(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6680500
(24)【登録日】2020年3月24日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】資金管理支援装置及び資金管理の支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20200406BHJP
G06Q 40/02 20120101ALI20200406BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q40/02
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-190749(P2015-190749)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-68401(P2017-68401A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100117592
【弁理士】
【氏名又は名称】土生 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中武 浩史
(72)【発明者】
【氏名】藤井 洋之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 芳広
(72)【発明者】
【氏名】堀木 祐太朗
(72)【発明者】
【氏名】木檜 剛
【審査官】
牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−245128(JP,A)
【文献】
西山 茂,キャッシュマネジメント入門,東洋経済新報社,2013年 9月 5日,pp.148−149,158−159,ISBN978−4−492−60218−8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成手段と、
前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された少なくとも一のサブグラフを生成するサブグラフ生成手段と、
前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフと前記サブグラフ生成手段が生成したサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、ユーザが操作する端末装置に送信する画面データ送信手段と、
前記端末装置から、前記画面に表示されたサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記複数の預金口座の残高の合計額における前記項目の内訳を算出して、前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフに前記項目の内訳を表示するためのメイングラフの更新データを前記端末装置に送信するメイングラフ更新手段と、
を備えることを特徴とする資金管理支援装置。
【請求項2】
企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成手段と、
前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された二以上のサブグラフを生成するサブグラフ生成手段と、
前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフと前記サブグラフ生成手段が生成した二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、ユーザが操作する端末装置に送信する画面データ送信手段と、
前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新手段と、
を備えることを特徴とする資金管理支援装置。
【請求項3】
前記サブグラフ生成手段は、同一の基準日における切り口が異なる二以上のサブグラフを生成し、
前記画面データ送信手段は、前記メイングラフと前記二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを前記端末装置に送信して、
前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の資金管理支援装置。
【請求項4】
選択可能な複数のサブグラフを生成する切り口から、ユーザが選択した一又は二以上の切り口に関する情報を記憶するサブグラフ情報記憶手段を備えていて、
前記サブグラフ生成手段は、前記サブグラフ情報記憶手段に記憶された一又は二以上の切り口から項目別に集計した集計値が示されたサブグラフを生成すること
を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の資金管理支援装置。
【請求項5】
