(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679551
(24)【登録日】2020年3月23日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法及びこれにより製造した離型フィルム
(51)【国際特許分類】
B05D 7/24 20060101AFI20200406BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20200406BHJP
C08J 7/04 20200101ALI20200406BHJP
C08F 299/08 20060101ALI20200406BHJP
C09D 4/00 20060101ALI20200406BHJP
C09D 183/00 20060101ALI20200406BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20200406BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
B05D7/24 302Y
B05D7/24 303A
B05D7/24 301B
B32B27/00 L
B32B27/00 101
C08J7/04 ZCER
C08J7/04CEZ
C08F299/08
C09D4/00
C09D183/00
H01G13/00 351Z
C09K3/00 R
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-192340(P2017-192340)
(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-840(P2019-840A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2017年10月6日
(31)【優先権主張番号】201710437601.2
(32)【優先日】2017年6月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515024760
【氏名又は名称】浙江潔美電子科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】梁 仁▲調▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲慶▼超
(72)【発明者】
【氏名】肖 ▲飛▼
【審査官】
市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−208943(JP,A)
【文献】
特開2009−184339(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/199561(WO,A1)
【文献】
特開2009−154457(JP,A)
【文献】
特開2016−153204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
B05D1/00−7/26
C08J7/04−7/06
C09D1/00−10/00
101/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)母材中に1000〜1600ppmの添加粒子を添加して、厚さ20〜75μmのベースフィルムを得るが、前記添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタンのうちの1種類以上であり、前記添加粒子の粒径は500〜1500nmである、前記ベースフィルムの製造と、(2)離型剤の原料にはビニル末端有機ケイ素樹脂、シランカップリング剤、白金錯体、溶剤を含む、前記離型剤の製造と、(3)前記ベースフィルム上に前記離型剤を塗布して離型フィルムを得る、前記離型フィルムの製造、というステップを含み、
前記溶剤は、
20〜30重量%のブタノン、
20〜30重量%の酢酸エチル、
6〜15重量%のイソプロパノールである
ことを特徴とする、チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(3)において、前記離型剤を塗布した後に焼き付けを行い、焼き付け温度は60℃〜120℃、焼き付け時間は10秒〜90秒とすることを特徴とする、請求項1に記載のチップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記母材中に添加する粒子の粒径は800〜1200nmであり、添加量は1000〜1200ppmであり、前記粒子は80〜95重量%の二酸化ケイ素、1〜10重量%の炭酸バリウム及び1〜10重量%の酸化チタンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のチップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の製造方法を採用して得る離型フィルムであって、前記離型フィルムの表面粗さRaは≦0.25μmであることを特徴とする、離型フィルム。
