(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステム10の模式図である。チェックアウトシステム10は、複数台の登録装置11と決済装置12とを含む。決済装置12は、登録装置11よりも台数が多い。
登録装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。1つのチェックアウトレーンに配置される登録装置11及び決済装置12の台数は任意である。
図1においては、1台の登録装置11と3台の決済装置12とを、2つのチェックアウトレーンにそれぞれ配置した場合を示している。各チェックアウトレーンにはそれぞれ固有の番号が割り当てられている。
図1においては、図中上側のチェックアウトレーンに対してレーン番号“1”が割り当てられており、図中下側のチェックアウトレーンに対してレーン番号“2”が割り当てられている。レーン番号“1”のチェックアウトレーンには、1台の登録装置11(11-1)と3台の決済装置12(12-1A,12-1B,12-1C)とが配置されている。レーン番号“2”のチェックアウトレーンには、1台の登録装置11(11-1)と3台の決済装置12(12-1B,12-1B,12-1C)とが配置されている。
【0009】
チェックアウトシステム10は、セミセルフ方式である。すなわち登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置12は、登録装置11にて買上商品の販売登録がなされた買物客22が、その操作者となる。
【0010】
登録装置11は、
図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路(チェックアウトレーン)が形成される。
登録装置11は、商品の販売登録、会計データの作成及び会計データの決済装置12への転送の各機能を備える。商品の販売登録とは、買物客22が購入する商品のデータを登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンすることにより、当該商品の販売点数,販売金額等のデータが登録装置11に登録される。会計データとは、1つの取引として販売登録された商品の会計に係るデータである。販売登録された商品の商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額とその合計点数、合計金額等が会計データに含まれる。
登録装置11は、同一のチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12のうち1台を会計データの送信先として設定する。どの決済装置12を送信先とするかは任意である。登録装置11は、送信先に設定された1台の決済装置12に対し、会計データを送信する。また登録装置11は、他のチェックアウトレーンに配置されている登録装置(他の登録装置)11を会計データ送信の変更先として設定する。どのチェックアウトレーンの登録装置11を変更先とするかは任意である。登録装置11は、送信先に設定された1台の決済装置12または変更先に設定された他の登録装置11に対し、会計データを送信する。
【0011】
決済装置12は、決済処理の機能を備える。すなわち決済装置12は、登録装置11から会計データを受信すると、その会計データを基に取引の決済を処理する。決済処理とは、会計データを基に商品売買行為である取引の決済を処理することである。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が利用される。
【0012】
図2は、登録装置11及び決済装置12の主要な回路構成を示すブロック図である。各チェックアウトレーンの登録装置11及び決済装置12は、いずれも店舗内ネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。LAN13には、図示しないが、サーバが接続されている。サーバは、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報が設定された商品データベースを記憶する。サーバは、他のデータベースをさらに記憶してもよい。
【0013】
登録装置11及び決済装置12は、LAN13を介して情報を授受する。なお、ネットワークは、LAN13に代えてインターネットや無線LANなどの別の通信網を用いてもよい。また、登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して会計データ等の情報を授受してもよい。また、チェックアウトレーン毎に登録装置11と決済装置12とを通信網で接続し、他のチェックアウトレーン間では登録装置11どうしを別の通信網で接続してもよい。
【0014】
登録装置11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、スキャナ11e、タッチパネル11f、プリンタ11g、通信ユニット11h及び伝送システム11iを含む。
