(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
試料ホルダ位置のアレイに試料ホルダを保持するように構成されるフレームであって、各試料ホルダが、前記アレイにおいて、前記試料ホルダの長手軸がアレイ面の外側に延びている状態で配置される、フレームと、
前記フレームに接続される駆動セクションと、
前記試料ホルダの長手軸と略平行に配向されたそれぞれの回転軸周りで各移送アームが回転するように、前記駆動セクションに回転可能に接続される少なくとも1つの移送アームであって、各移送アームが、試料ホルダを把持するように構成される試料ホルダグリッパを含む、少なくとも1つの移送アームと、
前記駆動セクションに可動に接続される少なくとも1つの押出部材であって、前記少なくとも1つの押出部材は、前記試料ホルダグリッパとは異なり、それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対する前記試料ホルダの長手軸に沿った線形移動用に構成され、前記少なくとも1つの押出部材は、前記試料ホルダの少なくとも底面または上面との係合が、それぞれの移送アームによる長手方向での前記試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、前記試料ホルダの長手方向の移動をもたらすように構成されている、少なくとも1つの押出部材と
を備える装置。
前記少なくとも1つの押出部材が、前記駆動セクションに可動に接続される別の押出部材を備え、前記別の押出部材は、前記試料ホルダグリッパとは異なり、前記それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対する前記試料ホルダの長手軸に沿った線形移動用に構成され、前記別の押出部材は、前記試料ホルダの少なくとも底面または上面との係合が、前記それぞれの移送アームによる長手方向での前記試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、前記試料ホルダの長手方向の移動をもたらすように構成されている請求項1記載の装置。
前記それぞれの移送アームおよび前記別の押出部材が、前記装置内に配置される試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、前記試料トレイが、少なくとも1つの試料ホルダを保持するように構成される請求項4記載の装置。
前記それぞれの移送アームおよび前記別の押出部材が、前記装置内に配置される試料トレイの、共通する側に位置するように配置され、前記試料トレイが、少なくとも1つの試料ホルダを保持するように構成される請求項4記載の装置。
前記少なくとも1つの押出部材および前記別の押出部材の1つまたは複数が、前記それぞれの移送アームに対して、試料ホルダグリッパに対して、および互いに対しての少なくとも1つにおいて、前記それぞれの回転軸周りで独立して回転可能である請求項4記載の装置。
前記少なくとも1つの押出部材および前記別の押出部材の1つまたは複数が、前記それぞれの回転軸周りで前記それぞれの移送アームと一体として回転する請求項4記載の装置。
前記少なくとも1つの押出部材が、前記それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対して、前記それぞれの回転軸周りで独立して回転可能である請求項1記載の装置。
前記それぞれの移送アームの前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材が、前記装置内に配置される試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、前記試料トレイが、少なくとも1つの試料ホルダを保持するように構成される請求項1記載の装置。
前記それぞれの移送アームの前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材が、前記装置内に配置される試料トレイの、共通する側に位置するように配置され、前記試料トレイが、少なくとも1つの試料ホルダを保持するように構成される請求項1記載の装置。
前記少なくとも1つの移送アームおよびそれぞれの試料ホルダグリッパが動作する環境から前記駆動セクションが隔離されるように、隔離された環境へと前記フレームを分割する隔離部材をさらに備える請求項1記載の装置。
前記少なくとも1つの移送アームが、線形の移動軸に沿って前記アレイ面内を線形移動し、前記密封貫通部が、前記線形の移動軸に沿って前記少なくとも1つの移送アームとともに移動するように構成される請求項14記載の装置。
1つまたは複数の試料トレイがそれぞれの試料トレイ保持領域内にスライドされるように構成される少なくとも1つの試料トレイホルダをさらに備え、前記少なくとも1つの移送アームは、前記1つまたは複数の試料トレイの試料保持位置の間で試料ホルダを移動させるように構成される請求項1記載の装置。
前記フレームは、試料ホルダが挿入され、前記フレームから取り出されるときに通る、前記冷蔵保管部内の少なくとも1つの閉鎖可能な開口を画定し、前記フレームは、それぞれの閉鎖可能な開口を密封するために、前記チャンバに磁性的に密封されるスライド式のクロージャを含む請求項21記載の装置。
前記フレームが、前記フレームの内部へのアクセスを提供するように構成される、前記少なくとも1つの閉鎖可能な開口とは異なる閉鎖可能なアクセス開口をさらに画定する請求項23記載の装置。
前記試料ホルダグリッパが、前記少なくとも1つの移送アームから取り外され、前記少なくとも1つの移送アームに取り付けられるように構成される交換可能なグリッパである請求項1記載の装置。
前記試料グリッパが、前記試料トレイと前記別の試料トレイとの間の前記試料ホルダの通路を導くように構成される試料ホルダ通路を形成し、前記第1の押出部材および第2の押出部材の少なくとも一方が、前記試料トレイと前記別の試料トレイとの間の前記試料ホルダ通路を通して前記試料ホルダを移送するように構成される請求項32記載の装置。
前記フレームが、試料ホルダが挿入され前記フレームから取り出されるときに中を通る、前記冷蔵保管部内の少なくとも1つの閉鎖可能な開口を画定し、前記フレームが、それぞれの閉鎖可能な開口を密封するために、前記チャンバに磁性的に密封されるスライド式のクロージャを含む請求項37記載の装置。
前記フレームが、前記フレームの内部へのアクセスを提供するように構成される、前記少なくとも1つの閉鎖可能な開口とは異なる閉鎖可能なアクセス開口をさらに画定する請求項39記載の装置。
前記少なくとも1つの移送アームが、同軸駆動シャフトアセンブリを含み、前記試料グリッパが、前記同軸駆動シャフトアセンブリの1つの駆動シャフトに連結され、前記押出部材が、前記同軸駆動シャフトアセンブリの別の駆動シャフトに連結される請求項28記載の装置。
前記試料ホルダグリッパが、前記2つの積み重ねられた試料保持面のうちの第1の試料保持面に配置される試料トレイから、2つの前記試料保持面のうちの第2の試料保持面の試料トレイへの試料ホルダの移送を案内するように構成される試料ホルダ通路を含む請求項48記載の装置。
前記フレームが、少なくとも1つのチャンバを有するハウジングを画定し、前記ハウジングが、少なくとも部分的な冷蔵保管部内への配置用に構成される請求項48記載の装置。
試料ホルダが試料ホルダ位置のアレイに保持され、試料ホルダの長手軸がアレイ面の外側に延びている状態でアレイに配置される、冷蔵保管部の環境において、試料ホルダを移送するための方法であって、前記方法が、
前記長手軸と略平行な共通の回転軸周りで、試料ホルダグリッパおよび前記試料ホルダグリッパとは異なる少なくとも1つの押出部材を少なくとも回転させることによって、前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を、前記アレイ内の所定の試料ホルダと位置合わせすることと、
前記試料ホルダの少なくとも底面または上面を係合して、前記試料ホルダの長手方向の移動をもたらすために、前記少なくとも1つの押出部材を前記試料ホルダグリッパに対して長手方向に線形移動させることにより、前記試料ホルダグリッパによる長手方向での前記試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために前記所定の試料ホルダを前記アレイと前記試料ホルダグリッパとの間で移送することと
を含む、方法。
前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を前記所定の試料ホルダと位置合わせすることが、前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を、前記共通の回転軸周りで一体として回転させることを含む請求項51記載の方法。
前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を前記所定の試料ホルダと位置合わせすることが、前記試料ホルダグリッパと前記少なくとも1つの押出部材の1つまたは複数とを、前記共通の回転軸周りで独立して回転させることを含む請求項51記載の方法。
前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を前記所定の試料ホルダと位置合わせすることは、前記試料ホルダグリッパおよび前記少なくとも1つの押出部材を、前記長手軸と交差する方向に一体として線形移動させることを含む請求項51記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、開示される実施形態の態様による試料保管施設または低温保管部100を示す。開示される実施形態の態様は、図面を参照して記載されるが、開示される実施形態の態様は様々な形態で実施されてもよいことが理解されるべきである。また、任意の適切なサイズ、形状もしくは種類のエレメントまたは材料を用いることができる。
【0008】
試料保管施設100は、互いに隔離されてもよい任意の適切な数の環境区域または領域を含んでもよい。たとえば、試料保管施設100は、1つまたは複数の超低温保管区域110A、110Bと、搬送区域145と、環境制御された副室(antechamber)150とを含んでもよい。他の態様において、試料保管施設100は、試料が保管および/または搬送され、保管施設の職員によりアクセスされてもよい任意の適切な数および種類の区域/領域を有してもよい。
【0009】
一態様において、搬送区域145は、入力/出力モジュール130、搬送シャトル112および1つまたは複数の試料選択装置モジュール200を含んでもよく、試料選択装置モジュールは、後述のように少なくとも部分的に搬送区域145内に配置される。入力/出力モジュール130は、搬送区域145内の所定の温度を維持しつつ、試料保管施設100へおよび試料保管施設100からの試料および/または試料トレイの移送を可能にしてもよい。以下にさらに詳細に記載する試料選択装置モジュール200は、標準密度(SD)および/または高密度(HD)の試料ラック/トレイ内で、またはそれらの間で、試料/試料ホルダを移動させる仕分性能を提供してもよい。
【0010】
搬送区域145は、約−20℃などの任意の適切な低温に維持されてもよく、搬送区域145において、搬送シャトル112および/または他のオートメーションは、超低温保管区域110A、110B、試料選択装置モジュール200および入力/出力モジュール130の間で試料トレイを移送するように動作してもよい。搬送シャトル112は、タイル壁115と相互作用してもよく、各タイルは、試料トレイを任意の適切な方法で超低温区域110A、110Bから取り出すために、たとえば、超低温区域110A、110Bの、ロボットに適した絶縁クロージャを作り出すように配置される。搬送シャトル112は、超低温区域110A、110Bと本明細書に記載されるような試料保管施設の他の任意の構成要素との間で試料トレイを搬送するように構成されてもよく、これは、これに限定されないが試料選択装置モジュール200へ、および試料選択装置モジュール200からの試料トレイの搬送を含んでもよい。
【0011】
一態様において、環境制御された副室150は、少なくとも、搬送区域145および/または試料選択装置モジュール200へのヒトのアクセスを提供するために、少なくとも一部が環境制御された副室150内に配置されてもよいドア150D1、150D2を含んでもよい(たとえば、試料選択装置モジュール200は、搬送区域145から副室150を分離/絶縁する壁を通して取り付けられてもよい)。理解されるように、環境制御された副室150は、副室150内への人間の進入を可能にする任意の適切な温度に維持されてもよい。
【0012】
