(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681391
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】多機能容器ベース
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20200406BHJP
B65D 50/00 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
B65D1/02 250
B65D1/02 230
B65D50/00
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-519678(P2017-519678)
(86)(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公表番号】特表2017-537850(P2017-537850A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】US2014061096
(87)【国際公開番号】WO2016060680
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2017年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】518452803
【氏名又は名称】アムコー リジド プラスティックス ユーエスエー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ,ピーター エー.
(72)【発明者】
【氏名】マクファーレン,ロナルド
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−154907(JP,A)
【文献】
特表2012−513943(JP,A)
【文献】
特開2013−144560(JP,A)
【文献】
特開2012−158339(JP,A)
【文献】
米国特許第04747497(US,A)
【文献】
特開2014−125236(JP,A)
【文献】
特開2008−100729(JP,A)
【文献】
特表2009−524562(JP,A)
【文献】
特開2002−029552(JP,A)
【文献】
特開2010−275014(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/073261(WO,A1)
【文献】
特表2008−539141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を画定するフィニッシュと、
前記フィニッシュから延伸する肩部と、
長手方向軸と平行な方向において前記肩部から延伸し、チャンバーを画定する本体と、
前記肩部とは反対側の前記本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで移動可能であり、前記膨張位置から後退位置まで移動可能なベース部とを備える容器であって、
前記ベース部は、前記ベース部の外縁にある固定リング、旋回領域、および中央領域を含み、
前記旋回領域は、前記固定リングと前記中央領域との間に配置され、
前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記旋回領域は曲がり、前記長手方向軸に沿って前記中央領域を移動させ、
前記旋回領域は平面リングを含み、前記中央領域は平面部を含み、前記平面部は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置における前記長手方向軸と垂直な軸に沿って延伸する平面と実質的に平行であり、
前記固定リングは、前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するように、直立位置で前記本体を支持し、
前記固定リングは、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置において、固定面との接触を維持するように構成され、
前記旋回領域は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置のいずれか1つにおいて前記長手方向軸と垂直な前記固定リングと交差するように延伸する固定リング面と交差せず、
前記ベース部は、複数の放射状溝を画定し、前記放射状溝と交互に埋め合わせて配置される複数の放射状リブを含み、
前記フィニッシュに配置され、前記開口部を閉じる蓋をさらに備え、
前記蓋は、前記後退位置で動作する不正開封防止ダイアフラムを含み、
前記容器に追加された高温充填製品が冷えるにつれて前記容器内に生成される、20318.34から74500.58Paの真空に応じて、前記ベース部が前記後退位置まで移動すると同時に、前記不正開封防止ダイアフラムが動作するように構成されることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記中央領域は、前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで移動するときに、前記長手方向軸に沿った第1方向において移動し、
