子22及び保持部材23は、それぞれセンサハウジング21に組付けられる。端子22には、センサハウジング21の内部に設けられたホール素子25のリード26が電気的に接続される。また、端子22には、保持部材23によって保持される検出線24が接続されており、これらの検出線24は、センサハウジング21の上部から引き出されている。
【0015】
ホルダ70には、フロートアーム71の基端が接続されている。フロートアーム71の他端は自由端とされており、この自由端には、フロート72が固定されている。ホルダ70は、内部に環状のマグネット75を有する円形状に形成されており、センサハウジング21の前面側に装着されて回動可能に保持される。ホルダ70は、後面側における中心部分に軸凹部76を有している。マグネット75は、軸凹部76の内周側に配置されている。また、ホルダ70の後面側には、マグネット75の外周側に、ガイド凹部77が形成されている。さらに、ホルダ70は、後面側における縁部に、一対の鍔部78を有している。これらの鍔部78は、ホルダ70の上下位置に配置されており、径方向外方へ向かって突出されている。
【0016】
液位検出装置10は、例えば、自動車等の車両に搭載される燃料タンクの被取付部に取り付けられ、燃料タンクの内部に貯留する燃料の液位を検出する。
【0017】
液位検出装置10は、液面を追従するフロート72の移動に伴ってフロートアーム71が揺動し、フロートアーム71が接続されたホルダ70が装置本体20に対して回動する。すると、装置本体20内のホール素子25がホルダ70のマグネット75の磁束の変化を検出し、その検出結果が検出線24を介して測定部に送信される。測定部では、ホール素子25からの検出結果に基づいて、液位の測定を行い、必要に応じて警告を行う。例えば、測定部は、燃料タンク内の燃料切れなどの警告を行う。
【0018】
図5は、センサハウジング21の斜視図である。図6は、センサハウジング21の一部の正面図である。
図5及び図6に示すように、装置本体20のセンサハウジング21は、その前面側に、ホルダ70が回動可能に収容される回動凹部30を有している。回動凹部30は、平面視円形状に形成されている。回動凹部30の中心には、軸部31が突設されており、この軸部31にホール素子25が設けられている。センサハウジング21には、回動凹部30の内周部分に、周方向にわたって係止溝32が形成されている(図4参照)。また、センサハウジング21の前面側には、回動凹部30の縁部における対向位置に、一対の挿通穴33が形成されている。これらの挿通穴33は、センサハウジング21における回動凹部30を挟んだ左右位置に形成されており、それぞれ係止溝32と連通されている。また、回動凹部30の底部には、軸部31の周囲を囲うように形成されたガイド突条34が周方向にわたって形成されている。
【0019】
センサハウジング21の前面側には、回動凹部30の中心よりも下方側に、一対の第一ストッパ35が突設されている。これらの第一ストッパ35は、回動凹部30の外側において、左右に間隔をあけて配置されている。また、センサハウジング21の前面側における回動凹部30の縁部には、回動溝36及び第二ストッパ37が形成されている。回動溝36は、挿通穴33同士の間における回動凹部30の上部に形成されている。第二ストッパ37は、回動溝36の両端に形成されている。
【0020】
図7は、ホルダ70を説明する図であって、図7の(a)はフロートアーム71の装着前におけるホルダ70の斜視図、図7の(b)はフロートアーム71の装着途中におけるホルダ70の斜視図である。
【0021】
図7の(a),(b)に示すように、ホルダ70は、アーム固定部82を有している。フロートアーム71は、アーム固定部82によって、ホルダ70の回動軸Oを通るように回動軸Oに直交する方向に配置されてホルダ70に固定されている(図8参照)。アーム固定部82は、係止孔81と、保持部83と、係止部84とを有している。係止孔81は、ホルダ70の表裏に貫通する孔部からなるもので、ホルダ70の周縁における一部に形成されている。フロートアーム71の一端である基端は、直角に屈曲された係止端71aとされており、この係止端71aが、係止孔81へ挿し込まれる。係止孔81へ挿し込まれた係止端71aは、回動溝36内に配置される。
