(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体は、前記画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う突出部を有し、前記第3の反射型偏光部材は、前記筐体の内面のうち前記突出部の表面に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の反射型液晶表示装置。
前記筐体の突出部は、前記画像表示領域を取り囲む外周領域のうち前記偏光部材に隣接する領域を覆うように設けられ、前記第3の反射型偏光部材は、前記筐体の内面のうち、前記画像表示領域を取り囲む外周領域のうち前記偏光部材に隣接する領域を覆うように設けられた前記筐体の突出部の表面に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の反射型液晶表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像の高輝度化や装置の低消費電力化が求められる中で、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域に金属板等の表面に黒色塗装等の遮光処理を施した遮光部材を配置した従来の反射型液晶表示装置では、遮光部材に入射した光がそこに吸収されてしまうため、光の利用効率が低いという問題がある。それに対し、特許文献1に示す従来の反射型液晶表示装置では、遮光部材の表面反射率が20%以上に設定されているため、光の利用効率は高いと言えるが、光の乱反射等によってその偏光状態が変化した不要な偏光が遮光部材の表面で反射し、反射型液晶表示素子の画像のコントラストを低下させる問題や、遮光部材の表面状態が見えやすくなり、見栄えが悪くなる問題がある。
【0005】
本発明の目的は、光源からの光を無駄なく使用して光の利用効率を向上させるとともに、不要な光の発生を抑えて画像のコントラストや見栄えを向上させることが可能な反射型液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の反射型液晶表示装置は、上記目的を達成するために、下記記載の構成を採用するものである。
【0007】
反射型液晶表示素子と、該反射型液晶表示素子に光を供給する光源と、該光源から出射された光に含まれる偏光成分のうち、所定の偏光軸を有する第1の偏光を透過させるとともに、該第1の偏光とは異なる偏光軸を有する第2の偏光を遮断する偏光部材と、該偏光部材を透過した前記第1の偏光を前記反射型液晶表示素子に向けて反射するとともに、前記反射型液晶表示素子から出射された前記第2の偏光を透過させる第1の反射型偏光部材と、を備えた反射型液晶表示装置において、前記反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域に、前記第1の偏光を反射するとともに、前記第2の偏光を透過させる第2の反射型偏光部材を配置し
、前記第2の反射型偏光部材を挟んで前記第1の反射型偏光部材と対向する領域に遮光部材を配置したことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、第1の偏光を反射するとともに、第1の偏光とは異なる偏光軸を有する第2の偏光を透過する第2の反射型偏光部材を、画像表示領域を取り囲む外周領域に配置する遮光部材として用いることによって、画像表示領域に第1の偏光を無駄なく照射して光の利用効率を向上させるとともに、光の乱反射等により発生した不要な第2の偏光の影響を低減することによって画像のコントラストや見栄えの向上を図ることが可能とな
り、乱反射等で発生した第2の偏光が第2の反射型偏光部材を透過しても、遮光部材で吸収されるので、画像のコントラストの向上が図れる。
【0011】
本発明に係る反射型液晶表示装置は、上記構成に加えて、遮光部材は、第2の反射型偏光部材に積層されていてもよい。
【0012】
このようにすれば、第2の反射型偏光部材と遮光部材の間から光が漏れること無く、第2の反射型偏光部材を透過した光が吸収されるから画像のコントラストの向上が図れる。
【0015】
