特許第6681361号(P6681361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681361
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   H02M3/00 H
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-97176(P2017-97176)
(22)【出願日】2017年5月16日
(65)【公開番号】特開2018-196215(P2018-196215A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103208
【氏名又は名称】コーセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】増谷 康弘
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−252967(JP,A)
【文献】 特開2013−055802(JP,A)
【文献】 特開2003−164141(JP,A)
【文献】 特開平09−065648(JP,A)
【文献】 特開2010−136497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧設定値を変更するための外部接続端子であるトリマ端子と、
前記トリマ端子に発生するトリマ電圧に応じて前記出力電圧設定値を決定する手段であって、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定する設定値決定手段とを備え、
前記設定値決定テーブルには、前記トリマ電圧の範囲を所定の幅に区切った複数のレンジが定義され、前記レンジごとに異なる前記出力電圧設定値が割り付けられており、
前記設定値決定手段には、前記設定値決定テーブルが複数設けられ、
前記出力電圧設定値を決定するときに使用する1つの前記設定値決定テーブルを選択するための外部接続端子であるテーブル選択端子が設けられていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記設定値決定テーブルに規定された前記レンジに含まれない前記トリマ電圧が発生している時、前記設定値決定手段は、前記出力電圧設定値を一定以下の安全な値に決定する請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記設定値決定手段には、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した連続関数式がさらに設けられ、
前記設定値決定テーブルに規定された前記レンジに含まれない前記トリマ電圧が発生している時、前記設定値決定手段は、前記連続関数式に基づいて前記出力電圧設定値を決定する請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
出力電圧設定値を変更するための外部接続端子であるトリマ端子と、
前記トリマ端子に発生するトリマ電圧に応じて前記出力電圧設定値を決定する手段であって、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定する設定値決定手段とを備え、
前記設定値決定テーブルには、前記トリマ電圧の範囲を所定の幅に区切った複数のレンジが定義され、前記レンジごとに異なる前記出力電圧設定値が割り付けられており、
前記設定値決定手段には、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した連続関数式がさらに設けられ、
前記設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定するモードと、前記連続関数式に基づいて前記出力電圧設定値を決定するモードのどちらかを選択するための外部接続端子であるモード選択端子がさらに設けられていることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
前記設定値決定手段には、前記設定値決定テーブルが複数設けられ、
前記出力電圧設定値を決定するときに使用する1つの前記設定値決定テーブルを選択するための外部接続端子であるテーブル選択端子がさらに設けられている請求項4記載の電源装置。
【請求項6】
前記モード選択端子が前記テーブル選択端子として兼用され、前記出力電圧設定値を決定するときに使用する前記設定値決定テーブルを、前記モード選択端子を用いて選択できるよう構成されている請求項5記載の電源装置。
【請求項7】
出力電圧設定値を変更するための外部接続端子であるトリマ端子と、
前記トリマ端子に発生するトリマ電圧に応じて前記出力電圧設定値を決定する手段であって、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定する設定値決定手段とを備え、
前記設定値決定テーブルには、前記トリマ電圧の範囲を所定の幅に区切った複数のレンジが定義され、前記レンジごとに異なる前記出力電圧設定値が割り付けられており、
