【実施例】
【0040】
ポリα−1,3−グルカンの調製
gtfJ酵素調製を用いたポリ(α1,3 グルカン)を、参照により本明細書に援用される、同時係属中の、同一出願人が所有する米国仮特許出願第61532714号明細書に記載されているように調製した。
【0041】
以下の略語を実施例に使用した。
「脱イオン水(DI water)」は脱イオン水(deionized water)であり;「MPa」はメガパスカルであり;「NaOH」は水酸化ナトリウムであり;「KOH」は水酸化カリウムであり;「DPw」は重量平均重合度であり;「DMSO」はジメチルスルホキシドであり;「LiCl」は塩化リチウムであり;「RH」は相対湿度であり、「s」は秒である。
【0042】
材料および一般的な方法
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸および硫酸は、EMD Chemicals(Billerica,MA)製であった。尿素、塩化リチウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、およびジメチルスルホキシドは、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)製であった。メタノールは、B.D.H Middle East(Dubai,UAE)から入手した。グリセロールは、Acros Organics(Pittsburgh,PA)製であった。
【0043】
溶液の調製
溶液を、IKAオーバーヘッドスターラーおよび1インチのプラスチックブレードスターラーまたは高せん断ミキサーのいずれかを用いて混合した。水性溶媒系のために、水中のポリα−1,3−グルカンポリマーのスラリーが作製された後、濃縮された塩基水溶液が加えられる。グルカンポリマーは、使用前に完全に乾燥され得るか、またはポリマー中の水分含量が測定され、溶液調製の際に計算に入れられ得る。
【0044】
十分な混合の後、溶液を、プラスチック遠心分離管に移し、Fisher Scientific製のMarathon 6K遠心分離機を用いて遠心分離した。溶液の粘度を、Brookfield Engineering laboratories Synchro−Lectric Viscometer、Model RVTを用いて測定した。ChemInstruments Custom Coater EC−300および巻線型(wire wound)キャスティングロッド、またはドクターブレードのような従来のフィルム流延装置を用いて、フィルムを流延した。
【0045】
実施例1
アルコール凝固による、塩基溶媒中のグルカン
DPw 1000の15gのグルカン固体を、135gの7.5重量%のKOH溶液と混合した。それを、高せん断ミキサーを用いて混合した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、ロッドコーターおよび254μmのキャスティングロッドを用いてドローダウンした。フィルムを45分間にわたって空気乾燥させ、次に、メタノール浴に入れた。pHインジケーターストリップを用いて試験した際に浴の見掛けのpHが7から9になったとき、浴を廃棄し、フィルムを新しいメタノールに入れた。浴のpHが変化しなかったら、フィルムをメタノールから取り出し、ガラス上で乾燥させた。フィルムの縁部に切れ目を入れ(score)、最小量の水を用いて、フィルムの縁部を湿らせ、次に、フィルムを、ガラスから、ポリエチレンまたは他の不活性な低剥離性基材上に剥がした。ガラスの表面を、界面活性剤で処理した場合、フィルムを剥がすのに水で湿らせる必要はない。フィルムを、張力下で空気乾燥させてから、急速に乾燥させたところ、クリアで強力なフィルムが得られた。
【0046】
このように形成されたフィルムは、25.4±7μmの厚さ、50MPaもの破断応力、3032gf/mmの引裂強度、13%の破断歪みおよび1.3%のヘイズを有していた。DPw 1200のグルカンの溶液(溶液中7.5%のポリマー濃度)および上記と同様のプロトコルを用いて、別のフィルムを作製した。このように形成されたフィルムは、8μmの厚さおよび77MPaの破断応力および19%の破断歪みを有していた。