反射型液晶表示素子と、該反射型液晶表示素子に光を供給する光源と、該光源から出射された光に含まれる偏光成分のうち、所定の偏光軸を有する第1の偏光を透過させるとともに、該第1の偏光とは異なる偏光軸を有する第2の偏光を遮断する偏光部材と、該偏光部材を透過した前記第1の偏光を前記反射型液晶表示素子に向けて反射するとともに、前記反射型液晶表示素子から出射された前記第2の偏光を透過させる第1の反射型偏光部材と、を備えた反射型液晶表示装置において、前記反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域に、前記第1の偏光を反射するとともに、前記第2の偏光を透過させる第2の反射型偏光部材を配置し、第2の反射型偏光部材は、画像表示領域を取り囲む外周領域の全てに配置されてい
ることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、偏光部材から拡散放射した第1の偏光と、第1の反射型偏光部材から反射した第1の偏光が、画像表示領域を取り囲む外周領域を照射しても、その第1の偏光が第2の反射型偏光部材で反射されて、画像表示領域に達するから光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0017】
反射型液晶表示素子と、該反射型液晶表示素子に光を供給する光源と、該光源から出射された光に含まれる偏光成分のうち、所定の偏光軸を有する第1の偏光を透過させるとともに、該第1の偏光とは異なる偏光軸を有する第2の偏光を遮断する偏光部材と、該偏光部材を透過した前記第1の偏光を前記反射型液晶表示素子に向けて反射するとともに、前記反射型液晶表示素子から出射された前記第2の偏光を透過させる第1の反射型偏光部材と、を備えた反射型液晶表示装置において、前記反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域に、前記第1の偏光を反射するとともに、前記第2の偏光を透過させる第2の反射型偏光部材を配置し、反射型液晶表示素子を覆うように配置された筐体を備え、筐体の内面に、第1の偏光を反射するとともに、第2の偏光を透過させる第3の反射型偏光部材を配置し
たことを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、筐体内面に配置された第3の反射型偏光部材が、偏光部材から拡散放射される第1の偏光と、第1の反射型偏光部材から反射した第1の偏光を反射型液晶表示素子の画像表示領域を照射するように反射して光の利用効率を向上させるとともに、乱反射等で発生した第2の偏光を透過させることで画像のコントラストを向上させることが可能となる。
【0019】
本発明に係る反射型液晶表示装置は、上記構成に加えて、第3の反射型偏光部材は、筐体の内面のうち反射型液晶表示素子を取り囲む筐体の壁面に配置されていてもよい。
【0020】
このようにすれば、偏光部材から拡散放射した第1の偏光が筐体の壁面に達したとしても反射型液晶表示素子の画像表示領域を照射するように反射して光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0021】
本発明に係る反射型液晶表示装置は、上記構成に加えて、筐体は、画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う突出部を有し、第3の反射型偏光部材は、筐体の内面のうちその突出部の表面に配置されていてもよい。
【0022】
このようにすれば、偏光部材から拡散放射した第1の偏光が画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う突出部に達したとしても反射型液晶表示素子の画像表示領域を照射するように反射して光の利用効率を向上させることが可能となる。
【0023】
本発明に係る反射型液晶表示装置は、上記構成に加えて、筐体の突出部は、画像表示領域を取り囲む外周領域のうち偏光部材に隣接する領域を覆うように設けられ、第3の反射型偏光部材は、筐体の内面のうち、画像表示領域を取り囲む外周領域のうち偏光部材に隣接する領域を覆うように設けられた筐体の突出部の表面に配置されていてもよい。
【0024】
