(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管状主体部は、本体と、前記本体内に内蔵される導電性材料からなる前記給油ノズルのガイド部材とから構成されており、前記アース体の一方端部が前記ガイド部材に接するようにしてなる、請求項1に記載の給油口装置。
前記カバー体に、前記給油ノズルの導入により開き位置に回動されて前記給油ノズルの導入を許容させるフラップを備えてなる、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の給油口装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の給油口装置を、管状主体部と、その管上端側に取り付けられるカバー体とを備え、このカバー体にアース体の通過部を備えたものとしながら、この通過部のシール性を確保した状態で、給油口装置の外側からアース体の一方端部を給油口装置内に適切に位置づけることができるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、給油口装置を、管上端側から給油ノズルが導入される管状主体部と、
前記管状主体部に組み合わされて前記管状主体部の前記管上端側の側部を外側から覆うカバー体と、
導入される給油ノズル側とボディパネル側とを電気的に接続させるアース体と、
前記管状主体部に対する前記カバー体の組み合わせにより両者間に挟み込まれて前記カバー体に形成された前記アース体の通過部をシールするシール体とを備えており、
前記シール体に前記アース体の一方端部側を前記管状主体部の外側から差し通し可能とする差し通し部を形成させてなる、ものとした。
【0007】
かかる構成によれば、給油口装置を構成する管状主体部の管上端側の側部をカバー体によって覆うように管状主体部とカバー体とを組み合わせることにより、カバー体に形成されたアース体の通過部を前記シール体によって気密状態に封止することができる。また、アース体は、前記のように管状主体部とカバー体との間に介在されるシール体の差し通し部に管状主体部の外側からその一方端部側を差し通すことでアース体を介して給油ノズル側とボディパネル側とが電気的に接続されるようにセットすることができる。シール体によって、アース体の一方端部と差し通し部との間も気密状態に封止させることができる。
【0008】
前記管状主体部を、本体と、前記本体内に内蔵される導電性材料からなる前記給油ノズルのガイド部材とから構成し、前記アース体の一方端部が前記ガイド部材に接するようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0009】
また、前記シール体に、前記ガイド部材に対する取付部を備えさせておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0010】
また、前記アース体を、金属製の帯状板体から構成させてておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0011】
また、前記カバー体に、前記給油ノズルの導入により開き位置に回動されて前記給油ノズルの導入を許容させるフラップを備えておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、この種の給油口装置を、管状主体部と、その管上端側に取り付けられるカバー体とを備え、このカバー体にアース体の通過部を備えたものとしながら、この通過部のシール性を確保した状態で、給油口装置の外側からアース体の一方端部を給油口装置内に適切に位置づけることができる。この発明にかかる給油口装置は、特に、前記アース体の設置に接着や溶着などの格別の止着作業を要しない特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる給油口装置の斜視構成図である。
【
図2】
図2は、前記給油口装置の断面構成図である。
【
図3】
図3は、前記給油口装置の断面構成図であり、給油ノスルを導入した様子を示している。
【
図4】
図4は、前記給油口装置を構成するカバー体とガイド部材とを取り外した状態を示した管状主体部の本体の斜視構成図であり、アース体を一緒に表している。