CPU11aは、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dと伝送システム11iを介して接続されて、コンピュータを構成する。CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェア又はアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。ROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。またRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとしても利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。ROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。
【0016】
スキャナ11eは、商品に付されたバーコードを読み取って、当該商品の商品コードを得る。タッチパネル11fは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。タッチパネル11fには、店員用と客用とがある。店員用のタッチパネル11fは、表示画面が店員21の作業スペース側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。客用のタッチパネル11fは、表示画面が買物客22用の通路側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。プリンタ11gは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像などを印刷することにより、レシートを発行する。通信ユニット11hは、LAN13に接続する。通信ユニット11hは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11hは、他の登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。ここに通信ユニット11hは、通信手段を構成する。
【0017】
伝送システム11iは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、スキャナ11e、タッチパネル11f、プリンタ11g及び通信ユニット11hの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11iは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0018】
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、通信ユニット12h、カードリーダ・ライタ12j、自動釣銭機12k及び伝送システム12iを含む。
カードリーダ・ライタ12jは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードを含む。自動釣銭機12kは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また自動釣銭機12kは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。その他のCPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、通信ユニット12h及び伝送システム12iは、登録装置11のものと同一の機能を有するものである。すなわちCPU12aは、ROM12b、RAM12c及び補助記憶ユニット12dと伝送システム12iを介して接続されて、コンピュータを構成する。そしてCPU12aは、ROM12b及びRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。ROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
【0019】
かかる構成のチェックアウトシステム10は、登録装置11のRAM11cにデータメモリ領域M1〜M4を形成する。データメモリ領域M1は、レーン番号を格納するための領域である。登録装置11の補助記憶ユニット11dには、当該登録装置11が配置されているチェックアウトレーンのレーン番号が設定されている。登録装置11のCPU11aは、例えばシステムの立ち上げ時に補助記憶ユニット11dからレーン番号を取得し、データメモリ領域M1に書き込む。以下、データメモリ領域M1をレーン番号メモリM1と称する。
【0020】
データメモリ領域M2は、1取引として販売登録される各商品の商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額を格納するための領域である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表された商品コードが付されており、スキャナ11eでバーコードをスキャンすることにより、登録装置11は商品コードを取得できる。商品名及び単価は、対応する商品コードにより識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。以下、データメモリ領域M2を登録メモリM2と称する。
【0021】
