(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自装置が車両の通行に関する処理の実行が可能な状態であるか否かを示す情報に基づいて、前記車線が前記車両の通行に関する処理が実行状態であるか非実行状態であるかの判定を行う処理状態判定部、
をさらに備え、
前記データ更新部は、前記判定の結果が、車線が非実行状態であることを示す場合、前記最新データの更新処理を行う、
請求項1に記載の車線制御装置。
前記データ更新部は、前記最新データ取得部が最新データを取得してから、その最新データについての前記更新処理が行われない状態で所定の期間が経過すると、前記更新処理の実行を促すメッセージを出力するよう指示を行う、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の車線制御装置。
前記データ更新部は、最新データについての前記更新処理が行われない状態で所定の更新期限が到来すると、前記更新処理の実行を促すメッセージを出力するよう指示を行う、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の車線制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車線制御装置は、全国の高速道路に2500台以上設置されている。国策等による通行料金制度の変更や、利用者に対するサービス向上のため、車線制御装置で動作させるソフトウェア(例えば、収受員が料金収受処理操作のために使用するソフトウェア)には、毎年1回程度の仕様変更が発生する。仕様変更が発生すると、保守作業員が現地へ赴いてソフトウェアをアップデート(更新)する作業が発生する。この作業は、保守作業員が手作業で行っている。ソフトウェアを更新するためには、車線制御装置が設置された場所を移動して回らなければならず、移動のための時間、人件費が費やされている。また、更新作業には時間がかかるため、例えば全国各地の車線制御装置について更新作業を完了させるためには、多くの期間や手間が必要となる。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる車線制御装置、データ更新システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、通行料金所の車線に設けられて、前記車線(L)を通行する車両(A)の通行に関する処理を行う車線制御装置(100)であって、自装置のソフトウェアに適用される最新データ(α)の有無を判定し、前記最新データが存在する場合、その最新データを取得する最新データ取得部(101)と、前記車線の状態が所定の更新条件を満たす場合、前記最新データ取得部が取得した最新データを用いて前記ソフトウェアの更新処理を実行するデータ更新部(107)と、を備え
、前記更新処理が実行された後の前記ソフトウェアが、前記車線の通行に関する制度の変更前に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、前記制度の変更後に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、を有し、前記ソフトウェアは、前記制度を切り替える日時が到来すると、前記制度の変更前の処理を、前記制度の変更後の処理に切り替えて実行する、車線制御装置である。
最新データの存在を検出すると最新データを自動で取得し、車線の状態が最新データを用いた更新処理を行うのに適した状態かどうかを判断し、更新処理に適した状態であれば自動でソフトウェアの更新処理を行うので、車線制御装置への最新データの配布、更新作業に要する手間を省くことができる。
【0007】
本発明の第2の態様における前記車線制御装置は、自装置が車両の通行に関する処理の実行が可能な状態であるか否かを示す情報に基づいて、前記車線が前記車両の通行に関する処理が実行状態であるか非実行状態であるかの判定を行う処理状態判定部(102)、をさらに備え、前記データ更新部は、前記判定の結果が、車線が非実行状態であることを示す場合、前記最新データの更新処理を行う。
車線の停止中に最新データの更新処理を行うので、ある車線に関して、車両の通行中に誤って最新データを用いて更新処理を行うことがない。
【0008】
本発明の第3の態様における前記車線制御装置は、前記車線の開閉を示す情報に基づいて、前記車線が閉鎖中か否かの判定を行う車線開閉状態判定部(103)、をさらに備え、前記データ更新部は、前記判定の結果が、車線が閉鎖中であることを示す場合、前記最新データの更新処理を行う。
車線の閉鎖中に最新データの更新処理を行うので、車両の通行中に誤って最新データの更新処理を行うことがない。
【0009】
本発明の第4の態様における前記車線制御装置は、前記車線を通行する車両の通行に関する処理によって生成した処理実績データの送信状態の判定を行う処理実績データ送信判定部(104)、をさらに備え、前記データ更新部は、前記判定の結果が、未送信の処理実績データが存在しないことを示す場合、前記最新データの更新処理を行う。
全ての処理実績データを送信してから最新データの更新処理を行うので、最新データの更新処理によって料金計算等の処理に悪影響を及ぼすことがない。
【0010】
本発明の第5の態様における前記車線制御装置は、自装置の動作モードを前記車両の通行に関する処理の実行状態と非実行状態とで切り替える動作モード制御部(105)、をさらに備え、前記動作モード制御部は、前記データ更新部が前記更新処理の実行を決定した場合、自装置の動作モードが前記実行状態とならないように制御する。
最新データの更新処理中は、車線制御装置を実行状態にすることがないので更新処理中に誤って車線を車両が通行できる状態にすることを防ぐことができる。
【0011】
本発明の第6の態様における前記データ更新部は、前記最新データ取得部が最新データを取得してから、その最新データについての前記更新処理が行われない状態で所定の期間が経過すると、前記更新処理の実行を促すメッセージを出力するよう指示を行う。
最新データを取得しても更新処理が行われない場合、メッセージを表示し、更新処理の実行を促すことができる。
【0012】
本発明の第7の態様における前記データ更新部は、最新データについての前記更新処理が行われない状態で所定の更新期限が到来すると、前記更新処理の実行を促すメッセージを出力するよう指示を行う。
最新データを取得しても更新処理が行われないまま更新期限を迎えた場合、メッセージを表示し、更新処理の実行を促すことができる。
【0013】
本発明の第8の態様における前記データ更新部は、最新データについての前記更新処理が行われない状態で所定の更新期限が到来すると、前記車線を前記更新処理の実行が可能な状態に制御する。
最新データの更新期限が到来しても更新処理が行われない場合、車線の状態を更新処理の実行が可能な状態に制御することで、更新処理を確実に行うことができる。
【0014】
本発明の第9の態様における前記データ更新部は、前記車線を前記更新処理の実行が可能な状態に制御するにあたって、自装置の動作モードを前記車両の通行に関する処理の非実行状態とする指示情報を出力する。
車線制御装置の動作モードを非実行状態とするよう促すことで、最新データの更新処理を実行できる車線の状態に近づけることができる。
【0015】
本発明の第10の態様における前記データ更新部は、前記車線を前記更新処理の実行が可能な状態に制御するにあたって、前記車線を閉鎖するよう制御する。
車線を閉鎖するよう制御することで、最新データの更新処理を実行できる車線の状態に近づけることができる。
【0016】
本発明の第11の態様における前記データ更新部は、前記車線を前記更新処理の実行が可能な状態に制御するにあたって、前記車線を通行する車両の通行に関する処理によって生成された処理実績データについて、未送信の処理実績データを送信するよう制御する。
未送信の処理実績データを送信するよう制御することで、最新データの更新処理を実行できる車線の状態に近づけることができる。
【0017】
本発明の第12の態様は、最新データを配信する中央処理装置と、上述の車線制御装置と、を備えるデータ更新システムである。
