(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681411
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】人体に合わせた排泄物処理装置
(51)【国際特許分類】
A61F 5/451 20060101AFI20200406BHJP
A61F 5/452 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
A61F5/451 V
A61F5/452
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-559260(P2017-559260)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公表番号】特表2018-503494(P2018-503494A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2015001114
(87)【国際公開番号】WO2016125925
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】515297788
【氏名又は名称】キュラコ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CURACO,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】イ・フンサン
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−153931(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/209020(WO,A1)
【文献】
特開2009−072374(JP,A)
【文献】
特開2013−208379(JP,A)
【文献】
特開昭60−111655(JP,A)
【文献】
特開2008−035988(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0097946(KR,A)
【文献】
特表2016−523170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/451
A61F 5/452
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の性器部及び臀部の屈曲に対応される形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放されて人体から排出される排泄物を受け取る処理空間が形成された安着部と、人体の脚の間に装着されるように前記安着部と繋がって、内部に収容空間が形成された本体部を含むボディー体;及び
前記収容空間に備えられ、前記処理空間と連通されて前記処理空間の排泄物を外部へ排出させる排出流路;
前記安着部から延長され、人体の臀部の間の溝に挿入され、後方から前方に行くほど高さが低くなるように形成された延長部;
前記安着部の下部側かつ前記延長部の内側に付着されて人体の臀部を包むように形成された包み部と、前記安着部の周りを包むように前記安着部の両側に付着する羽部とを含んだパッド;を含む排泄物処理装置。
【請求項2】
前記処理空間は、
人体の性器部に対応する小便処理部と、人体の臀部に対応する大便処理部を含む請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項3】
前記延長部は、中心から側方に行くほど高さが低くなるように形成された請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項4】
前記延長部は、人体の尾骨に対応される位置に陥没溝が形成された請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項5】
前記ボディー体は、上部の幅が下部の幅より狭く形成された請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項6】
前記本体部の後方には外部の連結管が前記収容空間の内側に引き込まれるようにする通過穴が形成された請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項7】
前記処理空間に露出されて洗浄水を噴射する噴射部を含む請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項8】
前記収容空間に備えられ、外部から流入された洗浄水を前記噴射部に供給する流路切替部を含む請求項7に記載の排泄物処理装置。
【請求項9】
前記収容空間に備えられ、前記処理空間に乾燥風を送る送風部を含む請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項10】