データメモリ領域M3は、送信先情報を記憶する。送信先情報は、会計データの送信先となる決済装置12を識別するための情報である。当該登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された複数台の決済装置12のうちいずれか1台が会計データの送信先となる。登録装置11の補助記憶ユニット11dには、会計データの送信先である決済装置12を識別可能な送信先情報が設定されている。CPU11aは、例えばシステムの立ち上げ時に補助記憶ユニット11dから上記送信先情報を取得し、データメモリ領域M3に書き込む。各決済装置12には、固有のIDが予め設定されている。このIDを送信先情報として用いることができる。あるいは各決済装置12のIDにそれぞれ関連付けて番号、記号、コード等を割り当て、送信先情報としてもよい。以下、データメモリ領域M3を送信先メモリM3と称する。
【0022】
データメモリ領域M4は、変更先情報を記憶する。変更先情報は、会計データ送信の変更先となる他の登録装置11を識別するための情報である。当該登録装置11が配置されたチェックアウトレーンとは異なる他のチェックアウトレーンに配置された登録装置11の中のいずれか1台が変更先となる。登録装置11の補助記憶ユニット11dには、変更先である登録装置11を識別可能な変更先情報が設定されている。CPU11aは、例えばシステムの立ち上げ時に補助記憶ユニット11dから上記変更先情報を取得し、データメモリ領域M4に書き込む。各登録装置11には、固有のIDが予め設定されている。このIDを転送先情報として用いることができる。あるいは各登録装置11のIDにそれぞれ関連付けて番号、記号、コード等を割り当て、送信先情報としてもよい。以下、データメモリ領域M4を変更先メモリM4と称する。
【0023】
チェックアウトシステム10は、決済装置12のRAM12cにデータメモリ領域M5及びM6を形成する。データメモリ領域M5は、会計データを格納する領域である。決済装置12のCPU12aは、会計データの決済処理が可能なとき、当該会計データをデータメモリ領域M5に格納する。以下、データメモリ領域M5を会計バッファM5と称する。
データメモリ領域M6は、転送先情報を記憶する。転送先情報は、会計データの転送先となる他の決済装置12を識別するための情報である。同一のチェックアウトレーンに配置された他の決済装置12のうちいずれか1台が当該決済装置12に対して会計データの転送先として設定される。例えば補助記憶ユニット12dに、転送先に設定された決済装置12を識別可能な転送先情報のデフォルト値が記憶されており、CPU12aは、立ち上げ時にこのデフォルト値をデータメモリ領域M4に書き込む。各決済装置12には、固有のIDが予め設定されている。このIDを送信先情報として用いることができる。あるいは各決済装置12のIDにそれぞれ関連付けて番号、記号、コード等を割り当て、送信先情報としてもよい。以下、データメモリ領域M6を転送先メモリM6と称する。
【0024】
図3は、登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。
図4は、決済装置12のCPU12aが、LAN13を介して伝送される会計データの受信時に実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。
図5は、登録装置11のCPU11aが、他の登録装置11からLAN13を介して伝送される会計データの受信時に実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。
図6乃至
図9は、登録装置11のタッチパネル11fに表示される画面の一例を示す平面図である。以下、
図3乃至
図9を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0025】
はじめに、登録装置11の動作について説明する。
登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、
図3の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。この処理は、ROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶される制御プログラムに従ったものである。
【0026】
先ずCPU11aは、Act1としてタッチパネル11fの画面の一部に登録画面SC1(
図6を参照)を表示させる。
登録画面SC1は、登録メモリM2の内容を表し、登録処理の実施状況を店員21に確認させるものである。登録画面SC1の一例を
図6に示す。登録画面SC1は、表示エリアR1、R2を含む。表示エリアR1は、最も新しく買上登録がなされた商品に関する商品名、単価、販売点数(個数)及び販売金額と、その商品を登録した後の買上商品の合計点数および合計金額とを表示する。表示エリアR2は、表示エリアR1に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品に関する商品名、単価、販売点数(個数)及び販売金額のリストを表示する。
なお、図示は省略するが、CPU11aは、タッチパネル11fの画面のうちの登録画面SC1とする領域外に、店員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示する。
【0027】
店員21は、タッチパネル11fに登録画面SC1が表示されていることを確認したならば、買上商品の販売登録が可能であると認識する。そして買物客22が買上商品を持って作業テーブル23まで来たならば、店員21は、例えばスキャナ11e又は商品ボタンを操作して、買上商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。以上の操作により、一人の買物客が買い上げる商品の販売登録が終了する。
