(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウエハ搬送部は、前記ウエハ搬送室内の気体が、前記ウエハ搬送室を迂回して上昇し、再度前記下降気流を形成するための循環流路と、前記ウエハ搬送室と前記循環流路を循環する気体を清浄化する循環気体清浄化手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEFEM。
前記ウエハ搬送室に設けられており、前記ウエハ搬送室から前記主開口へ向って気体を放出する気体放出手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のEFEM。
前記ロードポート部は、前記気体排出流路を流れる気体を清浄化する排出気体清浄化手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のEFEM。
前記容器内部に直立しており、前記底孔を介して前記ボトムノズルに連通する容器内流路が内部に形成されており、前記容器内流路に通じる流路開口が上下方向に断続的又は連続的に形成されている容器内ノズルを、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のEFEM。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体回路の微細化が進んだ結果、ウエハ表面を酸化や汚染から守るために、ウエハを収容する容器内の環境についても、より高い清浄度が求められている。ウエハ容器の環境を清浄に保つEFEMの開発を進める中で、処理直後のウエハから放出されるアウトガスが、容器に収容される処理前後のウエハの表面を汚染する問題があり、品質向上を妨げる一因となっていることが判明した。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、容器内の環境を清浄に保ち、ウエハ表面を酸化や汚染から守ることができるEFEMを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るEFEMは、
処理室に搬送されるウエハが通過するウエハ搬送室を有するウエハ搬送部と、
前記ウエハを収容する容器に形成された主開口を前記ウエハ搬送室に気密に接続するロードポート部と、を有するEFEMであって、
前記ウエハ搬送部は、前記ウエハ搬送室に下降気流を形成する下降気流形成手段と、前記ウエハ搬送室に設けられており、前記下降気流の一部が前記ウエハ搬送室に接続された前記容器に、前記主開口を介して流入するように誘導する整流板と、を有しており、
前記ロードポート部は、前記容器を載置する載置台と、前記容器の底面のうち底面中央に比べて前記主開口から離間する位置に形成された底孔に連通可能なボトムノズルと、前記ボトムノズルを介して前記容器の内部の気体を前記容器の外部へ排出可能な気体排出流路と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るEFEMは、ウエハ搬送室内の下降気流の一部が、整流板によって容器内に流入し、さらに、容器内の気体が、ボトムノズルが接続している底孔を介して排出されるため、容器内に気流が形成され、処理直後のウエハから放出されるアウトガスを効率的に容器の外部へ排出できる。したがって、このようなEFEMは、容器内の環境を清浄に保ち、ウエハ表面を酸化や汚染から守ることができる。
【0009】
また、前記ロードポート部は、前記気体排出流路に設けられ、前記容器の内部の気体を強制的に排出する強制排出手段を有してもよい。
【0010】
ロードポート部が、強制排出手段を有することにより、ウエハから放出されるアウトガスを、より効果的に容器の外部へ排出することができる。
【0011】
また、例えば、前記ウエハ搬送部は、前記ウエハ搬送室内の気体が、前記ウエハ搬送室を迂回して上昇し、再度前記下降気流を形成するための循環流路と、前記ウエハ搬送室と前記循環流路を循環する気体を清浄化する循環気体清浄化手段と、を有してもよい。
【0012】
ウエハ搬送部が循環流路及び循環気体清浄化手段を有することにより、このようなEFEMは、ウエハ搬送室内の清浄度を向上させることが可能であり、また、気体を循環させることにより、清浄化ガス等の消費を抑制することが可能である。また、EFEMの気体は整流板により容器内に流入するため、このようなEFEMは、容器内の清浄度も、同時に向上させることが可能である。
【0013】
また、たとえば、本発明に係るEFEMは、前記ウエハ搬送室に設けられており、前記ウエハ搬送室から前記主開口へ向って気体を放出する気体放出手段をさらに有してもよい。
【0014】
このような気体放出手段を有するEFEMは、清浄化ガス等を容器の主開口に向けて放出することで、容器の清浄度をより高めることが可能である。
【0015】
また、例えば、前記気体排出流路は、前記ウエハ搬送室に接続していてもよい。
【0016】
気体排出流路がウエハ搬送室に接続していることにより、ウエハ搬送室およびこれに接続する容器内の気体を、EFEM全体で循環等させることができる。また、ロードポート部とウエハ搬送室の気体清浄化手段を共通とすることにより、装置の構成を簡略化できる。