【0047】
これらのフィルムの複製を作製し、これらのフィルムの水蒸気および酸素透過性を測定した。フィルムは、23C、90%の相対湿度条件で、25.4g−mm/m
2/日を超える透過速度を有し、水蒸気に対して非常に透過性であることが分かった。フィルムは、酸素に対する透過性が低く(酸素に対する良好なバリア性を提供する)、23Cで、0%の相対湿度で0.13〜0.22cc−mm/m
2/日の低さの透過速度が測定された。これは、これらのフィルムが、セロファンと同等のバリア特性を示すことを示唆し、したがって、同様の用途に使用され得る。
【0048】
DPw 1000を有する溶液を用いて、別のフィルムを形成したが、キャスト溶液を、直ぐにメタノールに沈めた。凝固前のフィルム中の水のパーセンテージは約85%であった。
【0049】
このように形成されたフィルムは、13.8MPaの破断応力および98.5%のヘイズを有していた。フィルムは、ほぼ白色で不透明であった。したがって、メタノールに沈める前のキャストフィルムの乾燥度のパーセンテージが、フィルムの透明度に影響を与えた。DPw 1200ポリマーで作製された溶液を用いて別のフィルムを形成し、フィルムを、メタノール中での凝固の前に10分間にわたって乾燥させた。凝固前のフィルム中の水のパーセンテージは78%であった。乾燥されたフィルムはクリアであった。
【0050】
実施例2
アルコール凝固と、それに続く熱処理による、KOH中のグルカン溶液
DPw 1000の15gのグルカン固体を、135gの7.5重量%のKOH溶液と混合した。それを、高せん断ミキサーを用いて混合した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、ロッドコーターおよび254μmのロッドを用いてドローダウンした。フィルムを45分間にわたって空気乾燥させ、次に、メタノール浴に入れた。pHインジケーターストリップを用いて試験した際に浴の見掛けのpHが7から9になったとき、浴を廃棄し、フィルムを新しいメタノールに入れた。浴のpHが変化しなかったら、フィルムをメタノールから取り出し、ガラス上で乾燥させた。次に、フィルムを、10分間にわたって60℃で、コンベクションオーブン中で加熱した。フィルムの縁部に切れ目を入れ、最小量の水を用いて、フィルムの縁部を湿らせ、次に、フィルムを、ガラスからポリエチレン基材上に剥がした。それを空気乾燥させてから、急速に乾燥させたところ、クリアで強力なフィルムが得られた。
【0051】
このように形成されたフィルムは、17.8±3μmの厚さ、66MPaもの破断応力および8%の最大荷重時歪みを有していた。
【0052】
実施例3
尿素およびNaOH、水凝固、後乾燥を用いたグルカン溶液
撹拌子を用いてNaOHおよび尿素を脱イオン水中で撹拌することによって、4.1%のNaOHおよび5%の尿素の組成の溶媒混合物を作製した。ポリマーを上記の溶媒に溶解させ、ホモジナイザーを用いて、十分に混合された溶液を得ることによって、DPw 800のグルカンの9.1重量%の溶液を含有する溶液を調製した。溶液を遠心分離して、気泡を除去し、直ぐに流延するか、または使用まで−5℃で保存した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、250μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。フィルムを4時間にわたって空気乾燥させた。次に、フィルムを、脱イオン水浴に浸漬することによって洗浄し、一晩、別の脱イオン水浴に入れておいた。フィルムを水に浸漬すると、フィルムはスライドガラスから剥がれる。水中での浸漬中、フィルムの縁部を、任意選択的にテープで留めることができる。水浴から取り出した後、フィルムを、平坦な不活性の非剥離性表面上で、張力下で乾燥させた。
【0053】