前記処理空間に備えられ、排泄物の有無をセンシングする感知センサーを含む請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項11】
前記パッドが脱着できるように備えられる請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項12】
使用者の人体に接触されるように前記安着部の周りに沿って備えられるし、各接触領域は対応する人体部位の屈曲傾斜度に対応される傾斜度を持つ密着部材をさらに含む請求項1に記載の排泄物処理装置。
【請求項13】
前記処理空間は、
人体の性器部に対応される小便処理部と、人体の臀部に対応される大便処理部を含み、
前記密着部材は、
前記大便処理部と前記小便処理部にそれぞれ分離された形態で備えられる請求項12に記載の排泄物処理装置。
【請求項14】
前記密着部材は、
使用者の臀部に接触される臀部接触領域;及び
前記臀部接触領域の両側から上部に延長され、使用者の大腿部の内側に接触される大腿部接触領域;
を含む請求項12に記載の排泄物処理装置。
【請求項15】
前記臀部接触領域は、人体と接触する接触面が、前記処理空間が形成された方向に上向きに傾いて形成された請求項14に記載の排泄物処理装置。
【請求項16】
前記大腿部接触領域は、
人体と接触する接触面が、前記処理空間が形成された方向に上向きに傾いて形成された請求項14に記載の排泄物処理装置。
【請求項17】
前記密着部材は、
前記大腿部接触領域から前記臀部領域に行くほど人体と接触する接触面の傾斜度が小さくなるように形成された請求項14に記載の排泄物処理装置。
【請求項18】
前記パッドが脱着できるように備えられ、
前記ボディー体は、前記安着部から延長されて人体の臀部に接触するように形成された前記延長部をさらに含み、
前記密着部材は、前記延長部の後方と前記パッドの厚さに対応される高さの分段差があるように形成された請求項12に記載の排泄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人体に合わせた排泄物処理
装置に係り、より詳しくは、排泄物処理のために使用者の性器部及び臀部の屈曲に対応される安着部を含む、人体に合わせた排泄物処理
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、患者、お年寄りなど、挙動が不自由、又は下体を思うまま動かしにくい人々は、自ら排泄物を処理できる能力がないので、常に保護者または介護人が周りに居つづけなければならないという不便さがあった。
【0003】
よって、このような不便さを解消するために、身体に直接接触して排泄物を取る排泄物処理器が研究及び開発されている。このような排泄物処理器は、使用者の排泄物を受け取り、これを吸入して処理器の外側に排出させるように設計され、使用者の周りに保護者または介護人がいなくても自動的に排泄物を処理できるようにする。
【0004】
ただし、今まで開発された従来の排泄物処理器は、排泄物の処理機能のみに集中することが多くて、使用者の身体を考慮せずに設計されていたため、非常に使用性が低いという問題があった。一般に、排泄物が排泄される臀部、または性器の周りは、屈曲が大きいので排泄物処理器に密着しにくい構造であり、これによって排泄物が人体と排泄物処理器の間から漏れることが多く発生している。
【0005】
また、患者またはお年寄りなど、排泄物処理器を使う使用者は、ベッドに横になった状態で生活する場合が多くて、自ら姿勢を変えられない状況も多く発生している。このような状態が長期間続く場合は、床ずれなどが発生するので、周期的に姿勢を変える必要がある。しかし、排泄物処理器を着用した状態では姿勢を変えることができないので、排泄物処理器をとり除かなければならない煩わしさがあった。
【0006】
したがって、このような問題点を解決するための方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために案出された発明であって、使用者が着用した状態で排泄物の漏れを防止し、着用感を向上させることができる排泄物処理装置を提供するものである。
【0008】
また、着用した状態でも動きに制限を受けない排泄物処理
装置を提供するものである。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明の人体に合わせた排泄物処理
装置は、人体の性器部及び臀部の屈曲に対応される形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放されて人体から排出される排泄物を受け取る処理空間が形成された安着部と、人体の脚の間に装着されるように前記安着部と繋がって、内部に収容空間が形成された本体部を含むボディー体、及び前記収容空間に備えられ、前記処理空間と連通されて前記処理空間の排泄物を外部に排出させる排出流路を含む。
