(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ApoCIII特異的な阻害剤を含む医薬組成物であって、i)動物におけるLPLDまたはFCSを治療する、予防する、遅滞させる又は改善するための、またはii)LPLDまたはFCSを伴う動物における膵炎またはその症状を予防する、遅延させる、又は改善するためのものであり、ここでApoCIII特異的な阻害剤はApoCIIIに相補性のアンチセンス化合物を含み、そしてここで当該アンチセンス化合物は干渉RNA化合物である、前記医薬組成物。
ssRNA化合物が、定義されたパターン又は糖修飾モチーフにおけるオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置される1以上の種類の修飾された糖部分及び/又は天然に存在する糖部分を含む、請求項2又は3記載の医薬組成物。
ssRNA化合物が、定義されたパターン又は修飾されたヌクレオシド間結合モチーフにおけるオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置される修飾されたヌクレオシド間結合を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
siRNA化合物が、完全に又は少なくとも部分的にハイブリッド形成して二本鎖領域を形成する第1と第2のオリゴマー化合物を含み、さらにApoCIII配列に対して相補性であり、それとハイブリッド形成する領域を含む、請求項2、8又は9記載の医薬組成物。
二本鎖オリゴヌクレオチドが、(a)二本鎖、非対称性二本鎖、ヘアピン又は非対称性ヘアピンの二次構造を伴うポリヌクレオチドであるか、及び/又は(b)2以上のループ構造と、自己相補性のセンス領域及びアンチセンス領域を含むステムとを有する環状の一本鎖ポリヌクレオチドである、請求項13記載の医薬組成物。
二本鎖オリゴヌクレオチドが、別々のセンス及びアンチセンスの配列又は領域を含み、その際、センス領域とアンチセンス領域は、ヌクレオチド系リンカー分子又は非ヌクレオチド系リンカー分子によって共有結合されていてもよい、請求項13又は14記載の医薬組成物。
(a)双方の鎖は全体としてリボヌクレオチドから成り、(b)一方の鎖は全体としてリボヌクレオチドから成り、一方の鎖は全体としてデオキシリボヌクレオチドから成り、又は(c)一方又は双方の鎖はリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドの混合物を含む、請求項8〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
二本鎖オリゴヌクレオチドが、(a)一本鎖末端のような一本鎖領域を含有しない、(b)ヘアピンである、又は(c)1以上の一本鎖領域又はオーバーハングを有する、請求項13〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(a)相補性の領域は互いに及びApoCIII配列に対して少なくとも70、80、90、95、98又は100%相補性である、又は(b)二本鎖構成で存在するdsRNAの領域は少なくとも19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、50、75、100、200、500、1000、2000又は5000のヌクレオチドを含む、又はApoCIIIのcDNA中のヌクレオチドすべてを含む、請求項10〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
一本鎖干渉RNA化合物又は二本鎖干渉RNA化合物の核酸塩基配列が、配列番号1、配列番号2又は配列番号4の核酸塩基配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%又は100%相補性である、請求項19〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は双方とも例示及び説明のみであり、請求されるような本発明の制約ではないことが理解されるべきである。本明細書では、単数の使用は、特に言及されない限り、複数を含む。本明細書で使用されるとき、「又は」の使用は言及されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「including」と同様に「includes」及び「included」のような他の形態の使用は限定ではない。また、「要素」又は「成分」のような用語は、特に言及されない限り、1つのユニットを含む要素及び成分と、1を超えるサブユニットを含む要素及び成分との双方を包含する。
【0021】
本明細書で使用される節の見出しは構成目的のみのためであり、記載される主題の限定と解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍及び条約を含むが、これらに限定されない本出願で引用される文書又は文書の一部はすべてその全体と同様に本明細書で議論される文書の一部が参照によって明白に本明細書に組み入れられる。
【0022】
定義
特定の定義が提供されない限り、本明細書で記載される分析化学、合成有機化学及び医化学及び薬化学と関連して、及びそれらの手順及び技法と関連して利用される命名法は、当該技術で周知のものであり、一般に使用される。化学合成及び化学分析には常法が使用され得る。認められる場合、特許、公開された出願及び他の刊行物、GENBANK受入番号及びたとえば、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のようなデータベース及び本明細書の開示全体にわたって参照される他のデータを介して入手可能な関連する配列情報はすべて、その全体と同様に本明細書で議論される文書の一部が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0023】
特に指示されない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0024】
「2’−O−メトキシエチル」(また、2’−MOE、2’−O(CH
2)
2−OCH
3及び2’−O−(2−メトキシエチル))は、フロシル環の2’の位置のO−メトキシ−エチル修飾を指す。2’−O−メトキシエチル修飾された糖は修飾された糖である。
【0025】
「2’−O−メトキシエチルヌクレオチド」は2’−O−メトキシエチル修飾された糖部分を含むヌクレオチドを意味する。
【0026】
「3’標的部位」は、特定のアンチセンス化合物の最も3’のヌクレオチドに対して相補性である標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0027】
「5’標的部位」は、特定のアンチセンス化合物の最も5’のヌクレオチドに対して相補性である標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0028】
「5−メチルシトシン」は5’位に連結されたメチル基で修飾されたシトシンを意味する。「5−メチルシトシン」は修飾されたヌクレオチド塩基である。
【0029】
「約」は、値の±10%範囲内を意味する。たとえば、それが言及されるのであれば、マーカーは約50%上昇してもよく、マーカーが45%〜55%の間で上昇してもよいことが暗示される。
【0030】
「活性のある医薬剤」は、個体に投与した際、治療利益を提供する医薬組成物における物質(単数)又は物質(複数)を意味する。たとえば、特定の実施形態では、ApoCIIIに向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドは活性のある医薬剤である。
【0031】
「活性のある標的領域」又は「標的領域」は1以上の活性のあるアンチセンス化合物が向けられる領域を意味する。「活性のあるアンチセンス化合物」は標的の核酸のレベル又はタンパク質のレベルを低下させるアンチセンス化合物を意味する。
【0032】
「同時に投与される」は、双方の薬理学効果が患者において同じ時間で明らかである任意の方法での2つの剤の同時投与を指す。同時の投与は双方の剤が単一の医薬組成物で、同一の剤形で、又は投与の同一経路によって投与されることを必要としない。双方の剤の効果はそれ自体同じ時間に現れる必要はない。効果が、ある時間重複することのみを必要とし、共存する必要はない。
【0033】
「投与すること」は個体に医薬剤を提供することを意味し、それには医療専門家による投与及び自己投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「剤」は、動物に投与した際、治療利益を提供することができる活性のある物質を意味する。「第1の剤」は本発明の治療用化合物を意味する。たとえば、第1の剤はApoCIIIを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであることができる。「第2の剤」は本発明の第2の治療用化合物(たとえば、ApoCIIIを標的とする第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)及び/又は非ApoCIII治療用化合物を意味する。
【0035】
「改善」は関連する疾患、障害又は状態の少なくとも1つの指標、兆候又は症状を減らすことを指す。指標の重症度は、当業者に既知である主観的な又は客観的な評価によって
決定され得る。
【0036】
「動物」は、ヒト、又はマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、及びサルやチンパンジーを含むが、これらに限定されない非ヒト霊長類を含むが、これらに限定されない非ヒト動物を指す。
【0037】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物のその標的核酸とのハイブリッド形成に起因する検出可能な又は測定可能な活性を意味する。特定の実施形態では、アンチセンス活性は標的核酸又はそのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量又は発現の低下である。
【0038】
「アンチセンス化合物」は、水素結合を介して標的核酸とのハイブリッド形成を受けることが可能であるオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例には、たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、ssRNAi及び占有に基づく化合物のような一本鎖及び二本鎖の化合物が挙げられる。
【0039】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸のレベル又は標的タンパク質のレベルに比べて、標的核酸に対して相補性のアンチセンス化合物の存在下で標的核酸のレベル又は標的タンパク質のレベルが低下することを意味する。
【0040】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の相当する領域又は断片とのハイブリッド形成を可能にする核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は本明細書で記載される化合物の薬学上許容可能な誘導体を包含する。
【0041】
「ApoA5」「アポリポタンパク質A−V」又は「ApoA−V」はApoA5をコードする核酸又はタンパク質の配列を意味する。
【0042】
「ApoCII」、「アポリポタンパク質C−II」又は「ApoC2」はApoCIIをコードする核酸又はタンパク質の配列を意味する。ApoCIIはカイロミクロン及びVLDL粒子の成分であり、LPLを活性化してTGを加水分解する。
【0043】
「ApoCIII」、「アポリポタンパク質C−III」又は「ApoC3」はApoCIIIをコードする核酸又はタンパク質の配列を意味する。たとえば、特定の実施形態では、ApoCIIIには、ApoCIIIをコードするDNA配列、ApoCIIIをコードするDNA配列(イントロンとエクソンを含むゲノムDNAを含む)から転写されるRNA配列、ApoCIIIをコードするmRNA配列、又はApoCIIIをコードするペプチド配列が含まれる。
【0044】
「ApoCIII特異的な阻害剤」は、分子レベルでApoCIIIのmRNAの発現及び/又はApoCIIIタンパク質の発現若しくは活性を特異的に阻害することが可能である剤を指す。たとえば、ApoCIII特異的な阻害剤には、ApoCIIIのmRNA及び/又はApoCIIIタンパク質の発現を阻害することが可能である核酸(アンチセンス化合物を含む)、ペプチド、抗体、小分子、及び他の剤が挙げられる。特定の実施形態では、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はApoCIIIを標的とするオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、ApoCIIIを標的とするオリゴヌクレオチドはApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、ApoCIIIを標的とするオリゴヌクレオチドは配列番号3で示される配列、又は、たとえば、すべて参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第7,598,227号、同第7,750,141号、PCT公開WO2004/093783又はWO2012/149495にて開示されたもののような別の配列を有する。特定の実施形態では、ApoCIIImRNAのレベル及び/又はApoCIIIタンパク質の発現を特異的に調節することによってApoCIII特異的な阻害剤は脂肪合成経路の成分に影響を及ぼし得る。同様に、特定の実施形態では、ApoCIII特異的な阻害剤は動物における他の分子過程に影響を及ぼし得る。
【0045】
「ApoCIIImRNA」はApoCIIIタンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0046】
「ApoCIIIタンパク質」はApoCIIIをコードするタンパク質配列を意味する。
【0047】
「アテローム性硬化症」は、大型及び中型の動脈を冒す動脈の硬化を意味し、脂肪性沈着物の存在を特徴とする。脂肪性沈着物は「アテローム」又は「プラーク」と呼ばれ、主としてコレステロール及び他の脂肪、カルシウム及び瘢痕組織、及び動脈内膜の損傷から成る。
【0048】
「二環式の糖」は2つの非ジェミナル環原子の架橋によって修飾されたフロシル環を意味する。二環式の糖は修飾された糖である。
【0049】
「二環式の核酸」又は「BNA」は、ヌクレオシド又はヌクレオチドのフラノース部分がフラノース環上で2つの炭素原子を接続する架橋を含み、それによって二環式の環系を形成するヌクレオシド又はヌクレオチドを指す。
【0050】
「キャップ構造」又は「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端で取り込まれている化学修飾を意味する。
【0051】
「循環器疾患」又は「循環器障害」は心臓、血管又は循環に関連する状態の群を指す。循環器疾患の例には、動脈瘤、狭心症、不整脈、アテローム性硬化症、脳血管疾患(卒中)、冠動脈心疾患、高血圧症、脂肪異常症、高脂質血症、高トリグリセリド血症及び高コレステロール血症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「化学的に区別できる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域とは何らかの方法で化学的に異なるアンチセンス化合物の領域を指す。たとえば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は2’−O−メトキシエチル修飾のないヌクレオチドを有する領域から化学的に区別できる。
【0053】
「キメラアンチセンス化合物」は少なくとも2つの化学的に区別できる領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0054】
「コレステロール」は動物組織すべての細胞膜に見いだされるステロール分子である。コレステロールは、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタンパク質(HDL)を含むリポタンパク質によって動物の血漿にて輸送されなければならない。「血漿コレステロール」は、血漿又は血清に存在するエステル化されたリポタンパク質(VDL、IDL、LDL、HDL)すべて及び/又はエステル化されないコレステロールの合計を指す。
【0055】
「コレステロール吸収阻害剤」は食事から得られる外来性コレステロールの吸収を阻害する剤を意味する。
【0056】
「同時投与」は2以上の剤の個体への投与を意味する。2以上の剤は単一の医薬組成物の中にあることができ、又は別々の医薬組成物の中にあることができる。2以上の剤のそれぞれは同一の又は異なる投与経路を介して投与することができる。同時投与は並行投与又は順次投与を包含する。
【0057】
「相補性」は第1の核酸と第2の核酸の核酸塩基間で対合する能力を意味する。特定の実施形態では、第1の核酸と第2の核酸の間での相補性は2つのDNA鎖間、2つのRNA鎖間、又はDNA鎖とRNA鎖の間であり得る。特定の実施形態では、一方の鎖の核酸塩基の一部が他方の鎖の相補性の水素結合塩基と一致する。特定の実施形態では、一方の鎖の核酸塩基すべてが他方の鎖の相補性の水素結合塩基と一致する。特定の実施形態では、第1の核酸がアンチセンス化合物であり、第2の核酸が標的核酸である。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドが第1の核酸であり、標的核酸が第2の核酸である。
【0058】
「隣接する核酸塩基」は互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0059】
「拘束されたエチル」又は「cEt」は4’と2’の炭素原子間のメチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH
3)−O−2’)架橋を含むフラノシル糖を有する二環式のヌクレオシドを指す。
【0060】
「交差反応性」は、一方の核酸配列を標的とするオリゴマー化合物が異なる核酸配列とハイブリッド形成することができることを意味する。たとえば、場合によっては、ヒトApoCIIIを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドはマウスApoCIIIと交差反応することができる。オリゴマー化合物がその指定された標的以外の核酸配列と交差反応するかどうかは、標的ではない核酸配列との化合物が有する相補性の程度に左右される。オリゴマー化合物と標的ではない核酸との間の相補性が高ければ高いほど、オリゴマー化合物が核酸と交差反応する可能性が高い。
【0061】
「治癒」は健康を回復する方法又は病気に対する処方された治療を意味する。
【0062】
「冠動脈心疾患(CHD)」は心臓に血液及び酸素を供給する小さな血管の狭窄を意味し、それはアテローム性硬化症の結果であることが多い。
【0063】
「デオキシリボヌクレオチド」はヌクレオチドの糖部分の2’位にて水素を有するヌクレオチドを意味する。デオキシリボヌクレオチドは種々の置換基のいずれかによって修飾され得る。
【0064】
「糖尿病」又は「糖尿病」は、不十分なレベルのインスリン又は低下したインスリン感受性から生じる代謝障害及び異常に高い血糖(高血糖症)を特徴とする症候群である。特徴的な症状は、高い血糖レベルによる過剰な尿生成(多尿症)、増加した尿生成を代償しようとする過剰なのどの渇き及び増加した流体摂取(多渇症)、眼の光学に対する高血糖の影響による視覚低下、説明のつかない体重低下及び倦怠感である。
【0065】
「糖尿病性の脂質異常症」又は「脂質異常症を伴う2型糖尿病」は、2型糖尿病、HDL−Cの低下、トリグリセリドの上昇、及び小型の高密度LDL粒子の増加を特徴とする状態を意味する。
【0066】
「希釈剤」は、薬理学的な活性を欠くが、薬学上必要である又は望ましい組成物における成分を意味する。たとえば、注入される組成物における希釈剤は液体、たとえば、生理食塩水溶液であ。
【0067】
「脂肪異常症」は脂質及び/又はリポタンパク質の過剰産生又は欠乏を含む脂質及び/又はリポタンパク質の代謝の障害を指す。脂肪異常症は、カイロミクロン、コレステロール及びトリグリセリドのような脂質と同様に低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのようなリポタンパク質の上昇によって示され得る。脂肪異常症の例は乳糜血症又は高トリグリセリド血症である。
【0068】
「投与単位」は、医薬剤が提供される形態、たとえば、丸薬、錠剤又は当該技術で既知の他の投与単位を意味する。特定の実施形態では、投与単位は凍結乾燥させたアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有するバイアルである。特定の実施形態では、投与単位は再構成させたアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有するバイアルである。
【0069】
「用量」は単回の投与にて又は特定された時間にて提供される医薬剤の特定された量を意味する。特定の実施形態では、用量は1回、2回以上のボーラス、錠剤又は注射にて投与することができる。たとえば、皮下投与が望ましい特定の実施形態では、所望の用量は単回注射によって容易に受け入れられない容量を必要とするので、2回以上の注射を用いて所望の用量を達成することができる。特定の実施形態では、特定の実施形態では、医薬剤は長期にわたって又は連続的に投与される。用量は時間、日、週又は月当たりの医薬剤の量として示され得る。用量はまたmg/kg又はg/kgとしても示され得る。
【0070】
「有効量」又は「治療上有効な量」は、活性のある医薬剤を必要とする個体にて所望の生理的な成果を達成するのに十分な剤の量を意味する。有効量は、治療される個体の健康状態及び身体状態、治療される個体の分類上の群、組成物の製剤、個体の病状の評価、及び他の関連する因子に応じて個体間で変化することができる。
【0071】
「フィブラート」は脂質及びリポタンパク質の代謝にて種々の工程を調節する転写因子を介して作用するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体−α(PPAR−α)のアゴニストである。PPAR−αと相互作用することによって、フィブラートは様々な補因子を動員し、遺伝子発現を調節する。その結果、フィブラートは食後TG及びTRLレムナント粒子と同様に空腹時TGのレベルを下げるのに有効である。フィブラートはまた適度のLDL−C低下効果及びHDL−C上昇効果も有する。ApoC−IIIの発現及びレベルの低下はPPAR−αアゴニストの一貫した効果である(Hertz ら. J Biol. Chem., 1995, 270(22):13470-13475)。メタボリックシンドロームにおけるフェノフィブラート治療で血漿ApoC−IIIレベルの36%の低下が報告された(Watts ら. Diabetes, 2003, 52:803-811)。しかしながら、フィブラートは高トリグリセリド血症を伴うLPLDの対象を治療するには無効であった。