前記中央領域は、前記ベース部が前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記長手方向軸に沿った前記第1方向とは反対の第2方向において移動することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ベース部は、空洞を画定し、前記空洞は、前記ベース部の下に積み重ねられた第2容器の蓋と整列して前記蓋を実質的に収容することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記旋回領域は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置で前記固定リング面上に延伸することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記フィニッシュは、射出ネジ切りフィニッシュであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記フィニッシュは、前記フィニッシュの内面に沿って延伸する複数の雌ネジを含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
多層材料からなることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
開口部を画定するフィニッシュと、
前記フィニッシュから延伸する肩部と、
長手方向軸と平行な方向において前記肩部から延伸し、チャンバーを画定する本体と、
前記肩部とは反対側の前記本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで移動可能になっており、前記膨張位置から後退位置まで移動可能になっているベース部とを備える容器であって、
前記ベース部は、平面リング、平面部、および上げ底部を含み、
前記平面リングは、旋回可能であり、前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記長手方向軸に沿って前記平面部および前記上げ底部を移動させ、
前記平面部は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置において、前記長手方向軸と垂直な軸に沿って延伸する平面に対して実質的に平行であり、
前記ベース部は、前記平面部に沿って複数の放射状溝を画定し、
前記ベース部は、前記ベース部の外径に沿って配置される固定リングを含み、
前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記固定リングは、前記長手方向軸に沿って移動せず、
前記平面リングは、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置のいずれか1つにおいて前記長手方向軸と垂直な前記固定リングと交差するように延伸する固定リング面と交差せず、
前記フィニッシュに配置され、前記開口部を閉じる蓋をさらに備え、
前記蓋は、前記後退位置で動作する不正開封防止ダイアフラムを含み、
前記容器に追加された高温充填製品が冷えるにつれて前記容器内に生成される、20318.34から74500.58Paの真空に応じて、前記ベース部が前記後退位置まで移動すると同時に、前記不正開封防止ダイアフラムが動作するように構成されることを特徴とする容器。
【請求項10】
前記ベース部は、前記ベース部の表面に対して凹状のヒンジ部を含み、前記平面リングは、前記ヒンジ部から延伸し、
前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記ヒンジ部は、前記平面リングが旋回するように曲がることを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記フィニッシュは、射出ネジ切りフィニッシュであることを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項12】
ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項13】
前記フィニッシュは、前記フィニッシュの内面に沿って延伸する複数の雌ネジを含むことを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項14】
多層材料からなることを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項15】
開口部を画定するフィニッシュと、
前記フィニッシュから延伸する肩部と、
長手方向軸と平行な方向において前記肩部から延伸し、チャンバーを画定する本体と、
前記肩部とは反対側の前記本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで移動可能になっており、前記膨張位置から後退位置まで移動可能になっているベース部とを備える容器であって、
前記ベース部は、平面リング、平面部、および上げ底部を含み、
前記ベース部は、前記平面部に沿って複数の放射状溝を画定し、前記上げ底部において放射状に延伸する複数のリブを含み、前記リブは、前記放射状溝と交互に埋め合わせて配置され、
前記平面リングは、旋回可能であり、第1方向および第2方向に、前記平面部および前記上げ底部を一定断面として移動させ、前記第1方向は、前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで移動するような前記長手方向軸に沿った方向であり、前記第2方向は、前記ベース部が前記膨張位置から前記後退位置まで移動するような、前記第1方向とは反対側の方向であり、