前記設定値決定手段には、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した連続関数式がさらに設けられ、
前記設定値決定テーブルに規定された前記レンジに含まれない前記トリマ電圧が発生している時、前記設定値決定手段は、前記連続関数式に基づいて前記出力電圧設定値を決定することを特徴とする電源装置。
【請求項8】
前記連続関数式に基づいて決定される前記出力電圧設定値の範囲は、前記設定値決定テーブルに基づいて決定される前記出力電圧設定値の範囲と全部又は一部が重なっている請求項7記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力電圧設定値を外部設定又は外部可変する機能を備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、所要電源電圧を指示する電圧指示信号を出力する負荷と、この電圧指示信号がトリマ端子に入力され、電圧指示信号に基づいて出力電圧設定値を自動的に変更する電源装置とを備えた電源システムがあった。負荷は、電圧指示信号を生成するとき、所要電源電圧毎に値の異なる抵抗器を使用する。電源装置内の出力電圧設定回路は、電圧指示信号の変化に対して出力電圧設定値を連続変化させる(特許文献1の図3)。
【0003】
特許文献1の電源システムの電源装置は、従来から使用されている公知の装置であり、この種の電源装置10は、図14(a)〜(c)に示すような使い方もされる。
【0004】
図14(a)は、電源装置10の出力端子12,14の間に負荷16が接続され、トリマ端子18に所定の抵抗値を有した固定抵抗素子20を接続することによって、トリマ端子18に所望の電圧指示信号を発生させる構成を示している。電圧指示信号を変更するときは、固定抵抗素子20を、抵抗値の異なる他の固定抵抗素子20に交換する作業を行う。なお、図14(a)の構成は、負荷16とは別に固定抵抗素子20を設けているが、実質的には、特許文献1の電源システムと同様の構成と言える。
【0005】
図14(b)は、電源装置10の出力端子12,14の間に定電圧発生回路22を設け、定電圧発生回路22で所定の定電圧(電圧指示信号)を発生させ、トリマ端子18に入力する構成を示している。定電圧発生回路22は、シャントレギュレータと複数の固定抵抗とで構成されたシリーズレギュレータ等であり、電圧指示信号を変更するときは、特定の固定抵抗を、抵抗値の異なる他の固定抵抗に交換する作業を行う。
【0006】
また、図14(c)は、電源装置10の外部に、使用者が意図した定電圧を高精度に出力する可変電源装置24が設けられ、可変電源装置24が出力する定電圧(電圧指示信号)をトリマ端子18に入力する構成を示している。電圧指示信号は、使用者が自在に変更することができる。
【0007】
図14(a)及び(b)の構成は、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という場合に適しており、電源システムをシンプルかつ安価に構成することができる。一方、図14(c)の構成は、「電源装置の運転中に出力電圧Voを連続的に可変する」という場合に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−164141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の電源装置10は、出力電圧設定回路が、電圧指示信号の変化に対して出力電圧設定値を連続変化させる動作を行うので、出力電圧Voをきめ細かく可変することができ、図14(c)に示すような「電源装置の運転中に出力電圧Voを連続的に可変する」という使い方に適している。しかしながら、図14(a)、(b)に示すような「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方にはあまり適していない。
【0010】
図14(a)の構成の場合、固定抵抗素子20の個体差により抵抗値が公差の範囲内でばらつくので、狙いの電圧指示信号を精度よく発生させることができない。同様に、図14(b)の構成の場合、シャントレギュレータや複数の固定抵抗の個体差により定電圧発生回路22の定電圧がばらつくので、狙いの電圧指示信号を精度よく発生させることができない。そのため、図14(a)、(b)の構成で電源装置10を使用すると、電圧指示信号が所定の範囲でばらつくため、所望の出力電圧Voを精度よく得ることができないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、トリマ端子に固定抵抗素子や定電圧発生回路を接続して出力電圧の設定を行う場合でも、所望の出力電圧を精度よく得ることができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、出力電圧設定値を変更するための外部接続端子であるトリマ端子と、前記トリマ端子に発生するトリマ電圧に応じて前記出力電圧設定値を決定する手段であって、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定する設定値決定手段とを備え、前記設定値決定テーブルには、前記トリマ電圧の範囲を所定の幅に区切った複数のレンジが定義され、前記レンジごとに異なる前記出力電圧設定値が割り付けられている電源装置である。
