特許第6681262号(P6681262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681262
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】調理システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20200406BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20200406BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20200406BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20200406BHJP
   H05B 6/12 20060101ALN20200406BHJP
【FI】
   F24C3/12 G
   F24C15/00 D
   A47J37/06 361
   H04Q9/00 301D
   !H05B6/12 335
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-94286(P2016-94286)
(22)【出願日】2016年5月10日
(65)【公開番号】特開2017-203570(P2017-203570A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2018年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】山内 一輝
(72)【発明者】
【氏名】稲熊 富世
(72)【発明者】
【氏名】小川 尚久
(72)【発明者】
【氏名】森口 誠治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸弘
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−233557(JP,A)
【文献】 特開2015−158345(JP,A)
【文献】 特開2003−207139(JP,A)
【文献】 特開2011−127838(JP,A)
【文献】 特開2007−151797(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0042453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
A47J 37/06
F24C 15/00
H04Q 9/00
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱手段と、被加熱物の温度又は被加熱物の加熱雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、予め設定された被加熱物の加熱量や加熱時間を含む自動調理の動作条件に基づいて加熱手段の動作を制御する自動調理制御の実行手段とを備え、
温度検出手段の検出温度が基準温度未満である場合は、自動調理制御を有効にし、前記検出温度が基準温度以上である場合は、自動調理制御を無効にする構成とした調理システムであって、
加熱手段、温度検出手段、及び自動調理制御の実行手段を備えた加熱調理器と、前記動作条件を加熱調理器に送信する端末側通信手段を備えた情報通信端末とで構成され、
加熱調理器及び情報通信端末の両方或いは何れか一方は、加熱調理器の動作情報を表示可能な情報表示手段を備え、
加熱調理器は、
情報通信端末から送信された動作条件を受信する本体側通信手段と、
加熱手段として、器具本体上に載置される被加熱物を加熱するコンロバーナと、器具本体に設けられた加熱庫内の被加熱物を加熱するグリルバーナと、
温度検出手段として、コンロバーナにより加熱される被加熱物の温度を検出するコンロ温度センサと、グリルバーナにより加熱される被加熱物の加熱雰囲気の温度を検出するグリル温度センサとを備え、
コンロバーナおよびグリルバーナにおける自動調理制御の有効無効を、加熱手段毎に前記情報表示手段に表示可能な構成とした、調理システム。
【請求項2】
請求項に記載の調理システムにおいて、
設定された動作条件で自動調理制御の実行可能な加熱手段を、前記情報表示手段に表示させる構成とした、調理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の調理システムにおいて、
前記検出温度が基準温度以上である場合は、前記情報表示手段の表示形態を、自動調理制御が無効であることを示す表示形態とする構成とした、調理システム。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の調理システムにおいて、
加熱手段の動作状態を表示する加熱表示手段を備え、