前記平面部は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置において、前記長手方向軸と垂直な軸に沿って延伸する平面に対して実質的に平行であり、
前記フィニッシュに配置され、前記開口部を閉じる蓋をさらに備え、
前記蓋は、前記後退位置で動作する不正開封防止ダイアフラムを含み、
前記ベース部は、
前記ベース部の表面に対して凹状であるヒンジ部と、
前記ベース部の外径に沿って配置される固定リングと、
前記長手方向軸と垂直な前記固定リングと交差するように延伸する固定リング面とを含み、
前記平面リングは、前記ヒンジ部から延伸し、
前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記ヒンジ部は、前記平面リングが旋回するように曲がり、
前記ベース部が前記吹き出し位置から前記膨張位置まで、または、前記膨張位置から前記後退位置まで移動するときに、前記固定リングは、前記長手方向軸に沿って移動せず、
前記平面部は、前記吹き出し位置、前記膨張位置、および前記後退位置のいずれか1つにおいて前記固定リングと交差するように延伸せず、
前記容器に追加された高温充填製品が冷えるにつれて前記容器内に生成される、20318.34から74500.58Paの真空に応じて、前記ベース部が前記後退位置まで移動すると同時に、前記不正開封防止ダイアフラムが動作するように構成されることを特徴とする容器。
【請求項16】
前記フィニッシュは、射出ネジ切りフィニッシュであることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項18】
前記フィニッシュは、前記フィニッシュの内面に沿って延伸する複数の雌ネジを含むことを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項19】
多層材料からなることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔分野〕
本開示は、容器のためのベースに関する。
【0002】
〔背景〕
この節は、本開示に関する背景の情報を提供するものであり、必ずしも先行技術というわけではない。
【0003】
環境および他の関心の結果として、プラスチック容器、より具体的にはポリエステルおよびさらにより具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)容器が、ガラス容器に予め包装された多数の商品をパッケージするためにこれまで以上に使用されている。製造業者および充填業者、ならびに消費者は、PET容器が軽量で、安価で、リサイクル可能で、大量生産可能であることを認識している。
【0004】
PETは、アモルファス(非晶質)形態または半結晶形態で利用可能であることを意味する結晶性ポリマーである。PET容器の材料の安定性を維持させるためのPET容器の性能は、結晶形態におけるPET容器の割合に関連し、PET容器の“結晶化度”として知られている。以下の式は、結晶化度の割合を体積分率として定義する。
【0006】
なお、ρはPET材料の密度である。ρ
αは純粋なアモルファスPET材料の密度である(1.333g/cc)。ρ
cは純粋な結晶材料の密度である(1.455g/cc)。
【0007】
製造業者は現在、ジュースおよび等張性の飲料などの様々な液体商品のためのPET容器を提供する。提供者は、液体製品が高温、典型的には、68℃〜96℃(155°F〜205°F)の間、および通常は、約85℃(185°F)である間に、これらの液体製品を容器に充填することが多い。
【0008】
熱充填された後、ヒートセットされた容器は、蓋をかぶせられ、一般的には充填温度で最大5分放置され、この時点で、容器は製品と共に、活発に冷却されてから、ラベル付け、梱包、および出荷作業に移る。冷却は、容器内の液体の体積を減少させる。この製品収縮減少は、容器内に真空を作り出す結果となる。一般的には、容器内で発生する真空圧力は、最大24inHgになり得る。制御されない、または、そうでなければ収容されない場合、これらの真空圧力は、容器の変形をもたらし、審美的に受け入れられない容器または不安定である容器のいずれかにつながる。
【0009】
〔概要〕
この節は、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0010】
本開示は、フィニッシュ、肩部、本体、およびベース部を含む容器を提供する。フィニッシュは開口部を画定する。肩部はフィニッシュから延伸する。本体は、肩部から長手方向軸に平行な方向に延伸し、チャンバーを画定する。ベース部は肩部とは反対側の本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで、および膨張位置から後退位置まで移動可能であってもよい。ベース部は、固定リング、旋回領域、および中央領域を含む。旋回領域は固定リングと中央領域との間に配置されている。ベース部が吹き出し位置から膨張位置まで、または、膨張位置から後退位置まで移動するときに、旋回領域は長手方向軸に沿って中央領域を曲げて移動させる。
【0011】
