特許第6681143号(P6681143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681143
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】減速機及びガスケット
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20200406BHJP
   F16J 15/12 20060101ALI20200406BHJP
   F16H 57/029 20120101ALI20200406BHJP
【FI】
   F16H1/32 A
   F16J15/12 F
   F16H57/029
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-45732(P2015-45732)
(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-166623(P2016-166623A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年2月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】古田 和哉
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−154849(JP,A)
【文献】 特開2011−047508(JP,A)
【文献】 実開平06−073539(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
F16H 57/029
F16J 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速動作を行う減速部と、
前記減速部に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を含むガスケットと、を備え、
前記ガスケットは、前記第1面及び前記第2面のうち少なくとも一方から突出する突条を含み、
前記減速部は、前記第1面に接続される接続面を含み、
前記接続面は、前記第2面に接続される相手部材に向けて開口した開口領域を規定する内縁を含み、
前記突条は、少なくとも部分的に、前記内縁に沿って延び、
前記ガスケットには、前記接続面の開口領域に対応する形状の開口領域が形成され、
前記ガスケットの前記開口領域には、円形領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第2方向に膨出する第2膨出領域と、が含まれ、
前記ガスケットの前記開口領域を規定する内縁は、前記第1膨出領域の輪郭を規定する第1膨出円弧と、前記第2膨出領域の輪郭を規定する第2膨出円弧と、前記円形領域の輪郭に沿って延び前記第1膨出円弧と前記第2膨出円弧とを繋ぐ中間円弧と、を含み、
前記突条は、前記第1膨出円弧に沿う部分と、前記第2膨出円弧に沿う部分と、前記中間円弧に沿う部分とを含む減速機。
【請求項2】
前記突条は、前記ガスケットの前記開口領域を取り囲む閉ループを描く
請求項に記載の減速機。
【請求項3】
前記突条は、前記相手部材と前記減速部との間で変形可能である
請求項1又は2に記載の減速機。
【請求項4】
前記減速部は、回転中心軸を規定する外筒と、前記回転中心軸周りに前記外筒に対して相対的に回転するキャリアと、を含み、
前記キャリアは、前記接続面を含み、
前記内縁は、前記回転中心軸を取り囲む
請求項乃至のいずれか1項に記載の減速機。
【請求項5】
前記キャリアは、前記接続面の外形輪郭を規定する外周縁を含み、
前記突条は、前記外周縁よりも長い
請求項に記載の減速機。
【請求項6】
前記接続面の前記開口領域は、前記回転中心軸周りに概念的に規定された円形領域と、前記円形領域から前記外周縁に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、を含み、
前記内縁は、前記接続面の前記第1膨出領域の輪郭を規定する円弧部を含み、
前記突条は、前記回転中心軸から前記第1方向に延びる仮想直線と前記円弧部とによって規定される内交点と、前記仮想直線と前記外周縁とによって規定される外交点と、の間を通過する
請求項に記載の減速機。
【請求項7】
前記接続面の前記開口領域は、前記円形領域から前記外周縁に向けて、前記第1方向とは異なる第2方向に膨出する第2膨出領域を含み、
前記接続面は、前記第1膨出領域を前記第2膨出領域から隔てる隔面領域を含み、
前記隔面領域には、前記相手部材との締結に用いられる締結穴が形成され、
前記締結穴は、前記突条と前記外周縁との間に位置する
請求項に記載の減速機。
【請求項8】
前記減速部は、前記回転中心軸周りに回転するギアシャフトと、前記第1膨出領域内に配置され、前記ギアシャフトに噛み合う第1歯車と、前記第2膨出領域内に配置され、前記ギアシャフトに噛み合う第2歯車と、を含む
請求項に記載の減速機。
【請求項9】
前記ガスケットは、ゴム層と金属層とを含む積層構造を有し、
前記突条は、前記ゴム層と前記金属層とによって形成され、
前記ゴム層は、前記減速部又は前記相手部材に当接する
請求項乃至のいずれか1項に記載の減速機。
【請求項10】
減速動作を行う減速部に取り付けられるガスケットであって、
前記減速部に対向する第1面と、
前記第1面とは反対側の第2面と、