【0072】
「フレドリクソン」方式は脂肪異常症の主要な(遺伝的な)原因を幾つかの亜群又は型に分類するのに使用される。本明細書で開示される化合物による治療法に適し得る脂肪異常症の型には、フレドリクソンI型、FCS、LPLDが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
「フレドリクソンI型」は、「リポタンパク質リパーゼ欠乏症」、「LPLD」、「家族性乳糜血症症候群」又は「FCS」としても知られ、幾つかの型で存在し:1a型(Buerger−Gruestz症候群としても知られる)は、一般的にLPL又は変化したApoC−IIの欠乏によるリポタンパク質リパーゼ欠乏症であり;Ib型(家族性アポタンパク質CII欠乏症としても知られる)は、リポタンパク質リパーゼ活性化因子アポタンパク質CIIの欠如が原因で生じる状態であり;Ic型は、リポタンパク質リパーゼの循環する阻害剤による乳糜血症である。I型は普通小児で症状が見つかる稀な障害である。それは、異常な疼痛、再発性の急性膵炎、発疹性皮膚黄色腫、及び肝脾腫大症の症状の出現を伴ってカイロミクロンの重度の上昇及びTGレベルの極端な上昇(常に1000mg/dLを優に上回り、10,000mg/dL以上に高く上昇することも稀ではない)を特徴とする。患者は、おそらく血漿のリポタンパク質粒子が動脈内膜に入るには大きすぎるためにアテローム性硬化症を稀に発症する(Nordestgaard ら., J Lipid Res, 1988, 29:1491-1500; Nordestgaard ら., Arteriosclerosis, 1988, 8:421-428)。I型は普通、LPL遺伝子又はその遺伝子の補因子ApoC−IIの変異が原因で生じ、冒された個体が十分な機能的に活性のあるLPLを作ることができなくなる。患者はそのような変異のホモ接合体又は複合ヘテロ接合体である。フレドリクソンI型は、GPIHBP1、APOA5、LMF1、又は機能不全のLPLをもたらす他の遺伝子における変異にもよることができる。Brunzell中: Pagon RA, Adam MP, Bird TD, Dolan CR, Fong CT, Stephens K, editors. GeneReviews
TM [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993−2013.1999 Oct 12 [2011 Dec 15更新].さらに、フレドリクソンI型は場合によっては、機能不全のLPLを引き起こす個体におけるLPL阻害剤(たとえば、抗LPL抗体)の存在にもよることができる。フレドリクソンI型の有病率は一般的な集団では1,000,000人に約1人であり、南アフリカ及び東ケベックでは始祖効果としてはるかに高い。患者は、TG低下薬に最少限しか又は全く応答しない(Tremblay ら., J Clin Lipidol, 2011, 5:37-44; Brisson ら., Pharmacogenet Genom, 2010, 20:742-747)ので、食物脂肪を20グラム/日以下に制限してこ
の稀な障害の症状を管理する。
【0074】
「フレドリクソンII型」は原発性高脂血症の最も一般的な形態である。主としてLDLコレステロール(LDL−C)に加えてVLDLの上昇があるかどうかに応じてそれはさらにIIa型とIIb型に分類される。IIa型(家族性高コレステロール血症)は散発性(食事因子のために)、多元性、又は第19染色体上のLDL受容体遺伝子(集団の0.2%)又はアポリポタンパク質B(apoB)遺伝子(0.2%)における変異の結果として真の家族性であり得る。家族性の形態は腱黄色腫、黄色板腫、及び早発性循環器疾患を特徴とする。この疾患の発生率はヘテロ接合体については500人に約1人及びホモ接合体については1,000,000人に1人である。IIb型(家族性の複合高リポタンパク質血症としても知られる)は、LDL−C及びVLDLの上昇が原因で生じる混合型の高脂血症(高いコレステロール及びTGレベル)である。高いVLDLレベルはTG、アセチルCoAを含む基質の過剰発現、及びB−100合成の上昇による。それらはLDLのクリアランスの低下が原因でも生じ得る。集団における有病率は約10%である。
【0075】
「フレドリクソンIII型」(異常βリポタンパク質血症としても知られる)は、レムナント除去病又はブロードβ病である(Fern ら., J Clin Pathol, 2008, 61:1174-118)。それはコレステロールが豊富なVLDL(β−VLDL)による。通常、この状態の患者はカイロミクロン及びVLDLレムナント(たとえば、IDL)のクリアランスが損傷されるために高い血漿コレステロール及びTGのレベルを有する。クリアランスの損傷はアポリポタンパク質E(apoE)の欠陥による。正常では、レムナントに含有される機能性のapoEはLDL受容体への結合及び循環からの除去を可能にする。冒された個体におけるレムナントの蓄積は黄色腫症及び早発性の冠動脈及び/又は末梢血管の疾患を生じ得る。III型の最も共通する原因はapoEのE2/E2遺伝子型の存在である。その有病率は10,000人に約1人であると推定されている。
【0076】
「フレドリクソンIV型」(家族性高トリグリセリド血症としても知られる)は、集団にて約1%存在する常染色体優性状態である。VLDLの過剰な肝産生又はヘテロ接合性のLPLの欠乏の結果としてTGレベルが上昇するが、ほとんどの場合、1000mg/dL未満である。血清コレステロールのレベルは普通正常限界の範囲内である。障害はヘテロ接合性であり、環境因子、特に炭水化物及びエタノールの摂取に強く影響される表現型である。
【0077】
「フレドリクソンV型」は高いVLDL及びカイロミクロンを有する。それは、少なくとも20%(すなわち、フレドリクソンI型に比べて部分的なLPL欠乏)のLPL活性に関連する機能欠損のLPL遺伝子変異体のキャリアを特徴とする。これらの患者は、カイロミクロン及びVLDLのために乳化血漿及び重度の高トリグリセリド血症を呈する。TGレベルは常に1000mg/dLを上回り、総コレステロールレベルはいつも高い。LDL−Cのレベルは普通低い。それはまた急性膵炎、耐糖能異常及び高尿酸血症の高いリスクにも関連する。症状は一般に成人(>35歳)で見られ、有病率は相対的に稀であるけれども、ホモ接合体又は複合ヘテロ接合体のLPL欠乏症患者よりもはるかに多い。
【0078】
「完全に相補性」又は「100%相補性」は第1の核酸の核酸塩基配列の各塩基が第2の核酸の第2の核酸塩基配列にて相補性の核酸塩基を有することを意味する。特定の実施形態では、第1の核酸はアンチセンス化合物であり、第2の核酸は標的核酸である。
【0079】
「ギャップマー」は、RNA分解酵素のH切断を支える複数のヌクレオシドを有する内部領域が1以上のヌクレオシドを有する外部領域間に位置するキメラのアンチセンス化合物を意味し、内部領域を含むヌクレオシドは外部領域を含むヌクレオシド(単数)又はヌクレオシド(複数)から化学的に区別される。内部領域は「ギャップ」又は「ギャップ断片」と呼ばれてもよく、外部領域は「ウイング」又は「ウイング断片」と呼ばれてもよい。
【0080】
「ギャップを広げた」は、1〜6のヌクレオシドを有する5’断片と3’断片の間で5’断片と3’断片に直接隣接して位置する12以上の隣接する2’−デオキシリボヌクレオシドのギャップ断片を有するキメラのアンチセンス化合物を意味する。
【0081】
「遺伝的スクリーニング」は、動物にて遺伝子型の変動又は変異をスクリーニングすることを意味する。場合によっては、変異は動物にて表現型の変化をもたらすことができる。特定の場合、表現型の変化は動物における疾患、障害又は状態であり、又はそれをもたらす。たとえば、LPL又はApoC−IIの遺伝子における変異はフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDをもたらすことができる。遺伝的スクリーニングは、公知の技法のいずれか、たとえば、変異を検出するためのLPL又はApoC−IIの遺伝子又はmRNAの配列決定によって実施することができる。スクリーニングされた動物の配列を正常な動物の配列と比較して配列に変異があるのかどうかを判定する。或いは、たとえば、LPL又はApoC−IIの遺伝子又はmRNAにおける変異の特定はPCR増幅及びゲル又はチップの解析によって行うことができる。
【0082】
「グルコース」はエネルギー源及び炎症の中間体として細胞によって使用される単糖類である。「血漿グルコース」は血漿に存在するグルコースを指す。
【0083】
「高密度リポタンパク質」又は「HDL」は脂質(コレステロール、トリグリセリド及びリン脂質)とタンパク質(アポリポタンパク質(アポ)及び酵素)の高分子複合体を指す。HDLの表面は主としてアポリポタンパク質A、C及びEを含有する。これらのアポリポタンパク質の一部の機能は、HDLを末梢組織から肝臓に向かわせることである。血清HDLのレベルは根底にある遺伝的な原因によって影響を受け得る(Weissglas-Volkov and Pajukanta, J Lipid Res, 2010, 51:2032-2057)。疫学的な研究は、高いレベルの
HDLが循環器疾患又は冠動脈心疾患を防ぐことを示している(Gordon ら., Am. J. Med. 1977. 62: 707-714)。HDLのこれらの効果はトリグリセリド濃度及びLDL濃度とは無関係である。臨床診療では、低い血漿HDLは血漿トリグリセリドを高める他の障害、たとえば、中心性肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病及び腎疾患(慢性腎不全及びネフローゼ性タンパク尿症)とさらに共通して関連する(Kashyap. Am. J. Cardiol. 1998. 82: 42U-48U)。
【0084】
「高密度リポタンパク質−コレステロール」又は「HDL−C」は、高密度リポタンパク質粒子に会合するコレステロールを意味する。血清(又は血漿)におけるHDL−Cの濃度は通常mg/dL又はナノモル/Lで定量される。「HDL−C」及び「血漿HDL−C」はそれぞれ血清及び血漿におけるHDL−Cを意味する。
【0085】
「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、たとえば、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン及びシムバスタチンのような、酵素HMG−CoA還元酵素の阻害を介して作用する剤を意味する。
【0086】
「ハイブリッド形成」は相補性の核酸分子のアニーリングを意味する。特定の実施形態では、相補性の核酸分子にはアンチセンス化合物及び標的核酸が含まれる。
【0087】
「高コレステロール血症」は、成人における高コレステロールの検出、治療の評価の全米コレステロール教育プログラム(NCEP)の専門家パネル報告の指針(Arch. Int. Med. (1988) 148, 36-39を参照)のように、高いコレステロール又は循環(血漿)コレステロール、LDL−コレステロール、及びVLDL−コレステロールを特徴とする状態を意味する。
【0088】
「高脂血症」又は「高脂質血症」は高い血清脂質又は循環(血漿)脂質を特徴とする状態を意味する。この状態は異常に高濃度の脂質を示す。循環血における脂質の分画は、コレステロール、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、カイロミクロン及びトリグリセリドである。高脂血症のフレドリクソ分類は、電気泳動又は超遠心分離によって測定されるようなTG及びコレステロールが豊富なリポタンパク質粒子のパターンに基づき、高トリグリセリド血症のような高脂血症の主要な原因を特徴づけるのに一般に使用される(Fredrickson and Lee, Circulation, 1965, 31:321-327; Fredrickson ら., New Eng J Med, 1967, 276 (1): 34-42)。
【0089】
「高トリグリセリド血症」は高いトリグリセリドのレベルを特徴とする状態を意味する。高トリグリセリド血症は、トリグリセリド(TG)が豊富なリポタンパク質:VLDLの高い産生及び/又は低下した若しくは遅滞した異化、及びそれぼどではないカイロミクロン(CM)の結果である。その病因には、主要な(すなわち、遺伝的原因)及び二次的な(たとえば、糖尿病、メタボリックシンドローム/インスリン抵抗性、運動不足、喫煙、過剰アルコール及び炭水化物が非常に高い食事のような根底にある原因)因子、又はほとんどの場合双方の組み合わせが含まれる(Yuan ら. CMAJ, 2007, 176:1113-1120)。高トリグリセリド血症は、心臓代謝性疾患(Hegele ら. 2009, Hum Mol Genet, 18: 4189-4194;Hegele and Pollex 2009, Mol Cell Biochem, 326: 35-43)と同様に最も重度な形態の急性膵炎(Toskes 1990, Gastroenterol Clin North Am, 19: 783-791;Gaudet ら. 2010, Atherosclerosis Supplements, 11: 55-60; Catapano ら. 2011, Atherosclerosis, 217S: S1-S44; Tremblay ら. 2011, J Clin Lipidol, 5: 37-44)の発症の高いリスクに関連する一般的な臨床形質である。心臓代謝性疾患の例には、糖尿病、メタボリックシンドローム/インスリン抵抗性、及びたとえば、家族性乳糜血症症候群(FCS)、家族性複合高脂血症及び家族性高トリグリセリド血症のような遺伝性疾病が挙げられるが、これらに限定されない。境界の高いTGレベル(150〜199mg/dL)は一般集団に一般に見いだされ、メタボリックシンドローム/インスリン抵抗性の状態の共通する成分である。血漿TGレベルが上昇することを除いて高いTGレベル(200〜499mg/dL)も同様であり、根底にある遺伝因子がますます重要な病因の役割を担う。非常に高いTGレベル(≧500mg/dL)は同様に高いCMレベルと関連することが最も多く、急性膵炎の高いリスクを伴う。TGレベルが880mg/dL(>10ミリモル)を超えると膵炎のリスクは臨床的に重大であると見なされ、欧州アテローム性硬化症協会/欧州心臓病学会(EAS/ESC)の2011年の指針は急性膵炎を防止する行動が必須であると述べている(Catapano ら. 2011, Atherosclerosis, 217S: S1-S44)。EAS/ESCの2011年の指針によれば、高トリグリセリド血症は膵炎の全症例のおよそ10%の原因であり、膵炎の発症は440〜880mg/dLの間でのTGレベルで生じ得る。高いTGレベルはアテローム性硬化性CVDの独立したリスク因子であることを実証している臨床試験の証拠に基づいて、全米コレステロール教育プログラム成人の治療パネルIII(NCEP 2002, Circulation, 106: 3143-421)及び米国糖尿病協会(ADA 2008, Diabetes Care, 31: S12-S54.)双方からの指針は循環器リスクを減らすために150mg/dL未満の目標TGレベルを推奨している。
【0090】
指名された疾患、障害又は状態の動物を「特定すること」又は「診断すること」は、指名された疾患、障害又は状態を有する傾向がある、又は有している対象を公知の方法によって特定することを意味する。
【0091】
フレドリクソンI型の脂肪異常症の動物を「特定すること」又は「診断すること」は、フレドリクソンI(a、b又はc)型の脂肪異常症、FCS、LPLDを有する傾向がある、又は有している対象を特定することを意味する。フレドリクソンI型、FCS、LPLDの対象の特定は、公知のスクリーニング技法、たとえば、遺伝的スクリーニング又はLPL阻害剤のスクリーニングと併せて対象の既往歴を調べることによって行うことができる。たとえば、空腹時750mg/dLを超えるTGの文書の既往歴を持つ患者は次いでLPL遺伝子又は、たとえば、ApoC2、ApoA5、GPIHBP1若しくはLMF1のようなLPLに影響を及ぼす遺伝子における変異についてスクリーニングされる。
【0092】
代謝性疾患又は循環器疾患を持つ動物を「特定すること」又は「診断すること」は、代謝性疾患、循環器疾患又はメタボリックシンドロームを有する傾向がある、又は有している対象を特定すること;又は高コレステロール血症、高血糖、高脂血症、高トリグリセリド血症、高血圧症、高いインスリン抵抗性、低いインスリン感受性、正常超える体重、及び/又は正常超える体脂肪含量、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない代謝性疾患、循環器疾患又はメタボリックシンドロームの症状を有する対象を特定することを意味する。そのような特定は、たとえば、血清又は循環(血漿)のコレステロールを測定すること、血清又は循環(血漿)の血糖を測定すること、血清又は循環(血漿)のトリグリセリドを測定すること、血圧を測定すること、体脂肪含量を測定すること、体重を測定すること、等のような標準の臨床試験又は評価を含むが、これらに限定されない任意の方法によって達成することができる。
【0093】
「改善された循環器の成果」は有害な循環器事象の発生又はそのリスクの低減を意味する。有害な循環器事象の例には、限定しないで、死亡、再梗塞、発作、心原性ショック、肺浮腫、心臓発作及び心房リズム障害が挙げられる。
【0094】
「直接隣接する」は、直接隣接する要素の間、たとえば、領域、断片、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシドの間に介在する要素がないことを意味する。
【0095】
「HDLを高めること」又は「HDLを上昇させること」は化合物を投与していない動物におけるHDLのレベルと比べて本発明の少なくとも1つの化合物を投与した後、動物にてHDLのレベルを高めることを意味する。
【0096】
「個体」又は「対象」又は「動物」は治療又は治療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0097】
「誘導する」、「阻害する」、「強化する」、「上昇する」、「増加する」、「減少する」、「低下する」等は2つの状態の間での量的な差異を意味する。たとえば、「ApoCIIIの活性又は発現を阻害するのに十分な量」は、処理された試料におけるApoCIIIの活性又は発現のレベルが処理されていない試料におけるApoCIIIの活性又は発現とは異なることを意味する。そのような用語は、たとえば、発現のレベル及び活性のレベルに適用される。
【0098】
「発現又は活性を阻害すること」は、RNA又はタンパク質の発現又は活性の低減又は遮断を指し、必ずしも発現又は活性の全体的な排除を示すものではない。
【0099】
「インスリン抵抗性」は、インスリンの正常な量が脂肪、筋肉及び肝臓の細胞からの正常なインスリン応答を生じるのに不適切である状態として定義される。脂肪細胞におけるインスリン抵抗性は保存されたトリグリセリドの加水分解を生じ、それは血漿において遊離の脂肪酸を上昇させる。筋肉におけるインスリン抵抗性はグルコースの取り込みを低下させるのに対して肝臓におけるインスリン抵抗性はグルコースの保存を低下させ、双方の効果は血糖を上昇させるように作用する。インスリン抵抗性による高いレベルの血漿インスリン及びグルコースはメタボリックシンドローム及び2型糖尿病を招くことが多い。
【0100】
「インスリン感受性」は、個体がどのように効果的にグルコースを処理するかの程度である。高いインスリン感受性を有する個体はグルコースを効果的に処理するのに対して低いインスリン感受性を有する個体は効果的にインスリンを処理しない。
【0101】
「ヌクレオシド間結合」はヌクレオシド間の化学結合を指す。
【0102】
「静脈内投与」は静脈への投与を意味する。
【0103】
「連結されたヌクレオシド」は一緒に結合する隣接したヌクレオシドを意味する。
【0104】
「脂質低下」は対象における1以上の脂質の低下を意味する。「脂質上昇」は対象における脂質(たとえば、HDL)の上昇を意味する。脂質低下又は脂質上昇は1回以上の投与と共に経時的に生じ得る。
【0105】
「脂質低下療法」又は「脂質低下剤」は、対象に提供されて対象にて1以上の脂質を低下させる治療投薬計画を意味する。特定の実施形態では、脂質低下療法を提供して対象にてCETP、ApoB、総コレステロール、LDL−C、VLDL−C、IDL−C、非HDL−C、トリグリセリド、低密度LDL粒子、Lp(a)の1以上を低下させる。脂質低下療法の例にはスタチン類、フィブラート類、MTP阻害剤が挙げられる。
【0106】
たとえば、VLDL、LDL及びHDLのような「リポタンパク質」は血清、血漿及びリンパで見いだされるタンパク質の群を指し、脂質輸送に重要である。各リポタンパク質の化学組成は、HDLが脂質に対して高い比率のタンパク質を有する一方でVLDLが脂質に対して低い比率のタンパク質を有するという点で異なる。
【0107】
「リポタンパク質リパーゼ」又は「LPL」は、たとえば、CM又はVLDLのようなリポタンパク質で見いだされるTGを遊離の脂肪酸及びモノアシルグリセロールに加水分解する酵素を指す。LPLはTGを加水分解することで機能するのに補因子としてApoC−IIを必要とする。LPLは主として骨格筋、脂肪組織、及び心筋で産生される。CM及びVLDLからのTGの加水分解及び除去は通常、CM塊及びTGの過剰な食後の上昇を防ぐ。
【0108】
「リポタンパク質リパーゼ欠乏」、「リポタンパク質リパーゼ欠乏症」、「LPL欠乏症」又は「LPLD」は「フレドリクソンI型の脂肪異常症」、「乳糜血症」、「家族性乳糜血症症候群」、又は「FCS」として知られる。LPLDの対象はTGのような脂肪酸の効果的な分解に必要なLPL又はLPL活性を一般に欠くが、これらの対象は最少限のLPL活性を依然として有し得る又は最少レベルのLPLを発現し得る。一部の実施形態では、LPLDの対象は、約20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%までの又はそれ未満のLPLを発現し得る、又はLPL活性を有し得る。他の例では、LPLDの対象は測定可能なLPL又はLPL活性を有さない。LPLDの一実施形態は「高リポタンパク質血症Ia」(「フレドリクソンIa型」としても知られる)の対象を包含し、対象がTGのような脂肪酸の効果的な分解に必要な十分な機能的なリポタンパク質リパーゼを産生できないことを指す。TGを分解できないことは対象にて高トリグリセリド血症をもたらし、多くは食後12時間を超えて高TG及び乳糜血症が依然として存在し、脂肪血として眼に見える。Ia型は一般にLPL遺伝子における1以上の変異が原因で生じる。本明細書で開示されるように、LPLDは、たとえば、「高リポタンパク質血症Ib」(「フレドリクソンIb型」としても知られる)及び「高リポタンパク質血症Ic」(「フレドリクソンIc型」としても知られる)の対象のような機能不全のリポタンパク質リパーゼを有する対象も包含する。Ib型はリポタンパク質リパーゼ活性化因子、アポタンパク質C−IIの欠如が原因で生じる。Ic型はリポタンパク質リパーゼの循環する阻害剤のせいである。1a型と同様に、1b/1c型の対象はTGの分解ができず、高トリグリセリド血症を招くことを患い、食後12時間を超えて高TG及び乳糜血症が依然として存在し、脂肪血として眼に見えることが多い。特定の実施形態では、LPLDは、たとえば、P207L、G188L若しくはD9NのようなLPL遺伝子における少なくとも1つの変異、又はLPLに影響を及ぼす他の変異に関連する。(Brunzell中: Pagon RA, Adam MP, Bird TD, Dolan CR, Fong CT, Stephens K, editors. GeneReviews(商標) [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2013.1999 Oct 12 [2011 Dec 15更新])。