前記メイングラフ生成手段は、前記残高情報記憶手段に記憶された過去の預金口座の残高から、前記複数の預金口座の残高の合計額の推移が示されたメイングラフを生成し、
前記端末装置から、前記画面上のメイングラフに預金口座の残高の合計額が表示された過去のいずれかの日付が選択された情報を受け付けると、前記日付における前記画面上のサブグラフの各々の項目の集計値を算出して、前記日付を基準日とするサブグラフを表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信する第2のサブグラフ更新手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の資金管理支援装置。
【請求項6】
前記メイングラフ生成手段は、前記残高情報記憶手段に記憶された複数の預金口座の残高に、前記複数の預金口座の入出金予定に関する情報を記憶する入出金予定情報記憶手段に記憶された入出金予定を適用して、前記複数の預金口座の残高の合計額の予測値が示されたメイングラフを生成し、
前記端末装置から、前記画面上のメイングラフに預金口座の残高の合計額の予測値が表示された将来のいずれかの日付が選択された情報を受け付けると、前記日付における前記画面上のサブグラフの各々の項目の集計値を算出して、前記日付を基準日とするサブグラフを表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信する第3のサブグラフ更新手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の資金管理支援装置。
【請求項7】
ユーザが操作する端末装置とネットワークで接続されたコンピュータが、企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成ステップと、
前記コンピュータが、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された少なくとも一のサブグラフを生成するサブグラフ生成ステップと、
前記コンピュータが、前記メイングラフ生成ステップで生成されたメイングラフと前記サブグラフ生成ステップで生成されたサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、前記端末装置に送信する画面データ送信ステップと、
前記コンピュータが、前記端末装置から、前記画面に表示されたサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記複数の預金口座の残高の合計額における前記項目の内訳を算出して、前記メイングラフ生成ステップで生成されたメイングラフに前記項目の内訳を表示するためのメイングラフの更新データを前記端末装置に送信するメイングラフ更新ステップと、
を有することを特徴とする資金管理の支援方法。
【請求項8】
ユーザが操作する端末装置とネットワークで接続されたコンピュータが、企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成ステップと、
前記コンピュータが、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された二以上のサブグラフを生成するサブグラフ生成ステップと、
前記コンピュータが、前記メイングラフ生成ステップで生成されたメイングラフと前記サブグラフ生成ステップで生成された二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、前記端末装置に送信する画面データ送信ステップと、
前記コンピュータが、前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新ステップと、
を有することを特徴とする資金管理の支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローバルに展開する企業グループなどが通貨の異なる複数の預金口座に保有する資金の分析や予測などの資金管理を支援する、資金管理支援装置及び資金管理の支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
グローバルに展開する企業グループでは、効率的な資金管理が重要な課題となっている。企業グループ全体で保有する資金がどの程度の水準で推移し、今後どのように増減することが予測されるのか、企業グループ内に資金の過不足が生じる企業がないか、通貨別や地域別に見た資金の過不足はどのようになっているか、こうした状況について適切に分析を行った上で、企業グループ内の企業間での資金移動や、不足する通貨の資金調達といった対応が求められることになる。
【0003】
こうした企業グループ全体の資金管理に関する課題に対して、例えば、外貨建ての資金を集中管理して資金予測を行う装置に関する発明(特許文献1参照)や、企業グループ全体の最適な資金ポジションを自動的に決定し、口座間の資金を移動させる資金繰り管理システムに関する発明が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−132217号公報