このようにすれば、偏光部材から拡散放射した第1の偏光が画像表示領域を取り囲む外周領域のうち偏光部材に隣接する領域を覆う突出部に達したとしても反射型液晶表示素子の画像表示領域を照射するように反射して光の利用効率を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明の反射型液晶表示装置によれば、第1の偏光を反射し、それとは偏光軸の異なる第2の偏光を透過する第2の反射型偏光部材を遮光部材として、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域を覆って配置することで、反射型液晶表示素子の画像表示領域に第1の偏光を無駄なく照射して光の利用効率を向上させるとともに、光の乱反射等で発生した不要な第2の偏光の影響を低減して、画像の見栄えやコントラストを向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の反射型液晶表示装置は、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う遮光部材、いわゆる、見切りとしてのマスクを反射型偏光部材で形成するという点が特徴的な部分である。
【0028】
以下、図面を用いて本発明の反射型液晶表示装置の3つの実施形態を詳述する。まず、
図1から
図4を用いて第1の実施形態を説明する。次に、
図5を用いて第2の実施形態を説明する。そして、
図6から
図8を用いて第3の実施形態を説明する。なお、各図において同一の構成部材には同一の番号を付して、重複する説明は省略する。
【0029】
第1の実施形態では、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う遮光部材を反射型偏光部材で形成する反射型液晶表示装置の一例を示す。
第2の実施形態では、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域を覆う遮光部材が2種類の積層した部材で形成されている反射型液晶表示装置の一例を示す。
第3の実施形態では、反射型液晶表示素子の画像表示領域を取り囲む外周領域のうち偏光部材に隣接する領域を覆う筐体の突出部の表面に反射型偏光部材が配置されている反射型液晶表示装置の一例を示す。
【0030】
[本発明の反射型液晶表示装置の第1の実施形態の説明:
図1〜
図4]
まず、
図1〜
図4を用いて本発明の反射型液晶表示装置の第1の実施形態を説明する。
図1は、反射型液晶表示装置の外観の斜視図であり、
図2は、反射型液晶表示装置の分解斜視図であり、
図3は、
図1に示す反射型液晶表示装置の側面方向からの断面A−Aの断面図であり、
図4は、
図1に示す反射型液晶表示装置の正面方向からの断面B−Bの断面図である。
【0031】
図1に示すように、第1の実施形態である反射型液晶表示装置100は、回路基板1とケース2と第1の反射型偏光板11を備え、この第1の反射型偏光板11を透過する光Pを上方から瞳EPで観察することで画像を捉えるものである。この光Pは、直接瞳EPで見ても良いし、接眼レンズを配置して、それを透して見ても良いし、或いは、スクリーン上に投影してもよい。
【0032】
図2に示すように、回路基板1には、反射型液晶表示素子3と光源4、そして、この両者を電気的に駆動制御する外部制御回路に接続する不図示のコネクタとFPCが実装されている。なお、反射型液晶表示素子3は、LCOS(Liquid crystal on silicon)を使うことが好ましい。
【0033】
フレーム5は、回路基板1のガイド孔によって位置決めされてシリコーン系の接着剤で固着され、そして、窓部121を有する第2の反射型偏光板12が、反射型液晶表示素子3の上部で、その画像表示領域31を取り囲む外周領域を覆うマスクを形成して、その裏面に貼られた両面接着テープでフレーム5に固着配置される。特に、リフレクタ6の窓部61に近い部分にまで一杯にマスクとしての第2の反射型偏光板12の一部分122が配置されていることが望ましい。
【0034】
リフレクタ6には、拡散板9と偏光板7が重ねてリフレクタ6の窓部61に配置される。筐体8には、第1の反射型偏光板11がケース2と筐体8に挟まれることで筐体8の上部の曲面縁部81に沿うように湾曲させて配置され、第3の反射型偏光板13、14が筐体8の内壁82を含む3面にそれぞれ接着して配置される。上述した第1の反射型偏光板11、第2の反射型偏光板12、第3の反射型偏光板13、14は、一方の偏光を反射するとともに、それと振動方向(偏光軸)が直交する他方の偏光を透過させる偏光ビームスプリッタと同じ機能を有しており、例えば、WGF(ワイヤーグリッド偏光フィルム)を用いるのが好ましいが、誘電体多層膜構造の反射型偏光板、ブロック状の反射型偏光部材、筐体8等の表面に形成した薄膜状の反射型偏光部材でも構わない。特にマスクとして使用する第2の反射偏光板12に関しては、遮光マスクとしての本来の機能を高めるのであれば、偏光度が高いものを用いて第1の反射型偏光板11とのコントラストを上げるのが好ましく、光の利用効率を高めるのであれば、光の反射率が高いものを用いるのが好ましい。また、第1の反射偏光板11に関しては、湾曲させて使用するのであれば、基材としてはTACフィルム等の薄くて柔軟なフィルムが好ましい。