【0011】
そして、前記処理空間は、人体の性器部に対応される小便処理部と、人体の臀部に対応される大便処理部を含むことができる。
【0012】
また、前記安着部から延長されて人体の臀部に接触されるように形成された延長部をさらに含むことができる。
【0013】
そして、前記延長部は、後方から前方へ行くほど高さが低くなるように形成されることができる。
【0014】
また、前記延長部は、中心から側方へ行くほど高さが低くなるように形成されることができる。
【0015】
そして、前記延長部は、人体の尾骨に対応される位置に陥没した溝が形成されることができる。
【0016】
また、前記ボディー体は、上部の幅が下部の幅より狭く形成されることができる。
【0017】
そして、前記本体部の後方には外部の連結管が前記収容空間の内側に引き込まれるようにする通過穴が形成されることができる。
【0018】
また、前記処理空間に露出されて洗浄水を噴射する噴射部を含むことができる。
【0019】
そして、前記収容空間に備えられ、外部から流入された洗浄水を前記噴射部に供給する流路切替部を含むことができる。
【0020】
また、前記収容空間に備えられ、前記処理空間に乾燥風を送る送風部を含むことができる。
【0021】
そして、前記処理空間に備えられ、排泄物の有無をセンシングする感知センサーを含むことができる。
【0022】
また、前記安着部の周りを包むよう、脱着できるように備えられるパッドを含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
前記課題を解決するための本発明の人体に合わせた排泄物処理
装置は、次のような効果を奏する。
【0024】
第一、安着部が使用者の性器部及び臀部の屈曲に対応するように形成されて使用者の身体に密着されるので、使用者が着用した状態で排泄物の漏洩を防止できる長所がある。
【0025】
第二、本体部も使用者の脚の間の幅に対応される大きさを持つので、使用者の姿勢を自然に維持できる長所がある。
【0026】
第三、これによって使用者の着用感が大きく向上する長所がある。
【0027】
第四、着用した状態でも使用者が動き制限を受けないし、姿勢を自由に変更できる長所がある。
【0028】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されないし、言及されていない他の効果は特許請求範囲の記載から当業者に明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例による排泄物処理
装置の全体姿を示す斜視図。
【
図2】本発明の一実施例による排泄物処理
装置を人体に着用した姿を示す側面図。
【
図3】本発明の一実施例による排泄物処理
装置の安着部にパッドを付着する姿を示す斜視図。
【
図4】本発明の一実施例による排泄物処理
装置を正面視した姿を示す正面図。
【
図5】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、本体部の内部構造を示す断面図。
【
図6】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材の姿を示す斜視図。
【
図7】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材の大腿部接触領域の断面を示す断面図。
【
図8】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材の臀部接触領域の断面を示す断面図。
【
図9】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、延長部の姿を示す斜視図。
【
図10】本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、延長部の姿を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の目的が具体的に実現され得る本発明の望ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本実施例を説明するにあたり、同じ構成に対しては同じ名称及び同じ符号が使われ、これによる付加的説明は省略する。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1の全体姿を示す斜視図である。
【0032】
図1に示すように、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1は、安着部100と本体部200を含むボディー体と、排出流路210を含む。
【0033】
安着部100は、人体の性器部及び臀部の屈曲に対応される形状を持ち、人体の性器部及び臀部方向に開放されて人体から排出される排泄物をもらう処理空間T1、T2が形成される。
【0034】