全国に設置された車線制御装置は、中央処理装置から最新データを取得して更新処理を行うので、最新データの配布、更新の手間を省くことができる。
【0018】
本発明の第13の態様における前記データ更新システムでは、前記中央処理装置は、所定の更新期限が到来すると最新データの更新処理を行っていない車線制御装置に対して更新処理の実行を指示し、更新処理の実行指示を受けた車線制御装置では、前記データ更新部が更新処理が実行できるよう車線の状態を制御する。
このようにすることで確実に最新データを全ての車線制御装置に配布し、適用することができる。
【0019】
本発明の第14の態様は、通行料金所の車線に設けられて、前記車線を通行する車両の通行に関する処理を行う車線制御装置の制御方法であって、自装置のソフトウェアに適用される最新データの有無を判定し、前記最新データが存在する場合、その最新データを取得し、前記車線の状態が所定の更新条件を満たす場合、前記取得した最新データを用いて前記ソフトウェアの更新処理を実行
し、前記更新処理が実行された後の前記ソフトウェアが、前記車線の通行に関する制度の変更前に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、前記制度の変更後に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、を有し、前記制度を切り替える日時が到来すると、前記ソフトウェアに、前記制度の変更前の処理を、前記制度の変更後の処理に切り替えて実行させる制御方法である。
【0020】
本発明の第15の態様は、通行料金所の車線に設けられて、前記車線を通行する車両の通行に関する処理を行う車線制御装置のコンピュータを、自装置のソフトウェアに適用される最新データの有無を判定し、前記最新データが存在する場合、その最新データを他の装置から取得する手段、前記車線の状態が所定の更新条件を満たす場合、前記取得した最新データを用いて前記ソフトウェアの更新処理を実行する手段、
前記更新処理が実行された後の前記ソフトウェアが、前記車線の通行に関する制度の変更前に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、前記制度の変更後に前記車線制御装置が行う処理を実行する機能と、を有し、前記制度を切り替える日時が到来すると、前記ソフトウェアに、前記制度の変更前の処理を、前記制度の変更後の処理に切り替えて実行させる手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、車線制御装置に適用すべき最新データを取得し、その車線制御装置に適用する処理を自動で行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第一実施形態>
以下、本発明の実施形態による駐車支援システムを
図1〜
図6を参照して説明する。
(料金収受システムの全体構成)
図1は、本発明に係る第一実施形態における料金収受システムの全体構成を示す図である。
第一実施形態に係る料金収受システム1は、有料道路である高速道路の出口通行料金所に設けられ、当該高速道路を利用する車両Aから、車両Aの車種区分に応じた通行料金の収受を行うための設備の一例である。
また、本実施形態に係る料金収受システム1は、例えば、対距離通行料金制を採用し、入口通行料金所から出口通行料金所までの走行距離に応じた通行料金の収受を行う。なお、対距離通行料金制に際し、車両Aの運転者等は、入口通行料金所において当該入口通行料金所を示す情報が付された通行券を取得し、出口通行料金所で当該通行券を提出する。
【0024】
図1に示す例では、高速道路を利用する車両Aの運転者等は、出口通行料金所に設けられた料金収受システム1において高速道路側から一般道路側へと通じる車線Lを走行している。車線Lの両側にはアイランドIが敷設されており、料金収受システム1を構成する各種設備が設置されている。
なお、以下の説明では、車線Lが延在する方向(
図1における±X方向)を「車線方向」とも記載し、また、車線方向に水平に直交する方向(
図1における±Y方向)を「車線幅方向」とも記載する。また、車線Lの車線方向における高速道路側(
図1における+X方向側)を車線Lの「上流側」とも記載する。また、車線Lの車線方向における一般道路側(
図1における−X方向側)を車線Lの「下流側」とも記載する。
【0025】
図1に示すように、料金収受システム1は、有人ブース10と、車線制御装置100と、通行券処理装置11と、領収書発行装置12と、車種判別装置20と、通行料金表示器27と、第1撮影カメラ30a、第2撮影カメラ30b及び第3撮影カメラ30c(以下、第1撮影カメラ30a、第2撮影カメラ30b及び第3撮影カメラ30cを総称して、「撮影カメラ30」とも表記する。)と、データ処理装置200と、中央処理装置300とを備えている。
有人ブース10には、車線Lを走行する車両Aとの間で通行料金収受処理を行う収受員が駐在する。有人ブース10の内部には、車線Lを走行する車両Aに対する通行料金の収受に用いる機械である車線制御装置100と、通行券に付された情報を読み取る通行券処理装置11と、運転手等から収受した通行料金に対する領収書を発行する領収書発行装置12とが設置されている。収受員は、車両Aについての通行料金を収受する処理の過程において、有人ブース10内に設置された車線制御装置100と、通行券処理装置11と、領収書発行装置12を操作する。
また、車両Aの運転者等は、車両Aの車体前方側(運転座席)が、通行料金収受処理を行うべき位置(有人ブース10の小窓(
図1に示す車線L上の位置D2))に到達した時点で車両Aを停車し、有人ブース10に駐在する収受員と通行料金の収受処理を行う。
【0026】
車種判別装置20は、車線Lにおける有人ブース10の上流側に設けられ、アイランドI上に設けられた各種検知センサと、車両特徴情報生成部21と、を有してなる。
【0027】
車両特徴情報生成部21は、以下に説明する各種検知センサ(車両分離器22、踏板23、車高検知器25及び車長検知器26等)を通じて取得される複数の検知信号、及び、撮影カメラの一態様であるナンバープレート撮影部24を通じて取得される映像情報に基づいて、走行する車両Aの車両特徴情報を生成する。ここで、車両特徴情報とは、車両Aの外観上、構造上の特徴を示す種々の情報であって、例えば、車両Aの車体の各種緒元(トレッド幅、車高、車長)、車軸数、及び、ナンバープレートに関する情報(プレートサイズ、分類番号等)である。車両特徴情報生成部21は、生成した車両特徴情報を車線制御装置100へ送信する。また、車両特徴情報生成部21は、車両分離器22と踏板23とが検出した情報から、車両が何台通行したかをカウントし、単位時間あたりの車両の通行台数を車線制御装置100へ送信する。
【0028】
車両分離器22は、アイランドI上において高さ方向(±Z方向)に延在し、車線Lを車線幅方向に挟んで対向する投光塔及び受光塔を通じて、車線Lを走行する車両Aの、位置D1における進入/退出に応じた検知信号を出力する。
【0029】
踏板23は、車線Lの路面上において車線幅方向に延在して埋設され、内部に仕込まれた通電センサを通じて走行する車両Aのタイヤによる踏み付けに応じた検知信号を出力する。その際、踏板23は、延在方向(車線幅方向)におけるタイヤによる踏みつけ位置を特定可能な検知信号を出力することができる。
なお、踏板23の車線方向における設置位置は、上述の車両分離器22の車線方向における設置位置と同一(共に、
図1に示す位置D1)とされている。
【0030】
ナンバープレート撮影部24は、車線方向における所定位置(位置D1)に到達した車両Aの車体を正面側(車両Aの進行方向奥側)から撮影可能な位置に設けられている。ナンバープレート撮影部24は、車両分離器22から車両Aの進入を示す検知信号が出力されたタイミングで、車両Aを正面側から撮影し、当該車両Aのナンバープレートを含んだ映像情報を取得する。
【0031】
車高検知器25は、アイランドI上に所定の高さ(±Z方向)に設けられ、車線Lを車線幅方向に挟んで対向する投光器及び受光器を通じて、車線Lを走行する車両Aの車体の存在/非存在に応じた検知信号を出力する。
車長検知器26は、車線方向において車両分離器22よりも所定の距離だけ下流側に設けられ、車線Lを車線幅方向に挟んで対向する投光器及び受光器を通じて、車線Lを走行する車両Aの、当該設置位置における進入/退出に応じた検知信号を出力する。