【0109】
「低密度リポタンパク質−コレステロール(LDL−C)」は低密度リポタンパク質粒子にて運ばれるコレステロールを意味する。血清(又は血漿)におけるLDL−Cの濃度は通常mg/dL又はミリモル/Lで定量される。「血清LDL−C」及び「血漿LDL−C」はそれぞれ血清及び血漿におけるLDL−Cを意味する。
【0110】
「主要なリスク因子」は、特定の疾患又は状態についての高いリスクに寄与する因子を指す。特定の実施形態では、冠動脈心疾患の主要なリスク因子には、限定しないで、喫煙、高血圧症、低いHDL−C、冠動脈心疾患の家族歴、年齢及び本明細書で開示される他の因子が挙げられる。
【0111】
「代謝性障害」又は「代謝性疾患」は、代謝機能における変化又は混乱を特徴とする状態を指す。「代謝性」及び「代謝」は当該技術で周知の用語であり、生きている生物の中で生じる生化学過程の全範囲を一般に含む。代謝性障害には、高血糖、前糖尿病、糖尿病(1型及び2型)、肥満、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、及び2型糖尿病による脂肪異常症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
「メタボリックシンドローム」は、代謝起源の脂質性及び非脂質性の循環器リスク因子の集積を特徴とする状態を意味する。特定の実施形態では、メタボリックシンドロームは、以下の因子:男性で102cmを超える又は女性で88cmを超える胴囲;少なくとも150mg/dLの血清トリグリセリド;男性で40mg/dL未満又は女性で50mg/dL未満のHDL−C;少なくとも130/85mmHgの血圧;少なくとも110mg/dLの空腹時血糖のいずれか3つの存在によって特定される。これらの決定因子は臨床診療で容易に測定することができる(JAMA, 2001, 285: 2486-2497)。
【0113】
「ミスマッチ」又は「非相補性の核酸塩基」は第1の核酸の核酸塩基が第2の又は標的の核酸の相当する核酸塩基と対合することができない場合を指す。
【0114】
「混合型脂肪異常症」は高いコレステロールと高いトリグリセリドを特徴とする状態を意味する。
【0115】
「修飾されたヌクレオシド間結合」は天然に存在するヌクレオシド間結合からの置換又は変化を指す。たとえば、ホスホロチオエート結合は修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0116】
「修飾された核酸塩基」はアデニン、シトシン、グアニン、チミジン又はウラシル以外の核酸塩基を指す。たとえば、5−メチルシトシンは修飾された核酸塩基である。「未修飾の核酸塩基」はプリン塩基、アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基、チミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0117】
「修飾されたヌクレオシド」は少なくとも1つの修飾された糖部分及び/又は修飾された核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0118】
「修飾されたヌクレオチド」は少なくとも1つの修飾された糖部分、修飾されたヌクレオシド間結合及び/又は修飾された核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。
【0119】
「修飾されたオリゴヌクレオチド」は少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0120】
「修飾された糖」は天然の糖からの置換又は変化を指す。たとえば、2’−O−メトキシエチル修飾された糖は修飾された糖である。
【0121】
「モチーフ」はアンチセンス化合物における化学的に区別できる領域のパターンを意味する。
【0122】
「天然に存在するヌクレオシド間結合」は3’から5’へのホスホジエステル結合を意味する。
【0123】
「天然の糖部分」はDNA(2’−H)又はRNA(2’−OH)にて見いだされる糖を意味する。
【0124】
「ニコチン酸」又は「ナイアシン」は脂肪酸の肝臓への流入及び肝臓によるVLDLの分泌を減らすことが報告されている。この効果は脂肪組織におけるホルモン感受性リパーゼに対する効果が部分的に介在すると思われる。ニコチン酸は肝臓及び脂肪組織の双方にて重要な作用部位を有する。肝臓では、ニコチン酸は肝臓からのVLDL粒子の分泌を結果的に減らすジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ−2(DGAT−2)を阻害することが報告され、それはまたIDL及びLDLの粒子双方の減少にも反映され、加えて、ニコチン酸は肝臓にてApoA1産生を刺激することによって主としてHDL−C及びApoA1を上昇させ、高脂血症の患者にてVLDL−ApoCIIIの濃度を低下させることが示されている(Wahlberg ら. Acta Med Scand 1988; 224:319-327)。脂肪細胞における脂肪分解及び脂肪酸の移動に対するニコチン酸の効果は定評がある。しかしながら、ニコチン酸は高トリグリセリド血症を伴うLPLDの対象を治療するには有効ではなかった。
【0125】
「核酸」は単量体のヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸(ssDNA)、二本鎖核酸(dsDNA)、干渉小分子リボ核酸(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)が挙げられる。核酸はまた単一分子におけるこれらの要素の組み合わせも含む。
【0126】
「核酸塩基」は別の核酸の塩基と対合することが可能である複素環部分を意味する。
【0127】
「核酸塩基の相補性」は別の核酸塩基との塩基対合が可能である核酸塩基を指す。たとえば、DNAでは、アデニン(A)はチミン(T)と相補性である。たとえば、RNAでは、アデニン(A)はウラシル(U)と相補性である。特定の実施形態では、相補性の核酸塩基は標的核酸の核酸塩基と塩基対合が可能であるアンチセンス化合物の核酸塩基を指す。たとえば、アンチセンス化合物の特定の位置での核酸塩基が標的核酸の特定の位置での核酸塩基と水素結合が可能であるならば、そのとき、オリゴヌクレオチドと標的核酸はその核酸塩基対で相補性であると見なされる。
【0128】
「核酸塩基配列」は糖、結合、又は核酸塩基の修飾とは無関係な隣接する核酸塩基の順序を意味する。
【0129】
「ヌクレオシド」は糖に連結された核酸塩基を意味する。
【0130】
「ヌクレオシド模倣体」には、糖又は糖と塩基、及び必然ではないが、オリゴマー化合物の1以上の位置における結合を置き換えるのに使用される構造が挙げられ、たとえば、モルフォリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、たとえば、非フラノース系糖単位のような二環式又は三環式の糖模倣体を有するヌクレオシド模倣体が挙げられる。
【0131】
「ヌクレオチド」はヌクレオシドの糖部分に共有結合するリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0132】
「ヌクレオチド模倣体」には、たとえば、ペプチド核酸又はモルフォリノ(−N(H)−C(=O)−O−又は他の非ホスホジエステル結合によって連結されるモルフォリノ)のようなオリゴマー化合物の1以上の位置にてヌクレオシド及び結合を置き換えるのに使用される構造が挙げられる。
【0133】
「オリゴマー化合物」又は「オリゴマー」は核酸分子の領域とハイブリッド形成することが可能である連結された単量体サブユニットのポリマーを意味する。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオシドである。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、オリゴマー化合物はキメラオリゴヌクレオチドである。
【0134】
「オリゴヌクレオチド」は、そのそれぞれを互いに独立して修飾することができる又は未修飾にすることができる連結されたヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0135】
「非経口投与」は、注射又は点滴を介した投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、頭蓋内投与、たとえば、クモ膜下投与又は脳室内投与が挙げられる。投与は連続的、慢性的、短期又は間欠的であり得る。
【0136】
「ペプチド」はアミド結合により少なくとも2つのアミノ酸を連結することによって形成される分子を意味する。ペプチドはポリペプチド及びタンパク質を指す。
【0137】
「医薬剤」は個体に投与すると治療利益を提供する物質を意味する。たとえば、特定の実施形態では、ApoCIIIに向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドは医薬剤である。
【0138】
「医薬組成物」又は「組成物」は個体に投与するのに好適な物質の混合物を意味する。たとえば、医薬組成物は1以上の活性剤と、無菌の水溶液のような医薬キャリアとを含み得る。
【0139】
「薬学上許容可能なキャリア」は化合物の構造に干渉しない媒体又は希釈剤を意味する。そのようなキャリアの幾つかは、医薬組成物が、対象による経口摂取のための、たとえば、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液剤、ジェル、シロップ、スラリー、懸濁剤及びトローチとして製剤化されるのを可能にする。そのようなキャリアの幾つかは、医薬組成物が、注射、点滴又は局所投与のために製剤化されるのを可能にする。たとえば、薬学上許容可能なキャリアは無菌の水溶液であることができる。
【0140】
「薬学上許容可能な誘導体」又は「塩」は、たとえば、溶媒和物、水和物、エステル、プロドラッグ、多形体、異性体、放射性標識した変異体のような本明細書で記載される化合物の誘導体、薬学上許容可能な塩、及び当該技術で既知の他の誘導体を包含する。
【0141】
「薬学上許容可能な塩」は、アンチセンス化合物の生理学的に及び薬学上許容可能な塩、すなわち、親化合物の所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性効果をそれに付与しない塩を意味する。用語「薬学上許容可能な塩」又は「塩」には、無機又は有機の酸及び塩基を含む薬学上許容可能な非毒性の酸又は塩基から調製される塩が挙げられる。本明細書で記載される化合物の薬学上許容可能な塩は当該技術で周知の方法によって調製され得る。薬学上許容可能な塩の概説については、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)を参照のこと。アンチセンスオリゴヌクレオチドのナトリウム塩はヒトへの治療用投与に有用であり、広く受け入れられている。従って、一実施形態では、本明細書で記載される化合物はナトリウム塩の形態である。
【0142】
「ホスホロチオエート結合」は非架橋性の酸素原子の1つをイオウ原子で置き換えることによってホスホジエステル結合が修飾されるヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオエート結合は修飾されたヌクレオシド間結合である。
【0143】
「一部」は核酸の隣接する(すなわち、連結される)核酸塩基の定義された数を意味する。特定の実施形態では、一部は標的核酸の隣接する核酸塩基の定義された数である。特定の実施形態では、一部はアンチセンス化合物の隣接する核酸塩基の定義された数である。
【0144】
「防ぐ」は、疾患、障害又は状態の発症又は発生をわずかな時間から無限までの期間、遅滞させること又は未然に防ぐことを指す。防ぐはまた、疾患、障害又は状態の発生のリスクを減らすことも意味する。
【0145】
「プロドラッグ」は、内在性の酵素又は他の化学物質若しくは条件の作用によってその体内又は細胞内で活性型(すなわち、薬剤)に変換される不活性形態で調製される治療剤を意味する。
【0146】
「上昇させる」は量を増やすことを意味する。たとえば、血漿HDLレベルを上昇させることは血漿におけるHDLの量を増やすことを意味する。
【0147】
「TGのHDLに対する比」は、HDLレベルに比べたTGレベルを意味する。高いTG及び/又は低いHDLの発生は循環器疾患の発生、転帰及び死亡率に関連している。「TGのHDLに対する比を改善すること」はTGを減らすこと及び/又はHDLレベル高めることを意味する。
【0148】
「低下させる」は、さらに小さい程度、サイズ、量又は数に減らすことを意味する。たとえば、血漿トリグリセリドのレベルを低下させることは血漿におけるトリグリセリドの量を減らすことを意味する。
【0149】
「領域」又は「標的領域」は少なくとも1つの特定可能な構造、機能又は特徴を有する標的核酸の一部として定義される。たとえば、標的領域は3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロンの接合部、コーディング領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、又は他の定義された核酸領域を包含し得る。ApoCIIIについて構造的に定義された領域はNCBIのような配列データベースからの受入番号によって得ることができ、そのような情報は参照によって本明細書に組み入れられる。特定の実施形態では、標的領域は標的領域内の1つの標的断片の5’標的部位から標的領域内の他の標的断片の3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0150】
「リボヌクレオチド」はヌクレオチドの糖部分の2’位にてヒドロキシを有するヌクレオチドを意味する。リボヌクレオチドは種々の置換基のいずれかで修飾することができる。
【0151】
「第2の剤」又は「第2の治療剤」は第1の剤と併用して使用することができる剤を意味する。第2の治療剤には、siRNA、又はApoCIIIを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。第2の剤には、抗ApoCIII抗体、ApoCIIIペプチド阻害剤、DGAT1阻害剤、コレステロール低下剤、脂質低下剤、グルコース低下剤、及び抗炎症剤も挙げることができる。
【0152】
「断片」は核酸の中での領域のさらに小さい亜区分として定義される。たとえば、「標的断片」は1以上のアンチセンス化合物が向けられる標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’−標的部位」は標的断片の最も5’−のヌクレオチドを指す。「3’−標的部位」は標的断片の最も3’−のヌクレオチドを指す。
【0153】
本明細書で教示されるアンチセンスオリゴヌクレオチド又は標的核酸の「短くした」又は「切り詰めた」型は欠失させた1、2以上のヌクレオシドを有する。
【0154】
「副作用」は所望の効果以外の治療に起因し得る生理学的な応答を意味する。特定の実施形態では、副作用には、注射部位の反応、肝機能検査の異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系の異常、ミオパシー及び倦怠感が挙げられる。たとえば、血清における高いアミノトランスフェラーゼのレベルは肝毒性又は肝機能異常を示し得る。たとえば、高いビリルビンは肝毒性又は肝機能異常を示し得る。
【0155】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は相補性の鎖とハイブリッド形成していないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0156】
「特異的にハイブリッド形成可能な」は、特異的な結合が所望される条件下で、すなわち、生体内のアッセイ及び治療処置の場合の生理的な条件下で、所望の効果を誘導するのに十分な程度の相補性を標的核酸に対して有する一方で非標的核酸に対して最少限の効果しか示さない又は効果を示さないアンチセンス化合物を指す。
【0157】
「スタチン」はHMG−CoA還元酵素の活性を阻害する剤を意味する。スタチンはHMG−CoA還元酵素の活性を競合的に阻害することによって肝臓にてコレステロールの合成を減らす。細胞内コレステロール濃度の低下は、肝細胞表面にてLDL受容体の発現を誘導し、それは血液からのLDL−Cの高い抽出、及び循環LDL−C及びTGが豊富な粒子を含むリポタンパク質を含有するApo−Bの濃度の低下を生じる。LDL−C及びLDL受容体に対するその効果と独立して、スタチンはApoC−IIIの血漿濃度及び細胞性mRNAレベルを低下させる(Ooi ら. Clinical Sci., 2008, 114:611-624)。スタチンはほとんどの循環器疾患の転帰パラメータと同様に死亡率に対しても有意な効果を有するので、これらの薬剤は、循環器疾患の総合リスク及びやや高いTGレベルの双方を低下させる第1選択薬である。さらに強力なスタチン(アトルバスタチン、ロスバスタチン、及びピタバスタチン)は、特に高用量で高いTGの患者にてTGレベルの強固な低下を実証する。しかしながら、スタチンは高トリグリセリド血症を伴ったLPLDの対象を治療するには無効であった。
【0158】
「皮下投与」は皮膚の直下への投与を意味する。
【0159】
「対象」は治療又は治療法のために選択されるヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0160】
「循環器の疾患又は障害の症状」は、循環器の疾患又は障害から生じる又はそれに伴い、その兆候として役立つ現象を意味する。たとえば、狭心症;胸痛;息切れ;動悸;虚弱;目眩;吐き気;発汗;頻拍;徐脈;不整脈;心房細動;下肢における腫脹;チアノーゼ;倦怠感;失神;顔面の無感覚;四肢の無感覚;筋肉の跛行又は痙攣;腹部の膨満又は発熱は循環器の疾患又は障害の症状である。
【0161】
「標的とする」又は「標的とされる」は、標的核酸と特異的にハイブリッド形成し、所望の効果を誘導するアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0162】
「標的核酸」、「標的RNA」及び「標的RNA転写物」はすべてアンチセンス化合物によって標的とされることが可能である核酸を指す。
【0163】
「治療上のライフスタイルの変化」は脂肪/脂肪組織塊及び/又はコレステロールを低下させることが意図される食事及びライフスタイルの変化を意味する。そのような変化は心臓疾患を発生するリスクを下げることができ、1日の総カロリー、総脂肪、飽和脂肪、多価不飽和脂肪、炭水化物、タンパク質、コレステロール、不溶性繊維の摂取に関する推奨と同様に身体活動に関する推奨を含み得る。
【0164】
「治療する」は、本発明の化合物を投与して疾患、障害又は状態の変化又は改善を達成することを指す。
【0165】
「トリグリセリド」又は「TG」は3つの脂肪酸分子と組み合わせたグリセロールから成る脂質又は中性脂肪を意味する。
【0166】
「2型糖尿病」(「2型糖尿病」、「糖尿病2型」、「インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)」、「肥満関連の糖尿病」又は「成人発症性糖尿病」としても知られる)は、主としてインスリン抵抗性、相対的なインスリン欠乏及び高血糖を特徴とする代謝性障害である。
【0167】
「未修飾のヌクレオチド」は、天然に存在する核酸塩基、糖部分及びヌクレオシド間結合から構成されるヌクレオチドを意味する。特定の実施形態では、未修飾のヌクレオチドはRNAヌクレオチド(すなわち、β−D−リボヌクレオシド)又はDNAヌクレオチド(すなわち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。
【0168】
「ウイング断片」は、たとえば、高い阻害活性、標的核酸に対する高い結合親和性又は生体内ヌクレアーゼによる分解への耐性のようなオリゴヌクレオチド特性を付与するように修飾された1又は複数のヌクレオシドを意味する。
【0169】
特定の実施形態
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてApoCIIIレベルを低下させる方法を提供する。特定の実施形態では、ApoCIIIのレベルは肝臓、脂肪組織、心臓、骨格筋又は小腸にて低下する。
【0170】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、動物にてフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDを治療する、予防する、遅滞させる又は改善する方法を提供する。特定の実施形態では、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する循環器及び/又は代謝性の疾患又は障害、又はその症状又はリスクが改善される。
【0171】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎を治療する、予防する、遅滞させる又は改善する方法を提供する。特定の実施形態では、膵炎又はその症状又はリスクが改善される。
【0172】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGのレベルを低下させる方法を提供する。
【0173】
特定の実施形態では、動物は、少なくとも≧1200mg/dL、≧1100mg/dL、≧1000mg/dL、≧900mg/dL、≧880mg/dL、≧850mg/dL、≧800mg/dL、≧750mg/dL、≧700mg/dL、≧650mg/dL、≧600mg/dL、≧550mg/dL、≧500mg/dL、≧450mg/dL、≧440mg/dL、≧400mg/dL、≧350mg/dL、≧300mg/dL、≧250mg/dL、≧200mg/dL、≧150mg/dLのTGレベルを有する。特定の実施形態では、動物は、≧880mg/dLのTGレベル、≧750mg/dLの空腹時TGレベル及び/又は≧440mg/dLの食事療法後TGレベルの経歴を有する。