【0022】
保持部83は、ホルダ70の前面側に形成されている。保持部83は、側方へ張り出す保持片85を有しており、この保持片85とホルダ70の前面との間に保持溝86が形成されている(図4参照)。この保持溝86には、フロートアーム71の基端近傍部分が側方から嵌め込まれる。係止部84は、保持部83における係止孔81と反対側に形成されている。可撓アームからなる係止部84は、ホルダ70の前方側へ突出する爪部87を先端に有している。爪部87は、保持部83の保持溝86に嵌め込まれたフロートアーム71の周面を係止する。
【0023】
センサハウジング21へホルダ70を組付けるには、センサハウジング21の挿通穴33の位置にホルダ70の鍔部78を合わせた状態で、回動凹部30にホルダ70を嵌め込む。このようにすると、鍔部78が挿通穴33へ通されるとともに、ホルダ70の軸凹部76内にセンサハウジング21の軸部31が挿入される。また、ホルダ70のガイド凹部77内にセンサハウジング21のガイド突条34が入り込む。
【0024】
次に、回動凹部30に嵌め込んだホルダ70を、係止孔81が上方に配置されるように回動させる。このようにすると、ホルダ70の鍔部78がセンサハウジング21の係止溝32に入り込み、センサハウジング21の回動凹部30に対してホルダ70が抜け止めされる。
【0025】
ホルダ70にフロートアーム71を組付けるには、フロートアーム71の基端に形成された係止端71aをホルダ70の係止孔81へ挿し込む(図7の(a)参照)。
【0026】
次に、係止孔81へ挿し込んだ係止端71aを支点としてフロートアーム71を回し、フロートアーム71の基端近傍部分を保持部83の保持溝86へ側方から嵌め込む(図7の(b)参照)。このようにすると、フロートアーム71の基端近傍部分が保持部83によって保持されるとともに、係止部84の爪部87によって周面が係止される。これにより、フロートアーム71は、ホルダ70に対して、その基端側が固定される。
【0027】
図8は、ホルダ70の回転角度を説明する液位検出装置10の一部の正面図である。図9は、センサハウジング21に対するフロートアーム71の回動状態を示す図であって、図9の(a)はフロートアーム71が第一ストッパ35に当接した状態におけるホルダ70を省略した液位検出装置10の一部の正面図、図9の(b)はフロートアーム71が第一ストッパ35及び第二ストッパ37に当接した状態におけるホルダ70を省略した液位検出装置10の一部の正面図である。
【0028】
図8に示すように、液位検出装置10では、ホルダ70が回動されることで、フロートアーム71におけるホルダ70の回動軸Oよりも先端側がセンサハウジング21の一対の第一ストッパ35に当接される。これにより、ホルダ70は、その回動範囲が第一回動角度θAに規制される。なお、ホルダ70の回動範囲が規制されることで、ホルダ70の鍔部78が挿通穴33の位置へ移動することによるホルダ70のセンサハウジング21からの脱落が防止される。
【0029】
また、液位検出装置10では、ホルダ70がさらに回動されることで、フロートアーム71の係止端71aがセンサハウジング21の一対の第二ストッパ37に当接可能とされている。これらの第二ストッパ37に係止端71aが当接されることで、ホルダ70は、その回動が第二回動角度θBに規制される。
【0030】
ここで、第二回動角度θBは、第一回動角度θAよりも広い回動角度とされている。つまり、これらの第一回動角度θAと第二回動角度θBとは、下記式(1)の関係とされている。
【0031】
θA<θB…………式(1)
【0032】
したがって、フロートアーム71は、図9の(a)に示すように、ホルダ70の回動軸Oよりも先端側が第一ストッパ35に当接した時点で、フロートアーム71の係止端71aは第二ストッパ37に当接せずに隙間をあけた位置に配置される。
【0033】
上記構造の液位検出装置10では、第一ストッパ35は、フロートアーム71におけるホルダ70の回動軸Oよりも先端側が当接することでホルダ70の回動を規制する。したがって、フロートアーム71におけるホルダ70の回動軸Oよりも基端側が当接することでホルダ70の回動を規制する構造と比べ、フロートアーム71を固定するアーム固定部82に作用するトルクが極力抑えられる。