試料保管施設100は、試料保管施設100の異なる区域内でそれぞれの所定の温度を維持するために、任意の適切な冷却システム125および/または除湿システム120を含んでもよい。一態様において、試料保管施設100の搬送区域145、搬送シャトル112、タイル壁115、超低温保管区域110A、110B、搬送区域145および入力/出力モジュールは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2009年12月22日に発行された米国特許第7,635,246号明細書、2010年1月19日に発行された米国特許第7,648,321号明細書、2010年9月14日に発行された米国特許第7,793,842号明細書、2012年8月28日に発行された米国特許第8,252,232号明細書、2012年8月27日に出願された米国特許出願第13/595,817号明細書および2011年12月22日に出願された米国特許出願第13/334,619号明細書に記載のものと実質的に同様であってもよい。
【0013】
図1Bは、開示される実施形態の態様による試料保管施設100’を示す。試料保管施設100’は、上述の試料保管施設100と実質的に同様であってもよく、互いに隔離されてもよい任意の適切な数の環境区域または領域110A、110B、145を含んでもよい。ここで1つまたは複数の試料選択装置モジュール200は、搬送区域145または試料保管施設100の他の任意の適切な区域から副室150を分離/隔離する壁ではなく、試料保管施設100’の外壁を通して取り付けられてもよい。
【0014】
図1Cは、試料選択装置モジュール200の概略図である。理解されるように、任意の適切な数の試料選択装置モジュール(
図1Cでは2つ示されている)は、
図1Bおよび1Cに示されるように互いに上下に積み重ねられてもよいし、
図1Aに示されるように隣り合って配置されてもよい。各試料選択装置モジュール200は、以下に記載されるように試料選択装置の内部の少なくとも一部を所定の超低温に維持するように構成される任意の適切な冷却システム200Rに接続されるかまたは冷却システム200Rを含んでもよい。一態様において、各試料選択装置モジュール200はそれぞれの冷却システム200Rを有してもよいが、他の態様においては、共通の冷却システムが2つ以上の試料選択装置モジュール200に対して提供されてもよいし、試料選択装置モジュールが試料保管施設100、100’の他の構成要素(超低温保管区域110A、110Bなど)と共通の冷却システムを共有してもよい。
【0015】
図1Dも参照すると、1つまたは複数の試料選択装置モジュール200(およびいくつかの例においては、それぞれの冷却システム200R)は、1つまたは複数の試料選択装置200が搬送シャトル112と一体として移動するように、たとえば搬送シャトル112に取り付けられてもよい。ここで搬送シャトル112は、超低温区域110A、110B(または試料保管施設100、100’の他の任意の適切な場所)から試料トレイを取り出し、搬送シャトル112上に配置される1つまたは複数の試料選択装置モジュール200内に試料トレイを配置するように構成される移送アーム112Aを含んでもよい。試料トレイからの1つまたは複数の試料は、試料選択装置モジュール200の超低温環境内で、仕分され、および/または、供給源トレイと目的地トレイとの間など、異なるトレイに移送されてもよく、試料選択装置モジュール200は、供給源トレイが超低温区域110A、110B内に戻されることを可能にする。理解されるように、試料保管区域が、搬送シャトル112が動作する温度と同一温度である態様において、試料選択装置200は、温度制御された環境(たとえば、超低温環境)を有していなくてもよく、搬送シャトルの動作環境に開放していてもよい。
【0016】
任意の適切な制御装置170が、有線または無線接続を通すなど任意の適切な方法で試料保管施設100、100’に接続されてもよい。制御装置170は、試料保管施設100、100’の動作を制御するように構成されてもよい。たとえば、制御装置170は、任意の適切なメモリおよびプロセッサを含んでもよく、試料保管施設100からどの試料が挿入されおよび/または取り出されたかを追跡し、試料保管施設100内の各試料の位置を追跡するように構成されてもよい。また制御装置170は、試料保管施設内のオートメーションを制御するように構成されてもよく、オートメーションは、これらに限定されないが、本明細書に記載されるような試料を移送するための搬送シャトル112および試料選択装置モジュール200を含む。
【0017】
次に
図2A、2B、2Cおよび2Dを参照すると、各試料選択装置モジュール200は、フレーム210Fと、フレーム210Fに接続される駆動セクション201を有する少なくとも1つの移送装置またはユニット201A、201Bと、駆動セクション201に回転可能に接続される少なくとも1つの移送アーム部400A(
図4および4A参照)とを含む。フレーム210Fは、カバー部210Cおよびベース部210Bを含んでもよく、内部に少なくとも1つの隔離または密封された環境を維持するように構成されるハウジング200Hを形成する任意の適切な数のパネル/壁(または一体/一片のパネル)を含んでもよい。ハウジング200Hは、縦軸LONおよび横軸LATを含んでもよく、隔離区域/領域に分割されてもよい。一態様において、ベース部210Bは、隔離された環境制御チャンバまたは区域223を形成するために、横壁210LTA、210LTB、縦壁210LNA、210LNB、底壁210BW、および底壁210BWと対向し、底壁210BWから離間する隔離部材263を含む(「底」という語は、本明細書においては例示のみを目的として用いられ、他の態様では、任意の適切な空間識別名が壁210BWに関連付けられてもよい)。一態様において、隔離された環境制御チャンバ223は、たとえば、約−80℃または他の任意の適切な超低温などの超低温に維持されてもよい。一態様において、隔離された環境制御チャンバ223は、能動的に冷却されてもよい一方で、他の態様において、隔離された環境制御チャンバ223は、任意の適切な方法で冷却されてもよい。1つまたは複数の蒸発器EVAPが、隔離された環境制御チャンバ223内に配置され、たとえば、環境制御チャンバ223内で均一の超低温分布を維持するように構成されてもよい。一態様において、1つまたは複数の蒸発器EVAPは、隔離された環境制御チャンバ223の内壁を形成する隔離部材263の表面上(たとえば、チャンバの天井)に配置されてもよい。他の態様において、1つまたは複数の蒸発器EVAPは、たとえば、隔離された環境制御チャンバ223の内壁を形成する壁210LTA、210LTB、210LNA、210LNB、210BWの表面上など、隔離された環境制御チャンバ223内の任意の適切な場所に配置されてもよい。1つまたは複数の蒸発器EVAPは、平板型蒸発器であってもよいし、他の任意の適切な蒸発器であってもよい。
【0018】
理解されるように、本明細書に記載されるような駆動セクション201の構成要素の動作に適する任意の適切な所定温度で維持されてもよい駆動セクションチャンバ224を形成するために、隔離部材263は、上壁210TWと対向し、上壁210TWから離間して配置されてもよい(たとえば、隔離部材263は、上壁210TWと底壁210BWとの間に配置される)。一態様において、駆動セクションチャンバ224は、たとえば、約−20℃などの超低温を上回る任意の適切な温度で維持されてもよい。
【0019】
縦壁210LNA、210LNBおよび横壁210LTA、210LTBの少なくとも1つは、隔離された環境制御区域223への挿入および隔離された環境制御区域223からの取り出しのために試料トレイ310TRが通る1つまたは複数の入力/出力開口または開口部260A、260B、260Cを含んでもよい。各入力/出力開口260A、260B、260Cは、それぞれのスライド式タイル261A、261B、261Cによって密封または閉鎖される密封可能または閉鎖可能な開口であってもよい。スライド式タイルクロージャの適切な例は、たとえば、すでに参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,635,246号明細書、米国特許第7,648,321号明細書、米国特許第7,793,842号明細書、米国特許出願第13/595,817号明細書および米国特許出願第13/334,619号明細書に見ることができる。一態様において、タイル261A、261B、261Cは、たとえば、ロボットに適した絶縁クロージャを作り出すように配置される発泡レンガまたはブロックであってもよい。他の態様において、タイル261A、261B、261Cは、任意の適切な材料で構成されてもよく、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを任意の適切な方法で開放および閉鎖するために、任意の適切なオートメーションおよび/または人間と相互作用してもよい。一態様において、タイル261A、261B、261Cは、重力または任意の適切な方法で所定位置(たとえば、閉鎖位置)に保持されてもよい。それぞれのタイルの両側のガイドレール261Rは、タイルを横方向の動きに対して制限する一方で、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを開放および閉鎖するために、矢印299の方向へは自由な上下へのスライドを可能にしてもよい。一態様においては、自動化移送機構を所望の開口の前のタイル261A、261B、261Cと位置合わせすることによって、搬送シャトル112などの試料保管施設100の任意の適切な自動化移送機構が、入力/出力開口260A、260B、260Cを通して、隔離された環境制御区域223へ試料トレイ310TRを挿入するか、または隔離された環境制御区域223から試料トレイ310TRを取り外してもよい。各タイル261A、261B、261Cは、たとえば、すでに参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,635,246号明細書、米国特許第7,648,321号明細書、米国特許第7,793,842号明細書、米国特許出願第13/595,817号明細書および米国特許出願第13/334,619号明細書に記載されるものと実質的に同様の方法で、入力/出力開口260A、260B、260Cを開放するために、自動化移送機構がタイル261A、261B、261Cを持ち上げることを可能にする、凹部または突出部などの1つまたは複数の把持部材PHを備えて構成されてもよい。他の態様において、試料選択装置モジュール200は、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを開放および閉鎖する目的で矢印299の方向にタイルを移動させるために、タイル261A、261B、261Cのそれぞれに連結される1つまたは複数の駆動部を含んでもよい。
【0020】
理解されるように、各タイル261A、261B、261Cは、それぞれの壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTBと共に任意の適切なシール部を形成してもよい。一態様において、シール部は、タイル261A、261B、261Cが閉鎖位置にあるときに動作状態にされてもよい、選択的に動作状態にされる磁性シール部であってもよい。磁性シール部は、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを開放および閉鎖するために、矢印299の方向へのタイル261A、261B、261Cの移動を可能にするように、非動作状態にされてもよい。他の態様において、磁性シール部は受動的なシール部であってもよく、この場合ロボット、他のオートメーションまたはユーザが、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを開放および閉鎖する目的で矢印299の方向にタイル261A、261B、261Cを移動させるために、受動的なシール部によって提供される密封力に打ち勝つことができる。たとえば、それぞれのタイル261A、261B、261Cが、それぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cを開放および閉鎖するためにそれぞれの入力/出力開口260A、260B、260Cに対して移動できる一方で、壁に対して保持または付勢されるように、磁性シール部は、たとえば、ネオジム磁石など、垂直力が高くせん断力が低い任意の適切な磁石によって提供されてもよい。タイル261A、261B、261Cなどのタイルは、搬送シャトル112または試料保管施設100、100’の他の任意の適切な搬送部によってアクセスされる任意の適切な筐体133上に配置されてもよいことに留意する。一態様において、筐体133は、試料取り出しモジュール、バーコード読み取り器、入力出力モジュール、保管モジュールまたは1つもしくは複数の試料容器と相互作用する他の任意の適切な装置の、1つまたは複数のための筐体であってもよい。