通行料金表示器27は、通行する車両Aに対して通行料金を表示する。
【0032】
各撮影カメラ30(第1撮影カメラ30a、第2撮影カメラ30b及び第3撮影カメラ30c)は、車線Lを走行する車両Aを撮影可能なように、車線Lに沿って各所に設置された監視用の撮影カメラである。各撮影カメラ30は、定常的に撮影処理を続けており、撮影された画像データは、逐次、所定の記録媒体に記録される。
【0033】
通行券処理装置11は、収受員の操作によって車両Aの運転者等から提出された通行券を取り込んで、入口通行料金所を示す情報(入口情報)を読み取る。
領収書発行装置12は、運転者からの通行料金の収受に対して領収書を発行する。
信号灯31は、車線Lにおける有人ブース10の上流側に設けられ、位置D1への車両Aの進入の可否を示す信号を表示する。
信号灯制御装置32は、信号灯31の点灯する色を制御する。
遮断機33は、車線Lにおける有人ブース10の上流側に設けられ、遮断桿を開閉して位置D1への車両Aの進入の可否を制御する。
遮断機制御装置34は、遮断機33の遮断桿の開閉を制御する。
【0034】
車線制御装置100は、有人ブース10に設けられ、車両Aについての通行料金の計算、通行する車両台数のカウント、領収書の発行等の処理を行う。車線制御装置100は、車両特徴情報生成部21から受信した車両特徴情報と通行券処理装置11が読み取った入口情報とに基づいて、車両Aに対する課金額を特定し、特定した課金額を通行料金表示器27へ出力する。また、収受員は、通行料金を収受すると、車線制御装置100に収受した通行料金の金額の入力を行う。車線制御装置100は、金額の入力を受け付け、領収書発行装置12に領収書の発行を指示する。また、車線制御装置100は、収受した通行料金、車両特徴情報生成部21から受信した車両の台数等のデータをデータ処理装置200へ送信する。この通行料金や車両台数等の車線制御装置100が生成したデータを処理実績データと呼ぶ。なお、収受員は、例えば数時間おきに交代する。その際、収受員の交代中に車両Aが車線Lを通行しないように、車線制御装置100は、車線Lを一時的に閉鎖する制御を行う。例えば、車線制御装置100は信号灯制御装置32に車両Aの進入禁止を示す赤信号を表示することを指示する信号を出力する。また、例えば、車線制御装置100は、遮断機制御装置34に車両Aが進入しないよう遮断棹を閉じることを指示する信号を出力する。
【0035】
データ処理装置200は、通行料金所の事務所に設けられ、各車線の車線制御装置100から、処理実績データを受信し、通行料金所全体の処理実績データを収集する。データ処理装置200は、収集した処理実績データに基づいて、例えば、各種帳票を出力する。また、データ処理装置200は、収集した処理実績データを中央処理装置300へ送信する。
【0036】
中央処理装置300は、各通行料金所から処理実績データを受信し、広域的な処理実績データを収集する。中央処理装置300は、広域的な処理実績データを他のシステムと連携する。例えば、車両Aの運転者が通行料金の支払いをクレジットカードで行う場合、中央処理装置300は、当該カード会社の決済システムに車両Aについての通行料金を通知する。カード会社は、この決済システムによって、運転者に請求を行う。
【0037】
ところで、車線制御装置100には、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置が備えられており、上述の車線制御装置100の各機能(例えば、料金計算、領収書発行制御等)は、演算装置が各機能専用のプログラムを読み込んでそれらのプログラムを実行することで実現される。本実施形態では、車線制御装置100の各機能を実現させる各種プログラムを総称してソフトウェアαと呼ぶ。また、ソフトウェアαには、各種プログラムで使用する各種データ(例えば、料金計算で用いる料金データ、領収書発行で用いる料金所の名称などのテキストデータなど)が含まれる。後述するようにソフトウェアαは、車線制御装置100が備える記憶部に格納されている。なお、
図1において、車線制御装置100は有人ブース10に設けられているが、有人ではない車線においては、料金自動収受機、ETC機器に車線制御装置が設けられており、ソフトウェアαは、それらの車線制御装置でも稼働する。つまり、ソフトウェアαには以下の3種類のソフトウェアが含まれる。
(1)収受員が料金収受処理操作のために使用するソフトウェア(操作画面表示や料金計算を行う;有人ブース10で用いる)
(2)道路利用者が料金収受操作のために使用するソフトウェア(料金表示、音声案内、料金計算等を行う;図示しない料金自動収受機で用いる)
(3)道路利用者の車両の車載器と通信し、料金収受を行うためのソフトウェア(料金計算、車両の通行制御等を行う;ETC機器用)」
ソフトウェアαは、例えば、年に1回程度の頻度で更新される。
また、車線制御装置100等では、ソフトウェアαの更新処理を実現するソフトウェアβも稼働する。
なお、ソフトウェアαに含まれるプログラム、データに変更があり、ソフトウェアαが新たに更新された場合、車線制御装置100には、更新された最新のソフトウェアαを適用する必要がある。ソフトウェアβについても同様である。これら、自装置のソフトウェアα、ソフトウェアβに適用される最新のソフトウェアα、ソフトウェアβを総称して最新データと呼ぶ。本実施形態の料金収受システム1は、最新データを全国の各車線制御装置100に配信し自動で更新する仕組みを有している。以下、料金収受システム1が最新データを配信し更新するシステムをデータ更新システムと呼ぶ。次にデータ更新システムについて、有人ブース10で稼働するソフトウェアαを例に説明を行う。
【0038】
(データ更新システムの全体構成)
図2は、本発明に係る第一実施形態におけるデータ更新システムの構成の一例を示すブロック図である。
中央処理装置300は、例えば、全国の拠点(例えば10数ヶ所)に設置されている。各拠点の配下には、その拠点が統括する通行料金所が存在し、各通行料金所には、データ処理装置200が設置されている。中央処理装置300とデータ処理装置200は、ネットワークを介して接続されている。通行料金所は全国で数千ヶ所存在し、各通行料金所では車線別の有人ブース10に車線制御装置100(100A、100B)が設置されている。データ処理装置200と車線制御装置100Aおよび車線制御装置100Bは、ネットワークを介して接続されている。中央処理装置300、データ処理装置200、車線制御装置100は、例えばPC(Personal Computer)やサーバ装置である。
【0039】
車線制御装置100で稼働するソフトウェアαが更新された場合、本実施形態では、更新された最新のソフトウェアαが中央処理装置300に配備される。最新のソフトウェアαは、中央処理装置300から各通行料金所のデータ処理装置200を経由して車線制御装置100へ配信される。次に本実施形態のデータ更新システムにおける中央処理装置300および車線制御装置100について説明する。なお、本実施形態の例では、データ処理装置200は、中央処理装置300と車線制御装置100との間のデータ通信を仲介するだけのため、データ処理装置200についての詳しい説明を省略する。
【0040】
(中央処理装置の機能構成)
図3は、本発明に係る第一実施形態における中央処理装置の一例を示すブロック図である。
中央処理装置300は、最新データ配信部301と、最新バージョン情報通知部302と、配信実績情報管理部303と、更新実績情報管理部304と、更新指示情報通知部305と、記憶部306と、入力部307とを備えている。中央処理装置300は、この他にも例えば通行料金の課金処理に関する機能等を有しているが、本実施形態のデータ更新システムに関係ない機能についての説明は省略する。
【0041】
最新データ配信部301は、最新のソフトウェアαを配信する。
最新バージョン情報通知部302は、更新された最新のソフトウェアαのバージョン情報を通知する。
配信実績情報管理部303は、最新のソフトウェアαの配信実績情報を管理する。具体的には、配信実績情報管理部303は、最新のソフトウェアαをダウンロードした車線制御装置100から送信されたダウンロード済みを通知する通知情報を取得し、車線制御装置100別にダウンロードしたソフトウェアαのバージョン情報を記憶部306に記録する。