【
図5】
図5は、前記給油口装置を構成するカバー体を取り外した状態を示した管状主体部の斜視構成図である。
【
図6】
図6は、前記給油口装置を構成するアース体及びシール体の斜視図である。
【
図7】
図7は、前記給油口装置を構成するアース体及びシール体の斜視図である。
【
図8】
図8は、前記給油口装置を構成するシール体の斜視図である。
【
図9】
図9は、前記給油口装置を構成するシール体の斜視図である。
【
図10】
図10は、前記給油口装置の概念構成例の要部断面構成図である。
【
図11】
図11は、前記給油口装置の概念構成例の要部断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1〜
図11に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
図1〜
図9はその具体的構成例、
図10はその概念構成例、
図11は
図10と構成の一部を異ならせる概念構成例を示している。
【0015】
この実施の形態にかかる給油口装置は、フィラーパイプ(図示は省略する。)に取り付けられて、給油口1を構成するものであり、給油ノズルNの導入により前記給油口1を開放してこの導入を許容し、導入された給油ノズルNが抜き出されたときは前記給油口1を自動的に閉鎖するものである。
【0016】
すなわち、かかる給油口装置は、給油ガンの給油ノズルN(
図3参照)が給油口1に導入されたときは、後述するサブフラップ2b及びメインフラップ5aを開き位置に回動させて給油ノズルNの導入を許容して給油を可能とし、導入された給油ノズルNが抜き出されたときは後述するサブフラップ2b及びメインフラップ5aを閉じ位置に復動させて前記給油口1を自動的に閉鎖するものである。これにより、かかる給油口装置は、ねじ込み式の給油口1のキャップを不要とするものである。
【0017】
かかる給油口装置は、図示しないフィラーパイプ(燃料注入パイプ)の上端部に取り付けられるものとなっている。
【0018】
図示の例では、かかる給油口装置は、カバー体2と管状主体部3から構成されている。
【0019】
管状主体部3は、本体4と、シール部材5と、ガイド部材6とから構成されている。本体4内に、シール部材5がはめ込まれ、このシール部材5内にガイド部材6がはめ込まれるようになっている。カバー体2は、管状主体部3の管上端3a側をその内側に納めて管状主体部3に取り付けられるようになっている。
【0020】
図示の例では、管状主体部3に取り付けられたカバー体2は、
図1中符号2aで示す窓孔に管状主体部3の外側に形成された形成された係合凸部3bを係合させるようになっている。
【0021】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記カバー体2に備えられた後述のサブフラップ2bの奥側には前記給油ノズルNのガイド部材6が備えられ、前記ガイド部材6の奥側には前記給油ノズルNにより開閉されるメインフラップ5aを備えたシール部材5が備えられている。
【0022】
(管状主体部3)
前記管状主体部3は、実質的に筒状を呈すると共に、管上端3a及び管下端3cを共に開放させている。図示の例では、管状主体部3はその管下端3c側をフィラーパイプにはめ込んでフィラーパイプに取り付けられるようになっている。
【0023】
(シール部材5)
前記シール部材5は、筒状主体5cと、メインフラップ5aとを備えてなる。筒状主体5cは、上端及び下端を共に開放させると共に、実質的に円筒状を呈している。前記上端及び下端間において、筒状主体5cの内部空間は隔壁5dによって上下に区分されている。筒状主体5cの外径は、本体4の内径と実質的に等しくなっている。
【0024】
前記隔壁5dには、前記給油ノズルNの通過を許容する円形の通過口5eが形成されている。前記メインフラップ5aは、
図3中、符号5bで示す回動軸を中心とした回動可能に筒状主体に組み合わされている。前記メインフラップ5aは、閉じ位置において付勢手段(図示は省略する。)の付勢により前記隔壁5dに下側から圧接して前記通過口5eを閉鎖し、これにより前記給油ノズルNが導入されない限り前記給油口1の閉鎖状態を維持するようになっている。
【0025】
