特許第6681186号(P6681186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681186
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】レール踏面掃除装置
(51)【国際特許分類】
   E01H 8/10 20060101AFI20200406BHJP
   E01B 31/00 20060101ALI20200406BHJP
   B61K 13/00 20060101ALI20200406BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20200406BHJP
   B61B 13/06 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   E01H8/10
   E01B31/00
   B61K13/00 Z
   B61D15/00 B
   B61B13/06 M
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-248785(P2015-248785)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-115320(P2017-115320A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391030125
【氏名又は名称】保線機器整備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】工藤 友樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 三千雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕晋
(72)【発明者】
【氏名】花澤 幸治
(72)【発明者】
【氏名】細川 誠二
(72)【発明者】
【氏名】松山 信治
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−081610(JP,U)
【文献】 実開平07−008142(JP,U)
【文献】 特開2012−026183(JP,A)
【文献】 特開2006−312417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 8/10
E01B 31/00
B61K 13/00
B61D 15/00
B61B 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールの踏面を掃除するレール踏面掃除装置であって、
エンジンまたはモータ等の駆動源によりレール上を走行する軌道自転車の連結部に一端側が着脱自在に連結される連結ロッドと、
その連結ロッドの他端側に連結され、前記軌道自転車によって押され又は牽引されてレール上を走行しながら当該レールの踏面を掃除するレール踏面掃除用台車と、を備え、
当該レール踏面掃除用台車は、
前記連結ロッドの他端側が連結される連結部を有し、左右両側にレール上で回転する車輪が設けられた台車本体と、
その台車本体の前記車輪の回転軸に設けられた駆動歯車と、
前記台車本体がレール上を走行して前記車輪が回転した際の前記駆動歯車の回転を伝達する回転伝達機構部と、
前記回転伝達機構部によって伝達された前記駆動歯車の回転を受けてレールの踏面を掃除するクリーナー手段とが設けられたレール踏面掃除機構部と、
を有することを特徴とするレール踏面掃除装置。
【請求項2】
請求項1記載のレール踏面掃除装置であって、
前記連結ロッドの一端側は、前記軌道自転車の前方の連結部に着脱自在に連結される一方、
前記連結ロッドの他端側は、前記レール踏面掃除用台車の前記台車本体の後方の連結部に連結され、
前記レール踏面掃除機構部は、前記軌道自転車の前方でレールの踏面を掃除することを特徴とするレール踏面掃除装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のレール踏面掃除装置において
前記レール踏面掃除機構部は、
前記台車本体に回転可能に支持された回転軸部を有し、
前記回転軸部には、前記回転伝達機構部によって伝達された前記駆動歯車の回転を受けて回転する受動歯車と、前記受動歯車の回転によって回転してレールの踏面を掃除する前記クリーナー手段とが設けられており、
前記回転軸部は、
前記台車本体の走行方向に対し斜めに設けられ、
前記回転軸部に設けられた前記クリーナー手段は回転して、レール上の踏面に堆積した汚れを、前記台車本体の走行方向に対し斜め後方の外側へ履き出すことを特徴とするレール踏面掃除装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレール踏面掃除装置において、
前記回転伝達機構部は、
前記駆動歯車に噛合して前記車輪の回転方向とは逆方向に回転して伝達する第1伝達歯車と、
その第1伝達歯車が固定され、前記台車本体に回転可能に支持された伝達軸部と、
