(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機(スロットマシン)1に対応して遊技装置2及び遊技情報表示装置3が設置されている。2台の遊技機1、2台の遊技装置2及び遊技情報表示装置3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6に接続されている。管理装置6は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード7、モニタ8やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。LAN5には景品交換処理を行うPOS等の周辺機器(図示せず)が管理装置6と通信可能に接続されている。
【0009】
尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。本実施形態では遊技機1がスロットマシンであることから、遊技価値(遊技媒体)はメダルである。遊技機1がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。尚、以下において、メダルを玉とし、遊技価値の総称として表記する場合がある。
【0010】
遊技機1は、表示窓9、スタートレバー10、ストップ釦11〜13、表示ランプ部14、液晶表示部15、メダル投入口16、BET釦17、受皿18等を備えている。遊技者は、表示窓9を通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、
図2に示すように、左リール19、中リール20及び右リール21の円周面に描かれており、各リール19〜21が停止した状態では、表示窓9の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機1には、各リール19〜21それぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0011】
遊技機1は、遊技者によってメダル投入口16からメダル(遊技価値)が投入された状態、或いはBET釦17を操作することでクレジットメダル(遊技価値)が投入された状態でスタートレバー10が操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリール19〜21の変動を開始させ、ストップ釦11〜13が操作されることによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲、例えば4図柄までにある図柄を後述する有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリール19〜21の変動を停止する。
【0012】
図3は、遊技機1に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス。有利状態)役及びRB(レギュラーボーナス。有利状態)役、所謂小役としての5枚役A〜F、7枚役、2枚役、1枚役A、1枚役B、及びリプレイ役が設定されている。
【0013】
遊技機1には、
図4に示すように、合計4本(表示窓9の上段及び中段に対応した横方向に1本ずつの2本と斜め方向の2本の合計4本)の有効ラインが設けられており、遊技者によってストップ釦11〜13が操作されて有効ラインのうちいずれかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したときに入賞となる。入賞となった場合には、特別状態であるBB状態やRB状態(ボーナス)やリプレイ等の発生、或いは対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)が行われて1ゲームが終了する。尚、BB状態は345枚、RB状態は110枚を超えるメダルの払出により終了する。また、1ゲーム当たりのメダルの投入枚数(最大ベット数)は、通常状態では3枚、ボーナス中は2枚に設定されている。
【0014】
遊技機1は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより内部当選したか否かを判定している。
【0015】
