(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載されているようにデザイン性を重視して空気調和機の外面形状に複雑な変化を持たせようとすると、複数の部材を組み合わせて機器外面を構成することになり、機器外面を構成している部材を形成するためのコストが嵩むことになる。
【0004】
本開示の課題は、意匠性の高い空気調和機を低コストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1観点に係る空気調和機は、機器外面の一部を構成している本体ケーシングと、本体ケーシングに一部を重ね、本体ケーシングと繋がって機器外面の一部を構成している側板と、本体ケーシングの側に配置されている第1支持部、側板の側に配置されている第2支持部、及び第1支持部と第2支持部とを繋ぐ連結部を有し、第1支持部と第2支持部とにより本体ケーシングと側板との重なり部分を両側から支持するクリップとを備える。
【0006】
第1観点に係る空気調和機によれば、機器外面の一部が本体ケーシングと側板という別々の部材で構成されていることから、本体ケーシングと側板とを一体化して例えば射出成形などによって一度に成形する場合に比べて形成が容易になる。また、別々の部材で構成された本体ケーシングと側板の重なり部分がクリップで支持されていることから、例えばネジなどで重なり部分を留める場合に比べてクリップの外観を本体ケーシングの外観に馴染ませやすいものとなる。
【0007】
本開示の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、側板は、第2支持部を保持する保持部を有する、ものである。
【0008】
第2観点に係る空気調和機によれば、第2支持部の先端部が側板の保持部に保持されることから、クリップの第1支持部の連結部に近い側で第1支持部が本体ケーシングをしっかり支持できるので、クリップが破損したり重なり部分で本体ケーシングと側板の距離が開いて機器外面に段差が生じて意匠性が低下したりするのを抑制することができる。
【0009】
本開示の第3観点に係る空気調和機は、第1観点または第2観点に係る空気調和機において、本体ケーシングと側板は、重なり部分に曲面を含む、ものである。
【0010】
第3観点に係る空気調和機によれば、重なり部分に曲面が含まれることから、同じ形状に形成するのが難しい曲面同士を繋げるときに、クリップで支持して重なり部分の隙間を減らすことができる。
【0011】
本開示の第4観点に係る空気調和機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る空気調和機において、クリップは、第1支持部と第2支持部の間隔が支持箇所の本体ケーシングの厚みと側板の厚みの和と同じかまたはそれより大きい、ものである。
【0012】
第4観点に係る空気調和機によれば、第1支持部と第2支持部の間隔が支持箇所の本体ケーシングの厚みと側板の厚みの和と同じかまたはそれより大きいことから、クリップが重なり部分を挟んでいる状態で、本体ケーシングと側板が第1支持部と第2支持部の間隔を開けようとして連結部に掛ける応力を小さい状態に保つことができる。
【0013】
本開示の第5観点に係る空気調和機は、第1観点から第4観点のいずれかに係る空気調和機において、本体ケーシングは、壁に取り付けられ、クリップは、壁の側から本体ケーシングの前面に向かって嵌め込まれている、ものである。
【0014】
第5観点に係る空気調和機によれば、壁の側から本体ケーシングの前面に向かってクリップが嵌め込まれていることから、本体ケーシングが壁に取り付けられるとクリップが壁の側に抜けるのを壁によって規制することができる。
【0015】
本開示の第6観点に係る空気調和機は、第5観点に係る空気調和機において、本体ケーシングと側板は、壁の側が開口されており、開口に向って窄まっている、ものである。
【0016】
第6観点に係る空気調和機によれば、本体ケーシングと側板が開口に向って窄まっていることから、開口に向かって真っ直ぐな場合に比べてユーザが感じる圧迫感を減らすように機器外面の形状に変化を与えることができる。
【0017】
本開示の第7観点に係る空気調和機は、第1観点から第6観点のいずれかに係る空気調和機において、本体ケーシングとクリップは、同一の樹脂材料で形成されている、ものである。
【0018】