【請求項5】
前記離型剤の塗布層の厚さは60〜300nm、離型力は2〜40/inchであることを特徴とする、請求項4に記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記離型フィルムの残留接着率は≧90%であることを特徴とする、請求項4に記載の離型フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は離型フィルムの製造分野に関し、具体的にはチップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法及びこれにより製造した離型フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、離型フィルムの製造方法は、PETベースフィルムの表面の一層に離型剤(ビニルジメチコン)を塗布し、且つ白金又はスズなどの錯体の触媒作用の下で、架橋・硬化によって得るというのが一般的である。
【0003】
例えば特許文献1では帯電防止性能に優れた離型フィルム及びその製造方法を開示しているが、それによって離型力及び残留接着率などの剥離性が良好で、優れた帯電防止性能を有する離型フィルムを得ている。それは粘着剤(接着剤)層の保護を目的とする一般的な産業用粘着テープ(又は接着テープ)などに用いることができ、またIT分野の製品においても効果的に用いることができる。例えば、携帯電話、LCD、半導体、ディスプレイ装置などのIT分野の製品において効果的に用いることができる。
【0004】
しかしこのタイプの離型フィルムは、表面平坦性に劣り、表面粗さが大きく、ベースフィルムの熱変形が大きく、離型剤の塗布層の接触角が大きい。また離型剤の塗布層とベースフィルムとの間の付着力に劣るため、高容量・高安定性の、且つ軽量・薄型・小型で単層セラミックが厚さ≦3マイクロメートルのチップ部品を製造するには適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願CN102582174(A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のように離型フィルムに存在する従来の欠点を解消するため、チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法を提供することを1つの目的としている。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、上記の方法で製造した、表面が平坦で、表面粗さが低く、離型剤の塗布層の厚さが均一で、離型力が安定しており、単層セラミックの厚さ≦3マイクロメートルに適うチップ部品製造工程用離型フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明には下記の技術案が採用されている。チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法であって、それは(1)母材中に1000〜1600ppmの添加粒子を添加して、厚さが20〜75μmのベースフィルムを得るが、その添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタンのうちの1種類以上であり、添加粒子の粒径は500〜1500nmである、ベースフィルムの製造と、(2)離型剤の原料にはビニル末端有機ケイ素樹脂、
シランカップリング剤、白金錯体、溶剤を含む、離型剤の製造と、(3)ベースフィルム上に離型剤を塗布して離型フィルムを得る、離型フィルムの製造、というステップを含
み、溶剤は、20〜30重量%のブタノン、20〜30重量%の酢酸エチル、6〜15重量%のイソプロパノールである。
【0009】
出願人は、従来の離型ベースフィルムを用いて生産した場合に得られる離型フィルムが、表面粗さが大きく、離型剤の塗布層の厚さ均一性に劣り、離型力の安定性に欠け、高容量・高安定性の、且つ軽量・薄型・小型で単層セラミックが厚さ≦3マイクロメートルのチップ部品を製造するには適さないことに気付いた。離型フィルムの各成分及びその工程に対する分析を通じて、ベースフィルムを製造する場合、添加粒子の種類、粒子の粒径、粒子の添加量がベースフィルム表面の粗さに与える影響は大きく、そのうえこれらの要素が後に離型剤の塗布層の厚さ均一性、離型力の安定性及び離型剤とベースフィルムとの間の付着力に影響することに気付いた。
【0010】
上記の本発明の技術案では、相応しい粒子の種類及び粒径分布 の粒子を選択して添加すると共に、添加粒子の添加量を制御することによって、離型フィルム表面の粗さを効果的に制御することができる。本案中の離型剤の調合方法を採用すると、本案中のベースフィルムとの間の付着力、塗布層の厚さ均一性及び離型力の安定性は従来の離型フィルムより明らかに優れ、本案で得られる離型フィルムは高容量・高安定性の、且つ軽量・薄型・小型で単層セラミックが厚さ≦3マイクロメートルのチップ部品の製造に適うことができる。