【0013】
前記トリマ電圧は、前記トリマ端子に固定抵抗素子を外部接続することによって変更可能であり、前記設定値決定テーブルに規定された前記各出力電圧設定値ごとに、外部接続可能な前記固定抵抗素子の公称値及び公差が指定され、前記設定値決定テーブルに規定された前記各レンジの幅は、指定された前記固定抵抗素子が外部接続され、その抵抗値が前記公差の範囲内でばらついたとき、前記トリマ電圧が当該レンジ内に収まるように設定されている。
【0014】
あるいは、前記トリマ電圧は、前記トリマ端子に、定電圧発生回路が発生する定電圧を外部入力することによって変更可能であり、前記設定値決定テーブルに規定された前記出力電圧設定値ごとに、外部入力可能な前記定電圧の中心値及び許容誤差が指定され、前記設定値決定テーブルに規定された前記各レンジの幅は、指定された定電圧が外部入力され、前記定電圧の前記許容誤差の範囲内でばらついたとき、前記トリマ電圧が当該レンジ内に収まるように設定されている。
【0015】
前記設定値決定テーブルに規定された前記レンジに含まれない前記トリマ電圧が発生している時、前記設定値決定手段は、前記出力電圧設定値を一定以下の安全な値に決定する構成にすることが好ましい。または、前記設定値決定手段には、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した連続関数式がさらに設けられ、前記設定値決定テーブルに規定された前記レンジに含まれない前記トリマ電圧が発生している時、前記設定値決定手段は、前記連続関数式に基づいて前記出力電圧設定値を決定する構成にすることが好ましい。この場合、前記連続関数式に基づいて決定される前記出力電圧設定値の範囲は、前記設定値決定テーブルに基づいて決定される前記出力電圧設定値の範囲と全部又は一部が重なるようにすることができる。また、前記設定値決定手段には、前記設定値決定テーブルが複数設けられ、前記出力電圧設定値を決定するときに使用する1つの前記設定値決定テーブルを選択するための外部接続端子であるテーブル選択端子がさらに設けられている構成にしてもよい。
【0016】
あるいは、前記設定値決定手段には、前記トリマ電圧と前記出力電圧設定値との関係を規定した連続関数式がさらに設けられ、前記設定値決定テーブルに基づいて前記出力電圧設定値を決定するモードと、前記連続関数式に基づいて前記出力電圧設定値を決定するモードのどちらかを選択するための外部接続端子であるモード選択端子がさらに設けられている構成にすることが好ましい。この場合、前記設定値決定手段には、前記設定値決定テーブルが複数設けられ、前記出力電圧設定値を決定するときに使用する1つの前記設定値決定テーブルを選択するための外部接続端子であるテーブル選択端子がさらに設けられている構成にしてもよい。また、前記モード選択端子が前記テーブル選択端子として兼用され、前記出力電圧設定値を決定するときに使用する前記設定値決定テーブルを、前記モード選択端子を用いて選択できるよう構成してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電源装置によれば、トリマ端子に発生するトリマ電圧を検出し、独特な設定値決定テーブルに基づいて出力電圧設定値を決定する構成なので、トリマ端子に固定抵抗素子や定電圧発生回路を接続して出力電圧の設定を行う場合でも、接続する素子の精度にかかわらず所望の出力電圧を精度よく得ることができる。
【0018】
また、設定値決定テーブルに基づいて出力電圧設定値を決定するモードと連続関数式に基づいて出力電圧を決定するモードをと設け、どちらのモードを使用するか使用者が選択できる構成にすることによって、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方と「電源装置の運転中に出力電圧Voを連続的に可変する」という使い方のどちらにも簡単に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の電源装置の第一の実施形態を示す回路図である。
図2図1の設定値決定手段に登録された2つの設定値決定テーブルと、トリマ電圧のレンジ毎の固定抵抗素子の指定(抵抗値の公称値及び公差)を示す図(a)、(b)である。
図3図1の設定値決定手段に登録された2つの設定値決定テーブルによって規定された、トリマ電圧と出力電圧設定値との関係を示すグラフ(a)、(b)である。
図4】本発明の電源装置の第二の実施形態を示す回路図である。
図5図4の設定値決定手段に登録された2つの設定値決定テーブルと、トリマ電圧のレンジ毎の定電圧発生回路の指定(定電圧の中心値及び許容誤差)を示す図(a)、(b)である。
図6図4の設定値決定手段に登録された2つの設定値決定テーブルによって規定された、トリマ電圧と出力電圧設定値との関係を示すグラフ(a)、(b)である。
図7】本発明の電源装置の第三の実施形態を示す回路図である。
図8図7の設定値決定手段に登録された設定値決定テーブル及び連続関数式によって規定された、トリマ電圧と出力電圧設定値との関係を示すグラフである。