【特許文献2】特開2006−309739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした資金の分析結果を容易に把握できるようにするためには、例えば、特許文献1の
図10−15に示されているように、将来の資金予測などの分析結果をグラフ化して表示することが効果的である。一方で、グローバルに展開する企業グループなどが、企業グループ全体で保有する資金の過去の推移や将来の予測は手作業で集計されていることが多く、効率化が進んでいないのが現状である。
【0006】
また、集計結果を視覚的に把握できるようにグラフ表示するとしても、多様な切り口から資金の状況を分析するためには、単に集計結果をグラフ化するだけでは不十分である。重層的な分析に基づく財務戦略を立てやすくするためには、様々な切り口からの分析結果を一覧できるとともに、それぞれの分析結果の関係についても、視覚的かつ容易に把握できる仕組みが求められるところである。
【0007】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、グローバルに展開する企業グループなどにおける資金の分析や予測などの資金管理に好適な、通貨の異なる複数の預金口座の資金管理を支援する資金管理支援装置及び資金管理の支援方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ユーザが操作する端末装置とネットワークで接続された資金管理支援装置が、通貨の異なる複数の預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算した合計額の推移などを示すメイングラフと、預金口座の残高を様々な切り口から項目別に集計した集計値を示すサブグラフを生成し、これらのグラフを端末装置の一の画面に表示させるとともに、サブグラフ上でいずれかの項目が選択されると、選択された項目の内訳を少なくともいずれかのグラフに表示してグラフを更新する構成とすることによって、様々な切り口からの資金の分析結果を一覧できるとともに、それぞれの分析結果の関係を視覚的かつ容易に把握できるものとなっている。
【0009】
以下に説明する第1の発明では、サブグラフ上においていずれかの項目が選択されると、選択された項目の内訳がメイングラフに表示されるようにメイングラフを更新する。第2の発明では、一のサブグラフ上においていずれかの項目が選択されると、選択された項目の内訳が他のサブグラフに表示されるようにサブグラフを更新する。第1の発明において、選択された項目の内訳が、他のサブグラフにも表示されることとしてもよい。逆に、第2の発明において、選択された項目の内訳がメイングラフにも表示されることとしてもよい。
【0010】
本願にかかる課題を解決する第1の発明は、
企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成手段と、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された少なくとも一のサブグラフを生成するサブグラフ生成手段と、前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフと前記サブグラフ生成手段が生成したサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、ユーザが操作する端末装置に送信する画面データ送信手段と、前記端末装置から、前記画面に表示されたサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記複数の預金口座の残高の合計額における前記項目の内訳を算出して、前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフに前記項目の内訳を表示するためのメイングラフの更新データを前記端末装置に送信するメイングラフ更新手段と、を備えることを特徴とする資金管理支援装置である。
【0011】
本願にかかる課題を解決する第2の発明は、
企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成手段と、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された二以上のサブグラフを生成するサブグラフ生成手段と、前記メイングラフ生成手段が生成したメイングラフと前記サブグラフ生成手段が生成した二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、ユーザが操作する端末装置に送信する画面データ送信手段と、前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新手段と、を備えることを特徴とする資金管理支援装置である。
【0012】