この技術を用いて調製されたフィルムは、14μmの厚さ、3.9〜4.26%のヘイズ、35MPaの破断応力、258gf/mmの引裂強度および243±160秒のガーレー透気度を有していた。
【0054】
実施例1と比較して、実施例3は、4.26%のより高いヘイズ(より低い透明度)、より低い強度を有し、より脆い。
【0055】
比較例A
尿素なしでNaOH、水凝固、後乾燥を用いたグルカン溶液
流延溶媒中で尿素を用いないことを除いて、実施例3におけるプロセスと同様のプロセスを使用した。撹拌子を用いてNaOHを脱イオン水中で撹拌することによって、4.3%のNaOHの組成の溶媒混合物を作製した。ポリマーを上記の溶媒に溶解させ、ホモジナイザーを用いて、十分に混合された溶液を得ることによって、DPw 800のグルカンの9.1重量%の溶液を含有する溶液を調製した。溶液を遠心分離して、気泡を除去し、直ぐに流延するか、または使用まで−5℃で保存した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。フィルムを4時間にわたって空気乾燥させた。次に、フィルムを、1時間にわたって水浴に浸漬した。フィルムは、5分以内にガラスプレートから外れた。次に、フィルムを回収し、平坦な不活性基材上で乾燥させた。
【0056】
このように得られたフィルムは、21.6μmの厚さを有し、肉眼で半透明に見え、20%のヘイズ値、および12.5MPaの破断応力を有していた。
【0057】
実施例3と比較して、比較例Aの溶液は、よりクリアでなく、より高いヘイズを有していた。実施例1と比較して、比較例Aは、20%のより高いヘイズ(より低い透明度)、より低い強度を有し、より脆い。
【0058】
実施例4
高温で乾燥させた後、アルコール凝固にかけた、KOH、キャスト溶液を用いたグルカン溶液
DPw 550の15gのグルカン固体を、135gの7.5%のKOH溶液と混合した。それを、高せん断ミキサーを用いて混合した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、ロッドコーターおよび254μmのロッドを用いてドローダウンした。フィルムを、コンベクションオーブン中で異なる時間および約60℃の温度で加熱して、乾燥プロセスを促進し、次に、メタノール浴に入れた。pHインジケーターストリップを用いて試験した際に浴の見掛けのpHが7から9になったとき、浴を廃棄し、フィルムを新しいメタノールに入れた。浴のpHが変化しなかったら、フィルムをメタノールから取り出し、ガラス上で乾燥させた。フィルムの縁部、最小量の水を用いて、フィルムの縁部を湿らせ、次に、フィルムを、ガラスからポリエチレン基材上に剥がした。ガラスの表面を、界面活性剤で処理した場合、水で湿らせる必要はない。それを張力下で空気乾燥させてから、急速に乾燥させたところ、クリアで強力なフィルムが得られた。
【0059】
このように形成されたフィルムは、13%のヘイズを有していた。これらのフィルムの強度が表に示され、ここで、MDは、流延の縦方向を指し、TDは、流延の横方向を指す。実際に、高温での乾燥が、乾燥時間を短縮するのに用いられるであろう。乾燥中の80℃を超える高温が、ポリマーの分解を引き起こして、糖を形成し得ることに留意されたい。例えば、1時間にわたって80℃に加熱されたキャスト溶液は、熱処理後に褐色を示し(糖形成のため)、また、洗浄および乾燥後に、より弱いフィルムになった。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例5
尿素 NaOH、直接の水凝固を用いたグルカン溶液
撹拌子を用いてNaOHおよび尿素を脱イオン水中で撹拌することによって、4.1%のNaOHおよび5%の尿素の組成の溶媒混合物を作製した。ポリマーを上記の溶媒に溶解させ、ホモジナイザーを用いて、十分に混合された溶液を得ることによって、グルカンDPw 1000の9.1重量%の溶液を含有する溶液を調製した。溶液を遠心分離して、気泡を除去し、直ぐに流延するか、または使用まで−5℃で保存した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。次に、フィルムを、脱イオン水浴中で直ぐに凝固させ、3時間にわたって浸漬させ、ペーパータオル上で一晩乾燥させた。このように得られたフィルムは、22.9μmの厚さを有し、肉眼で半透明であり、20.3%のヘイズおよび9.7MPaの破断応力を有していた。