本開示はさらに、フィニッシュ、肩部、本体、およびベース部を含む容器を提供する。フィニッシュは開口部を画定する。肩部はフィニッシュから延伸する。本体は、肩部から長手方向軸に平行な方向に延伸し、チャンバーを画定する。ベース部は肩部とは反対側の本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで、および膨張位置から後退位置まで移動可能であってもよい。ベース部は、平面リング、平面部、および上げ底部を含む。ベース部が吹き出し位置から膨張位置まで、または、膨張位置から後退位置まで移動するときに、平面リングは旋回可能であり、長手方向軸に沿って平面部および上げ底部を移動させる。
【0012】
また、本開示は、フィニッシュ、肩部、本体、およびベース部を含む容器を提供する。フィニッシュは開口部を画定する。肩部はフィニッシュから延伸する。本体は、肩部から長手方向軸に平行な方向に延伸し、チャンバーを画定する。ベース部は肩部とは反対側の本体の端に延伸し、吹き出し位置から膨張位置まで、および膨張位置から後退位置まで移動可能であってもよい。ベース部は、平面リング、平面部、および上げ底部を含む。ベース部は、平面部に沿って複数の放射状の溝を画定し、上げ底部において放射状に延伸する複数のリブを含む。リブは放射状溝と交互に埋め合わせて配置される。平面リングは旋回可能であり、ベース部が吹き出し位置から膨張位置まで移動するような、長手方向軸に沿った第1方向、およびベース部が膨張位置から後退位置まで移動するような、第1方向とは反対の第2方向における同一部分として、平面部および上げ底部を移動させる。
【0013】
適用性のさらなる範囲は、ここに提供される説明から明らかになる。この概要における説明および特定の例は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【0014】
〔図面〕
ここに記載される図面は、選択された実施形態のみを例示するものであり、全ての可能な実施ではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【0015】
図1は、本開示による容器の側面図である。
【0016】
図2は、
図1の容器のベース部の斜視図である。
【0017】
図3は、
図1の容器のベース部の底面図である。
【0018】
図4は、
図3の線4−4に沿ったベース部の断面図である。
【0019】
図5は、
図3の線5−5に沿ったベース部の断面図である。
【0020】
図6は、吹き出し位置、膨張位置、および後退位置における容器のベース部を示す。
【0021】
図7は、吹き出し位置、膨張位置、および後退位置における容器のベース部を示す。
【0022】
図8は、
図6に示すベース部の分解図である。
【0024】
図10は、
図9の線10−10に沿った蓋の断面図である。
【0025】
図11は、
図1の容器と、
図1の容器の上に積み重ねられた別の容器とを示す斜視図である。
【0026】
図12は、
図11の線12−12に沿った断面図である。
【0027】
対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を示す。
【0028】
〔詳細な説明〕
本開示は添付の図面を参照して説明される。
【0029】
図1を参照すると、本開示による容器は一般的に参照番号10で示される。容器10は、単層または多層材料からなる一体構造の、ブロー成形された2軸配向容器のような任意の適切な容器であってもよい。その材料はブロー成形に適したPETまたは他の熱可塑性物質であってもよい。容器10は一般的に、フィニッシュ12、肩部14、本体部16、およびベース部18を含む。容器10の特徴は、容器10の長手方向軸Aを参照して説明することができる。
【0030】
フィニッシュ12は、くびれ部分20から延伸し、第1環状リブ22および第2環状リブ24を含む。第1環状リブ22は、第2環状リブ24とくびれ部分20との間にある。第1環状リブ22および第2環状リブ24は、フィニッシュ12の環状側壁26を越えて外側に延伸する。
【0031】
フィニッシュ12は、環状側壁26から外側に延伸するネジ28をさらに含む。あるいは、そのネジは、環状側壁26の内面から容器10の内側に向かって延伸する雌ネジであってもよい。フィニッシュ12によって画定される開口部30を覆うことによって容器10を閉じるために、ネジ28は、例えば、金属突出部、または任意の他の適切な蓋と協同するように構成される。環状側壁26は、開口部30が画定される容器10の上端32まで延伸する。上端32は、ベース部18において容器10のベース端34と対向している。フィニッシュ12は、任意の適切な大きさ(例えば、43mm以上)の整った広口の吹き込みフィニッシュ、または43mmより小さい射出されたフィニッシュのような任意の適切なフィニッシュになり得る。また、そのフィニッシュは熱によって結晶化させられ、白い外観を有し得る。
【0032】
肩部14は、くびれ部分20から第1環状リブ22の反対側に延伸する。肩部14は、テーパー面36および外径部38を含む。外径部38は、テーパー面36から本体部16に向かって延伸する。テーパー面36は、くびれ部分20から外径部38に延伸するにつれて、次第により大きな直径を有する。
【0033】
本体部16は、肩部14の外径部38から延伸する。本体部16は、一般に円筒である側壁40を含み、チャンバー42を画定する。側壁40は、1つ以上の環状溝44を含んでもよい。本体部16と肩部14との間には、第1凹リング46がある。本体部16とベース部18との間には、第2凹リング48がある。
【0034】
引き続き
図1を参照し、さらに
図2〜
図5を参照すると、ベース部18は、詳細に説明される。ベース部18は、一般的に固定リング110および上げ底部112を含む。固定リング110は、ベース部18の外径にあり、ベース端34を形成する。
