(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6679910
(24)【登録日】2020年3月24日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20200406BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
H01M2/10 U
H01M2/20 A
H01M2/10 M
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-242498(P2015-242498)
(22)【出願日】2015年12月11日
(65)【公開番号】特開2017-107818(P2017-107818A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】田村 純一
(72)【発明者】
【氏名】小林 建司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰成
【審査官】
宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−138267(JP,A)
【文献】
実開昭60−048668(JP,U)
【文献】
特開2014−072020(JP,A)
【文献】
特開2015−141890(JP,A)
【文献】
特開2015−150930(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0251848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20− 2/34
B25F 5/00− 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式工具の動力源としての使用可能な電池パックであって、
複数のバッテリセルと、
前記複数のバッテリセルを収容するケースと、
を備え、
前記ケースの底面部に排水孔を設け、
前記排水孔の出口側の内部に突出するリブを設けたことを特徴する、電池パック。
【請求項2】
前記リブは、前記ケースの底面と面一に、または、前記ケースの底面から突出して、設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記排水孔は、流路方向で断面積が変化することを特徴とする、請求項1又は2記載の電池パック。
【請求項4】
前記排水孔は、流路方向で断面積が減少する箇所を有することを特徴とする、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記リブは、平面視で前記排水孔を二分割するように配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
隣り合うバッテリセルの電極を電気的に接続するためのリード板を備え、
前記排水孔は、前記リード板の中間部のケース下面側に配設されていることを特徴する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充電式工具の動力源としての使用可能な電池パックに関し、特に、内部に侵入した雨水等の排水構造に特徴を有する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電式工具の動力源として、複数のバッテリセルをケース内に収容した電池パックが実用に供されている。充電式工具は屋外で利用されることもあり、また、屋外に放置されることも想定されるので、電池パックの内部に雨水等が浸入する場合がある。電池パックの内部に水が溜まると、バッテリセルの電極端面が腐食して電解液が漏液したり、隣り合うリード板が電気的に接続されてショートしたりといった問題が生じるおそれがある。
【0003】
こうした問題を解決するために、例えば特許文献1には、ケースの底部に設けた排水用の孔からケース外に排水する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−138267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1記載の構造では、排水孔の穴径を大きくしなければ、排水孔の形成面の周囲に流れる水で表面張力が発生し、水によって排水孔が塞がれてしまい、水がスムーズに流れなくなる。このため、排水孔の穴径を大きくする必要があった。
【0006】
ところで、ケース内部の水ぬれによって広がった水は、排水孔からゆっくりと排水されるときは排水孔付近の水も一緒にスムーズに流れる。
しかしながら、排水孔の穴径を大きくすると、水が勢いよく排水されてしまうため、水ぬれによって広がった水の中で、排水孔から離れた位置にある水が取り残されてしまい、ケース内に水が残ってしまう場合があった。また、穴径が大きくなると異物が侵入しやすくなるため、新たな問題を生じさせる原因となっていた。
【0007】
そこで、本発明は、排水孔の穴径を適度に大きくしつつも、水の抜き残しや異物の侵入を防止できる電池パックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明は、充電式工具の動力源としての使用可能な電池パックであって、複数のバッテリセルと、前記複数のバッテリセルを収容するケースと、を備え、前記ケースの底面部に排水孔を設け、前記排水孔の
出口側の内部に
突出するリブを設けたことを特徴する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記
リブは、前記ケースの底面と面一に、または、前記ケースの底面から突出して、設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、前記排水孔は、流路方向で断面積が変化することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記排水孔は、流路方向で断面積が減少する箇所を有することを特徴とする。
