特許第6681236号(P6681236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681236
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】端子接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20200406BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   H01R13/11 A
   H01R13/11 K
   H01R13/04 E
   H01R13/04 B
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-58502(P2016-58502)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-174595(P2017-174595A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 孝裕
(72)【発明者】
【氏名】中田 洋人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 義貴
(72)【発明者】
【氏名】弓立 隆博
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−065522(JP,A)
【文献】 特開2010−267419(JP,A)
【文献】 特開2015−210946(JP,A)
【文献】 特開2015−216112(JP,A)
【文献】 特開2014−53076(JP,A)
【文献】 特開2007−59096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
H01R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オスタブ部を有する第1端子と、前記雄タブ部が挿入される箱部を有する第2端子とを備え、前記箱部はインデント部が突出された弾性撓み部と前記弾性撓み部の前記インデント部側に対向配置された挟持用接触部とを有し、前記オスタブ部が弾性変形された前記弾性撓み部と前記挟持用接触部の間に嵌合され、端子嵌合位置では、前記オスタブ部と前記インデント部が前記弾性撓み部の弾性復帰力を接触荷重として接続される端子接続構造において、
前記箱部の両方の側面壁の内面には、ガイド溝がそれぞれ形成され、
端子嵌合位置では、前記オスタブ部の両側端部が前記箱部の一対の前記ガイド溝に入り込み、前記オスタブ部の両側端部の一部が前記箱部の両方の前記側面壁に当接することを特徴とする端子接続構造
【請求項2】
請求項1記載の端子接続構造であって、
一対の前記ガイド溝は、前記箱部の全長に亘って形成されていることを特徴とする端子接続構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性撓み部の弾性復帰力を接触荷重とする端子接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例の端子接続構造として図11図13に示すものが提案されている(特許文献1)。この端子接続構造は、オス端子とメス端子を備えている。オス端子70は、図11に示すように、平板状のオスタブ部71を有する。メス端子81は、図12に示すように、四角形状の箱部82と、この箱部82に一体に設けられ、箱部82内に配置された弾性撓み部83とを有する。弾性撓み部83には、上面側に向かって突出するインデント部84が設けられている。インデント部84は、その外周面がほぼ球面形状であり、中心の頂点が最上方に位置している。箱部82の上面壁には、インデント部84に間隔を置いて対向配置されるビード部85が設けられている。
【0003】
上記構成において、図13に示すように、オス端子70のオスタブ部71をメス端子81の箱部82内に挿入すると、弾性撓み部83が撓み変形してオスタブ部71の挿入が許容される。オスタブ部71の挿入過程では、オスタブ部71が弾性撓み部83のインデント部84とビード部85を摺動する。端子嵌合位置では、オスタブ部71が弾性撓み部83のインデント部84とビード部85間に弾性撓み部83の弾性復帰力によって挟持される。つまり、端子嵌合位置では、弾性撓み部83の撓み復帰力を接触荷重として、オス端子70とメス端子81間が電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−267419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の端子接続構造では、端子嵌合位置にあって、振動等が加わると、オス端子70のオスタブ部71が接触荷重に抗してメス端子81のインデント部84に対して相対的に移動可能であるため、微摺動する。オス端子70とメス端子81間が微摺動すると接触部位が微摺動摩耗し、インデント部84とオスタブ部71の間に摩耗粉が介在し、電気的信頼性が低下する。より詳しく説明すると、インデント部84の移動位置に微摺動で発生した摩耗粉があると、その摩耗粉にインデント部84が乗り上げ、接触抵抗が上昇するため、電気的信頼性が低下することになる。