前記第1面及び前記第2面のうち少なくとも一方から突出する突条と、を備え、
前記第1面から前記第2面に亘って開口領域が形成され、
前記開口領域には、円形領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第2方向に膨出する第2膨出領域と、が含まれ、
前記開口領域を規定する内縁は、前記第1膨出領域の輪郭を規定する第1膨出円弧と、前記第2膨出領域の輪郭を規定する第2膨出円弧と、前記円形領域の輪郭に沿って延び前記第1膨出円弧と前記第2膨出円弧とを繋ぐ中間円弧と、を含み、
前記突条は、前記第1膨出円弧に沿う部分と、前記第2膨出円弧に沿う部分と、前記中間円弧に沿う部分とを含むガスケット。
【請求項11】
前記第1面及び前記第2面の外形輪郭を規定する外周縁を更に備え、
前記突条は、前記外周縁と、前記開口領域の輪郭縁と、の間に形成される
請求項10に記載のガスケット。
【請求項12】
前記突条は、前記開口領域を取り囲む閉ループを描く
請求項11に記載のガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機及び減速機に用いられるガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットや工作機械といった様々な技術分野において、様々な減速機が用いられている(特許文献1を参照)。特許文献1は、減速機と相手部材との間に面部材を配置することを提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−154849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの場合、小型の設計は、減速機が搭載された様々な装置に対して要求される。したがって、設計者が、特許文献1の技術に基づいて、面部材を配置しようとするならば、可能な限り薄い面部材を使用しようとする。しかしながら、薄い面部材は、減速機と相手部材との間に配置されるとき、折れ曲がりやすい。したがって、薄い面部材の使用は、装置へ減速機を組み込むための組立工程の困難性を増大させる。
【0005】
本発明は、相手部材に対する簡便な取付を可能にする減速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る減速機は、減速動作を行う減速部と、前記減速部に対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を含むガスケットと、を備え、前記ガスケットは、前記第1面及び前記第2面のうち少なくとも一方から突出する突条を含み、前記減速部は、前記第1面に接続される接続面を含む。前記接続面は、前記第2面に接続される相手部材に向けて開口した開口領域を規定する内縁を含む。前記突条は、少なくとも部分的に、前記内縁に沿って延びる。前記ガスケットには、前記接続面の開口領域に対応する形状の開口領域が形成される。前記ガスケットの前記開口領域には、円形領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第2方向に膨出する第2膨出領域と、が含まれる。前記ガスケットの前記開口領域を規定する内縁は、前記第1膨出領域の輪郭を規定する第1膨出円弧と、前記第2膨出領域の輪郭を規定する第2膨出円弧と、前記円形領域の輪郭に沿って延び前記第1膨出円弧と前記第2膨出円弧とを繋ぐ中間円弧と、を含む。前記突条は、前記第1膨出円弧に沿う部分と、前記第2膨出円弧に沿う部分と、前記中間円弧に沿う部分とを含む。
【0009】
上記構成によれば、ガスケットは、第1面及び第2面のうち少なくとも一方から突出する突条を含むので、減速機が相手部材に取り付けられるとき、ガスケットは折れ曲がりにくい。したがって、減速機は、相手部材に簡便に取り付けられる。また、突条、少なくとも部分的に内縁に沿って延びるので、開口領域からの漏液は生じにくくなる。
【0010】
上記構成において、前記突条は、前記ガスケットの前記開口領域を取り囲む閉ループを描いてもよい。
【0011】
上記構成によれば、突条は、ガスケットの開口領域を取り囲む閉ループを描くので、開口領域からの漏液は生じにくくなる。
【0012】
上記構成において、前記突条は、前記相手部材と前記減速部との間で変形可能であってもよい。
【0013】
上記構成によれば、突条は、相手部材と減速部との間で変形可能であるので、ガスケットのシール性能は、突条の復元力によって増大される。
【0014】
上記構成において、前記減速部は、回転中心軸を規定する外筒と、前記回転中心軸周りに前記外筒に対して相対的に回転するキャリアと、を含んでもよい。前記キャリアは、前記接続面を含んでもよい。前記内縁は、前記回転中心軸を取り囲んでもよい。
【0015】
上記構成によれば、突条は、少なくとも部分的に、内縁に沿って延びるので、キャリアからの漏液は生じにくくなる。
【0016】
上記構成において、前記キャリアは、前記接続面の外形輪郭を規定する外周縁を含んでもよい。前記突条は、前記外周縁よりも長くてもよい。
【0017】
上記構成によれば、突条は、外周縁よりも長いので、接続面に強く押しつけられる。
【0018】