【0035】
それぞれ部材が組み込まれたリフレクタ6、筐体8、回路基板1とフレーム5は、リフレクタ6と筐体8がフックで嵌め合わされて一体化された後、ケース2の中に嵌め込まれてフックで固定され一体化される。次に、そのケース2がフレーム5に嵌め合わされフックで固定され一体化されることにより、
図1に示す反射型液晶表示装置100が構成される。
【0036】
従って、反射型液晶表示装置100は、光源4の上部にはリフレクタ6が配置され、反射型液晶表示素子3の上部にマスクとして配置された第2の反射型偏光板12を含めて、筐体8の中に第1の反射型偏光板11、第3の反射型偏光板13、14で囲まれた閉空間が形成される構成であって、リフレクタ6と筐体8をケース2とフレーム5と回路基板1で覆って光の漏れや外光の侵入を防ぐ構造を形成している。
【0037】
図3に示すように、光源4から出射した大矢印で示す出射光OLは、リフレクタ6により直角方向に向きを変えて反射光RLが拡散板9に入射し均一な拡散光となり偏光板7を透過して大矢印で示す直線偏光Sとなる。以後、この直線偏光Sを偏光Sと記し、偏光Sと振動方向が直交する直線偏光を偏光Pと記す。
【0038】
第1の反射型偏光板11は、上述したように一方の直線偏光を反射するとともに、それと振動方向が直交する他方の直線偏光を透過させる機能、すなわち、大矢印で示す偏光Sを反射し、偏光Pを透過する偏光ビームスプリッタの機能を有し、その形状は、筐体8の曲面縁部81(
図2参照)に沿って湾曲し一種の凹面鏡を形成している。この第1の反射型偏光板11の特性と形状によって、偏光板7から拡散放射した偏光Sの大半が、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31に入射する設定となっている。更に、この第1の反射型偏光板11の下に向かっての湾曲形状は、反射型液晶表示装置100を低背にする特徴も有する。
【0039】
反射型液晶表示素子3の画像表示領域31に達した偏光Sは、反射型液晶表示素子3を制御する不図示の制御回路(例えば、LCOSに内蔵された半導体回路)が反射型液晶表示素子3に所定の光変調動作を行わせることによって光変調され、画像データに応じて大矢印で示す偏光Pに変換される。そして、この偏光Pが第1の反射型偏光板11を透過し、ケース2の窓部21から出射し、画像として瞳EPで観察される光Pとなる。出来るだけ多くの偏光Sに照射された画像表示領域31で光変調された偏光Pだけ第1の反射型偏光板を透過させ、乱反射等で発生した偏光Pを内部で吸収し第1の反射型偏光板を透過させないことが、ノイズのない見栄えの良好な画像を得ることとなる。
【0040】
第2の反射型偏光板12は、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を取り囲む外周領域を覆って配置され、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31の見栄えを良好にする見切りとしてのマスクを形成している。
【0041】
すなわち、第2の反射型偏光板12に達する偏光Sは、第1の反射型偏光板11から反射した偏光Sと、直接偏光板7から拡散放射した小矢印で示す偏光Sがあり、いずれも、第2の反射型偏光板12で反射されて偏光Sのまま第1の反射型偏光板11に達し、ここでも反射して外部に透過することなく、少なくともその一部が反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を照射するのに利用される。特に、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を取り囲む外周領域のうち偏光板7に隣接する領域の第2の反射型偏光板12の一部分122を直接照射する偏光板7からの偏光Sは、上部に向かって反射されやすく、第1の反射型偏光板11で再反射されて画像表示領域31に入射しやすく、光の利用効率の向上に寄与する。