その伝達軸に固定され前記第1伝達歯車と同じ方向に回転すると共に、前記レール踏面掃除機構部の前記受動歯車に噛合して、前記受動歯車、前記回転軸部および前記クリーナー手段を前記車輪の回転方向と同じ方向に回転させる第2伝達歯車と、
を有することを特徴とするレール踏面掃除装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のレール踏面掃除装置において、
前記レール踏面掃除機構部の前記受動歯車として、
歯数が異なる複数の前記受動歯車が前記回転軸部に設けられており、その複数の前記受動歯車の内、一の受動歯車を選択することにより前記クリーナー手段の回転数が変更可能であることを特徴とするレール踏面掃除装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一の請求項に記載のレール踏面掃除装置において、
前記連結ロッドの一端側である前記軌道自転車側には、下方に突出したブレーキ用突起部が設けられており、
当該レール踏面掃除用台車に他端側が連結された前記連結ロッドの一端側が前記軌道自転車の連結部から切り離された場合、当該連結ロッドの一端側が下降して、前記ブレーキ用突起部がレール間の路面上に接触して前記レール踏面掃除用台車の逸走が防止されることを特徴とするレール踏面掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道のレールの踏面を掃除するレール踏面掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道のレールの踏面に火山灰等の降灰が積もったり、虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れが堆積すると、レール上を走行する鉄道の車輪がスリップしたり、レール上を流れている電気系統に不具合が生じて、踏切などが誤作動するおそれがあるため、レールの踏面を掃除する必要がある。
【0003】
そのため、従来は、箒等により人手でレールの踏面を掃除したり、火山灰が常時堆積する地域では、エンジンでワイヤーブラシを回転させてレールの踏面に堆積した火山灰を除去する降灰専用のレール踏面掃除装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「熊本)火山灰、お掃除お任せ 南阿蘇鉄道が軌陸車を導入」(朝日新聞デジタル、http://www.asahi.com/articles/ASH6230WBH62TLVB001.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の非特許文献1の従来技術は、草刈り用機械を改良したもので、専用エンジンでワイヤーブラシを回転させる構造であるため、燃料等のコストがかかると共に、騒音が大きいという問題がある。
【0006】
また、前述の非特許文献1の従来技術では、草刈り用機械を改良したレール踏面掃除装置を軌陸車の後部荷台に取り付け、前進走行時にレールの踏面に堆積した火山灰を除去するように構成しているため、レールが傾斜していたり、さらにはレールの踏面に堆積した虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れの状況によっては、軌陸車の車輪自体がスリップして、レールの踏面を効率良く掃除できない場合も考えられる。
【0007】
そこで、本発明はこれらの問題点等に着目してなされたもので、第1には、ブラシを回転させるエンジン等が不要で、低コストかつ低騒音でレールの踏面を掃除することができ、第2には、さらにはスリップすることなくレールの踏面を効率良く掃除することができるレール踏面掃除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るレール踏面掃除装置では、レールの踏面を掃除するレール踏面掃除装置であって、エンジンまたはモータ等の駆動源によりレール上を走行する軌道自転車の連結部に一端側が着脱自在に連結される連結ロッドと、その連結ロッドの他端側に連結され、前記軌道自転車によって押され又は牽引されてレール上を走行しながら当該レールの踏面を掃除するレール踏面掃除用台車と、を備え、当該レール踏面掃除用台車は、前記連結ロッドの他端側が連結される連結部を有し、左右両側にレール上で回転する車輪が設けられた台車本体と、その台車本体の前記車輪の回転軸に設けられた駆動歯車と、前記台車本体がレール上を走行して前記車輪が回転した際の前記駆動歯車の回転を伝達する回転伝達機構部と、前記回転伝達機構部によって伝達された前記駆動歯車の回転を受けてレールの踏面を掃除するクリーナー手段とが設けられたレール踏面掃除機構部と、を有することを特徴とする。
ここで、本発明に係るレール踏面掃除装置では、前記連結ロッドの一端側は、前記軌道自転車の前方の連結部に着脱自在に連結される一方、前記連結ロッドの他端側は、前記レール踏面掃除用台車の前記台車本体の後方の連結部に連結され、前記レール踏面掃除機構部は、前記軌道自転車の前方でレールの踏面を掃除するように構成すると良い。