【0042】
更新実績情報管理部304は、最新のソフトウェアαの更新実績情報を管理する。具体的には、更新実績情報管理部304は、最新のソフトウェアαを適用した車線制御装置100から送信された適用済みを通知する通知情報を取得し、車線制御装置100別に適用したソフトウェアαのバージョン情報を記憶部306に記録する。なお、最新のソフトウェアαを車線制御装置100に適用する場合には、既にインストールされているソフトウェアαを最新のソフトウェアαで更新する場合と、それまでソフトウェアαがインストールされていない状態で最新のソフトウェアαを新たにインストールする場合を含むものとする。また、ソフトウェアαを車線制御装置100に適用することを更新処理と呼ぶ。
更新指示情報通知部305は、車線制御装置100にソフトウェアαの更新処理を促すメッセージを表示するよう指示したり、ソフトウェアαの更新処理を指示したりする。
【0043】
記憶部306は、最新のソフトウェアα、車線制御装置100別のダウンロード済みバージョン情報等を記憶する。
入力部307は、中央処理装置300と他装置との間、または中央処理装置300と保守作業員との間で情報等の入出力を行う。例えば、入力部307は、保守作業員から最新のソフトウェアαのデータとそのデータの保存指示操作の入力を受け付けて、入力された最新のソフトウェアαを記憶部306に記録する。
通信部308は、インターネット等の通信回線を介して他装置との間で通信を行うインターフェースである。
【0044】
なお、最新データ配信部301と、最新バージョン情報通知部302と、配信実績情報管理部303と、更新実績情報管理部304と、更新指示情報通知部305と、は、中央処理装置300に備わるCPUがプログラムを実行することにより備わる機能である。
【0045】
(車線制御装置の機能構成)
図4は、本発明に係る第一実施形態における車線制御装置の一例を示すブロック図である。
車線制御装置100は、最新データ取得部101と、処理状態判定部102と、車線開閉状態判定部103と、処理実績データ送信判定部104と、動作モード制御部105と、通行処理実行部106と、データ更新部107と、記憶部108と、入出力部109と、通信部110とを備えている。
【0046】
最新データ取得部101は、最新のソフトウェアαの有無を判定し、最新のソフトウェアαが存在する場合、最新のソフトウェアαを中央処理装置300から取得する。
処理状態判定部102は、自装置が車両Aの通行に関する処理の実行が可能な状態であるか否かを示す情報に基づいて、車線Lが車両の通行に関する処理(通行処理)が実行状態にあるか否かの判定を行う。
【0047】
車線開閉状態判定部103は、車線Lの開閉を示す情報に基づいて、車線Lが閉鎖中か否かの判定を行う。
処理実績データ送信判定部104は、車線Lを通行する車両Aの通行に関する処理によって生成した処理実績データの送信状態の判定を行う。
動作モード制御部105は、自装置の動作モードを実行状態と非実行状態とで切り替える。また、動作モード制御部105は、非実行状態中に動作モードが実行状態とならないようロックする機能を有している。
なお、上記したとおり、ソフトウェアαには、有人ブース10で用いるもの、自動収受機で用いるもの、ETC機器で用いるものの3種類が含まれる。有人ブース10における通行処理の実行状態には収受員が車両の通行処理の業務に携わっている勤務状態が、非実行状態には収受員が業務から離れている非勤務状態が含まれている。また、自動収受機、ETC機器など無人機の場合、通行処理の実行状態には電源が入った状態、正常稼働状態が含まれる。また、無人機の場合、通行処理の非実行状態には電源が切られた状態、故障状態が含まれる。
【0048】
通行処理実行部106は、通行料金計算、通行する車両の台数管理、領収書の発行等の種々の処理を行う。また、通行処理実行部106は、信号灯制御装置32を介して信号灯31の制御を行う。また、通行処理実行部106は、遮断機制御装置34を介して遮断機33の制御を行う。これら通行処理実行部106が実行する処理を通行処理という。なお、ソフトウェアαは、通行処理実行部106が実現するこれらの機能のうち一部または全部の機能を有するプログラム群のことである。
【0049】
データ更新部107は、車線Lの状態が所定の状態となった場合、最新データ取得部101が取得した最新のソフトウェアαを自装置に適用する更新処理を実行する。更新処理とは、本実施形態では、車線制御装置100にソフトウェアαをインストールすることである。なお、ソフトウェアβとは、データ更新部107が実現する更新処理機能のうち一部または全部の機能を有するプログラム群のことである。
【0050】
記憶部108は、通行料金計算に用いるデータや通行処理実行部106が通行処理によって生成した処理実績データを記憶する。
入出力部109は、車線制御装置100と他装置、または車線制御装置100と収受員との間で情報の入出力を行う。例えば、入出力部109は、通行券処理装置11、領収書発行装置12とのインターフェースである。また、例えば、収受員による各種操作を受け付けるボタン、スイッチ等である。また、例えば、入出力部109は、車線制御装置100が備える表示部(図示せず)である。
通信部110は、インターネット等の通信回線を介して他装置との間で通信を行うインターフェースである。
【0051】
なお、最新データ取得部101、処理状態判定部102、車線開閉状態判定部103、処理実績データ送信判定部104、動作モード制御部105、通行処理実行部106、データ更新部107は、車線制御装置100に備わるCPUがプログラムを実行することにより備わる機能である。
【0052】
(基本的なソフトウェアαの更新処理の流れ)
図5は、本発明に係る第一実施形態におけるソフトウェアの更新処理の一例を示す第一のフローチャートである。
図5を用いて、配信すべき新たなソフトウェアαが存在する場合を例に本実施形態の更新処理を説明する。
まず、保守作業員が、中央処理装置300に最新のソフトウェアαのデータとそのソフトウェアのバージョン情報を入力する。入力部307は、最新のソフトウェアαのデータとバージョン情報を記憶部306に記録する。次に保守作業員が中央処理装置300に最新ソフトウェアαの配信指示操作を行う。すると、最新データ配信部301は、最新ソフトウェアαを配信するための所定の場所に配備する(ステップS10)。配備するとは、例えば、最新ソフトウェアαを、インターネットを介してHTTP(Hypertext Transfer Protocol)にて配信する場合、Webサーバの所定のディレクトリ位置に最新ソフトウェアαをコピーすることをいう。
【0053】
次に、車線制御装置100において最新データ取得部101が、データ処理装置200を介して、中央処理装置300に配備されたソフトウェアαのバージョンを問い合わせる(ステップS11)。最新データ取得部101は、所定時間おきに中央処理装置300にバージョンの問い合わせを行う。中央処理装置300では、最新バージョン情報通知部302が、通信部308を介してその問い合わせ電文を受信する。最新バージョン情報通知部302は、記憶部306から最新のソフトウェアαのバージョン情報を読み出して、通信部308を介して読み出したバージョン情報を車線制御装置100に送信する(ステップS12)。バージョン情報を含んだ電文は、データ処理装置200を経由して車線制御装置100に送信される。通信部110は、バージョン情報を含んだ電文を受信して、最新データ取得部101に出力する。最新データ取得部101は、配備された最新のソフトウェアαのバージョン情報と車線制御装置100が既に取得したソフトウェアαのバージョン情報とを比較する。なお、既にインストールされているソフトウェアαのバージョン情報は記憶部108に記録されている。
【0054】