【0174】
特定の実施形態では、化合物は、ベースラインのTGレベルから少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、少なくとも15%、少なくとも10%、少なくとも5%又は少なくとも1%TG(食後又は空腹時)を低下させる。特定の実施形態では、TG(食後又は空腹時)のレベルは≦1900mg/dL、≦1800mg/dL、≦1700mg/dL、≦1600mg/dL、≦1500mg/dL、≦1400mg/dL、≦1300mg/dL、≦1200mg/dL、≦1100mg/dL、≦1000mg/dL、≦900mg/dL、≦800mg/dL、≦750mg/dL、≦700mg/dL、≦650mg/dL、≦600mg/dL、≦550mg/dL、≦500mg/dL、≦450mg/dL、≦400mg/dL、≦350mg/dL、≦300mg/dL、≦250mg/dL、≦200mg/dL、≦150mg/dL又は≦100mg/dLである。
【0175】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLのレベルを上げる及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法を提供する。特定の実施形態では、化合物はベースラインのHDLレベルから少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、少なくとも15%、少なくとも10%、少なくとも5%又は少なくとも1%、HDL(食後又は空腹時)を高める。
【0176】
特定の実施形態では、化合物は、約81%ApoCIIIを低下させ、約69%TGを低下させ、約80%VLDL ApoCIIIを低下させ、約78%HDLを高め、約58%非HDL−Cを低下させ、及び/又は約13%ApoBを低下させる。
【0177】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法を提供する。特定の実施形態では、化合物は、動物にてTGレベルを低下させる、HDLレベルを高める、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する。
【0178】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法を提供する。特定の実施形態では、化合物は、動物にてTGレベルを低下させる、HDLレベルを高める、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する。
【0179】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法を提供する。特定の実施形態では、化合物は、動物にてTGレベルを低下させる、HDLレベルを高める、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する。
【0180】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器の疾患、障害又は状態を予防する、治療する、改善する、その発症を遅滞させる、又はそのリスクを軽減する方法を提供する。特定の実施形態では、化合物は、TGレベルを低下させる、HDLレベルを高める、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器の疾患、障害又は状態を予防する、治療する、改善する、その発症を遅滞させる、又はそのリスクを軽減する。
【0181】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてCETP、VLDL、VLDL ApoCIII、コレステロール、カイロミクロン及び/又はApoBのレベルを下げる方法を提供する。特定の実施形態では、ApoBはApoB−48又はApoB−100である。特定の実施形態では、ApoB−48の量は動物におけるカイロミクロンの量を反映する。特定の実施形態では、コレステロールは総コレステロール又は非HDL−コレステロールである。
【0182】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてApoA1、PON1、脂肪クリアランス、カイロミクロン/トリグリセリド(CM−TG)のクリアランス及び/又はHDLを高める方法を提供する。特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGのHDLに対する比を改善する方法を提供する。
【0183】
特定の実施形態は、ApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、重度の又は多発性の膵炎発作を患うフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの成人患者を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、患者は食事の脂肪制限にもかかわらず膵炎を患っている。
【0184】
特定の実施形態は、対象を遺伝的にスクリーニングすることを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDを患う対象を特定する方法を提供する。特定の実施形態は、対象を遺伝的にスクリーニングすることを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDのリスクがある対象を特定する方法を提供する。特定の実施形態では、遺伝的なスクリーニングは、LPL又はApoC−IIをコードする遺伝子又はRNA転写物の配列解析によって実施される。特定の実施形態では、対象は、たとえば、P207L、G188L、D9NのようなLPL遺伝子における少なくとも1つの変異、又はLPLに影響を及ぼす他の変異について遺伝的にスクリーニングされる(Brunzell中: Pagon RA, Adam MP, Bird TD, Dolan CR, Fong CT, Stephens K, editors. GeneReviews(商標) [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2013.1999 Oct 12 [2011 Dec 15更新])。
【0185】
特定の実施形態は、LPLを阻害する抗体の存在について対象をスクリーニングすることを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDを患う対象を特定する方法を提供する。特定の実施形態は、LPLを阻害する抗体の存在について対象をスクリーニングすることを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDのリスクがある対象を特定する方法を提供する。
【0186】
特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPL発現のレベルは検出できない。特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPL発現のレベルは検出可能である。特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPLのレベルは、LPLDではない対象のLPLのレベルの多くても25%、多くても24%、多くても23%、多くても22%、多くても21%、多くても20%、多くても19%、多くても18%、多くても17%、多くても16%、多くても15%、多くても14%、多くても13%、多くても12%、多くても11%、多くても10%、多くても9%、多くても8%、多くても7%、多くても6%、多くても5%、多くても4%、多くても3%、多くても2%又は多くても1%であ
る。
【0187】
特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPL活性のレベルは検出できない。特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPL活性のレベルは検出可能である。特定の実施形態では、LPLDの対象におけるLPL活性のレベルはLPLDではない対象におけるLPL活性の多くても25%、多くても24%、多くても23%、多くても22%、多くても21%、多くても20%、多くても19%、多くても18%、多くても17%、多くても16%、多くても15%、多くても14%、多くても13%、多くても12%、多くても11%、多くても10%、多くても9%、多くても8%、多くても7%、多くても6%、多くても5%、多くても4%、多くても3%、多くても2%又は多くても1%である。特定の実施形態では、ApoCIIIの核酸は、GENBANK受託番号NM_000040.1(配列番号1として本明細書に組み入れられる)、ヌクレオチド20262640から20266603が切り詰められたGENBANK受託番号NT_033899.8(配列番号2として本明細書に組み入れられる)及びヌクレオチド6238608から6242565が切り詰められたGenBank受託番号NT_035088.1(配列番号4として本明細書に組み入れられる)にて示される配列のいずれかである。
【0188】
特定の実施形態では、ApoCIII特異的な阻害剤はApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子又は他の剤である。特定の実施形態では、核酸はApoCIIIを標的とするアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して相補性の配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも100%相補性である。
【0189】
特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、ApoCIIIに対して相補性のアンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、ApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号3以外の配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、すべて参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第7,598,227号、同第7,750,141号、PCT公開WO2004/093783又はPCT公開WO2012/149495にて開示された配列から選択される配列の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは、すべて参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第7,598,227号、同第7,750,141号、PCT公開WO2004/093783又はPCT公開WO2012/149495にて開示された配列から選択される配列を有する。
【0190】
特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドから成る。
【0191】
特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは12〜30の連結されたヌクレオシドから成る。
【0192】
特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは20の連結されたヌクレオシドから成る。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは20の連結されたヌクレオシド及びISIS304801(配列番号3)の核酸塩基配列から成る。
【0193】
特定の実施形態では、化合物は少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態では、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0194】
特定の実施形態では、化合物は修飾された糖を含む少なくとも1つのヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾された糖は二環式の糖である。特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾された糖は2’−O−メトキシエチルを含む。
【0195】
特定の実施形態では、化合物は修飾された核酸塩基を含む少なくとも1つのヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は5−メチルシトシンである。
【0196】
特定の実施形態では、化合物は、(i)連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片、(ii)連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片、(iii)連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、その際、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは修飾された糖を含む。
【0197】
特定の実施形態では、化合物は、(i)8〜12の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片、(ii)1〜5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片、(iii)1〜5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、その際、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
【0198】
特定の実施形態では、化合物は、(i)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片、(ii)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片、(iii)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを含み、その際、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
【0199】
特定の実施形態は、12〜30の連結されたヌクレオシドから成る修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器疾患のリスクを減らす方法を提供し、その際、修飾されたオリゴヌクレオチドはApoCIIIの核酸に相補性であり、修飾されたオリゴヌクレオチドはTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善する。特定の実施形態では、ApoCIIIの核酸は配列番号1、配列番号2又は配列番号4である。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は100%相補性である。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはApoCIIIを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む。さらなる実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の核酸塩基配列の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む。
【0200】
特定の実施形態は、12〜30の連結されたヌクレオシドから成り、ApoCIII核酸に相補性である修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することを含む、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器疾患の少なくとも1つの症状を防ぐ、治療する、改善する又は軽減する方法を提供する。特定の実施形態では、ApoCIIIの核酸は配列番号1、配列番号2又は配列番号4のいずれかである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は100%相補性である。さらなる実施形態では、動物に投与された修飾されたオリゴヌクレオチドは、TGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、TGのHDLに対する比を改善することによって循環器疾患の少なくとも1つの症状を防ぐ、治療する、改善する又は軽減する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはApoCIIIを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む。さらなる実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む。
【0201】
さらなる実施形態では、循環器疾患の症状には、狭心症;胸痛;息切れ;動悸;虚弱;目眩;吐き気;発汗;頻拍;徐脈;不整脈;心房細動;下肢における腫脹;チアノーゼ;倦怠感;失神;顔面の無感覚;四肢の無感覚;筋肉の跛行又は痙攣;腹部の膨満又は発熱が挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
特定の実施形態は、ApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドから成る治療上有効な量の化合物を動物に投与することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法を提供する。さらなる実施形態は、ApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドから成る治療上有効な量の化合物を動物に投与し、それによって動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状の少なくとも1つの症状を予防する、治療する、改善する又は軽減する方法を提供する。
【0203】
特定の実施形態は、ISIS304801(配列番号3)の核酸塩基配列から成る治療上有効な量の化合物を動物に投与することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法を提供する。さらなる実施形態は、ISIS304801(配列番号3)の核酸塩基配列から成る化合物を動物に投与し、それによって動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって、動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状の少なくとも1つの症状を予防する、治療する、改善する又は軽減する方法を提供する。
【0204】
特定の実施形態は、ISIS304801(配列番号3)の配列を有する治療上有効な量の修飾されたオリゴヌクレオチドを動物に投与することによってフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法を提供し、その際、修飾されたオリゴヌクレオチドは、(i)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と、(ii)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、(iii)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含み、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
【0205】
特定の実施形態は、治療上有効な量の、ApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドを動物に投与することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状の少なくとも1つの症状を予防する、遅滞させる、治療する、改善する又は軽減する方法を提供し、その際、化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドは(i)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と、(ii)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、(iii)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含み、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
【0206】
特定の実施形態は、ISIS304801(配列番号3)の配列を有する治療上有効な量の修飾されたオリゴヌクレオチドを動物に投与することによってフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状の少なくとも1つの症状を予防する、遅滞させる、治療する、改善する又は軽減する方法を提供し、その際、化合物の修飾されたオリゴヌクレオチドは(i)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と、(ii)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、(iii)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片を含み、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。
【0207】
特定の実施形態は、12〜30の連結されたヌクレオシドから成る修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を動物に投与することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法を提供し、その際、修飾されたオリゴヌクレオチドはApoCIIIに対して相補性である。特定の実施形態では、ApoCIIIの核酸は配列番号1、配列番号2又は配列番号4のいずれかである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は100%相補性である。