【0035】
固定リング110から上げ底部112に向かって延伸するのは、ヒンジ部114および平面リング116である。ヒンジ部114は、ベース部18の表面に対して凹状である(
図4)。平面リング116は、ヒンジ部114を介して移動するように構成されている。つまり、ヒンジ部114が曲がるとき、平面リング116は、ここで説明されるように、ヒンジ部114から延伸する端で旋回する。
【0036】
段118は、平面リング116から上げ底部112に向かって延伸する(
図4および
図5)。段118は、凸部120、側壁122、および凹部124を含む。凸部120は、ベース部18の表面に対して凸状になっており、凹部124は、ベース部18の表面に対して凹状になっている。側壁122は、凸部120と凹部124との間に位置する。
【0037】
ベース部18は、固定リング110と上げ底部112との間に配置される平面部126をさらに含む。平面部126は、段118の凹部124から上げ底部112に向かって延伸する。平面部126は、容器10の長手方向軸Aと垂直な軸、また、言い換えると、容器10が配置される固定面140に実質的に平行である(
図6)。
【0038】
平面部126は、ベース部18によって画定される複数の放射状溝128によって区分される。放射状溝128は、互いに等距離に配置されてもよい。放射状溝128は、剛性を高め、ここで説明されるような高温充填過程の間に、平面部126が変形することを防止する。ベース部18は、5つの放射状溝128を有するものとして示されているが、ベース部18は、任意の数(例えば、6)の放射状溝を画定してもよい。
【0039】
上げ底部112は、上方向において平面部126からフィニッシュ12に向かって延伸している。つまり、上げ底部112の側壁130は、ドームのような形状を形成する容器10の中心132に向かって上方に曲げられて延伸する。中心132は、容器10の長手方向軸Aに整列する。
【0040】
上げ底部112は、中心132と平面部126との間で放射状に延伸する複数の放射状リブ134を含む。放射状リブ134は、上げ底部112の剛性を強くして高める。放射状リブ134は、平面部126に沿って画定された放射状溝128から交互に埋め合わせになる。
【0041】
図6および
図7をさらに参照して、容器10の高温充填の間に容器10が受ける温度および圧力に応じたベース部18の動きについて説明する。高温充填詰めの適用では、詰め作業を行う人は、一般的に、約195°Fから205°F(約90.5℃から96℃)の間の高温で、液体または製品を容器に充填し、冷却する前に金属突出部のような蓋で容器を密閉する。密閉された容器が冷えると、内部が真空または負圧になることにより、容器の形状が変化する。例えば、容器内に10から15inHgの真空が発生する可能性がある。蓋に設けられた不正開封防止ダイアフラム(すなわち、鮮明な印または真空安全ボタン)を動作させるために、例えば、約8から10inHgの真空が必要とされることがある。蓋の直径に応じて、鮮明な印のダイアフラムを動作させるためには、6から22inHgの任意の場所が必要になることがある。容器内の残留真空は、常にダイアフラムを動作させるために必要な真空よりも高くなければならない。
【0042】
図6および
図7において、ベース部18は、Bでの吹き出し位置、Cでの膨張位置、およびDでの後退位置で示されている。ベース部18は、旋回領域E、および旋回領域Eに取り囲まれた中央領域Fを含む。固定リング110は、ベース部18の外径に設けられ、旋回領域Eおよび中央領域Fを取り囲む。旋回領域Eは、一般的に、ヒンジ部114から、凸部120と接続される平面リング116の一部まで延伸する。中央領域Fは、一般的に、長手方向軸Aを通って延伸し、段118、平面部126、放射状溝128、および上げ底部112を含む。ヒンジ部114および平面リング116を含む旋回領域Eは、ここで説明されるように、長手方向軸Aに沿って均一な一片として中央領域Fを移動させる。
【0043】
図1〜
図5は、形成され、室温などの通常状態で保管されてから約72時間後の吹き出し状態における容器10を示す。吹き出し状態では、容器10は空であり、ベース部18は吹き出し位置Bにある。固定リング110は、固定面140上の直立位置で容器10を支持する。
【0044】
高温充填過程の間、容器10は、開口部30を介して高温生成物を受け取り、チャンバー42に保管される。その時、容器10は、蓋138でかぶせされる。
図9および
図10は、蓋138の例を示す。蓋138は、
図11および
図12に示すように、フィニッシュ12に取り付けられる。
【0045】
製品の冷却に先立って、容器10では、上部空き高の膨張に起因した圧力の増加が起こる。圧力の増加により、ベース部18は膨張位置Cまで膨張する。
図6および
図7に示すように、吹き出し位置Bから膨張位置Cまで、旋回領域Eは、長手方向軸Aに沿って均一な一片として中央領域Fを移動させるように曲げる。つまり、
図8に示すように、ヒンジ部114は、下方に曲がり、矢印142で示すように、平面リング116を下方に旋回させる。ヒンジ部114および平面リング116の曲がり動作に応じて、平面部126および上げ底部112は、長手方向軸Aと平行な方向144において下方にシフトする。
【0046】
ベース部18が吹き出し位置Bから膨張位置Cまで移動するとき、平面部126は、一般的に、固定面140に対して水平で平行なままである。特に、放射状溝128は、圧力を吸収し、下方にシフトすることで、平面部126が変形することを防止する。放射状溝128は、平面部126よりもさらに長手方向軸Aに沿って移動する(