図9】本発明の電源装置の第四の実施形態を示す回路図である。
図10図9の設定値決定手段に登録された設定値決定テーブルと、トリマ電圧のレンジ毎の定電圧発生回路の指定(定電圧の中心値及び許容誤差)を示す図である。
図11図9の設定値決定手段に登録された設定値決定テーブル及び連続関数式によって規定された、トリマ電圧と出力電圧設定値との関係を示すグラフである。
図12】第三の実施形態の電源装置の変形例を示す回路図である。
図13】第四の実施形態の電源装置の変形例を示す回路図である。
図14】従来の電源装置のトリマ端子に、固定抵抗素子を接続した構成を示す回路図(a)、定電圧発生回路を接続した構成を示す回路図(b)、可変電源装置を接続した構成を示す回路図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第一の実施形態である電源装置26について、図1図3に基づいて説明する。ここで、電源装置26に外部接続される部分の構成については、従来の構成(図14)と同様の符号を付して説明する。
【0021】
電源装置26は、スイッチング方式の電源装置であり、図示しない電力変換回路と出力電圧制御回路28とを備えている。出力電圧制御回路28は、出力電圧信号Vo1と基準電圧Vkとの差を増幅する誤差増幅回路28aと、誤差増幅回路28aが出力する制御信号Vsを受け、出力電圧信号Vo1と基準電圧Vkとの差をゼロに近づけるように電力変換回路を制御するスイッチング制御回路28bとを備えている。基準電圧Vkを発生させる基準電圧発生回路30は、後述する設定値決定手段32から出力電圧設定情報J(Vr)を受け、これに基づいて基準電圧Vkの値を調節する。
【0022】
電源装置26には、外部接続端子として、出力電圧設定値Vrを変更するためのトリマ端子18が設けられている。トリマ端子18に発生する電圧(以下、トリマ電圧Vtrmと称する。)は、トリマ端子18に固定抵抗素子20を接続することによって変更できるよう構成されている。
【0023】
設定値決定手段32は、デジタルプロセッサ内に設けられたブロックで、あらかじめ、トリマ電圧Vtrmと出力電圧設定値Vrとの関係を規定した設定値決定テーブルTa,Tbが登録されている。
【0024】
設定値決定テーブルTaには、図2(a)に示すように、トリマ電圧Vtrmの範囲(≦Vx)を所定の幅に区切った複数のレンジA1,A2,・・・が定義され、各レンジA1,A2,・・・に対して異なる出力電圧設定値Vr(A1),Vr(A2),・・・が割り付けられている。
【0025】
また、各出力電圧設定値Vr(A1),Vr(A2),・・・に対し、外部接続する固定抵抗素子20の公称値及び公差が指定されている。例えば、出力電圧設定値Vr(A1)に対しては、公称値Ra1[Ω]で公差が±1%の固定抵抗素子20を接続することが指定されている。同様に、出力電圧設定値Vr(A2)に対しては、公称値がRa2(1)[Ω]で公差が±1%の固定抵抗と公称値がRa2(2)[Ω]で公差が±1%の固定抵抗とを並列にした固定抵抗素子20を接続することが指定されている。
【0026】
また、トリマ電圧VtrmのレンジA1,A2,・・・の幅は、指定された固定抵抗素子20が外部接続され、その抵抗値が公差の範囲内でばらついたとき、各トリマ電圧Vtrmのばらつきの幅ΔV(Ra1),ΔV(Ra2),・・・が各レンジA1,A2,・・・内に収まるように設定されている。
【0027】
出力電圧設定値Vr(A1),Vr(A2),・・・は、例えば、1.0V、1.2V、1.5V、1.8V、2.0V、2.5V、3.3V、5V等、各種分野で使用される一般的な電圧が選定されている。
【0028】
設定値決定テーブルTbには、図2(b)に示すように、トリマ電圧Vtrmの範囲(≦Vx)を所定の幅に区切った複数のレンジB1,B2,・・・が定義され、各レンジB1,B2,・・・に対して異なる出力電圧設定値Vr(B1),Vr(B2),・・・が割り付けられている。
【0029】
また、各出力電圧設定値Vr(B1),Vr(B2),・・・に対し、外部接続する固定抵抗素子20の公称値及び公差が指定されている。例えば、出力電圧設定値Vr(B1)に対しては、公称値Rb1[Ω]で公差が±2%の固定抵抗素子20を接続することが指定されている。同様に、出力電圧設定値Vr(B2)に対しては、公称値がRb2(1)[Ω]で公差が±2%の固定抵抗と公称値がRb2(2)[Ω]で公差が±2%の固定抵抗とを並列にした固定抵抗素子20を接続することが指定されている。
【0030】
また、トリマ電圧VtrmのレンジB1,B2,・・・の幅は、指定された固定抵抗素子20が外部接続され、その抵抗値が公差の範囲内でばらついたとき、各トリマ電圧Vtrmのばらつきの幅ΔV(Rb1),ΔV(Rb2),・・・が各レンジB1,B2,・・・内に収まるように設定されている。
【0031】
設定値決定テーブルTbでは、使用者が用意する固定抵抗素子20を安価で入手しやすいものにするため、固定抵抗素子20の公差の指定を、設定値決定テーブルTaよりも緩くしている。そのため、図3(a)、(b)に示すように、各レンジB1,B2,・・・の幅が設定値決定テーブルTaより広くなっており、これに伴い、レンジB1,B2,・・・の数と出力電圧設定値Vr(B1),Vr(B2),・・・の数が設定値決定テーブルTaより少なくなっている。出力電圧設定値Vr(B1),Vr(B2),・・・は、上述した一般的な電圧の中から、特に多く使用される電圧が選定されている。