図5は、遊技機1に設定されている内部当選テーブルに割り振られている乱数の数を役に対応して示している。この場合、乱数の数は、遊技機1の遊技状態に対応して設定されている。即ち、通常状態及びRT状態では、BB役及びRB役に対して64個、2種類の5枚役が同時に内部当選(以下、同時当選)する5枚役A+5枚役B〜Fにそれぞれ1952個、5枚役が単独で内部当選(以下、単独当選)する5枚役Aに0個、7枚役に1312個、2枚役に656個、1枚役A及び1枚役Bにそれぞれ4096個の乱数が割り振られている。さらに、通常状態では、リプレイ役に8978個、ハズレに36510個の乱数が割り振られている一方、RT状態では、リプレイ役に45487個、ハズレに1個の乱数が割り振られている。つまり、RT状態では、通常状態と比べてリプレイ役の入賞確率が大幅に高められている。また、BBまたはRB状態では、5枚役Aに65535個の乱数が割り振られ、ハズレに1個の乱数が割り振られている。このような割り振りの結果、5枚役Aには、単独当選する場合と、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選する場合との全部で6通りが設定されており、5枚役Aが単独当選するのはボーナス中のみである。
【0016】
遊技機1は、遊技状態として、上述した通常状態、RT状態(以下、RT)及びBB・RB状態に加えてART状態(以下、ART。有利状態)へも移行可能となっている。ARTへは、通常状態において2枚役が内部当選した場合の一定確率(例えば30%)で成立するART条件が成立した場合に移行する。また、ボーナスやART等の特別状態が発生(初期化条件が成立)することなく連続して行ったゲーム数(ハマリゲーム数)が天井ゲーム数(本実施形態では1530ゲーム)に達した場合にもART条件(天井条件)が成立する。この場合は通常のART条件が成立した場合よりも後述するARTのゲーム数の抽選や継続抽選等が遊技者に有利になる等、通常のARTよりも遊技者にとって有利な条件でARTが発生する。尚、本実施形態では特別状態の内、ARTのみを対象として天井特典の対象としているが、ボーナス等を対象としても勿論良い。また、天井特定の対象となる場合も含め、特別状態としてARTではなくRT状態、或いはAT状態等の他の特別状態を採用しても勿論良い。
【0017】
ARTは後述するAT役を入賞させるための報知を行うAT状態(以下、AT)と、リプレイ役の内部当選率が通常状態よりも向上するRTとが複合した特別状態であり、ART中またはRT中に終了役(1枚役Aまたは1枚役B)が入賞した場合には、ARTまたはRTを終了して通常状態へ移行する。AT役とは、5枚役Aが中リール20の中段に停止して3本の有効ラインが同時に入賞して15枚のメダルが払い出される役のことである。
【0018】
AT中はAT役を入賞させるためのストップ釦11〜13の操作順序を遊技機1の液晶表示部15にて報知する。即ち、1ゲームの払出枚数が15枚であるAT役の入賞操作(AT役入賞操作)を補助する報知(AT役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すればAT役が入賞し、操作しなければ後述するAT役操作報知で説明するようにAT役でない一般役(5枚)が入賞する。
【0019】
一方、AT中は1枚役A及び1枚役Bのいずれが内部当選したかを報知する。即ち、終了役の入賞操作を回避するための報知(終了役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すれば終了役の入賞を回避できる。ATはART発生時等に抽選されるゲーム数を行うまで継続し、終了すればATを終了してRTへと移行する。ATが行われないRTでは終了役報知が行われないため、遊技者は終了役の入賞を回避できず、ATが終了するとほどなくRTも終了することになる。
【0020】
抽選により決定されるATのゲーム数は設定値により変更可能である。即ち、設定値は6段階あり、周知の設定変更操作により変更可能で、いずれかを設定することにより遊技価値の付与率を調整可能である。設定変更を行った場合、或いは設定値の再設定(打直し)やRAMクリア等の所定の初期化操作を行った場合にも初期化条件が成立する。尚、実施形態上は、設定値6の平均継続数が70ゲーム(以下、G)で遊技者にとって最も有利であり、設定値1が40Gで遊技者にとって最も不利となる様に設定値に応じて段階的に遊技者の有利度が異なっている。また、ART状態は、所定のART終了抽選に当選したとき、予め定められた50ゲームを消化したときに終了する。
【0021】
上述したように、5枚役Aは、単独当選する場合と、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選する場合との全部で6通りあり、いずれの場合も5枚役Aのみが入賞する。但し、5枚役B〜Fのいずれか1つと同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じて入賞役であるベル図柄が中リール20の上段か中段に停止するように制御されるので、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚(一般役)、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚のメダルが払い出される。
【0022】