【0021】
また
図3Aを参照すると、入力/出力開口260A、260B、260Cのそれぞれは、それぞれの試料トレイホルダ300A、300B、300Cに関連付けられてもよい。各試料トレイホルダ300A、300B、300Cは、それぞれの試料トレイ支持部300R1、300R2を含んでもよく、それぞれの試料トレイ支持部300R1、300R2は、任意の適切な方法でフレーム210Fにより支持されてもよい。
図3Aには単一のレベルまたは平面の試料トレイホルダが示されているが、他の態様においては、(以下に記載されるように)隔離された環境制御区域223内の複数の積み重ねられたレベルまたは平面の試料トレイホルダが存在してもよく、その間で試料容器が移送されてもよい。試料選択装置モジュール200の外部にあるトレイコンベヤ(たとえば、トレイコンベヤは、トレイシャトル112など、試料選択装置モジュール200から分離したものである)によって、それぞれの試料トレイホルダ300A、300B、300C内へ、または試料トレイホルダ300A、300B、300Cの外に試料トレイ310TRがスライドされてもよいように、試料トレイ支持部300R1、300R2は、任意の適切な量だけ互いから離間されていてもよい。一態様において、各試料トレイホルダ300A、300B、300Cは、試料ラックがエンドツーエンドに配置される(たとえば、例示のみを目的として
図3Bおよび3Cを参照すると、試料ラックの第1エンド370E1は別の試料ラック370の第2エンド370E2に対して実質的に当接する)ように、上に配置される1つまたは複数の標準密度または高密度の試料ラック(総じて
図3Bの高密度ラック370をいう高密度の試料ラック、および以下により詳細に記載される、総じて
図5A〜7Bの標準密度のラック570をいう標準密度の試料ラックを参照)を有する試料トレイ310TRを保持するのに適切な長さを有してもよい。他の態様において、試料トレイ310TRは、試料容器保持位置310が、試料トレイ310TRに形成されるか、標準密度または高密度容量で試料トレイ310TRに固定されるように、試料容器を直接その上に(たとえば、トレイなしに)保持するように構成されてもよい。試料トレイ310TR(および/またはその上に保持されるラック370、570)は、試料容器のアレイでホルダの試料容器SCを保持するように構成されてもよく、アレイはアレイ面SCPを有する。試料容器SCは、試料容器SCの長手軸SCLAがアレイ面の外側に延びるように、試料トレイ310TR(および/またはその上に保持されるラック370、570)に配置されてもよい。一態様において、各試料トレイホルダ300A、300B、300Cは、試料ラックの各試料保持位置310を試料取り出しモジュール200の座標系に対して所定の位置に置くために、試料トレイ310TRを試料トレイホルダ300A、300B、300C内に繰り返し可能な方法で固定して保持および位置決めするための保持ユニット300L1および/または位置決めユニット300L2を含んでもよい。
【0022】
図1Aも参照すると、一態様において、試料トレイ310TRは、搬送シャトル112のトレイ支持表面112S上に試料トレイを配置することによって試料選択装置モジュール200内に挿入されてもよい。試料トレイ310TRは、トレイシャトル112によって、所定の入力/出力開口260A、260B、260Cに対応する高さに配置されてもよい。搬送シャトル112は、関連する入力/出力開口260A、260B、260Cを上述のような任意の適切な方法で開放させるために、所定のタイル261A、261B、261Cをスライドさせてもよい。搬送シャトルは、たとえば、搬送シャトル112の移送アーム112Aを用いて、所定の入力/出力開口260A、260B、260Cに関連付けられる試料トレイホルダ300A、300B、300C内に試料トレイ310TRをスライドさせてもよい。一態様において、試料トレイは、試料トレイホルダ300A、300B、300Cへおよび試料トレイホルダ300A、300B、300Cから試料トレイをスライドさせるために、搬送シャトル112が試料トレイ310TRを把持することを可能にする任意の適切な把持特徴部を含んでもよい。移送アーム112Aは、試料選択装置モジュール200から取り外されてもよく、タイルは、入力/出力開口260A、260B、260Cを閉鎖または密封するために移動させられてもよい。試料トレイ300TRの取り外しは、上述のものと実質的に反対の方法で実施されてもよい。
【0023】
再び
図2Cおよび2Dを参照すると、縦壁210LNA、210LNBおよび/または横壁210LTA、210LTBの別の1つは、駆動セクションチャンバ224および隔離された環境制御チャンバ223の1つまたは複数へのユーザアクセスを可能にするように構成されるユーザアクセスドア250を含んでもよい。ドア250の開放または取り外しは、駆動セクションチャンバ224への略直接的なユーザアクセスを提供してもよい。一態様においては、たとえば、駆動セクションチャンバ224とユーザ環境との間に取り外し可能な水蒸気バリアを形成するために、任意の適切なバリア部材224Bがフレーム210Fに接続されてもよい。一態様において、バリア部材224Bは、バリア部材224Bを取り外すことなく駆動セクションチャンバ224の目視検査を可能にする半透明の部材であってもよい。ドア250の開放または取り外しは、隔離された環境制御チャンバ223へのアクセスも提供してもよい。一態様において、ユーザアクセスドア250の開放は、隔離された環境制御チャンバ223への略直接的なアクセスを提供してもよい。他の態様において、隔離された環境制御チャンバ223へのアクセスは、超低温のインターフェースまたは熱パネル223Iを通して提供されてもよい。超低温のインターフェースまたは熱パネル223Iは、ドア250が開放されるか取り外されているときに、隔離された環境制御チャンバ223をユーザ環境から実質的に密封または隔離するために、フレーム210Fに連結されてもよい。超低温のインターフェース223Iは、手袋が挿入できる1つまたは複数の適切な密封可能な開口部272を含んでもよい。一態様において、任意の適切なカバー272Cが開口部272を密封するために設けられてもよいし、別の態様においては、開口部を密封するために手袋が開口部に取り付けられてもよい。
【0024】
理解されるように、それぞれの壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTBと、ユーザアクセスドア250、バリア部材224Bおよび超低温のインターフェース223Iの1つまたは複数との間には、任意の適切なシール部が設けられてもよい。たとえば、ユーザアクセスドア250が駆動セクションチャンバ224および隔離された環境制御チャンバ223の1つまたは複数への直接的なアクセスを提供する場合、駆動セクションチャンバ224および隔離された環境制御チャンバ223を互いから、および試料選択装置モジュール200の外部の環境から密封または隔離するために、任意の適切なシール部がドア250と壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTB(および隔離部材263)との間に設けられてもよい。他の態様においては、駆動セクションチャンバ224を密封または隔離するために、バリア部材224Bが壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTB(および隔離部材263)と一緒にシール部を形成してもよい。上述のように、超低温のインターフェース223Iは、ドア250が開放されるか取り外されているときに、隔離された環境制御チャンバ223をユーザ環境から実質的に密封または隔離するために、フレーム210Fに連結されてもよい。それぞれの壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTBと、ユーザアクセスドア250、バリア部材224Bおよび超低温のインターフェース223Iの1つまたは複数との間のシール部は、タイル261A、261B、261Cに関して上述されるものと同様の磁性シール部であってもよいし、個別または互いに連動して設けられる任意の適切なシール部であってもよい。
【0025】
次に
図3A、4および4Aを参照すると、上述のように試料移送モジュール200は、1つまたは複数の移送装置201A、201Bを含む。各移送装置201A、201B(本明細書においては移送装置201Aに関して説明するが、移送装置201Bは移送装置201Aと同一であってもよいことが理解されるべきである)は、駆動セクション201のそれぞれの駆動部202Aおよび移送アーム部400Aを含む。駆動部202Aは、駆動セクションチャンバ224内に配置されてもよく、駆動部202Aのフレーム400Fに接続される1つまたは複数の回転駆動モータ401、402、403を含んでもよい。一態様において、駆動部202Aは、移送アーム部400Aの少なくとも一部を矢印299の方向に移動させるために、フレーム400Fに接続される少なくとも1つの線形駆動モータ201L2を含んでもよい。
【0026】
一態様において、駆動部202Aは、任意の適切な方法で試料選択装置モジュール200のフレーム210Fに連結されてもよい。たとえば、移送アーム部が試料トレイホルダ300A、300B、300Cの間に形成されるそれぞれの通路に沿って移動するよう、線形駆動部201L1の進行経路および線形駆動部201L1により運ばれる移送アーム部400Aの移動経路が実質的に矢印298の方向(たとえば、試料トレイ310TRの縦軸に沿うか、縦壁201LNA、210LNBに向かう方向および縦壁201LNA、210LNBから離れる方向)であるように、駆動部202Aは、フレーム210F内で支持される駆動セクション201の線形駆動部201L1に取り付けられてもよい。他の態様において、線形駆動部201L1は、矢印297、298の方向に移送アーム部400Aの移動をもたらす複数軸の線形駆動部であってもよい。線形駆動部201L1は、線形ステッパモータ、ベルトおよびプーリーシステム、ねじ駆動部または他の任意の適切な駆動部など、任意の適切な線形駆動部であってもよい。一態様において、駆動部202Aは、線形駆動部201L1の1つまたは複数の線形レール405A、405Bに沿って走行してもよいが、別の態様において、駆動部202Aは、任意の適切な方法で線形駆動部201L1によって支持されてもよい。理解されるように、試料トレイ310TR内の試料保持位置310に対して移送アーム部400Aを位置決めするために、線形駆動部201L1の長さに沿った移送アーム部400Aの位置を制御装置170と共に決定するため、任意の適切なエンコーダまたは位置検出器406が設けられてもよい。
【0027】
移送アーム部400Aは、(試料容器の長手軸SCLAと略平行であってもよい)共通の回転軸RXを有する同軸の(たとえば、同心に配置される)駆動シャフトアセンブリ460と、試料容器ホルダ440と、上部(たとえば、上側)押出部材430と、底部(たとえば、下側)押出部材420とを含んでもよい。「上部」および「底部」という語は、それぞれの「押出部材」の試料容器係合部420A、420B(後述)が係合する試料容器の端部または表面のことを言及し(たとえば、試料容器SCの「上部」面SCTは、キャップにより閉鎖される開口を含み、試料容器の「底部」面SCBは、開口と対向する、試料容器SCの閉鎖端部を含む)、他の態様においては、任意の適切な空間基準/識別名が用いられてもよいことに留意する。同軸駆動シャフトアセンブリ460および移送アーム部400Aの他の構成要素は、たとえば、駆動部201A、201Bにより生じる熱から、移送アーム部400Aに保持される試料を隔離し、移送アーム部400Aが動作する超低温から、駆動部を隔離するように構成される非熱伝導性材料など、任意の適切な材料で構成されてもよい。
【0028】