(カバー体2)
前記カバー体2は、筒状主体2cと、サブフラップ2bとを備えてなる。筒状主体2cは、下端を開放させると共に、上端に周回状をなす内鍔2dを備えており、この内鍔2dによって上端開口を絞って給油ノズルNの通過口を形成した形態となっている。以下、カバー体2のかかる通過口を手前側通過口2eと称する。
【0026】
図示の例では、かかる筒状主体2cは、実質的に円筒状を呈している。筒状主体2cの内径は、管状主体部3の管上端3a側の外径と実質的に等しくなっている。カバー体2の筒状主体2cの下端から管状主体部3の管上端3aをカバー体2内に嵌め入れることで、カバー体2の筒状主体2cによって管状主体部3の管上端3a側の側部3dを外側から覆って状態で、カバー体2と管状主体部3とが組み合わされるようになっている。
【0027】
前記サブフラップ2bは、
図3中、符号2fで示す回動軸を中心とした回動可能に筒状主体に組み合わされている。前記サブフラップ2bは、閉じ位置において前記内鍔2dに図示しない付勢手段の付勢により下側から圧接して前記手前側通過口2eを閉鎖し、これにより前記給油ノズルNが導入されない限り前記給油口1の閉鎖状態を維持するようになっている。
【0028】
(ガイド部材6)
前記ガイド部材6は、前記シール部材5の上端と前記隔壁5dとの間に、このシール部材5の上端側からはめ込まれるようになっている。ガイド部材6には前記はめ込み状態においてシール部材5の通過口5e上に位置される通過口6aが形成されている。
【0029】
図示の例では、シール部材5の通過口5eと、ガイド部材6の通過口6aとにより、前記サブフラップ2bの奥側に、前記給油ノズルNの奥側通過口7を形成させている。
【0030】
ガイド部材6は、前記シール部材5に接する下部6bを巡る側部6cを有し、前記下部6bに前記通過口6aを備え、前記下部6bの上面に、前記給油ノズルNのガイド斜面6dを備えている。
【0031】
給油ガンの給油ノズルNの給油口1への導入操作がなされると、先ず前記サブフラップ2bが開き位置に回動され、前記手前側通過口2eより奥への給油ノズルNの進入が許容される。前記手前側通過口2eより奥へ給油ノズルNが進入すると、ガイド部材6のガイド斜面6dにより給油ノズルNの先端を前記奥側通過口7に案内することができる。給油ガンの給油ノズルNが奥側通過口7に案内されると前記メインフラップ5aが開き位置に回動され、前記奥側通過口7より奥への給油ノズルNの進入が許容される。
【0032】
(アース体8)
この実施の形態にかかる給油口装置は、導入される給油ノズルN側とボディパネル(図示は省略する。)側とを電気的に接続させるアース体8を備えている。
【0033】
この実施の形態にあっては、前記アース体8は、金属製の帯状板体から構成されている。この実施の形態にあっては、前記アース体8は、一本の細幅の帯状板体8aに屈曲を施すことで形成されている。
【0034】
前記アース体8は、給油口装置の内側に位置される一方端部8bと、給油口装置の外側に位置される他方端部8cとを有する。
【0035】
前記管状主体部3における前記アース体8の前記一方端部8bが接触する箇所が導電性プラスチックなどの導電性材料から構成されていて、前記カバー体2が非導電性材料から構成されている場合、
図10に示されるように、前記アース体8を後述のシール体9の差し通し部9aを通じて前記一方端部8bを前記管状主体部3の外面に接触させると共に、前記他方端部8cをボディパネル側に接触させるようにセットすることで、前記アース体8を介して給油ノズルN側とボディパネル側とを電気的に接続させることができる。
【0036】
また、
図11に示されるように、前記管状主体部3に形成された通過箇所3eを通じて前記アース体8の前記一方端部8bが前記管状主体部3内で導入される給油ノズルNに直接接するようにした場合にも、前記アース体8を介して給油ノズルN側とボディパネル側とを電気的に接続させることができる。
【0037】
(シール体9)
また、この実施の形態にかかる給油口装置は、前記管状主体部3に対する前記カバー体2の組み合わせにより両者間に挟み込まれて前記カバー体2に形成された前記アース体8の通過部をシールするシール体9とを備えている。
【0038】