具体的には、以下の押し順の場合にベル図柄が中段で停止し、その他の押し順の場合に上段で停止する。尚、以下の説明では、左は左リール19、中は中リール20、右は右リール21を示している。
・5枚役A+5枚役Bが同時当選……中リール20を最初に停止(中→左→右または中→右→左)の順に停止
・5枚役A+5枚役Cが同時当選……左→中→右の順に停止
・5枚役A+5枚役Dが同時当選……左→右→中の順に停止
・5枚役A+5枚役Eが同時当選……右→中→左の順に停止
・5枚役A+5枚役Fが同時当選……右→左→中の順に停止
【0023】
以上のように、AT役操作報知では、操作するストップ釦11〜13の押し順をゲーム開始時に報知するので、遊技者は、その報知に従ってストップ釦11〜13を押すことにより15枚のメダルを確実に獲得することができる。
尚、ボーナスゲーム中における5枚役Aの単独当選時は、押し順に関わらずベル図柄が中リール20の中段に停止(引込制御可能な場合)して15枚のメダルが払い出される。
【0024】
遊技機1側からは発生した遊技結果の種類に応じて以下に示す複数種類の信号が出力される。
・アウト信号=遊技機1から出力。開始操作に応じベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(消費価値、使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力。
・セーフ信号=遊技機1から出力。メダルが1枚付与(払出)される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力。
【0025】
・BBまたはRB信号=遊技機1から出力。対応するボーナス状態(BB、RB)中にレベル出力されるので、信号入力期間をボーナス状態として特定。
・ART信号=遊技機1から出力。ART開始時に出力されるワンショット信号、或いはART中に継続して出力されるレベル信号であり、遊技機1の種類に応じていずれかを出力。
【0026】
・売上信号=遊技装置2から出力。後述する通りシリアル通信にて売上額や売上メダルを特定するが、貸出メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力される信号としても良く、その場合、売上信号数×100が売上額、売上信号×5を売上メダル(対価付与価値)とする等して売上情報を特定。
尚、上記した遊技信号は一例であり、遊技機側からは各種遊技信号が出力される。
【0027】
遊技装置2は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部(いずれも図示せず)により動作する。遊技装置2は、貨幣が投入される貨幣投入口22、メダルを貸し出すための貸出釦23、図示しないICカードが挿入されるカード挿入口24、ICカードを発行するための発行釦25、払出操作用の払出釦26、この払出釦26の押下に応じてメダルを遊技機1の受皿18に払出す払出ノズル27等を備えている。
【0028】
遊技装置2は、貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技装置2に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技者が貸出釦23を押下(貸出操作、付与操作)すると払出単位(例えば1000円)分の貸出メダル(対価付与価値)を払出ノズル27から払い出し(対価付与処理)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0029】
遊技装置2は、遊技者が獲得したメダルを受付可能で、受け付けた場合には持玉として管理し、その持玉を対価とした払戻処理(価値付与処理)を行った場合はその対価分(払い戻したメダルと同数)を持玉から減算する。そして、残高や持玉が残存する状態で遊技者が発行釦25を押し下げすると(発行操作を受け付けると)、残高や持玉を特定可能なICカードを発行する。尚、カード挿入口24にてICカードを受け付けた場合は、そのICカードにより特定される残高や持玉を引継ぐ(情報を記憶してICカードの情報を消去する)。
【0030】
遊技装置2は中継装置4とのシリアル通信により貨幣受付処理や対価付与処理、価値付与処理、残高、持玉、貸出メダル、払戻数、入金額や計数玉数や、貸出の対価となる売上額、及びICカードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能であるが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定しても良い。
【0031】
遊技情報表示装置3は、データ表示部28、複数の操作スイッチ部29等を備えている。データ表示部28は、遊技機1から入力される信号に基づき集計した遊技情報等、各種の情報を表示する。複数の操作スイッチ部29は、データ表示部28の表示内容を切替えたり、遊技者が遊技場の従業員を呼出したりするため等に操作される。