上記構成において、前記接続面の前記開口領域は、前記回転中心軸周りに概念的に規定された円形領域と、前記円形領域から前記外周縁に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、を含んでもよい。前記内縁は、前記接続面の前記第1膨出領域の輪郭を規定する円弧部を含んでもよい。前記突条は、前記回転中心軸から前記第1方向に延びる仮想直線と前記円弧部とによって規定される内交点と、前記仮想直線と前記外周縁とによって規定される外交点と、の間を通過してもよい。
【0019】
上記構成によれば、突条は、回転中心軸から第1方向に延びる仮想直線と円弧部とによって規定される内交点と、仮想直線と外周縁とによって規定される外交点と、の間を通過するので、キャリアからの漏液は生じにくくなる
【0020】
上記構成において、前記接続面の前記開口領域は、前記円形領域から前記外周縁に向けて、前記第1方向とは異なる第2方向に膨出する第2膨出領域を含んでもよい。前記接続面は、前記第1膨出領域を前記第2膨出領域から隔てる隔面領域を含んでもよい。前記隔面領域には、前記相手部材との締結に用いられる締結穴が形成されてもよい。前記締結穴は、前記突条と前記外周縁との間に位置してもよい。
【0021】
上記構成によれば、締結穴は、突条を挟んで、開口領域とは反対側に位置するので、締結穴からの漏液は生じにくくなる。
【0022】
上記構成において、前記減速部は、前記回転中心軸周りに回転するギアシャフトと、前記第1膨出領域内に配置され、前記ギアシャフトに噛み合う第1歯車と、前記第2膨出領域内に配置され、前記ギアシャフトに噛み合う第2歯車と、を含んでもよい。
【0023】
上記構成によれば、減速部は、開口領域内のギアシャフト、第1歯車及び第2歯車間の噛み合いによって減速動作を行うことができる。
【0024】
上記構成において、前記ガスケットは、ゴム層と金属層とを含む積層構造を有してもよい。前記突条は、前記ゴム層と前記金属層とによって形成されてもよい。前記ゴム層は、前記減速部又は前記相手部材に当接してもよい。
【0025】
上記構成によれば、減速部又は相手部材に当接するので、高い摩擦力の下で、高い伝達トルクが達成される。
【0026】
本発明の他の局面に係るガスケットは、減速動作を行う減速部に取り付けられるガスケットであって、前記減速部に対向する第1面と、前記第1面とは反対の第2面と、前記第1面及び前記第2面のうち少なくとも一方から突出する突条と、を備え、前記第1面から前記第2面に亘って開口領域が形成される。前記開口領域には、円形領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第1方向に膨出する第1膨出領域と、前記円形領域から径方向外側に向けて第2方向に膨出する第2膨出領域と、が含まれる。前記開口領域を規定する内縁は、前記第1膨出領域の輪郭を規定する第1膨出円弧と、前記第2膨出領域の輪郭を規定する第2膨出円弧と、前記円形領域の輪郭に沿って延び前記第1膨出円弧と前記第2膨出円弧とを繋ぐ中間円弧と、を含む。前記突条は、前記第1膨出円弧に沿う部分と、前記第2膨出円弧に沿う部分と、前記中間円弧に沿う部分とを含む。
【0027】
上記構成によれば、ガスケットは、第1面及び第2面のうち少なくとも一方から突出する突条を含むので、ガスケットは折れ曲がりにくい。したがって、ガスケットは、減速部に容易に取り付けられる。
【0028】
上記構成において、ガスケットは、前記第1面及び前記第2面の外形輪郭を規定する外周縁を更に備えてもよい。前記突条は、前記外周縁と、前記開口領域の輪郭縁と、の間に形成されてもよい。
【0029】
上記構成によれば、突条は、外周縁と、外周縁に向けて膨出する開口領域の輪郭縁と、の間に形成されるので、ガスケットは、半径方向に薄くなる部位において、厚さ方向に大きな寸法を有することになる。したがって、ガスケットは、折れ曲がりにくくなる。
【0032】
上記構成において、前記突条は、前記開口領域を取り囲む閉ループを描いてもよい。
【0033】
上記構成によれば、突条は、開口領域を取り囲む閉ループを描くので、開口領域からの漏液は生じにくくなる
【発明の効果】
【0034】
上述の技術は、相手部材に対する簡便な減速機の取付を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態の減速機の概念図である。
図2】第2実施形態の減速機の概念図である。
図3】第3実施形態のガスケットの拡大断面図である。
図4図1を参照して説明された減速部の接続面の概略図である(第4実施形態)。
図5図4に示される接続面に接続されるガスケットの概略図である。
図6図4に示される減速部のギア構造の概略図である。
図7図4に示される接続面に接続されるガスケットの概略図である(第5実施形態)。
図8】第6実施形態の減速機の概略的な断面図である。
図9図8に示される減速機の減速部の概略的な正面図である。
図10図8に示されるA−A線に沿う概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<第1実施形態>
本発明者等は、薄いガスケットの使用は、減速機の組付工程の効率を低減させるという課題を見出した。薄いガスケットは、減速機と相手部材との間で折れ曲がりやすい。したがって、熟練した技術が、減速機の組付工程に携わる作業者に要求される。第1実施形態において、全体的に薄く、且つ、折れ曲がりにくいガスケットを備える減速機が説明される。
【0037】
図1は、第1実施形態の減速機100の概念図である。図1を参照して、減速機100が説明される。
【0038】