また、本発明に係るレール踏面掃除装置では、前記レール踏面掃除機構部は、前記台車本体に回転可能に支持された回転軸部を有し、前記回転軸部には、前記回転伝達機構部によって伝達された前記駆動歯車の回転を受けて回転する受動歯車と、前記受動歯車の回転によって回転してレールの踏面を掃除する前記クリーナー手段とが設けられており、前記回転軸部は、前記台車本体の走行方向に対し斜めに設けられ、前記回転軸部に設けられた前記クリーナー手段は回転して、レール上の踏面に堆積した汚れを、前記台車本体の走行方向に対し斜め後方の外側へ履き出すように構成しても良い。
また、本発明に係るレール踏面掃除装置では、前記回転伝達機構部は、前記駆動歯車に噛合して前記車輪の回転方向とは逆方向に回転して伝達する第1伝達歯車と、その第1伝達歯車が固定され、前記台車本体に回転可能に支持された伝達軸部と、その伝達軸に固定され前記第1伝達歯車と同じ方向に回転すると共に、前記レール踏面掃除機構部の前記受動歯車に噛合して、前記受動歯車、前記回転軸部および前記クリーナー手段を前記車輪の回転方向と同じ方向に回転させる第2伝達歯車とを有するようにしても良い。
また、本発明に係るレール踏面掃除装置では、前記レール踏面掃除機構部の前記受動歯車として、歯数が異なる複数の前記受動歯車が前記回転軸部に設けられており、その複数の前記受動歯車の内、一の受動歯車を選択することにより前記クリーナー手段の回転数が変更可能に構成するとさらに良い。
また、本発明に係るレール踏面掃除装置では、前記連結ロッドの一端側である前記軌道自転車側には、下方に突出したブレーキ用突起部が設けられており、当該レール踏面掃除用台車に他端側が連結された前記連結ロッドの一端側が前記軌道自転車の連結部から切り離された場合、当該連結ロッドの一端側が下降して、前記ブレーキ用突起部がレール間の路面上に接触して前記レール踏面掃除用台車の逸走を防止できるように構成するとさらに良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレール踏面掃除装置によれば、軌道自転車の連結部に一端側が着脱自在に連結される連結ロッドと、その連結ロッドの他端側に連結され、軌道自転車によって押され又は牽引されてレール上を走行しながら当該レールの踏面を掃除するレール踏面掃除用台車とを備え、そのレール踏面掃除用台車は、左右両側にレール上で回転する車輪が設けられた台車本体と、その台車本体の車輪の回転軸に設けられた駆動歯車と、台車本体がレール上を走行して車輪が回転した際の駆動歯車の回転を伝達する回転伝達機構部と、その回転伝達機構部によって伝達された駆動歯車の回転を受けてレールの踏面を掃除するクリーナー手段とが設けられたレール踏面掃除機構部とを有する。
そのため、本発明のレール踏面掃除装置には、走行するためのエンジンやモータ等の駆動源や、クリーナー手段を動作させるエンジン等が不要となり、低コストかつ低騒音でレールの踏面を掃除することができる。
また、本発明のレール踏面掃除装置では、連結ロッドの一端側を軌道自転車の前方の連結部に着脱自在に連結し、連結ロッドの他端側をレール踏面掃除用台車の台車本体の後方の連結部に連結した場合、レール踏面掃除機構部は軌道自転車の前方でレールの踏面を掃除することになるので、軌道自転車をスリップさせることなくレールの踏面を効率良く掃除できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置が軌道自転車に連結された状態を示す側面図である。
図2】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置が軌道自転車に連結された状態を示す平面図である。
図3】軌道自転車に連結された本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置を示す側面図である。
図4】軌道自転車に連結された本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置を示す平面図である。
図5】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置の平面図である。
図6】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置の片側の車輪やレール踏面掃除機構部等の部分を示す拡大平面図である。
図7】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置の側面図である。
図8】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置の片側の車輪やレール踏面掃除機構部等の部分を示す拡大側面図である。
図9】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置の底面図である。
図10】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置をレール踏面掃除装置に連結した状態の連結ロッドを含む部分の拡大平面図、拡大側面図である。
図11】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置をレール踏面掃除装置に連結していない状態の連結ロッドを含む部分の拡大平面図、拡大側面図である。