【0032】
管理装置6は、遊技機側から出力された遊技信号を受信すると、遊技機1の遊技情報(アウト、セーフ、差数、出率、BB回数、RB回数等)を集計したり売上情報を算出したりする。
【0033】
図6は、遊技機1、中継装置4、遊技情報表示装置3、及び管理装置6を機能ブロック図で示している。
遊技機1は複数の出力端子を有した出力コネクタ30を有しており、上述した遊技信号を出力コネクタ30の各出力端子から出力する。
【0034】
中継装置4(信号入力手段)は、複数の入力端子を有した入力コネクタ31とI/F32を有しており、遊技機1の出力コネクタ30の各出力端子から出力された遊技信号を入力コネクタ31の各入力端子からパラレルに入力しシリアル信号に変換して出力する。
【0035】
遊技情報表示装置3は、制御部32(表示側記憶手段、表示制御手段)、表示部33(表示領域)、及びI/F34を有しており、中継装置4のI/F32から出力された遊技信号をI/F34から入力する。制御部32は、CPU32a、ROM32b、RAM32cから構成されており、I/F34からの遊技信号を集計することで遊技情報を作成して表示部33に表示する。
【0036】
管理装置6は、制御部34(管理側記憶手段、表示設定情報更新手段、入力情報記憶手段、遊技情報集計手段、設定情報記憶手段、入力情報更新手段)、操作部35(操作手段)、I/F36を有しており、中継装置4のI/F32から出力された遊技信号をI/F36から入力する。制御部34は、CPU34a、ROM34b、RAM34cから構成されており、I/F34から入力した遊技信号に基づいて遊技情報を集計する。
【0037】
ところで、管理者が遊技情報表示装置3に表示したいと考える遊技情報は、遊技機が同じ種類(機種)であっても遊技場毎に異なっていることから、その表示設定の作業を遊技情報表示装置3に対して一々行うことは極めて面倒である。
【0038】
このような事情から、管理装置6に対する操作により遊技情報表示装置3の表示設定を一括して行うようにした。
即ち、管理装置6は、遊技機毎に種類(機種)の情報(以下、機種情報)や表示したい遊技情報を設定するための情報(以下、表示設定情報)を記憶しており、これらの機種情報や表示設定情報を選択可能とすることで表示設定を簡単に行えるようにした。尚、機種情報や表示設定情報は、図示しないサーバから管理装置6にダウンロードすることで管理装置6のRAM34cに予め記憶している。
【0039】
管理者が表示設定を行うために図示しないメニュー画面で「おまかせ運用」を選択すると、管理装置6は、「おまかせ運用」の初期画面を表示する。
図7は、「おまかせ運用」の初期画面において、いずれの遊技情報表示装置3にいずれの遊技機1の種類を割り当てるかを選択した後の画面を示している。遊技情報表示装置3の選択は台番号1〜10まで等、遊技機の種類に応じて複数台分を同時に選択可能である。この場合、管理装置6には遊技機毎に機種情報が予め記憶されているので、遊技情報表示装置3に遊技機毎の種類を容易に割り当てることができる。
【0040】
図7に示す例は、遊技機としてスロットマシンを選択した場合の「おまかせ運用」画面を示している。画面の上部から前頁ボタン37、後頁ボタン38、表示設定情報選択部39、配線情報登録部40、「OK」ボタン41、「キャンセル」ボタン42、「適用」ボタン43が表示されている。管理者は、遊技情報表示装置3に表示したい遊技情報を設定する場合は、表示設定情報選択部39及び配線情報登録部40を遊技機毎に設定する。
【0041】
表示設定情報選択部39は、中継装置4の入力コネクタ31から入力した信号の集計値である遊技情報を遊技情報表示装置3のデータ表示部28のいずれの表示対象として表示させるのかを設定するものである。表示設定情報選択部39では表示パターン1の表示設定情報と表示パターン2(推奨)の表示設定情報とを選択可能であり、各表示パターンに対応して選択ボタン44と、表示設定注意事項45と、「配線詳細」ボタン46とが表示されている。
【0042】
選択ボタン44をクリックすることで任意の表示設定情報を選択することができる。表示設定注意事項45は、信号と表示対象との対応関係の内、注意すべき対応関係を注意事項として登録したものである。「配線詳細」ボタン46は、クリックされた場合に信号と表示対象との対応関係の全てを表示するもので、この対応関係が表示設定情報そのものである。
【0043】