【0013】
【0014】
請求項
5に記載の発明は、上記した請求項1〜
4のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記
リブは、平面視で前記排水孔を二分割するように配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項
6に記載の発明は、上記した請求項1〜6のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、隣り合うバッテリセルの電極を電気的に接続するためのリード板を備え、前記排水孔は、前記リード板の中間部のケース下面側に配設されていることを特徴する。
【0016】
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、ケースの底面部に排水孔を設け、前記排水孔の
出口側の内部に
突出するリブを設けた。このような構成によれば、排水孔の穴径を適度に大きくした場合でも、
リブを設けたことによって水を通過させる排水孔の断面積が小さくなり、排水のスピードを抑制できるので、水ぬれによって広がった水のうち、排水孔から離れた位置にある水が取り残されることを防止できる。また、排水孔の穴径を適度に大きくできるので、排水孔の形成面の周囲に流れる水で発生した表面張力の影響が減少し、排水時に水の流れが途切れにくい。よって、ケース内に浸入した水をスムーズに排水することができる。また、排水孔の穴径を適度に大きくした場合でも、
リブによって異物の侵入を防止できる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記
リブは、前記ケースの底面と面一に、または、前記ケースの底面から突出して、設けられている。このような構成によれば、
リブがケースの底面側にあることによって、排水孔内部への異物侵入を防止できる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記排水孔は、流路方向で断面積が変化する。このような構成によれば、流量の変化で表面張力の影響を減少させるとともに、断面積が変化する箇所で排水孔の水を通過させる断面積を小さくして排水のスピードを抑制することができるので、ケース内に浸入した水をスムーズに排水することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、前記排水孔は、流路方向で断面積が減少する箇所を有する。このような構成によれば、排水孔の水を通過させる断面積が減少する箇所で排水のスピードを抑制できるので、ケース内に浸入した水をスムーズに排水することができる。
【0021】
【0022】
また、請求項
5に記載の発明は上記の通りであり、前記
リブは、平面視で前記排水孔を二分割するように配置されている。このような構成によれば、
リブが排水孔内の2点間に両持ち支持されるため、
リブの強度が向上し、ケース底面部全体の強度も保つことができる。
【0023】
また、請求項
6に記載の発明は上記の通りであり、隣り合うバッテリセルの電極を電気的に接続するためのリード板を備え、前記排水孔は、前記リード板の中間部のケース下面側に配設されている。言い換えると、リード板の端部から最も離れた位置に排水孔が配設されている。このような構成によれば、排水孔から外部へ水が排水されるときに、リード板の端部付近を境目として水が左右に分かれることになる。よって、隣り合うリード板の間に水が残りにくいので、隣り合うリード板が電気的に接続されてショートすることを効果的に防止できる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(a)電池パックを斜め上から見た斜視図、(b)電池パックを斜め下から見た斜視図である。
【
図3】(a)電池パックの断面図、(b)A部拡大図である。
【
図4】(a)排水孔の平面図及び断面図、(b)変形例1に係る排水孔の平面図及び断面図、(c)変形例2に係る排水孔の平面図及び断面図、(d)変形例3に係る排水孔の平面図及び断面図である。
【
図5】(a)変形例4に係る排水孔の平面図及び断面図、(b)変形例5に係る排水孔の平面図及び断面図、(c)変形例6に係る排水孔の平面図及び断面図、(d)変形例7に係る排水孔の平面図及び断面図、(e)変形例8に係る排水孔の平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0027】
本実施形態に係る電池パック10は、充電式工具(図示せず)の動力源としての使用可能なものであって、二次電池を内蔵して充放電可能に形成されている。この電池パック10は充電式工具に形成された装着部に対して着脱可能となっており、充電式工具の動力源としての使用するときには、充電式工具に取り付けて使用する。この電池パック10は、ケース11の上面が充電式工具への取り付け面となっている。電池パック10の取り付け面には、
図1(a)に示すように、端子部10aが設けられている。充電式工具に電池パック10を取り付けると、この端子部10aが充電式工具の端子と電気的に接続され、充電式工具に対して放電可能となる。なお、この電池パック10は、充電器に取り付けて充電可能である。充電器に電池パック10を取り付けると、端子部10aが充電器の端子と電気的に接続され、充電器を使用して充電可能となる。
【0028】
本実施形態に係る電池パック10は、
図1及び
図3に示すように、ケース11と、ケース11の上面に出没可能に設けられたストッパ部18と、ストッパ部18の出没を制御する解除ボタン19と、ケース11に収容された複数のバッテリセル30と、隣り合うバッテリセル30の電極を電気的に接続するためのリード板31と、を備える。