第7観点に係る空気調和機によれば、本体ケーシングとクリップが同一の樹脂材料で形成されていることから、本体ケーシングとクリップが異なる樹脂材料で形成されている場合に比べて例えば紫外線による樹脂の劣化などが同じように進行するので、経年劣化によって本体ケーシングとクリップの外観が異なるものとなるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の第1観点に係る空気調和機では、機器外面を構成する部材についてのコストを下げることができるとともに、機器外面の意匠性を向上させることができる。
【0020】
本開示の第2観点に係る空気調和機では、機器外面の形成にクリップを用いる構成において耐久性を向上させることができる。
【0021】
本開示の第3観点に係る空気調和機では、重なり部分に曲面を用いることが容易になって顕著に意匠性を向上させることができる。
【0022】
本開示の第4観点に係る空気調和機では、第1支持部と第2支持部の間隔を開けようとする応力によってクリップが破損するのを抑制することができる。
【0023】
本開示の第5観点に係る空気調和機では、クリップの外れを防止することができる。
【0024】
本開示の第6観点に係る空気調和機では、機器外面のデザインによって快適性を向上させることができる。
【0025】
本開示の第7観点に係る空気調和機では、デザインの劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(1)全体構成
以下、本開示の一実施形態に係る空気調和機について図を用いて説明する。
図1には、壁WAに取り付けられている空気調和機10を斜め下方から見上げたときの空気調和機10の外観が示されている。
図2には、上から見た空気調和機10が示されている。空気調和機10の形状は、左右に長い直方体に基づいて概ね設定されている。空気調和機10は、本体ケーシング20の天面部20aに設けられた吸込口15から室内空気を吸い込む。空気調和機10は、機器の内部での熱交換により、吸い込んだ室内空気を温め又は冷やして設定温度に調整した調和空気を吹出口11から吹き出す。この吹出口11は、本体ケーシング20の底面部20bから前面部20c(
図4参照)にかけて形成された開口である。吹出口11及び吸込口15は、空気調和機10の長手方向に沿って長く延びている。この空気調和機10の側面の一部は、本体ケーシング20の側面部20dによって形成されている。
【0028】
空気調和機10が停止している状態では、
図1に示されているように、吹出口11が水平フラップ13及び前面パネル12によって塞がれている。空気調和機10が暖房運転または冷房運転をするときに、水平フラップ13と前面パネル12が移動して、空気調和機10は、吹出口11が開いた状態になる。
【0029】
空気調和機10の機器外面の一部は、本体ケーシング20によって構成されている。また、空気調和機10の機器外面の他の一部は、側板30によって構成されている。
図3には、空気調和機10の正面から向かって右側の側面周辺が拡大して示されている。
図3において、斜線で示された領域が本体ケーシング20と側板30の重なり部分Pa1である。側板30は、このように本体ケーシング20に一部を重ね、本体ケーシング20と繋がって機器外面の一部を構成している。本体ケーシング20と側板30の重なり部分Pa1にクリップ40が取り付けられている。つまり、このクリップ40は、重なり部分Pa1の両側から本体ケーシング20と側板30を支持している。
【0030】
図4には、本体ケーシング20に左右両側の2枚の側板30を取り付けようとしている状態が示されている。各側板30には、上下に配置される2つのクリップ40が割り当てられている。各クリップ40は、本体ケーシング20の外面を支持するとともに側板30の内面を支持する。
図5に示されているように、クリップ40は、本体ケーシング20の外面に形成されている凹部21に嵌り、側板30の被支持部31と保持部32との間に挿入される。
【0031】
(2)詳細構成
(2−1)クリップ40
図6及び
図7に、クリップ40を空気調和機10の機器外面の側から見た状態が示されている。クリップ40は、第1支持部41、第2支持部42、及び第1支持部41と第2支持部42とを繋ぐ連結部43を有している。第1支持部41は本体ケーシング20の側に配置され、第2支持部42は側板30の側に配置される。第1支持部41は、上方から見て略長方形の形状を呈する板状の樹脂部材で構成されている。第1支持部41の長方形の一辺が連結部43に一体的に接合されている。
図7には、第1支持部41及び第2支持部42の隠れた構造が破線で示されている。第1支持部41には、第2支持部42の方に向って突出する爪44が形成されている。