加熱表示手段の表示形態を、自動調理制御が実行されている場合と、動作条件を設定しないで加熱手段の動作を制御する手動調理制御が実行されている場合とで異ならせる構成とした、調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された条件にて食材を自動で調理可能な調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンロやグリル装置など加熱調理器の動作条件を携帯移動通信端末などの情報通信端末にて選択し、加熱調理器に送信することで、自動調理メニューを予約設定したり、特定の動作を制限したりするように構成された調理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−165548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の調理システムでは、自動調理の動作条件(例えば、加熱時間)を、加熱調理器に予め組み込まれた条件の範囲内でしか設定できないため、自動調理開始時の食材や調理容器など被加熱物の温度、被加熱物を加熱する加熱雰囲気の温度等によって調理の仕上がり状態にばらつきが生じる虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、設定された条件に基づいて食材の自動調理を実行可能な調理システムにおいて、調理性能の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被加熱物を加熱する加熱手段と、被加熱物の温度又は被加熱物の加熱雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、予め設定された被加熱物の加熱量や加熱時間を含む自動調理の動作条件に基づいて加熱手段の動作を制御する自動調理制御の実行手段とを備え、
温度検出手段の検出温度が基準温度未満である場合は、自動調理制御を有効にし、前記検出温度が基準温度以上である場合は、自動調理制御を無効にする構成とした調理システムであって、
加熱手段、温度検出手段、及び自動調理制御の実行手段を備えた加熱調理器と、前記動作条件を加熱調理器に送信する端末側通信手段を備えた情報通信端末とで構成され、
加熱調理器及び情報通信端末の両方或いは何れか一方は、加熱調理器の動作情報を表示可能な情報表示手段を備え、
加熱調理器は、
情報通信端末から送信された動作条件を受信する本体側通信手段と、
加熱手段として、器具本体上に載置される被加熱物を加熱するコンロバーナと、器具本体に設けられた加熱庫内の被加熱物を加熱するグリルバーナと、
温度検出手段として、コンロバーナにより加熱される被加熱物の温度を検出するコンロ温度センサと、グリルバーナにより加熱される被加熱物の加熱雰囲気の温度を検出するグリル温度センサとを備え、
コンロバーナおよびグリルバーナにおける自動調理制御の有効無効を、加熱手段毎に前記情報表示手段に表示可能な構成としたものである。
【0007】
被加熱物や加熱雰囲気の温度が基準以上である状態から自動調理が開始されると、食材の加熱不足や過加熱を招く虞がある。従って、上記温度が基準以上である場合は、自動調理制御を無効にする。一方で、上記温度が基準未満である場合は、食材の加熱不足や過加熱を招く可能性が低いため、設定された動作条件に基づいて自動調理制御が行われる。よって、調理の仕上がりにばらつきが生じ難い。
【0008】
ここで、自動調理制御が無効とされた場合、加熱手段のオン動作を禁止する、或いは、動作条件を設定しないで加熱手段の動作を制御する手動調理制御に切り替えて、自動調理制御を行わない構成とすることができる。
【0010】
このものでは、情報通信端末から送信される動作条件に基づいて自動調理を行うことができるから、より多様な調理に対応できる。また、自動調理制御の有効無効を加熱手段毎に情報表示手段に表示可能としたことで、コンロバーナおよびグリルバーナのうち、どの加熱手段で自動調理制御が無効であるのか使用者に明確に認識させることができるから、調理の失敗を防止できる。
【0011】
ここで、加熱調理器は、自動調理制御が無効とされた場合、情報通信端末から送信された動作条件を受け付けない構成、或いは、情報通信端末から送信された動作条件を受け付けても、加熱手段のオン動作を禁止する構成とすることができる。
【0012】
好ましくは、上記調理システムにおいて、前記検出温度が基準温度以上である場合は、前記情報表示手段の表示形態を、自動調理制御が無効であることを示す表示形態とする構成とする。
【0013】
このものでは、自動調理制御が無効であることを使用者に明確に認識させることができるから、調理の失敗を防止できる。
【0016】
好ましくは、上記調理システムにおいて、設定された動作条件で自動調理制御の実行可能な加熱手段を、前記情報表示手段に表示させる構成とする。
【0017】
このものでは、動作条件を設定すれば、その条件で自動調理を実行することが可能な加熱手段を使用者に明確に認識させることができるから、調理の失敗をより確実に防止できる。
【0018】
好ましくは、上記調理システムにおいて、加熱手段の動作状態を表示する加熱表示手段を備え、加熱表示手段の表示形態を、自動調理制御が実行されている場合と、動作条件を設定しないで加熱手段の動作を制御する手動調理制御が実行されている場合とで異ならせる構成とする。
【0019】