最新データ取得部101は、中央処理装置300に新たなソフトウェアαが配備されたどうかを判定する(ステップS13)。具体的には、最新のソフトウェアαのバージョン情報と既に取得したソフトウェアαのバージョン情報とが一致すれば、最新データ取得部101は、新たなソフトウェアαは配備されていないと判定する。また、最新のソフトウェアαのバージョン情報が既に取得したソフトウェアαのバージョン情報より大きな値であれば、最新データ取得部101は、新たなソフトウェアαが配備されていると判定する。新たなソフトウェアαは配備されていないと判定した場合(ステップS13;No)、最新データ取得部101は、ステップS11からの処理を繰り返す。つまり、所定時間おきに中央処理装置300にバージョン情報の問い合わせを行う。
【0055】
新たなソフトウェアαが配備されていると判定した場合(ステップS13;Yes)、最新データ取得部101は、新たなソフトウェアαのダウンロードを行う(ステップS14)。ダウンロードが完了すると、最新データ取得部101は、ダウンロードしたデータが正常か否かの判定を行う(ステップS15)。例えば、最新データ取得部101は、中央処理装置300側でダウンロード前の最新のソフトウェアαのデータから計算したチェックサムとダウンロードしたソフトウェアαのデータから計算したチェックサムとを比較する。最新データ取得部101は、両方のチェックサムの値が等しければダウンロードしたデータが正常と判定し、チェックサムの値が異なっていればダウンロードしたデータが正常ではないと判定する。ダウンロードしたデータが正常ではない場合(ステップS15;No)、ステップS15の処理を繰り返す。なお、所定回数、ダウンロードを行ってもダウンロードしたデータが正常ではない場合、最新データ取得部101は、ダウンロードを繰り返すことを止め、エラーメッセージを中央処理装置300へ通知してもよい。また、最新データ取得部101は、入出力部109を介して表示部にエラーメッセージを表示してもよい。
【0056】
ダウンロードしたデータが正常の場合(ステップS15;Yes)、最新データ取得部101は、通信部110を介してダウンロード済みバージョンとダウンロードが完了した日時と自装置(車線制御装置100)の識別情報を中央処理装置300へ送信する(ステップS16)。バージョン情報等を含んだ電文は、データ処理装置200を経由して中央処理装置300に送信される。通信部308は、バージョン情報等を含んだ電文を受信して、配信実績情報管理部303に出力する。配信実績情報管理部303は、ダウンロード済みバーション情報等を記録する(ステップS17)。具体的には、配信実績情報管理部303は、車線制御装置100の識別情報とバージョン情報とダウンロードの完了日時を関連付けて記憶部306に記録する。
一方、車線制御装置100では、最新データ取得部101がダウンロード済みのソフトウェアαのバージョン情報を記憶部108に記録する(ステップS18)。記憶部108に記録したバージョン情報が、次回のステップS13において、中央処理装置300に配備されたソフトウェアαのバージョンとの比較対象となる。
【0057】
最新ソフトウェアのダウンロードが完了すると、次にデータ更新部107が更新処理を行う。しかし、ソフトウェアの更新中は、通行処理を行うことができないため車線Lを閉鎖する必要がある。従って、車線制御装置100は、通行処理の終了や車線Lの閉鎖が確認できてからソフトウェアαの更新を行う。
まず、処理状態判定部102が、通行処理が終了しているかどうかを判定する(ステップS19)。車線制御装置100には、勤務中(実行状態)と勤務停止(非実行状態)を切り替えるためのスイッチが設けられており、収受員がこのスイッチを切り替えることによって動作モード制御部105が通行処理のステータス(実行状態か非実行状態か)を切り替える。処理状態判定部102は、動作モード制御部105に通行処理のステータスを問い合わせる。それに対して応答されたステータスが実行状態であれば、処理状態判定部102は、通行処理が終了していないと判定する。応答されたステータスが非実行状態であれば、処理状態判定部102は、通行処理が終了したと判定する。通行処理が終了していないと判定した場合(ステップS19;No)、処理状態判定部102は、通行処理が終了するまでステップS19の判定を繰り返し行い、待機する。
【0058】
通行処理が終了したと判定した場合(ステップS19;Yes)、続いて、車線開閉状態判定部103が、車線Lが閉鎖されているかどうかの判定を行う(ステップS20)。車線Lが閉鎖されている状態とは、信号灯31が赤信号で遮断機33が閉じられた状態をいう。信号灯31および遮断機33の動作は通行処理実行部106が決定する。車線開閉状態判定部103は、通行処理実行部106に信号灯31が点灯している信号の色、遮断機33の開閉について問い合わせる。それに対する応答が信号灯31が赤信号で遮断機33が閉じられていることを示していれば、車線開閉状態判定部103は、車線Lが閉鎖されていると判定する。それ以外の場合は、車線開閉状態判定部103は、車線Lが閉鎖されていないと判定する。車線Lが閉鎖されていないと判定した場合(ステップS20;No)、車線開閉状態判定部103は、車線Lが閉鎖されるまでステップS20の判定を繰り返し行い、待機する。
【0059】
車線Lが閉鎖されていると判定した場合(ステップS20;Yes)、続いて、処理実績データ送信判定部104は、全ての処理実績データ送信済みかどうかを判定する(ステップS21)。通行処理実行部106は、処理実績データ(車両Aが通行する度に計算された通行料金や、所定時間において通行した車両の台数等)を一時的に記憶部108に記録し、例えば、所定の時間間隔で処理実績データをデータ処理装置200へ送信する。また、収受員が勤務停止(通行処理を非実行状態にする)の指示操作を行ったタイミングで、通行処理実行部106は、記憶部108に記録された未送信の処理実績データをデータ処理装置200へ送信する。また、処理実績データの送信済が確認されると通行処理実行部106は、記憶部108に記録された送信済みの処理実績データを削除する処理を実行する。しかし、回線の異常等が発生した場合、収受員が通行処理停止の指示操作を行ってからも、記憶部108には未送信の処理実績データが記録されたままとなる可能性がある。未送信の処理実績データがあると、データ処理装置200側では、収受すべき通行料金と実際に運転者から収受した通行料金との間で誤差が発生したり、処理実績データに含まれる通行した車両の台数と実際に通行した車両の台数との間で誤差が発生したりといった悪影響が生じる。そこで、処理実績データ送信判定部104は、記録された未送信の処理実績データが存在するかどうか記憶部108を検索する。未送信の処理実績データが存在する場合、処理実績データ送信判定部104は、処理実績データは送信済みではないと判定する。未送信の処理実績データが存在しない場合、処理実績データ送信判定部104は、処理実績データは送信済みであると判定する。通行処理実行部106は、所定の時間間隔で処理実績データを送信するので、回線が復旧すれば、処理実績データはやがて送信され、未送信の処理実績データは無くなる。全ての処理実績データが送信済みではないと判定した場合(ステップS21;No)、処理実績データ送信判定部104は、全ての処理実績データが送信済みとなるまでステップS21の判定を繰り返し行い、待機する。
【0060】