【0032】
設定値決定手段32は、トリマ電圧Vtrmを検出し、設定値決定テーブルTa又はTbの規定に基づいて出力電圧設定値Vrを決定し、決定した内容を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する動作を行う。
【0033】
さらに、電源装置26には、外部接続端子として、外部機器36からテーブル選択情報J(table)を取得するためのテーブル選択端子34が設けられている。テーブル選択情報J(table)は、出力電圧設定値Vrを決定する際に使用する設定値決定テーブルを使用者が指定した情報であり、設定値決定手段32は、テーブル選択情報J(table)を受け、指定された設定値決定テーブル(Ta又はTb)を用いて出力電圧設定値Vrを決定する。
【0034】
なお、設定値決定手段32は、検出したトリマ電圧Vtrmが、指定された設定値決定テーブル(Ta又はtb)に規定されたレンジに含まれない時(つまり、Vtrm>Vxの時)は、出力電圧設定値を一定以下の安全な値に決定する。これによって、使用者が指定外の固定抵抗素子20を誤接続したとき等に、負荷16や電源装置26の内部回路を保護することができる。
【0035】
次に、電源装置26の使用方法及び動作を説明する。例えば出力電圧設定値VrをVr(A1)にしたいとき、使用者は、公称値がRa1[Ω]で公差が±1%の固定抵抗素子20をトリマ端子18に接続し、外部機器36から、「設定値決定テーブルTaを選択する」という内容のテーブル選択情報J(table)を、テーブル選択端子34を通じて設定値決定手段32に送信させる。そして、電源装置26の動作をオンにすると、所定のトリマ電圧Vtrmが発生する。
【0036】
トリマ電圧Vtrmは、固定抵抗素子20の抵抗値が公差の範囲内でばらついても、確実にV1a<Vtrm≦V2aの範囲に収まる。したがって、設定値決定手段32は、トリマ電圧Vtrmが設定値決定テーブルTaのレンジA1に属すると判定し、出力電圧設定値VrをVr(A1)に決定し、その旨を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する。
【0037】
基準電圧発生回路30は、出力電圧VoがVr(A1)になるように基準電圧Vkの値を調節し、出力電圧制御回路28は、出力電圧信号Vo1が基準電圧Vkに近づくようにスイッチング動作を制御する。その結果、出力電圧Voが正確にVr(A1)となる。
【0038】
同様に、例えば出力電圧設定値VrをVr(B1)にしたいときは、使用者は、公称値がRb1[Ω]で公差が±2%の固定抵抗素子20をトリマ端子18に接続し、外部機器36から、「設定値決定テーブルTbを選択する」という内容のテーブル選択情報J(table)を、テーブル選択端子34を通じて設定値決定手段32に向けて送信させる。その結果、出力電圧Voが正確にVr(B1)となる。
【0039】
以上説明したように、電源装置26によれば、トリマ端子18に発生するトリマ電圧Vtrmを検出し、独特な設定値決定テーブルTa又はTbに基づいて出力電圧設定値Vrを決定する構成なので、外部接続する固定抵抗素子20の抵抗値が公差の範囲内でばらついても、所望の出力電圧Voを精度よく得ることができる。
【0040】
次に、本発明の第二の実施形態である電源装置38について、図4図6に基づいて説明する。ここで、上記の電源装置26と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
電源装置38は、電源装置26と同様のスイッチング方式の電源装置であり、図4に示すように、電源装置26と異なるのは、設定値決定手段32に代えて設定値決定手段40が設けられているという点である。また、電源装置38の場合、トリマ端子18に発生する電圧は、出力端子12,14の間に定電圧発生回路22を設け、定電圧発生回路22で所定の定電圧を発生させ、この定電圧をトリマ端子18に入力することによって変更できるよう構成されている。つまり、電源装置38の場合、定電圧発生回路22が発生する定電圧がそのままトリマ電圧Vtrmとなる。
【0042】
設定値決定手段40は、デジタルプロセッサ内に設けられたブロックで、あらかじめ、トリマ電圧Vtrmと出力電圧設定値Vrとの関係を規定した設定値決定テーブルTc,Tdが登録されている。
【0043】
設定値決定テーブルTcには、図5(a)に示すように、トリマ電圧Vtrmの範囲(≦Vx)を所定の幅に区切った複数のレンジC1,C2,・・・が定義され、各レンジC1,C2,・・・に対して異なる出力電圧設定値Vr(C1),Vr(C2),・・・が割り付けられている。
【0044】
また、各出力電圧設定値Vr(C1),Vr(C2),・・・に対し、外部入力する定電圧の中心値及び許容誤差が指定されている。例えば、出力電圧設定値Vr(C1)に対しては、中心値Vc1[V]で許容誤差が±3%の定電圧を入力することが指定されている。同様に、出力電圧設定値Vr(C2)に対しては、中心値Vc2[V]で許容誤差が±3%の定電圧を入力することが指定されている。