【0017】
また、例えば、前記ロードポート部は、前記気体排出流路を流れる気体を清浄化する排出気体清浄化手段を備えていてもよい。
【0018】
排出気体清浄化手段は、処理後のウエハから生じるアウトガス等に含まれる汚染物質を除去することにより、容器から排出された気体を、ロードポート部内で清浄化することができる。したがって、このようなEFEMは、容器から排出された気体に含まれる汚染物質が、ウエハ搬送室などのロードポート部外に移動することを防止できる。
【0019】
また、例えば、前記ウエハ搬送部は、前記ウエハ搬送室内の気体が、前記ウエハ搬送室を迂回して上昇し、再度前記下降気流を形成するための循環流路を有しており、
前記気体排出流路は、前記循環流路に接続されていてもよい。
【0020】
このようなEFEMでは、容器から排出された気体が循環流路を経由してウエハ搬送室に戻されるため、容器から排出された気体に含まれる汚染物質が直接ウエハ搬送室内に流入することを防止しつつ、ウエハ搬送室およびこれに接続する容器内の気体を、EFEM全体で循環させることができる。
【0021】
また、例えば、本発明に係るEFEMは、前記容器内部に直立しており、前記底孔を介して前記ボトムノズルに連通する容器内流路が内部に形成されており、前記容器内流路に通じる流路開口が上下方向に断続的又は連続的に形成されている容器内ノズルを、さらに備えてもよい。
また、例えば、前記容器内ノズルは、上下方向に断続的又は連続的に形成されている前記流路開口で構成される開口列を、複数有していてもよい。
【0022】
容器内ノズルを有することにより、このようなEFEMは、ウエハから放出されるアウトガスを、より効果的に容器の外部へ排出することができる。また、開口列を複数有することにより、容器内全体に、アウトガスをより効率的に排出する気流を形成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るEFEM50は、半導体処理装置のフロントエンドモジュールであり、ロードポート部10と、ウエハ搬送部51とを有する。EFEM50のウエハ搬送室52は、ウエハ1を搬送する容器としてのフープ(FOUP)2と処理室(不図示)とを連結する空間であり、ウエハ搬送室52内に配置された搬送ロボット54は、フープ2内のウエハ1を、処理室に搬送する。したがって、処理室において所定の処理がなされるウエハ1は、フープ2内から、ウエハ搬送室52を通過して、処理室に搬送される。
【0025】
ウエハ搬送部51は、ウエハ1が通過するウエハ搬送室52の他に、ウエハ搬送室に下降気流80を形成する下降気流形成手段としての搬送室ファン59と、ウエハ搬送室52内の気体が、ウエハ搬送室52を迂回して上昇し、再度下降気流80を形成するための循環流路57とを有する。また、ウエハ搬送部51は、後述する搬送室フィルタ58と、整流板55とを有する。
【0026】
搬送室ファン59は、ウエハ搬送室52の上方に設けられており、ウエハ搬送室52及び循環流路57に気流を形成する。搬送室ファン59は、例えば、回転方向に対して傾斜した羽根と、羽根を回転させるためのモータを有する。なお、下降気流形成手段としては、回転する羽根を有する搬送室ファン59に限定されず、エアーコンプレッサーその他の気流形成手段が、ウエハ搬送部51の下降気流形成手段として採用されてもよい。
【0027】
循環流路57は、ウエハ搬送部51の上部と下部でウエハ搬送室52に繋がっており、上部から下部までの間は、ウエハ搬送室52に対して中間壁で仕切られている。ウエハ搬送室52と循環流路57の間には、ウエハ搬送室52と循環流路57とを循環する気体を清浄化する循環気体清浄化手段としての搬送室フィルタ58が設けられている。搬送室フィルタ58は、ウエハ搬送室52の上方であって、搬送室ファン59の下方に設けられている。搬送室フィルタ58は、たとえばULPAフィルタ等で構成されるが、特に限定されない。また、搬送室フィルタ58及び搬送室ファン59は、一体化したユニット(ファンフィルタユニット)を構成していてもよいが、別体であっても構わない。
【0028】
搬送室ファン59は、
図1において太線矢印で示す方向に気流を形成する。搬送室ファン59による送風作用により、循環流路57内を上昇した気体は、搬送室フィルタ58を通過することにより清浄化された後、ウエハ搬送室52内に流入する。さらに、ウエハ搬送室52に流入した気体は、ウエハ搬送室52内を下降した後、下部の連通口から循環流路57に流入する。また、さらに、循環流路57に流入した気体は、循環流路57を上昇する。このようにして、ウエハ搬送室52には下降気流80が形成され、循環流路57内には上昇気流が形成されることにより、ウエハ搬送室52及び循環流路57に、循環気流が形成される。
【0029】
整流板55は、ウエハ搬送室52における受渡口13付近に設けられている。整流板55は、水平方向に対して傾斜した傾斜面55aを有しており、ウエハ搬送室52に形成される下降気流の一部は、整流板55にぶつかって進行方向が変化する。
図1に示すように、傾斜面55aは、ウエハ搬送室52中央から受渡口13に向かって斜め下方に傾斜している。そのため、