第1の発明は、前記サブグラフ生成手段は、同一の基準日における切り口が異なる二以上のサブグラフを生成し、前記画面データ送信手段は、前記メイングラフと前記二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを前記端末装置に送信して、前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新手段を備えることを特徴とすることもできる。
【0013】
尚、本発明において、サブグラフの生成にどのような切り口を設定するかは特に限定されるものではないが、例えば、通貨、企業、国、口座、事業部、銀行、地域などの切り口で項目毎に集計した集計値から、サブグラフを生成することとすればよい。
【0014】
本発明は、選択可能な複数のサブグラフを生成する切り口から、ユーザが選択した一又は二以上の切り口に関する情報を記憶するサブグラフ情報記憶手段を備えていて、前記サブグラフ生成手段は、前記サブグラフ情報記憶手段に記憶された一又は二以上の切り口から項目別に集計した集計値が示されたサブグラフを生成することを特徴としてもよい。
【0015】
このように構成すると、ユーザ毎に、それぞれが希望する切り口からの分析結果を確認することが可能になる。
【0016】
本発明は、前記メイングラフ生成手段は、前記残高情報記憶手段に記憶された過去の預金口座の残高から、前記複数の預金口座の残高の合計額の推移が示されたメイングラフを生成し、前記端末装置から、前記画面上のメイングラフに預金口座の残高の合計額が表示された過去のいずれかの日付が選択された情報を受け付けると、前記日付における前記画面上のサブグラフの各々の項目の集計値を算出して、前記日付を基準日とするサブグラフを表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信する第2のサブグラフ更新手段を備えることを特徴とすることもできる。
【0017】
このように構成すると、過去の特定の日付における預金口座の残高についても、通貨別、企業別、国別などの切り口から集計した結果を確認することができるので、さらに多様な資金分析が可能になる。
【0018】
本発明は、前記メイングラフ生成手段は、前記残高情報記憶手段に記憶された複数の預金口座の残高に、前記複数の預金口座の入出金予定に関する情報を記憶する入出金予定情報記憶手段に記憶された入出金予定を適用して、前記複数の預金口座の残高の合計額の予測値が示されたメイングラフを生成し、前記端末装置から、前記画面上のメイングラフに預金口座の残高の合計額の予測値が表示された将来のいずれかの日付が選択された情報を受け付けると、前記日付における前記画面上のサブグラフの各々の項目の集計値を算出して、前記日付を基準日とするサブグラフを表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信する第3のサブグラフ更新手段を備えることを特徴とすることもできる。
【0019】
このように構成すると、将来の特定の日付について予測される預金口座の残高についても、通貨別、企業別、国別などの切り口から集計した結果を確認することができるので、さらに多様な資金分析が可能になる。
【0020】
本発明は、本発明に係る資金管理支援装置によって実行される資金管理の支援方法として特定することもできる。
【0021】
第1の発明に対応する資金管理の支援方法は、ユーザが操作する端末装置とネットワークで接続されたコンピュータが、企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成ステップと、前記コンピュータが、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された少なくとも一のサブグラフを生成するサブグラフ生成ステップと、前記コンピュータが、前記メイングラフ生成
ステップで生成されたメイングラフと前記サブグラフ生成
ステップで生成されたサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、前記端末装置に送信する画面データ送信ステップと、前記コンピュータが、前記端末装置から、前記画面に表示されたサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記複数の預金口座の残高の合計額における前記項目の内訳を算出して、前記メイングラフ生成
ステップで生成されたメイングラフに前記項目の内訳を表示するためのメイングラフの更新データを前記端末装置に送信するメイングラフ更新ステップと、を有することを特徴とする資金管理の支援方法である。
【0022】
第2の発明に対応する資金管理の支援方法は、ユーザが操作する端末装置とネットワークで接続されたコンピュータが、企業グループに属する企業が保有する通貨の異なる複数の預金口座の残高に関する情報を記憶する残高情報記憶手段に記憶された預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、前記複数の預金口座の残高の合計額が示されたメイングラフを生成するメイングラフ生成ステップと、前記コンピュータが、前記残高情報記憶手段に記憶された所定の基準日における預金口座の残高を、所定の切り口から項目別に集計した集計値が示された二以上のサブグラフを生成するサブグラフ生成ステップと、前記コンピュータが、前記メイングラフ生成