同軸駆動シャフトは、(後述のような)任意の適切な方法でそれぞれの駆動部202Aに連結され、隔離された環境制御チャンバ223内へ、隔離部材263を貫通して延伸してもよい。一態様において、隔離された環境制御チャンバ223は、それぞれの同軸駆動シャフトアセンブリ460が貫通して延びる1つまたは複数の狭いスロット263P(たとえば、スロットの縦の長さの値は、スロットの横の幅の値よりもかなり小さい)を含んでもよい。狭いスロット263Pは、アレイ面SCPにおいてそれぞれの移送装置201A、201Bの少なくとも1自由度から切り離されてもよい。狭いスロット263Pは、同軸駆動シャフトアセンブリ460がそれぞれの狭いスロット263Pの縦の長さに沿って矢印298の方向に移動するにつれて同軸駆動シャフトアセンブリ460と一緒に移動する動的シール部263Sを用いるなど、任意の適切な方法で密封されてもよい。理解されるように、それぞれの移送装置201A、201Bの少なくとも1自由度からの狭いスロット263Pの切り離しは、それぞれのアーム部の矢印298の方向での移動軸に沿った方向など、単一方向のみへのシール部の移動を可能にしてもよい。他の態様において、狭いスロット263Pは密封されていなくてもよく、隔離された環境制御チャンバ223の隔離は、たとえば2つのチャンバ間の温度差による、隔離された環境制御チャンバ223から駆動セクションチャンバ224内へ流れ込む空気流によって達成されてもよいが、駆動セクションチャンバ224は、駆動セクションチャンバ224内へ超低温空気が通過することで駆動セクションチャンバ224が冷却される要因となる所定の非超低温に、任意の適切な方法で維持されてもよい。理解されるように、狭いスロット263Pは、(密封されているか否かにかかわらず)2つのチャンバ223、224の間の連通を制限または除去することにより、熱管理の向上、試料の完全性の向上および電力使用の減少を提供できる。
【0029】
試料容器ホルダ440および外側駆動シャフトが軸RX周りで一体として回転するように、試料容器ホルダ440は、同軸駆動シャフトアセンブリの外側駆動シャフト440Sに連結されてもよい。一態様において、同軸駆動シャフトアセンブリ460は、単一のユニットとして回転するように単一のユニットとして形成されるか任意の適切な方法で一緒に連結されてもよいシャフト部460S、420Sを有する内側シャフトを含んでもよく、内側シャフトは、少なくとも部分的に外側駆動シャフト440S内に配置される。試料容器ホルダ400の軸RXに沿って両側に位置付けられるように、上部押出部材430は、シャフト部430Sに取り付けられてもよい一方で、底部押出部材420は、シャフト部420Sに取り付けられる。理解されるように、外側駆動シャフト440Sは、上部押出部材430が貫通して延びる開口部を含んでいてもよく、この開口部は、上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間の相対動作を可能にするよう構成されてもよい。一態様において、外側および内側駆動シャフト440S、430S、420Sのそれぞれは、シャフト440S、430S、420S、ひいては試料容器ホルダ440、上部押出部材430および底部押出部材420が軸RX周りで一体として回転するように、共通の回転駆動モータ401に連結されてもよい。シャフト部430S、420Sにより形成される内側駆動シャフトは、外側駆動シャフト440S内で線形に可動であってもよく、試料容器ホルダ440に対して矢印299の方向に上部および底部押出部材430、420を一体として移動させるために少なくとも1つの線形駆動部201L2に連結されてもよい。開示される実施形態の一態様において、回転駆動モータ401、402、403のそれぞれと少なくとも1つの線形駆動モータ201L2との間における同軸駆動シャフトアセンブリ460のそれぞれのシャフトとの連結は、実質的に直接的な連結(たとえば、ベルトまたはチェーンが介在しない)であってもよい。たとえば、
図4に示されるように、各駆動モータは、駆動モータの出力シャフトに連結される駆動ギヤDG1(または他の任意の適切な駆動連結部)を含んでもよく、駆動ギヤDG1は、中間ギヤや他の伝達部材が全く介在することなく、それぞれの駆動シャフトに実質的に直接連結される従動ギヤDG2(または他の任意の適切な駆動連結部)と直接係合する。別の態様において、モータロータ(たとえば、モータの移動部分)は、駆動シャフトがモータのロータを効果的に形成するように、それぞれの駆動シャフトに形成されるか、またはそれぞれの駆動シャフトに取り付けられる。開示される実施形態のさらに他の態様においては、本明細書に記載されるような移送装置201A、201Bを駆動させるために、モータとそれぞれの駆動シャフトとの間に任意の適切な伝達部が設けられてもよい。
【0030】
理解されるように、1つまたは複数の回転駆動モータ401、402、403、少なくとも1つの線形駆動モータ201L2および線形駆動部201L1は、単一の試料ラック370、570の試料保持位置310間、または1つまたは複数の試料トレイ310TRに位置する異なる試料ラック370、570間での、わずか3つの(上述のような)駆動モータによる試料容器の移送を可能にする、極座標系およびデカルト座標系の混合座標系を構成してもよい。他の態様においては、単一の試料ラック370、570の試料保持位置310間、または1つまたは複数の試料トレイ310TRに位置する異なる試料ラック370、570間での試料容器の移送のために、後述のように4つ以上のモータが用いられてもよい。理解されるように、試料保持位置310の極座標マッピングは、各移送装置201A、201Bによる2つの試料トレイ310TR上の試料保持位置310に対する迅速な協調動作(coordinated motion)を可能にしてもよい。さらに他の態様において、移送装置201A、201Bが実質的に純粋な極座標系で動作するように、駆動部202Aは、試料移送モジュール200の側壁210LNA、210LNB、210LTA、210LTBに向かうかまたは離れる線形移動に対して固定されるよう(たとえば、線形駆動部201L1は設けられない)、フレーム210Fに取り付けられてもよい。
【0031】
別の態様において、シャフト部430Sが中間駆動シャフトを形成し、シャフト部420Sが内側駆動シャフトを形成してもよく、少なくとも内側駆動シャフトは、外側駆動シャフト440Sに対して独立して回転可能である。たとえば、外側駆動シャフト440Sおよびシャフト部430S(たとえば、中間駆動シャフト)は、上部押出部材430および試料容器ホルダ440が軸RX周りで一体として回転するように共通の回転駆動モータ401に連結されてもよい一方で、シャフト部420S(たとえば、内側駆動シャフト)は、底部押出部材420が軸RX周りで独立して回転するように分離した回転駆動モータ402に連結される。さらに別の態様において、シャフト部430S(たとえば、中間駆動シャフト)は、上部押出部材430、試料容器ホルダ440および底部押出部材420のそれぞれが互いに対して独立して回転可能であるように、分離した回転駆動モータ403に連結されてもよい。シャフト部430Sおよびシャフト部420Sがそれぞれ中間および内側駆動シャフトを形成するさらに別の態様においては、上部押出部材430および底部押出部材420のそれぞれが試料容器ホルダ440に対して矢印299の方向に独立して移動可能であるように、シャフト部430Sが少なくとも1つの駆動モータ201L2の1つの線形駆動モータに連結されてもよい一方で、シャフト部420Sが少なくとも1つの駆動モータ201L2の別の線形駆動モータに連結されてもよい。
【0032】
理解されるように、回転駆動モータ401、402、403および少なくとも1つの線形駆動モータ201L2は、試料トレイ310TR内の試料保持位置310に対して移送アーム部400Aを位置決めするために、線形駆動部201L1の長さに沿った移送アーム部400Aの位置を制御装置170と共に決定するため、任意の適切なエンコーダまたは位置検出器を含んでもよい。また理解されるように、矢印299の方向における少なくとも上部および底部押出部材430、420のストローク(たとえば、移動量)のモータ制御調整は、異なる高さH(
図4C)を有する試料容器の取り出しおよび配置を可能にしてもよい。
【0033】
次に
図4Aを参照すると、試料容器ホルダ440は、1つまたは複数の試料容器の種類(たとえば、異なる形状の試料容器)を保持するように構成されるグリッパまたは試料容器受容部440Aを含んでもよい。一態様において、グリッパ440Aは、試料容器ホルダ440から取り外すことができ、グリッパ440Aとは異なる所定の特徴を有する異なるグリッパ440A’と交換されてもよい交換可能なグリッパであってもよい。異なる所定の特徴としては、たとえば、異なるサイズ/形状の試料容器を保持する能力、可動なグリッパアクチュエータ、試料トレイへ/から試料容器を押し抜くための構成、試料トレイへ/から試料容器を押し出すための構成、試料トレイへ/から試料容器を押し抜きおよび押し出すための構成などが挙げられ、「押し抜き(punch)」という語は、試料トレイの底面を越えた試料管の移送のことをいい、「押し出し(push)」とは、試料トレイの上面を越えた試料管の移送のことをいう(説明を容易にするために、「押し抜き」および「押し出し」という語は、本明細書においては総じて「押し出し」という)。一態様において、グリッパ440Aは、(他のグリッパと交換可能であるように)任意の適切な方法で試料容器ホルダ440に連結されるか、試料容器ホルダ440と一体に形成されるベース部材440Bを含んでもよい。ベース部材440Bは、ベース部材440Bを通り抜ける試料容器通路440Pを形成するために、ベース部材440Bを貫通する開口部を含んでもよく、試料容器通路440Pは通路を通って延びる軸AXを含み、試料容器SCは実質的に軸AXに沿ってグリッパ440Aにより保持される。バネまたは他の弾性部材などの1つまたは複数の付勢部材440Sは、試料容器通路440P内での試料容器SCの摩擦係合および保持をもたらすため、試料容器通路440Pの表面に対して試料容器SC(
図4C)を付勢するために、少なくとも部分的に試料容器通路440P内に配置されてもよい。
【0034】
次に
図4Bおよび4Cを参照すると、開示される実施形態の態様によるグリッパ440A’’が示されている。グリッパ440A’’は、グリッパ440Aと実質的に同様であってもよいが、グリッパ440A’’は、少なくとも1つの作動可能または移動可能な把持部材またはフィンガ470Mを有してもよい。たとえば、ベース部材440B’’は、試料容器通路440Pの少なくとも一部を形成する静止フィンガ470Sを含んでもよい。この態様において、静止フィンガ470Sは、試料容器SCの形状に略一致するように半円形状を有するが、他の態様において、静止フィンガ470Sは任意の適切な形状を有してもよい。可動フィンガ470Mは、回転軸RX1周りで枢動可能であるように、任意の適切な方法でベース部材440B’’に枢動可能に取り付けられてもよい。可動フィンガ470Mは、例示を目的として実質的に「L」字状の構成を有するものとして示されており、他の態様において、可動フィンガ470Mは、任意の適切な形状を有してもよい。可動フィンガ470Mは、把持部470MGおよびアクチュエータ部470MAを含んでもよく、可動フィンガ470Mが軸RX1周りで枢動すると、把持部470MGが、試料容器SCを把持するために静止フィンガ470Sに向かって移動し、また試料容器SCを解放するために静止フィンガ470Sから離れて移動するように、把持部470MGは、ベース部材440B’’に対して、静止フィンガ470Sと対向する配置となるように位置付けられる。一態様において、可動フィンガ470Mは、ソレノイド型の磁石構成を用いるなど、任意の適切な方法で駆動または作動されてもよい。たとえば、第1磁性部材472Aがベース部材440B’’上に配置され、第2磁性部材472Bが、可動フィンガ470Mのアクチュエータ部470MA上に、第1磁性部材472Aと対向関係で配置されてもよい。磁性部材472A、472Bは、たとえば、ネオジム磁石などの任意の適切な磁性部材であってもよい。第1磁性部材472Aは、試料容器SCをそれぞれ解放または把持するために第2磁性部材を吸着または反発させるよう、任意の適切な方法で励磁されてもよい。他の態様において、磁性部材472A、472Bは、第1磁性部材472Aが第2磁性部材を吸着または反発させるために励磁されると、試料容器がそれぞれ把持または解放されるように配置されてもよい。任意の適切なセンサまたは検出器471がベース部材440B’’に取り付けられてもよく、可動フィンガ470Mの開放(たとえば、試料容器が解放される)および/または閉鎖(たとえば、試料容器が把持される)位置を検出するために可動フィンガ470Mに対して配置されてもよい。理解されるように、試料容器SCがグリッパ440A’’によって解放されると、試料容器SCは、実質的にグリッパ440A’’からの抵抗なしにグリッパ440A’’から自由に落下してもよい。他の態様においては、グリッパ440A’’からの試料容器SCの下降速度を制御するために、グリッパ440A’’によって任意の適切な抵抗が提供されてもよい。制御装置によって適切な制御信号が提供され、グリッパ440A’’を動作させるためにセンサ信号が制御装置によって受け取られるように、センサ471および第1磁性部材472Aの1つまたは複数ならびに制御装置170に任意の適切なコネクタ475が接続されてもよい。