【0028】
このような販売登録操作に対し、登録装置11のCPU11aは、以下の情報処理を実行する。先ずCPU11aは、Act2として商品登録を待ち受ける。スキャナ11e又は商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act2にてYES)、CPU11aは、Act3として商品販売データの登録処理を実行する。すなわちCPU11aは、商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に販売点数を乗算して販売点数分の金額、いわゆる販売金額を算出する。販売点数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。かくしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額を含む商品販売データを作成する。そしてCPU11aは、商品販売データを登録メモリM2に格納する。このときCPU11aは、登録メモリM2のデータを基に登録画面SC1を更新する。
【0029】
CPU11aは、Act4として販売商品の登録終了が宣言されたか否かを確認する。例えば小計ボタンがタッチされると、CPU11aは登録終了が宣言されたと判断する。登録終了が宣言されていない場合(Act4にてNO)、CPU11aは、Act2に戻り、商品登録を待ち受ける。登録終了が宣言された場合には(Act4にてYES)、CPU11aは、Act5として登録メモリM1のデータを基に会計データを生成する。ここにCPU11aは、Act2乃至Act5の処理により、入力されたデータ(商品販売に係るデータ)を基に取引の決済に必要な会計データを生成する生成手段を構成する。
【0030】
会計データを生成すると、CPU11aは、Act6としてタッチパネル11g1の画面の一部に会計確認画面SC2(
図7を参照)を表示させる。
会計確認画面SC2の一例を
図7に示す。会計確認画面SC2は、表示エリアR3及びボタンB1、B2、B3、B4、B5を含む。表示エリアR3は、登録メモリM2に格納された商品の合計点数、合計金額等を表示する。ボタンB1、B2は、合計金額に対して値引又は割引を適用することを店員21が指定するための小計値引ボタンB1、小計割引ボタンB2である。ボタンB3は、タッチパネル11g1の画面の一部領域を登録画面SC1に戻すことを店員21が指定するための戻るボタンB3である。ボタンB4は、1つの取引に対する商品の登録が終了し会計への移行を店員21が指示するための会計ボタンB4である。ボタンB5は、会計データの送信先となる決済装置12を、同じチェックアウトレーンに配置された決済装置(登録装置11-1であれば決済装置12-1A,12-1B又は12-1C、登録装置11-2であれば決済装置12-2A,12-2B又は12-2C)12ではなく、他のチェックアウトレーンに配置された決済装置12とすることを店員が指示するためのレーン変更ボタンB5である。会計確認画面SC2を確認した店員21は、会計ボタンB4またはレーン変更ボタンB5にタッチする。通常、店員21は、会計ボタンB4にタッチする。例えば同じチェックアウトレーンに配置されている決済装置12が全て決済処理不能であることを目視にて確認できた場合、あるいは別のチェックアウトレーンで会計したいと買物客22に言われた場合、店員21はレーン変更ボタンB5にタッチする。
【0031】
会計確認画面SC2を表示させたCPU11aは、Act7として会計ボタンB4がタッチされるかレーン変更ボタンB5がタッチされるのを待ち受ける。なお、会計ボタンB4またはレーン変更ボタンB5以外のボタンB1〜B3がタッチされた場合には、CPU11aはそのボタンに基づく処理を実行する。
Act7において、レーン変更ボタンB5がタッチされたことを検知した場合(Act7にて「変更」)、CPU11aは、後述するAct14の処理に進む。会計ボタンB4がタッチされたことを検知した場合には(Act7にて「会計」)、CPU11aは、Act8として送信先メモリM3に格納されている送信先情報を取得する。そしてCPU11aは、Act9として、Act5の処理で生成された会計データとAct8の処理で取得された送信先情報とを通信ユニット11hに出力する。そしてCPU11aは、通信ユニット11hに対して、送信先情報で識別される決済装置12を宛先として会計データと送信先情報とを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット11hでは、送信先情報で識別される決済装置12の通信アドレスを送信先アドレスとするデータ伝文が作成され、LAN13上に送信される。このデータ伝文には、会計データと送信先情報とが含まれる。このデータ伝文の送信元アドレスは、当該登録装置11の通信アドレスである。このデータ伝文は、LAN13に接続された複数台の決済装置12のうち、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された1台の決済装置で受信される。すなわち決済装置12の通信ユニット12hは、LAN13上を伝送されるデータ伝文のうち、送信先アドレスが自らの通信アドレスであるデータ伝文を受信する。ここに、登録装置11のCPU11aは、Act8及びAct9処理により、通信ユニット11hと協働して、送信先に設定された決済装置12に対し、会計データを送信する第1の送信手段を構成する。また決済装置12のCPU12aは、通信ユニット12hと協働して、ネットワーク(LAN13)を介して伝送される会計データを受信する決済側受信手段を構成する。