【0042】
そして、筐体8の閉空間で光の乱反射による偏光Pが発生したとしても、第2の反射型偏光板12を透過した偏光Pは、閉空間の外で反射型液晶表示素子3の外周部、フレーム5、回路基板1の表面等に吸収され、第1の反射型偏光板11に達することはなく、画像のコントラストや見栄えは良好になる。
【0043】
偏光板7に対面する筐体8の内壁には、第3の反射型偏光板14が配置されている。この第3の反射型偏光板14は、上述した第1の反射型偏光板11と同様の特性を有し、偏光板7から出射し第3の反射型偏光板14に達した小矢印で示す偏光Sは、全て反射され、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を照射することに寄与し、光の利用効率が向上する。
【0044】
図4に示すように、筐体8の左右の内壁82には、それぞれ第3の反射型偏光板13が配置されている。この第3の反射型偏光板13は、偏光板7から拡散放射し第3の反射型偏光板13に達した小矢印で示す偏光Sを全て反射して、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を照射することに寄与し、光の利用効率が向上する。
【0045】
すなわち、第1の反射型偏光板11、第2の反射型偏光板12、第3の反射型偏光板13、14で囲まれた閉空間に偏光板7から拡散放射した偏光Sは、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を照射することに使われる以外は全て内部で反射され、少なくともその一部が画像表示領域31を照射する偏光Sとして利用される。そして、画像表示領域31で光変調されて出射した偏光Pだけが、第1の反射型偏光板11を透過して、瞳EPに画像として観察される。また、閉空間の中で光が乱反射して偏光Pになったとしても、閉空間の大部分を占める第2の反射型偏光板12、第3の反射型偏光板13、14には偏光Pが透過し閉空間の外で吸収されて、第1の反射型偏光板11を透過し出射することがほとんどない。従って、光の利用効率が向上した、画像のコントラストや見栄えの良好な反射型液晶表示装置100が提供可能となる。
【0046】
[本発明の反射型液晶表示装置の第2の実施形態の説明:
図5]
次に、
図5を用いて、本発明の反射型液晶表示装置の第2の実施形態を説明する。
図5は、先に説明した第1の実施形態の
図3と同様の反射型液晶表示装置の断面A−Aの断面図で、第2の実施形態を説明するための断面図である。なお、各図において同一の構成部材には同一の番号を付して、重複する説明は省略する。
【0047】
第2の実施形態である反射型液晶表示装置200は、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を取り囲む外周領域を覆うマスクが、2種類の積層した部材で形成されている点が第1の実施形態と異なるだけで、それ以外の構成については同じである。
【0048】
図5に示すように、反射型液晶表示素子3の上部には画像表示領域31を取り囲む外周領域を覆う積層された遮光部材が配置されている。この積層された遮光部材の構成として、反射型液晶表示素子3の直ぐ上部には遮光板16、例えば、黒色塗装した金属薄板が配置され、そして、その上に第2の反射型偏光板12が配置される。言い換えると、遮光板16は、第2の反射型偏光板12を挟んで第1の反射型偏光板11と対向する領域に配置されている。なお、遮光板16は反射型偏光板12と積層できればかまわないので、黒色塗装した金属薄板以外にも黒色フィルムやLCOSのガラス基板上に直接形成した印刷樹脂マスク等を自由に選択することができる。
【0049】
第2の反射型偏光板12と遮光板16を積層することによって、その間から光が漏れること無く、そして、筐体8の内部で光が乱反射し偏光Pが発生したとしても、その偏光Pは第2の反射型偏光板12を透過して遮光板16に吸収されるため、画像のコントラストや見栄えが良好な反射型液晶表示装置200が提供可能となる。
【0050】
すなわち、第2の反射型偏光板12を透過した偏光Pを吸収する遮光板16を配置することで、不要な偏光Pを確実に吸収することが可能で、画像のコントラストや見栄えが一層良好な反射型液晶表示装置200が提供可能となる。更に、第3の反射型偏光板13、14が配置される筐体8の内壁も、第3の反射型偏光板13、14を透過した偏光Pを吸収する材質、色にしたり、その表面に遮光板16と同様な遮光部材を配置したりすれば、画像のコントラストや見栄えがより一層良好となる。