ステップで生成されたメイングラフと前記サブグラフ生成
ステップで生成された二以上のサブグラフを一の画面に表示するための画面データを、前記端末装置に送信する画面データ送信ステップと、前記コンピュータが、前記端末装置から、前記画面に表示された一のサブグラフにおいていずれかの項目が選択された情報を受け付けると、前記画面に表示された他のサブグラフの各々の項目の集計値における選択された項目の内訳を算出して、前記他のサブグラフの各々の項目に前記選択された項目の内訳を表示するためのサブグラフの更新データを前記端末装置に送信するサブグラフ更新ステップと、を有することを特徴とする資金管理の支援方法である。
【0023】
本発明は、本発明に係る資金管理の支援方法は、先に説明した資金管理支援装置の各々の構成に対応する資金管理の支援方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、グローバルに展開する企業グループなどの資金管理において、資金の過去の推移や将来の予測、様々な切り口からの分析結果などを、視覚的かつ容易に把握することが可能になる。具体的には、通貨、企業、国、口座、事業部、銀行、地域などの切り口からの重層的な分析が可能になるため、グローバルに展開する企業グループなどの資金管理や財務戦略の立案の効率化に資することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本発明に係る資金管理支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係る資金管理支援装置によってユーザ端末に表示される画面構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係る資金管理支援装置によってユーザ端末に表示されるメイングラフとサブグラフの関係を示す第1の図である。
【
図5】本発明に係る資金管理支援装置によってユーザ端末に表示されるメイングラフとサブグラフの関係を示す第2の図である。
【
図6】本発明に係る資金管理支援装置によってユーザ端末に表示される画面上で、サブグラフの一の項目が選択されてその内訳が表示される例を示す図である。
【
図7】本発明に係る資金管理支援装置によってユーザ端末に表示されるサブグラフの切り口を変更する例を示す図である。
【
図8】本発明に係る資金管理支援装置によるグラフ表示の処理フローを示すフローチャートである。
【
図9】本発明に係る資金管理支援装置によるグラフの更新処理フローを示す第1のフローチャートである。
【
図10】本発明に係る資金管理支援装置によるグラフの更新処理フローを示す第2のフローチャートである。
【
図11】本発明に係る資金管理支援装置によるグラフの更新処理フローを示す第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明は、本発明の実施形態の一例を示したものであって、以下の説明に示している通貨別、企業別、国別などのサブグラフを生成する切り口、サブグラフの個数や配置などの画面構成をはじめ、本発明は以下に示した実施形態に限定されるものではない。
【0027】
図1を用いて、本発明の実施形態の概要について説明する。
図1において、本発明に係る資金管理支援装置は、資金管理サーバが有する機能の一部に対応する。資金管理サーバは、ユーザが操作するユーザ端末からインターネット経由でアクセス可能なWebサーバの機能を備えたサーバであって、グローバルに展開する企業グループの資金を統括的に管理するサービスを提供している。
【0028】
資金管理サーバに備えられるデータベースには、企業グループに属する企業が保有する預金口座について、各々の現在及び過去の残高に関する情報と、預金口座への入金予定と預金口座からの出金予定に関する入出金情報が記憶されている。残高に関する情報は、資金管理サービスを提供している銀行の銀行システムから取得し、入出金情報と他の銀行の残高に関する情報は、ユーザ端末からの入力を受け付ける。海外の預金口座の残高や入出金予定に関する情報は、海外の勘定システムから取得することとすればよい。
【0029】
資金管理サーバは、ユーザ端末からのリクエストに応じて、企業グループに属する企業が保有する預金口座の残高確認、口座間の資金振替や為替予約などの資金管理の機能を提供するほか、データベースに記憶された情報を用いて、将来の預金口座の残高などの資金予測の機能を提供する。本発明はこうした機能の一部として、ユーザが企業グループ全体の預金口座の残高の合計額の推移や予測を、通貨別、企業別、国別などの切り口から残高を集計した結果とあわせて確認したい場合に、これらを示すグラフが一の画面に同時に表示され、各々のグラフが連動して多様な分析を可能にする機能を提供するものである。
【0030】