【0032】
決済装置12のCPU12aは、通信ユニット12hを介してデータ伝文を受信すると、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。この処理は、ROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶される制御プログラムに従ったものである。
先ずCPU12aは、Act21としてエラーが発生しているか否かを確認する。エラーには、自動釣銭機12kにおいて釣銭用の貨幣が無くなったときの釣銭無エラーがある。またエラーには、プリンタ12gにおいてレシート用紙がなくなったときの用紙切れエラーもある。エラーの内容は、特に限定されるものではない。また、例えば釣銭用の貨幣が所定量よりも少ない釣銭ニアエンド、あるいはレシート用紙の残量が所定量よりも少ない用紙ニアエンドの状態も、エラーが発生していると認定してもよい。
【0033】
エラーが発生していない場合(Act21にてNO)、CPU12aは、Act22としてビジィフラグFが“0”にリセットされているか否かを判断する。ビジィフラグは、決済装置12が決済処理を実行していない間は“0”にリセットされており、決済処理が開始されると、終了するまで“1”にセットされる1ビットの情報である。ビジィフラグFは、例えばRAM12cに記憶されている。
【0034】
ビジィフラグFが“0”にリセットされている場合(Act22にてYES)、CPU12aは、Act23としてビジィフラグFを“1”にセットする。またCPU12aは、Act24としてデータ伝文に含まれる会計データを会計バッファM5に格納する。さらにCPU12aは、Act25として通信ユニット12hに対して、データ伝文送信元の登録装置11を宛先として会計可能の応答コマンドを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、LAN13を介して受信したデータ伝文の送信元アドレスを送信先アドレスとする会計可能の応答コマンドが作成され、LAN13上に送信される。この応答コマンドの送信元アドレスは、当該決済装置12の通信アドレスである。この応答コマンドは、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された登録装置11で受信される。ここにCPU12aは、Act21乃至Act25の処理により、決済側受信手段により受信した会計データの決済処理が可能なとき、決済処理が可能であることを登録装置11に通知する可能通知手段を構成する。
【0035】
会計可能の応答コマンドを送信した決済装置12のCPU12aは、Act26として会計バッファM3に格納された会計データを基に取引の決済処理を実行する。決済処理は、買物客22による操作に応じて会計データに示された取引を決済するための処理であり、既存のセルフPOS端末などで行われている処理と同様なので、詳しい説明は省略する。決済処理が終了すると、CPU12aは、Act27としてビジィフラグFを“0”にリセットする。ここにCPU12aは、Act26の処理により、決済側受信手段により受信した会計データを基に決済処理を実行する処理手段を構成する。
【0036】
一方、エラーが発生している場合(Act21にてYES)、又はビジィフラグFが“1”にセットされている場合(Act22にてNO)、CPU12aは、Act28として転送先メモリM6に格納されている転送先情報を取得する。そしてCPU11aは、Act29としてこの転送先情報がデータ伝文に含まれる送信先情報と一致するか否かを確認する。
【0037】
転送先情報が送信先情報と一致しない場合(Act29にてNO)、CPU12aは、Act30としてデータ伝文に含まれる会計データと送信先情報とを通信ユニット12hに出力する。そしてCPU12aは、通信ユニット12hに対して、転送先情報で識別される他の決済装置12を宛先としてデータ伝文を転送するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、データ伝文の送信先アドレスを転送先情報で識別される決済装置12の通信アドレスに変更したデータ伝文が作成され、LAN13上に送信される。このデータ伝文は、LAN13に接続された複数台の決済装置12のうち、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された1台の決済装置で受信される。すなわち決済装置12の通信ユニット12hは、LAN13上を伝送されるデータ伝文のうち、送信先アドレスが自らの通信アドレスであるデータ伝文を受信する。
【0038】
転送先情報が送信先情報と一致する場合には(Act29にてYES)、CPU12aは、Act31として通信ユニット12hに対して、データ伝文送信元の登録装置11を宛先として会計不可応答のコマンドを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、LAN13を介して受信したデータ伝文の送信元アドレスを送信先アドレスとする会計不可の応答コマンドが作成され、LAN13上に送信される。この応答コマンドの送信元アドレスは、当該決済装置12の通信アドレスである。この応答コマンドは、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された登録装置11で受信される。