図12】本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置が軌道自転車に連結されていない状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る実施形態のレール踏面掃除装置1について説明する。尚、下記に説明する実施形態のレール踏面掃除装置1では、レールの踏面に堆積した火山灰を除去するものとして説明するが、火山灰の除去はあくまで本発明の一例であり、本発明に係るレール踏面掃除装置では、火山灰以外のレールの踏面に堆積や付着、こびリ付いた虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れを除去して掃除することも可能である。
【0012】
≪本実施形態のレール踏面掃除装置1の構成≫
図1図4に示すように、実施形態のレール踏面掃除装置1は、レールRの踏面上に積もった火山灰等の降灰を除去する装置で、エンジンまたはモータ等の駆動源によりレールRの踏面上を走行する軌道自転車2に連結されて、押されたり、牽引されて使用されるもので、エンジンまたはモータ等の駆動源を備えずに、軌道自転車2に連結されて、押されたり、牽引されてレールR上を走行すると共に、レールRの踏面上に積もった火山灰等の降灰を除去する装置である。
【0013】
実施形態のレール踏面掃除装置1は、図5図9等に示すように、エンジンまたはモータ等の駆動源を備えずに軌道自転車2によって押されてレールR上を走行しながら、車輪の回転力をブラシの回転力に変換してレールR上に積もった火山灰等の降灰を除去するレール踏面掃除用台車11と、一端側が軌道自転車2の連結部に着脱自在に連結される一方、他端側がレール踏面掃除用台車11の連結部に連結される連結ロッド12とを有する。
【0014】
<レール踏面掃除用台車11の構成>
レール踏面掃除用台車11は、図5図9等に示すように、アルミの角材などで構成された台車本体11aと、その台車本体11aに回転軸11bを介し回転可能に設けられた車輪11c,11cと、回転軸11bに設けられた駆動歯車11dと、回転伝達機構部11eと、レール踏面掃除機構部11fとを有する。
【0015】
回転伝達機構部11eは、台車本体11aがレールR上を走行して車輪11c,11cが回転した際の駆動歯車11dの回転を伝達するもので、駆動歯車11dに噛合して回転する平歯車である第1伝達歯車11e1と、その第1伝達歯車11e1が固定され、台車本体11aに対しボールベアリング等によって回転可能に支持された伝達軸部11e2と、伝達軸部11e2に対しその長手方向にスライド可能に設けられた傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3とを備える。
【0016】
伝達軸部11e2には、その長手方向に第2伝達歯車11e3がスライド出来るように所定長のスライド案内溝11e21が形成されており、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3の中心から突出した突起部11e31がそのスライド案内溝11e21に嵌るとともに案内されてスライドして、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3が伝達軸部11e2の長手方向に移動でき、かつ、伝達軸部11e2と共に回転出来るように構成されている。
【0017】
レール踏面掃除機構部11fは、台車本体11aに回転軸受け部11f1を介して回転可能に支持された回転軸部11f2と、回転軸部11f2の後端側に設けられ回転伝達機構部11eの傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3に噛合して回転する多段式受動歯車11f3と、回転軸部11f2の先端側に設けられ、多段式受動歯車11f3の回転によって回転してレールR上に積もった火山灰等の降灰を除去するクリーナー手段としての回転ブラシ11f4と、回転ブラシ11f4の前方に砕石等を避けるための砕石避け11f5を備える。尚、砕石避け11f5は、取外し可能で、省略しても良い。
【0018】
レール踏面掃除機構部11fの回転軸部11f2は、図5図6等に示すように、回転軸受け部11f1を介して台車本体11aの両側にそれぞれ走行方向に対し斜めの角度、具体的には45度の角度で設けられている。
【0019】
そのため、図5図6等に示すように、台車本体11aの両側それぞれに設けられた回転軸部11f2は、多段式受動歯車11f3が取り付けられる後端部は台車本体11aの内側に突出する一方、回転ブラシ11f4が取り付けられる先端部は台車本体11aの外側へ突出するので、左右の回転ブラシ11f4はそれぞれ台車本体11aの車輪11c,11cの前方に設けられ、左右のレールR上を走行することになる。
【0020】
これにより左右の回転ブラシ11f4は、それぞれ、回転すると、レールR上に積もった火山灰等の降灰を、台車本体11aの走行方向に対し斜め後方の外側へ履き出すことが可能となり、効率良く火山灰等を除去できる。また、左右の回転ブラシ11f4は、それぞれ、左右のレールRの外側に掃き出し、レールRの間に掃き出すこともなくなるので、この点でも効率良く火山灰等を除去することが出来る。
【0021】