図7に示す例は、表示パターン2が選択されている状態を示している。また、表示パターン1の表示設定注意事項45には、RB信号の入力値をRB回数、BB信号の入力値をBB回数として表示し、ART回数は表示しない旨が登録されている。表示パターン2の表示設定注意事項45には、RB信号の入力値をRB回数、BB信号の入力値をBB回数、ART信号の入力値をART回数として表示する旨が設定されている。つまり、BB回数やRB回数として、遊技機1から出力される信号がBB信号やRB信号と異なる種類の信号の入力を集計して表示する場合があることから、表示設定注意事項45にBB信号とBB回数、及びRB信号とRB回数との対応関係が登録されている。また、ART回数は、遊技場毎に表示対象の有無が異なる場合があることから、表示設定注意事項45にART信号とART回数との対応関係の有無が登録されている。
【0044】
配線情報登録部40は、管理者が遊技場の実態に合わせて配線情報(入力情報)を任意に登録するものである。
図7に示す例では、配線情報の一つとして、出力、出力詳細、AT信号注意事項が設定されている。出力は、中継装置4の入力コネクタ31の各端子から出力される信号を示すもので、中継装置4の入力コネクタ31に設けられている端子1P〜8Pが登録されている。出力詳細は、端子1P〜8Pに対応した信号を示しており、端子1Pに対応してアウト信号、端子2Pに対応してセーフ信号、端子3Pに対応してBB信号、端子4Pに対応してRB信号、端子5Pに対応してART信号、端子6Pに対応してコモン信号、端子7Pに対応してセキュリティ信号、端子8Pに対応してドアオープン信号が設定されている。AT信号注意事項には、遊技機1から出力されるAT信号に関する注意事項として、「ART信号は、ART開始時にワンショット」というメッセージが登録されている。尚、遊技機1がART信号をART中継続してレベル出力する種類の場合には、例えば「ART信号は、ART中にレベル出力」というメッセージを登録することになる。
【0045】
また、配線情報の一つとして、ART状態の特定方法が登録されており、項目として、(A)RT取得突入、終了、判定G、ハズレが設定されている。(A)RT取得突入としてワンショットであることが登録されている。終了、判定G、ハズレは、ARTの終了判定の方法を示しており、遊技機の種類によって登録する。つまり、終了の際に信号を出力する遊技機であれば、終了の項目にワンショット等の記載が登録される。また、終了ゲームが不規則な機種であれば、判定ゲーム(判定G)の間にハズレが何回発生したかでARTが継続しているか否かを判定する設定等が登録される。
【0046】
尚、配線情報登録部40には上記以外の各種項目を任意に登録可能であり、スクロールボタン47を操作することで表示していない項目を表示することが可能となる。
管理者が
図7に示すように表示情報選択部39及び配線情報登録部40に対する登録や選択が終了し、「OK」ボタン41をクリックすると、管理装置6は、表示設定情報及び配線情報の設定を確定し、自身で記憶している表示設定情報及び配線情報を更新すると同時に遊技情報表示装置3に対して表示設定情報を出力する。
【0047】
遊技情報表示装置3は、管理装置6から表示設定情報を受信した場合は当該表示設定情報を更新記憶(表示側記憶手段が記憶する表示設定情報を、遊技場の管理者が操作手段の操作によって選択した表示設定情報に更新)し、以後においては、新たに記憶した表示設定情報に基づいて遊技情報を表示する。
【0048】
図8はART回数の表示無(表示パターン1)に設定された場合の遊技情報表示装置3のデータ表示部28を示し、
図9はART回数の表示有(表示パターン2)に設定された場合を示しており、表示パターン1と表示パターン2とを比較するために同じ遊技結果をそれぞれ例示している。
【0049】
図8に示すART回数の表示無(表示パターン1)の場合は、只今スタート回数表示部28a、累計スタート回数表示部28b、BB回数表示部28c、RB回数表示部28dが表示対象となるように設定され、
図9に示すART回数の表示有(表示パターン2)の場合は、表示パターン1の表示対象に加えて、ART回数表示部28eが表示対象として付加されている。尚、スランプグラフ28fは、図示しない切替ボタンにより選択されることで表示されており、切替ボタンに対する操作により任意の遊技情報を表示することができる。
【0050】
ここで、遊技機1からスタート回数を直接特定可能な信号は出力されていないことから、
図7の「配線詳細」ボタン46をクリックして表示される表示設定情報として、アウト信号とスタート回数とが対応するように登録されている。つまり、アウト信号と表示対象である只今スタート回数及び累計スタート回数とが対応するように登録されている。この場合、遊技情報表示装置3は、アウト信号を3回入力する毎に只今スタート回数及び累計スタート回数を1加算して表示するように設定されている。一方、BB回数、RB回数、ART回数は、BB信号、RB信号、ART信号をそれぞれ入力した集計値を表示している。
【0051】