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、微摺動を抑制でき、電気的信頼性の高い端子接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、オスタブ部を有する第1端子と、前記雄タブ部が挿入される箱部を有する第2端子とを備え、前記箱部はインデント部が突出された弾性撓み部と前記弾性撓み部の前記インデント部側に対向配置された挟持用接触部とを有し、前記オスタブ部が弾性変形された前記弾性撓み部と前記挟持用接触部の間に嵌合され、端子嵌合位置では、前記オスタブ部と前記インデント部が前記弾性撓み部の弾性復帰力を接触荷重として接続される端子接続構造において、前記箱部の両方の側面壁の内面には、ガイド溝がそれぞれ形成され、端子嵌合位置では、前記オスタブ部の両側端部が前記箱部の一対の前記ガイド溝に入り込み、前記オスタブ部の両側端部の一部が前記箱部の両方の前記側面壁に当接することを特徴とする端子接続構造である
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オスタブ部の一対の側壁部が弾性撓み部の端子嵌合方向の直交方向における移動を規制するため、オスタブ部と弾性撓み部、ひいてはインデント部との間の相対的な移動を抑制できる。これにより、微摺動を抑制でき、電気的信頼性の高い端子接続構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1参考例を示し、端子離間位置のオス端子とメス端子の断面図である。
図2】本発明の第1参考例を示し、端子嵌合位置のオス端子とメス端子の断面図である。
図3】本発明の第1参考例を示し、(a)はオスタブ部の斜視図、(b)はオス端子とメス端子の嵌合状態の要部断面図、(c)は(b)のA−A線断面図である。
図4】本発明の実施形態を示し、端子離間位置の第1端子と第2端子の断面図である。
図5】本発明の実施形態を示し、端子嵌合位置の第1端子と第2端子の断面図である。
図6】本発明の実施形態を示し、(a)は箱部の一部斜視図、(b)はメス端子の箱部の断面図、(c)はオス端子とメス端子の嵌合状態の断面図である。
図7】本発明の実施形態の変形例を示し、(a)はメス端子の箱部の断面図、(b)はオス端子とメス端子の嵌合状態の断面図である。
図8】本発明の第2参考例を示し、端子離間位置のオス端子とメス端子の断面図である。
図9】本発明の第2参考例を示し、端子嵌合位置のオス端子とメス端子の断面図である。
図10】本発明の第2参考例を示し、(a)はオスタブ部の斜視図、(b)はオス端子とメス端子の嵌合状態の断面図である。
図11】本発明の従来例を示し、オス端子の斜視図である。
図12】本発明の従来例を示し、メス端子の斜視図である。
図13】本発明の従来例を示し、オス端子とメス端子の嵌合途中の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
第1参考例
図1図3は、本発明の第1参考例を示す。端子接続構造は、第1端子であるオス端子1と第2端子であるメス端子10を備えている。オス端子1は、電線接続部(図示せず)とオスタブ部3を有する。オス端子1は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。
【0012】
オスタブ部3は、図3(a)に詳しく示すように、平板部4と、この平板部4の両側より突出された一対の側壁部5とを有する。一対の側壁部5は、端子嵌合位置で、下記する弾性撓み部13の両側面13aに当接する幅寸法と突出寸法を有する。換言すれば、オスタブ部3は、インデント部14が接触するインデント用接触面4aと、弾性撓み部13の両側面13aに当接する一対の振動防止用側壁面5aとを有する。又、一対の側壁部5は、平板部4の全長に亘って配置されている。
【0013】
メス端子10は、電線接続部(図示せず)と相手端子接続部11とを有する。メス端子10は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。
【0014】
相手端子接続部11は、四角枠形状の箱部12と、この箱部12に一体に設けられ、箱部12内に配置された弾性撓み部(板バネ部)13とを有する。弾性撓み部13は、箱部12の底面壁の先端側より延設された部位を箱部12内に折り曲げて形成されている。弾性撓み部13は、上方に突出するインデント部14を有する。インデント部14は、その表面が球面形状である。
【0015】
箱部12の上面壁12a、つまり、弾性撓み部13のインデント部14側には、挟持用接触部であるビード部17が設けられている。ビード部17は、インデント部14に間隔を置いて対向配置される位置に設けられている。ビード部17は、箱部12の下方の上面壁12aによって形成されている。
【0016】