【0039】
図3のAct9において会計データを送信した登録装置11のCPU11aは、Act10として応答コマンドを待機する。通信ユニット11hを介して会計可能の応答コマンドを受信すると(Act10にてYES)、CPU11aは、Act11として会計確認画面SC2に対して誘導表示を行う。
図8は、誘導表示がなされた会計確認画面SC2の一例を示す。この例は、当該登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された決済装置12-1Cから会計可能の応答コマンドが送信された場合である。誘導表示は、決済処理が可能であることを通知した決済装置12-1Cへと客を案内する表示である。誘導表示は、表示エリアR4にて行われる。この誘導表示を確認した店員21は、誘導表示によって報知された同一チェックアウトレーンの決済装置12-1Cで決済を行うように買物客22を誘導する。例えば決済装置12-1Cへと誘導を受けた買物客22は、決済装置12-1Cが設置されている場所まで移動し、決済を行う。
【0040】
一方、決済装置12から会計不可の応答コマンドを受信した場合には(Act10にてNO)、CPU11aは、Act12として会計確認画面SC2に対して自レーン不可表示を行う。
図9は、自レーン不可表示がなされた会計確認画面S2の一例を示す。自レーン不可表示は、例えば、当該登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置されている決済装置12では会計が不可であり、他のチェックアウトレーンで会計するか否かを選択させる表示である。自レーン不可表示は、表示エリアR5にて行われる。表示エリアR5には、他のチェックアウトレーンで会計する場合に操作されるYESボタンB6と、会計しない場合に操作されるNOボタンB7とがさらに表示される。ここに、登録装置11のCPU11aは、タッチパネル11fと協働して、生成手段で生成された会計データを他の登録装置11に送信するか否かの選択入力を受け付ける受付手段を構成する。
【0041】
自レーン不可表示を確認した店員21は、買物客22に他のチェックアウトレーンで会計させるか否かを決定する。例えば他のチェックアウトレーンの決済装置12が空いている場合、店員21はYESボタンB6にタッチする。他のチェックアウトレーンの決済装置12も空いていない場合には、店員21はNOボタンB7にタッチする。
【0042】
自レーン不可表示を行ったCPU11aは、Act13としてレーン変更を行うか否かを確認する。NOボタンB7がタッチされた場合(Act13にてNO)、チェックアウトレーンを変更しない。この場合、CPU11aは、送信不可処理を実行する。送信不可処理は、例えば会計データに一意の識別コードを付してサーバ宛に送信するとともに、プリンタ11gを駆動して、当該識別コードを示すバーコードが印刷された会計券を発行する。会計券は買物客に渡される。買物客は、例えばチェックアウトレーンとは別の場所に用意された決済装置12のスキャナ12eで会計券のバーコードを読み取らせる。そうすると、決済装置12のCPU12aは、バーコードから得られる識別コードで付された会計データをサーバから取得する。そしてCPU12aは、この会計データを基に決済処理を実行する。
【0043】
これに対し、YESボタンB6がタッチされた場合には(Act13にてYES)、チェックアウトレーンを変更する。この場合、CPU11aは、Act14の処理に進む。すなわち、Act7の処理においてレーン変更ボタンB5がタッチされたことを検知した場合、又はAct13の処理においてYESボタンB6がタッチされたことを検知した場合には、CPU11aは、Act14の処理に進む。
Act14では、CPU11aは、変更先メモリM4に格納されている変更先情報を取得する。そしてCPU11aは、前記Act9の処理に進む。すなわちCPU11aは、Act5の処理で生成された会計データとAct14の処理で取得された変更先情報とを通信ユニット11hに出力する。そしてCPU11aは、通信ユニット11hに対して、変更先情報で識別される他の登録装置11を宛先として会計データを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット11hでは、変更先情報で識別される他の登録装置11の通信アドレスを送信先アドレスとし、当該登録装置11の通信アドレスを送信元アドレスとするデータ伝文が作成され、LAN13上に送信される。このデータ伝文には、会計データが含まれる。このデータ伝文は、LAN13に接続された他の登録装置11のうち、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された1台の登録装置で受信される。すなわち登録装置11の通信ユニット11hは、LAN13上を伝送されるデータ伝文のうち、送信先アドレスが自らの通信アドレスであるデータ伝文を受信する。ここに、登録装置11のCPU11aは、Act14及びAct9の処理により、通信ユニット11hと協働して、変更先に設定された他の登録装置11に対し、会計データを送信する第3の送信手段を構成する。
【0044】
登録装置11のCPU11aは、通信ユニット11hを介してデータ伝文を受信すると、