図2は、本発明に係る資金管理支援装置の構成の一例を示したものである。
図2において、資金管理サーバ10が本発明に係る資金管理支援装置に対応するが、
図2の資金管理サーバ10には、本発明に係る資金管理支援装置に関連する機能をブロック化して示しており、資金管理サーバ10はここに示した以外の機能(例えば、単純な残高確認、資金振替や為替予約などの機能)を備えることとしてもよい。
【0031】
資金管理サーバ10は、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置が備えられたインターネットに接続されてネットワーク端末からのアクセスが可能なサーバコンピュータであって、補助記憶装置に格納されたプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、所定の機能が実現される。
【0032】
資金管理サーバ10を構成するコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、先に説明したとおり、本発明に係る資金管理支援装置に関連する機能以外の他の機能が同一のコンピュータに備えられるものであってもよい。本発明に必要な各々の機能は、物理的に一台のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータを用いて実現されるものであってもよい。
【0033】
資金管理サーバ10の認証処理部11、入力受付部12、グラフ表示制御部13、集計処理部14、更新処理部15は、いずれも機能的に特定されるものであって、HDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。
【0034】
資金管理サーバ10のユーザ情報記憶部16、残高情報記憶部17、入出金情報記憶部18 には、それぞれHDD等の補助記憶装置の所定の記憶領域が割り当てられる。これらの記憶領域は物理的に一台のコンピュータに設けられることを必須の要件とするものではなく、データベースサーバ等を構成するコンピュータなどの複数のコンピュータに設けられるものであってもよい。
【0035】
ユーザ端末20には、インターネットに接続して資金管理サーバ10にアクセスすることが可能なネットワーク端末が用いられる。ネットワーク端末には、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、スマートフォンなどを用いることが可能であり、端末の種別は特に限定されるものではないが、少なくともグラフ表示が可能なディスプレイを備えたものであることが必要である。
【0036】
銀行システム30、海外勘定システム40の物理的な構成は特に限定されるものではなく、これらのコンピュータシステムは資金管理サーバ10とネットワークで接続され、資金管理サーバ10は、銀行システム30や海外勘定システム40から預金口座の残高や入出金情報を定期的にバッチ処理などによって取得し、残高情報記憶部17や入出金情報記憶部18に記憶された情報を更新している。
【0037】
以上の構成を前提に、
図3−7に示したユーザ端末20に表示される画面の例と、
図8−11に示したフローチャートを用いて、資金管理サーバ10で実行される本発明に係る資金管理支援装置による処理フローについて説明する。
【0038】
図8のフローチャートは、資金管理サーバ10で実行されるグラフ表示の処理フローを示したものである。ユーザ端末20から送信された、ユーザを識別するログインIDと認証用のパスワードを受信すると(S1)、認証処理部11が起動され、ユーザの認証処理が行われる(S2)。ユーザの認証方法は特に限定されるものではないが、例えば、受信したログインIDとパスワードが、ユーザ情報記憶部16にあらかじめ登録されたログインIDとパスワードの組み合わせと一致するかを確認し、一致すればユーザ本人であると認証することとすればよい。
【0039】
認証処理によってユーザ本人であることが確認されると(S2がYes)、ユーザ情報記憶部16にユーザ毎に記憶されているサブグラフの設定情報を確認する(S3)。ユーザ端末20の画面には、メイングラフとあわせてここに設定されている切り口から生成されたサブグラフが表示されることになるため、集計処理部14が起動されて、メイングラフとサブグラフに表示する値の計算が行われる(S4)。
【0040】
続いてグラフ表示制御部13によって、S4で計算された値に基づいてメイングラフとサブグラフが生成され、これらのグラフを一の画面に表示するための画面データがユーザ端末20に送信される(S5)。送信された画面データがユーザ端末20で出力されることによって、メイングラフとサブグラフがユーザ端末20の画面に表示されることになるが、ここで本発明におけるメイングラフとサブグラフの関係について、
図3と
図4を用いて説明する。
【0041】
図3は、ユーザ端末20に表示される画面構成の一例を示したものであるが、画面上にはメイングラフの他に、少なくとも一のサブグラフが表示されることになる。一の画面に表示されるサブフラフの数、メイングラフとサブグラフの大きさや形状、配置などは特に限定されるものではないが、ここでは画面上部にメイングラフが表示され、3つのサブグラフが画面下部に表示される例について説明する。