上記構成において、図1の端子離間位置にあって、オス端子1のオスタブ部3をメス端子10の箱部12内に挿入すると、弾性撓み部13が撓み変形してオスタブ部3の挿入が許容される。オスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14とビード部17を摺動する。図2(a)に示す端子嵌合位置では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14とビード部17間に弾性撓み部13の弾性復帰力によって挟み込まれる(嵌合される)。つまり、端子嵌合位置では、弾性撓み部13の撓み復帰力を接触荷重として、オス端子1のオスタブ部3とメス端子10のインデント部14の間等が接触し、双方の端子間が電気的に接続される。
【0017】
端子嵌合位置では、オスタブ部3の一対の側壁部5が弾性撓み部13の外側に位置し、且つ、弾性撓み部13の両側面13aに当接する。従って、一対の側壁部5が弾性撓み部13の端子嵌合方向の直交方向(オスタブ部3や弾性撓み部13の幅方向Y)における移動をガイド(規制)するため、オスタブ部3と弾性撓み部13、ひいてはインデント部14との間の相対的な移動を抑制できるため、微摺動を抑制できる。これにより、耐微摺動摩耗性が向上し、電気的信頼性が向上する。
【0018】
上記したオスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3の一対の側壁部5が弾性撓み部13に規制されながらオスタブ部3が挿入される。従って、オスタブ部3のスムーズな挿入が行われる。
【0019】
この実施形態では、一対の側壁部5は、オスタブ部3の全長に亘って設けられているが、オスタブ部3の挿入先端より端子嵌合位置にあって弾性撓み部13の両側面13aに当接する位置まで設ければ、オスタブ部3のスムーズな挿入を図りつつオスタブ部3と弾性撓み部13、ひいてはインデント部14との間の相対的な移動を抑制できる。
【0020】
実施形態
図4図6は、本発明の実施形態を示す。この実施形態の端子接続構造は、第1端子であるオス端子1と第2端子であるメス端子10を備えている。オス端子1は、電線接続部(図示せず)とオスタブ部3を有する。
【0021】
オス端子1は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。オスタブ部3は、外面がほぼ平坦な細長いロッド形状である。オスタブ部3の幅寸法D1は、オスタブ部3の両側端部が下記する左右のガイド溝16の内面に当接するほどに入り込む幅寸法に設定されている。
【0022】
メス端子10は、電線接続部(図示せず)と相手端子接続部11とを有する。メス端子10は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。
【0023】
相手端子接続部11は、四角枠形状の箱部12と、この箱部12に一体に設けられ、箱部12内に配置された弾性撓み部(板バネ部)13とを有する。弾性撓み部13は、箱部12の底面壁の先端側より延設された部位を箱部12内に折り曲げて形成されている。弾性撓み部13は、上方に突出するインデント部14を有する。インデント部14は、その表面が球面形状である。
【0024】
箱部12の上面壁12a、つまり、弾性撓み部13のインデント部14側には、挟持用接触部であるビード部17が設けられている。ビード部17は、インデント部14に間隔を置いて対向配置される位置に設けられている。ビード部17は、箱部12の上面壁12aによって形成されている。
【0025】
箱部12の両方の側面壁12bには、上下方向に間隔を置いて内側に突出する一対のリブ15がそれぞれ突設されている。一対のリブ15は、箱部12のほぼ全長に亘って形成されている。箱部12の両方の側面壁12bの内面には、一対のリブ15によって、ガイド溝16がそれぞれ形成されている。
【0026】
上記構成において、図4の端子離間位置にあって、オス端子1のオスタブ部3をメス端子10の箱部12内に挿入すると、弾性撓み部13が撓み変形してオスタブ部3の挿入が許容される。オスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14とビード部17を摺動する。図5に示す端子嵌合位置では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14とビード部17間に弾性撓み部13の弾性復帰力によって挟み込まれる(嵌合される)。つまり、端子嵌合位置では、弾性撓み部13の撓み復帰力を接触荷重として、オス端子1のオスタブ部3とメス端子10のインデント部14の間等が接触し、双方の端子間が電気的に接続される。
【0027】
端子嵌合位置では、オスタブ部3の両側端部が箱部12の左右のガイド溝16に入り込み、オスタブ部3の両側端部の一部が箱部12の両方の側面壁12bに当接する。従って、図3(c)に示すように、一対のガイド溝16を有する側面壁12bが弾性撓み部13の端子嵌合方向の直交方向(オスタブ部3の幅方向:Y軸方向)の移動及びY軸中心の回転を規制するため、オスタブ部3と弾性撓み部13、ひいてはインデント部14との間の相対的な移動を抑制できるため、微摺動を抑制できる。これにより、耐微摺動摩耗性が向上し、電気的信頼性が向上する。
【0028】
また、上記したオスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3の両方の側端部が一対のガイド溝16にガイドされながらオスタブ部3が挿入される。従って、オスタブ部3のスムーズな挿入が行われる。