図4に示すようにドア18aが開放され、フープ2がその主開口2bを介してウエハ搬送室52に連通された状態では、ウエハ搬送室52に形成された下降気流80の一部は、整流板55の傾斜面55aに誘導されることにより、ウエハ搬送室52に接続されたフープ2に、主開口2bを介して流入する。
【0030】
図1に示すロードポート部10は、フープ2を載置する載置台14と、フープ2の主開口2bを開閉するための開閉部18と、主開口2bからフープ2の内部に清浄化ガスを導入するフロントガス導入部17とを有する。また、
図3に示すように、ロードポート部10は、フープ2に形成された第1の底孔5を介してフープ2の内部の気体をフープ2の外部へ排出可能な気体排出部20と、フープ2に形成された第2の底孔6を介してフープ2の内部に清浄化ガスを導入するボトムガス導入部30と、を有する。後述するように、ロードポート部10は、ウエハ1を収容するフープ2に形成された主開口2bを、ウエハ搬送室52に気密に接続することができる。
【0031】
図1に示すように、ロードポート部10の載置台14は、固定台12の上に設けられており、その固定台12に対して、Y軸方向に移動可能である。なお、図面において、Y軸が載置台14の移動方向を示し、Z軸が鉛直方向の上下方向を示し、X軸がこれらのY軸およびZ軸に垂直な方向を示す。
【0032】
載置台14のZ軸方向の上部には、収容物としての複数のウエハ1を密封して保管及び搬送するフープ2が、着脱自在に載置可能になっている。フープ2の内部には、ウエハ1を内部に収めるための空間が形成されている。フープ2は、フープ2の内部に対して水平方向に位置する複数の側面と、上下方向に位置する上面と底面2fとを有する箱状の形状を有している。フープ2が有する複数の側面の一つである第1側面2dには、フープ2の内部に収容したウエハ1を出し入れする主開口2bが形成されている。
【0033】
また、フープ2は、主開口2bを密閉するための蓋4を備えている。さらに、フープ2の内部には、水平に保持された複数のウエハ1を、鉛直方向に重ねるための棚(不図示)が配置されており、ここに載置されるウエハ1各々はその間隔を一定としてフープ2の内部に収容される。また、フープ2の底面2fには、第1の底孔5と、第2の底孔6とが形成されている。第1の底孔5及び第2の底孔6の構造及び機能については、後ほど述べる。
【0034】
ロードポート部10は、
図1に示すようなフープ(Front Opening Unified Pod)2のための装置であるが、フープ2と同様に側面にウエハ1を出し入れする開口が形成された構造を有する密封搬送容器に対しても適用可能である。EFEM50は、ロードポート部10を用いてフープ2の側面に形成された主開口2bを開放し、さらに、搬送ロボット54を用いてフープ2の内部に収容してあるウエハ1を、クリーン状態に維持するウエハ搬送室52を介して、処理室の内部に移動させることができる。また、EFEM50は、処理室において処理が終了したウエハ1を、搬送ロボット54を用いて処理室からフープ2の内部に移動させたのち、ロードポート部10を用いて主開口2bを閉鎖し、フープ2内に処理後のウエハ1を収容させることができる。
【0035】
図2は、ロードポート部10における載置台14付近を示す要部斜視図である。載置台14の上面14aには、1つ以上(好ましくは3つ)の位置決めピン16が埋設されている。位置決めピン16は、フープ2の底面2fに設けられた位置決め部(不図示)に嵌合する。これにより、フープ2と載置台14とのX軸−Y軸位置関係が一義的に決定される。
【0036】
また、載置台14の上面14aには、各位置決めピン16の近くに、位置検出センサ19が設置してある。位置検出センサ19は、フープ2が載置台14の上面14aでX−Y軸方向に所定の位置に位置決めされて配置されているか否かを検出する。位置検出センサ19としては、特に限定されず、接触式位置検出センサでも非接触式位置検出センサでも良い。また、載置台14の上面14aには、フープ2をロックするためのロック機構15が備えられている。
【0037】
ロードポート部10の開閉部18は、ドア18aとドア駆動部18bとを有する。
図3は、ロードポート部10における開閉部18が、受渡口13を閉鎖した状態を表しており、
図4は、開閉部18が受渡口13を開放した状態を表している。このように、ドア18aは、載置台14とウエハ搬送室52を隔てる壁部材11に形成されている受渡口13を、開放及び閉鎖することができる。
【0038】
また、ドア18aは、受渡口13に入り込んだフープ2の蓋4に係合することができる。
図4に示すように、開閉部18は、蓋4に係合したドア18aを、ドア駆動部18bを用いてウエハ搬送室52の内部に移動させることにより、フープ2の主開口2bを開放することができる。なお、開閉部18は、ドア駆動部18bを用いてドア18aを開放時と逆方向に移動させることにより蓋4をフープ2の第1側面2dに戻すことにより、蓋4で主開口2bを閉鎖することができる。蓋4によって主開口2bが閉鎖された後、ドア18aと蓋4の係合は解除される。
【0039】
図4に示すように、フロントガス導入部17は、壁部材11におけるウエハ搬送室52側の面である内面11aに設けられている。
図4には片側のみしか表示されていないが、フロントガス導入部17は、壁部材11に形成された受渡口13を挟むX軸方向の両側に設けられている。