【0029】
ケース11は、
図1等に示すような箱体であり、上ケース11aと下ケース11bとを上下に接合することで形成されている。上ケース11aの側部には、一対のガイドレール部12が設けられている。このガイドレール部12は、電池パック10を充電式工具の装着部に対してスライドさせるときのガイドとなるものである。すなわち、ガイドレール部12が充電式工具の装着部に形成された凸形状に係合することで、電池パック10を充電式工具の装着部に対してスライドさせて着脱できるようになっている。
【0030】
ストッパ部18は、充電式工具の装着部に形成された凹形状に係合することで、電池パック10が充電式工具の装着部から脱落しないようにするためのものである。このストッパ部18は、図示しない付勢手段によって常に突出方向へと付勢されている。電池パック10を充電式工具に取り付けるときには、ガイドレール部12を使用して電池パック10をスライドさせれば、ストッパ部18が充電式工具に押されて退避方向に没入するようになっている。そして、電池パック10が取り付け位置までスライドされると、ストッパ部18が充電式工具の凹形状に嵌り込み、電池パック10が充電式工具の装着部にしっかりと固定されるようになっている。
【0031】
解除ボタン19は、ストッパ部18を退避方向へと没入させるための操作部である。この解除ボタン19を押し込み操作すると、ストッパ部18が退避方向へと没入する。電池パック10を充電式工具から取り外すときには、この解除ボタン19を操作した状態でガイドレール部12を使用して電池パック10をスライドさせる。解除ボタン19の操作によってストッパ部18と充電式工具の凹形状との係合が解除されるため、電池パック10を充電式工具の装着部から取り外すことができる。
【0032】
バッテリセル30は、電池パック10を構成する二次電池であり、本実施形態においては複数のバッテリセル30が直列で接続されて使用されている。各バッテリセル30は、リード板31によって隣り合うバッテリセル30の電極と電気的に接続されている。すなわち、隣り合うバッテリセル30の電極は互いに極性が異なるようになっており、この隣り合う電極をリード板31によって接続している。
【0033】
ところで、本実施形態に係るケース11の底面には、
図1(b)等に示すような排水孔20が設けられている。この排水孔20は、ケース11内部へと侵入した水を排水するために設けられている。
【0034】
本実施形態においては、
図1(b)及び
図2に示すように、下ケース11bの底面に4つの排水孔20が貫通形成されている。下ケース11bは、電池パック10の底面を覆う底板部15と、バッテリセル30の電極に臨む一対の側壁14と、を備えており、排水孔20は底板部15における側壁14との境目付近に配設されている。なお、底板部15には、バッテリセル30の下部を支持するための支持壁部13が立設されている。排水孔20は、平面視でこの支持壁部13よりも下ケース11bの側壁14側に配設されている。言い換えると、排水孔20は、バッテリセル30の端部側、すなわち、バッテリセル30の電極部付近に配設されている。このような構成によれば、ストッパ部18を出没させるための孔などから水が浸入したときに、この水が支持壁部13によってバッテリセル30の電極付近に流れにくくなっている。また、バッテリセル30の電極付近に水が浸入したとしても、排水孔20を使用して効果的に排水されるようになっている。
【0035】
この排水孔20は、
図3に示すように、リード板31の中間部の下ケース11b下面側に配設されている。言い換えると、リード板31の端部から最も離れた位置に排水孔20が配設されている。このような構成によれば、排水孔20から外部へ水が排水されるときに、隣り合うリード板31の間(
図3の矢印B参照)を境目として水が左右に分かれることになる。よって、隣り合うリード板31の間に水が残りにくいので、隣り合うリード板31が電気的に接続されてショートすることを効果的に防止できる。
【0036】
また、本実施形態に係る排水孔20は、
図4(a)に示すような段穴形状であり、内部にリブ28が設けられている。このリブ28は、排水のスピードを抑制するための排水抑制手段として機能する。詳しくは、排水孔20は、上面側(入口側)に形成された小孔部21と、下面側(出口側)に形成された大孔部22と、を備える。小孔部21と大孔部22とは、互いに連通する略丸穴形状であり、大孔部22は小孔部21よりも直径が大きく形成されている。このため、小孔部21と大孔部22との間には段部23が形成されている。大孔部22にはリブ28が設けられており、このリブ28は、下ケース11bの下面から段部23に至るまでの間に設けられている。このリブ28は、大孔部22の直径方向に形成され、平面視で大孔部22を二分割している。リブ28は、ケース11の底面と面一に設けられている。
【0037】
このような構造によれば、段部23における排水孔20の断面積は、小孔部21における排水孔20の断面積よりも小さくなっている。このため、排水孔20は、流路方向に見たときに段部23において断面積が減少するようになっている。
【0038】
また、大孔部22における排水孔20のの断面積は、段部23における排水孔20の断面積よりも大きくなっている。このため、排水孔20は、流路方向に見たときに大孔部22において断面積が増大するようになっている。
【0039】
上記したような本実施形態によれば、ケース11の底面部に排水孔20を設け、排水孔20の内部にリブ28を設けたので、排水孔20の穴径を適度に大きくした場合でも、リブ28を設けたことによって水を通過させる排水孔20の断面積が小さくなり、排水のスピードを抑制できるので、水ぬれによって広がった水のうち、排水孔20付近から離れた位置にある水が取り残されることを防止できる。また、排水孔20の穴径を適度に大きくできるので、排水孔20の形成面の周囲に流れる水で発生した表面張力の影響が減少し、排水時に水の流れが途切れにくい。よって、ケース11内に浸入した水をスムーズに排水することができる。また、排水孔20の穴径を適度に大きくした場合でも、リブ28によって異物の侵入を防止できる。