【0042】
メイングラフの表示領域には、グローバルに展開する企業グループが保有する預金口座の残高の合計額の推移が、
図4の例のように表示される。グローバルに展開する企業グループでは、通貨の異なる複数の預金口座を保有していることが通常であり、これらの預金口座の残高に関する情報が、過去からの推移も含めて残高情報記憶部17に記憶されている。集計処理部14はこれらの情報を読み出し、各々の預金口座の残高を所定の基軸通貨に換算して、企業グループが保有する預金口座の残高の合計額を集計する。合計額は過去に遡って算出され、
図4の例(
図4では9月1日分を直近の残高とする)のように、残高の合計額の推移がグラフで表示される。
【0043】
また、各々の預金口座について、将来の入出金予定に関する情報が入出金情報記憶部18に記憶されており、集計処理部14はこれらの情報を読み出し、基軸通貨に換算した入出金予定の金額を各々の残高に適用して、企業グループが保有する預金口座の残高の合計額の予測値を算出する。残高の合計額の予測値の推移も、
図4の例のようにグラフで表示される。
【0044】
サブグラフの表示領域には、通貨別、企業別、国別などの切り口から企業グループが保有する預金口座の残高を集計した結果が、
図4の例に示したように、項目別のランキングとして表示される。
図4では、サブグラフ1の表示領域には、直近(9月1日)の残高を日本円、米ドルなどの通貨別の項目毎に集計した結果が、サブグラフ2の表示領域には、直近の残高を「・・・HD」「・・・Japan」などの企業グループに属する企業別の項目毎に集計した結果が、サブグラフ3の表示領域には、直近の残高を日本、米国などの国別の項目毎に集計した結果が、それぞれサブグラフとして表示されている。
【0045】
尚、サブグラフにおいて預金口座の残高を集計する切り口は、ここに例示した通貨別、企業別、国別に限定されるものではなく、例えば、預金口座別、事業部別、取引銀行別、地域別などの切り口で集計することも可能である。
【0046】
このように、企業グループ全体が保有する預金口座の残高の推移と将来の予測、ある時点(ここでは預金口座の残高が記憶されている直近の日)における様々な切り口からの残高の集計結果が、あわせて一の画面にグラフ表示されることによって、グローバルに展開する企業グループの資金の状況を視覚的かつ容易に把握することが可能となっている。
【0047】
尚、残高情報記憶部17に記憶される預金口座の残高に関する情報は、預金を預かる銀行の銀行システム30からバッチ処理等で取得することとすればよいが、銀行システム30から情報を取得できない銀行(例えば、資金管理サーバ10による資金管理のサービスを提供する銀行以外の銀行など)の残高に関する情報については、入力受付部12がユーザ端末20からの入力を受け付けて、残高情報記憶部17に書き込むこととすればよい。
【0048】
また、入出金情報記憶部18に記憶される預金口座への入出金予定に関する情報は、入力受付部12がユーザ端末20からの入力を受け付けて、入出金情報記憶部18に書き込むこととすればよい。また、海外分の預金口座の残高に関する情報や入出金予定に関する情報は、それらの情報を管理する海外勘定システム40からバッチ処理等で定期的に取得することとすればよい。
【0049】
以上のようにして、ユーザ端末20の画面にメイングラフとサブグラフが表示されると、その後はログアウトを受け付ける(S7がYes)までの間は、ユーザの操作に従って所定の処理が実行される(S6)。ここで実行される処理の例として、
図9−11のフローチャートに対応する、3パターンのサブグラフを更新する処理フローについて説明する。
【0050】
図9のフローチャートは、ユーザがユーザ端末20の画面に表示されたメイングラフ上で、特定の日付を選択したときの処理フローを示している。資金管理サーバ10のグラフ表示制御部13がメイングラフ上で特定の日付が選択されたことを示す情報を受信すると(S11)、集計処理部14は選択された日付における各々の預金口座の残高からサブグラフに表示される項目の集計値を再計算し(S12)、グラフ表示制御部13はユーザ端末20に表示されたサブグラフを更新するために、選択された日付を基準日とするサブグラフを表示するための更新データをユーザ端末20に送信する(S13)。
【0051】
サブグラフに表示される集計値の再計算は、過去の日付が選択された場合には、残高情報記憶部17から各々の預金口座の過去の残高を読み出して実行することとすればよい。将来の日付が選択された場合には、残高情報記憶部17から読み出した各々の預金口座の直近の残高に、入出金情報記憶部18から読み出した各々の預金口座への入出金予定に関する情報を適用して実行することとすればよい。
【0052】
図5は、将来の日付が選択された後者の例を示したものであるが、選択された日付を基準日として、各々のサブグラフの切り口から預金口座の残高の予測値を集計し、その集計結果に基づいてサブグラフが更新される。