それと共に、前記シール体9に前記アース体8の一方端部8b側を前記管状主体部3の外側から差し通し可能とする差し通し部9aを形成させている。
【0039】
これにより、この実施の形態にあっては、給油口装置を構成する管状主体部3の管上端側の側部をカバー体2によって覆うように管状主体部3とカバー体2とを組み合わせることにより、カバー体2に形成されたアース体8の通過部2gを前記シール体9によって気密状態に封止することができる。また、アース体8は、前記のように管状主体部3とカバー体2との間に介在されるシール体9の差し通し部9aに管状主体部3の外側からその一方端部8b側を差し通すことでアース体8を介して給油ノズルN側とボディパネル側とが電気的に接続されるようにセットすることができる。
【0040】
シール体9は、ゴム、あるいは、ゴム状弾性を備えたプラスチックから構成され、差し通し部9aはアース体8の一方端部8bをシール体9側の弾性変形により受け入れるようになっている。これにより、アース体8の一方端部8bと差し通し部9aとの間も気密状態に封止されるようになっている。
【0041】
図示の例では、管状主体部3の本体4におけるその上端とシール部材5の隔壁5dとの間となる位置に、割り欠き部4bが形成されている(
図4)。そして、前記本体4に前記ガイド部材6を組み合わせたときに、前記割り欠き部4bにガイド部材6の側部6cの外面の一部6eが納まるようになっている(
図5)。
【0042】
そして、前記シール体9に、前記ガイド部材6の一部6eに対する取付部9bが形成されている。図示の例では、前記シール体9は前記ガイド部材6に対し、前記ガイド部材6の一部6eの上下方向中程の位置から下側を前記シール体9で覆うように、前記取付部9bをもって組み合わされるようになっている。
【0043】
これにより、この実施の形態にあっては、シール体9を取り付けたガイド部材6を前記本体4に組み合わせることで、シール体9を備えた管状主体部3を形成できるようになっている。
【0044】
図示の例では、シール体9は、水平方向に長い長方形の輪郭を備えたベース板部9eと、このベース板部9eの左右の端部にそれぞれ形成された取付部9bとを備えている。取付部9bはベース板部9eの内面に対し実質的に直角に立ち上がる立ち上がり部9cと、この立ち上がり部9cの先端からベース板部9eの中央側に向けて突き出す爪部9dとを有している。シール体9は左右の取付部9bを構成する爪部9dをそれぞれ、ガイド部材6の前記一部6eに形成された図示しない被取付部に引っかけることで、ガイド部材6と一体化されるようになっている。
【0045】
図示の例では、シール体9には、左右両端間に四角形の貫通穴9fが形成され、前記差し通し部9aは、この貫通穴9fとシール体9の
図8における右側の端部との間に形成されたシール体9の長さ方向に長いスリットによって構成されている。
【0046】
なお、前記貫通穴9fは、シール部材5の手前側において給油口装置内に貯まった水、燃料、塵埃などのドレン対象を給油口装置の外に排出するために給油口装置の内外を連通するように形成されるドレン開口の一部を構成するものであり、このドレン開口は図示しない閉鎖機構により、給油ノズルNの導入時には閉鎖されるようになっている。
【0047】
図1〜
図9に示される具体的構成例では、アース体8は、下端を前記他方端部8cとした第一部分8dと、第一部分8dの上端に折り返し部8eを介して連続して下方に延びる第二部分8fと、第二部分8fの下端に折り返し部8gを介して連続して第一部分8dに対し実質的に直交する向きに延びる第三部分8hとを有している。第三部分8hの端末が前記一方端部8bとして機能するようになっている。第三部分8hの端末は第二部分8f側に湾曲状に折り返された箇所により形成されている。前記シール部材の差し通し部9aには前記第三部分8hが外側から差し通されるようになっている。
【0048】
前記第一部分8dは、カバー体2の側部の外側において、給油口装置の中心軸に平行をなすように位置づけられるようになっている。図示の例では、カバー体2の側部に、前記のように位置づけられる第一部分8dを保持する保持爪2hが形成されている。
【0049】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施形態を含むものである。