【0035】
別の態様において、依然として
図4Bおよび4Cを参照すると、グリッパ440A’’は、摩擦グリッパであってもよく、その場合、磁性部材472A、472Bは、選択的に励磁されない。たとえば、磁性部材472A、472Bは、試料容器SCを把持するために互いに反発して可動フィンガ470Mを閉鎖位置に付勢するように配置されてもよい。他の態様において、磁性部材472A、472Bは、磁性部材472A、472Bの間の吸着力が可動フィンガ470Mを閉鎖位置に付勢するように、ベース部材440B’’および可動フィンガ470Mに対して配置されてもよい。(試料容器がグリッパにない状態で)付勢位置にある可動フィンガ470Mの把持部470MGは、距離Dだけ静止フィンガ470Sの対向表面から離間していてもよく、試料容器SCがグリッパ440A’’内に挿入されると、把持部470MGが試料容器SCによって静止フィンガ470Sから離れさせられ、磁性部材472A、472Bの付勢力が、試料容器SCを把持するために把持部470MG、静止フィンガ470Sおよび試料容器SCの間に圧縮/摩擦力をもたらすように、この距離Dは、把持されている試料容器SC(たとえば、把持部470MGは少なくとも部分的に試料容器通路440P内に配置される)の、(たとえば、形状によって)直径、幅または長さよりも小さい。他の態様において、付勢力は、バネまたは他の適切な弾性もしくはエラストマー部材によるなど、任意の適切な方法で提供されてもよい。
【0036】
次に
図4Dを参照すると、開示される実施形態の別の態様によるグリッパ440A’’’が示されている。グリッパ440A’’’はグリッパ440Aと略同様であってもよいが、この態様においてグリッパ440A’’’は、可動フィンガ470Mに関して上述したものと略同様の方法で試料容器を係合する可動カム部材470Cを含んでいる。たとえば、カム部材470Cの移動は、吸着または反発させる磁力によってもたらされてもよく、磁石は、可動フィンガ470Mに関して上述したものと略同様の方法でグリッパ440A’’’を開放および閉鎖するために、方向496A、496Bの少なくとも1つへのカム部材470Cの移動を引き起こすように励磁される。他の態様においては、試料容器が試料容器通路440P内に動かされるとカム部材が試料容器SCによって矢印496Bの方向に移動させられるように、カム部材470Cは試料容器通路440P内の所定の位置に付勢されてもよく、弾性またはエラストマー部材は、上述のものと略同様の方法で試料容器SCを把持するために、カム部材470Cに抵抗力を提供する。カム部材470Cは、カム部材が矢印496A、496Bの方向で軸RX2周りに枢動するように、ピンで留められる連結など任意の適切な方法でベース部材440B’’’に連結されてもよい。カム部材470Cが矢印496Aの方向へ、少なくとも部分的に試料容器通路440P内に動かされると、カム部材470Cは、カム部材の試料容器SCとの係合および試料容器の試料容器通路440Pの内壁との係合を通して、通路内での試料容器SCの把持をもたらす。上述のものと略同様の方法で、グリッパ440A’’’が開放または閉鎖したことを感知するために、任意の適切なセンサまたは検出器471がベース部材440B’’’に取り付けられてもよい。
【0037】
一態様において、試料容器通路440Pを形成するグリッパ440A、440A’、440A’’、440A’’’の構成要素(たとえば、ベース部材440B、440B’’、440B’’’、静止フィンガ470S、可動フィンガ470Mの把持部470MG)は、試料容器通路440Pの軸AXに対して面取りした面または傾斜表面ASを含んでもよい。試料容器通路440Pの少なくとも1つの端部440PE1、440PE2が試料容器通路440P内への試料容器SCの挿入のための引き込み部を有するように、傾斜表面ASは1つまたは複数の端部440PE1、440PE2に設けられてもよい。試料容器が両方の端部440PE1、440PE2から試料容器通路内へ挿入される一態様において、傾斜表面ASは、試料容器通路440Pの両方の端部440PE1、440PE2に配置されてもよい。試料容器が一方の端部440PE1、440PE2のみから通路内に挿入される別の態様においては、試料容器SCが挿入される端部が傾斜表面ASを含んでもよい。傾斜表面ASにより形成される引き込み部は、試料容器をグリッパ440A、440A’、440A’’、440A’’’内に導くための誘導部(たとえば、誘導表面)を提供してもよく、試料容器SCと試料容器通路440Pとの間のずれを考慮に入れてもよい。
【0038】
次に
図4Eを参照すると、一態様においてグリッパ441Aは、ベース部材441Bと、ベース部材441Bに連結される2つの可動フィンガ444A、444Bを含んでもよい。この態様において、2つの可動フィンガ444A、444Bは、フィンガの間に試料容器通路440Pを形成してもよいが、試料容器通路は、ベース部材441Bを貫通して延びていなくてもよい(たとえば、試料容器通路は、貫通路ではなく、一方向299Aにおけるグリッパ441A内への試料容器SCの挿入のみを可能にする)。他の態様において、試料容器通路は、方向299A、299Bにおいてグリッパ内への試料容器SCの挿入を可能にするために、ベース部材441Bを貫通して延びていてもよい。グリッパ441Aは、試料容器を把持(たとえば、グリッパを閉鎖)および解放(たとえば、グリッパを開放)するために可動フィンガ444A、444Bに接続される(上述のような)任意の適切なアクチュエータを含んでもよい。一態様において、可動フィンガ444A、444Bは、試料容器SCをそれぞれ把持および解放するために、矢印499の方向で互いに向かっておよび互いから離れてベース部材441Bに対して線形に移動するようベース部材に取り付けられてもよい。他の態様において、可動フィンガ444A、444Bは、試料容器SCをそれぞれ把持および解放するために、矢印495A、495Bの方向で互いに向かっておよび互いから離れて可動フィンガ444A、444Bのチップ444AT、444BT(たとえば、自由端)を枢動させるため、ベース部材441Bの所定の回転軸RX2に対して枢動するようベース部材に取り付けられてもよい。別の態様において、グリッパ441Aは、試料容器SCを把持および解放するために、他方の(静止した)フィンガ444A、444Bに対して上述のように動作してもよい1つの可動フィンガ(フィンガ444A、444Bの一方)を有してもよい。この態様においては、試料容器SCが、たとえば、後述のものと略同様の方法で底部(たとえば、下側)押出部材420によってグリッパ441Aに提供できるように、上部(たとえば、上側)押出部材430は、少なくとも1つの移送アーム部400A(
図4Aを参照)上に設けられなくてもよく、試料容器は、重力によって試料トレイ上に置かれる(たとえば、試料容器は試料トレイ内への配置のために解放されるとグリッパ441Aから自由に落下する)。
【0039】
再び
図4Aを参照すると、上部押出部材430は、例示のみを目的としてグリッパ440Aなどのグリッパに向かって上部押出部材430から延びる試料容器係合部430Aを含んでもよい。同様に、底部押出部材420も、そこからグリッパに向かって延びる試料容器係合部420Aを含んでもよい。試料容器係合部430A、420Aはそれぞれ、軸AXと実質的に位置合わせされてもよく、本明細書に記載されるようなグリッパへまたはグリッパからの試料容器の移送をもたらすために、試料容器通路440Pを少なくとも部分的に通るように構成されてもよい。一態様において、試料容器係合部430A、420Aは、押しピンまたはロッドの構成を有してもよいが、他の態様において試料容器係合部430A、420Aは、試料容器通路440P内への少なくとも部分的な挿入および試料容器SCとの係合のために、任意の適切な形状およびサイズを有していてもよい。
【0040】
次に
図3A、3B、5Aおよび5Bを参照すると、上述のように、試料選択装置モジュール200は、単一のラック370、570内の試料保持位置310の間、単一のトレイ310TRの複数のラック370、570の間、および/または、複数のトレイ310TRの複数のラック370、570の間で試料容器SCを移動させるように構成されてもよい。制御装置170は、試料容器保持位置310の間に任意の適切な間隔を有する標準密度のトレイ570および高密度のトレイ370へ試料容器SCを配置し、および標準密度のトレイ570および高密度のトレイ370から試料容器SCを取り出すために、要求される精度で(本明細書に記載されるような)試料選択装置モジュール200のオートメーションを制御するように構成されてもよい。「標準密度のトレイ」という語は、24個の試料容器、48個の試料容器または96個の試料容器のアレイを保持するように構成されるトレイを指してもよい。「高密度のトレイ」という語は、96個を超える試料容器のアレイを保持するように構成されるトレイを指してもよい。一態様において、高密度のトレイ370は、試料保持位置310間の長手方向(たとえば、縦方向)の間隔X1が約8.25mm、試料保持位置310間の横方向(たとえば、幅方向)の間隔X2が約9.00mmであってもよい。別の態様において、高密度のトレイ370は、試料保持位置310間の長手方向の間隔X1が約8.20mm、試料保持位置310間の横方向の間隔X2が約9.00mmであってもよい。さらに他の態様において、試料保持位置間の間隔X1、X2は、任意の適切な間隔であってもよい。
【0041】
図5Aおよび5Bに見られるように、試料選択装置モジュール200は、試料トレイホルダ300Aの単一のスタックST1(たとえば、1つのレベル)と、試料トレイホルダ300B、300B1の二重のスタックST2(たとえば、2つの積み重ねられたレベル)とを含む。各スタックST1、ST2は、それぞれの軸VX1、VX2を含み、それらに沿ってそれぞれの試料トレイホルダ300A、300B、300B1が上下に配置される。スタックST1、ST2は、それぞれの移送アーム部400Aが移動する通路ASLを形成するために、互いに対して離間されてもよい。スタックの各レベルは、試料容器が試料容器ホルダのグリッパとそれぞれのトレイホルダのレベルとの間に押し出されるよう、レベルが上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間の平面または試料容器ホルダ440と底部押出部材420との間の平面に置かれるように配置されてもよい。この態様において、試料トレイホルダ300Aは、1つまたは複数の高密度のラック370を上に載せる試料トレイ310TRを保持しており、試料トレイホルダ300B、300B1は、それぞれ、1つまたは複数の標準密度のラック570A、570Bを上に載せる試料トレイ310TRを保持している。ラック570Aは、供給源ラックであってもよく(たとえば、試料容器SCが取り外されるか取り出されるラック)、ラック370、570Bは、目的地ラック(たとえば、試料容器が配置されるラック)であってもよい。
【0042】
図3A、4Aおよび9も参照すると、この態様において、上部押出部材430および底部押出部材420は、(上述のように)試料容器ホルダ440に対して一体として矢印299A、299Bの方向に移動するように配置される。またこの態様において、上部押出部材430、底部押出部材420および試料容器ホルダ440は、(上述のように)軸RX周りで一体として回転するように配置される。グリッパ440Aが示されているが、他の態様においてグリッパは、本明細書に記載されるグリッパ440A、440A’、440A’’、440A’’’、441Aのいずれかであってもよいことに留意する(グリッパ441Aの通路440Pが貫通路でない場合、グリッパ441Aは矢印299Aの方向でグリッパに運ばれる試料容器のみを受け取る場合があることに留意する)。一態様において、試料容器SCは、上下に積み重ねられたトレイ570A、570Bの間で移送されてもよい。グリッパの軸AXは、任意の適切な方法で供給源トレイの所定の試料容器保持位置310の上に配置されてもよい(