【0208】
特定の実施形態は、12〜30の連結されたヌクレオシドから成る治療上有効な量の修飾されたオリゴヌクレオチドを含む化合物を動物に投与することによって、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状の少なくとも1つの症状を予防する、遅滞させる、治療する、改善する又は軽減する方法を提供し、その際、修飾されたオリゴヌクレオチドはApoCIII核酸に対して相補性であり、動物にてTGレベルを下げ、及び/又はHDLレベルを上げる。特定の実施形態では、ApoCIII核酸は配列番号1、配列番号2又は配列番号4のいずれかである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は100%相補性である。
【0209】
特定の実施形態では、動物はヒトである。
【0210】
特定の実施形態では、循環器疾患は動脈瘤、狭心症、不整脈、アテローム性硬化症、脳血管疾患、冠動脈心疾患、高血圧症、脂肪異常症、高脂質血症、高トリグリセリド血症及び高コレステロール血症である。特定の実施形態では、脂肪異常症は高トリグリセリド血症又は乳糜血症(たとえば、FCS)である。特定の実施形態では、代謝性疾患は糖尿病、肥満又はメタボリックシンドロームである。
【0211】
特定の実施形態では、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物には膵炎のリスクがある。特定の実施形態では、肝臓及び/又は小腸におけるApoCIIIのレベルを下げることが膵炎を防ぐ。特定の実施形態では、TGレベルを下げ、HDLレベルを上げ、TGのHDLに対する比を改善することが膵炎を防ぐ。
【0212】
特定の実施形態では、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて肝臓及び/又は小腸におけるApoCIIIのレベルを下げることが食後TGのクリアランスを高める。特定の実施形態では、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することがフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて食後TGのクリアランスを高める。特定の実施形態では、肝臓及び/又は小腸におけるApoCIIIのレベルを下げることがフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて食後トリグリセリドを下げる。特定の実施形態では、HDLレベルを上げ、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することが食後TGを下げる。
【0213】
特定の実施形態では、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて肝臓及び/又は小腸におけるApoCIIIのレベルを下げることがTGのHDLに対する比を改善する。
【0214】
特定の実施形態では、化合物は非経口で投与される。さらなる実施形態では、非経口投与は皮下投与である。
【0215】
特定の実施形態では、化合物は第2の剤又は治療法と同時投与される。特定の実施形態では、第2の剤は、ApoCIII低下剤、ApoC−II低下剤、DGAT1低下剤、LPL上昇剤、コレステロール低下剤、非HDL脂質低下剤、LDL低下剤、TG低下剤、コレステロール低下剤、HDL上昇剤、魚油、ナイアシン(ニコチン酸)、フィブラート、スタチン、DCCR(ジアゾオキシドの塩)、グルコース低下剤、又は抗糖尿病剤である。特定の実施形態では、第2の治療法は食事脂肪制限である。
【0216】
特定の実施形態では、ApoCIII低下剤には第1の剤とは異なるApoCIIIアンチセンスオリゴヌクレオチド、フィブラート又はApoBアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0217】
特定の実施形態では、DGAT1低下剤はLCQ908である。
【0218】
特定の実施形態では、LPL上昇剤には、LPLのレベルを上昇させる遺伝子治療剤(たとえば、グリベラ(登録商標)、ApoC−II、GPIHBP1、APOA5、LMF1の正常コピー、変異すると機能不全のLPLをもたらすことができる他の遺伝子)が挙げられる。
【0219】
特定の実施形態では、グルコース低下剤及び/又は抗糖尿病剤には、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ(IV)阻害剤、GLP−1類似体、インスリン又はインスリン類似体、インスリン分泌促進剤、SGLT2阻害剤、ヒトのアミリン類似体、ビグ
アニド、α−グルコシダーゼ阻害剤、メトフォルミン、スルホニル尿素、ロシグリタゾン、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤等が挙げられるが、これらに限定されない。スルホニル尿素はアセトメキサミド、クロロプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、又はグリクラジドであることができる。メグリチニドはナテグリニド又はレパグリニドであることができる。チアゾリジンジオンはピオグリタゾン又はロシグリタゾンであることができる。α−グルコシダーゼはアカルボース又はミグリトールであることができる。
【0220】
特定の実施形態では、コレステロール低下剤又は脂質低下剤には、スタチン、胆汁酸分泌促進剤、ニコチン酸及びフィブラートが挙げられるが、これらに限定されない。スタチンはアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、及びシムバスタチンであることができる。胆汁酸分泌促進剤は、コレセベラム、コレスチラミン、コレスチロポール等であることができる。フィブラートはゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート等であることができる。治療上のライフスタイルの変化は食物脂肪の制限であることができる。
【0221】
特定の実施形態では、HDL上昇剤にはコレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害薬剤(たとえば、トルセトラピブ)、ペルオキシソーム増殖活性化受容体アゴニスト、Apo−A1、ピオグリタゾン等が挙げられる。
【0222】
特定の実施形態では、化合物と第2の剤は同時に又は順次投与される。
【0223】
特定の実施形態では、化合物は塩の形態である。さらなる実施形態では、化合物はさらに薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤を含む。
【0224】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDを治療する、予防する、遅滞させる又は改善するための薬物の調製にて使用するためにApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物を提供する。
【0225】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてApoCIIIのレベルを下げるための薬物の調製におけるApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。特定の実施形態では、ApoCIIIのレベルは肝臓又は小腸にて低下する。
【0226】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げる、HDLレベルを上げる、及び/又はTGのHDLに対する比を改善するための薬物の調製におけるApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0227】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げる、HDLレベルを上げる、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって循環器疾患又は代謝性疾患の少なくとも1つの症状を予防する、治療する、改善する又は軽減するための薬物の調製におけるApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0228】
特定の実施形態は、膵炎のリスクがある又は膵炎を有するフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物を治療するための薬物の調製におけるApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0229】
特定の実施形態では、薬物の調製で使用されるApoCIII特異的な阻害剤はApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子又は他の剤である。特定の実施形態では、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも100%相補性である。
【0230】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDを治療する、予防する、遅滞させる又は改善するのに使用するためのApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物を提供する。
【0231】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてApoCIIIのレベルを下げるためのApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。特定の実施形態では、ApoCIIIのレベルは肝臓又は小腸で低下する。
【0232】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げる、HDLレベルを上げる、及び/又はTGのHDLに対する比を改善するためのApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0233】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げる、HDLレベルを上げる、及び/又はTGのHDLに対する比を改善することによって循環器疾患の少なくとも1つの症状を予防する、治療する、改善する又は軽減するためのApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0234】
特定の実施形態は、膵炎のリスクがある又は膵炎を有するフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物を治療するためのApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物の使用を提供する。
【0235】
特定の実施形態では、使用されるApoCIII特異的な阻害剤は、ApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子又は他の剤である。特定の実施形態では、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも100%相補性である。
【0236】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げること;フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLレベルを上げること及び/又はTGのHDLに対する比を改善すること;フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態、又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善すること;及び/又はフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善することにおける使用のためのApoCIII特異的な阻害剤を含む組成物を提供する。特定の実施形態では、ApoCIII特異的な阻害剤は、ApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子又は他の剤である。特定の実施形態では、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも100%相補性である。
【0237】
特定の実施形態は、フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてTGレベルを下げる;フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLレベルを上げる及び/又はTGのHDLに対する比を改善する;フレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態、又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する;及び/又はフレドリクソンI型の脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善するためのApoCIII特異的な阻害剤を含む組成物を提供する。特定の実施形態では、ApoCIII特異的な阻害剤は、ApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子又は他の剤である。特定の実施形態では、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドはISIS304801(配列番号3)の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、修飾されたオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2又は配列番号4に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも100%相補性である。
【0238】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣体、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。オリゴマー化合物が標的核酸に対して「アンチセンス」でありうるということは、それが水素結合を介して標的核酸とのハイブリッド形成を受けることが可能であることを意味する。
【0239】
本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、水素結合を介して標的核酸とのハイブリッド形成を受けることが可能であるオリゴマー化合物を指す。アンチセンス化合物の例には、たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA及びmiRNAのような一本鎖及び二本鎖の化合物が挙げられる。
【0240】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、5’から3’方向に記述する際、それが向けられる標的核酸の標的断片の逆相補体を含む核酸塩基配列を有する。そのような特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’方向に記述する際、それが向けられる標的核酸の標的断片の逆相補体を含む核酸塩基配列を有する。
【0241】
特定の実施形態では、ApoCIIIの核酸に向けられるアンチセンス化合物は長さ12〜30のヌクレオチドである。言い換えれば、アンチセンス化合物は12〜30の連結された核酸塩基である。他の実施形態では、アンチセンス化合物は、8〜80、10〜80、12〜50、15〜30、18〜24、19〜22、又は20の連結された核酸塩基から成る修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。そのような特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、長さ8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80の、又は上記値の2つによって定義された範囲の連結された核酸塩基から成る修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0242】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は短くした又は切り詰めた修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。短くした又は切り詰めた修飾されたオリゴヌクレオチドは5’末端から欠失させる1以上のヌクレオシド(5’切り詰め)、3’ 末端から欠失させる1以上のヌクレオシド(3’切り詰め)、中央部から欠失させる1以上のヌクレオシドを有することができる。或いは、欠失させるヌクレオシドは修飾されたオリゴヌクレオチド全体にわたって、たとえば、5’末端から欠失させるヌクレオシド1つと3’末端から欠失させるヌクレオシド1つを有するアンチセンス化合物において分散され得る。
【0243】
単一の追加のヌクレオシドが長くしたオリゴヌクレオチドに存在する場合、追加のヌクレオシドはオリゴヌクレオチドの中央部、5’末端又は3’末端に位置し得る。2以上の追加のヌクレオシドが存在する場合、追加のヌクレオシドは、たとえば、オリゴヌクレオチドの中央部、5’末端(5’付加)、又は代わりに3’末端(3’付加)に付加された2つのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドにて互いに隣接し得る。或いは、付加されるヌクレオシドは、アンチセンス化合物全体にわたって、たとえば、5’末端に付加されたヌクレオシド1つと3’末端に付加されたヌクレオシド1つを有するオリゴヌクレオチドにて分散され得る。
【0244】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのようなアンチセンス化合物の長さを増減することが可能であり、及び/又は活性を取り除くことなくミスマッチ塩基を導入することが可能である。たとえば、Woolfら (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7305-7309, 1992)では、卵母細胞注入モデルにて標的RNAの切断を誘導する能力について長さ13〜25の核酸塩基の一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドを調べた。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端近傍で8又は11のミスマッチ塩基を伴う長さ25核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含有しないアンチセンスオリゴヌクレオチドほどではないにしろ、標的mRNAの特異的な切断を指示することができた。同様に、標的特異的な切断は1又は3のミスマッチを伴うものを含めて13核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて達成された。
【0245】
Gautschiら (J. Natl. Cancer Inst. 93:463-471, March 2001)は、bcl−2mRNAに対して100%の相補性を有し、bcl−xLmRNAに対して3のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドの試験管内及び生体内でのbcl−2及びbcl−xL双方の発現を低下させる能力を実証した。さらに、このオリゴヌクレオチドは生体内で強力な抗腫瘍活性を明らかにした。
【0246】
Maher及びDolnick(Nuc. Acid. Res. 16:3341-3358,1988)は、ウサギの網状赤血球アッセイにてヒトのDHFRの翻訳を停止させる能力について、14核酸塩基の一連のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及びそれぞれ2又は3の直列アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列で構成される28及び42の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを調べた。28及び42の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも控えめなレベルではあるが、3種の14核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれは単独で翻訳を阻害することができた。
【0247】
アンチセンス化合物のモチーフ
特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物はパターン又はモチーフで配置された化学的に修飾されたサブユニットを有してアンチセンス化合物に、たとえば、高い阻害活性、標的核酸に対する高い結合親和性、又は生体内のヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性のような特性を付与する。
【0248】
キメラのアンチセンス化合物は通常、ヌクレアーゼ分解に対する高い抵抗性、高い細胞取り込み、標的核酸に対する高い結合親和性、及び/又は高い阻害活性を付与するように修飾される少なくとも1つの領域を含有する。キメラのアンチセンス化合物の第2の領域は任意で、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼ、RNA分解酵素Hの基質として役立ち得る。
【0249】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物はキメラのアンチセンス化合物と見なされる。ギャップマーでは、RNA分解酵素Hを支える複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオチドとは化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域間に位置し得る。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ギャップ断片は一般にエンドヌクレアーゼ切断の基質として役立つ一方で、ウイング断片は修飾されたヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーの領域は各異なる領域を含む糖部分の種類によって差別化される。一部の実施形態では、ギャップマーの領域を差別化するのに使用される糖部分の種類には、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシリボヌクレオシド、2’−修飾のヌクレオシド(そのような2’−修飾のヌクレオシドには、とりわけ2’−MOE及び2’−O−CH