【0053】
尚、ここでは、直近の預金口座の残高から生成したサブグラフをグラフ表示が起動された際のデフォルト画面に出力し、メイングラフ上でいずれかの日付が選択されると、その日付を基準日として再計算したサブグラフに更新する例について説明したが、デフォルト画面にどのようなサブグラフを表示するかについては、特にこのパターンに限定されるものではない。例えば、最初にメイングラフが表示されるタイミングではサブグラフの表示領域は空欄となっていて、メイングラフ上でいずれかの日付が選択された時点で、その日付を基準日として生成されたサブグラフを表示することとしてもよい。
【0054】
図10のフローチャートは、ユーザがユーザ端末20の画面に表示されたいずれかのサブグラフ上で、いずれかの項目を選択したときの処理フローを示している。資金管理サーバ10のグラフ表示制御部13がサブグラフ上でいずれかの項目が選択されたことを示す情報を受信すると(S21)、集計処理部14はメイングラフに表示されている日付毎の預金残高の合計額における選択された項目の内訳と、他のサブグラフに表示されている項目毎の集計値における選択された項目の内訳を計算し(S22)、グラフ表示制御部13はユーザ端末20に表示されたメイングラフとサブグラフを更新するために、選択された項目の内訳をメイングラフとサブグラフに表示するための更新データをユーザ端末20に送信する(S23)。
【0055】
メイングラフに表示される内訳の計算は、過去分の残高については、残高情報記憶部17からそれぞれの日付について選択された項目に対応する預金口座の残高のみを読み出して集計し、将来分については、残高情報記憶部17から読み出した選択された項目に対応する預金口座の直近の残高に、入出金情報記憶部18から読み出した各々の預金口座への入出金予定に関する情報を適用して集計することとすればよい。
【0056】
図6は、メイングラフとサブグラフに選択された項目の内訳が表示される例を示したものであるが、企業別の切り口で集計したサブグラフ上において「・・・HD」の項目が選択されている。メイングラフには、各日付における預金口座の残高の合計額における「・・・HD」の預金口座の残高の内訳が表示され、他のサブグラフには、各々の項目の集計値における「・・・HD」の預金口座の残高の内訳、例えば、通貨別の切り口で集計したサブグラフの日本円の項目であれば「・・・HD」の日本円の預金口座の残高が、それぞれのサブグラフの項目毎に表示される。
【0057】
尚、ここではあるサブグラフ上のいずれかの項目が選択されると、メイングラフ及び他のサブグラフのいずれにも選択された項目の内訳が表示される例について説明したが、メイングラフ又はサブグラフのいずれか一方のみに内訳が表示される構成とすることも可能である。
【0058】
図11のフローチャートは、ユーザがユーザ端末20の画面に表示されたいずれかのサブグラフの切り口を変更する操作を行ったときの処理フローを示している。資金管理サーバ10のグラフ表示制御部13がいずれかのサブグラフの切り口を変更する命令を受信すると(S31)、集計処理部14は変更命令を受け付けた切り口でサブグラフに表示する集計値を再計算し(S32)、グラフ表示制御部13はユーザ端末20に表示された一のサブグラフの切り口を変更して更新するために、変更命令を受け付けたサブグラフの切り口を変更して表示するための更新データをユーザ端末20に送信する(S33)。さらに、同じユーザが次に資金管理サーバ10にアクセスした際には、変更後の切り口のサブグラフがデフォルト画面に表示されるように、ユーザ情報記憶部16に記憶されている当該ユーザのサブグラフの設定情報を更新する(S34)。
【0059】
図7は、サブグラフの切り口が変更される例を示したものであるが、国別の切り口で集計したサブグラフ上において、プルダウンメニュー等を用いて選択可能な他の切り口、ここでは地域別の切り口が選択されると、アジア、北米といった地域に該当する預金口座の残高を集計して生成されたサブグラフが、国別の切り口で集計したサブグラフが表示されていた領域に出力される。
【0060】
以上に説明したように、本発明によると、基軸通貨に換算された企業グループが保有する全ての預金口座の残高の合計額の推移及び予測を示すメイングラフと、通貨別、企業別、国別などの様々な切り口から企業グループが保有する預金口座の残高を集計して項目別のランキングとして示すサブグラフが、同じ画面上において一覧できるので、企業グループ全体の資金の状況が視覚的かつ容易に把握することが可能になる。これに加え、サブグラフの切換えや内訳表示によって、資金の重層的な分析も可能となり、グローバルに展開する企業グループにおける資金管理や財務戦略の立案の効率化に資するものとなることが期待できる。
【符号の説明】
【0061】
10 資金管理サーバ
11 認証処理部
12 入力受付部
13 グラフ表示制御部
14 集計処理部
15 更新処理部
16 ユーザ情報記憶部
17 残高情報記憶部
18 入出金情報記憶部
20 ユーザ端末
30 銀行システム
40 海外勘定システム