図9、ブロック900)。たとえば、移送アーム部400Aは、軸AXを、この態様においては上部押出部材430と底部押出部材440との間のレベル上に置かれる供給源トレイ570Aの所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、矢印298の方向に線形移動されるか、および/または、軸RX周りで回転されてもよい。一態様において、上部および底部の押出部材430、420は、所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内へ試料容器を押し出すために、矢印299Bの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック905)。供給源トレイが、底部押出部材420と試料容器ホルダ440との間に置かれるレベル上にある場合、上部および底部の押出部材430、420は、供給源トレイの所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内へ試料容器を押し出すために、矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよいことに留意する。試料容器SCは、グリッパ440Aの軸AXを、目的地トレイ570B、370の所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、移送アーム部400Aによって搬送されてもよい(
図9、ブロック910)。一態様において、グリッパ440Aの、目的地トレイ570B、370の所定の試料容器保持位置310との位置合わせは、移送アーム部を矢印298の方向に線形移動させること、および/または、上部押出部材430、底部押出部材420および試料容器ホルダ440を軸RX周りで一体として回転させることを含んでもよい(
図9、ブロック915)。上部および底部の押出部材430、420は、グリッパ440Aから目的地トレイ370、570Bの所定の試料ホルダ位置内に試料容器を押し出すために、矢印299Bの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック920)。理解されるように、目的地トレイ(供給源トレイと同一レベル上にあってもよいし、供給源トレイが目的地トレイでもある場合もある)が上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる場合、上部および底部の押出部材430、420は、グリッパ440Aから目的地トレイの所定の試料ホルダ位置内に試料容器を押し出すために、矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよい。
【0043】
別の態様において、上下に配置される供給源トレイと目的地トレイとの間で試料容器SCを移送するときに、供給源および目的地の試料容器保持位置が互いに実質的に位置合わせされている場合、上部および底部の押出部材430、420は、試料容器係合部430A、430Bの一方が供給源トレイの所定の試料容器保持位置310から試料容器通路440Pを通して試料容器を押し出し(
図9、ブロック925)、目的地トレイの所定の試料容器保持位置310内へ押し出す(
図9、ブロック920)ように作動されてもよい。この態様において、グリッパの試料容器通路440Pは、供給源および目的地の試料容器保持位置310の間で試料容器SCの移送を案内する。理解されるように、試料容器の貫通式の移送(たとえば、矢印298の方向または軸RX周りで移送アーム部400Aを移動させることなく、グリッパを完全に通る試料容器の移送)は、上部押出部材430、底部押出部材420および試料容器ホルダ440の1つまたは複数が独立して回転可能であるかどうかにかかわらず実施されてもよい。
【0044】
依然として
図3A、4Aおよび9を参照し、
図6Aおよび6Bも参照して、上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる供給源トレイ570と、試料容器ホルダ440と底部押出部材420との間のレベル上に置かれる目的地トレイ370との間での試料容器の移送を説明する。この態様において、少なくとも底部押出部材420は、試料容器グリッパ440に対して軸RX周りで独立して回転可能であってもよい。この態様においてグリッパの軸AXは、任意の適切な方法で供給源トレイの所定の試料容器保持位置310の上に配置されてもよい(
図9、ブロック900)。たとえば、移送アーム部400Aは、軸AXを、この態様においては上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる供給源トレイ570の所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、矢印298の方向に線形移動されてもよいし、および/または、底部押出部材420、上部押出部材430および試料容器ホルダ440が軸RX周りで回転される(たとえば、底部押出部材420の回転は、上部押出部材430および試料容器ホルダ440の回転からは独立して制御される)。一態様において、少なくとも上部押出部材430は、所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内に試料容器を押し出すために、矢印299Bの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック905)。一態様において、上部および底部の押出部材430、420は、一体として矢印299A、229Bの方向に移動してもよいが、他の態様において、上部および底部の押出部材430、420は、矢印299A、299Bの方向に独立して移動可能であってもよい。供給源トレイが底部押出部材420と試料容器ホルダ440との間に置かれるレベル上にある場合、少なくとも底部押出部材420が、供給源トレイの所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内へ試料容器を押し出すために、矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよいことに留意する。試料容器SCは、グリッパ440Aの軸AXを、目的地トレイ570B、370の所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、移送アーム部400Aによって搬送されてもよい(
図9、ブロック910)。一態様において、グリッパ440Aの、目的地トレイ370の所定の試料容器保持位置310との位置合わせは、移送アーム部400Aを矢印298の方向に線形移動させること、および/または、試料容器ホルダ440および上部押出部材430を軸RX周りで一体として回転させることを含んでもよい(
図9、ブロック915)。一態様においては、上部押出部材430および試料容器ホルダ440の一体の回転からは独立してではあるが、底部押出部材420も回転されてもよい。ここで上部押出部材430は、グリッパ440Aから目的地トレイ370の所定の試料ホルダ位置内へ試料容器を押し出すために、矢印299Bの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック920)。理解されるように、目的地トレイ(供給源トレイと同一レベル上にあってもよいし、供給源トレイが目的地トレイでもある場合もある)が上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる場合、底部押出部材420は、グリッパ440Aから目的地トレイの所定の試料ホルダ位置内へ試料容器を押し出すために、矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよい。
【0045】
図3A、4Aおよび9を参照し、
図7Aおよび7Bも参照して、底部押出部材420と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる供給源トレイ370と、試料容器ホルダ440と底部押出部材420との間のレベル上に置かれる目的地トレイ570との間での試料容器の移送を説明する。この態様において、上部押出部材430および底部押出部材420の両方は、試料容器グリッパ440に対して軸RX周りで独立して回転可能であってもよい。この態様において、グリッパの軸AXは、任意の適切な方法で供給源トレイの所定の試料容器保持位置310の上に配置されてもよい(
図9、ブロック900)。たとえば、軸AXを、供給源トレイ370の所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、移送アーム部400Aが矢印298の方向に線形移動されてもよいし、および/または、試料容器ホルダ440が軸RX周りで回転されてもよい。(たとえば、供給源トレイのレベルに応じて)上部押出部材430および底部押出部材420の1つまたは複数は、それぞれの試料容器係合部430A、420Aが軸AXおよび供給源トレイ370の所定の試料保持位置310と実質的に位置合わせされるように、独立して回転されてもよい。この例において、供給源トレイ370は、底部押出部材420と試料容器ホルダ440との間のレベル上に配置されるので、試料容器SCを供給源トレイ370から取り外すために、底部押出部材420が軸RX周りで独立して回転される。一態様において、所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内へ試料容器SCを押し出すために、少なくとも底部押出部材420が矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック905)。一態様において、上部および底部の押出部材430、420は、一体として矢印299A、229Bの方向に移動してもよいが、他の態様において、上部および底部の押出部材430、420は、矢印299A、299Bの方向に独立して移動可能であってもよい。供給源トレイが上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間に置かれるレベル上にある場合、供給源トレイの所定の試料ホルダ位置からグリッパ440A内に試料容器を押し出すために、少なくとも上部押出部材430が矢印299Bの方向に移動するよう回転および作動されてもよいことに留意する。試料容器SCは、グリッパ440Aの軸AXを、目的地トレイ570B、370の所定の試料容器保持位置310と実質的に位置合わせするために、移送アーム部400Aによって搬送されてもよい(
図9、ブロック910)。一態様において、グリッパ440Aの、目的地トレイ570の所定の試料容器保持位置310との位置合わせは、移送アーム部400Aを矢印298の方向に線形移動させること、および/または、試料容器ホルダ440を軸RX周りで回転させることを含んでもよい(
図9、ブロック930)。ここで、それぞれの試料容器係合部430A、420Aが軸AXおよび目的地トレイ570の所定の試料保持位置310と実質的に位置合わせされるように、上部押出部材430および底部押出部材420の1つまたは複数も独立して回転されてもよい(
図9、ブロック935)。ここで、グリッパ440Aから目的地トレイ570の所定の試料ホルダ位置へと試料容器を押し出すために、少なくとも上部押出部材430が矢印299Bの方向に移動するよう作動されてもよい(
図9、ブロック920)。理解されるように、目的地トレイ(供給源トレイと同一レベル上にあってもよいし、供給源トレイが目的地トレイでもある場合もある)が上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に置かれる場合、底部押出部材420は、グリッパ440Aから目的地トレイの所定の試料ホルダ位置内へ試料容器を押し出すために、矢印299Aの方向に移動するよう作動されてもよい。
【0046】
図5A〜7Bに関して記載した例示的な試料容器の移送は、高密度のトレイ370と標準密度のトレイ570との間、および複数の標準密度のトレイの間での試料容器の搬送を伴う。次に
図8Aおよび8Bを参照すると、試料容器の移送は、
図5A〜7Bに関して上述したものと実質的に同様の方法で、複数の高密度のトレイ370A、370Bの間で提供されてもよい。
図8Aおよび8Bに示される例は、
図7Aおよび7Bに示したものと同様であり、上部および底部押出部材430、420は、試料容器の移送が
図7Aおよび7Bに関して上述したものと実質的に同様の方法で行われるように、試料容器ホルダ440に対してそれぞれ独立して回転可能であってもよいことに留意する。
【0047】
本明細書に記載されるような高密度のトレイ370への試料容器の移送は、試料容器ホルダ440と底部押出部材との間のレベル上に配置されるトレイ370への移送であるが、他の態様においては、上部押出部材430と試料容器ホルダ440との間のレベル上に配置される高密度のトレイ370への試料容器の移送が、標準密度のトレイ570Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で生じてもよいことが理解されるべきである。また、2つの供給源トレイまたは2つの目的地トレイが上下に配置される場合、それぞれの試料容器係合部430A、420Aの、使用中の試料容器保持位置310への望ましくない挿入を防ぐために、底部押出部材420および上部押出部材730の1つまたは複数は、上部押出部材430および底部押出部材420の他方ならびに試料容器ホルダ440に対して、矢印299A、299Bの方向に独立して移動可能であってもよいことが理解されるべきである。