3が挙げられ得る)、及び二環式糖で修飾されたヌクレオシド(そのような二環式糖で修飾されたヌクレオシドには4’−(CH2)n−O−2’架橋(n=1又はn=2)を有するものが挙げられ得る)が挙げられる。好ましくは、各異なる領域は均一な糖部分を含む。ウイング/ギャップ/ウイングのモチーフは「X−Y−Z」として記載されることが多く、その際、「X」は5’ウイング領域の長さを表し、「Y」はギャップ領域の長さを表し、「Z」は3’ウイング領域の長さを表す。本明細書で使用されるとき、「X−Y−Z」として記載されるギャップマーはギャップ断片が5’ウイング断片及び3’ウイング断片のそれぞれに直接隣接して位置するような構成を有する。従って、5’ウイング断片とギャップ断片の間又はギャップ断片と3’ウイング断片の間には介在するヌクレオチドは存在しない。本明細書で記載されるアンチセンス化合物のいずれかはギャップマーモチーフを有することができる。一部の実施形態では、X及びZは同一であり;他の実施形態では、それらは異なる。好ましい実施形態では、Yは8〜15の間のヌクレオチドである。X、Y又はZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上のヌクレオチドのいずれかであることができる。従って、ギャップマーには、たとえば、5−10−5、4−8−4、4−12−3、4−12−4、3−14−3、2−13−5、2−16−2、1−18−1、3−10−3、2−10−2、1−10−1、2−8−2、6−8−6、5−8−5、1−8−1、2−6−2、2−13−2、1−8−2、2−8−3、3−10−2、1−18−2又は2−18−2が挙げられるが、これらに限定されない。
【0250】
特定の実施形態では、ウイング/ギャップ又はギャップ/ウイングの構成を有する、すなわち、ギャップマーの構成について上述したようにX−Y又はY−Zの構成を有する「ウイングマー」モチーフとしてのアンチセンス化合物。従って、ウイングマーの構成には、たとえば、5−10、8−4、4−12、12−4、3−14、16−2、18−1、10−3、2−10、1−10、8−2、2−13又は5−13が挙げられるが、これらに限定されない。
【0251】
特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物は5−10−5のギャップマーモチーフを持つ。
【0252】
特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物はギャップ拡大モチーフを有する。
【0253】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
ApoCIIIをコードするヌクレオチド配列には、限定しないで、以下:GENBANK受託番号NM_000040.1(配列番号1として本明細書に組み入れられる)、ヌクレオチド20262640〜20266603から切り詰められたGENBANK受託番号NT_033899.8(配列番号2として本明細書に組み入れられる)及びヌクレオチド6238608〜6242565から切り詰められたGenBank受託番号NT_035088.1(配列番号4として本明細書に組み入れられる)が挙げられる。
【0254】
本明細書に含有される実施例における各配列番号にて示される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合又は核酸塩基に対する修飾とは無関係であることが理解される。そのようなものとして、配列番号によって定義されるアンチセンス化合物は独立して糖部分、ヌクレオシド間結合又は核酸塩基に対する1以上の修飾を含み得る。Isis番号(IsisNo)によって記載されるアンチセンス化合物は核酸塩基とモチーフの組み合わせを示す。
【0255】
特定の実施形態では、標的領域は標的核酸の構造的に定義される領域である。たとえば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロン接合部、コーディング領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、又は他の定義される核酸領域を包含し得る。ApoCIIIについての構造的に定義される領域はNCBIのような配列データベースからの受入番号によって入手することができ、そのような情報は参照によって本明細書に組み入れられる。特定の実施形態では、標的領域は標的領域内の標的断片の1つの5’標的部位から標的領域内の別の標的断片の3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0256】
特定の実施形態では、「標的断片」は核酸内の標的領域のさらに小さい下位部分である。たとえば、標的断片は1以上のアンチセンス化合物が向けられる標的核酸のヌクレオチドの配列であることができる。「5’標的部位」は標的断片の最も5’のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は標的断片の最も3’のヌクレオチドを指す。
【0257】
標的領域は1以上の標的断片を含有し得る。標的領域内の複数の標的断片は重複し得る。或いは、それらは非重複であり得る。特定の実施形態では、標的領域内の標的断片は約300以下のヌクレオチドによって分離される。特定の実施形態では、標的領域内の標的断片は、標的核酸上の約250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、又は10のヌクレオチド、それ以下のヌクレオチド、ほぼそれ以下のヌクレオチド、又は先行する値の2つによって定義される範囲である数のヌクレオチドによって分離される。特定の実施形態では、標的領域内の標的断片は、標的核酸上の5以下又は約5以下のヌクレオチドによって分離される。特定の実施形態では、標的断片は連続する。熟考されるのは、本明細書で列記される5’標的部位又は3’標的部位のいずれかである出発核酸を有する範囲によって定義される標的領域である。
【0258】
標的とすることには、所望の効果が生じるようにアンチセンス化合物がハイブリッド形成する少なくとも1つの標的断片を決定することが含まれる。特定の実施形態では、所望の効果はmRNA標的核酸レベルの低下である。特定の実施形態では、所望の効果は、標的核酸によってコードされるタンパク質のレベルの低下又は標的核酸に関連する表現型の変化である。
【0259】
好適な標的断片は5’UTR、コーディング領域、3’UTR、イントロン、エクソン、又はエクソン/イントロン接合部の中で見いだされ得る。開始コドン又は停止コドンを含有する標的断片も好適な標的断片である。好適な標的断片は、たとえば、開始コドン又は停止コドンのような特定の構造的に定義される領域を特異的に排除し得る。
【0260】
好適な標的断片の決定には、標的核酸の配列のゲノム全体にわたる他の配列との比較が含まれ得る。たとえば、BLASTアルゴリズムを用いて異なる核酸の間で類似性の領域を特定し得る。この比較は、選択される標的核酸以外の配列(すなわち、非標的の又はオフ標的の配列)と非特異的にハイブリッド形成し得るアンチセンス化合物配列の選択を防ぐことができる。
【0261】
活性のある標的領域内のアンチセンス化合物の活性(たとえば、標的核酸のレベルの変化比率によって定義されるような)には変動があり得る。特定の実施形態では、ApoCIIImRNAレベルの低下はApoCIII発現の阻害を示す。ApoCIIIタンパク質のレベルの低下は標的mRNAの発現の阻害を示すことができる。さらに、表現型の変化はApoCIII発現の阻害を示すことができる。たとえば、HDLレベルの上昇、LDLレベルの低下又はTGレベルの低下はApoCIII発現の阻害についてアッセイされ得る表現型の変化のうちである。他の表現型の指標、たとえば、循環器疾患又は代謝性疾患に関連する症状;たとえば、狭心症;胸痛;息切れ;動悸;虚弱;目眩;吐き気;発汗;頻拍;徐脈;不整脈;心房細動;下肢における腫脹;チアノーゼ;倦怠感;失神;顔面の無感覚;四肢の無感覚;筋肉の跛行又は痙攣;腹部の膨満又は発熱も評価され得る。
【0262】
ハイブリッド形成
一部の実施形態では、ハイブリッド形成は本明細書で開示されるアンチセンス化合物とApoCIII核酸との間で生じる。ハイブリッド形成の最も一般的なメカニズムには、核酸分子の相補性の核酸塩基間での水素結合(たとえば、ワトソン/クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーンの水素結合)が関与する。
【0263】
ハイブリッド形成は種々の条件下で起きることができる。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、ハイブリッド形成する核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0264】
配列が標的核酸と特異的にハイブリッド形成可能であるかどうかを決定する方法は当該技術で周知である(Sambrook and Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3
rd Ed., 2001, CSHL Press)。特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物はApoCIII核酸と特異的にハイブリッド形成可能である。
【0265】
相補性
アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が標的核酸の相当する核酸塩基と水素結合する場合、アンチセンス化合物と標的核酸は互いに相補性であるので、所望の効果(たとえば、ApoCIII核酸のような標的核酸のアンチセンス阻害)が生じる。
【0266】
アンチセンス化合物は、介在する又は隣接する断片がハイブリッド形成事象に関与しない(たとえば、ループ構造、ミスマッチ又はヘアピン構造)ように、ApoCIII核酸の1以上の断片にわたってハイブリッド形成し得る。
【0267】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物、又はその特定されたタンパク質は、ApoCIII核酸、その標的領域、標的断片、又は特定されたタンパク質に対して70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%、又は少なくともその比率で相補性である。標的核酸とのアンチセンス化合物
の相補性比率は日常の方法を用いて決定することができる。
【0268】
たとえば、アンチセンス化合物の20核酸塩基のうち18が標的領域に対して相補性であるので、特異的にハイブリッド形成するアンチセンス化合物は90%の相補性を表す。この例では、残りの非相補性の核酸塩基は相補性の核酸塩基とクラスター形成してもよく又はそれに散りばめられてもよく、互いに又は相補性の核酸塩基に隣接する必要はない。そのようなものとして、標的核酸との完全な相補性の2つの領域に隣接される4つの非相補性の核酸塩基を有する長さ18核酸塩基であるアンチセンス化合物は標的核酸との77.8%の全体的な相補性を有するので、本発明の範囲内に入る。標的核酸の領域とのアンチセンス化合物の相補性比率は当該技術で既知のBLASTプログラム(基本的な区域配列比較探索ツール)及びPowerBLAST(Altschul ら., J. Mol. Biol., 1990, 215, 403 410; Zhang and Madden, Genome Res., 1997, 7, 649 656)を用いて日常的に決定することができる。相同性比率、配列の同一性又は相補性は、Smith及びWaterman(Adv. Appl. Math., 1981, 2, 482-489)のアルゴリズムを使用する、初期設定を用いた、たとえば、ギャッププログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, Madison Wis.)によって決定することができる。
【0269】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物又はその特定された部分は、標的核酸又はその特定された部分に対して完全に相補性(すなわち、100%相補性)である。たとえば、アンチセンス化合物は、ApoCIII核酸、又はその標的領域、又はその標的断片、又はその標的配列に対して完全に相補性であり得る。本明細書で使用されるとき、「完全に相補性」は、標的核酸の相当する核酸塩基との適正な塩基対合が可能であるアンチセンス化合物の各核酸塩基を意味する。たとえば、20核酸塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に対して完全に相補性である標的核酸の相当する20核酸塩基の部分がある限り、長さ400核酸塩基である標的配列に対して完全に相補性である。完全に相補性は第1と第2の核酸の特定された部分を参照しても使用することができる。たとえば、30核酸塩基のアンチセンス化合物の20核酸塩基の部分が、長さ400核酸塩基である標的配列に対して「完全に相補性である」ことができる。30核酸塩基のオリゴヌクレオチドの20核酸塩基の部分は、各核酸塩基がアンチセンス化合物の20核酸塩基の部分に対して相補性である相当する20核酸塩基の部分を標的配列が有するのであれば、標的配列に対して完全に相補性である。同時に、30核酸塩基のアンチセンス化合物全体は、アンチセンス化合物の残りの10核酸塩基も標的配列に対して相補性であるかどうかに応じて、標的配列に対して完全に相補性であってもよいし、相補性でなくてもよい。
【0270】
非相補性の核酸塩基の位置はアンチセンス化合物の5’末端又は3’末端であることができる。或いは、非相補性の核酸塩基はアンチセンス化合物の内部部分にあることができる。2以上の非相補性の核酸塩基が存在する場合、それらは隣接することができ(すなわち、連結される)、又は非隣接であることができる。一実施形態では、非相補性の核酸塩基はギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウイング断片に位置する。
【0271】
特定の実施形態では、長さ12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20である又はその数字までであるアンチセンス化合物は、たとえば、ApoCIII核酸又はその特定された部分のような標的核酸に比べて4以下、3以下、2以下又は1以下の非相補性の核酸塩基を含む。
【0272】
特定の実施形態では、長さ12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30である又はその数字までであるアンチセンス化合物は、たとえば、ApoCIII核酸又はその特定された部分のような標的核酸に比べて6以下、5以下、4以下、3以下、2以下又は1以下の非相補性の核酸塩基を含む。
【0273】
本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、標的核酸の部分に対して相補性であるものも含む。本明細書で使用されるとき、「部分」は標的核酸の領域又は断片の範囲内での隣接する(すなわち、連結される)核酸塩基の定義された数を指す。「部分」はまたアンチセンス化合物の隣接する核酸塩基の定義された数も指す。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的断片の少なくとも8の核酸塩基の部分に対して相補性である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は標的断片の少なくとも10の核酸塩基の部分に対して相補性である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は標的断片の少なくとも12の核酸塩基の部分に対して相補性である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は標的断片の少なくとも15の核酸塩基の部分に対して相補性である。熟考されるのはまた、標的断片の少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上の核酸塩基の部分又はこれらの値の2つによって定義される範囲の部分に対して相補性であるアンチセンス化合物である。
【0274】
同一性
本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、特定のIsis番号によって表される化合物又はその一部の特定のヌクレオチド配列、配列番号、又は配列に対する定義された同一性比率も有し得る。本明細書で使用されるとき、アンチセンス化合物は、それが同一の核酸塩基の対合能力を有するのであれば、本明細書で開示される配列に対して同一である。たとえば、開示されたDNA配列にてチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシルとチミジン双方がアデニンと対合するのでDNA配列に対して同一であると見なされる。本明細書で開示されるアンチセンス化合物の短くした及び長くした型と同様に本明細書で開示されるアンチセンス化合物と比べて同一ではない塩基を有する化合物も熟考される。同一ではない塩基は互いに隣接してもよいし、又はアンチセンス化合物全体にわたって分散されてもよい。アンチセンス化合物の同一性比率は、それが比べられる配列に比べて同一の塩基対合を有する塩基の数に従って算出される。
【0275】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物又はその一部は、本明細書で開示されるアンチセンス化合物、その配列番号、又はその一部の1以上に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である。
【0276】
修飾
ヌクレオシドは塩基/糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても知られる)部分は普通、複素環塩基部分である。ヌクレオチドはヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むそれらヌクレオシドについて、リン酸基は糖の2’、3’又は5’ヒドロキシル部分に結合することができる。オリゴヌクレオチドは、隣接するヌクレオシドの互いの共有結合を介して形成され、線状の高分子オリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチドの構造の範囲内で、リン酸基は一般にオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成することとされる。
【0277】
アンチセンス化合物に対する修飾は、ヌクレオシド間結合、糖部分又は核酸塩基に対する置換又は変化を包含する。修飾されたアンチセンス化合物は、たとえば、高い細胞への取り込み、核酸標的に対する高い親和性、ヌクレアーゼの存在下での高い安定性又は高い阻害活性のような望ましい特性のために天然の形態より好まれることが多い。
【0278】
化学的に修飾されたヌクレオシドを用いて短くした又は切り詰めたアンチセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸に対する結合親和性を高めることもできる。その結果、そのような化学的に修飾されたヌクレオシドを有する短いアンチセンス化合物で匹敵する結果を得ることができることが多い。
【0279】
修飾されたヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は3’から5’へのホスホジエステル結合である。1以上の修飾された、すなわち、天然に存在しないヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、たとえば、高い細胞への取り込み、核酸標的に対する高い親和性及びヌクレアーゼの存在下での高い安定性のような望ましい特性のために、天然に存在するヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物を超えて選択されることが多い。
【0280】
修飾されたヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子を保持するヌクレオシド間結合と同様にリン原子を有さないヌクレオシド間結合が含まれる。代表的なリン含有のヌクレオシド間結合には、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、及びホスホロチオエートが挙げられるが、これらに限定されない。リン含有の及びリン非含有のヌクレオシド間結合を調製する方法は周知である。
【0281】
特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物は1以上の修飾されたヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、修飾されたヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0282】
修飾された糖部分
本発明のアンチセンス化合物は糖基が修飾されている1以上のヌクレオシドを任意で含有することができる。そのような糖が修飾されたヌクレオシドはアンチセンス化合物に高いヌクレアーゼ安定性、高い結合親和性又は何らかの有益な生物特性を付与し得る。特定の実施形態では、ヌクレオシドは化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学的に修飾されたリボフラノース環の例には、限定しないで、置換基(5’及び2’の置換基、二環式核酸(BNA)を形成するための非生殖系列環原子の架橋、リボシル環の酸素原子のS、N(R)、又はC(R
1)(R
2)による置換(R、R
1及びR
2はそれぞれ独立してH、C
1−C
12アルキル又は保護基である)を含む)の付加及びそれらの組み合わせが挙げられる。化学的に修飾された糖の例には、2’−F−5’−メチルで置換されたヌクレオシド(他の開示された5’,2’−ビスで置換されたヌクレオシドのために8/21/08に公開されたPCT国際出願WO2008/101157を参照)又は2’位でさらなる置換を伴うSによるリボシル環の酸素原子の置換(2005年6月16日に公開された公開された米国特許出願US2005−0130923を参照)又は代わりに、BNAの5’−置換(たとえば、5’−メチル基又は5’−ビニル基でLNAが置換される、11/22/07に公開されたPCT国際出願WO 2007/134181を参照)が挙げられる。
【0283】
修飾された糖部分を有するヌクレオシドの例には、限定しないで、5’−ビニル、5’−メチル(R又はS)、4’−S、2’−F、2’−OCH
3、2’−OCH
2CH
3、2’−OCH
2CH
2F及び2’−O(CH
2)
2OCH