【0032】
図6にも少し見えているが、第2支持部42には、開口部46が形成されており、上方から見ると、第2支持部42はU字形の形状を呈する。この第2支持部42も板状の樹脂部材で構成されている。第2支持部42は、U字形の開いている部分が連結部43に向くように連結部43に一体的に接合されている。第2支持部42には、第1支持部41とは反対側に向って突出する爪45が形成されている。
【0033】
クリップ40は、年月が経過しても本体ケーシング20との外観の相違が目立たないように、本体ケーシング20と同一の樹脂材料で形成されることが好ましい。また、同様の理由から、クリップ40は、側板30と同一の樹脂材料で形成されることが好ましい。
【0034】
(2−2)本体ケーシング20
本体ケーシング20は、
図2に示されているように、上方から見たときの輪郭は、ほぼ長方形の形状を呈する。しかし、詳細に見ると、空気調和機10の外形は、中央部の幅W1が後部の幅W2よりも大きくなっている。つまり、壁WAに取り付けられる後部に向って本体ケーシング20が中央部から後部にかけて徐々に窄まっている。また、
図2に示されている上面視において、中央部から前面に向かって円弧CR1が形成されていることから、本体ケーシング20の中央部の幅W1よりも前面の幅W3が狭くなっていることも分かる。
【0035】
図3及び
図4に示されている側板30が本体ケーシング20に繋がっている形状では、後部側が開口29になっている。従って、本体ケーシング20と側板30によって構成された機器外面は、開口29に向って窄まる形状を呈すると言い換えることもできる。本体ケーシング20と側板30が、開口29に向って窄まる形状を呈するということは、壁WAに設置された空気調和機10において、本体ケーシング20と側板30で構成される形状を壁WAに平行な平面で切断したときの輪郭が、切断する箇所が壁に近づくに従って小さくなっていくということである。本体ケーシング20と側板30によって構成された機器外面がこのような形状をしているので、もし、射出成形で、本体ケーシング20と側板30によって構成された機器外面を一体的に形成しようとすると一体成形された樹脂成形体を金型から外すのが難しくなり、成形コストが高くなる。このような形状を本体ケーシング20と側板30に分割することで、射出成形が容易になり、低コストで
図2に示されているような開口29に向って窄まる形状を持つ空気調和機10が提供できるものとなる。
【0036】
また、本体ケーシング20の前部から後部に向って延びる稜線周辺部Pa2は曲面である。従って、壁WAに平行な平面で、本体ケーシング20と側板30によって構成される機器外面を切断した場合の稜線周辺部Pa2の断面形状は、円弧状になっている。
【0037】
本体ケーシング20の天面部20aにおいて、稜線周辺部Pa2近傍の後端に2箇所凹部21が形成されている(
図4参照)。このような構造は、本体ケーシング20の底面部20bにおいても同様である。本体ケーシング20に設けられた4箇所の凹部21の中には、掛止孔22が形成されている。これら掛止孔22には、クリップ40の爪44が引っ掛かるように構成されている。クリップ40は、
図5に矢印で示されている壁側に向う向きに引き抜かないと外れないが、爪44が掛止孔22に引っ掛かることによって引き抜かれ難くなっている。さらに、空気調和機10が壁WAに取り付けられた状態ではクリップ40が壁WAに当たって
図5の矢印の方向にクリップ40が移動できなくなるので、クリップ40は、空気調和機10が壁WAに取り付けられると外れなくなる。クリップ40は、本体ケーシング20に嵌め込まれた状態で、クリップ40の第1支持部41の外面41aと、本体ケーシング20の天面部20aの外面20aa又は底面部20bの外面20baとが面一になるように構成されている。
【0038】
図8には、本体ケーシング20を正面から見た状態が示されているが、
図8に示されているI−I線で切断した本体ケーシング20の断面が
図9に示されている。また、
図9において円で囲まれた領域Ar1の構成を拡大したものが
図10に示されている。
図10から分かるように、側板30の被支持部31は、凹部21よりも機器の内側の位置に配置されている。本体ケーシング20の凹部21の外面21aは、クリップ40の第1支持部41の内面41bによって支持され、側板30の被支持部31の内面31bは、クリップ40の第2支持部42の外面42aによって支持される。
【0039】
(2−3)側板30