【0045】
また、トリマ電圧VtrmのレンジC1,C2,・・・の幅は、指定された定電圧が外部入力されたとき、その定電圧のばらつき(トリマ電圧Vtrmのばらつき)の幅が各レンジC1,C2,・・・内に収まるように設定されている。出力電圧設定値Vr(C1),Vr(C2),・・・は、各種分野で使用される一般的な電圧が選定されている。
【0046】
設定値決定テーブルTdには、図5(b)に示すように、トリマ電圧Vtrmの範囲(≦Vx)を所定の幅に区切った複数のレンジD1,D2,・・・が定義され、各レンジD1,D2,・・・に対して異なる出力電圧設定値Vr(D1),Vr(D2),・・・が割り付けられている。
【0047】
また、各出力電圧設定値Vr(D1),Vr(D2),・・・に対し、外部入力する定電圧の中心値及び許容誤差があらかじめ指定されている。例えば、出力電圧設定値Vr(D1)に対しては、中心値Vd1[V]で許容誤差が±5%の定電圧を入力することが指定されている。同様に、出力電圧設定値Vr(D2)に対しては、中心値Vd2[V]で許容誤差が±5%の定電圧を入力することが指定されている。
【0048】
また、トリマ電圧VtrmのレンジD1,D2,・・・の幅は、指定された定電圧が外部入力されたとき、その定電圧のばらつき(トリマ電圧Vtrmのばらつき)の幅が各レンジD1,D2,・・・内に収まるように設定されている。
【0049】
設定値決定テーブルTdでは、使用者が用意する定電圧発生回路22を安価で入手しやすい部品で構成できるようにするため、定電圧の許容誤差の指定を、設定値決定テーブルTcよりも緩くしている。そのため、図6(a)、(b)に示すように、各レンジD1,D2,・・・の幅が設定値決定テーブルTcより広くなっており、これに伴い、レンジD1,D2,・・・の数と出力電圧設定値Vr(D1),Vr(D2),・・・の数が設定値決定テーブルTcより少なくなっている。出力電圧設定値Vr(D1),Vr(D2),・・・は、上述した一般的な電圧の中から、特に多く使用される電圧が選定されている。
【0050】
設定値決定手段40は、トリマ電圧Vtrmを検出し、設定値決定テーブルTc又はTdの規定に基づいて出力電圧設定値Vrを決定し、決定した内容を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する動作を行う。
【0051】
次に、電源装置26の使用方法及び動作を説明する。例えば出力電圧設定値VrをVr(C1)にしたいとき、使用者は、中心値がVc1[V]で許容誤差が±3%の定電圧を出力する定電圧発生回路22をトリマ端子18に接続し、外部機器36から、「設定値決定テーブルTcを選択する」という内容のテーブル選択情報J(table)を、テーブル選択端子34を通じて設定値決定手段40に送信させる。そして、電源装置38の動作をオンにする。
【0052】
トリマ電圧Vtrmは、定電圧が許容誤差の範囲内でばらついても、確実にV1c<Vtrm≦V2cの範囲に収まる。したがって、設定値決定手段40は、トリマ電圧Vtrmが設定値決定テーブルTcのレンジC1に属すると判定し、出力電圧設定値VrをVr(C1)に決定し、その旨を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する。
【0053】
基準電圧発生回路30は、出力電圧VoがVr(C1)になるように基準電圧Vkの値を調節し、出力電圧制御回路28は、出力電圧信号Vo1が基準電圧Vkに近づくようにスイッチング動作を制御する。その結果、出力電圧Voが正確にVr(C1)となる。
【0054】
同様に、例えば出力電圧設定値VrをVr(D1)にしたいときは、使用者は、中心値がVd1[V]で許容誤差が±5%の定電圧を出力する定電圧発生回路22をトリマ端子18に接続し、外部機器36から、「設定値決定テーブルTdを選択する」という内容のテーブル選択情報J(table)を、テーブル選択端子34を通じて設定値決定手段40に向けて送信させる。その結果、出力電圧Voが正確にVr(D1)となる。
【0055】
以上説明したように、電源装置38によれば、トリマ端子18に発生するトリマ電圧Vtrmを検出し、独特な設定値決定テーブルTc又はTdに基づいて出力電圧設定値Vrを決定する構成なので、外部接続する定電圧発生回路22の定電圧が許容誤差の範囲内でばらついても、所望の出力電圧Voを精度よく得ることができる。
【0056】
次に、本発明の第三の実施形態である電源装置42について、図7図8に基づいて説明する。ここで、上記電源装置26と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
電源装置42は、電源装置26と同様のスイッチング方式の電源装置であり、図7に示すように、電源装置26と異なるのは、設定値決定手段32に代えて設定値決定手段44が設けられているという点である。
【0058】
また、電源装置42の場合、トリマ電圧Vtrmを変更する方法として、トリマ端子18に固定抵抗素子20を接続する方法と、図14(c)に示すように、使用者が意図した定電圧を高精度に出力する可変電源装置24を用意し、この定電圧をトリマ端子18に入力する方法の、どちらも使用できる構成になっている。後者の方法を使用した場合、可変電源装置24が出力する定電圧がそのままトリマ電圧Vtrmとなる。