【0034】
また、図9の(b)に示すように、フロートアーム71に過荷重Fが付与されると、フロートアーム71が第一ストッパ35に対して大きな荷重で当接する。すると、液位検出装置10では、フロートアーム71が過荷重Fによって湾曲し、フロートアーム71の係止端71aが第二ストッパ37に当接する。これにより、フロートアーム71に作用する過荷重Fは、第一ストッパ35だけでなく第二ストッパ37にも作用することで、分散して受け止められることとなる。
【0035】
このように、本実施形態に係る液位検出装置10によれば、センサハウジング21に設けられた第一ストッパ35が、フロートアーム71における回動軸Oよりも先端側が当接することでホルダ70の回動角度を規制する。したがって、フロートアーム71におけるホルダ70の回動軸Oよりも基端側が当接することでホルダ70の回動を規制する構造と比べ、フロートアーム71を固定するホルダ70のアーム固定部82に作用するトルクを極力抑えることができる。これにより、例えば、組付け時等にフロートアーム71が周囲の部材に接触してフロートアーム71に大きな力が付与されても、アーム固定部82への負荷を抑えることができる。したがって、アーム固定部82を強化するためにコストアップや大型化を招くようなことなく、フロートアーム71からの荷重に対して耐久性を持たせることができる。また、ホルダ70へ付与される荷重が抑えられるので、センサハウジング21における軸部31などのホルダ70の支持部への負荷が抑えられ、支持部での変形等による液面検出への影響を抑え、高い検出精度を維持させることができる。
【0036】
また、本実施形態に係る液位検出装置10では、フロートアーム71に過荷重Fが付与されると、第一ストッパ35に当接したフロートアーム71が第二ストッパ37に当接する。これにより、フロートアーム71に作用する過荷重Fを第一ストッパ35と第二ストッパ37とで分散して受け止めることができ、アーム固定部82への負荷をさらに抑えることができる。
【0037】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0038】
ここで、上述した本発明に係る液位検出装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]及び[2]に簡潔に纏めて列記する。
[1] センサハウジング(21)と、
前記センサハウジング(21)に回動可能に保持されたホルダ(70)と、
前記ホルダ(70)に設けられたアーム固定部(82)と、
基端側が前記アーム固定部(82)によって前記ホルダ(70)に固定されたフロートアーム(71)と、
前記フロートアーム(71)の先端に設けられ、タンク内に貯留された液体の液面に追従して変位するフロート(72)と、
前記ホルダ(70)に設けられたマグネット(75)と、
前記センサハウジング(21)に設けられ、前記ホルダ(70)のマグネット(75)の変位を検出するホール素子(25)と、を備え、
前記フロートアーム(71)は、前記ホルダ(70)の回動軸(O)を通るように前記回動軸(O)に直交する方向に配置されて前記ホルダ(70)に固定され、
前記センサハウジング(21)は、前記フロートアーム(71)における前記ホルダ(70)の前記回動軸(O)よりも先端側が当接することで前記ホルダ(70)の回動角度を規制する一対の第一ストッパ(35)を備える
ことを特徴とする液位検出装置。
[2] 前記センサハウジング(21)は、
前記フロートアーム(71)における前記回動軸(O)よりも基端側が当接することで、前記ホルダ(70)の回動角度を前記第一ストッパ(35)よりも広い回動角度で規制する一対の第二ストッパ(37)を備える
ことを特徴とする上記[1]に記載の液位検出装置。
【符号の説明】
【0039】
10:液位検出装置
21:センサハウジング
25:ホール素子
35:第一ストッパ
37:第二ストッパ
70:ホルダ
71:フロートアーム
72:フロート
75:マグネット
82:アーム固定部
O:回動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9