【0062】
実施例6
NaOH/尿素、直接の酸凝固を用いたグルカン溶液
撹拌子を用いてNaOHおよび尿素を脱イオン水中で撹拌することによって、4.1%のNaOHおよび5%の尿素の組成の溶媒混合物を作製した。ポリマーを上記の溶媒に溶解させ、ホモジナイザーを用いて、十分に混合された溶液を得ることによって、グルカンDPw 1000の9.1重量%の溶液を含有する溶液を調製した。溶液を遠心分離して、気泡を除去し、直ぐに流延するか、または使用まで−5℃で保存した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。フィルムを、5%の酸浴(硫酸)中で直ぐに凝固させ、洗浄し、3時間にわたって水に浸漬させ、張力下で、ガラスプレート上で一晩乾燥させた。このように得られたフィルムは、24.1μmの厚さ、9.8%のヘイズ、および10.1MPaの破断応力を有していた。凝固のために20%の酸浴を用いたことを除いて同様の手順を用いて別のフィルムを作製した。このように得られたフィルムは、24.1μmの厚さ、2.9%のヘイズおよび21MPaの破断応力を有していた。
【0063】
実施例1と比較して、実施例6のフィルムは、水中で洗浄後に乾燥させると、より多い収縮を示した。フィルムの透明度および強度は、水で洗浄した後の乾燥中にフィルム上で維持される張力に左右されることが分かった。
【0064】
実施例7
キサントゲン酸グルカン溶液、酸凝固からのグルカンフィルム
グルカンを4.5%のNaOH溶液に溶解させ、二硫化炭素を用いて誘導体化することによって、キサントゲン酸グルカンの溶液を調製した。最終的なポリマー濃度は、8重量%のグルカンポリマーDPw 1000)であった。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。5分間の空気乾燥の後、プレート上のフィルムを、10分間にわたって5重量%のH2SO4浴中で凝固させた。次に、ガラスプレート上のフィルムを、3時間にわたって脱イオン水に浸漬し、次に、脱イオン水で数回すすぎ、一晩乾燥させた。このように作製されたフィルムは、19.05μmの厚さおよび14MPaの破断応力を有していた。いくらかのバブリングが、凝固中に観察された。凝固に対するより良好な制御により、得られるフィルム強度が向上され得ると考えられる。この実施例は、グルカンフィルムが、セロファンを作製するのに使用されるビスコース溶液と同様に、キサントゲン酸化溶液を用いても作製され得ることを示す。
【0065】
実施例8
キサントゲン酸グルカン溶液、凝固、後乾燥からのグルカンフィルム
グルカンを4.5%のNaOH溶液に溶解させ、二硫化炭素を用いて誘導体化することによって、キサントゲン酸グルカンの溶液を調製した。最終的なポリマー濃度は、8重量%のグルカンポリマー(DPw 1000)であった。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンした。ガラスプレート上のフィルムを、3時間にわたって空気乾燥させ、次に、8分間にわたって5重量%のH
2SO
4浴中で凝固させ、30分間にわたって脱イオン水に浸漬した。次に、フィルムを脱イオン水で数回すすぎ、一晩乾燥させた。このように作製されたフィルムは、25.5μmの厚さおよび42MPaの破断応力を有していた。いくらかのバブリングが、凝固中に観察された。凝固に対するより良好な制御により、得られるフィルム強度が向上され得ると考えられる。この実施例は、グルカンフィルムが、セロファンを作製するのに使用されるビスコース溶液と同様に、キサントゲン酸化溶液を用いても作製され得ることを示す。
【0066】
実施例9
可塑化