減速機100は、減速部200と、ガスケット300と、を備える。減速部200は、減速動作を行うための構造を有する。例えば、減速部200は、様々な揺動型減速機の構造を有してもよい。代替的に、減速部200は、他の種類の減速機の構造を有してもよい。本実施形態の原理は、減速部200の特定の構造に限定されない。
【0039】
ガスケット300は、第1面311と、第2面312と、突条313と、を含む。第1面311は、減速部200に対向する。第1面311とは反対側の第2面312は、相手部材CPMに対向する。第1面311及び第2面312は、平坦である。相手部材CPMは、ロボットの一部であってもよい。代替的に、相手部材CPMは、工作機械の一部であってもよい。本実施形態の原理は、相手部材CPMとして用いられる特定の装置に限定されない。
【0040】
突条313は、第1面311から減速部200に向けて突出する。突条313は、ガスケット300の剛性を増大させるので、設計者は、ガスケット300の厚さ(即ち、第1面311と第2面312との間の距離)に小さな値(たとえば、0.5mm以下の値)を与えてもよい。
【0041】
ガスケット300は、突条313において、局所的に強く減速部200に当接される。したがって、ガスケット300は高いシール性能を有することができる。
【0042】
突条313は、減速部200からの漏液が生じやすい領域にのみ形成されてもよい。代替的に、突条313は、第1面311上において閉ループを描いてもよい。本実施形態の原理は、突条313によって描かれる特定の形状に限定されない。
【0043】
ガスケット300は、ゴム層を有してもよい。ゴム層が、第1面311及び/又は第2面312を形成するならば、減速部200と相手部材CPMとの間で高い摩擦力が発生する。したがって、減速機100は高い伝達トルクを達成することができる。ガスケット300は、ゴム層と金属層とを含む積層構造を有してもよい。この場合、突条の変形に伴う金属層からの復元力は高くなる。したがって、減速機100は高い伝達トルクを達成することができる。減速機100を設計する設計者は、ガスケット300に、他の様々な構造を与えてもよい。本実施形態の原理は、ガスケット300の特定の構造に限定されない。
【0044】
<第2実施形態>
減速部に向けて突出する突条に代えて、又は、減速部に向けて突出する突条に加えて、ガスケットは、相手部材に向けて突出する突条を有してもよい。第2実施形態において、相手部材に向けて突出する突条を有するガスケットを備える減速機が説明される。
【0045】
図2は、第2実施形態の減速機100Aの概念図である。第1実施形態及び第2実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図2を参照して、減速機100Aが説明される。
【0046】
第1実施形態と同様に、減速機100Aは、減速部200を備える。第1実施形態の説明は、減速部200に援用される。
【0047】
減速機100Aは、ガスケット300Aを備える。第1実施形態と同様に、ガスケット300Aは、第1面311と、第2面312と、を含む。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0048】
ガスケット300Aは、突条313Aを更に含む。突条313Aは、第2面312から相手部材CPMに向けて突出する。突条313Aは、ガスケット300Aの剛性を増大させるので、設計者は、ガスケット300Aの厚さ(即ち、第1面311と第2面312との間の距離)に小さな値(たとえば、0.5mm以下の値)を与えてもよい。
【0049】
ガスケット300Aは、突条313Aにおいて、局所的に強く相手部材CPMに当接される。したがって、ガスケット300Aは高いシール性能を有することができる。
【0050】
突条313Aは、減速部200からの漏液が生じやすい領域にのみ形成されてもよい。代替的に、突条313Aは、第2面312上において閉ループを描いてもよい。本実施形態の原理は、突条313Aによって描かれる特定の形状に限定されない。
【0051】
ガスケット300Aは、ゴム層を有してもよい。ゴム層が、第1面311及び/又は第2面312を形成するならば、減速部200と相手部材CPMとの間で高い摩擦力が発生する。したがって、減速機100Aは高い伝達トルクを達成することができる。ガスケット300Aは、ゴム層と金属層とを含む積層構造を有してもよい。この場合、突条の変形に伴う金属層からの復元力は高くなる。したがって、減速機100Aは高い伝達トルクを達成することができる。減速機100Aを設計する設計者は、ガスケット300Aに、他の様々な構造を与えてもよい。本実施形態の原理は、ガスケット300Aの特定の構造に限定されない。
【0052】
<第3実施形態>
ガスケットは、ゴム層と金属層とを含む積層構造を有してもよい。第3実施形態において、積層構造を有するガスケットが説明される。
【0053】
図3は、第3実施形態のガスケット300Bの拡大断面図である。第1実施形態及び第3実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1及び図3を参照して、ガスケット300Bが説明される。
【0054】
ガスケット300Bは、図1を参照して説明されたガスケット300として利用可能である。ガスケット300Bは、第1ゴム層321と、第2ゴム層322と、金属層323と、を含む。第1ゴム層321、第2ゴム層322及び金属層323は、積層構造を形成する。第1ゴム層321は、第1面311を形成する。第2ゴム層322は、第2面312を形成する。金属層323は、第1ゴム層321と第2ゴム層322とに挟まれる。