【0040】
フロントガス導入部17には、フロントガス導入部17に清浄化ガスを供給するための供給路17bが接続されている。また、フロントガス導入部17には、受渡口13側を向く放出ノズル17aが形成されている。
図4に示すように、フープ2の主開口2bが開放され、フープ2の内部がウエハ搬送室52に連通している状態において、フロントガス導入部17の放出ノズル17aから放出された清浄化ガスは、整流板55を介してフープ2内に導入されるウエハ搬送室52の下降気流とともに、主開口2bを介してフープ2の内部に導入される。
【0041】
図3に示すように、載置台14のZ軸方向の下部には、気体排出部20が設けられている。気体排出部20は、フープ2の底面2fのうち底面中央Cに比べて主開口2bから離間する位置に形成された第1の底孔5に連通可能な第1のボトムノズル21を有している。
図2に示すように、気体排出部20は、2つの第1のボトムノズル21を有しており、
図3に示すように、それぞれの第1のボトムノズル21は、フープ2の底面2fに形成された2つの第1の底孔5に対して、それぞれ連通することができる。ここで、
図3に示す底面中央Cは、フープ2において蓋4が配置される第1側面2dと、第1側面2dに対向する第2側面2eから等距離にある位置を意味する。
【0042】
第1のボトムノズル21は、Z軸方向に沿って上下に移動することが可能であり、フープ2が載置台14に設置されていない状態では、載置台14に収納されている。
図3に示すように、第1のボトムノズル21は、載置台14にフープ2が固定されたのちにZ軸方向の上方に上昇し、載置台14の上面14aから突出することにより、フープ2の第1の底孔5に接続する。フープ2の第1の底孔5には、第1の底孔5を開閉する不図示の弁が取り付けられており、第1のボトムノズル21が第1の底孔5に接続すると弁が開放され、第1のボトムノズル21と第1の底孔5とが連通する。
【0043】
気体排出部20は、第1のボトムノズル21に接続し、第1のボトムノズル21を介してフープ2の内部の気体をフープ2の外部へ排出可能な気体排出流路としての第1配管部22を有する。さらに、気体排出部20は、第1配管部22に設けられ、フープ2の内部の気体を強制的に排出する強制排出手段24を有する。第1配管部22の一方の端部は第1のボトムノズル21に接続されており、他方の端部はロードポート部10の外部に開口する排出口22aに接続されている。
【0044】
強制排出手段24は、フープ2の内部の気体を吸引し、第1の底孔5及び第1のボトムノズル21を介して、フープ2の内部の気体を強制的に排出する。強制排出手段24としては、フープ2の内部の気体を吸引できるものであれば特に限定されないが、例えば吸引ポンプや、送風ファンなどを用いることができる。なお、強制的な排出とは、フープ2の内部の気体を、第1配管部22へ積極的に吸引する排出を意味する。
【0045】
載置台14のZ軸方向の下部には、気体排出部20の他に、ボトムガス導入部30が設けられている。ボトムガス導入部30は、フープ2の底面2fのうち底面中央Cに比べて主開口2bに近接する位置に形成された第2の底孔6に連通可能な第2のボトムノズル31を有している。
図2に示すように、ボトムガス導入部30は、載置台14から露出可能な2つの第2のボトムノズル31を有しており、
図4に示すように、それぞれの第2のボトムノズル31は、フープ2の底面2fに形成された2つの第2の底孔6に対して、それぞれ連通することができる。
【0046】
第2のボトムノズル31も、第1のボトムノズル21と同様に、Z軸方向に沿って上下に移動することが可能である。また、フープ2の第2の底孔6に、第2の底孔6を開閉する不図示の弁が取り付けられている点も、第1の底孔5と同様である。
【0047】
ボトムガス導入部30は、第2のボトムノズル31に接続する第2配管部32を有している。第2のボトムノズル31には、第2配管部32を介して清浄化ガスが供給される。ボトムガス導入部30は、フープ2の第2の底孔6及び第2の底孔6に連通した第2のボトムノズル31を介して、フープ2の内部に清浄化ガスを導入する。
【0048】
フロントガス導入部17及びボトムガス導入部30から、フープ2内に導入される清浄化ガスとしては特に限定されないが、例えば、窒素ガスやその他の不活性ガス、又はフィルタ等で塵埃を除去した清浄空気等を用いることができる。また、
図1に示すように、ウエハ搬送室52及び循環流路57を循環する気体についても、窒素ガスやその他の不活性ガスや、清浄空気等が用いられる。ウエハ搬送室52及び循環流路57を循環する気体が不活性ガスである場合、例えば循環流路57における任意の位置に、不活性ガスの導入口が設けられ、その導入口から必要に応じて、ウエハ搬送室52及び循環流路57に不活性ガスが導入される。
【0049】
図5は、
図1に示すEFEM50で実施されるフープ2の内部の清浄化工程を表すフローチャートである。以下、
図5等を用いて、フープ2の内部の清浄化工程を説明する。
【0050】
図5に示すステップS001では、処理前のウエハ1を収容したフープ2が、ロードポート部10の載置台14に載置される。フープ2は、例えば天井搬送システム等によって、自動的にロードポート部10の載置台14に搬送されるが、フープ2の搬送方法については特に限定されない。なお、