自動調理機能を備えたものでは、動作条件を設定しないで通常の手動調理を開始したにもかかわらず、自動調理を設定したものと誤認して、その後の調理状態の監視を怠ってしまい、食材の過熱を招く虞がある。しかしながら、このものでは、自動調理が行われているのか手動調理が行われているのかを使用者に明確に認識させることができるから、使用状態の誤認を防止できる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、調理の仕上がりにばらつきが生じ難いから、安定した調理性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る調理システムの加熱調理器および情報通信端末の概略斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る調理システムの加熱調理器の側面視概略縦断面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る調理システムの概略構成図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る調理システムの情報通信端末の作動フローチャートである。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る調理システムの加熱調理器の作動フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0023】
図1から図3に示すように、本発明の実施の形態に係る調理システムは、天板11の上面に単数或いは複数のコンロバーナ21を有する加熱調理器としてのガスコンロ1と、外部通信ネットワークに接続可能な情報通信端末としての携帯移動通信端末(以下、「携帯端末」という)5とで構成される。
【0024】
ガスコンロ1は、コンロ本体10の内部中央に、食材のグリル調理を行うための加熱庫30が設けられている。また、加熱庫30の内部には、単数或いは複数のグリルバーナ31が組み込まれている(図2および図3参照)。尚、本明細書では、コンロ本体10の前面(本体前面)13をガスコンロ1の正面とし、ガスコンロ1を正面側から見たときのコンロ本体10の奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0025】
コンロバーナ21およびグリルバーナ31は、何れもガスの燃焼排ガスを熱源として食材や調理容器などの被加熱物を加熱するバーナであり、ガス配管から供給されるガスを空気と混合して着火させ、燃焼排ガスを生成する。
【0026】
天板11の上面におけるコンロバーナ21の外周には、鍋やフライパンなどの調理容器を下方から支持する五徳22が載置されている。また、コンロバーナ21の中央部には、五徳22上に載置された調理容器の底部に当接し、容器底面の温度を検出する温度検出手段としての鍋底温度センサ23が設けられている。さらに、コンロバーナ21の炎孔形成部の近傍には、ガスの燃焼炎の有無を検出する炎検知センサ24と、炎孔形成部の近傍で火花放電させる点火プラグ25とが設けられている。
【0027】
加熱庫30内の後部には、庫内の温度、即ち、食材や調理容器を加熱する加熱雰囲気の温度を検出する温度検出手段としての庫内温度センサ33が設けられている。また、グリルバーナ31の炎孔形成部の近傍には、ガスの燃焼炎の有無を検出する炎検知センサ34と、炎孔形成部の近傍で火花放電させる点火プラグ35とが設けられている(図2および図3参照)。
【0028】
天板11の下面側の中央前寄りの位置には、ガスコンロ1の動作状態や設定された動作条件などの動作情報を表示する情報表示手段としての情報表示部41が設けられている。また、コンロ本体10の内部には、上記動作状態や動作条件を携帯端末5との間で無線送受信するための本体側通信手段としての本体側無線通信部42が組み込まれている。
【0029】
本体前面13には、ガスコンロ1の主電源のオンおよびオフを手動操作するための電源スイッチ43と、コンロバーナ21の点火や消火、火力調整を手動操作するためのコンロ点消火操作子44と、グリルバーナ31の点火や消火、火力を手動操作するためのグリル点消火操作子45とが設けられている。
【0030】
また、コンロ点消火操作子44およびグリル点消火操作子45の外周には、対応するバーナ21,31の点火をランプの点灯によって表示する点火表示機能、および、設定火力(設定出力)をランプの点灯数によって表示する火力表示機能を兼備する加熱表示手段としての加熱表示部46が設けられている。
【0031】
さらに、本体前面13には、下辺部を軸として前後に開閉し、内側にコンロバーナ21およびグリルバーナ31における自動調理の動作条件を設定入力するための複数の操作スイッチを有する設定操作パネル40が設けられている。
【0032】
上記ガスコンロ1では、本体前面13における加熱庫30の右側に電源スイッチ43およびコンロ点消火操作子44が設けられ、本体前面13における加熱庫30の左側にグリル点消火操作子45が設けられている。また、コンロバーナ21用の設定操作パネル40は、本体前面13におけるコンロ点消火操作子44の配設部下方に設けられ、グリルバーナ31用の設定操作パネル40は、本体前面13におけるグリル点消火操作子45の配設部下方に設けられている。
【0033】
電源スイッチ43は、常に本体前面13よりも前方へ突出した状態で設けられており、一回押される毎にガスコンロ1の主電源がオンの状態とオフの状態とで交互に切り替わるように構成されている。
【0034】