【0055】
第1ゴム層321は、ガスケット300Bと減速部200との間での高い摩擦力をもたらす。第2ゴム層322は、ガスケット300Bと相手部材CPMとの間での高い摩擦力をもたらす。したがって、減速機100は、高い伝達トルクを達成することができる。
【0056】
金属層323は、ガスケット300Bの捻り変形の低減に貢献する。したがって、減速機100は、高い伝達トルクを達成することができる。
【0057】
第1ゴム層321、金属層323及び第2ゴム層322は、突条313を形成する。第1ゴム層321は、減速部200に当接する。したがって、ガスケット300Bは、突条313において、局所的に強く押しつけられる。この結果、減速機100からの漏液は生じにくくなる。
【0058】
突条313の形成位置において、第2ゴム層322は凹没している。したがって、図3に示される積層構造は、一般的なプレス加工によって容易に形成可能である。
【0059】
減速機100が、相手部材CPMに取り付けられると、突条313は、減速部200と相手部材CPMとの間で圧縮変形される。この結果、突条313が形成された領域において、復元力が働く。突条313は、減速部200に強く押しつけられるので、減速機100からの漏液は生じにくくなる。
【0060】
<第4実施形態>
減速機を設計する設計者は、ガスケットに当接される減速部の接続面に、減速機の用途に適した様々な形状を与えることができる。第4実施形態において、接続面の例示的な形状が説明される。
【0061】
図4は、減速部200の接続面210の概略図である。第1実施形態及び第4実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1及び図4を参照して、接続面210が説明される。
【0062】
接続面210は、ガスケット300の第1面311と面接触する。接続面210は、内縁211と外周縁212とを含む。内縁211は、回転中心軸CRXを取り囲む。内縁211は、ガスケット300の第2面312に接続される相手部材CPMに向けて開口した開口領域220を規定する。外周縁212は、接続面210の円形の外形輪郭を規定する。
【0063】
図4は、回転中心軸CRXと円形鎖線CCLとを概念的に示す。回転中心軸CRXは、減速部200の回転運動の回転中心を表す。円形鎖線CCLは、回転中心軸CRXを中心とした開口領域220に内接する内接円である。内接円の中心は、回転中心軸CRXに略一致する。本実施形態において、円形領域は、円形鎖線CCLによって囲まれた円形領域によって例示される。
【0064】
図4は、回転中心軸CRXから放射状に延びる3つの点線DL1,DL2,DL3を概念的に示す。点線DL1,DL2によって規定される挟角は、120°である。点線DL2,DL3によって規定される挟角も、120°である。点線DL3,DL1によって規定される挟角も、120°である。
【0065】
開口領域220は、円形鎖線CCLによって囲まれた領域に加えて、3つの膨出領域221,222,223を含む。膨出領域221は、点線DL1の延出方向において、円形鎖線CCLから外周縁212に向けて膨出する。膨出領域222は、点線DL2の延出方向において、円形鎖線CCLから外周縁212に向けて膨出する。膨出領域223は、点線DL3の延出方向において、円形鎖線CCLから外周縁212に向けて膨出する。本実施形態において、第1膨出領域は、膨出領域221によって例示される。第2膨出領域は、膨出領域222によって例示される。第1方向は、点線DL1の延出方向によって例示される。第2方向は、点線DL2の延出方向によって例示される。
【0066】
内縁211は、3つの膨出円弧231,232,233と3つの中間円弧213,214,215とを含む。膨出円弧231は、膨出領域221の輪郭を規定する。膨出円弧232は、膨出領域222の輪郭を規定する。膨出円弧233は、膨出領域223の輪郭を規定する。中間円弧213は、膨出円弧231と膨出円弧232との間で延び、円形鎖線CCLに重なる。中間円弧214は、膨出円弧232と膨出円弧233との間で延び、円形鎖線CCLに重なる。中間円弧215は、膨出円弧233と膨出円弧231との間で延び、円形鎖線CCLに重なる。本実施形態において、円弧部は、膨出円弧231によって例示される。
【0067】
図4は、3つの内交点IS1,IS2,IS3と、3つの外交点OS1,OS2,OS3と、を概念的に示す。内交点IS1は、膨出円弧231と点線DL1とによって規定される交点を意味する。内交点IS2は、膨出円弧232と点線DL2とによって規定される交点を意味する。内交点IS3は、膨出円弧233と点線DL3とによって規定される交点を意味する。外交点OS1は、外周縁212と点線DL1とによって規定される交点を意味する。外交点OS2は、外周縁212と点線DL2とによって規定される交点を意味する。外交点OS3は、外周縁212と点線DL3とによって規定される交点を意味する。内交点IS1と外交点OS1との間の距離、内交点IS2と外交点OS2との間の距離及び内交点IS3と外交点OS3との間の距離は非常に短い。したがって、開口領域220内の液体(たとえば、潤滑油)は、内交点IS1から外交点OS1へ向かう漏液経路、内交点IS2から外交点OS2へ向かう漏液経路や内交点IS3から外交点OS3へ向かう漏液経路を形成しやすい。本実施形態において、仮想直線は、点線DL1によって例示される。