ここで人体の性器部とは、男女の性器の周りの領域を意味し、臀部は前記性器部と繋がって肛門の周りの領域を意味する。つまり、安着部100は人体の股座に安着するように形成され、その屈曲に対応されるように曲線状を持つ。
【0035】
そして、処理空間T1、T2は、小便及び大便を含む排泄物をもらうように、所定の体積を持つように形成されるし、本実施例の処理空間T1、T2は、人体の性器部に対応される小便処理部T2と、人体の臀部に対応される大便処理部T1を含む。
【0036】
すなわち、本実施例の場合、処理空間T1、T2が男性用モジュール300によって区切られて小便及び大便を別途処理するように構成される。ただし、女性が排泄物処理
装置1を使う場合、本実施例と違い、男性用モジュール300の代わりに女性用モジュールを装着して使用できることは勿論である。前記女性用モジュールの場合、小便処理部と大便処理部が区切られずに繋がるように形成されることができる。また、本実施例と違って男性用モジュール300と女性用モジュールは分離せずに一体に形成されることもできる。
【0037】
本体部200は、排泄物処理
装置1を着用するとき、人体の脚の間に装着するように前記安着部100と連結される。すなわち、使用者は安着部100を性器部及び臀部に密着させた状態で、本体部200の両側に脚を伸ばして安定的に排泄物処理
装置1を着用することができる。
【0038】
そして、図面に示してはいないが、本体部200の内部には収容空間が備えられ、前記収容空間には各種構成要素を備えることができる。これに対しては後述する。
【0039】
一方、以下での説明の便宜のために、処理空間T1、T2が開放された方向側を前方と定義し、反対方向を後方と定義する。また、小便処理部T2が備えられた方向を上部、反対方向を下部と定義する。
【0040】
排出流路210は前記収容空間に備えられ、処理空間T1、T2と連通されて処理空間T1、T2の排泄物を外部に排出させる構成要素である。特に、本実施例で本体部200の後方には外部の連結管が前記収容空間の内側に引き込まれるようにする通過穴202が形成される。
【0041】
前記連結管は、別途の吸入装置を利用して排泄物を吸い込むように繋がった排泄物流動管、洗浄水を供給する洗浄水流動管などを含むことができる。つまり、排出流路210は排泄物流動管と繋がって排泄物を外部へ排出させられるようになる。
【0042】
図2は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1を人体に着用した姿を示す側面図である。
【0043】
図2に示すように、使用者はベッドなどに横になった状態で安着部100を性器部及び臀部に密着させ、本体部200の両側に脚を伸ばして安定的に排泄物処理
装置1を着用することができる。このように本発明の一実施例による排泄物処理
装置1は、人体の形状に対応するように形成されるので、使用者が排泄物処理
装置1に合わせて姿勢をむりやりに変更する必要がなく、自然な姿勢を維持することができる。
【0044】
さらに、使用者が姿勢を側方など多様に変更する場合も離脱されず、使用者の身体にそって移動し、使用者が動く場合も脚の間に位置された状態で動きに支障を与えない。
【0045】
図3は、本発明の一実施例による人体に合わせた排泄物処理
装置1の安着部100にパッド20を付着する姿を示す斜視図である。
【0046】
図3に示すように、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1は、安着部100の周りを包むよう、脱着できるように備えられるパッド20を含むことができる。パッド20は、布などの材質で形成されて使用者の着用感を向上させることができるし、また、排泄物処理
装置1を使用者の身体に安定的に固定させることができる。
【0047】
本実施例の場合、パッド20は包み部22と羽部24を含む。包み部22は、安着部100の下部側に付着されて使用者の臀部を包むように形成され、羽部24は安着部100の周りを包むように付着する。一方、パッド20を安着部100に付着するために、安着部100とパッド20にはベルクロ(Velcro:登録商標)が備えられることがある。すなわち、安着部のベルクロ102とパッド側のベルクロ26が互いに対応するように形成され、パッド20を容易に付着することができる。そして、本実施例の場合、各羽部24には固定ベルクロ28がそれぞれ備えられ、各羽部24を相互固定させることができる。
【0048】
図4は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1を正面視した姿を示す正面図である。
【0049】
図4には安着部100の処理空間T1、T2がより詳しく示される。前述のように、本実施例における処理空間T1、T2は、小便処理部T2と大便処理部T1を含み、処理空間T1、T2には排泄物を処理するための多様な構成要素が備えられることができる。
【0050】