尚、遊技情報表示装置3は、ART状態はART信号を入力してからBB状態やRB状態が発生することなく50ゲームが経過した場合に終了したものと判断することで、ART状態での遊技情報を集計している。
【0052】
また、
図8のART回数の表示無の場合、ART終了ゲーム数をリセットしないため、ART終了でゲーム数をリセットする
図9のART回数の表示有の場合とで只今スタート回数に違いが発生している。
【0053】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、管理者が遊技機の種類を選択すればその種類の遊技機に対応した複数種類の表示設定情報を表示設定情報選択部39により選択可能とするので、遊技情報表示装置3の表示設定を行い易くできる。特に、同じ種類の遊技機であっても遊技場によって望む表示内容が異なることがあるが、管理装置6のRAM34cに一の遊技機の種類に対して複数種類の表示設定情報を記憶するため、多くの遊技場に対応することができる。これにより、遊技情報表示装置3の表示設定を行い易くする効果を高めることができる。
【0054】
遊技機の種類を選択すると、入力する信号の設定を行うことができる。これにより、遊技情報の集計を行うための設定操作を簡易化することが可能になる。
【0055】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
遊技場内に複数種類の遊技情報表示装置(第1遊技情報表示装置、第2遊技情報表示装置)が設けられている構成にしても良い。この場合、管理装置側で遊技情報表示装置の種類別に複数の表示パターンの表示設定情報を記憶する構成にすると良い。このような構成によれば、遊技情報表示装置の種類別に表示設定情報を記憶しているため、遊技場内に複数種類の遊技情報表示装置を設置する場合等にも表示設定を行い易い環境を担保することができる。
【0056】
例示したスロットマシンとは異なる遊技機に適用しても良く、例えば、メダルを使用せずクレジットを消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンや、玉が封入されており、得点(遊技価値)を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機に適用することも可能である。パチンコ遊技機の場合、大当たり状態の発生回数、小当たり状態の発生回数や確変状態の発生回数等を遊技情報として表示すると良い。つまり、遊技機が出力する遊技結果に対応した信号を適宜変更しても良い。
【0057】
遊技情報表示装置3が表示する遊技情報は任意に変更しても良く、例えば、RT状態の発生回数を表示する構成が考えられる。また、一の遊技機に対して選択可能な表示パターンの数を変更しても良く、3種類以上の中から表示パターンを選択する構成にしても良い。
【0058】
遊技情報表示装置3は液晶画面にて遊技情報を表示する構成にしたが、セグメント表示部を設ける等、液晶画面とは異なる表示領域を用いることも可能である。
表示設定情報を管理装置6のRAM34cに記憶する構成にしたが、管理装置6の外部にて記憶する構成にしても良い。例えば、サーバ上に表示設定情報を記憶する構成が考えられる。本構成においても、管理装置6が表示設定情報を記憶する管理側記憶手段を備えている構成に該当する。つまり、管理側記憶手段は管理装置6の内部に設けられている必要はない。
【0059】
遊技機1の出力コネクタ30と、中継装置4の入力コネクタ31とを電気的に接続する構成にしたが、かかる構成に限定されない。例えば遊技機1に個別の出力端子が設けられており、コネクタを介することなく中継装置4の入力端子を接続する構成にしても良い。
【0060】
中継装置4が設けられていない構成にしても良い。この場合、例えば遊技機側が出力した信号を管理装置6及び遊技情報表示装置3のうち一方の装置が入力し、その装置が他方の装置に信号を出力する構成が考えられる。つまり、信号入力手段を設ける場所は特に限定されるものではなく、遊技情報表示装置3が信号入力手段を外部及び内部のいずれに備えている構成にしても良い。
【0061】
遊技機1の種類を選択してから、当該種類に応じた表示パターンを表示していずれの表示パターンにするか選択する構成としたが、かかる構成に限定されない。例えば遊技機1の種類と表示パターンとを対応付けた一覧を表示し、その中から遊技機1の種類及び表示パターンを選択する構成が考えられる。つまり、遊技機1の種類と表示パターンとを同時に選択できる構成にしても良い。
【0062】
遊技情報表示装置3に表示する表示対象を含めて表示パターンとして選択可能としても良い。例えば、
図7の場合、表示パターン2として、只今スタート回数、累計スタート回数、BB回数、RB回数、ART回数を表示対象とする。この場合、遊技情報表示装置3に対して表示対象を設定する必要がなくなり、設定作業を大幅に低減することができる。