【0012】
離型剤の成分として、各種成分の添加量はみな離型フィルムの最終的な品質に影響を与えるが、その中で離型フィルムのどの性能にどの成分が影響するかについては、従来技術から全て知り得るわけではないが、下記は出願人が気付いたものである。
【0013】
ビニル末端有機ケイ素樹脂の含有量が<2%の場合、塗布液の粘度が過度に低く、塗布層に液だれやピンホールなどの好ましくない現象が生じ易い。含有量が>15%の場合、塗布液の粘度が過度に高く、塗布層にレベリング性の低下、厚さの不均一、外観のニュートンリングなどの不良が生じる。
【0014】
ブチニルアルコールの含有量が<0.01%の場合、塗布層の硬化が不完全となり、離型フィルムの離型力や残留接着率などの性能に影響する。含有量が>0.8%の場合、離型フィルムの離型力は安定性に欠け、貯蔵の有効期間は短い。
【0015】
シランカップリング剤の含有量が<0.05%の場合、製造した離型フィルムの残留接着率は低く、貯蔵の有効期間は短い。含有量が>0.5%の場合、離型力の安定性に影響し、製造コストが高くなる。
【0016】
白金媒体の含有量が<0.01%の場合、塗布層が硬化しないか、又は硬化が不完全となり、離型フィルムの離型力や残留接着率などの性能に影響する。含有量が>0.8%の場合、塗布液を貯蔵する有効期間が短すぎて連続生産できず、製造コストが高くなる。
【0017】
溶剤の含有量が<83%の場合、塗布液の粘度が過度に高く、塗布層にレベリング性の低下、厚さの不均一、外観のニュートンリングなどの不良が生じる。含有量が>97%の場合、塗布液の粘度が過度に低く、塗布層に液だれやピンホールなどの好ましくない現象が生じ易い。
【0019】
好ましくは、ステップ(3)において、離型剤を塗布した後に焼き付けを行い、焼き付け温度は60℃〜120℃、焼き付け時間は10秒〜90秒とする。
【0020】
出願人は、離型剤を塗布した後、それに対して行う焼き付け、焼き付けの温度及び時間が、最終的な離型フィルムの離型力の安定性及びフィルムの平坦性に対して大きな影響を及ぼすことにも気付いた。本案で選択した焼き付け温度及び焼き付け時間は、焼き付けによるベースフィルムの熱変形、平坦性の低下という問題を回避している。
【0021】
母材中に添加する粒子の粒径は800〜1200nmであり、添加量は1000〜1200ppmであり、粒子は80〜95
重量%の二酸化ケイ素、1〜10
重量%の炭酸バリウム及び1〜10
重量%の酸化チタンを含む。
【0024】
上記の製造方法に従って製造した離型フィルムは、表面粗さRaが≦0.25μm、離型剤の塗布層の厚さは60〜300nm、離型力は2〜40g/inch、離型フィルムの残留接着率は≧90%、好ましくは96%である。
【発明の効果】
【0025】
上記の技術案の実施によって、本発明は次の利点を備える。
【0026】
(1)ベースフィルム中に相応しい粒径サイズの相応しい粒子を添加すると共に、粒子の添加量を制御することで、ベースフィルム表面が局部的に盛り上がる重大な問題を防ぐだけでなく、フィルム材製品の表面のレベリング性が改善され、表面粗さが低下する。ベースフィルム表面に微小な凹凸感をより多く形成させて、PETベースフィルムの比表面積を増加させることで、離型剤の塗布に有利となり、離型剤の塗布層とPETベースフィルムとの間の付着力が増加し、離型剤が塗布層から転移する問題を防ぎ、離型フィルムの残留接着率が向上する。
【0027】
(2)離型剤の調合において、ビニル末端有機ケイ素樹脂の割合及び離型剤の塗布層の厚さを特別に調製することで、異なる離型力を実現する。製造した離型フィルム製品の外観は均一、平滑、透明で、ニュートンリングはなく、離型剤の塗布層の厚さは60〜300nm、離型力は2〜40/inchであり、表面の接触角は低い。
【0028】
(3)特別に調製した離型剤を用いることによって、60〜120℃の低温焼き付けでの熱硬化を実現し、焼き付け時の高温によるPETベースフィルムの熱変形、平坦性の低下という問題を防ぐ。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体的な実施例を通して、本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0030】
チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法は、次のステップを含む。
【0031】
(1)PETベースフィルムの製造:
PETチップ中に1600ppmの粒径が500〜800nmの添加粒子を添加し、添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの粉末粒子を1種類以上選択することができるが、本実施例では炭酸マグネシウムを採用し、均一に混合してから高温溶融、スクリュー式混合、押出・流延、引き伸ばし(縦方向及び横方向)、スリット及び巻き取りを経た後に、厚さ75μmのベースフィルムを得た。