3の置換基を含むヌクレオシドが挙げられる。2’位での置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C
1−C
10アルキル、OCF
3、OCH
2F、O(CH
2)
2SCH
3、O(CH
2)
2−O−N(R
m)(R
n)、O−CH
2−C(=O)−N(R
m)(R
n)、及びO−CH
2−C(=O)−N(R
l)−(CH
2)
2−N(R
m)(R
n)からも選択することができ、その際、各R
l、R
m及びR
nは独立してH又は置換された又は非置換のC
1−C
10アルキルである。
【0284】
本明細書で使用されるとき、「二環式のヌクレオシド」は二環式の糖部分を含む修飾されたヌクレオシドを指す。二環式核酸(BNA)の例には、限定しないで、4’と2’のリボシル環原子間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、架橋が式:4’−(CH
2)−O−2’(LNA);4’−(CH
2)−S−2’;4’−(CH
2)
2−O−2’(ENA);4’−CH(CH
3)−O−2’及び4’−C-H(CH
2OCH
3)−O−2’(及びその類似
体、2008年7月15日に発行された米国特許第7,399,845号を参照);4’−C(CH
3)(CH
3)−O−2’(及びその類似体、2009年1月8日に公開されたWO/2009/006478として公開されたPCT/US2008/068922を参照);4’−CH
2−N(OCH
3)−2’(及びその類似体、2008年12月11日に公開されたWO/2008/150729として公開されたPCT/US2008/064591を参照);4’−CH
2−O−N(CH
3)−2’(2004年9月2日に公開された米国特許出願US2004−0171570を参照);RがH、C
1−C
12アルキル、又は保護基である4’−CH
2−N(R)−O−2’(2008年9月23日に発行された米国特許第7,427,672号を参照);4’−CH
2−C(H)(CH
3)−2’(Chattopadhyayaら、J.Org.Chem.、2009、74、118−134を参照);及び4’−CH
2−C-(=CH
2)−2’(及びその類似体、2008年12月8日に公開されたWO 2008/154401として公開されたPCT/US2008/066154を参照)の1つを含む1以上のBNAヌクレオシドを含む。
【0285】
さらなる二環式ヌクレオシドは公開された文献(たとえば、Srivastava ら., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(26) 8362-8379; Frieden ら., Nucleic Acids Research, 2003, 21, 6365-6372; Elayadi ら., Curr. Opinion Invens. Drugs, 2001, 2, 558-561; Braasch ら., Chem. Biol., 2001, 8, 1-7; Orum ら., Curr. Opinion Mol. Ther., 2001, 3, 239-243; Wahlestedt ら., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 2000, 97, 5633-5638; Singh ら., Chem. Commun., 1998, 4, 455-456; Koshkin ら., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630; Kumar ら., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222; Singh ら., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039;米国特許第7,399,845号;同第7,053,207号;同第7,034,133号;同第6,794,499号;同第6,770,748号;同第6,670,461号;同第6,525,191号;同第6,268,490号;米国特許公開番号:US2008−0039618;US2007−0287831;US2004−0171570;米国特許出願、出願番号:12/129,154;61/099,844;61/097,787;61/086,231;61/056,564;61/026,998;61/026,995;60/989,574;国際出願WO2007/134181;WO2005/021570;WO2004/106356;WO 94/14226;及びPCT国際出願番号:PCT/US2008/068922;PCT/US2008/066154;及びPCT/US2008/064591を参照)にて報告されている。たとえば、α−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースを含む1以上の立体化学糖構造を有する前述の二環式ヌクレオシドのそれぞれを調製することができる(1999年3月25日にWO99/14226として公開されたPCT国際出願PCT/DK98/00393を参照)。
【0286】
本明細書で使用されるとき、「単環式ヌクレオシド」は二環式糖部分ではない修飾された糖部分を含むヌクレオシドを指す。特定の実施形態では、ヌクレオシドの糖部分又は糖部分類似体は任意の位置で修飾されてもよいし、又は置換されてもよい。
【0287】
本明細書で使用されるとき、「4’−2’二環式ヌクレオシド」又は「4’から2’の二環式ヌクレオシド」は、糖環の2’炭素原子と4’炭素原子を接続するフラノース環の2つの炭素原子を接続する架橋を含むフラノース環を含む二環式ヌクレオシドを指す。
【0288】
特定の実施形態では、BNAヌクレオシドの二環式の糖部分には、限定しないで、−[C(R
a)(R
b)]
n−、−C(R
a)=C(R
b)−、−C(R
a)=N−、−C(=NR
a)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R
a)
2−、−S(=O)
x−、及び−N(R
a)−から独立して選択される1の又は1〜4の連結基を含むペントフラノシル糖部分の4’と2’の炭素原子の間の少なくとも1つの架橋を含む化合物があげられるが、これらに限定されず;式中、xは0、1又は2であり;nは1、2、3、又は4であり;R
a及びR
bはそれぞれ独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されC
2−C
12アルキニル、C
5−C
20アリール、置換されたC
5−C
20アリール、複素環ラジカル、置換された複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C
5−C
7脂環式ラジカル、置換されたC
5−C
7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ
1、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、COOJ
1、アシル(C(=O)−H)、置換されたアシル、CN、スルホニル(S(=O)
2−J
1)、又はスルホキシル(S(=O)−J
1)であり;並びにJ
1及びJ
2はそれぞれ独立して、H、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
5−C
20アリール、置換されたC
5−C
20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換されたアシル、複素環ラジカル、置換された複素環ラジカル、C
1−C
12アミノアルキル、置換されたC
1−C
12アミノアルキル又は保護基である。
【0289】
特定の実施形態では、二環式の糖部分の架橋は、−[C(R
a)(R
b)]
n−、−[C(R
a)(R
b)]
n−O−、−C(R
aR
b)−N(R)−O−又は−C(R
aR
b)−O−N(R)−である。特定の実施形態では、架橋は、4’−CH
2−2’、 4’−(CH
2)
2−2’、4’−(CH
2)
3−2’、4’−CH
2−O−2’、4’−(CH
2)
2−O−2’、4’−CH
2−O−N(R)−2’及び4’−CH
2−N(R)−O−2’−であり、式中、Rはそれぞれ独立してH、保護基又はC
1−C
12アルキルである。
【0290】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは異性体の立体配置によってさらに定義される。たとえば、4’−(CH
2)−O−2’架橋を含むヌクレオシドはα−L−立体配置又はβ−D−立体配置であり得る。以前、α−L−メチレンオキシ(4’−(CH
2)−O−2’)BNAがアンチセンス活性を示したアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み入れられている(Frieden ら., Nucleic Acids Research, 2003, 21, 6365-6372)。
【0291】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドには4’から2’の架橋を有するものが挙げられ、そのような架橋には、限定しないでα−L−4’−(CH
2)−O−2’、β−D−4’−CH
2−O−2’、4’−(CH
2)
2−O−2’、4’−CH
2−O−N(R)−2’、4’−CH
2−N(R)−O−2’、4’−CH(CH
3)−O−2’、4’−CH
2−S−2’、4’−CH
2−N(R)−2’、4’−CH
2−CH(CH
3)−2’、及び4’−(CH
2)
3−2’が挙げられ、式中、RはH、保護基又はC
1−C
12アルキルである。
【0292】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式:
【化1】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり:
−Q
a−Q
b−Q
c−は、−CH
2−N(R
c)−CH
2−、−C(=O)−N(R
c)−CH
2−、−CH
2−O−N(R
c)−、−CH
2−N(R
c)−O−又は−N(R
c)−O−CH
2であり;
R
cはC
1−C
12アルキル又はアミノ保護基であり;および
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合である。
【0293】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式
【化2】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合であり;
Z
aはC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換されたC
1−C
6アルキル、置換されたC
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルキニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミド、チオール又は置換されたチオールである。
【0294】
一実施形態では、置換された基のそれぞれは独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ
c、NJ
cJ
d、SJ
c、N
3、OC(=X)J
c、及びNJ
eC(=X)NJ
cJ
dから独立して選択される置換基によって一置換され、又は多置換され、その際、J
c、J
d及びJ
eは独立して、H、C
1−C
6アルキル、又は置換されたC
1−C
6アルキルであり、XはO、又はNJ
cである。
【0295】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式
【化3】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合であり;
Z
bはC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換されたC
1−C
6アルキル、置換されたC
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルキニル又は置換されたアシル(C(=O)−)である。
【0296】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式
【化4】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合であり;
R
dはC
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
q
a、q
b、q
c及びq
dは独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、アシル、置換されたアシル、C
1−C
6アミノアルキル又は置換されC
1−C
6アミノアルキルである。
【0297】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式
【化5】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合であり;
q
a、q
b、q
e及びq
fはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
1−C
12アルコキシ、置換されたC
1−C
12アルコキシ、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJ
j、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O−C(=O)-NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=
O)-NJ
jJ
k若しくはN(H)C(=S)NJ
jJ
kであり;
又はq
e及びq
fは一緒に=C(q
g)(q
h)であり;
q
g及びq
hはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
12アルキル若しくは置換されたC
1−C
12アルキルである。
【0298】
4’−CH
2−O−2’架橋を有するアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン及びウラシルの二環式ヌクレオシドの合成及び調製は、そのオリゴマー化及び核酸の認識特性と共に記載されている(Koshkin ら., Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630)。二環式ヌクレオシドの合成はWO98/39352及びWO99/14226
においても記載されている。
【0299】
4’−CH
2−O−2’及び4’−CH
2−S−2’のような4’から2’の架橋基を有する種々の二環式ヌクレオシドの類似体も調製されている(Kumar ら., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222)。核酸ポリメラーゼの基質として使用するための二環式ヌクレオシドを含むオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖の調製も記載されている(Wengel ら., WO 99/14226)。さらに、立体構造上制約された高親和性のオリゴヌクレ
オチド類似体である2’−アミノ−BNAの合成は当該技術で記載されている(Singh ら., J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039)。加えて、2’−アミノ−BNA及び2’
−メチルアミノ−BNAが調製され、相補性のRNA鎖及びDNA鎖とのその二本鎖の熱安定性が以前報告されている。
【0300】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドは式
【化6】
を有し、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
a及びT
bはそれぞれ独立してH、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分又は支持媒体への共有結合であり;
q
i、q
j、q
k及びq
lはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
1−C
12アルコキシ、置換されたC
1−C
12アルコキシ、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJ
j、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O−C(=O)-NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=
O)-NJ
jJ
k又はN(H)C(=S)NJ
jJ
kであり;及び
q
iとq
j又はq
lとq
kは一緒に=C(q
g)(q
h)であり、その際、q
g及びq
hはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
12アルキル又は置換されたC
1−C
12アルキルである。
【0301】
4’−(CH
2)
3−2’架橋及びアルケニル類似体の架橋4’−CH=CH−CH
2−2’を有するカルボン酸二環式ヌクレオシドが1つ記載されている(Frier ら., Nucleic Acids Research, 1997, 25(22), 4429-4443およびAlbaek ら., J. Org. Chem., 2006,
71, 7731-7740)。カルボン酸二環式ヌクレオシド類似体の合成及び調製もそのオリゴマー化及び生化学試験と共に記載されている(Srivastava ら., J. Am. Chem. Soc. 2007, 129(26), 8362-8379)。
【0302】
特定の実施形態では、二環式ヌクレオシドには、以下に描かれるように(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH
2)
2−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH
2−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH
2−N(R)−O−2’)BNA、(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH
3)−O−2’)BNA(制約されたエチル又はcEtとも言われる)、(G)メチレン−チオ(4’−CH
2−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH
2−N(R)−2’)BNA、(I)メチルカルボン酸(4’−CH
2−CH(CH
3)−2’)BNA、(J)プロピレンカルボン酸(4’−(CH
2)
3−2’)BNA、及び(K)ビニルBNAが挙げられるが、これらに限定されない。
【化7】
式中、Bxは塩基部分であり、Rは独立してH、保護基、C
1−C
6アルキル又はC
1−C
6アルコキシである。
【0303】
本明細書で使用されるとき、用語「修飾されたテトラヒドロピランヌクレオシド」又は「修飾されたTHPヌクレオシド」は正常なヌクレオシドにおけるペントフラノシル残基について置換された6員環のテトラヒドロピラン「糖」を有するヌクレオシドを意味し、糖代替物と呼ぶことができる。修飾されたTHPヌクレオシドには、以下で説明されるようなテトラヒドロピラン環系を有する当該技術でヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マニトール核酸(MNA)(Leumann, Bioorg. Med. Chem., 2002, 10, 841-854を参照)又はフルオロHNA(F−HNA)と呼ばれるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【化8】
【0304】
特定の実施形態では、式
【化9】
を有する糖代替物が選択され、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
T
3及びT
4はそれぞれ独立してオリゴマー化合物にテトラヒドロピランヌクレオシド類似体を連結するヌクレオシド間結合であり、又はT
3及びT
4の一方がオリゴマー化合物若しくはオリゴヌクレオチドにテトラヒドロピランヌクレオシド類似体を連結するヌクレオシド間結合であり、T
3及びT
4の他方はH、ヒドロキシル保護基、連結された共役基若しくは5’若しくは3’末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7はそれぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
R
1及びR
2の一方が水素であり、他方はハロゲン、置換された又は非置換のアルコキシ、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、OC(=X)J
1、OC(=X)NJ
1J
2、NJ
3C(=X)NJ
1J
2及びCNから選択され、その際、XはO、S又はNJ
1であり、J
1、J
2及びJ
3はそれぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。
【0305】
特定の実施形態では、q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7はそれぞれHである。特定の実施形態では、q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7の少なくとも1つはH以外である。特定の実施形態では、q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7の少なくとも1つはメチルである。特定の実施形態では、R
1及びR
2の一方がFであるTHPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、R
1がフルオロであり、R
2がHであり;R
1がメトキシであり、R
2がHであり;及びR
1がメトキシエトキシであり、R
2がHである。
【0306】
特定の実施形態では、糖代替物は5を超える原子を有し、1を超えるヘテロ原子を有する環を含む。たとえば、モルフォリノ糖部分を含むヌクレオシドとオリゴマー化合物におけるその使用が報告されている(たとえば、Braasch ら., Biochemistry, 2002, 41, 4503-4510;およびU.S. Patents 5,698,685; 5,166,315; 5,185,444;および5,034,506を参照)。本明細書で使用されるとき、用語「モルフォリノ」は以下の式
【化10】