噴射部は、処理空間T1、T2に露出されて洗浄水を噴射する構成要素であって、一つ以上の噴射ノズルを含むことができる。本実施例の場合、前記噴射部は、大便処理部T1側に洗浄水を噴射する回転ノズル240と、補助ノズル334と、図面に示していないが小便処理部T2側に洗浄水を噴射する上部ノズルを含む。
【0051】
すなわち、回転ノズル240は角度を調節できるように形成されて人体の臀部の周りを洗浄し、補助ノズル334は大便処理部T1の表面を洗浄できるように洗浄水を散布する。また、上部ノズルは、性器部及び小便処理部T2の表面を洗浄できるように洗浄水を噴射する。
【0052】
そして、本実施例において、処理空間T1、T2には乾燥風が流動されて噴射される乾燥風噴射口232がさらに形成され、これによって洗浄後の水分を速かに乾燥させることができる。
【0053】
一方、図面に示すように、安着部100と本体部を含むボディーは、前方から見た時上部の幅d1が下部の幅d2より狭く形成される。つまり、人体の大腿部の屈曲に対応される形状を持ち、これによって使用者の両脚は排泄物処理
装置1のボディー体の両側に安定的に密着される。また、ボディー体は使用者の股の間の幅と対応される幅を持つように形成され、使用者がむりやり股を開くことなく自然な姿勢を取ることができる。
【0054】
そして、本実施例において、安着部100の周りには使用者の身体に密着する密着部材110が備えられる。密着部材110は、安着部100の周りのラインに沿って帯状で備えられ、着用感を向上させることができる。
【0055】
図5は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置1において、本体部200の内部構造を示す断面図である。
【0056】
図5に示すように、本体部200の内部には収容空間が形成され、前記収容空間には多様な構成要素が備えられることができる。本実施例の場合、前記収容空間には前述した排出流路210を始め、流路切替部220と送風部230が備えられる。
【0057】
排出流路210は、通過穴202を通じて流入された排泄物流動管H1と繋がって排泄物を外部へ排出させることができる。特に、本実施例の場合、男性用モジュール300側で受け取った小便は、補助排出流路228を通じて排出流路210に流入されるように形成される。
【0058】
そして、流路切替部220は、通過穴202を通じて流入された洗浄水流動管H2と繋がって外部から洗浄水を伝達してもらう構成要素であり、ソレノイドバルブなどを通じて洗浄水を複数の噴射ノズル側に分枝させて供給することができる。具体的に、本実施例の場合、流路切替部220に貯蔵された洗浄水は第1供給流路224を通じて回転ノズル側に、第2供給流路226を通じて補助ノズル及び上部ノズル側に流動されることができる。
【0059】
送風部230は前記処理空間に乾燥風を送る構成要素であり、送風ファンなどで乾燥風を発生させ、前述の乾燥風噴射口を通じて処理空間側に乾燥風を送風させることができる。また、乾燥風の昇温のためにヒーターがさらに備えられることもできる。
【0060】
そして、本実施例において、本体部200の後面には外部の空気を流動させて収容空間の内部を換気することができる空気流入口204が形成される。
【0061】
図6は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材110の姿を示す斜視図である。
【0062】
図6に示すように、本実施例の場合、密着部材110をさらに含む。密着部材110は使用者の人体に接触するように前記安着部の周りに沿って備えられるし、各接触領域は、対応される人体部位の屈曲傾斜度に対応する傾斜度を有する。つまり、密着部材110は、使用者の身体屈曲と類似の傾斜度を持つように形成されるので、着用時の異物感、または痛みが生じないようにする役割をする。
【0063】
一方、本実施例における処理空間は、前記大便処理部と前記小便処理部を含むので、密着部材110も前記大便処理部と前記小便処理部それぞれに複数個に分離された形態で備えられることができる。
【0064】
図6の場合、大便処理部に備えられる密着部材110を示すもので、小便処理部に備えられる密着部材は小便処理部の形状によって異に形成されることができる。
【0065】
そして、密着部材110は、使用者の臀部に接触される臀部接触領域114と、臀部接触領域114の両側で上部に延長されるし、使用者の大腿部112の内側に接触される大腿部接触領域を含む。すなわち、人体の臀部と大腿部の内側は相異なる傾斜度を持つので、各領域は該当部位に対応される傾斜度を持つように形成される。
【0066】
図7は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材の大腿部接触領域の断面を示す断面図である。
【0067】
図7は、
図6のA-A切断面を示すもので、大腿部接触領域112の傾斜度を確認することができる。図面に示すように、大腿部接触領域112は、人体と接触される接触面が、前記処理空間が形成された方向へと上向きに傾くように形成されることができる。したがって、大腿部接触領域112の断面は、左右方向に延長された水平線から第1角度θ1の分傾いた形態を持つようになる。