処理実績データが送信済みであると判定した場合(ステップS21;Yes)、車線Lの状態が、更新処理を行うことができる状態となったことになる。この場合、データ更新部107は最新のソフトウェアにアップデートする更新処理を行う(ステップS22)。まず、データ更新部107が、動作モード制御部105に、動作モードが実行状態とならないように指示を行う。動作モード制御部105は、動作モードを非実行状態にロックする。これによって、通行処理実行部106は、料金計算処理や信号灯31の動作制御などが行えなくなる。次にデータ更新部107が更新処理を行う。例えば、最新のソフトウェアαには、インストール機能が付加されていて、データ更新部107がそのインストール機能を実行すると最新のソフトウェアαがインストールされる。インストールが完了すると、入出力部109が表示部に更新処理の完了と最新のソフトウェアαの動作確認を要求するメッセージを表示する。また、データ更新部107は、動作モード制御部105に、動作モードのロックを解除するよう指示を行う。動作モード制御部105は、動作モードのロックを解除する。また、データ更新部107は、更新処理を行ったソフトウェアαのバージョン情報を記憶部108に記録する。ソフトウェアの保守作業員は、表示部に表示されたメッセージを見て、ソフトウェアαについての所定の動作確認作業を行う。また、後述するように、ソフトウェアαに含まれる更新された新たな機能は、新たな通行料金体系が適用される日等に合わせて実行可能な状態に切り替えられる。従って、動作確認作業では、例えば、新たな機能だけではなく、現行機能がこれまでどおり実行されるかどうかの確認等も行われる。一連の動作確認作業が完了すると、保守作業員は、ソフトウェアαの更新作業が正常に終了したかどうかを判定する。確認作業中に異常等が検出された場合、例えば、保守作業員は、手動でソフトウェアαを前のバージョンに戻し、再度最新のソフトウェアαのインストール及び動作確認を行う。動作確認が正常に終了すると、保守作業員は、車線制御装置100へ動作確認作業が完了したことを示す入力操作を行う。入出力部109がこの入力操作(動作確認完了操作)を受け付けると(ステップS23)、データ更新部107は、通信部110を介して自装置(車線制御装置100)の識別情報と更新したソフトウェアのバージョン情報と更新処理が完了した日時を中央処理装置300へ送信する(ステップS24)。中央処理装置300では、更新実績情報管理部304が、更新済みバーション情報等を取得して記録する(ステップS25)。具体的には、車線制御装置100の識別情報とバージョン情報と更新処理の完了日時を関連付けて記憶部306に記録する。記憶部306には、車線制御装置別に、ダウンロードしたソフトウェアαのバージョン情報と更新したソフトウェアαのバージョン情報が記録される。
【0061】
例えば、ソフトウェアαには、新たな機能と現行機能を切り替える日時が設定されていて、その日時が到来すると新たな機能が動作するように構成されている。ソフトウェアαは、切り替え期限かどうかを判定し(ステップS26)、切り替え期限が到来していなければ(ステップS26;No)、切り替え期限まで待機する。切り替え期限が到来していれば(ステップS26;Yes)、機能のバージョンを切り替える(ステップS27)。なお、この機能のバージョン切り替え処理は、中央処理装置300の指示に基づいて制御してもよい。
【0062】
(最新のソフトウェアαの更新処理が滞っている場合の処理の流れ)
ソフトウェアαは、所定の期日までに全国の車線制御装置100に配布され、正常に更新処理が実行される必要がある。次に最新のソフトウェアαを確実に車線制御装置100にインストールする処理について説明する。
図6は、本発明に係る第一実施形態におけるソフトウェアの更新処理の一例を示す第二のフローチャートである。
図5と同様の処理については同じ符号を付して簡単に説明を行う。
前提として、
図5のフローチャートにおける最新のソフトウェアαのダウンロード処理(ステップS18)までの処理が完了しているとする。また、最新のソフトウェアαには第一更新期限と第二更新期限が設定されていて、記憶部306には、最新のソフトウェアαに関連付けて第一更新期限と第二更新期限が記録されている。第二更新期限は、例えば、通行料金の改正日等の新たなバージョンのソフトウェアαの機能が必要な日から所定期間だけ前に設定されている。第一更新期限は、第二更新期限よりさらに所定期間だけ前に設定されている。また、記憶部306には、車線制御装置別にソフトウェアαのダウンロードしたバージョン情報と更新したバージョン情報が記録されている。
【0063】
まず、中央処理装置300において、更新実績情報管理部304が、記憶部306に記録された車線制御装置100別のダウンロード日時と更新日時とを比較して、最新のソフトウェアαをダウンロードしても未更新となっている車線制御装置100を抽出する。次に更新実績情報管理部304は、抽出した車線制御装置100のそれぞれについて、最新のソフトウェアαをダウンロードした日時と現在の日時とを比較して、最新のソフトウェアαをダウンロードしてから所定期間以上未更新のまま経過している車線制御装置100を選択する(ステップS31)。更新実績情報管理部304は、選択した車線制御装置100の識別情報を更新指示情報通知部305へ出力する。次に更新指示情報通知部305は、更新実績情報管理部304から取得した識別情報が示す車線制御装置100へソフトウェアαの更新を促す警告情報を送信する(ステップS32)。警告情報を含んだ電文は、データ処理装置200を経由して各車線制御装置100へ送信される。警告情報の通知対象となった車線制御装置100では、データ更新部107が、通信部110を介して警告情報を取得する。データ更新部107は、入出力部109にソフトウェアαの更新を促す警告情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「未更新のソフトウェアが存在します。ソフトウェアを更新してください」等のメッセージ(第一メッセージ)を表示する(ステップS33)。
【0064】
次に更新実績情報管理部304は、最新のソフトウェアαをダウンロードしても未更新となっている車線制御装置100を抽出する。また、更新実績情報管理部304は、第一更新期限と現在の日時とを比較して第一更新期限が到来している場合、第一更新期限が到来しても、未更新となっている車線制御装置を選択する(ステップS34)。更新実績情報管理部304は、選択した車線制御装置100の識別情報を更新指示情報通知部305へ出力する。次に更新指示情報通知部305は、抽出された車線制御装置100へソフトウェアαの更新を促す警告情報を送信する(ステップS35)。警告情報の通知対象となった車線制御装置100では、データ更新部107が、通信部110を介して警告情報を取得し、入出力部109にソフトウェアαの更新を促す警告情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「ソフトウェアの更新期限が近付いています。ソフトウェアを更新してください」等のメッセージ(第二メッセージ)を表示する(ステップS36)。
【0065】
次に、更新実績情報管理部304は、記憶部306に記録された車線制御装置100別の更新したバージョン情報と最新のソフトウェアαに関連付けられた第二更新期限とを全ての車線制御装置100について比較する。更新実績情報管理部304は、第二更新期限が到来してもソフトウェアαが最新のバージョンに更新されていない車線制御装置100を選択する(ステップS37)。更新実績情報管理部304は、選択した車線制御装置100の識別情報を更新指示情報通知部305へ出力する。次に更新指示情報通知部305は、更新実績情報管理部304から取得した識別情報が示す車線制御装置100へソフトウェアαの更新指示情報を送信する(ステップS38)。更新指示情報を含んだ電文は、データ処理装置200を経由して各車線制御装置100へ送信される。更新指示情報の通知対象となった車線制御装置100では、データ更新部107が、通信部110を介して更新指示情報を取得する。データ更新部107は、ソフトウェアαの更新条件を満たすかどうかを判定する(ステップS39)。更新条件とは、具体的には、通行処理が終了していること(
図5のステップS19)及び車線Lが閉鎖されていること(
図5のステップS20)及び処理実績データが送信済みとなっていること(
図5のステップS21)である。更新条件は、上記の例に限らない。他の例としては、例えば、車線制御装置100がメンテナンス中であること等、車両の通行に関する処理が実行中ではなく完結していることが確認ができる条件であればよい。更新条件を満たす場合(ステップS39;Yes)、データ更新部107は、ソフトウェアの更新処理を行う(ステップS22)。データ更新部107は、通信部110を介して自装置(車線制御装置100)の識別情報と更新したソフトウェアのバージョン情報と更新日時を中央処理装置300へ送信する(ステップS24)。中央処理装置300では、更新実績情報管理部304が更新済みバージョン情報等を記憶部306に記録する(ステップS25)。
【0066】