コンロ点消火操作子44およびグリル点消火操作子45は、コンロ本体10内に埋没した加熱オフの状態(図1中の「中央のコンロ点消火操作子44、左側のコンロ点消火操作子44、グリル点消火操作子45」の状態)からさらに後方へ押し込むことで、本体前面13より前方へ突出して加熱オンの状態(図1中の「右側のコンロ点消火操作子44」の状態)になり、加熱オンの状態から再び後方へ押し戻すことで、上記加熱オフの状態になるように構成されている。
【0035】
尚、図示しないが、コンロ点消火操作子44およびグリル点消火操作子45にはそれぞれ、点火操作によりオンとなり、消火操作によりオフとなるオルタネートスイッチと、複数(例えば、9つ)の接点を有するロータリースイッチとを備えており、点火操作がなされた後、左右に回動させれば、その回動位置に対応する火力が選択設定される。
【0036】
設定操作パネル40には、被加熱物の調理モードや加熱時間、加熱温度など自動調理の動作条件を設定入力するための設定入力スイッチ47と、設定された加熱時間や加熱温度を表示する設定表示部48とが設けられている。
【0037】
設定入力スイッチ47は、湯沸し、煮物、揚物、炊飯などの調理モードを選択設定するための調理モード設定スイッチ、被加熱物の加熱時間を設定するためのタイマ設定スイッチ、被加熱物の加熱温度を設定するための温度設定スイッチ、設定された加熱時間や加熱温度を加減するための加減スイッチなどからなり、これら各スイッチを用いて自動調理の動作条件を設定入力することができる。
【0038】
図3に示すように、コンロ本体10の内部には、コンロ点消火操作子44による点火操作や消火操作、火力設定操作に応じてコンロバーナ21へのガスの供給量を調整するコンロバーナ21用のバルブユニット26と、グリル点消火操作子45による点火操作や消火操作、火力設定操作に応じてグリルバーナ31へのガスの供給量を調整するグリルバーナ31用のバルブユニット36とが組み込まれている。
【0039】
コンロバーナ21用のバルブユニット26は、コンロ点消火操作子44にて点火操作がなされれば開き、炎検知センサ24にてガスの燃焼炎が検出されなければ閉じる電磁開閉弁、コンロ点消火操作子44にて点火操作がなされれば開き、消火操作がなされれば閉じる主弁、コンロ点消火操作子44の火力設定操作に合わせて開度調整されるニードル弁、コンロ制御回路15からの火力変更の指示に応じて開度を切り替える火力切替弁などからなり、これら各弁体によってコンロバーナ21へのガスの供給量が適宜調整される。
【0040】
グリルバーナ31用のバルブユニット36も同様、グリル点消火操作子45にて点火操作がなされれば開き、炎検知センサ34にてガスの燃焼炎が検出されなければ閉じる電磁開閉弁、グリル点消火操作子45にて点火操作がなされれば開き、消火操作がなされれば閉じる主弁、グリル点消火操作子45の火力設定操作に合わせて開度調整されるニードル弁、コンロ制御回路15からの火力変更の指示に応じて開度を切り替える火力切替弁などからなり、これら各弁体によってグリルバーナ31へのガスの供給量が適宜調整される。
【0041】
コンロ本体10の内部には、ガスコンロ1全体の動作を制御するコンロ制御回路15が組み込まれている。鍋底温度センサ23、庫内温度センサ33、炎検知センサ24,34、バルブユニット26,36、情報表示部41、本体側無線通信部42、電源スイッチ43、コンロ点消火操作子44、グリル点消火操作子45、加熱表示部46、設定入力スイッチ47、および、設定表示部48は、何れもコンロ制御回路15に有線接続されている。点火プラグ25,35は、点火操作がなされた際に点火プラグ25,35に高電圧を印加する図示しないイグナイタを介してコンロ制御回路15に接続されている。
【0042】
図示しないが、コンロ制御回路15は、点消火操作子44,45の操作に応じてバーナ21,31の点火や消火、火力調整を行うバーナ制御部、情報表示部41の表示形態を制御する情報表示制御部、加熱表示部46の表示形態を制御する加熱表示制御部、設定表示部48の表示形態を制御する設定表示制御部、炎検知センサ24,34の出力値に基づいてバーナ21,31の点火や消火を判定する点消火判定部、鍋底温度センサ23の検出温度に基づいて五徳22上に載置された調理容器の温度状態を判定する鍋温度判定部、庫内温度センサ33の検出温度に基づいて加熱庫30内の加熱雰囲気の温度状態を判定する庫内温度判定部、本体側無線通信部42の通信動作を制御する本体側通信制御部、設定入力スイッチ47によって設定された動作条件や本体側無線通信部42で受信した動作条件を記憶する設定記憶部等の回路構成を有している。
【0043】
また、コンロ制御回路15は、設定入力スイッチ47によって設定された動作条件或いは携帯端末5から送信された動作条件に基づいてバーナ21,31の動作を制御する自動調理制御部、各温度センサ23,33の検出温度が所定の基準温度未満であるか否かによって各バーナ21,31における自動調理制御の有効無効を判定する調理制限判定部等の回路構成をさらに有している。
【0044】
図1および図3に示すように、携帯端末5は、略矩形板状の端末本体50の表側の面53に、ネットワーク通信やアプリケーションプログラムを操作する機能、および、表示機能を兼備する端末操作表示パネル61、所謂タッチパネルが設けられている。また、端末本体50の外周面(例えば、側面)54には、携帯端末5の電源のオンおよびオフを手動操作するための電源スイッチ63が設けられている。尚、本明細書では、端末本体50の表側の面(本体表面)53を携帯端末5の正面とし、携帯端末5を正面側から見たときの端末本体50の厚み方向を前後方向、横幅方向を左右方向、縦幅方向を上下方向という。