また、レール踏面掃除機構部11fの多段式受動歯車11f3は、歯数が異なる2個(2段)の受動歯車11f31,11f32、すなわち1段目受動歯車11f31および2段目受動歯車11f32が回転軸部11f2にスライド可能に設けられ、左右の回転ブラシ11f4の回転数を変更できるように構成されている。
【0022】
具体的には、回転軸部11f2にその長手方向に多段式受動歯車11f3がスライドできるように所定長のスライド案内溝11f21が形成されており、多段式受動歯車11f3の中心から突出した突起部11f33がそのスライド案内溝11f21に嵌るとともに案内されてスライドして、多段式受動歯車11f3が回転軸部11f2の長手方向に移動するように構成されている。
【0023】
そのため、図5図6に示すように多段式受動歯車11f3の1段目受動歯車11f31が伝達軸部11e2の傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3に噛合したり、多段式受動歯車11f3全体がスライドして2段目受動歯車11f32が伝達軸部11e2の傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3に噛合することにより、回転ブラシ11f4の回転数を変更できる。ここで、図6に示す状態は、1段目受動歯車11f31が第2伝達歯車11e3に噛合した状態である。この状態から2段目受動歯車11f32を第2伝達歯車11e3に噛合させるためには、多段式受動歯車11f3全体を回転軸部11f2のスライド案内溝11f21に従って図6上、左斜め下方向である回転ブラシ11f4の方向へスライドさせる一方、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3を伝達軸部11e2のスライド案内溝11e21に従って図6上、上方向である第1伝達歯車11e1の方向へスライドさせる。
【0024】
尚、多段式受動歯車11f3の各受動歯車11f31,11f32の段数は任意であり、3段以上にしても良いし、回転数を変更しないですむ場合は、1段でも良い。また、クリーナー手段である回転ブラシ11f4は、鋼鉄製のワイヤブラシでも、樹脂性のナイロンブラシでも、さらには自然素材のブラシでも特にこだわらない。
【0025】
<連結ロッド12の構成>
連結ロッド12は、図1図4等に示すようにレール踏面掃除用台車11を軌道自転車2にするためのもので、図10図11等に示すように連結ロッド本体12aの一端側(図上、右側)に設けた連結部12bが軌道自転車2の連結部21に挿脱ピン12cが挿入されることによって着脱自在に連結される。そのため、連結ロッド12の連結部12bには、挿脱ピン12cが挿入されるピン孔12b1が形成されている。
【0026】
一方、連結ロッド12の他端側(図上、左側)には連結部12dが設けられており、連結部12dは、レール踏面掃除用台車11の台車本体11aの後端部に設けられた連結部11a1に対し連結ボルト12eを介して上下方向に回動可能に連結されている。
【0027】
そして、本実施形態の連結ロッド12では、連結ロッド本体12aの一端側(図上、右側)に設けた連結部12bの下方には、下方に突出したブレーキ用突起部12f1を有するアングル部材12fを設けている。尚、連結部12bと同様このアングル部材12fにも、挿脱ピン12cが挿入可能なようにピン孔12f2が形成されている。
【0028】
≪本実施形態のレール踏面掃除装置1の動作≫
次に、以上のように構成された本実施形態のレール踏面掃除装置1の動作について説明する。
【0029】
<本実施形態のレール踏面掃除装置1が前進する場合>
図1図4等に示すように軌道自転車2の前方に連結ロッド12を介してレール踏面掃除装置1が連結され、軌道自転車2が図上左方向へ前進すると、軌道自転車2の前方に連結された本実施形態のレール踏面掃除装置1も押されて前進する。
【0030】
すると、レール踏面掃除用台車11の台車本体11の左右両側に設けられた車輪11c,11cと回転軸11bとが回転して、回転軸11bに設けられた駆動歯車11dも車輪11c,11cおよび回転軸11bと同じ方向に回転する。
【0031】
回転伝達機構部11eでは、駆動歯車11dに噛合している第1伝達歯車11e1が駆動歯車11dの回転によって車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向とは逆方向に回転し、伝達軸部11e2を介して傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3も車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向とは逆方向に回転する。
【0032】
レール踏面掃除機構部11fでは、第2伝達歯車11e3に噛合している回転軸部11f2の後端側に設けられた多段式受動歯車11f3が、第2伝達歯車11e3とは逆方向に回転して、車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向と同じ方向に回転することになる。
【0033】
すると、回転軸部11f2の先端側に設けられた回転ブラシ11f4は、多段式受動歯車11f3の回転によって回転軸部11f2と共に、車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向と同じ方向に回転する。