図5の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずCPU12aは、Act41として送信先メモリM3に格納されている送信先情報を取得する。そしてCPU11aは、Act42として、データ伝文に含まれる会計データとAct41の処理で取得された送信先情報とを通信ユニット11hに出力する。そしてCPU11aは、通信ユニット11hに対して、送信先情報で識別される決済装置12を宛先として会計データと送信先情報とを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット11hでは、送信先情報で識別される決済装置12の通信アドレスを送信先アドレスとするデータ伝文が作成され、LAN13上に送信される。このデータ伝文には、会計データと送信先情報とが含まれる。このデータ伝文の送信元アドレスは、LAN13を介して受信したデータ伝文の送信元アドレスである。このデータ伝文は、LAN13に接続された複数台の決済装置12のうち、送信先アドレスである通信アドレスが設定された1台の決済装置で受信される。すなわち決済装置12の通信ユニット12hは、LAN13上を伝送されるデータ伝文のうち、送信先アドレスが自らの通信アドレスであるデータ伝文を受信する。ここに登録装置11のCPU11aは、通信ユニット11hと協働して、ネットワーク(LAN13)を介して伝送される会計データを受信する登録側受信手段を構成する。またCPU11aは、Act41及びAct42の処理により、通信ユニット11hと協働して、送信先に設定された決済装置12に対し、登録側受信手段で受信した会計データを送信する第2の送信手段を構成する。
【0045】
このデータ伝文を受信した決済装置12のCPU12aは、前述した
図4の流れ図に示す手順と同様の情報処理を行う。すなわち当該決済装置12にエラーが発生しておらず、かつビジィフラグが“0”にリセットされている場合には、CPU12aは、Act23乃至Act27の処理を実行する。これに対し、当該決済装置12にエラーが発生しているか、ビジィフラグが“1”にセットされている場合には、CPU12aは、Act28、Act29、Act30の処理、またはAct28、Act29、Act31の処理を実行する。
【0046】
したがって、
図5のAct42において会計データを送信した登録装置11のCPU11aは、Act43として応答コマンドを待機する。通信ユニット11hを介して会計可能の応答コマンドを受信すると(Act43にてYES)、CPU11aは、Act44としてレーン番号メモリM1に格納されているレーン番号を取得する。そしてCPU11aは、Act45としてこのレーン番号とともに会計可能の応答コマンドを、LAN13を介して受信したデータ伝文の送信元である他の登録装置に返信するように通信ユニット11hに指令する。この指令を受けて、通信ユニット11hでは、LAN13を介して受信したデータ伝文の送信元アドレスを送信先アドレスとする会計可能の応答コマンドが作成され、LAN13上に送信される。この応答コマンドには、レーン番号が含まれる。この応答コマンドの送信元アドレスは、LAN13を介して受信した応答コマンドの送信元アドレス、つまりは会計可能の応答コマンドを送信した決済装置の通信アドレスである。この応答コマンドは、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された登録装置11で受信される。ここに、登録装置11のCPU11aは、Act41乃至Act45の処理により、通信ユニット11hと協働して、第2の送信手段により会計データを送信した後で決済処理が可能であることの通知を受けた場合、当該会計データの送信元である他の登録装置11に対して上記通知を転送する通知転送手段を構成する。
【0047】
レーン番号を含む会計可能の応答コマンドを受信した登録装置11のCPU11aは、Act11として会計確認画面SC2に対して誘導表示を行う。
【0048】
図10は、誘導表示がなされた会計確認画面SC2の一例を示す。この例は、当該登録装置11-1とは別のチェックアウトレーンに配置された決済装置12-2Aから会計可能の応答コマンドが送信された場合である。誘導表示は、決済処理が可能であることを通知した決済装置12-2Aへと客を案内する表示である。誘導表示は、表示エリアR6にて行われる。この誘導表示を確認した店員21は、誘導表示によって報知された他のチェックアウトレーンの決済装置12-2Aで決済を行うように買物客22を誘導する。ここにCPU11aは、タッチパネル11fと協働して、第1または第3の送信手段により会計データを送信した後で決済処理が可能であることの通知を受けた場合、その通知を行った決済装置へと買物客を案内する報知を行う報知手段を構成する。
【0049】
なお、
図5のAct43において、通信ユニット11hを介して送信不可の応答コマンドを受信した場合(Act43にてNO)、CPU11aは、Act46として変更先メモリM4に格納されている変更先情報を取得する。そしてCPU11aは、Act42の処理に進む。すなわちCPU11aは、LAN13を介して受信したデータ伝文に含まれる会計データをAct46の処理で取得された変更先情報とともに通信ユニット11hに出力する。そしてCPU11aは、通信ユニット11hに対して、変更先情報で識別される他の登録装置11を宛先として会計データを送信するように指令する。以後の動作は、前述したとおりであるので、説明を省略する。
【0050】