図1に示すように、EFEM50のウエハ搬送部51は、搬送室ファン59の駆動を継続することにより、受渡口13が閉じられている状態においても、常にウエハ搬送室52の内部に循環気流を形成している。
【0051】
ステップS001に示すフープ2の載置工程において、ロードポート部10は、
図2に示す位置検出センサ19により、フープ2が適切な位置に載置されたことを確認した後、ロック機構15を動作させ、フープ2を載置台14に固定する。
【0052】
フープ2を載置台14に載置した後(ステップS001)、ステップS002(
図7参照)で示す工程に進み、ロードポート部10は、フープ2の第2の底孔6から、フープ2の内部に清浄化ガスを導入する。
【0053】
図3に示すように、ステップS002において、ロードポート部10は、ボトムガス導入部30の第2のボトムノズル31を上昇させることにより、2つの第2のボトムノズル31を、フープ2に設けられた2つの第2の底孔6に、それぞれ連通させる。さらに、ロードポート部10は、ボトムガス導入部30の第2配管部32から第2のボトムノズル31へ清浄化ガスを供給し、第2の底孔6を介してフープ2の内部に清浄化ガスを導入する第1清浄化工程を実施する。
【0054】
また、ステップS002において、ロードポート部10は、第2のボトムノズル31の上昇と同時若しくは第2のボトムノズル31の上昇と前後して、気体排出部20の第1のボトムノズル21を上昇させ、フープ2に設けられた2つの第1の底孔5に連通させる。これにより、フープ2の内部の気体が、第1のボトムノズル21を介してフープ2の外部へ排出されるようになり、第2のボトムノズル31からフープ2への清浄化ガスの導入が、より円滑に行われる。
【0055】
ステップS002における清浄化ガスの導入は、フープ2の主開口2bが、蓋4により閉鎖されている状態で実施される。ただし、
図5に示す例とは異なる他の実施例においては、第2のボトムノズル31を用いたフープ2への清浄化ガスの導入は、フープ2の主開口2bが開放された後であっても、継続して実施されてもよい。
【0056】
次に、ステップS003(
図5参照)では、ロードポート部10は、第2の底孔6及びボトムガス導入部30を介したフープ2の内部への清浄化ガスの導入を停止する。ロードポート部10は、第2配管部32から第2のボトムノズル31への清浄化ガスの供給を停止することにより、フープ2への清浄化ガスの導入を停止する。なお、第2のボトムノズル31と第2の底孔6の連通状態は、第2のボトムノズル31が下降して解除されてもよいが、清浄化ガス導入中と同様に維持されてもよい。第1のボトムノズル21と第1の底孔5との連通状態についても同様である。
【0057】
ステップS003を実施するタイミングは特に限定されないが、例えば、第2のボトムノズル31からの清浄化ガスの導入時間が所定の時間に達したタイミングや、フープ2から排出される気体の清浄度が所定のレベルに達したことを検出したタイミングとすることができる。
【0058】
なお、ステップS002やステップS003に示す清浄化ガスの導入・停止工程と並行して、または、清浄化ガスの導入前又は停止後に、ロードポート部10は、載置台14をY軸方向(正方向)に動かすことにより、載置台14に固定されているフープ2を、フープ2の第1側面2dが受渡口13に入り込む位置まで移動させる(
図4参照)。
【0059】
ステップS004(
図5参照)では、ロードポート部10は、フープ2の主開口2bを開放する。ステップS004において、ロードポート部10は、あらかじめ
図4に示す位置まで移動したフープ2の蓋4に対して、開閉部18のドア18aを係合させる。さらにドア18aをドア駆動部18bによって移動させることにより、蓋4をフープ2のウエハ収納部分から取り外し、主開口2bを開放する。取り外された蓋4は、ドア18aとともに、搬送ロボット54によるウエハ1の搬送を阻害しない位置まで移動される。
【0060】
次に、ステップS005(
図5参照)では、ウエハ搬送室52に設けられた整流板55により、ウエハ搬送室52に形成されている下降気流80の一部が、ウエハ搬送室52に接続されたフープ2の内部に、主開口2bを介して流入する。さらに、フープ2の内部の気体を、底面中央Cに比べて主開口2bから離間する位置に形成された第1の底孔5を介して排出することにより、フープ2の第2清浄化工程を実施する。なお、
図4に示すように、ロードポート部10は、フロントガス導入部17の放出ノズル17aから、清浄化ガスを主開口2bに向けて噴出することにより、下降気流80とともに、清浄化ガスをフープ2の内部に導入してもよい。
【0061】
ステップS005において、ロードポート部10の気体排出部20は、第1のボトムノズル21を、フープ2における第1の底孔5と連通状態としておくことにより、フープ2の内部の気体を第1の底孔5を介して排出する。なお、先のステップS003で、第1のボトムノズル21と第1の底孔5との連通状態が解除されていた場合は、ステップS005において、再度第1のボトムノズル21を上昇させ、第1のボトムノズル21を第1の底孔5と連通させる。
【0062】