【0034】
つまり、前進する軌道自転車2によって本実施形態のレール踏面掃除装置1も前進すると、その車輪11c,11cの回転が回転軸11bや駆動歯車11dを介して回転伝達機構部11eに伝達され、回転伝達機構部11eからレール踏面掃除機構部11fに伝達され、回転ブラシ11f4は、車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向と同じ方向に回転することになる。
【0035】
ここで、レール踏面掃除機構部11fの回転軸部11f2は、台車本体11aの両側にそれぞれ走行方向に対し斜めの角度、具体的には45度の角度で設けられているため、図2図4図6等に示すように、台車本体11aの両側それぞれに設けられた回転軸部11f2は、後端部は台車本体11aの内側に突出する一方、回転ブラシ11f4が取り付けられる先端部は台車本体11aの外側へ突出して、それぞれ回転ブラシ11f4台車本体11aの車輪11c,11cの前方に設けられ、左右のレールR上を走行することになる。
【0036】
そして、レールR上の回転ブラシ11f4は、車輪11c,11cや駆動歯車11dの回転方向と同じ方向に回転するので、左右の回転ブラシ11f4は、それぞれ、回転することにより、レールR上に積もった火山灰等の降灰を、台車本体11aの走行方向に対し斜め後方の外側へ履き出すことになる。
【0037】
そのため、本実施形態のレール踏面掃除装置1によれば、エンジンやモータのクリーナー手段11fの回転源を搭載していない場合でも、レールR上に積もった火山灰等を除去できると共に、その際、レールR上に積もった火山灰等をレールRの間に掃き出すことなく、レールRの外側へ掃き出すことができ、効率良く火山灰等を除去することが出来る。
【0038】
また、軌道自転車2の前方にレール踏面掃除装置1が連結されているため、軌道自転車2が前進する場合、軌道自転車2は、本実施形態のレール踏面掃除装置1によって火山灰等が除去された後のレールR上を走行することになる。
【0039】
そのため、上り坂等の場合、従来技術のように後方にレール踏面掃除装置を装着した軌陸車の場合、車輪がレール上に堆積した火山灰等によってスリップして上れないことがあるが、実施形態のレール踏面掃除装置1の場合、軌道自転車2の前方に連結したレール踏面掃除装置1がレールRの踏面上に堆積した火山灰等を除去した後、軌道自転車2が走行するので、上り坂のレールRであってもスリップ等せずにレールRの踏面上に堆積した火山灰等を確実に除去できる。
【0040】
<回転ブラシ11f4の回転数を変更する場合>
そして、本実施形態では、伝達軸部11e2には、その長手方向に第2伝達歯車11e3がスライドできるように所定長のスライド案内溝11e21が形成されており、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3の中心から突出した突起部11e31がそのスライド案内溝11e21に嵌るとともに案内されてスライドして、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3が伝達軸部11e2の長手方向に移動でき、かつ、伝達軸部11e2と共に回転できるように構成されている。
【0041】
そして、レール踏面掃除機構部11fの多段式受動歯車11f3は、歯数が異なる2個(2段)の各受動歯車11f31,11f32がスライドできるように所定長のスライド案内溝11f21が形成されており、多段式受動歯車11f3の中心から突出した突起部11f33がそのスライド案内溝11f21に嵌るとともに案内されてスライドして、各受動歯車11f31,11f32が回転軸部11f2の長手方向に移動して、伝達軸部11e2の傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3に1段目受動歯車11f31を噛合させたり、2段目受動歯車11f32を噛合させることにより、回転ブラシ11f4の回転数を変更できるように構成されている。
【0042】
そのため、本実施形態では、回転ブラシ11f4の回転数を変更する場合には、伝達軸部11e2における傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3をスライド案内溝11e21に沿ってスライドさせると共に、レール踏面掃除機構部11fの多段式受動歯車11f3もスライド案内溝11f21に沿ってスライドさせて、傘歯歯車等からなる第2伝達歯車11e3が噛合する多段式受動歯車11f3の各受動歯車11f31,11f32を変更することにより、回転ブラシ11f4の回転数を変更できる。
【0043】
これにより、本実施形態1のレール踏面掃除装置1によれば、レールRの頭面上に堆積した火山灰等の降灰の量等によって回転ブラシ11f4の回転数を簡単に変更できるので、この点でも効率良くレールRの頭面上に堆積した火山灰等を確実に除去できる。
【0044】
<軌道自転車2からレール踏面掃除装置1を切り離した場合>