【0045】
端末本体50の内部には、ガスコンロ1の動作状態や動作条件をガスコンロ1との間で無線送受信する機能と、外部通信ネットワークに無線接続する機能とを兼備する端末側通信手段としての端末側無線通信部62が組み込まれている。尚、端末側無線通信部62は、屋外に設置された通信基地局のアンテナを介して外部通信ネットワークに無線接続するように構成されたものであってもよいし、室内等に設置された中継器を介して外部通信ネットワークに無線接続するように構成されたものであってもよいし、その何れかの通信形態に切り替えて外部通信ネットワークに無線接続するように構成されたものであってもよい。
【0046】
また、端末本体50の内部には、携帯端末5全体の動作を制御する端末制御回路55が組み込まれており、端末操作表示パネル61、端末側無線通信部62、および、電源スイッチ63は、何れも端末制御回路55に有線接続されている。
【0047】
図示しないが、端末制御回路55は、内部に組み込まれたアプリケーションプログラムの動作を制御するAP制御部、上記アプリケーションプログラムの動作に応じて端末操作表示パネル61の表示形態を制御する端末表示制御部、端末側無線通信部62の通信動作を制御する端末側通信制御部、端末側無線通信部62で受信した情報やアプリケーションプログラムを記憶する情報記憶部等の回路構成を有している。
【0048】
尚、携帯端末5とガスコンロ1との間の無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の近距離無線通信規格に基づいて行われる。
【0049】
上記調理システムの制御動作を、図4および図5に示すフローチャートに従って説明する。尚、上記調理システムを使用するにあたって、自動調理のレシピデータ等の動作条件を設定するためのアプリケーションプログラム(以下、「調理設定AP」という)を、外部通信ネットワークから携帯端末5に予め取り込み、起動可能な状態にしておく。
【0050】
〔携帯端末5側の制御動作〕
携帯端末5の電源スイッチ63により電源のオン操作がなされると、端末制御回路55に組み込まれた主制御プログラムが起動し、端末操作表示パネル61が操作可能な状態となると共に、端末操作表示パネル61に、複数のアプリケーションプログラムを起動するための起動アイコンを表示させる。そして、調理設定APに対応する起動アイコンが押されると、調理設定APを起動する(ST1)。
【0051】
図示しないが、調理設定APを起動させると、端末操作表示パネル61に、湯沸し、煮物、揚物、炊飯など複数の調理モードを選択設定するための擬似操作キーとなる調理モード設定ボタン、加熱目標温度を設定するための擬似操作キーとなる温度設定ボタン、火力を設定するための擬似操作キーとなる火力設定ボタン、加熱時間を設定するための擬似操作キーとなるタイマ設定ボタン、余熱時間を設定するための擬似操作キーとなる余熱設定ボタン、加熱目標温度や火力、加熱時間、余熱時間の設定を加減するための擬似操作キーとなる加減ボタン等が表示される。これにより、自動調理のレシピデータ等の動作条件が設定入力可能な状態となる。尚、調理設定APでは、上記動作条件として、ガスコンロ1に予め組み込まれた調理モードよりも多種の調理モードを選択、或いは、外部通信ネットワークから追加可能であり、より詳細な条件(例えば、提供人数)を設定することができる。
【0052】
また、調理設定APが起動すると、ガスコンロ1の状態情報(ここでは、各バーナ21,31において自動調理制御が有効であるか無効であるか)を送信するよう、送信要求信号をガスコンロ1へ向けて送信する。上記送信要求信号は、ガスコンロ1の状態情報が受信されるまで継続される(ST2〜ST3)。
【0053】
尚、上記ST2からST3のステップにて、一定時間内にガスコンロ1の状態情報が受信されない場合は、タイムエラーとしてST1のステップに戻り、端末操作パネル61の表示を調理設定APの起動時の表示状態、即ち、動作条件の設定入力画面に戻す構成としてもよい。
【0054】
その後、設定された動作条件に合致するバーナ21,31において自動調理制御が「有効」であることを示す状態情報を受信した場合は、端末操作表示パネル61に、対応するバーナ21,31の動作条件をガスコンロ1に送信するための擬似操作キーとなる送信ボタンが表示され、上記動作条件を送信可能な状態となる(ST4〜ST5)。
【0055】
そして、上記送信ボタンが押されると、設定入力された動作条件をガスコンロ1へ向けて送信し、再びST2のステップに戻る。また、このとき、端末操作表示パネル61の表示は、調理設定APが起動された初期の表示状態に戻される(ST6〜ST7)。
【0056】
一方、設定された動作条件に合致するバーナ21,31において自動調理制御が「無効」であることを示す状態情報を受信した場合は(ST4のステップでNo)、設定された動作条件をガスコンロ1に送信できないよう、端末操作表示パネル61に送信ボタンを表示しないで、再び状態情報の送信要求信号をガスコンロ1へ向けて送信する(ST8,ST2)。
【0057】
〔ガスコンロ1側の制御動作〕
ガスコンロ1の電源スイッチ43により電源のオン操作がなされると、携帯端末5から状態情報の送信要求信号が送信されたか否かの監視を開始する。そして、送信要求信号を受信すれば、その時点における各温度センサ23,33の検出温度が基準温度(例えば、コンロ側の基準温度で60℃、グリル側の基準温度で60℃)未満であるか否かを判定する(ST11〜ST12)。