実施例2と同じ処理を用いて、グルカンフィルムを作製した。次に、フィルムを、10%のグリセロール溶液に10分間にわたって浸漬し、次に、Teflon(登録商標)FEPフィルム上に回収し、張力下で乾燥させた。このように得られたフィルムは、37重量%の可塑剤を得て、向上した可撓性を有し、破断応力の67%の低下とともに最大歪みの325%の増加を示した。10%のグリセロール中で30秒間の浸漬にかけた別のフィルムは、破断応力の67%の低下とともに最大歪みの250%の増加を示した。
【0067】
実施例10
染色されたグルカンフィルム
実施例2に記載されているようにフィルムを調製した。1時間にわたって水に溶解された、過剰の3%のベーシックレッド(basic red)#29またはダイレクトレッド(direct red)80の2.5%の溶液に浸漬することによって、フィルムを染色した。次に、フィルムを脱イオン水中で3回洗浄した。フィルムは、肉眼で観察した際に着色されて見えた。
【0068】
実施例11
DMSO:LiCl溶液からのグルカンフィルム
6重量%のグルカン溶液(DPw 1000)を、DMSOおよび3%のLiClから構成される溶媒中で混合した。それを、60分間にわたって丸底フラスコ中でオーバーヘッドスターラーを用いて混合した。508μmおよび254μmのロッドを用いてフィルムを流延し、16時間にわたって減圧下で、30℃で、オーブン中で乾燥させ、水中で洗浄した。このように形成されたフィルムは、クリアで透明であったが、かなりの収縮およびしわを有していた。254μmのロッドを用いて別のフィルムを流延し、100℃で、ホットプレート上で乾燥させ、次に、水で洗浄して、LiCl塩を除去した。このように得られたフィルムは、28μmの厚さ、および23MPaの破断応力を有していた。
実施例12
水酸化テトラエチルアンモニウムを用いたグルカンフィルム
磁気撹拌子を用いて、ポリマー、塩基および水を混合することによって、5%のグルカン(DPw 1000)、20%の水酸化テトラエチルアンモニウムおよび75%の水から構成される溶液を作製した。制御された量の溶液をガラスプレート上に注ぐことによって、フィルムを流延し、次に、254μmのドクターブレードを用いてドローダウンし、一晩乾燥させた。次に、フィルムを5%の酢酸浴中で凝固させ、水で洗浄し、張力下で、非剥離性表面上で一晩乾燥させた。次に、フィルムを剥がした。このように得られたフィルムは透明であり、11.3μmの厚さ、60MPaの破断応力および13%の破断歪みを有していた。
【0069】
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.ポリα−1,3−グルカンフィルムを作製するための方法であって、
(a)ポリα−1,3−グルカンを、溶媒組成物に溶解させて、ポリα−1,3−グルカンの溶液を得る工程と;
(b)ポリα−1,3−グルカンの前記溶液を、表面と接触させる工程と;
(c)前記溶媒組成物を除去して、ポリα−1,3−グルカンフィルムを形成する工程と
を含む方法。
2.前記溶媒組成物が、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、および塩化リチウムとジメチルスルホキシドとの混合物からなる群から選択される、上記1に記載の方法。
3.前記溶媒組成物が、溶解性添加剤または可塑剤添加剤の少なくとも一方をさらに含む、上記2に記載の方法。
4.前記溶解性添加剤が尿素である、上記3に記載の方法。
5.前記可塑剤添加剤がグリセロールである、上記3に記載の方法。
6.前記溶媒組成物を除去する工程が、水、酸またはアルコール中での蒸発および凝固を含む、上記1に記載の方法。
7.上記1にしたがって作製されるポリα−1,3−グルカンフィルム。
8.ポリα−1,3−グルカンを含むフィルム。
9.(a)約10%未満のヘイズ;
(b)約10〜約80MPaの破断応力;
(c)約250〜約3000gf/mmの引裂強度;
(d)約10秒未満のガーレー透気度;および
(e)23℃、0%の相対湿度で、約0.3cc−mm/m
2/日未満の酸素透過速度のうちの少なくとも1つを有する、上記8に記載のフィルム。