【0059】
設定値決定手段44は、デジタルプロセッサ内に設けられたブロックで、あらかじめ、上記の設定値決定テーブルTaと、トリマ電圧Vtrmと出力電圧設定値Vrとの関係を規定した連続関数式S1とが登録されている。設定値決定テーブルTaは、上記のようにトリマ電圧Vtrm≦Vxの範囲を対象にしたテーブルであり、トリマ電圧Vtrm>Vxの範囲は対象にしていない。一方、連続関数式S1は、トリマ電圧Vtrm>Vxの範囲を対象にした式であり、トリマ電圧Vtrm≦Vxの範囲は対象にしていない。
【0060】
設定値決定手段44は、トリマ電圧Vtrmを検出し、図8に示すように、検出したトリマ電圧VtrmがVx以下の時は、設定値決定テーブルTaの規定に基づいて出力電圧設定値Vrを決定し、Vxを超えている時は、連続関数式S1に基づいて出力電圧設定値Vrを決定する。そして、決定した内容を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する動作を行う。
【0061】
次に、電源装置42の使用方法を説明する。使用者は、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方をする場合、トリマ端子18に所定の固定抵抗素子20を接続し、トリマ電圧Vtrm≦Vxの範囲で使用する。これによって、電源装置26と同様の作用効果を得ることができる。一方、「電源装置42の運転中に出力電圧Voを連続的に可変する」という使い方をする場合は、トリマ端子18に可変電源装置24が出力する定電圧を入力し、トリマ電圧Vtrm>Vxの範囲で使用する。これによって、出力電圧設定値Vrを連続変化させることができ、出力電圧Voをきめ細かく可変することができる。
【0062】
以上説明したように、電源装置42によれば、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方と「電源装置の運転中に出力電圧Voを連続的に可変する」という使い方のどちらにも対応することができる。
【0063】
次に、本発明の第四の実施形態である電源装置46について、図9図11に基づいて説明する。ここで、上記電源装置26と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
電源装置46は、電源装置26と同様のスイッチング方式の電源装置であり、図9に示すように、電源装置26と異なるのは、設定値決定手段32に代えて設定値決定手段48が設けられている点と、新たな外部接続端子であるモード選択端子50が設けられている点である。
【0065】
また、電源装置46の場合、トリマ電圧Vtrmを変更する方法として、トリマ端子18に固定抵抗素子20を接続する方法と、図14(c)に示すように、使用者が意図した定電圧を高精度に出力する可変電源装置24を用意し、この定電圧をトリマ端子18に入力する方法の、どちらも使用できる構成になっている。後者の方法を使用した場合、可変電源装置24が出力する定電圧がそのままトリマ電圧Vtrmとなる。
【0066】
設定値決定手段48は、デジタルプロセッサ内に設けられたブロックで、あらかじめ、設定値決定テーブルTeと、トリマ電圧Vtrmと出力電圧設定値Vrとの関係を規定した連続関数式S2とが登録されている。
【0067】
設定値決定テーブルTeには、図10に示すように、トリマ電圧Vtrmの範囲を所定の幅に区切った複数のレンジE1,E2,・・・が定義され、各レンジE1,E2,・・・に対して異なる出力電圧設定値Vr(E1),Vr(E2),・・・が割り付けられている。
【0068】
また、各出力電圧設定値Vr(E1),Vr(E2),・・・に対し、外部接続する固定抵抗素子20の公称値及び公差が指定されている。例えば、出力電圧設定値Vr(E1)に対しては、公称値Re1[Ω]で公差が±1%の固定抵抗素子20を接続することが指定されている。同様に、出力電圧設定値Vr(E2)に対しては、公称値がRe2(1)[Ω]で公差が±1%の固定抵抗と公称値がRe2(2)[Ω]で公差が±1%の固定抵抗とを並列にした固定抵抗素子20を接続することが指定されている。
【0069】
また、トリマ電圧VtrmのレンジE1,E2,・・・の幅は、指定された固定抵抗素子20が外部接続され、その抵抗値が公差の範囲内でばらついたとき、各トリマ電圧Vtrmのばらつきの幅ΔV(Re1),ΔV(Re2),・・・が各レンジE1,E2,・・・内に収まるように設定されている。
【0070】
連続関数式S2は、図11に示すように、設定値決定テーブルTeに規定されたトリマ電圧Vtrmの範囲と重なる範囲に適用される式であり、図8に示す連続関数式S1とは大きく異なる。
【0071】
設定値決定手段48は、トリマ電圧Vtrmを検出し、設定値決定テーブルTeの規定又は連続関数式S2に基づいて出力電圧設定値Vrを決定し、決定した内容を出力電圧設定情報J(Vr)として基準電圧発生回路30に向けて送信する動作を行う。
【0072】