さらに、ステップS005において、ロードポート部10は、気体排出部20の強制排出手段24を作動させることにより、フープ2の内部の気体を強制的に排出することができる。強制的な排出を行うか、あるいは、主開口2bから導入された下降気流80によってフープ2の内部の気体が第1の底孔5から押し出される自然排出を行うかは、ウエハ1から発生するおそれのあるアウトガスの種類又は量、フープ2におけるウエハ1の収納数などに応じて選択することができる。
【0063】
ロードポート部10がステップS005に示す工程を行っている間、
図1に示すウエハ搬送部51は、搬送ロボット54のアーム54aを操作し、処理前のウエハ1をフープ2から取り出し、ウエハ搬送室52を介して処理室に搬送する。また、ウエハ搬送部51は、搬送ロボット54のアーム54aを操作し、処理室で処理が終わったウエハ1を、ウエハ搬送室52を介してフープ2に搬送する。
【0064】
全ての処理後のウエハ1がフープ2に戻された後、ロードポート部10の開閉部18は、フープ2の主開口2bを閉鎖する(ステップS006)。ロードポート部10は、
図4に示すドア駆動部18bによりドア18aを移動させ、ドア18aに係合する蓋4を、フープ2の第1側面2dに戻すことにより、主開口2bを閉鎖する。蓋4が主開口2bを閉鎖した後、ドア18aと蓋4の係合は解除される。ステップS006の後、ロードポート部10は、載置台14をY軸方向(負方向)に動かすことにより、処理後のウエハ1を収納したフープ2を、
図3に示す載置工程(ステップS001)の位置に戻す。
【0065】
なお、フープ2の主開口2bを閉鎖する際、ロードポート部10は、ステップS005において強制的な排出をおこなっていた場合、強制排出手段24を停止することにより、第1の底孔5からの気体の排出を停止する。また、ステップS005においてフロントガス導入部17による清浄化ガスの放出を行っていた場合、ロードポート部10は、主開口2bの閉鎖に伴い、フロントガス導入部17による清浄化ガスの放出を停止する。ただし、ウエハ搬送部51は、搬送室ファン59の駆動を継続し、ウエハ搬送室52及び循環流路57に循環気流を形成し続けることにより、ウエハ搬送室52の清浄度を維持することができる。
【0066】
以上のように、EFEM50は、フープ2の主開口2bがウエハ搬送室52に気密に接続された状態において、整流板55がウエハ搬送室52の下降気流を導くことにより、ウエハ1を出し入れするフープ2の主開口2bを介して、下降気流の一部をフープ2の内部に流入させる。この際、EFEM50は、フープ2の主開口2bから離間した第1の底孔5に気体排出部20の第1のボトムノズル21を接続し、フープ2の内部の気体を排出させる。これにより、EFEM50は、主開口2bを介してウエハ1が搬出・搬入されている間、処理後のウエハ1から放出されるアウトガスを、効果的にフープ2の外部に排出させることができる。すなわち、主開口2bは開口面積が広く、また、ウエハ搬送室52には清浄度を維持するために下降気流が形成されているため、整流板55による下降気流の誘導により、フープ2の内部へウエハ搬送室52内の気体が容易に流入する。
【0067】
また、このようなEFEM50によるフープ2の清浄化工程(第2清浄化工程)は、ウエハ搬送室52内に整流板55を配置し、第1の底孔5に気体排出のための第1のボトムノズル21を接続させるという、シンプルな構成で行うことが可能である。
【0068】
また、主開口2bから離間した第1の底孔5からフープ2の内部の気体が排出されるため、ウエハ1が収納されるフープ2の内部全体に、主開口2bから第1の底孔5へ向かう気流が形成される。そして、フープ2に形成された気流がウエハ1の表面近傍を通過することにより、アウトガスの排出が促進される。これにより、EFEM50は、フープ2内のウエハ1が、処理後のウエハ1から生じるアウトガスにより酸化又は汚染される問題を防止できる。
【0069】
なお、フープ2の内部の気体が排出される第1の底孔5は、フープ2の内部全体にアウトガスを排出する気流を形成する観点から、なるべく主開口2bから離間した位置に形成されていることが好ましい。したがって、第1の底孔5から主開口2bまでの距離は、収納されるウエハ1の直径の3分の2以上であることが好ましく、ウエハ1の直径以上であることがさらに好ましい。
【0070】
また、上述したEFEM50によるフープ2の清浄化方法では、フープ2の第2の底孔6から清浄化ガスを導入する第1清浄化工程(ステップS003)を行うことにより、主開口2bを閉鎖した状態においてもフープ2の内部を清浄化することが可能であり、ウエハ1を酸化や汚染から効果的に保護できる。また、主開口2bから気体の導入を行う第2清浄化工程(ステップS005)は、第2の底孔6からの清浄化ガスの導入を停止させた状態で行うことにより、主開口2bからの気体の流入量を多くして、フープ2の内部全体に、アウトガスの排出のためのより好適な気流が形成できる。
【0071】
また、EFEM50は、強制排出手段24によってフープ2の内部の気体を排出することにより、主開口2bから効果的にウエハ搬送室52の気体をフープ2内に流入させることができ、また、フープ2の内部に気流を形成することにより、処理後のウエハ1が発生するアウトガスを、効果的に排出できる。