更新条件を満たさない場合(ステップS39;No)、データ更新部107は、車線Lの状態が更新条件を満たす状態となるように制御を行う。まず、データ更新部107は、車線閉鎖の制御を行う(ステップS391)。具体的には、データ更新部107は、通行処理実行部106に車線Lを閉鎖するよう指示を行う。通行処理実行部106は、信号灯制御装置32に信号灯31を赤信号にするよう指示を行う。信号灯制御装置32は、信号灯31を赤信号にする。通行処理実行部106は、遮断機制御装置34に遮断機33を閉じるよう指示を行う。遮断機制御装置34は、遮断棹を降ろし遮断機33を閉じる。
次にデータ更新部107は、入出力部109に通行処理の終了を指示する通行処理終了指示情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「通行処理を終了させてください」等のメッセージ(通行処理終了指示情報)を表示する(ステップS392)。また、データ更新部107は、処理状態判定部102に通行処理が終了しているかどうかの判定を指示する。処理状態判定部102は、通行処理の終了を判定する(ステップS19)。収受員は、表示部の表示を見て通行処理実行状態を切り替えるスイッチを切り替え、動作モード制御部105が動作モードを非実行状態にする。収受員が通行処理の実行状態を切り替えるまで、処理状態判定部102は、ステップS19の判定を繰り返し行い待機する。収受員が通行処理の実行状態を切り替えると、処理状態判定部102は、通行処理が終了したと判定し、その判定結果をデータ更新部107に出力する。なお、通行処理の終了を指示するメッセージを表示して所定の時間が経過しても、通行処理が終了とならない場合、データ更新部107は、動作モード制御部105に動作モードを非実行状態とするよう指示を行い、動作モード制御部105が動作モードを強制的に非実行状態に切り替えてもよい。
【0067】
次にデータ更新部107は、通行処理実行部106に処理実績データの送信を指示する。通行処理実行部106は、記憶部108に一時的に記録された未送信の処理実績データを通信部110を介してデータ処理装置200へ送信する(ステップS393)。未送信の処理実績データをデータ処理装置200へ送信すると、通行処理実行部106は、送信が完了した旨の情報をデータ更新部107に出力する。データ更新部107は、ステップS39からの処理を繰り返し、ソフトウェアの更新処理を行う。なお、この後、所定の切り替えタイミング(料金計算方法が変わる日など)が到来すると、中央処理装置300が、各車線制御装置100へソフトウェアαの新旧の機能を切り替える指示情報を送信し、この指示情報に基づいて各車線制御装置100が一斉に新しい機能に切り替えてもよい。
【0068】
本実施形態によれば、車線制御装置100は、車両の通行に関する処理の実行状態を判定し、当該処理が実行状態ではないときのみ、最新データの更新処理を行うので、高速道路における車両の通行を妨げることなく更新処理を行うことができる。また、車線制御装置100は、高速道路の運用に悪影響を及ぼすことなく、更新期限までに自動的に最新のソフトウェアを適用することができる。また、全国の通行料金所に設けられた車線制御装置100から中央処理装置300にアクセスし、最新のソフトウェアαを取得して更新処理を自動で実行するので、ソフトウェアαの更新にかかる時間の短縮化、手間やコストの低減を図ることができる。また、ソフトウェアαの更新に要す時間が短いので、従来よりもタイムリーにソフトウェアαに対する仕様変更のニーズに答えることができる。
【0069】
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態によるデータ更新システムについて
図7〜
図8を参照して説明する。第一実施形態では、中央処理装置300が車線制御装置100のソフトウェアの更新を管理する場合を例に説明を行った。第二実施形態においては、車線制御装置100がソフトウェア更新の期限管理を行う。
【0070】
図7は、本発明に係る第二実施形態における車線制御装置の一例を示すブロック図である。
本発明の第二実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る車線制御装置100を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。第二実施形態に係る車線制御装置100aは、第一実施形態のデータ更新部107に代えて、データ更新部107aを備えている。
データ更新部107aは、第一実施形態のデータ更新部107の機能に加え、自装置(車線制御装置100a)においてソフトウェアαの更新管理を行う機能を有している。例えば、データ更新部107aは、更新期限が迫っているのに最新のソフトウェアαに更新されない場合、警告情報を表示したり、強制的に更新処理を行ったりする。
【0071】
次に、最新のソフトウェアαをダウンロードしてからしばらくしても最新のソフトウェアαの更新処理が行われなかった場合の処理について
図8を用いて説明を行う。なお、第二実施形態においても、最新のソフトウェアαをダウンロードしてから比較的短期間の間に更新処理が行わる場合の更新処理の流れについては
図5で説明したものと同様である。
【0072】
(最新のソフトウェアαの更新処理が滞っている場合の処理の流れ)
図8は、本発明に係る第二実施形態におけるソフトウェアの更新処理の一例を示すフローチャートである。
図8を用いて、車線制御装置100aによるソフトウェアの更新処理について説明を行う。
図6と同様の処理については同じ符号を付して簡単に説明を行う。また、前提として、ソフトウェアαには第一更新期限と第二更新期限が設定されていて、記憶部108には、最新のソフトウェアαに加えて第一更新期限と第二更新期限が記録される。また、他の前提については、
図6で説明したものと同様であるとする。
【0073】
まず、車線制御装置100において、データ更新部107aが、最新のソフトウェアαは未更新かどうかを判定する(ステップS41)。更新済みの場合(ステップS41;No)、本フローチャートは終了する。未更新の場合(ステップS41;Yes)、データ更新部107aは、記憶部108に記録された最新のソフトウェアのダウンロード日時と現在の日時とを比較して最新のソフトウェアαをダウンロードしてから所定期間以上経過しているかどうかを判定する(ステップS42)。この条件を満たさない場合(ステップS42;No)、所定期間以上経過するまで待機する。この条件を満たす場合(ステップS42;Yes)、次にデータ更新部107aは、第一更新期限が到来したかどうかを判定する(ステップS43)。第一更新期限が到来していない場合(ステップS43;No)、データ更新部107aは、入出力部109にソフトウェアαの更新を促す警告情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「未更新のソフトウェアが存在します。ソフトウェアを更新してください」等のメッセージ(第一メッセージ)を表示する(ステップS33)。また、データ更新部107aは、例えば、所定の期間間隔でステップS43の判定を繰り返す。
【0074】
第一更新期限が到来した場合(ステップS43;Yes)、次にデータ更新部107aは、第二更新期限が到来したかどうかを判定する(ステップS44)。第二更新期限が到来していない場合(ステップS44;No)、データ更新部107aは、入出力部109にソフトウェアαの更新を促す警告情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「ソフトウェアの更新期限が近付いています。ソフトウェアを更新してください」等のメッセージ(第二メッセージ)を表示する(ステップS36)。また、データ更新部107aは、例えば、所定の期間間隔でステップS44の判定を繰り返す。
【0075】
一方、第二更新期限が到来した場合(ステップS44;Yes)、データ更新部107aは、ソフトウェアの更新条件を満たすかどうかを判定する(ステップS39)。更新条件を満たす場合(ステップS39;Yes)、データ更新部107aは、ソフトウェアの更新処理を行う(ステップS22)。また、データ更新部107aは、通信部110を介して更新したソフトウェアのバージョン情報等を中央処理装置300へ送信する。
【0076】