【0058】
その結果、鍋底温度センサ23の検出温度が基準温度未満であれば、対応するコンロバーナ21において自動調理制御が「有効」であるとして、その旨を示す状態情報をアンサーバックとして携帯端末5に送信する。また、庫内温度センサ33の検出温度が基準温度未満であれば、グリルバーナ31において自動調理制御が「有効」であるとして、その旨を示す状態情報をアンサーバックとして携帯端末5に送信する(ST13,ST15)。
【0059】
一方、鍋底温度センサ23の検出温度が基準温度以上であれば(ST12のステップでNo)、対応するコンロバーナ21において自動調理制御が「無効」であるとして、その旨を示す状態情報をアンサーバックとして携帯端末5に送信する。また、庫内温度センサ33の検出温度が基準温度以上であれば、グリルバーナ31において自動調理制御が「無効」であるとして、その旨を示す状態情報をアンサーバックとして携帯端末5に送信する(ST14〜ST15)。尚、このとき、ガスコンロ1の情報表示部41に、携帯端末5から状態情報の送信要求を受けている旨や携帯端末5から受信した動作条件が表示されている場合は、その表示を消去する。
【0060】
ガスコンロ1の状態情報を送信した後、携帯端末5から動作条件を受信すれば、上記動作条件を、コンロ制御回路15の自動調理制御部に組み込まれた図示しないメモリに記憶すると共に情報表示部41に表示させ、自動調理制御が「有効」とされたバーナ21,31に対応する点消火操作子44,45において、所定時間(例えば、乾電池を電源とするガスコンロ1で3分間、外部電力を電源とするガスコンロ1で10分間)内に点火操作がなされたか否かの監視を開始する(ST16〜ST17)。尚、携帯端末5から動作条件を受信した場合、情報表示部41に上記動作条件を表示させない構成としてもよい。
【0061】
その後、所定時間が経過するまでの間に、対応する点消火操作子44,45にて点火操作がなされれば、設定されたレシピデータ等の動作条件に従ってバーナ21,31の自動調理が開始される。また、バーナ21,31の点火が対応する炎検知センサ24,34にて検知されると、加熱表示部46のランプを設定火力に応じた数だけ点灯させ、バーナ21,31が点火された旨および設定火力を表示する。また、このとき、加熱表示部46は、動作条件を設定しないでバーナ21,31を点火させたとき、即ち、手動調理が行われている場合とは異なる色(例えば、携帯端末5から取り込んだ動作条件にて自動調理制御が行われている場合はマゼンタ、手動調理が行われている場合はシアン)で点灯し、携帯端末5から取り込んだ動作条件にて自動調理制御が行われている旨を表示する(ST18)。
【0062】
一方、所定時間が経過するまでの間に対応する点消火操作子44,45にて点火操作がなされなかった場合は(ST17のステップでNo)、携帯端末5から取り込んだ動作条件を取り消して、対応するバーナ21,31での自動調理制御をキャンセルし、ST11のステップに戻る。また、図示しないが、その際、自動調理制御がキャンセルされたことを示す状態情報を携帯端末5に送信すると共に、情報表示部41の表示から、携帯端末5から取り込んだ動作条件の表示を消去する。
【0063】
このように、上記調理システムでは、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上であれば、携帯端末5から取り込んだ動作条件による自動調理制御を無効にする一方、上記検出温度が基準未満であれば、携帯端末5から取り込んだ動作条件で自動調理を行っても食材の加熱不足(早切れ等)や過加熱を招く可能性が低いため、携帯端末5から取り込んだ動作条件に基づいて自動調理制御を行う。よって、調理の仕上がり状態にばらつきが生じ難く、調理性能の安定性が高い。
【0064】
また、このものでは、携帯端末5の調理設定APによって設定された動作条件、或いは、携帯端末5にて外部通信ネットワークから追加したレシピデータ等の動作条件をガスコンロ1に取り込み、その動作条件に基づいて自動調理を行うことができるから、より多様な調理に対応可能である。よって、使い勝手もよい。
【0065】
しかも、このものでは、ガスコンロ1で自動調理制御が有効と判定された場合に、携帯端末5で設定された動作条件をガスコンロ1に送信するための送信ボタンを端末操作表示パネル61に表示させ、その操作ボタンが押されることで上記動作条件がガスコンロ1に送信されるように構成されているから、自動調理の動作条件をガスコンロ1にて確実に取り込み、その条件に基づいて自動調理制御を行うことができる。よって、調理の失敗がなくなり、使い勝手が一層良好である。
【0066】
さらに、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上である場合は、携帯端末5の端末操作表示パネル61に送信ボタンを表示せず、且つ、ガスコンロ1の情報表示部41にも動作条件を表示しないで、携帯端末5およびガスコンロ1それぞれの表示形態を、自動調理が無効であることを示す表示形態とするから、自動調理制御が無効であることを使用者に明確に認識させることができる。これにより、調理の失敗がなくなり、使い勝手が一層良好である。
【0067】