【0072】
さらに、上述したEFEM50では、ロードポート部10における第1配管部22は、第2の底孔6から清浄化ガスの導入を行う第1清浄化工程(ステップS003)でも、主開口2bを介してウエハ搬送室52の下降気流を流入させる第2清浄化工程(ステップS005)でも、いずれの場合でもフープ2から気体を排出する排出流路となる。したがって、EFEM50は、方式の異なる2種類の清浄化工程を、シンプルな構造で実現することができる。
【0073】
以上のように、実施形態を示して本発明を説明したが、上述したEFEM50は、本発明の一実施形態にすぎず、これ以外の様々な変形例が、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0074】
例えば、EFEM50では、気体排出部20は2つの第1の底孔5に連通可能な2つの第1のボトムノズル21を有しているが、気体排出部20が有する第1のボトムノズル21の数および第1のボトムノズル21が接続可能な第1の底孔5の数は特に限定されない。ボトムガス導入部30が有する第2のボトムノズル31の数及び第2のボトムノズル31が接続可能な第2の底孔6の数も、特に限定されない。
【0075】
図6は、本発明の第2実施形態に係るEFEM150を表す概略断面図である。EFEM150は、ウエハ搬送部151が循環流路57を有さず、ウエハ搬送室52の上方に設けられた導入口160と、ウエハ搬送室52の下方に設けられた排出口を有することを除き、第1実施形態に係るEFEM50と同様である。なお、
図6では、フロントガス導入部17、蓋4及び開閉部18等については、記載を省略している。
【0076】
図6に示すEFEM150における第2清浄化工程では、搬送室52の上方に設けられた導入口160から、空気又は不活性ガスが導入される。ウエハ搬送室52の上方に導入された空気又はガスは、搬送室フィルタ58を通過してウエハ搬送室52に流入した後、ウエハ搬送室52の下方に設けられた排出口161から排出される。EFEM150のウエハ搬送室52にも、
図1に示す第1実施形態と同様に、搬送室ファン59による下降気流が形成される。
図6に示すEFEM150における第2清浄化工程においても、整流板55によって、下降気流80の一部をフープ2の内部に流入させ、さらに、フープ2内の気体を第1のボトムノズル21から排出させるフープ2の清浄化工程を行うことにより、
図1に示すEFEM50と同様の効果を奏する。
【0077】
図7は、本発明の第3実施形態に係るEFEM250を表す概略断面図である。EFEM250は、ウエハ搬送部251が、整流板55に加えて、気体放出手段としての搬送室放出ノズル262を有していることを除き、
図1に示すEFEM50と同様である。搬送室放出ノズル262は、ウエハ搬送室52に設けられており、ウエハ搬送室52からフープ2の主開口2bへ向かって、清浄化ガスを放出する。
【0078】
搬送室放出ノズル262には、図示しない配管部から清浄化ガスが供給される。搬送室放出ノズル262から放出される清浄化ガスとしては、第2ボトムノズル31から放出される清浄化ガスと同様に、不活性ガスや清浄空気等を採用することができるが、下降気流80を構成するウエハ搬送室52内の気体より高い清浄度を有することが好ましい。
【0079】
図7に示すEFEM250は、ウエハ搬送部251が搬送室放出ノズル262を有しているため、第2清浄化工程における主開口2bからフープ2内への気体の流入及びフープ2内の気体の入れ替えが促進される。これにより、EFEM250は、処理後のウエハ1から放出されるアウトガスが周辺のウエハ1に悪影響を与える問題を、効果的に防止できる。また、EFEM250は、
図1に示すEFEM50と同様の効果を奏する。
【0080】
図8は、本発明の第4実施形態に係るEFEM350を表す概略断面図である。EFEM350は、ウエハ搬送部351が、整流板55の代わりに、放出ノズル付き整流板363を有していることを除き、
図1に示すEFEM50と同様である。放出ノズル付き整流板363は、
図1に示す整流板55と同様に、ウエハ搬送室52における受渡口13近傍に設けられており、第2清浄化工程において、ウエハ搬送室52に形成される下降気流の一部を、傾斜面363aによってフープ2の内部に導く。
【0081】
また、放出ノズル付き整流板363の傾斜面363aには、複数の放出ノズル363bが形成されており、放出ノズル363bからは、フープ2の主開口2bへ向かって清浄化ガスが放出される。放出ノズル363bには、図示しない配管部から清浄化ガスが供給される。放出ノズル363bから放出される清浄化ガスについては、第3実施形態に係るEFEM250の搬送室放出ノズル262から放出される清浄化ガスと同様である。
【0082】
図8に示すEFEM350は、
図7に示すEFEM250における整流板55と搬送室放出ノズル262の機能を兼ねる放出ノズル付き整流板363を有するため、処理後のウエハ1から放出されるアウトガスが周辺のウエハ1に悪影響を与える問題を、シンプルな構成で防止できる。また、EFEM350は、
図1に示すEFEM50と同様の効果を奏する。
【0083】