【0068】
図5は、接続面210に接続されるガスケット300Dの概略図である。図1図4及び図5を参照して、ガスケット300Dが説明される。
【0069】
ガスケット300Dは、図1を参照して説明されたガスケット300として利用可能である。ガスケット300Dは、第1面311Dと、内縁331と、外周縁332と、3つの突条341,342,343と、を含む。第1面311Dは、図1を参照して説明された第1面311に対応する。
【0070】
内縁331は、開口領域350を規定する。ガスケット300Dの開口領域350は、接続面210の開口領域220と、形状及び大きさにおいて略一致する。したがって、接続面210の内縁211の形状に関する説明は、ガスケット300Dの内縁331に援用される。本実施形態において、輪郭縁は、内縁331によって例示される。
【0071】
外周縁332は、ガスケット300Dの円形の外形輪郭を規定する。ガスケット300Dの外周縁332は、接続面210の外周縁212と、形状及び大きさにおいて略一致する。
【0072】
突条341,342,343それぞれは、第1面311Dから接続面210に向けて突出する。突条341,342,343は、互いに離れている。突条341,342,343それぞれは、内縁331と外周縁332との間で形成される。
【0073】
突条341は、点線DL1と交差する位置に形成される。したがって、第1面311Dが接続面210に接続されると、突条341は、内交点IS1と外交点OS1との間を通過する。
【0074】
突条342は、点線DL2と交差する位置に形成される。したがって、第1面311Dが接続面210に接続されると、突条342は、内交点IS2と外交点OS2との間を通過する。
【0075】
突条343は、点線DL3と交差する位置に形成される。したがって、第1面311Dが接続面210に接続されると、突条343は、内交点IS3と外交点OS3との間を通過する。
【0076】
接続面210及びガスケット300Dの内縁211,331は、内交点IS1,IS2,IS3において、接続面210及びガスケット300Dの外周縁212,332に最も接近する。突条341,342,343は、内縁211,331が外周縁212,332に最も接近する内交点IS1,IS2,IS3に対応して形成されるので、開口領域220からの漏液は生じにくくなる。
【0077】
図6は、減速部200Dのギア構造の概略図である。図1図4乃至図6を参照して、減速部200Dが説明される。
【0078】
減速部200Dは、ギアシャフト250と、3つの伝達歯車251,252,253と、を含む。ギアシャフト250は、回転中心軸CRXに沿って延びる。ギアシャフト250は、回転中心軸CRX周りに回転する。伝達歯車251,252,253それぞれは、ギアシャフト250に噛み合う。
【0079】
伝達歯車251は、膨出領域221と円形鎖線CCLによって囲まれた領域とに跨るように配置される。伝達歯車252は、第2膨出領域222と円形鎖線CCLによって囲まれた領域とに跨るように配置される。伝達歯車253は、第3膨出領域223と円形鎖線CCLによって囲まれた領域とに跨るように配置される。ギアシャフト250及び伝達歯車251,252,253間の焼き付きを防止するために、潤滑油が、開口領域220内に収容される。突条341,342,343は、接続面210に強く押しつけられるので、潤滑油は、開口領域220から漏出しにくくなる。本実施形態において、第1歯車は、伝達歯車251によって例示される。第2歯車は、伝達歯車252によって例示される。
【0080】
<第5実施形態>
第4実施形態に関連して説明されたガスケットは、断続的に配置された複数の突条を含む。代替的に、ガスケットは、閉ループを描くように形成された突条を含んでもよい。第5実施形態において、閉ループを描く突条を含むガスケットが説明される。
【0081】
図7は、接続面210に接続されるガスケット300Eの概略図である。第4実施形態及び第5実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1図4及び図7を参照して、ガスケット300Eが説明される。
【0082】
ガスケット300Eは、図1を参照して説明されたガスケット300として利用可能である。第4実施形態と同様に、ガスケット300Eは、第1面311Dと、内縁331と、外周縁332と、を含む。第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0083】
ガスケット300Eは、突条340を更に含む。突条340は、内縁331に沿って延び、閉ループを描く。
【0084】
内縁211,331は、外周縁212,332よりも長いので、内縁331に沿って閉ループを描く突条340の全長は、外周縁212,332よりも長くなる。このことは、ガスケット300Eは、接続面210に強く押しつけられるので、減速機100(図1を参照)からの漏液は生じにくくなることを意味する。
【0085】
図4に示される如く、接続面210は、3つの締結領域261,262,263を含む。締結領域261は、点線DL1,DL2間において、回転中心軸CRXに向けて隆起し、膨出領域221を膨出領域222から隔てる。締結領域262は、点線DL2,DL3間において、回転中心軸CRXに向けて隆起し、膨出領域222を膨出領域223から隔てる。締結領域263は、点線DL3,DL1間において、回転中心軸CRXに向けて隆起し、膨出領域223を膨出領域221から隔てる。本実施形態において、隔面領域は、締結領域261によって例示される。