図4に示されているように、側板30は、天面部30aと、底面部30bと、側面薄肉部30cと、側面厚肉部30dとを有する。側板30の天面部30aは、本体ケーシング20の天面部20aと重なり、側板30の底面部30bは、本体ケーシング20の底面部20bと重なる。側板30の側面薄肉部30cは、側面厚肉部30dの前に形成されており、本体ケーシング20の側面部20dと重なる。側面厚肉部30dは、本体ケーシング20の側面部20dとは重ならず、本体ケーシング20の側面部20dとともに空気調和機10の側面を構成している。側板30は、年月が経過しても本体ケーシング20との外観の相違が目立たないように、本体ケーシング20と同一の樹脂材料で形成されることが好ましい。
【0040】
側板30の天面部30a及び底面部30bは、本体ケーシング20の天面部20a及び底面部20bと隙間なく重なるように又は非常に小さな隙間で重なるように設計されている。しかし、製造時の誤差などによって、側板30の天面部30a及び底面部30bと、本体ケーシング20の天面部20a及び底面部20bとの間に、公差の範囲内の隙間が生じることは許容されている。そして、クリップ40で本体ケーシング20と側板30が支持されることによって、空気調和機10の外観に影響を与える隙間が減らされて、空気調和機10の良好な意匠性が確保される。
【0041】
クリップ40の第2支持部42で支持される被支持部31は、側板30の天面部30a及び底面部30bに形成されている。また、被支持部31の前方には保持部32が形成されている。保持部32は、被支持部31に対して機器の内側に配置されており、前面視に置いて、保持部32と被支持部31の間には、第2支持部42の板厚d4(
図6参照)よりも大きな隙間が形成されている。従って、クリップ40が本体ケーシング20と側板30の被支持部31を支持している状態を前方から見ると、クリップ40の第2支持部42が被支持部31と保持部32の間に在る。そして、この保持部32は、第2支持部42を側板30にしっかり保持する。それにより、クリップ40の第1支持部41の連結部43に近い側で第1支持部41が本体ケーシング20をしっかり支持できる。
【0042】
クリップ40が本体ケーシング20と側板30の被支持部31を支持している状態において、クリップ40の第1支持部41と第2支持部42の間隔d3(
図6参照)は、支持箇所である本体ケーシング20の凹部21の部分の厚みd1と側板30の被支持部31の厚みd2の和(d1+d2)と同じかまたはそれより大きくなるように設定されている。つまり、d1+d2≦d3の関係が成り立つ。
【0043】
(3)本体ケーシング20と側板30の連結
図3のII−II線で切断した本体ケーシング20と側板30の断面形状が
図11に示されている。本体ケーシング20と側板30とを連結する場合には、例えば両面に粘着剤及び/または接着剤が両面に塗布されたテープ60で、側板30が本体ケーシング20に貼着される。テープ60は、側板30の側面薄肉部30cに貼り付けられる。側板30が本体ケーシング20に貼着された後、クリップ40が本体ケーシング20と側板30に取り付けられる。クリップ40が本体ケーシング20の後ろから押し込まれると、第2支持部42が被支持部31の内面31bに沿って進み、保持部32に到達すると爪45によって被支持部31と保持部32の間隔が少し押し広げられる。第1支持部41の爪44が凹部21に乗り上げると、第1支持部41と第2支持部42の間隔が少し押し広げられる。さらにクリップ40が押し込まれると、爪44が掛止孔22に嵌って、第1支持部41と第2支持部42の間隔が元に戻って弾性変形が解消されると同時に、爪45が保持部32を通過して被支持部31と保持部32の間隔が元に戻って弾性変形が解消される。そして、爪44が掛止孔22に引っ掛かり、爪45が保持部32に引っ掛かることにより、クリップ40が本体ケーシング20と側板30に掛止される。
【0044】
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、空気調和機10が設置される部屋の温度に関する空気調和を行うものであったが、空気調和機10が行う空気調和は、空気の温度の調整に限られるものではなく、例えば、空気の湿度の調整であってもよく、また空気中の塵埃の除去であってもよい。
【0045】
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、本体ケーシング20と側板30とを繋ぐ際にテープ60を用いる場合について説明したが、テープ60を用いなくてもよく、例えば、粘着剤及び/または接着剤を本体ケーシング20及び/または側板30に直接塗布してもよく、嵌合構造によって繋ぎ合わせてもよい。