【0032】
(2)離型剤の調製:
離型剤の各成分を以下の割合に従って混合した。ビニル末端有機ケイ素樹脂15
重量%、
ブチニルアルコール0.8
重量%、シランカップリング剤0.05
重量%、白金媒体0.15
重量%、溶剤84
重量%、均一に攪拌して準備した。その中で、溶剤はソルベント#120、ブタノン、エクソールD30、酢酸エチル、イソプロパノールのうちの1種類以上でよく、本実施例では酢酸エチルを採用した。
【0033】
(3)離型剤の塗布:
ステップ(2)で調製した離型剤を、ナイフコーティング法を用いてステップ(1)のPETベースフィルムの片面に塗布した。塗布後の焼き付け温度 は80〜120℃、焼き付け時間は10秒とし、得られた離型フィルム製品の外観は均一、平滑、透明で、ニュートンリングはなく、離型剤の塗布層の厚さは200〜300nm、得られた離型フィルムの離型力は2〜15g/inch、表面粗さはRa≦0.2μm、離型フィルムの残留接着率は≧90
重量%であった。
【実施例2】
【0034】
チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法は、次のステップを含む。
【0035】
(1)PETチップ中に1000ppmの粒径が1000〜1500nmの添加粒子を添加し、添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸バリウム、酸化チタンの混合物を選択することができるが、混合の割合は、二酸化ケイ素80
重量%、炭酸バリウム10
重量%、酸化チタン10
重量%とし、均一に混合してから溶融、スクリュー式混合、押出・流延、引き伸ばし(縦方向及び横方向)、スリット及び巻き取りを経た後に、厚さ50μmの離型フィルムのベースフィルムを得た。
【0036】
(2)離型剤の各成分を以下の割合に従って混合した。ビニル末端有機ケイ素樹脂8
重量%、
ブチニルアルコール0.5
重量%、シランカップリング剤0.05
重量%、白金媒体0.25
重量%、溶剤91.2
重量%、均一に攪拌して準備した。その中で、溶剤はソルベント#120、ブタノン、エクソールD30、酢酸エチル、イソプロパノールのうちの1種類以上でよく、本実施例ではソルベント#120、ブタノンなどを容積配合した混合溶剤を採用した。
【0037】
(3)ステップ(2)で調製した離型剤を、グラビアコーティング法を用いてステップ(1)のPETベースフィルムの片面に塗布した。塗布後の焼き付け温度 は60〜90℃、焼き付け時間は30秒とし、得られた離型フィルム製品の外観は均一、平滑、透明で、ニュートンリングはなく、離型剤の塗布層の厚さは100〜250nm、得られた離型フィルム の離型力は5〜20g/inch、表面粗さはRa≦0.15μm、離型フィルムの残留接着率は≧92%であった。
【実施例3】
【0038】
チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法は、次のステップを含む。
【0039】
(1)PETチップ中に1200ppmの粒径が800〜1200nmの添加粒子を添加し、添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸バリウム、酸化チタンの混合物を選択することができるが、混合の割合は、二酸化ケイ素95
重量%、炭酸バリウム1
重量%、酸化チタン4
重量%とし、均一に混合してから溶融、スクリュー式混合、押出・流延、引き伸ばし(縦方向及び横方向)、スリット及び巻き取りを経た後に、厚さ25μmの離型フィルムのベースフィルムを得た。
【0040】
(2)離型剤の各成分を以下の割合に従って混合した。ビニル末端有機ケイ素樹脂2
重量%、
ブチニルアルコール0.1
重量%、シランカップリング剤0.5
重量%、白金媒体0.4
重量%、溶剤97
重量%、均一に攪拌して準備した。その中で、溶剤は本実施例では30
重量%のソルベント#120、22
重量%のブタノン、15
重量%のエクソールD30、27
重量%の酢酸エチル、6
重量%のイソプロパノールの混合溶剤を採用した。
【0041】
(3)ステップ(2)で調製した離型剤を、3本ロールコーティング法を用いてステップ(1)のPETベースフィルムの片面に塗布した。塗布後の焼き付け温度 は70〜100℃、焼き付け時間は15秒とし、得られた離型フィルム製品の外観は均一、平滑、透明で、ニュートンリングはなく、離型剤の塗布層の厚さは60〜200nm、離型力は15〜40g/inch、表面粗さはRa≦0.25μm、離型フィルムの残留接着率は≧96%であった。
【実施例4】
【0042】
チップ部品製造工程用離型フィルムの製造方法は、次のステップを含む。
【0043】
