【実施例】
【0010】
図1は、実施例に係る携帯端末装置100の斜視図である。実施例に係る携帯端末装置100は、例えばスマートフォンやタブレット型パソコンなどの、ユーザにより携帯された状態で利用される情報端末装置である。
図1のように、実施例に係る携帯端末装置100は、フロントケース12とリアケース14とが組み合わされた筐体10を有する。フロントケース12及びリアケース14は、例えば樹脂材料などから形成されている。フロントケース12には、前面にタッチパネルが組み付けられている。
【0011】
図2は、フロントケース12からリアケース14を外した状態の分解斜視図である。
図2のように、フロントケース12内に、バッテリー20と、プリント基板及び/又はNFC(Near Field Communication)用のアンテナなどの部品22と、が搭載されている。バッテリー20には、高い電流供給力を持つバッテリーが採用されている。このため、バッテリー20は大型化していて、フロントケース12の半分以上の面積を占めている。
【0012】
図3は、
図2の一部を拡大した斜視図である。
図3のように、バッテリー20は、爪などでバッテリーカバー18に固定されてフロントケース12内に搭載されている。バッテリー20にケーブル24が接続されている。ケーブル24は、一端側にコネクタ26を有し、コネクタ26がバッテリー20に差し込まれることで、バッテリー20に接続されている。バッテリー20に高い電流供給力を持つバッテリーが採用されていることから、大電流を流すために、ケーブル24には太い径のケーブルが用いられている。したがって、ケーブル24は、剛性が高く曲がり難いという性質を有する。
【0013】
図4は、ケーブル24を説明するための斜視図である。
図4のように、フロントケース12内にプリント基板30が配置されている。プリント基板30には、コネクタ32や、例えばCPU(Central Processing Unit)などの電子部品が搭載されている。ケーブル24は他端側にコネクタ28を有し、コネクタ28がプリント基板30に設けられたコネクタ32に差し込まれている。これにより、プリント基板30に搭載された各電子部品は、ケーブル24を介して、バッテリー20から電力が供給される。
【0014】
ケーブル24の一端側のコネクタ26及び他端側のコネクタ28は共に、プリント基板30の上面に平行な方向から、バッテリー20及びコネクタ32に差し込まれている。また、ケーブル24の他端側のコネクタ28は、一端側のコネクタ26がバッテリー20に差し込まれる方向と同じ方向からコネクタ32に差し込まれている。このため、ケーブル24は、一端側のコネクタ26が他端側のコネクタ28よりもプリント基板30の上方に位置するようにU字状に折り曲げられている。このように、ケーブル24をU字状に折り曲げるのは、ケーブル24の余長を確保して、ケーブル24の一端側のコネクタ26をバッテリー20から抜き差しし易くするためである。
【0015】
ケーブル24は剛性が高く曲がり難い性質を有することから、ケーブル24を折り曲げると、ケーブル24には元の状態(例えば直線に延びた状態)に戻ろうとする大きな力が生じる。このため、ケーブル24は、プリント基板30の上方に動こうとする。ケーブル24がプリント基板30の上方に動いてしまうと、リアケース14をフロントケース12に組み付ける際に、ケーブル24が干渉して、組み付けが上手くできないことが起こり得る。このため、プリント基板30の上方へのケーブル24の動きを抑制することが望ましい。
【0016】
図5は、
図3においてバッテリー20を外した状態の斜視図である。
図5のように、プリント基板30上に、ケーブル24を跨いで覆うカバー40が設けられている。カバー40は、例えばABS樹脂やポリカーボネートなどの合成樹脂などから形成されている。カバー40は、例えばケーブル24の折り曲げられた部分近傍を覆い、ケーブル24の一端側近傍及び他端側近傍は覆っていない。なお、カバー40は、ケーブル24の少なくとも一部を覆っていればよく、ケーブル24の全体を覆っていてもよい。カバー40は、ネジ42、ネジ44、及びネジ46(
図5では不図示)によってプリント基板30にしっかりと固定されている。このため、ケーブル24の剛性が高い場合でも、ケーブル24がプリント基板30の上方に動くことを抑制できる。
【0017】
図6は、
図1のA−A間の断面図である。
図6のように、フロントケース12の前面にタッチパネル60を備えた表示デバイス62が取り付けられている。タッチパネル60は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を含み、画像や、各種情報、及びタッチ操作ボタンなどの操作入力用画像などを表示する。フロントケース12内に配置されたプリント基板30上に、ケーブル24やバッテリー20などが設けられている。ケーブル24の一端側のコネクタ26はバッテリー20に差し込まれ、他端側のコネクタ28はプリント基板30に設けられたコネクタ32に差し込まれている。
【0018】
ケーブル24のU字状に折り曲げられた折り曲げ部64よりもケーブル24とは反対側には空間66が形成されている。空間66が形成されることで、ケーブル24の一端側のコネクタ26がバッテリー20に差し込まれている状態でバッテリー20をバッテリーカバー18から抜き差しした場合に、ケーブル24の移動及び撓みの領域を確保できる。
【0019】
ケーブル24と、カバー40のうちのケーブル24を覆う部分と、の間には、空間68が形成されていてもよいし、空間68が形成されずにケーブル24がカバー40に当接していてもよい。ケーブル24の移動及び撓みの領域の確保の点からは、空間68が形成されることが好ましい。
【0020】
フロントケース12の外側にリアケース14が嵌め込まれている。リアケース14内の周囲には弾性部材からなるシール部材16が設けられている。シール部材16がフロントケース12に当接することで、フロントケース12とリアケース14との間に形成される空間の防水性が確保されている。なお、フロントケース12の内側にリアケース14が嵌め込まれる場合でもよい。