また、このものでは、コンロバーナ21およびグリルバーナ31のうち、現時点でどのバーナ21,31で自動調理制御が無効であるのかを使用者に明確に認識させることができるから、調理の失敗がなくなり、使い勝手が一層良好である。
【0068】
しかも、コンロバーナ21およびグリルバーナ31のうち、携帯端末5で設定された動作条件に合致するバーナ21,31において自動調理制御が有効であることを示す状態情報を受信すれば、端末操作表示パネル61に、対応するバーナ21,31の動作条件をガスコンロ1に送信するための送信ボタンが表示されるから、上記条件で自動調理制御を実行可能なバーナ21,31を使用者に明確に認識させることができる。これにより、調理の失敗がなくなり、使い勝手が一層良好である。
【0069】
また、携帯端末5で動作条件を設定してバーナ21,31が点火された場合に、動作条件を設定しないでバーナ21,31を点火させたときとは異なる色で加熱表示部46を点灯させるように構成したことで、携帯端末5から取り込んだ動作条件に基づいて自動調理が行われているのか、手動調理が行われているのか等を使用者に明確に認識させることができるから、使用状態の誤認をより確実に防止できる。よって、使い勝手が一層良好である。
【0070】
尚、上記実施の形態では、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上である場合に、自動調理が無効であることを示す表示形態として、携帯端末5の端末操作表示パネル61に送信ボタンを表示しないように構成されたものを説明したが、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上であるか否かにかかわらず、携帯端末5の端末操作表示パネル61に送信ボタンを表示させ、送信ボタンが押された結果、自動調理が無効である旨のアンサーバックがガスコンロ1からあった場合に、携帯端末5の端末操作表示パネル61に自動調理が無効であることを示すメッセージを表示させるように構成されたものとしてもよい。また、ガスコンロ1にて自動調理制御が無効であると判定された場合に、携帯端末5からの動作条件の送信は許可するが、ガスコンロ1側で上記動作条件を受け付けない構成としてもよいし、ガスコンロ1側で上記動作条件を受け付けても、バーナ21,31を点火させない、手動調理制御に切り替えてバーナ21,31を点火させる等、自動調理制御を行わない構成としてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、携帯端末5から状態情報の送信要求があった時点で、各温度センサ23,33の検出温度が基準温度未満であるか否か、即ち、自動調理制御の有効無効を判定するように構成されたものを説明したが、携帯端末5から取り込んだ動作条件に合致するバーナ21,31の点火操作がなされた時点で、自動調理制御の有効無効を判定するように構成されたものとしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上である場合に、携帯端末5の端末操作表示パネル61およびガスコンロ1の情報表示部41のそれぞれの表示形態を、自動調理が無効であることを示す表示形態とするように構成されたものを説明したが、携帯端末5の端末操作表示パネル61またはガスコンロ1の情報表示部41の何れか一方のみ自動調理が無効であることを示す表示形態とするように構成されたものとしてもよい。或いは、加熱表示部46の表示形態を、自動調理が無効であることを示す表示形態とする(例えば、自動調理が無効である場合は、対応するバーナ21,31の加熱表示部46を点滅させ、自動調理が有効である場合は、対応するバーナ21,31の加熱表示部46を消灯状態で維持する)構成としてもよいし、設定表示部48の表示形態を、自動調理が無効であることを示す表示形態とする(例えば、自動調理が無効である場合は、対応するバーナ21,31の設定表示部48に「E」を点滅表示させ、自動調理が有効である場合は、対応するバーナ21,31の動作条件を点灯表示させる)構成としてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、各点消火操作子44,45の外周に設けられた加熱表示部46の点灯色を異ならせることで、携帯端末5から取り込んだ動作条件にて自動調理制御が行われているのか、手動調理が行われているのかを使用者に認識させるように構成されたものを説明したが、各点消火操作子44,45に、対応するバーナ21,31の動作状態を点灯表示する加熱表示部を設け、その加熱表示部の点灯色を異ならせることで、携帯端末5から取り込んだ動作条件にて自動調理制御が行われているのか、手動調理が行われているのかを使用者に認識させるように構成されたものとしてもよいし、ガスコンロ1の情報表示部41や携帯端末5の端末操作表示パネル61に、加熱表示部46に対応する表示情報を表示させ、その表示情報の内容や表示色を、自動調理制御が行われている場合と手動調理が行われている場合とで異ならせるように構成されたものとしてもよい。
【0074】
また、手動調理が行われる場合と、携帯端末5で設定された動作条件に基づいて自動調理制御が行われる場合と、さらにガスコンロ1の設定操作パネル40で設定された動作条件に基づいて自動調理制御が行われる場合とでそれぞれ、加熱表示部46の表示形態を異ならせるように構成されたものとしてもよい。
【0075】