(1)PETチップ中に1200ppmの粒径が800〜1000nmの添加粒子を添加し、添加粒子は二酸化ケイ素、炭酸バリウム、酸化チタンの混合物を選択することができるが、混合の割合は、二酸化ケイ素94
重量%、炭酸バリウム5
重量%、酸化チタン1
重量%とし、均一に混合してから溶融、スクリュー式混合、押出・流延、引き伸ばし(縦方向及び横方向)、スリット及び巻き取りを経た後に、厚さ30μmの離型フィルムのベースフィルムを得た。
【0044】
(2)離型剤の各成分を以下の割合に従って混合した。ビニル末端有機ケイ素樹脂4
重量%、
ブチニルアルコール0.2
重量%、シランカップリング剤0.1
重量%、白金媒体0.2
重量%、溶剤95.5
重量%、均一に攪拌して準備した。その中で、溶剤は本実施例では25
重量%のソルベント#120、25
重量%のブタノン、15
重量%のエクソールD30、29
重量%の酢酸エチル、6
重量%のイソプロパノールの混合溶剤を採用した。
【0045】
(3)ステップ(2)で調製した離型剤を、5本ロールコーティング法を用いてステップ(1)のPETベースフィルムの片面に塗布した。塗布後の焼き付け温度 は60〜100℃、焼き付け時間は90秒とし、得られた離型フィルム製品の外観は均一、平滑、透明で、ニュートンリングはなく、離型剤の塗布層の厚さは100〜180nm、離型力は10〜25g/inch、表面粗さはRa≦0.20μm、離型フィルムの残留接着率は≧94%であった。
【0046】
実施例1との違いとして、異なる離型剤を用いており、離型剤はビニルジメチコン及びスズ硬化触媒システムを用いた。
【0047】
実施例2との違いとして、ベースフィルム中に粒子を添加しておらず、溶剤はトルエンを採用した。
【0048】
実施例2との違いとして、添加粒子の粒径は1600〜4500nm、添加量は800〜900ppmであり、溶剤はヘプタンを採用した。
【0049】
実施例3との違いとして、離型剤の各成分を以下の割合に従って混合した。ビニル末端有機ケイ素樹脂20
重量%、
ブチニルアルコール2
重量%、シランカップリング剤3
重量%、白金媒体5
重量%、ソルベント#120は70
重量%。
【0050】
実施例3との違いとして、溶剤は10
重量%のソルベント#120、10
重量%のブタノン、20
重量%のエクソールD30、30
重量%の酢酸エチル、30
重量%のイソプロパノールである。
【0051】
各実施例及び比較例で得た離型フィルムに対して、製品外観、表面粗さ、離型力、残留接着率の測定を行った。
【0054】
1、平坦でシワのない試料フィルムを取り、且つ縦横方向を付し、サンプリング時は試料フィルムの平坦・清潔をできるだけ保つ。
【0055】
2、4cm×4cmの小さな試料片に切り取り、縦横方向で各6片を取った。
【0056】
3、表面粗さ計を用い、且つ試料台の平坦・清潔を保ち、縦横方向の各試料片に対して粗さ測定を行い、且つそのRa、Rz、Rmax値を記録した。
【0057】
4、計算したデータ中の平均値を試料の表面粗さの数値表現とした。
【0059】
1、測定する離型フィルムの塗布面に幅1inch、長さ200mmのTESA7475テープを貼った(注意:テープを貼る際に離型フィルムの間に気泡が入らないよう、貼りながら転圧した)。
【0060】
2、テープを貼り終わった後、温度と湿度をそれぞれ25±3℃及び50±10%の条件下で管理し、20時間静置した。
【0061】
3、テープを治具に設置し、引張試験機を用いてテープを180度の角度で引っ張り、引張試験機のコンピュータが示したデータを試料片の離型力(g/in)とし、5つの数値の平均値を測定結果とした。
【0063】
1、測定する離型フィルム及び標準スチール板上に幅1inch、長さ200mmのTESA7475テープを標準方法に従って貼った。
【0064】
2、引張試験機を用いて剥離速度300mm/min、剥離角度180度で標準スチール板上のテープを剥離し、剥離強度をAとした。
【0065】
3、離型フィルムに貼られたテープを、70℃のオーブン内で20g/ の標準スチール板を用いて20時間押さえつけ、取り出して室温条件下で自然冷却した。テープを離型フィルムから剥がし、標準方法に従って再び標準スチール板上に貼り、引張試験機を用いて剥離速度300mm/min、剥離角度180度でテープを剥離し、剥離強度をBとした。
【0066】
4、残留接着率=(B/A)×100%
【0068】
【表1】
注記:各数値は平均値である。
【0069】
表1から、比較例1、3、4で得た離型フィルムの表面粗さRaは実施例よりも大きく、比較例2、5では添加粒子がないか又は添加粒子が実施例と同じであるため、表面粗さRaの値は実施例に近かった。粒子の添加が離型フィルムのベースフィルムの比表面積に影響することで、離型フィルムの離型力の安定性及び残留接着率に影響するため、実施例で得た離型フィルムの離型力の安定性は比較例で得た離型フィルムよりも高かった。残留接着率は、離型フィルムの重要な品質指標とされるが、本発明の実施例で得た離型フィルムの残留接着率は比較例の残留接着率よりも明らかに優れていた。