【0040】
また、リブ28は、ケース11の底面と面一に設けられている。このような構成によれば、リブ28がケース11の底面側にあることによって、排水孔20内部への異物侵入を防止できる。
【0041】
なお、排水孔20の穴径は、小さすぎず大きすぎない適切な大きさとすることが要求される。排水孔20の最大の断面積は、好ましくは直径1〜4mmの円の面積に相当する面積であり、より好ましくは直径2〜3mmの円の面積に相当する面積である。
【0042】
また、リブ28が排水孔20を直径方向に二分割するように排水孔20内の2点間に両持ち支持で設けられている。このような構成によれば、たとえば電池パック10を凹凸のある床面に置いたときに床面の凸部が直接リブ28に当たってしまうような、底面側から外力が加わったような場合でもリブ28が破損しにくい。
また、ケース11の底面に排水孔20の開口を設けたとしても、排水孔20の内部のリブ28により底面部全体の強度が保たれる。
【0043】
また、排水孔20は、流路方向で断面積が変化する。このような構成によれば、流量の変化で表面張力の影響を減少させるとともに、断面積が変化する箇所で排水のスピードを抑制できるので、ケース11内に浸入した水をスムーズに排水することができる。
【0044】
また、排水孔20は、流路方向で断面積が減少する箇所を有する。このような構成によれば、排水孔20の入口を大きくして表面張力の影響を減少させるとともに、断面積が減少する箇所で排水のスピードを抑制できるので、ケース11内に浸入した水をスムーズに排水することができる。
なお、排水孔20の形状は上記した形状に限らず、種々のものが考えられる。
【0045】
例えば、
図4(b)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、上面側(入口側)に形成された小孔部21と、下面側(出口側)に形成されたテーパ部24と、を備える。小孔部21とテーパ部24とは、互いに連通する略丸穴形状であり、テーパ部24は小孔部21に接する部分を最小として徐々に直径が大きくなるように形成されている。このため、小孔部21とテーパ部24との間には段部23が形成されている。テーパ部24にはリブ28が設けられており、このリブ28は、下ケース11bの下面から段部23に至るまでの間に設けられている。リブ28は、テーパ部24の直径方向に形成され、テーパ部24を二分割している。このように、排水孔20の一部をテーパ状に形成してもよい。
【0046】
また、
図4(c)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、上下方向に同径で形成されている。排水孔20には、下ケース11bの下面から排水孔20の中途部に至るまでリブ28が設けられている。リブ28は、排水孔20を直径方向に二分割するように設けられている。このように、排水孔20の径を一定に形成してもよい。
【0047】
また、
図4(d)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、排水孔20を直径方向に二分割するように設けられたリブ28を備えており、このリブ28は、ケース11の底面から突出している。このような構成によれば、リブ28によってケース11の底面が持ち上げられ、地面とケース11の底面との間に隙間が生じる。このため、排水孔20から外部へ水が排水されるときに、排水孔20の出口の開口縁から底面を伝わせて排水することができるので、スムーズに排水することができる。
【0048】
また、
図5(a)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、排水孔20の内周面の一部から突出したリブ28を備えている。このように、リブ28の形状は、排水孔20を直径方向に二分割するようなものに限らない。
【0049】
また、
図5(b)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、排水孔20の内周面の一部から突出したリブ28を備えている。このリブ28は、流路方向で徐々に大きく突出するように傾斜した傾斜部29を備えている。このように、リブ28の形状によって、流路方向で断面積が減少する箇所を形成してもよい。
【0050】
また、
図5(c)に示すような排水孔20としてもよい。この排水孔20は、排水孔20の内周面から突出した一対のリブ28を備えている。このように、リブ28の数を複数としてもよい。
【0051】
また、
図5(d)に示すような排水孔20としてもよい。
図5(d)に示す排水孔20は、断面が略四角形状である。また、
図5(e)に示すような排水孔20としてもよい。
図5(e)に示す排水孔20は、断面が略三角形状である。このように、排水孔20の形状を丸穴以外としてもよい。
【0052】
なお、上記した本実施形態においては、ケース11の底面に排水孔20を設けたが、これに限らず、排水孔20はケース11の底面部(載置面に臨む位置)に設けられていればよい。例えば、側壁14と底面との境目部分に排水孔20を配設してもよい。
【0053】
また、上記した本実施形態においては、ケース11に一体的に形成されたリブ28によって排水抑制手段を構成したが、これに限らず、例えば排水孔20に別部材を取り付けて排水抑制手段を構成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 電池パック
10a 端子部
11 ケース
11a 上ケース
11b 下ケース
12 ガイドレール部
13 支持壁部
14 側壁
15 底板部
18 ストッパ部
19 解除ボタン
20 排水孔
21 小孔部
22 大孔部
23 段部
24 テーパ部
28 リブ
29 傾斜部
30 バッテリセル
31 リード板