モード選択端子50は、外部機器36からモード選択情報J(mode)を取得するための外部接続端子である。モード選択情報J(mode)は、設定値決定テーブルに基づいて出力電圧設定値Vrを決定する第一のモードと、連続関数式に基づいて出力電圧設定値Vrを決定する第二のモードのどちらかを使用者が指定する情報である。設定値決定手段48は、モード選択情報J(mode)を受け、これに従って出力電圧設定値Vrを決定する。
【0073】
次に、電源装置46の使用方法を説明する。使用者は、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方をする場合、トリマ端子18に固定抵抗素子20を接続し、外部機器36から、「第一のモードを選択する」という内容のモード選択情報J(mode)を、モード選択端子50を通じて設定値決定手段48に送信させる。これによって、電源装置26と同様の効果を得ることができる。一方、「電源装置46の運転中に出力電圧Voを可変する」という使い方をする場合は、トリマ端子18に可変電源装置24が出力する定電圧を入力し、外部機器36から、「第二のモードを選択する」という内容のモード選択情報J(mode)を、モード選択端子50を通じて設定値決定手段48に送信する。これによって、出力電圧設定値Vrを連続変化させることができ、出力電圧Voをきめ細かく可変することができる。
【0074】
以上説明したように、電源装置46によれば、「出力電圧Voを一旦設定するとその後は変更しない」という使い方と「電源装置の運転中に出力電圧Voを可変する」という使い方のどちらにも対応することができる。
【0075】
なお、本発明の電源装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第一の実施形態の電源装置26は、設定値決定手段32に設定値決定テーブルを2つ設けているが、設定値決定テーブルの数はいくつでもよい。1つにする場合は、テーブル選択端子34は省略することができる。第二の実施形態の電源装置38も同様である。
【0076】
第三の実施形態の電源装置42は、設定値決定手段44に1つの設定値決定テーブルを設けているが、設定値決定テーブルを複数設けてもよい。例えば、図12に示す電源装置42hでは、設定値決定手段44hに設定値決定テーブルTaとTbを設けている(ともにトリマ電圧Vtrm≦Vxの範囲が対象)。この場合、トリマ電圧Vtrm≦Vxの時に、設定値決定手段44hがどちらの設定値決定テーブルを使用するか判断できるように、電源装置26のようにテーブル選択端子34を設け、外部機器36からテーブル選択情報J(table)を取得できる構成にするとよい。
【0077】
第四の実施形態の電源装置46は、設定値決定手段48に1つの設定値決定テーブルを設けているが、設定値決定テーブルを複数設けてもよい。例えば、図13に示す電源装置46hでは、設定値決定手段48hに設定値決定テーブルTeとTfを設けている。この場合、第一のモード(設定値決定テーブルに基づいて出力電圧設定値Vrを決定するモード)が選択されている時、設定値決定手段48hがどちらの設定値決定テーブルを使用するか判断できるように、外部機器36からモード選択端子50を通じてテーブル選択情報J(table)を取得できる構成にする。モード選択端子50と別に、テーブル選択端子34を新設してもよい。
【0078】
第三及び第四の実施形態の電源装置42,46は、トリマ端子18に固定抵抗素子20が接続されることを想定した設定値決定テーブルを設けているが、定電圧発生回路22が接続されることを想定した設定値決定テーブルを設けてもよい。
【0079】
各実施形態において、設定値決定手段に複数の設定値決定テーブルを設ける場合、トリマ端子18に固定抵抗素子20が接続されることを想定した設定値決定テーブルと、定電圧発生回路22が接続されることを想定した設定値決定テーブルの両方を設けてもよい。これによって、使用方法の選択肢をより多くすることができ、使用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0080】
その他、トリマ端子に接続される固定抵抗素子は、1つの固定抵抗で構成されるようにしてもよいし、複数の固定抵抗を直列、並列又は直並列に接続して構成されるようにしてもよい。また、トリマ端子に接続される定電圧発生回路の構成は特に限定されず、定電圧発生回路22以外の構成にしてもよい。また、電力変換回路はスイッチング方式に限定されず、出力電圧制御回路の構成も、電力変換回路の構成に合わせて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0081】
10,26,38,42,42h,46,46h 電源装置
16 負荷
18 トリマ端子
20 固定抵抗素子
22 定電圧発生回路
24 可変電源装置
32,40,44,44h,48,48h 設定値決定手段
34 テーブル選択端子
36 外部機器
50 モード選択端子
Ta,Tb,Tc,Td,Te,Tf 設定値決定テーブル
S1,S2 連続関数式
Vo 出力電圧
Vr 出力電圧設定値
Vtrm トリマ電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14