上記実施の形態では、被加熱物を加熱する加熱手段として、ガスの燃焼排ガスを熱源とするバーナが用いられたものを説明したが、上記バーナに代えて、電熱部からの輻射熱や伝導熱により被加熱物を加熱する電熱ヒータが用いられたものであってもよいし、電磁誘導により被加熱物を加熱する電磁誘導ヒータが用いられたものであってもよい。また、バーナや電熱ヒータ、電磁誘導ヒータが組み合わせて用いられたものであってもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、被加熱物の温度或いは被加熱物の加熱雰囲気の温度を検出する温度検出手段として、調理容器に接触させてその温度を検出する鍋底温度センサ23や、庫内の雰囲気温度を検出する庫内温度センサ33が設けられたものを説明したが、庫内に収容される調理容器や調理プレートに接触させてそれらの温度を検出する温度センサが設けられたものであってもよいし、食材或いは調理容器に接触しないでそれらの温度を検出可能な赤外線センサが設けられたものであってもよい。
【0077】
本発明の調理システムは、本体上部にのみ加熱手段が設けられたガスコンロにも適用できるし、本体内部にのみ加熱手段が設けられたグリル装置にも適用できる。また、情報通信端末としては、所謂タブレットPCのような無線通信端末が用いられたものであってもよいし、ネットワーク通信機能を備えたテレビやリモートコントローラが用いられたものであってもよい。
【0078】
また、本発明の調理システムは、情報通信端末との通信機能を備えていない加熱調理器にも適用できる。詳述すると、上記コンロ本体10の内部には、本体側無線通信部42が組み込まれておらず、また、コンロ制御回路15は、本体側無線通信部42の通信動作を制御する本体側通信制御部の回路構成も有していない。また、コンロ制御回路15の自動調理制御部は、設定入力スイッチ47によって設定された動作条件に基づいてバーナ21,31の動作を制御するように構成されている。
【0079】
このものでは、ガスコンロ1の電源スイッチ43により電源のオン操作がなされた時点より、設定入力スイッチ47にて自動調理の動作条件が設定されたか否かの監視を開始する。そして、設定入力スイッチ47にて自動調理の動作条件が設定された場合は、設定された動作条件を情報表示部41および設定表示部48に表示させると共に、その時点における各温度センサ23,33の検出温度が基準温度未満であるか否かを判定する。
【0080】
その結果、温度センサ23,33の検出温度が基準温度未満であれば、対応するバーナ21,31において自動調理が「有効」であると判定し、有効とされたバーナ21,31に対応する点消火操作子44,45において、所定時間内に点火操作がなされたか否かの監視を開始する。そして、所定時間が経過するまでの間に、対応する点消火操作子44,45にて点火操作がなされれば、上記実施形態と同様、設定された動作条件に従ってバーナ21,31の自動調理を開始すると共に、加熱表示部46のランプを設定火力に応じた数だけ、手動調理が行われている場合と異なる色(例えば、グリーン)で点灯させ、バーナ21,31の点火、設定火力、及び設定入力スイッチ47で設定された動作条件にて自動調理制御が行われている旨を表示する。
【0081】
一方、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上であるか、或いは、温度センサ23,33の検出温度が基準温度未満であっても、所定時間が経過するまでの間に、対応する点消火操作子44,45にて点火操作がなされなかった場合は、対応するバーナ21,31において自動調理が「無効」であると判定し、設定入力スイッチ47によって設定された動作条件を取り消して、対応するバーナ21,31での自動調理制御をキャンセルすると共に、情報表示部41および設定表示部48の表示から、設定入力スイッチ47で設定された動作条件の表示を消去する。そしてさらに、自動調理制御がキャンセルされたことを示す状態情報を情報表示部41に表示させる。
【0082】
このように、上記ガスコンロ1では、温度センサ23,33の検出温度が基準温度以上であれば、設定入力スイッチ47で設定された動作条件による自動調理制御を無効にする一方、上記検出温度が基準未満であれば、その設定された動作条件に基づいて自動調理制御が行われるから、上記実施の形態と同様、調理性能の安定性が高い。
【0083】
また、設定入力スイッチ47で動作条件を設定してバーナ21,31が点火された場合に、動作条件を設定しないでバーナ21,31を点火させたときとは異なる色で加熱表示部46を点灯させるように構成したことで、設定入力スイッチ47で設定された動作条件に基づいて自動調理が行われているのか、手動調理が行われているのか等を使用者に明確に認識させることができるから、上記実施の形態と同様、使い勝手もよい。
【符号の説明】
【0084】
1 ガスコンロ(加熱調理器)
15 コンロ制御回路
21 コンロバーナ(加熱手段)
23 鍋底温度センサ(温度検出手段)
30 加熱庫
31 グリルバーナ(加熱手段)
33 庫内温度センサ(温度検出手段)
41 情報表示部(情報表示手段)
42 本体側無線通信部(本体側通信手段)
46 加熱表示部(加熱表示手段)
5 携帯端末(情報通信端末)
55 端末制御回路
61 端末操作表示パネル(情報表示手段)
62 端末側無線通信部(端末側通信手段)
図1
図2
図3
図4
図5