【0046】
(4−3)変形例1C
上記実施形態では、保持部32が側板30に設けられる場合について説明したが、保持部は本体ケーシング20に設けられてもよい。本体ケーシング20に設けられる保持部は、例えば、本体ケーシング20の天面部20aまたは底面部20bの内面側に凹部を形成し、第2支持部42の先端部がその凹部に突き刺さるように構成すればよい。本体ケーシング20の天面部20aまたは底面部20bの内面側に凹部であれば、金型を外すのに邪魔にならないように本体ケーシング20に形成することができる。
【0047】
(5)特徴
(5−1)
以上説明したように、空気調和機10の機器外面の一部は、本体ケーシング20と側板30という別々の部材で構成されている。もし、本体ケーシング20と側板30とを一体化したような成形体を例えば射出成形で成形しようとすると、上述のような開口29に向かって窄まった形状の成形体は金型から抜き出し難くなって金型の構造が複雑になったり成形時間が長くなったりして、成形コストが高くなる。それに対して、本体ケーシング20と側板30と別々の部材とすることで、それぞれの成形が容易になり、機器外面を構成する部材に掛かるコストを下げることができる。
【0048】
また、別々の部材で構成された本体ケーシング20と側板30の重なり部分Pa1がクリップ40で支持されていることから、例えばネジなどで重なり部分を留める場合に比べてクリップ40の外観を本体ケーシング20の外観に馴染ませやすいものとなっている。つまり、クリップ40と本体ケーシング20の境界線以外は、同じ外観にすることができる。その結果、例えばネジなどを使う場合に比べて、クリップ40を使う方が空気調和機10の機器外面の意匠性を向上させることができる。
【0049】
(5−2)
クリップ40の第2支持部42が側板30の保持部32によってしっかりと保持されて、クリップ40の第1支持部41の連結部43に近い側で第1支持部41が本体ケーシング20をしっかり支持できる。その結果、クリップ40が破損したり重なり部分Pa1で本体ケーシング20と側板30の距離が開いて機器外面に段差が生じて意匠性が低下したりするのを抑制することができ、機器外面の形成にクリップ40を用いる構成において空気調和機10の耐久性を向上させることができる。
【0050】
(5−3)
図3及び
図4を用いて説明したように、重なり部分Pa1に曲面が含まれている。同じ形状に形成するのが難しい曲面同士を繋げるときに、クリップ40で支持して重なり部分の隙間を減らすことができることにより、重なり部分に曲面を用いることが容易になって顕著に意匠性を向上させることができる。
【0051】
(5−4)
クリップ40の第1支持部41と第2支持部42の間隔d3が支持箇所の本体ケーシング20の厚みd1と側板30の厚みd2の和と同じかまたはそれより大きく設定されている。その結果、クリップ40が重なり部分Pa1を挟んでいる状態で第1支持部41と第2支持部42の間隔を開けようとして連結部43に掛かる応力が小さい状態を保つことができ、第1支持部41と第2支持部42の間隔を開けようとする応力によってクリップ40が破損するのを抑制することができる。
【0052】
(5−5)
空気調和機10においては、壁WAの側から本体ケーシング20の前面に向かってクリップ40が嵌め込まれていることから、本体ケーシング20が壁WAに取り付けられるとクリップ40が壁WAの側に抜けるのが壁WAによって規制される。その結果、クリップ40が本体ケーシング20及び側板30から外れるのを防止することができる。
【0053】
(5−6)
本体ケーシング20と側板30によって構成される機器外面の一部が開口29に向って窄まっていることから、開口に向かって真っ直ぐな場合に比べてユーザが感じる圧迫感を減らすように空気調和機10の機器外面の形状に変化を与えることができる。その結果、空気調和機10の機器外面のデザインによって快適性を向上させることができる。
【0054】
(5−7)
本体ケーシング20と側板30とクリップ40が同一の樹脂材料で形成されていると、本体ケーシング20と側板30とクリップ40が異なる樹脂材料で形成されている場合に比べて例えば紫外線による樹脂の劣化などが同じように進行する。経年劣化によって本体ケーシング20と側板30とクリップ40の外観が異なるものとなるのを抑制することができ、空気調和機10のデザインの劣化を抑制することができる。