図6および
図7)。さらに、放射状リブ134を含む上げ底部112および平面部128は、旋回領域Eの伸び、および変形を防止するようにベース部18を支持する。
【0047】
製品が冷却されるにつれて、真空が容器10内に生成され、蓋138の不正開封防止ダイアフラム146を動作させる(
図9、
図10、および
図12)。ベース部18は、膨張位置Cから後退位置Dまで後退し移動する(
図6および
図7)。
図8に示すように、ヒンジ部114は上方に曲がり、矢印150で示すように平面リング116を上方に旋回させる。ヒンジ部114および平面リング116の曲がり動作に応じて、平面部126および上げ底部112は、長手方向軸Aと平行な方向152において上方にシフトする。
【0048】
後退位置Dでは、放射状溝128は、吹き出し位置Bに実質的に近い位置まで引っ込み、移動する(
図7)。同様に、上げ底部112に関して、放射状リブ134の外側である側壁130の部分は、吹き出し位置Bに実質的に近い位置まで移動する。平面部126および放射状リブ134は、一般的に、後退位置Dおよび膨張位置Cにおける吹き出し位置Bに均一に分布する。平面部126および放射状リブ134は、放射状溝128、および放射状リブ134の外側の側壁130の部分よりも小さく移動する(
図6)。
【0049】
製品の冷却に伴って生成される負圧により、ベース部18が移動する間、ベース部18は、不正開封防止ダイアフラム146を動作させるために、容器10内に適切な量の負圧が残るように、負圧を緩和する(例えば、10〜20psiの負圧)。例えば、平面部126および放射状リブ134は、真空に起因する動きを最小化し、旋回領域Eの変形を防止するためにベース部18を構造的に支持する。放射状溝128は、圧力を散らせ、平面部126が変形することを防止するように移動する。したがって、ベース部18は、不正開封防止ダイアフラム146を動作させるために、製品が冷却されるように自然に生成された真空を利用する。
【0050】
ベース部が吹き出し位置Bから膨張位置Cに移動し、膨張位置Cから後退位置Dに移動するとき、固定リング110は、固定面140との接触を維持する。固定リング110は、直立位置において容器10を連続的に支持する。
【0051】
引き続き
図4を参照すると、ベース部18は、容器の下に積み重ねられた別の容器の蓋を位置合わせして保持するための空洞160を含む。空洞160は、一般的に、段118および平面部126によって画定される。
【0052】
特に、
図11および
図12を参照すると、容器10は、その上に積み重ねられた第2容器10’と共に示されている。容器10’は容器10と似ているので、容器10と共通である容器10’の特徴は、同一の参照番号で示されているが、プライム記号(’)を含んでいる。容器10’の段118’および平面部126’は、容器10の蓋138と位置合わせするための空洞160’を画定する。平面部126’は容器10の蓋138と接する。したがって、容器10の蓋138は、容器10’の段118’および平面部126’が蓋138を取り囲むように、ベース部18’内に受け入れられる。空洞160は、安全にベース部18’内の蓋138を受け入れ、容器10’が蓋138からずれることを防止する。
【0053】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的のために提供されたものである。徹底的であること、または、開示を制限することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般的に、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能であれば、交換可能であり、特に示されていない、または説明されていない場合でも、選択された実施形態で使用することができる。同一のものは多くの点で変化し得る。そのような変化は、開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような変更の全ては、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0054】
例示的な実施形態は、本開示が徹底的であるように提供され、その範囲を当業者に完全に伝える。本開示の実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、および方法の例のような、多数の具体的な詳細が示されている。具体的な詳細を採用する必要はなく、例示的な実施形態が多くの異なる形態で具体化されてもよく、どちらも本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知の過程、周知の装置構造、および周知の技術は、詳細には記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図4】
図3の線4−4に沿ったベース部の断面図である。
【
図5】
図3の線5−5に沿ったベース部の断面図である。
【
図6】吹き出し位置、膨張位置、および後退位置における容器のベース部を示す。
【
図7】吹き出し位置、膨張位置、および後退位置における容器のベース部を示す。
【
図10】
図9の線10−10に沿った蓋の断面図である。
【
図11】
図1の容器と、
図1の容器の上に積み重ねられた別の容器とを示す斜視図である。