また、本実施形態1のレール踏面掃除装置1は、上述したようにレール踏面掃除用台車11が軌道自転車2に対し連結ロッド12を介して着脱可能に連結されており、連結ロッド12は、図10等に示すように連結ロッド本体12aの一端側(図上、右側)に設けた連結部12bが軌道自転車2の連結部21に挿脱ピン12cによって着脱自在に連結されており、図11に示すように挿脱ピン12cを抜くことによって、連結ロッド12の連結部12bおよびアングル部材12fを、軌道自転車2の連結部21から切り離し、軌道自転車2からレール踏面掃除装置1を切り離すことが出来る。
【0045】
ここで、本実施形態では、図1図5等に示すように、レール踏面掃除用台車11の重心は、レール踏面掃除用台車11の左右の車輪11cを結ぶ車軸11bの軸線よりもレール踏面掃除機構部11f側にあるが、連結ロッド12の他端側(図上、左側)の連結部12dは、レール踏面掃除用台車11の台車本体11aの後端部に設けられた連結部11a1に対し連結ボルト12eに上下方向に回動可能に連結され、かつ、連結ロッド12の一端側(図上、右側)に設けた連結部12bの下方には、下方に突出したブレーキ用突起部12f1を有するアングル部材12fを設けている。
【0046】
そのため、レール踏面掃除用台車11を軌道自転車2から切り離した場合や、レール踏面掃除用台車11を軌道自転車2に連結する前は、図12に示すように、連結ロッド12のアングル部材12f側が下降して、アングル部材12fのブレーキ用突起部12f1が左右のレールR間の路面上のバラスト石やマクラギ等に接触してレール踏面掃除用台車11の逸走を防止する。
【0047】
尚、レール踏面掃除用台車11の重心がレール踏面掃除用台車11の左右の車輪11cを結ぶ車軸11bの軸線よりもレール踏面掃除用台車11の図1上右側、すなわち連結ロッド12側にある場合、レール踏面掃除用台車11を軌道自転車2から切り離したり、レール踏面掃除用台車11を軌道自転車2に連結すると、レール踏面掃除用台車11も図12上、右側に傾いて、アングル部材12fのブレーキ用突起部12f1が左右のレールR間の路面上のバラスト石やマクラギ等に接触してレール踏面掃除用台車11の逸走を防止できる。
【0048】
<本実施形態のレール踏面掃除装置1が後退する場合>
【0049】
軌道自転車2の前側に連結ロッド12を介しレール踏面掃除用台車11が連結された状態のまま軌道自転車2が後退、すなわちバック走行した場合や、レール踏面掃除用台車1を連結ロッド12を介し軌道自転車2の後方に連結して軌道自転車2が前進走行する場合には、レール踏面掃除用台車11は、後退することになる。
【0050】
すると、レール踏面掃除用台車11の回転ブラシ11f4は、レール踏面掃除用台車11が前進する場合とは逆方向に回転して、左右の回転ブラシ11f4は、それぞれ回転して、レールR上に積もった火山灰等の降灰を、台車本体11aの走行方向に対し斜め後方の内側、すなわち左右のレールR間に掃き出すことになる。
【0051】
しかし、レール踏面掃除装置1が軌道自転車2の前側に連結された状態で一度前進して、左右の回転ブラシ11f4がレールR上に積もった火山灰等の降灰を左右のレールRの外側に掃き出した場合には、レールR上には火山灰等の降灰はほとんど残っていないと考えられるため、レールR上に積もった火山灰等の降灰を左右のレールR間に掃き出してもそれほど問題はないと考えられる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のレール踏面掃除装置1によれば、軌道自転車2の連結部に一端側が着脱自在に連結される連結ロッド12と、その連結ロッド12の他端側に連結され、軌道自転車2によって押されてレールR上を走行しながらレールR上に積もった火山灰等の降灰を除去するレール踏面掃除用台車11とを備え、そのレール踏面掃除用台車11は、左右両側にレールR上で回転する車輪11c,11cが設けられた台車本体11aと、その台車本体11aの車輪11c,11cの回転軸11bに設けられた駆動歯車11dと、台車本体11aがレールR上を走行して車輪11c,11cが回転した際の駆動歯車11dの回転を伝達する回転伝達機構部11eと、台車本体11aに回転軸部11f2が回転可能に支持され、その回転軸部11f2に、回転伝達機構部11eによって伝達された駆動歯車11dの回転を受けて回転する多段式受動歯車11f3と、その多段式受動歯車11f3の回転によって回転してレールR上に積もった火山灰等の降灰を除去する回転ブラシ11f4とが設けられたレール踏面掃除機構部11fとを有する。
【0053】
そのため、本実施形態のレール踏面掃除装置1によれば、走行するためのエンジンやモータ等の駆動源や、ブラシを回転させるエンジン等も不要となるので、コストを低減することが出来ると共に、騒音も低減することが出来る。
【0054】
また、本実施形態のレール踏面掃除装置1は、軌道自転車2の前方に設けられ、軌道自転車2によって押されて軌道自転車2の前方でレールR上を走行しながら回転ブラシ11f4を回転させて火山灰等の降灰を除去するので、レール踏面掃除用台車11によってレールR上から降灰が除去されたレールRの踏面上を軌道自転車2が走行することができる。
【0055】
そのため、本実施形態のレール踏面掃除装置1によれば、軌道自転車2は、上り坂等であってもスリップすることなくレール踏面掃除装置1を押しながらレールR上を走行することが可能となり、レールRの踏面を効率良く掃除することが出来る。