【0048】
次に
図10Aおよび10Bを参照すると、一態様において、上側押出アーム430および下側押出アーム420は、グリッパ440Aへおよびグリッパ440Aからの試料容器SCの移送のために、それらの間に試料容器SCをクランプするために用いることができる。たとえば、ラック(
図10Aおよび10Bに示されるラック570や、ラック370などの他の任意の適切なラック)が、
図10Aに示されるように試料容器ホルダ440と下側押出アーム420との間に配置される場合、上側押出アーム430は、試料容器SCの上面に実質的に接触するよう試料容器係合部430Aがグリッパ440Aを貫通して延びるように、試料容器SCの上面に向かって矢印299Bの方向に移動されてもよい。下側押出アーム420は、試料容器が試料容器係合部430A、420Aの間でクランプされるよう試料容器係合部420Aが試料容器SCの底面に実質的に接触するように、試料容器に向かって矢印299Aの方向に移動されてもよい。
【0049】
同様に、ラック(
図10Aおよび10Bに示されるラック570や、ラック370などの他の任意の適切なラック)が、
図10Bに示されるように試料容器ホルダ440と上側押出アーム430との間に配置される場合、下側押出アーム420は、試料容器SCの底面に実質的に接触するよう試料容器係合部420Aがグリッパ440Aを貫通して延びるように、試料容器SCの底面に向かって矢印299Aの方向に移動されてもよい。上側押出アーム430は、試料容器が試料容器係合部430A、420Aの間でクランプされるよう試料容器係合部430Aが試料容器SCの底面に実質的に接触するように、試料容器に向かって矢印299Bの方向に移動されてもよい。
【0050】
理解されるように、容器が試料容器係合部430A、420Aの間でクランプされた後、試料容器SCは、たとえば、グリッパに対するトレイ570の位置に応じて、矢印299A、299Bの1つへの上側および下側押出アーム420、430の同時移動を介して、グリッパ440Aへと移動されてもよい。このような試料容器SCの移送は、試料容器SCをその長手軸に対して保持することにより、より高い位置合わせの確実性を提供できる。また
図10Cを参照すると、試料容器係合部430A、420Aの端部1000A、1000Bは、試料容器の端部を挟むように構成されることもでき、および/または、
図10Dを参照すると、試料容器は、試料容器係合部430A、420Aの端部1000A、1000Bを用いて登録するように構成される特徴部1001A、1001Bを有することもできる。別の態様において、上側および下側押出アーム430、420は、上側および下側押出アーム430、420の一方がトレイ570を空にするために矢印299A、299Bの方向に移動されるように、軸RX周りでの回転中に試料容器SCをクランプしてもよく、そして、軸RX周りでの回転中に試料容器SCを再係合するために矢印299A、299Bの方向に移動してもよい。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、試料ホルダ位置のアレイに試料ホルダを保持するように構成されるフレームであって、各試料ホルダが、試料ホルダの長手軸がアレイ面の外側に延びている状態でアレイに配置される、フレームと、フレームに接続される駆動セクションと、試料ホルダの長手軸と略平行に配向されたそれぞれの回転軸周りで各移送アームが回転するように、駆動セクションに回転可能に接続される少なくとも1つの移送アームであって、各移送アームが、試料ホルダを把持するように構成される試料ホルダグリッパを含む、少なくとも1つの移送アームと、駆動セクションに可動に接続される少なくとも1つの押出部材であって、少なくとも1つの押出部材は、試料ホルダグリッパとは異なり、それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対する試料ホルダの長手軸に沿った線形移動用に構成され、少なくとも1つの押出部材は、試料ホルダの少なくとも底面または上面との係合が、それぞれの移送アームによる長手方向での試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、試料ホルダの長手方向の移動をもたらすように構成されている、少なくとも1つの押出部材とを含む。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパは、摩擦把持により試料ホルダを係合および把持するように構成される。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパは、クランプ作動により試料ホルダを能動的に係合および把持するように構成されるクランプ部材を含む。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材は、駆動セクションに可動に接続される別の押出部材を備え、別の押出部材は、試料ホルダグリッパとは異なり、それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対する試料ホルダの長手軸に沿った線形移動用に構成され、別の押出部材は、試料ホルダの少なくとも底面または上面との係合が、それぞれの移送アームによる長手方向での試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、試料ホルダの長手方向の移動をもたらすように構成されている。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材および別の押出部材は、少なくとも1つの押出部材と別の押出部材との間で試料ホルダをクランプするように構成される。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの移送アームおよび別の押出部材は、装置内に配置される試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、試料トレイは、少なくとも1つの試料容器を保持するように構成される。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの移送アームおよび別の押出部材は、装置内に配置される試料トレイの、共通する側に位置するように配置され、試料トレイは、少なくとも1つの試料容器を保持するように構成される。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材および別の押出部材の1つまたは複数は、それぞれの移送アームに対して、試料ホルダグリッパに対しておよび互いに対しての少なくとも1つにおいて、それぞれの回転軸周りで独立して回転可能である。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材および別の押出部材の1つまたは複数は、それぞれの回転軸周りでそれぞれの移送アームと一体として回転する。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材は、それぞれの移送アームおよび試料ホルダグリッパに対して、それぞれの回転軸周りで独立して回転可能である。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材は、それぞれの回転軸周りでそれぞれの移送アームと一体として回転する。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの移送アームの試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材は、装置内に配置される試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、試料トレイは、少なくとも1つの試料容器を保持するように構成される。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、それぞれの移送アームの試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材は、装置内に配置される試料トレイの、共通する側に位置するように配置され、試料トレイは、少なくとも1つの試料容器を保持するように構成される。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、少なくとも1つの移送アームおよびそれぞれの試料ホルダグリッパが動作する環境から駆動セクションが隔離されるように、隔離された環境へとフレームを分割する隔離部材をさらに含む。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、隔離部材は、少なくとも1つの移送アームが貫通して延びる少なくとも1つの密封貫通部を含む。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの移送アームは、線形の移動軸に沿ってアレイ面を線形移動し、密封貫通部は、線形の移動軸に沿って少なくとも1つの移送アームとともに移動するように構成される。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、密封貫通部は、少なくとも1つの移送アームが中を通って移動するスロットを備える。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、駆動セクションは、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材をそれぞれの回転軸周りで少なくとも回転させるための第1の駆動部と、それぞれの移送アームおよび少なくとも1つの押出部材を、それぞれの回転軸に対して交差する方向に線形移動させるための第2の駆動部とを含む。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、1つまたは複数の試料トレイがそれぞれの試料トレイ保持領域内にスライドされるように構成される少なくとも1つの試料トレイホルダをさらに含み、少なくとも1つの移送アームは、1つまたは複数の試料トレイの試料保持位置の間で試料ホルダを移動させるように構成される。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの試料トレイホルダは、1つまたは複数の試料トレイをそれぞれの試料トレイ保持領域に保持するための保持機構を含む。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの移送アームは、フレーム内の試料トレイ保持領域の、対向する側に配置される2つの移送アームを備える。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、少なくとも部分的に冷蔵保管部の内部に配置されるチャンバを画定する。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、冷蔵保管部の壁の閉鎖可能な開口と嵌合するように構成される。
【0074】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、試料ホルダが挿入され、フレームから取り出されるときに通る、冷蔵保管部内の少なくとも1つの閉鎖可能な開口を画定し、それぞれの閉鎖可能な開口を密封するために、チャンバに磁性的に密封されるスライド式のクロージャを含む。
【0075】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、フレームの内部へのアクセスを提供するように構成される、少なくとも1つの閉鎖可能な開口とは異なる閉鎖可能なアクセス開口をさらに画定する。
【0076】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、閉鎖可能なアクセス開口は、冷蔵保管部の外部に配置される。
【0077】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、チャンバは、冷蔵保管部の移送シャトルに配置される持ち運び可能なチャンバである。
【0078】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパは、少なくとも1つの移送アームから取り外され、少なくとも1つの移送アームに取り付けられるように構成される交換可能なグリッパである。