【0029】
実施形態の変形例)
図7は、本発明の実施形態の変形例を示す。この実施形態の変形例は、前記実施形態と比較して、ガイド溝16の構成が相違する。つまり、箱部12の側面壁12bには、外側に突出するコ字状の突部18がそれぞれ設けられている。左右一対の突部18は、箱部12のほぼ全長に亘って設けられている。この各突部18の内面によってガイド溝16が形成されている。又、オスタブ部3の幅寸法D2は、オスタブ部3の両側端部が左右一対のガイド溝16にほぼ隙間なく入り込む幅寸法に設定されている。
【0030】
他の構成は、前記実施形態と同様であるため、同一構成箇所に同一符号を付して説明
を省略する。
【0031】
この実施形態の変形例でも、端子嵌合位置では、オスタブ部3の両側端部が箱部12
の左右のガイド溝16に入り込み、オスタブ部3の両側端部が箱部12の両方の側面壁1
2bの当接する。従って、一対のガイド溝16を有する側面壁12bが弾性撓み部13の
端子嵌合方向の直交方向(オスタブ部3の幅方向:Y軸方向)の移動及びY軸中心の回転
を規制するため、オスタブ部3と弾性撓み部13、ひいてはインデント部14との間の相
対的な移動を抑制できるため、微摺動を抑制できる。これにより、耐微摺動摩耗性が向上
し、電気的信頼性が向上する。
【0032】
また、上記したオスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3の両方の側端部が一対のガイド溝16にガイドされながらオスタブ部3が挿入される。従って、オスタブ部3のスムーズな挿入が行われる。
【0033】
(第2参考例)
図8図10は、本発明の第2参考例を示す。この第2参考例の端子接続構造は、第1端子であるオス端子1と第2端子であるメス端子10を備えている。
【0034】
オス端子1は、電線接続部(図示せず)とオスタブ部3を有する。オス端子1は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。オスタブ部3は、平板部7と、この平板部7の幅方向の中心より立設された立設壁8とを有する。立設壁8は、端子嵌合位置で、下記する箱部12の凹部19にほぼ隙間なく入り込む幅寸法と突出寸法を有する。平板部7及び立設壁8は、上記したように1枚の導電性金属プレートの一部を曲げ加工して形成されている。立設部8の先端面は、長手方向の直交方向の面が折り曲げによって円弧面に形成されている。
【0035】
メス端子10は、電線接続部(図示せず)と相手端子接続部11とを有する。メス端子10は、所定形状の導電性金属プレートを折り曲げることで形成されている。
【0036】
相手端子接続部11は、四角枠形状の箱部12と、この箱部12に一体に設けられ、箱部12内に配置された弾性撓み部(板バネ部)13とを有する。弾性撓み部13は、箱部12の底面壁の先端側より延設された部位を箱部12内に折り曲げて形成されている。弾性撓み部13は、上方に突出するインデント部14を有する。インデント部14は、その表面が球面形状である。
【0037】
箱部12の上面壁12a、つまり、弾性撓み部13のインデント部14側には、挟持用接触部であるビード部17が設けられている。ビード部17は、インデント部14に間隔を置いて対向配置される位置に設けられている。ビード部17は、箱部12の下方位置の上面壁12aによって形成されている。ビード部17の幅方向の中心には、端子挿入方向に沿って延びる凹部19が設けられている。凹部19は、ビード部17の端子挿入方向の全域に亘って設けられている。
【0038】
上記構成において、図8の端子離間位置にあって、オス端子1のオスタブ部3をメス端子10の箱部12内に挿入すると、弾性撓み部13が撓み変形してオスタブ部3の挿入が許容される。オスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14を摺動する。図9の端子嵌合位置では、オスタブ部3が弾性撓み部13のインデント部14に弾性撓み部13の弾性復帰力によって接触される。つまり、端子嵌合位置では、弾性撓み部13の撓み復帰力を接触荷重として、オス端子1のオスタブ部3とメス端子10のインデント部14の間等が接触し、双方の端子間が電気的に接続される。
【0039】
端子嵌合位置では、オスタブ部3の立設壁8が箱部12の凹部19に隙間なく入り込んでいる。従って、オスタブ部3は、弾性撓み部13の端子嵌合方向の直交方向(オスタブ部3の幅方向:Y軸方向)の移動が規制されるため、オスタブ部3と弾性撓み部13、ひいてはインデント部14との間の相対的な移動を抑制できるため、微摺動を抑制できる。これにより、耐微摺動摩耗性が向上し、電気的信頼性が向上する。
【0040】
また、上記したオスタブ部3の挿入過程では、オスタブ部3の立設壁8が箱部12の凹部19にガイドされながらオスタブ部3が挿入される。従って、オスタブ部3の適正な挿入方向でスムーズな挿入が行われる。
【符号の説明】
【0041】
1 オス端子(第1端子)
3 オスタブ部
5 側壁部
10 メス端子(第2端子)
13 弾性撓み部
14 インデント部
17 挟持用接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13