図9は、本発明の第5実施形態に係るEFEM450を表す概略断面図である。EFEM450は、ロードポート部410における気体排出流路としての第1配管部422が、ウエハ搬送室52に接続している点を除き、
図1に示すEFEM50と同様である。EFEM450の第2清浄化工程では、第1のボトムノズル21を介してフープ2から排出された気体が、第1配管部422を介してウエハ搬送室52に戻される。
【0084】
第1配管部422には、フープ2から排出された気体に含まれる汚染物質を除去するための配管フィルタ464が設けられている。したがって、EFEM450の第2清浄化工程では、フープ2から排出された気体は、配管フィルタ464で汚染物質を除去された後に、ウエハ搬送室52に流入する。配管フィルタ464は、フープ2から排出された気体に含まれる汚染物質をロードポート部410内で除去し、汚染物質の流入によりウエハ搬送室52内の清浄度が下がる問題を防止している。
【0085】
図9に示すEFEM450は、第1配管部422がウエハ搬送室52に接続していることにより、ウエハ搬送室52およびこれに接続するフープ2内の気体を、EFEM450全体で循環させることができる。したがって、ウエハ搬送部51の搬送室フィルタ58が、EFEM450全体を循環する気体を清浄化させることができ、EFEM450全体の清浄度を向上させることができる。また、EFEM450は、
図1に示すEFEM50と同様の効果を奏する。
【0086】
図10は、本発明の第6実施形態に係るEFEM550を表す概略断面図である。EFEM550は、ロードポート部510における気体排出流路としての第1配管部522が、ウエハ搬送部51の循環流路57に接続されている点を除き、
図1に示すEFEM50と同様である。EFEM550の第2清浄化工程では、第2ボトムノズル21を介してフープ2から排出された気体が、第1配管部522を介して循環流路57に戻される。
【0087】
また、第1配管部522には、
図9に示す第1配管部422と同様に、汚染物質を除去するための配管フィルタ564が設けられている。
図10に示すEFEM550は、第1配管部522が循環流路57に接続していることにより、
図9に示すEFEM450と同様に、ウエハ搬送室52およびこれに接続するフープ2内の気体を、EFEM550全体で循環させることができる。なお、第1配管部522が循環流路57の中間部に物理的に接続されている構成だけでなく、
図10に示すように、第1配管部522の先端が、循環流路57の流入口に向けて開口している構成も、本実施形態に含まれる。
【0088】
図10に示すEFEM550は、第1配管部522が、ウエハ搬送室52ではなく、循環流路57に接続している。したがって、EFEM550の第2清浄化工程において、第2のボトムノズル21を介してフープ2から排出された気体は、第1配管部522及び循環流路57を経て、搬送室フィルタ58を通過した後、ウエハ搬送室52に戻される。したがって、たとえフープ2から排出された気体に汚染物質が含まれていたとしても、それが直接ウエハ搬送室52に流入しないため、ウエハ搬送室52を移動中のウエハに、アウトガスに起因する汚染物質が付着する問題を防止できる。また、EFEM550は、
図1に示すEFEM50と同様の効果を奏する。
【0089】
図11は、本発明の第7実施形態に係るEFEM650を表す概略断面図である。EFEM650は、フープ2内部に直立するフープ内ノズル623を有する点を除き、第1実施形態に係るEFEM50と同様である。フープ内ノズル623は中空状であり、その内部には第1の底孔5を介して第1のボトムノズル21に連通する容器内流路623aが形成されている。また、フープ内ノズル623の表面には、容器内流路623aに通じる流路開口623bが、上下方向に断続的に形成されている。
【0090】
EFEM650における第2清浄化工程では、第1の底孔5からフープ2の内部に直立するフープ内ノズル623を介して、フープ2の内部からの気体の排出が行われるため、フープ2内に収納されたウエハ1の表面に沿った気流が形成される。したがって、1つのウエハ1から放出されたアウトガスが、上下方向の他のウエハ1の表面を汚染等する問題を、効果的に防止することができる。
【0091】
図12は、
図11に示すEFEM650に備えられるフープ内ノズル623の変形例に係るフープ内ノズル723を示す概略斜視図である。フープ内ノズル723も、
図11に示すフープ内ノズル623と同様に中空状であり、フープ内ノズル723の内部には、容器内流路が形成されている。
【0092】
フープ2内部に直立するフープ内ノズル723の表面には、容器内流路に通じる流路開口723bが、上下方向に連続的に形成されている。また、フープ内ノズル723は、上下方向に配列された流路開口723bで構成される開口列723cを、複数(
図12の例では7列)有している。開口列723cは、上下方向に直交する方向であって、フープ2の第2側面2eに略平行な方向に沿って配列されている。
【0093】
フープ内ノズル623、723を有するEFEM650は、ウエハ1から放出されるアウトガスを、より効果的にフープ2の外部へ排出することができる。また、開口列723cを複数有することにより、プープ2内全体に、ウエハからのアウトガスをより効率的に排出する気流を形成することが可能である。