【0021】
図7は、プリント基板30に搭載された部品を分解した分解斜視図である。
図8は、
図5のA−A間の断面図である。
図9は、
図7で分解した部品が組み合わされた状態をZ方向から見た図である。
図7から
図9のように、プリント基板30上には、ケーブル24などに加えて、バイブレータなどの振動源34が搭載されている。振動源34が搭載されることで、所定の条件を満たす場合に振動源34によって筐体10が震えて、ユーザに報知することができる。振動源34は、ネジ42、ネジ44、及びネジ46でプリント基板30に固定されたカバー40によってしっかりと固定されている。このため、振動源34の振動は効率的に筐体10に伝わる。
【0022】
ケーブル24と振動源34とは、その間にカバー40以外の他の部品が設けられることなく並んで配置されている。例えば、ケーブル24と振動源34とは、それぞれの長手方向が略同じ方向を向いて並んで配置されている。これにより、ケーブル24と振動源34とが並んだ方向における実装スペースを小さくすることができる。
【0023】
カバー40は、振動源34が圧入された凹部52と、ケーブル24を覆う覆い部50と、を有する。覆い部50は、振動源34とケーブル24との間に位置する凹部52の側壁56から延在して設けられている。
【0024】
カバー40は、ケーブル24と振動源34とが並んだ方向と交差する方向における振動源34の両側でネジ42及びネジ44によってプリント基板30に固定されている。これにより、振動源34をプリント基板30にしっかりと固定できると共に、プリント基板30の上方へのケーブル24の動きをしっかりと抑制できる。なお、カバー40は、ネジ42及びネジ44のどちらか一方によってプリント基板30に固定されている場合でもよい。
【0025】
カバー40は、プリント基板30に搭載された部品36に対して積層実装を可能とする実装部48を有する。実装部48に、プリント基板及び/又はNFC用のアンテナなどの部品22が搭載される。すなわち、部品36と部品22とは積層実装となっている。
【0026】
図10(a)は、カバー40の斜視図、
図10(b)は、
図10(a)をX方向から見た図である。
図10(a)及び
図10(b)のように、ケーブル24を覆う覆い部50は、振動源34が圧入される凹部52の側壁56から延在して設けられている。積層実装を可能とするための実装部48は、覆い部50を挟んで、振動源34が圧入される凹部52とは反対側に設けられている。実装部48に実装される部品の下方に位置する部分には孔54が設けられている。
【0027】
実施例によれば、
図8のように、筐体10内に配置されたプリント基板30(基板)上に、バッテリー20(電池)に接続されるケーブル24と、バイブレータなどの振動源34と、カバー40(固定具)と、が設けられている。カバー40は、振動源34をプリント基板30に固定すると共に、ケーブル24の少なくとも一部を覆っている。このように、振動源34をプリント基板30に固定するカバー40がケーブル24の少なくとも一部を覆うことで、ケーブル24の動きを抑制して、ケーブル24を所定の位置に収納させることができる。また、振動源34をプリント基板30に固定するカバー40を用いてケーブル24の動きを抑制していることから、ケーブル24の動きを抑制する部材を別途設ける場合に比べて、省スペース化を図ることができる。すなわち、ケーブル24の動きを抑制する部材をネジなどによって別途固定する場合に比べて、部品点数を低減することができ、省スペース化を図ることができる。また、ネジ止めなどで固定する工数の削減も図れる。
【0028】
また、実施例によれば、
図6のように、ケーブル24は、バッテリー20に接続される一端側のコネクタ26が他端側のコネクタ28よりもプリント基板30の上方に位置するようにU字状に折り曲げられている。カバー40は、ケーブル24のU字状に折り曲げられた折り曲げ部64近傍を覆い、ケーブル24の電池に接続される一端側のコネクタ26近傍は覆っていない。これにより、ケーブル24の一端側のコネクタ26がバッテリー20に差し込まれている状態で、バッテリー20をバッテリーカバー18の上方に持ってくることを容易にできる。つまり、コネクタ26がバッテリー20に差し込まれている状態で、バッテリー20をバッテリーカバー18から容易に抜き差しすることができる。
【0029】
また、実施例によれば、
図8のように、ケーブル24と振動源34とは、その間にカバー40以外の他の部品が設けられることなく並んで配置されている。これにより、省スペース化を図ることができる。
【0030】
また、実施例によれば、
図8のように、カバー40は、振動源34が圧入された凹部52と、ケーブル24と振動源34との間に位置する凹部52の側壁56から延在してケーブル24を覆う覆い部50と、を有する。これにより、ケーブル24を覆う覆い部50が、プリント基板30に固定される振動源34が圧入された凹部52の近くに設けられるため、ケーブル24の動きを効果的に抑制できる。
【0031】
また、実施例によれば、
図7のように、カバー40は、ケーブル24と振動源34とが並んだ方向と交差する方向における振動源34の両側のうちの少なくとも一方でネジによってプリント基板30に固定されている。これにより、振動源34をしっかりとプリント基板30に固定でき且つケーブル24の動きを効果的に抑制できる。
【0032】
また、実施例によれば、
図7のように、カバー40は、プリント基板30上に実装された部品36に対して部品22が積層されて実装される実装部48を有する。これにより、部品の積層実装を可能とするための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を低減することができ、省スペース化を図ることができる。
【0033】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。