【0086】
締結領域261,262,263それぞれには、複数の締結穴265が形成される。ガスケット300Eにも複数の締結穴360が形成される。ガスケット300Eの締結穴360の配置パターンは、接続面210の締結穴265の配置パターンに一致する。締結穴265,360は、接続面210と相手部材CPMとの間の締結に利用される。
【0087】
ガスケット300Eが、接続面210に接続されると、締結穴265,360は、突条340と外周縁212,332との間に位置することとなる。したがって、開口領域220内の潤滑油は、締結穴265,360から漏出しにくくなる。
【0088】
<第6実施形態>
設計者は、減速機に様々な減速構造を与えることができる。第6実施形態において、減速機の例示的な減速構造が説明される。
【0089】
図8は、第6実施形態の減速機100Fの概略的な断面図である。第4実施形態乃至第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態又は第5実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態又は第5実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1及び図8を参照して、減速機100Fが説明される。
【0090】
減速機100Fは、減速部200Fと、第5実施形態に関連して説明されたガスケット300Eと、を備える。ガスケット300Eは、減速部200Fと、相手部材CPMと、の間で圧縮される。
【0091】
減速部200Fは、略円筒状の外筒410と、略円筒状のキャリア420と、2つの主軸受431,432と、を含む。外筒410は、回転中心軸CRXを規定する。キャリア420は、主軸受431,432によって、外筒410内で保持される。主軸受432は、主軸受431よりも相手部材CPMから離れた位置で、キャリア420を保持する。主軸受431,432は、外筒410とキャリア420との間での相対的な回転動作を可能にする。キャリア420は、第5実施形態に関連して説明された接続面210を含む。
【0092】
図9は、減速部200Fの概略的な正面図である。図6図8及び図9を参照して、減速機100Fが更に説明される。
【0093】
キャリア420は、基部421と端板部422とを含む。基部421は、上述の接続面210を含む。したがって、開口領域220は、基部421に形成される。端板部422は、接続面210とは反対側に配置され、基部421に締結される。
【0094】
減速部200Fは、3つの伝達歯車254を更に含む。3つの伝達歯車254は、図6を参照して説明された伝達歯車251,252,253にそれぞれ対応する。
【0095】
キャリア420には、回転中心軸CRXに沿って形成された中央空洞部423が形成される。中央空洞部423は、開口領域220に連通する。駆動源(図示せず)からの駆動力によって回転するギアシャフト(図示せず)は、中央空洞部423に挿入され、3つの伝達歯車254それぞれに噛み合う。
【0096】
減速部200Fは、3つのクランク軸440を更に含む。3つの伝達歯車254は、3つのクランク軸440にそれぞれ取り付けられる。3つのクランク軸440それぞれは、外筒410によって規定された回転中心軸CRXから離間した位置で規定された回転中心軸DRX周りに回転する。回転中心軸DRXは、回転中心軸CRXと略平行に延びる。3つのクランク軸440それぞれは、回転中心軸DRXに沿って、3つの伝達歯車254から端板部422に向けて延びる。
【0097】
3つのクランク軸440それぞれは、第1軸端部441と、第2軸端部442と、第1偏心部443と、第2偏心部444と、を含む。伝達歯車254は、第1軸端部441に取り付けられる。第2軸端部442は、端板部422によって保持される。第1軸端部441及び第2軸端部442は、回転中心軸DRX周りに同軸回転する。第1偏心部443及び第2偏心部444それぞれは、回転中心軸DRXから偏心している。第1偏心部443の偏心方向は、第2偏心部444の偏心方向とは相違する。
【0098】
減速部200Fは、3つのクランク軸440それぞれに対して、4つの軸受451,452,453,454を含む。軸受451は、第1軸端部441に取り付けられる。軸受451は、基部421と第1軸端部441との間に配置される。軸受452は、第2軸端部442に取り付けられる。軸受452は、端板部422と第2軸端部442との間に配置される。軸受451,452は、協働して、回転中心軸DRXを規定する。軸受453は、第1偏心部443に取り付けられる。軸受454は、第2偏心部444に取り付けられる。
【0099】
図10は、図8に示されるA−A線に沿う概略的な断面図である。図8及び図10を参照して、減速部200Fが更に説明される。
【0100】
減速部200Fは、2つの揺動歯車461,462を含む。揺動歯車461は、軸受453を介して、第1偏心部443に接続される。揺動歯車462は、軸受454を介して、第2偏心部444に接続される。揺動歯車461,462は、接続面210と端板部422との間に配置される。揺動歯車461,462それぞれには、基部421の挿通を許容する開口部463が形成される。したがって、基部421は、端板部422に適切に連結される。
【0101】