図1に示すチェックアウトシステム10において、レーン番号1の登録装置11-1に対して送信先に設定された決済装置が決済装置12-1Aであったとする。また、決済装置12-1Aに対して転送先に設定された他の決済装置が12-1Bであり、この決済装置12-1Bに対して転送先に設定された他の決済装置が12-1Cであり、この決済装置12-1Cに対して転送先に設定された他の決済装置が12-1Aであったとする。さらに、登録装置11-1に対して変更先に設定された他の登録装置がレーン番号2の登録装置11-2であったとする。また、この登録装置11-2に対して送信先に設定された決済装置が決済装置12-2Aであったとする。
【0051】
この場合、登録装置11-1は、送信先情報で特定される決済装置12-1Aに会計データを送信する。この会計データには、決済装置12-1Aを識別する送信先情報が含まれる。ここで、決済装置12-1Aが取引の決済を実行不可能であった場合、決済装置12-1Aの転送先メモリM6に記憶されている転送先情報と会計データとともに受信した送信先情報とは一致しない。したがって、決済装置12-1Aから決済装置12-1Bに対して会計データが転送される。この会計データには、決済装置12-1Aを識別する送信先情報も含まれる。ここで、決済装置12-1Bも取引の決済を実行不可能であった場合、決済装置12-1Bの転送先メモリM6に記憶されている転送先情報と会計データとともに受信した送信先情報とは一致しない。したがって、決済装置12-1Bから決済装置12-1Cに対して会計データが転送される。この会計データには、決済装置12-1Aを識別する送信先情報も含まれる。ここで、決済装置12-1Cが取引の決済を実行可能であった場合、決済装置12-1Cから登録装置11-1に対して会計可能の応答コマンドが送信される。この応答コマンドを受けて、登録装置11-1では、
図8に示すように、会計確認画面SC2において決済装置12-1Cへの誘導表示が行われる。
【0052】
一方、決済装置12-1Cも取引の決済を実行不可能であった場合には、決済装置12-1Cの転送先メモリM6に記憶されている転送先情報と会計データとともに受信した送信先情報とは一致する。したがって、決済装置12-1Cから登録装置11-1に対して会計不可の応答コマンドが送信される。このコマンドを受けて、登録装置11-1では、
図9に示すように、会計確認画面SC2において自レーン不可表示が行われる。
【0053】
ここで、店員21がYESボタンB6にタッチしたとする。その場合、当該登録装置11-1は、変更先情報で特定される他の登録装置11-2に会計データを送信する。他の登録装置11-2は、送信先情報で特定される決済装置12-2Aに会計データを送信する。この会計データには、決済装置12-2Aを識別する送信先情報が含まれる。ここで、決済装置12-2Aが取引の決済を実行可能であった場合、決済装置12-2Aから登録装置11-2に対して会計可能の応答コマンドが送信される。この応答コマンドを受けて、登録装置11-2は、レーン番号メモリM1からレーン番号を取得する。そして登録装置11-2はこのレーン番号を含む会計可能の応答コマンドを登録装置11-1に送信する。
レーン番号を含む会計可能の応答コマンドを受信した登録装置11-1では、
図10に示すように、レーン番号を含む誘導表示が行われる。
【0054】
このようにチェックアウトシステム10によれば、登録装置11は取引毎に会計データの送信先となる決済装置を選択する必要はない。このため、例えば登録装置11を操作する店員21が取引毎に会計データの送信先となる決済装置12を選択する場合と比べて、店員21の作業負担を軽減できる。また、登録装置11が各決済装置12の状態を基に取引毎に会計データの送信先を選択する仕組みと比較して、登録装置11の処理負荷を軽減できる。しかも店員は、誘導表示にしたがって買物客22を誘導すればよいので、どの決済装置12で決済処理が可能かということを目視で確認する面倒もなくなる。
【0055】
また、本実施形態では、会計確認画面SC2にレーン変更ボタンB5を配置している。そしてこのレーン変更ボタンB5がタッチされると、登録装置11のCPU11aは、変更先メモリM4に設定されていた変更先情報を取得し、この変更先情報で特定される他のチェックアウトレーンの登録装置11に会計データを転送するようにしている。したがって、例えば同じチェックアウトレーンに配置されている複数の決済装置12のうち少なくとも1台が決済可能な状態であったとしても、別のチェックアウトレーンで会計をすることを申し出た買物客22の要求に応えることができる。
【0056】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、
図3のAct10において会計不可の応答コマンドを受信した登録装置11のCPU11aは、Act11及びAct12として自レーン誘導表示を行い、レーン変更するか否かを待ち受ける。他の実施形態としては、会計不可の応答コマンドを受信した登録装置11のCPU11aは無条件にAct14の処理に進み、変更先情報を取得して、この変更付情報で識別される他の登録装置11に対して会計データを送信するようにしてもよい。
【0057】
なお、登録装置11及び決済装置12の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0058】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。