【0079】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、フレームと、トレイホルダ面に配置される少なくとも第1のトレイホルダおよび第2のトレイホルダを含む試料トレイ保持領域であって、各トレイホルダは、トレイホルダ内への1つまたは複数の試料トレイのスライド挿入用に構成され、トレイ内の試料ホルダの長手軸がトレイホルダ面の外側に延びるよう試料トレイを保持するように構成されている、試料トレイ保持領域と、フレームに接続される駆動セクションと、駆動セクションに接続され、第1および第2のトレイホルダの間の通路に配置される少なくとも1つの移送アームであって、少なくとも1つの移送アームは、試料ホルダの長手軸と略平行に配向される回転軸、試料グリッパおよび押出部材を含み、押出部材は、試料グリッパに対する線形移動用に構成され、試料グリッパおよび押出部材は、回転軸周りで一体として回転するように配置される、少なくとも1つの移送アームとを含む。
【0080】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、押出部材は、試料グリッパに対する長手方向の線形移動用に構成され、試料グリッパによる長手方向での試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、試料トレイと試料グリッパとの間で試料ホルダの長手方向の移動をもたらす、試料ホルダの少なくとも上部を向く面および少なくとも底部を向く面の1つまたは複数との係合用に構成される。
【0081】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、押出部材は、第1の押出部材を備え、試料グリッパおよび第1の押出部材は、装置内に配置される試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、第1の押出部材は、試料トレイの試料保持位置を通した少なくとも部分的な挿入用に構成され、試料ホルダを試料グリッパへ搬送するための、試料ホルダの底部を向く面または上部を向く面との係合用に構成される。
【0082】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、押出アクチュエータは、第1の押出部材と対向関係にある第2の押出部材を備え、試料グリッパおよび第2の押出部材は、試料トレイの共通する側に位置するように配置され、第2の押出部材は、試料グリッパを通した少なくとも部分的な挿入用に構成され、試料ホルダを試料トレイへ移送するための、試料ホルダの底部を向く面または上部を向く面との係合用に構成される。
【0083】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、第1の押出部材および第2の押出部材は、第1の押出部材と第2の押出部材との間で試料ホルダをクランプするように構成される。
【0084】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、押出アクチュエータは、第2の押出部材を備え、試料グリッパおよび第2の押出部材は、別の試料トレイの、対向する側に位置するように配置され、第2の押出部材は、試料グリッパを通した少なくとも部分的な挿入用に構成され、試料ホルダを試料グリッパへ移送するための、試料ホルダの底部を向く面または上部を向く面の他方との係合用に構成される。
【0085】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料グリッパは、試料トレイと別の試料トレイとの間の試料ホルダの通路を導くように構成される試料ホルダ通路を形成し、第1の押出部材および第2の押出部材の少なくとも一方は、試料トレイと別の試料トレイとの間の試料ホルダ通路を通して試料ホルダを移送するように構成される。
【0086】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、移送アームが動作する環境から駆動セクションが隔離されるように、隔離された環境へとフレームを分割する隔離部材をさらに含む。
【0087】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、隔離部材は、少なくとも1つの移送アーム部材が貫通して延びる、動的に密封される貫通部を含む。
【0088】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、密封される貫通部は、少なくとも1つの移送アームが中を通って移動するスロットを備える。
【0089】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、少なくとも部分的に冷蔵保管部の内部に配置されるチャンバを画定する。
【0090】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、冷蔵保管部の壁の閉鎖可能な開口と嵌合するように構成される。
【0091】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、試料ホルダが挿入され、フレームから取り出されるときに中を通る、冷蔵保管部内の少なくとも1つの閉鎖可能な開口を画定し、それぞれの閉鎖可能な開口を密封するために、チャンバに磁性的に密封されるスライド式のクロージャを含む。
【0092】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、フレームの内部へのアクセスを提供するように構成される、少なくとも1つの閉鎖可能な開口とは異なる閉鎖可能なアクセス開口をさらに画定する。
【0093】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、閉鎖可能なアクセス開口は、冷蔵保管部の外部に配置される。
【0094】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、チャンバは、冷蔵保管部の移送シャトルに配置される持ち運び可能なチャンバである。
【0095】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの移送アームは、同軸駆動シャフトアセンブリを含み、試料グリッパは、同軸駆動シャフトアセンブリの1つの駆動シャフトに連結され、押出部材は、同軸駆動シャフトアセンブリの別の駆動シャフトに連結される。
【0096】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、装置は、試料トレイに試料ホルダのアレイを保持するように構成されるフレームと、フレームに接続される駆動セクションと、駆動セクションに少なくとも回転可能に接続される移送アームであって、移送アームは、回転軸を有し、試料ホルダグリッパ、および、試料ホルダグリッパに対して線形移動するように移送アームに取り付けられ、試料トレイと試料ホルダグリッパとの間で試料ホルダを線形移送するように構成される少なくとも1つの押出部材を含む、移送アームと、駆動セクションに接続され、移送アームおよび少なくとも1つの押出部材の移動を通して、異なる試料ホルダの保持容量を有する試料トレイ間での試料ホルダの移送をもたらすように構成される制御装置とを含む。
【0097】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、制御装置は、試料ホルダの保持容量が同一の試料トレイ間での試料ホルダの移送をもたらすように構成される。
【0098】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダのアレイは、少なくとも1つの試料保持面で保持され、試料ホルダは、試料保持面の外側に延びる長手軸を有し、移送アームは、長手軸と略平行な回転軸を有し、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材は、回転軸周りで一体として回転する。
【0099】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダのアレイは、少なくとも1つの試料保持面で保持され、試料ホルダは、試料保持面の外側に延びる長手軸を有し、移送アームは、長手軸と略平行な回転軸を有し、試料ホルダグリッパと少なくとも1つの押出部材の少なくとも1つとは、回転軸周りで独立して回転する。
【0100】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの試料保持面は、2つの積み重ねられた試料保持面を含み、試料ホルダグリッパは、2つの積み重ねられた試料保持面の間に配置され、少なくとも1つの押出部材は、試料ホルダグリッパに対して、2つの積み重ねられた試料保持面のそれぞれの反対側に配置される。
【0101】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパは、2つの積み重ねられた試料保持面のうちの第1の試料保持面に配置される試料トレイから、2つの試料保持面のうちの第2の試料保持面の試料トレイへの試料ホルダの移送を案内するように構成される試料ホルダ通路を含む。
【0102】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、フレームは、少なくとも1つのチャンバを有するハウジングを画定し、ハウジングは、少なくとも部分的な冷蔵保管部内への配置用に構成される。
【0103】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダが試料ホルダ位置のアレイに保持され、試料ホルダの長手軸がアレイ面の外側に延びている状態でアレイに配置される冷蔵保管部の環境において、試料ホルダを移送するための方法が提供される。この方法は、長手軸と略平行な共通の回転軸周りで試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を少なくとも回転させることによって、試料ホルダグリッパおよび試料ホルダグリッパとは異なる少なくとも1つの押出部材を、アレイ内の所定の試料ホルダと位置合わせすることと、試料ホルダの少なくとも底面または上面と係合して試料ホルダの長手方向の移動をもたらすために、少なくとも1つの押出部材を試料ホルダグリッパに対して長手方向に線形移動させることにより、試料ホルダグリッパによる長手方向での試料ホルダの捕捉および解放の1つまたは複数のために、所定の試料ホルダをアレイと試料ホルダグリッパとの間で移送することとを含む。
【0104】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を所定の試料ホルダと位置合わせすることは、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を、共通の回転軸周りで一体として回転させることを含む。
【0105】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を所定の試料ホルダと位置合わせすることは、試料ホルダグリッパと少なくとも1つの押出部材の1つまたは複数とを、共通の回転軸周りで独立して回転させることを含む。
【0106】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を所定の試料ホルダと位置合わせすることは、試料ホルダグリッパおよび少なくとも1つの押出部材を、長手軸に対して交差する方向に一体として線形移動させることを含む。
【0107】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、試料ホルダ位置のアレイは、積み重ねられたレベルのアレイに配置され、各レベルは、それぞれのアレイ面を有し、方法はさらに、試料ホルダグリッパの貫通式のガイド通路を通して、積み重ねられたレベルの1つに配置される試料保持位置から積み重ねられたレベルの別の1つに配置される試料保持位置へ所定の試料ホルダを移送することを含む。
【0108】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つの押出部材は、第1の押出部材および第2の押出部材を含み、方法はさらに、所定の試料ホルダを試料ホルダグリッパへ移送するために、第1の押出部材と第2の押出部材との間で所定の試料ホルダをクランプすることを含む。
【0109】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。