外筒410は、略円筒形状の外郭体411と多数のピン412とを含む。多数のピン412は、外郭体411の内周面に略等間隔に取り付けられ、内歯として機能する。多数のピン412それぞれは、回転中心軸CRXと略平行に延びる。揺動歯車461,462それぞれは、これらのピン412と噛み合う。
【0102】
揺動歯車461の揺動運動は、揺動歯車462の揺動運動から、位相において、180°だけずれている。したがって、揺動歯車461が、多数のピン412のうち約半数と噛み合っている間、揺動歯車462は、残りの約半数のピン412に噛み合う。
【0103】
第1偏心部443及び第2偏心部444の偏心回転は、揺動歯車461,462の中心が、回転中心軸CRXの周囲を周回する揺動運動を、揺動歯車461,462に与える。この結果、揺動歯車461,462は、多数のピン412に噛み合いながら揺動する。
【0104】
外筒410が固定されているならば、揺動歯車461,462の揺動運動は、キャリア420の回転を生じさせる。キャリア420が固定されているならば、揺動歯車461,462の揺動運動は、外筒410の回転を生じさせる。
【0105】
上述の様々な実施形態の原理は、減速機に対する要求に適合するように、組み合わされてもよい。たとえば、減速部は、3未満のクランク軸を有してもよい。代替的に、減速部は、3を超えるクランク軸を有してもよい。減速部は、1つの揺動歯車を有してもよい。代替的に、減速部は、2を超える揺動歯車を有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
上述の実施形態の原理は、様々な減速機の設計に好適に利用される。
【符号の説明】
【0107】
100,100A,100F・・・・・・・・・・・・・・・減速機
200,200D,200F・・・・・・・・・・・・・・・減速部
210・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・接続面
211・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内縁
212・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外周縁
220・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・開口領域
221,222・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・膨出領域
231,232・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・膨出円弧
250・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギアシャフト
251,252,254・・・・・・・・・・・・・・・・・伝達歯車
261・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・締結領域
265・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・締結穴
300,300A,300B,300D,300E・・・・・ガスケット
311,311D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1面
312・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2面
313,313A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突条
321・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1ゴム層
322・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2ゴム層
323・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金属層
340〜343・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突条
410・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外筒
420・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キャリア
CCL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・円形鎖線
CPM・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・相手部材
CRX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・回転中心軸
DL1,DL2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・点線
IS1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内交点
OS1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外交点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10