更新条件を満たさない場合(ステップS39;No)、データ更新部107aは、車線閉鎖の制御を行う(ステップS391)。次にデータ更新部107aは、入出力部109に通行処理の終了を指示する通行処理実行終了指示情報を表示する旨の指示を行う。入出力部109は表示部に「通行処理を終了させてください」等のメッセージ(通行処理実行終了指示情報)を表示する(ステップS392)。次に処理状態判定部102が、通行処理の終了を判定する(ステップS19)。通行処理が終了したと判定した場合、データ更新部107aは、通行処理実行部106に処理実績データの送信を指示する。通行処理実行部106は、記憶部108に記録された未送信の処理実績データをデータ処理装置200へ送信する(ステップS393)。未送信の処理実績データをデータ処理装置200へ送信すると、データ更新部107aは、ステップS39からの処理を繰り返し、ソフトウェアの更新処理を行う。
【0077】
本実施形態によれば、中央処理装置300との通信を行うことなく、各車線制御装置100は、更新期限までに最新のソフトウェアを適用することができる。
【0078】
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態によるデータ更新システムについて
図9〜
図10を参照して説明する。第一実施形態、第二実施形態では、保守作業員が、更新されたソフトウェアαの動作確認を行っていた。第三実施形態では、ソフトウェアα更新後の動作確認を車線制御装置100が自動的に行う。第三実施形態は、第二実施形態の構成と組み合わせることも可能であるが、第一実施形態の構成と組み合わせた場合を例に説明を行う。
【0079】
図9は、本発明に係る第三実施形態における車線制御装置の一例を示すブロック図である。
本発明の第三実施形態に係る構成のうち、本発明の第一実施形態に係る車線制御装置100を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。第三実施形態に係る車線制御装置100bは、第一実施形態の構成に加えて、ソフトウェア動作確認部111を備えている。
ソフトウェア動作確認部111は、所定のプログラムを実施し、更新されたソフトウェアαの機能をテストする。
【0080】
(最新のソフトウェアα更新後の確認処理の流れ)
図10は、本発明に係る第三実施形態におけるソフトウェア更新後の動作確認処理の一例を示すフローチャートである。
前提として、
図5のステップS22までの処理が完了しているものとする。また、本実施形態では、中央処理装置300からダウンロードしたデータに最新のソフトウェアαの他に動作確認処理に用いるテストデータが含まれていてもよい。あるいは、テストデータは、予め記憶部108に記録されていてもよい。テストデータには、様々なテストケースの実行に必要なパラメータ、期待値等が含まれている。例えば、ソフトウェアαの中に含まれる通行料金計算を行うプログラムが更新された場合、高速道路を所定区間走行したときに課金される車両の種類別(大型車、普通車、小型車等)の通行料金を計算するテストケースが予め準備され、それらテストケース用のテストデータには、車両の種類別の通行料金(期待値)が含まれている。
【0081】
まず、データ更新部107が、ソフトウェアの更新処理の終了情報をソフトウェア動作確認部111に出力する。ソフトウェア動作確認部111は、更新されたソフトウェアαの動作確認処理を実行する(ステップS51)。例えば、通行料金が改正された場合、ソフトウェア動作確認部111は、普通車、大型車、軽自動車等の複数種類の車両が通行したときに車両特徴情報生成部21の動作を模擬し、各種類の車両が通行するときに車両特徴情報生成部21が生成する情報と同様の車両特徴情報を生成する。ソフトウェア動作確認部111は、更新されたソフトウェアαに含まれる新たな通行料金計算プログラムに、生成した車両の種類別の車両特徴情報を入力パラメータ値として出力する。また、ソフトウェア動作確認部111は、所定の通行料金所から入場した場合の通行券が通行券処理装置11によって読み取られた場合の読み取り情報を生成する。ソフトウェア動作確認部111は、生成した通行券の読み取り情報を、新たな通行料金計算プログラムに入力パラメータ値として出力する。また、ソフトウェア動作確認部111は、通行料金改正後に実行される通行料金計算プログラムが動作するようにソフトウェアαの機能を切り替える。次に、ソフトウェア動作確認部111は、通行料金計算プログラムを実行する。ソフトウェアαに含まれる新たな通行料金計算プログラムは、入力パラメータ値を用いて通行料金改正後の通行料金体系に従って通行料金計算を行う。新たな通行料金計算プログラムは、計算後の通行料金をソフトウェア動作確認部111に出力する。ソフトウェア動作確認部111は、取得した通行料金とテストデータに含まれる期待値とを比較して、新たな通行料金計算プログラムで計算した通行料金が正しいかどうかを判定する。また、通行料金の改正前には、現行の通行料金体系による計算を行うため、ソフトウェア動作確認部111は、通行料金改正前に実行される現行の通行料金計算プログラムが動作するようにソフトウェアαの機能を切り替えて、現行機能が正常に動作するかどうかの判定を行う。
【0082】
動作切り替え前後のプログラムで所定のテストケースを実行すると、ソフトウェア動作確認部111は、ソフトウェアαの動作が正常か否かを判定する(ステップS52)。例えば、機能切り替え前後のプログラムで実行したテストケースの動作結果が全て正しい場合、正常と判定し、それ以外の場合、正常ではないと判定する。ソフトウェア動作確認部111は、判定結果をデータ更新部107へ出力する。判定結果が正常の場合(ステップS52;Yes)、データ更新部107は、更新したソフトウェアのバージョン情報等を中央処理装置300へ送信する(ステップS24)。中央処理装置300では、更新実績情報管理部304がバージョン情報等を取得して、記憶部306に記録する(ステップS25)。判定結果が正常ではない場合(ステップS52;No)、データ更新部107は、ソフトウェアαのバージョンを1つ前に戻す(ステップS53)。例えば、記憶部108には、ダウンロードした最新のソフトウェアαと共に前回ダウンロードした一世代前のソフトウェアαを保存しておくようにする。データ更新部107は、最新のソフトウェアαを削除(アンインストール)し、一世代前のソフトウェアαをインストールする。このとき、データ更新部107は、記憶部108に記録された更新済みソフトウェアαのバージョン情報を1つ前のバージョンに戻す。次にデータ更新部107は、入出力部109に手動での更新を指示する情報を表示するよう指示を行う。入出力部109は表示部に手動での更新を指示する表示を行う(ステップS54)。保守作業員は、このメッセージを見て、手動による更新処理を実行する。更新処理が完了すると、保守作業員は、更新処理が完了したことを示す入力操作を行う。入出力部109は、この入力操作を受け付け、ソフトウェア動作確認部111にソフトウェアの更新処理の終了情報を出力する。ソフトウェア動作確認部111は、ステップS51からの処理を繰り返す。
【0083】
本実施形態によれば、ソフトウェアαの取得、更新処理だけでなく、ソフトウェアαの動作確認までを自動で行うことができる。
【0084】
なお、上述した車線制御装置100、車線制御装置100a、車線制御装置100b、中央処理装置300における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムを車線制御装置100、車線制御装置100a、車線制御装置100b、中央処理装置300のコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0085】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、車線制御装置100、車線制御装置100A、車線制御装置100B、車線制御装置100a、車線制御装置100b、中央処理装置300は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0086】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、ソフトウェアαは、最新データの一例である。最新データは、ソフトウェアではなく、例えば料金表データのようなテキストデータ、バイナリデータであっても構わない。