【0051】
[本発明の反射型液晶表示装置の第3の実施形態の説明:
図6〜
図8]
次に、
図6〜
図8を用いて、本発明の反射型液晶表示装置の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と異なるところは、偏光板7と第2の反射型偏光板12の隣接部分で筐体8に突出部83を形成して第2の反射型偏光板12の外周部を覆う庇となし、そして、その突出部83の表面に第3の反射型偏光板15を配置した点である。
【0052】
図6は、
図2に示す反射型液晶表示装置の分解斜視図のうち筐体とそこに配置される反射型偏光板をピックアップした部分分解斜視図である。
図7は、先に説明した第1の実施形態の
図3と同様の断面A−Aの断面図である。
図8は、先に説明した第1の実施形態の
図4と同様の断面B−Bの断面図である。なお、各図において同一の構成部材には同一の番号を付して、重複する説明は省略する。
【0053】
図6に示すように、第3の実施形態では、リフレクタ6(
図2参照)からの偏光Sが入射する筐体8の窓枠の下側部分(梁)に庇のように突出部83が一体的に設けられ、この突出部83の上部表面に第3の反射型偏光板15が配置されている。従って、筐体8には、上部に第1の反射型偏光板11と、内壁に第3の反射型偏光板13、14と、突出部83に第3の反射型偏光板15が配置される。
【0054】
図7に示すように、第3の実施形態である反射型液晶表示装置300において、筐体8の突出部83は、偏光板7に隣接する領域にあって、画像表示領域31を取り囲む外周領域に配置された第2の反射型偏光板12の外周部を覆う庇のように形成されている。これは、第2の反射型偏光板12とフレーム5の境目を隠し、その隙間などからゴミの発生や移動をなくすとともに、第2の反射型偏光板12の浮きを防ぐ効果を有するものである。そして、突出部83の表面に第3の反射型偏光板15が配置されている。
【0055】
図3で説明した第1の実施形態と同様に、光源4から出射した出射光OLは、拡散板9に入射し均一な拡散光となり偏光板7を透過して偏光Sとなって筐体8の閉空間に出射する。第1の実施形態と異なるところは、偏光板7に最も近接する領域の突出部83に配置されている第3の反射型偏光板15で偏光板7から拡散放射した偏光Sを反射することである。第3の反射型偏光板15に直接入射した偏光板7からの偏光Sは、第3の反射型偏光板15で上部に向かって反射されやすく第1の反射型偏光板11に再反射されて、画像表示領域31に達し、光の利用効率の向上に寄与する。
【0056】
図8に示すように、反射型液晶表示装置300においては、
図4の第1の実施形態と同様に、第1の反射型偏光板11、第2の反射型偏光板12、第3の反射型偏光板13、14で囲まれた閉空間に偏光板7から拡散放射した偏光Sは、反射型液晶表示素子3の画像表示領域31を照射し、それ以外の偏光Sは全て閉空間の内部で小矢印の偏光Sように再び反射され、画像表示領域31を照射する偏光Sとして再利用される。
【0057】
更に、突出部83の表面に筐体8の左右の内壁82に達する長さで配置された第3の反射型偏光板15は、偏光板7の最も近傍に配置されて第1の反射型偏光板11に向けて偏光Sを反射して、それが第1の反射型偏光板11で再反射されて画像表示領域31を照射し、光の利用効率の向上に寄与する。
【0058】
そして、画像表示領域31で光変調されてそこから出射した大矢印で示す偏光Pだけが、第1の反射型偏光板11を透過して、瞳EPに画像として観察される。閉空間の中で光が乱反射して偏光Pになったとしても、閉空間の大部分を占める第2の反射型偏光板12、第3の反射型偏光板13、14、15は偏光Pを透過し閉空間の外で反射型液晶表示素子3の外周部、フレーム5、回路基板1の表面等に吸収されて、第1の反射型偏光板11を透過し出射することなく、画像のコントラストや見栄えの良好な反射型液晶表示装置300が提供可能となる。
【0059】
なお、本発明は、上述した反射型液晶表示装置の実施例に限定されることはなく、それらの全ての構成を備える必要もなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更や省略をすることが出来ることは言うまでもない。