【0068】
すなわち、これによって、大腿部接触領域112は使用者の大腿部の屈曲に対応される形状で形成される。
【0069】
図8は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、密着部材の臀部接触領域114の断面を示す断面図である。
【0070】
図8は、
図6のB-B切断面を示すもので、臀部接触領域114の傾斜度を確認することができる。図面に示すように、臀部接触領域114は、人体と接触される接触面が、前記処理空間が形成された方向へ上向きに傾くように形成されることができる。したがって、臀部接触領域114の断面は、前後方向に延長された水平線から第2角度θ2の分傾いた形態を持つようになる。
【0071】
つまり、これによって、臀部接触領域114は、使用者の大腿部の屈曲に対応される形状で形成される。
【0072】
一方、密着部材110は、大腿部接触領域112から臀部領域114に行くほど人体と接触する接触面の傾斜度が小さくなるように形成されることができる。すなわち、密着部材110は人体の大腿部から臀部に至るまでの曲線に対応するように形成され、これによって使用者に心地よい着用感を提供することができる。
【0073】
図9は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、延長部120の姿を示す斜視図である。
【0074】
図9に示すように、本発明の一実施例による排泄物処理
装置は、安着部100から延長され、人体の臀部に接触されるように形成された延長部120をさらに含む。
【0075】
延長部120は人体の臀部方向に長く延長され、これによって臀部を支持するように形成される。したがって、使用者の着用感をより向上させ、排泄物処理
装置を人体にさらに安定的に固定させることができる。
【0076】
また、延長部120が形成されることにより、安着部100と延長部120は全体的に人体の性器部から臀部の恥骨に至るまで、全体的に屈曲にそって包む形態で形成され、内部の排泄物が外部に漏れないように人体に隙間なく密着できるようになる。
【0077】
そして、本実施例において、延長部120には人体の尾骨に対応する位置に陥没溝122が形成される。陥没溝122は、使用者が臀部を延長部120上に安着させた場合に突出された尾骨が延長部の面に押されることを防ぐために陥没された形態で形成され、これによって使用者は尾骨を陥没溝122に挿入して心地よい着用感を感じることができる。
【0078】
一方、図面に示すように、処理空間には大便感知センサー104及び小便感知センサー105を含む感知センサーが備えられて排泄物の有無をセンシングすることができ、排泄物があると判断された場合、各構成要素を制御する。本実施例において、大便感知センサー104は大便処理空間の両側に位置され、小便感知センサー105は大便処理空間の底及び排出流路210に備えられる。
【0079】
図10は、本発明の一実施例による排泄物処理
装置において、延長部120の姿を示す側面図である。
【0080】
図10に示すように、安着部100と延長部120は、側面視した時全体的に人体の屈曲に対応するように自然な曲線形態で形成されることを確認することができる。
【0081】
このとき、延長部120は、後方から前方に行くほど高さが低くなるように形成される。すなわち、延長部120の後方の高さd3は前方の高さd4より高く形成され、後方から前方に行くほどだんだん高さが低くなるように傾いて形成される。また、延長部120は中心から側方へ行くほど高さが低くなるように形成される。
【0082】
これにより、使用者が臀部を延長部120上に安着させた場合、異物感を感じなくなり、臀部の分れた部分に密着して心地よい着用感を感じられるようになる。
【0083】
一方、本実施例における密着部材110は、延長部120の後方から所定の高さd5で段差があるように形成される。これは前述のパッドを安着部100の周りに付着させた場合、密着部材110とパッドとで段差がないようにするためであり、よって前記段差の高さd5はパッドの厚さに対応され得る。
【0084】
以上で説明したように、本発明の排泄物処理
装置は、安着部が使用者の性器部及び臀部の屈曲に対応するように形成され、本体部やはり使用者の股の間の幅に対応される大きさを持つので、使用者の姿勢を自然に維持し、着用感を向上させ、排泄物の漏れを防ぐことができる。
【0085】
以上のように、本発明による望ましい実施例を察してみたが、前述した実施例の他にも本発明がその趣旨や範疇から脱することなく、別の特定形態で具体化できるという事実は、当該技術における通常の知識を有する者には自明なことである。したがって、前述した実施例は制限的なものではなく例示的なものとされるべきであり、これによって、本発明は前述した説明に限定されず、添付の請求項の範疇及びそれと同等な範囲内で変更されてもよい。