【0056】
また、本実施形態に係るレール踏面掃除装置1では、レール踏面掃除機構部11fの回転軸部11f2は、台車本体11aの走行方向に対し斜めに設けられており、回転軸部11f2に設けられた回転ブラシ11f4は回転して、レールRの踏面上に積もった火山灰等の降灰を、台車本体11aの走行方向に対し斜め後方の外側のレールRの両外側へ履き出す。
【0057】
そのため、本実施形態に係るレール踏面掃除装置1では、レールRの踏面上に積もった降灰は、レールRの間ではなく、レールRの外側へ履き出されるため、効率良くレールRの踏面上の降灰を除去することが出来る。
【0058】
また、本実施形態に係るレール踏面掃除装置1では、回転伝達機構部11eは、駆動歯車11dに噛合して車輪11c,11cの回転方向とは逆方向に回転して伝達する第1伝達歯車11e1と、その第1伝達歯車11e1が固定され、台車本体11aに回転可能に支持された伝達軸部11e2と、その伝達軸に固定され第1伝達歯車11e1と同じ方向に回転すると共に、レール踏面掃除機構部11fの多段式受動歯車11f3に噛合して、多段式受動歯車11f3、回転軸部11f2および回転ブラシ11f4を車輪11c,11cの回転方向と同じ方向に回転させる第2伝達歯車11e3等を有するため、回転ブラシ11f4を車輪11c,11cの回転方向と同じ方向に回転して、レールRの踏面上の降灰を斜め後方の外側に履き出すことが可能となり、効率良くレールR上の降灰を除去することが出来る。
【0059】
また、本実施形態に係るレール踏面掃除装置1では、レール踏面掃除機構部11fの多段式受動歯車11f3として、歯数が異なる複数の各受動歯車11f31,11f32が回転軸部11f2に設けられており、歯数が異なる一の受動歯車11f31,11f32を選択することにより回転ブラシ11f4の回転数が変更可能であるため、火山灰などの降灰の量や重量、大きさ、さらには火山灰以外の掃除対象であるレールの踏面に堆積や付着、こびリ付いた虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れに応じて回転ブラシ11f4の回転数を簡単に最適値に変更することが可能となり、効率良くレールRの踏面上の降灰を除去したり、レールの踏面に堆積や付着、こびリ付いた虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れを掃除することが出来る。
【0060】
また、本実施形態に係るレール踏面掃除装置1では、レール踏面掃除用台車11と軌道自転車2とを連結する連結ロッド12は、その一端側(図上、右側)の連結部12bが軌道自転車2の連結部21に挿脱ピン12cが挿入されることによって着脱自在に連結されている一方、他端側(図上、左側)の連結部12dがレール踏面掃除用台車11の台車本体11aの後端部に上下方向に回動可能に連結され、かつ、連結部12bの下方には、下方に突出したブレーキ用突起部12f1を有するアングル部材12fが設けられている。
【0061】
そのため、レール踏面掃除用台車11を軌道自転車2から切り離した場合や連結していない場合には、連結ロッド12のアングル部材12f側が下降して、ブレーキ用突起部12f1がレールR間の砕石やマクラギ等に接触して、レール踏面掃除用台車11にブレーキがかかるので、レール踏面掃除用台車11の逸走を確実に防止出来る。
【0062】
なお、上述の実施形態のレール踏面掃除装置1では、レールの踏面に堆積した火山灰を除去するものとして説明したが、火山灰の除去はあくまで本発明の一例であり、本発明に係るレール踏面掃除装置では、火山灰に限らず、レールの踏面に堆積や付着、こびリ付いた虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れを除去して掃除することも可能である。
【0063】
そのため、上述の実施形態のレール踏面掃除装置1では、レール踏面掃除機構部11fにクリーナー手段として回転ブラシ11f4を設けて説明したが、本発明では、クリーナー手段は回転ブラシ11f4に限定されるものでなく、レールの踏面に堆積や付着、こびリ付いた虫や動物の死骸、落ち葉、砂、埃、土、小石、泥、油等の汚れの掃除に最適なクリーナー手段をレール踏面掃除機構部11fに設けてレールの踏面を掃除することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 レール踏面掃除装置
11 レール踏面掃除用台車
11a 台車本体
11b 回転軸
11c,11c 車輪
11d 駆動歯車
11e 回転伝達機構部
11e1 第1伝達歯車
11e2 伝達軸部
11e21 スライド案内溝
11e3 第2伝達歯車
11e31 突起部
11f レール踏面掃除機構部
11f1 回転軸受け部
11f2 回転軸部
11f3 多段式受動歯車
11f31 1段目受動歯車
11f32 2段目受動歯車
11f33 突起部
11f4 回転ブラシ(クリーナー手段)
12 連結ロッド
12a1 ブレーキ用突起部
2 軌道自転車
R レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12