を有する糖代替物を意味する。特定の実施形態では、上記のモルフォリノ構造から種々の置換基を付加する又は変えることによってモルフォリノは修飾され得る。そのような糖代替物は本明細書では「修飾されたモルフォリノ」と呼ばれる。
【0307】
限定しないで、たとえば、2’−F−5’−メチル置換されたヌクレオシド(他の開示された5’,2’−ビス置換されたヌクレオシドのための8/21/08に公開されたPCT国際出願WO2008/101157を参照)及びSによるリボシル環の酸素原子の置き換え及び2’−位でのさらなる置換(2005年6月16日に公開された米国特許出願US2005−0130923を参照)又は代わりに、二環式核酸の5’−置換(4’−CH
2−O−2’二環式核酸が5’−位にて5’−メチル基又は5’−ビニル基によってさらに置換される11/22/07に公開されたPCT国際出願WO2007/134181を参照)のような修飾の組み合わせも提供される。カルボン酸二環式ヌクレオシドの合成及び調製もそのオリゴマー化及び生化学試験と共に記載されている(Srivastava ら., J. Am. Chem. Soc. 2007, 129(26), 8362-8379を参照)。
【0308】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、天然に存在するヌクレオシドにおけるペントフラノシル残基の代わりに6員環のシクロヘキセニルを有するヌクレオシドである1以上の修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドを含む。修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドには、当該技術で記載されたもの(たとえば、一般に所有され、公開された、2010年4月10日に公開されたPCT出願WO2010/036696、Robeyns ら., J. Am. Chem. Soc., 2008, 130(6), 1979-1984; Horvath ら., Tetrahedron Letters, 2007, 48, 3621-3623; Nauwelaerts ら., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129(30), 9340-9348; Gu ら.,, Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 2005, 24(5-7), 993-998; Nauwelaerts ら., Nucleic Acids Research, 2005, 33(8), 2452-2463; Robeyns ら., Acta Crystallographica, Section F: Structural Biology and Crystallization Communications, 2005, F61(6), 585-586; Gu ら., Tetrahedron, 2004, 60(9), 2111-2123; Gu ら., Oligonucleotides, 2003, 13(6), 479-489; Wang ら., J. Org. Chem.,2003, 68, 4499-4505; Verbeure ら., Nucleic Acids Research, 2001, 29(24), 4941-4947; Wang ら., J. Org. Chem., 2001, 66, 8478-82; Wang ら., Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 2001, 20(4-7), 785-788; Wang ら., J. Am. Chem., 2000, 122, 8595-8602;公開されたPCT出願WO06/047842;及び公開されたPCT出願WO01/049687;それぞれの本文はその全体が参照によって本明細書に組み入れられる)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の修飾されたシクロヘキセニルヌクレオシドは式X
【化11】
を有し、
式中、式Xの前記少なくとも1つのシクロヘキセニルヌクレオシド類似体のそれぞれについて独立して
Bxは複素環塩基部分であり;
T
3及びT
4はそれぞれ独立してアンチセンス化合物にシクロヘキセニルヌクレオシド類似体を連結するヌクレオシド間結合であり、又はT
3及びT
4の一方がアンチセンス化合物にテトラヒドロピランヌクレオシド類似体をを連結するヌクレオシド間結合であり、T
3及びT
4の他方はH、ヒドロキシル保護基、連結された共役基若しくは5’若しくは3’末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6、q
7、q
8及びq
9はそれぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニル又は他の糖置換基である。
【0309】
多数の他の単環式、二環式及び三環式の環系が当該技術で既知であり、本明細書で提供されるオリゴマー化合物への組み入れのためにヌクレオシドを修飾するのに使用することができる糖代替物として好適である(たとえば、総説:Leumann, Christian J. Bioorg. & Med. Chem., 2002, 10, 841-854を参照)。そのような環系は種々の追加の置換を受け、さらにその活性を高めることができる。
【0310】
本明細書使用されるとき、「2’−修飾された糖」は2’位で修飾されたフラノシル糖
を意味する。特定の実施形態では、そのような修飾には、ハロゲン化合物、置換された及び非置換のアルコキシ、置換された及び非置換のチオアルキル、置換された及び非置換のアルキル、置換された及び非置換のアルキル、置換された及び非置換のアリル、及び置換された及び非置換のアルキニルを含むが、これらに限定されないものから選択される置換基が挙げられる。特定の実施形態では、2’−修飾は、nが1〜約10であるO[(CH
2)
nO]
mCH
3、O(CH
2)
nNH
2、O(CH
2)
nCH
3、O(CH
2)
nF、O(CH
2)
nONH
2、OCH
2C(=O)N(H)CH
3及びO(CH
2)
nON[(CH
2)
nCH
3]
2を含むが、これらに限定されない置換基から選択される。他の2’−置換基は、C
1−C
12アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル又はO−アラルキル、SH、SCH
3、OCN、Cl、Br、CN、F、CF
3、OCF
3、SOCH
3、SO
2CH
3、ONO
2、NO
2、N
3、NH
2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリ-アルキルアミノ、置換されたシリル、RNA切断基、レポーター基、挿入剤、アンチセンス化合物の薬物動態特性を改善する基又は薬物力学特性を改善する基、及び類似の特性を有する他の置換基からも選択することができる。特定の実施形態では、修飾されたヌクレオシドは2’−MOE側鎖を含む(Baker ら., J. Biol. Chem., 1997,
272, 11944-12000)。そのような2’−MOE置換は、未修飾のヌクレオシド、及び2
’−O−メチル、O−プロピル及びO−アミノプロピルのような他の修飾されたヌクレオシドと比べて改善された結合親和性を有するとして記載されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドは生体内の使用での有望な特徴を伴った遺伝子発現のアンチセンス阻害剤であることが示されている(Martin, Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 486-504; Altmann ら., Chimia, 1996, 50, 168-176; Altmann ら., Biochem. Soc. Trans., 1996, 24, 630-637;およびAltmann ら., Nucleosides Nucleotides, 1997, 16, 917-926)。
【0311】
本明細書で使用されるとき、「2’−修飾された」又は「2’−置換された」はH又はOH以外の2’位で置換基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。2’−修飾されたヌクレオシドには、糖環の2つの炭素原子を接続する架橋が2’炭素と糖環の別の炭素を接続する二環式ヌクレオシド、及びたとえば、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C
1−C
10アルキル、−OCF
3、O−(CH
2)
2−O−CH
3、2’−O(CH
2)
2SCH
3、O−(CH
2)
2−O−N(R
m)(R
n)、又はO−CH
2−C(=O)−N(R
m)(R
n)のような非架橋性の2’置換基を持つヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されず、R
m及びR
nはそれぞれ独立してH又は置換された又は非置換のC
1−C
10アルキルである。2’−修飾されたヌクレオシドはさらに、たとえば、糖及び/又は核酸塩基の他の位置での他の修飾を含み得る。
【0312】
本明細書で使用されるとき、「2’−F」は糖環の2’位でフルオロ基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0313】
本明細書で使用されるとき、「2’−OMe」又は「2’−OCH
3」、「2’−O−メチル」又は「2’−メトキシ」はそれぞれ、糖環の2’位で−OCH
3基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0314】
本明細書で使用されるとき、「MOE」又は「2’−MOE」又は「2’−OCH
2CH
2OCH
3」又は「2’−O−メトキシエチル」はそれぞれ糖環の2’位で−OCH
2CH
2OCH
3基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0315】
修飾された糖の調製方法は当業者に周知である。そのような修飾された糖の調製を教示する一部の代表的な米国特許には、限定しないで、米国特許第4,981,957号;同第5,118,800号;同第5,319,080号;同第5,359,044号;同第5,393,878号;同第5,446,137号;同第5,466,786号;同第5,514,785号;同第5,519,134号;同第5,567,811号;同第5,576,427号;同第5,591,722号;同第5,597,909号;同第5,610,300号;同第5,627,053号;同第5,639,873号;同第5,646,265号;同第5,670,633号;同第5,700,920号;同第5,792,847号及び同第6,600,032及び2005年6月2日に出願され、2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US-2005/019219が挙げられ、そのそれぞれはその全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0316】
本明細書で使用されるとき、「オリゴヌクレオチド」は複数の連結されたヌクレオシドを含む化合物を指す。特定の実施形態では、複数のヌクレオシドの1以上が修飾される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは1以上のリボヌクレオシド(RNA)及び/又はデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0317】
修飾された糖部分を有するヌクレオチドでは、核酸塩基部分(天然の、修飾された、又はその組み合わせ)は適当な核酸標的とのハイブリッド形成のために維持される。
【0318】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は修飾された糖部分を有する1以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾された糖部分は2’−MOEである。特定の実施形態では、2’−MOE修飾されたヌクレオシドはギャップマーモチーフに配置される。特定の実施形態では、修飾された糖部分は(4’−CH(CH
3)−O−2’)架橋基を有する二環式ヌクレオシドである。特定の実施形態では、(4’−CH(CH
3)−O−2’)修飾されたヌクレオシドはギャップマーのウイング全体にわたって配置される。
【0319】
修飾された核酸塩基
核酸塩基(又は塩基)の修飾又は置換は、天然に存在する又は合成の未修飾の核酸塩基とは構造的に区別可能であるが、機能的には相互交換可能である。天然の及び修飾された核酸塩基は双方とも水素結合に加わることが可能である。そのような核酸塩基の修飾はヌクレアーゼ安定性、結合親和性又は何らかの他の有益な生物特性をアンチセンス化合物に付与し得る。修飾された核酸塩基には、たとえば、5−メチルシトシン(5−me−C)のような合成の又は天然の核酸塩基が挙げられる。5−メチルシトシン置換を含む特定の核酸塩基の置換は標的核酸に対するアンチセンス化合物の結合親和性を高めるのに特に有用である。たとえば、5−メチルシトシン置換は核酸の二本鎖安定性を0.6〜1.2℃高めることが示されている(Sanghvi, Y.S., Crooke, S.T. and Lebleu, B., eds., Antisense Research and Applications, CRC Press, Boca Raton, 1993, pp. 276-278)。
【0320】
追加の修飾された核酸塩基には、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、ピリミジン塩基の5−プロピニル(−CoC−CH
3)ウラシル及びシトシン及び他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換されたアデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換されたウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン及び3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンが挙げられる。
【0321】
複素環塩基部分は、プリン塩基又はピリミジン塩基が他の複素環、たとえば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン及び2−ピリドンで置き換えられるものを含み得る。アンチセンス化合物の結合親和性を高めるのに特に有用である核酸塩基には、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシンを含む5−置換されたピリミジン、6−アザピリミジン及びN−2、N−6及びO−6置換されたプリンが挙げられる。
【0322】
特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物は1以上の修飾されたヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられるギャップを広げたアンチセンスオリゴヌクレオチドは1以上の修飾された核酸塩基を含む。特定の実施形態では、修飾された核酸塩基は5−メチルシトシンである。特定の実施形態では、各シトシンは5−メチルシトシンである。
【0323】
RNAi化合物
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、二本鎖RNA化合物(小分子干渉RNA又はsiRNAとも呼ばれる)及び一本鎖RNAi化合物(又はssRNA)を含む干渉RNA化合物(RNAi)である。そのような化合物は少なくとも部分的にはRISC経路を介して機能し、標的核酸を分解する及び/又は隔離する(従って、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物を含む)。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はそのようなメカニズムにそれらを特に適合させる修飾を含む。
(i)ssRNA化合物
【0324】
特定の実施形態では、一本鎖RNAi化合物(ssRNA)としての使用に特に適合させたものを含むアンチセンス化合物は修飾された5’末端を含む。そのような特定の実施形態では、5’末端は修飾されたリン酸部分を含む。特定の実施形態では、そのような修飾されたリン酸が安定化される(たとえば、未修飾の5’−リン酸に比べて分解/切断に抵抗性)。特定の実施形態では、そのような5’末端ヌクレオシドは5’−リン部分を安定化する。特定の修飾された5’末端ヌクレオシドは、当該技術、たとえば、WO/2011/139702にて見いだされ得る。
【0325】
特定の実施形態では、ssRNA化合物の5’−ヌクレオシドは式IIc
【化12】
を有し、式中、
T
1は任意で保護されたリン部分であり;
T
2は、式IIcの化合物をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間結合であり;
Aは、式
【化13】
の1つを有し;
Q
1及びQ
2はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、 置換されたC
2−C
6アルキニル又はN(R
3)(R
4)であり;
Q
3はO、S、N(R
5)又はC(R
6)(R
7)であり;
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7はそれぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル又はC
1−C
6アルコキシであり;
M
3はO、S、NR
14、C(R
15)(R
16)、C(R
15)(R
16)C(R
17)(R
18)、C(R
15)=C(R
17)、OC(R
15)(R
16)又はOC(R
15)(Bx
2)であり;
R
14はH、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
R
15、R
16、R
17及びR
18はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
Bx
1は複素環塩基部分であり;
又はBx
2が存在するのであれば、Bx
2が複素環塩基部分であり、Bx
1はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
J
4、J
5、J
6及びJ
7はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
又は、J
4はJ
5又はJ
7の一方と架橋を形成し、その際、前記架橋は、O、S、NR
19、C(R
20)(R
21)、C(R
20)=C(R
21)、C[=C(R
20)(R
21)]及びC(=O)から選択される1〜3の連結されたビラジカル基を含み、J
5、J
6及びJ
7の他の2つはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
R
19、R
20及びR
21はそれぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
GはH、OH、ハロゲン又はO−[C(R
8)(R
9)]
n−[(C=O)
m−X
1]
j−Zであり;
R
8及びR
9はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル又は置換されたC
1−C
6アルキルであり;
X
1はO、S又はN(E
1)であり;
ZはH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換されたC
2−C
6アルキニル又はN(E
2)(E
3)であり;
E
1、E
2及びE
3はそれぞれ独立して、H、C
1−C
6アルキル又は置換されたC
1−C
6アルキルであり;
nは1〜約6であり;
mは0又は1であり;
jは0又は1であり;
各置換された基は、ハロゲン、OJ
1、N(J
1)(J
2)、=NJ
1、SJ
1、N
3、CN、OC(=X
2)J
1、OC(=X
2)-N(J
1)(J
2)及びC(=X
2)N(
J
1)(J
2)から独立して選択される1以上の任意で保護される置換基を含み;
X
2はO、S又はNJ
3であり;
J
1、J
2及びJ
3はそれぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルであり;
jが1である場合、そのとき、Zはハロゲン又はN(E
2)(E
3)以外であり;
前記オリゴマー化合物は8〜40の単量体サブユニットを含み、標的核酸の少なくとも一部とハイブリッド形成可能である。
【0326】
特定の実施形態では、M
3はO、CH=CH、OCH
2又はOC(H)(Bx
2)である。特定の実施形態では、M
3はOである。
【0327】
特定の実施形態では、J
4、J
5、J
6及びJ
7はそれぞれHである。特定の実施形態では、J
4はJ
5又はJ
7の一方と架橋を形成する。
【0328】
特定の実施形態では、Aは式
【化14】
の一方を有し、式中、
Q
1及びQ
2は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ又は置換されたC
1−C
6アルコキシである。特定の実施形態では、Q
1及びQ
2はそれぞれHである。特定の実施形態では、Q
1及びQ
2は、それぞれ独立して、H又はハロゲンである。特定の実施形態では、Q
1及びQ
2はHであり、Q
1及びQ
2の他方はF、CH
3又はOCH
3である。
【0329】
特定の実施形態では、T
1は式
【化15】
を有し、式中、
R
a及びR
cはそれぞれ独立して、保護されたヒドロキシル、保護されたチオール、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、保護されたアミノ又は置換されたアミノであり;
R
bはO又はSである。特定の実施形態では、R
bはOであり、R
a及びR
cはそれぞれ独立して、OCH
3、OCH
2CH
3又はCH(CH
3)
2である。
【0330】
特定の実施形態では、Gはハロゲン、OCH
3、OCH
2F、OCHF
2、OCF
3、OCH
2CH
3、O(CH
2)
2F、OCH
2CHF
2、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−SCH
3、O(CH
2)
2−OCF
3、O(CH
2)
3−N(R
10)(R
11)、O(CH
2)
2−ON(R
10)(R
11)、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(R
10)(R
11)、OCH
2C(=O)−N(R
10)(R
11)、OCH
2C(=O)−N(R
12)−(CH
2)
2−N(R
10)(R
11)又はO(CH
2)
2−N(R
12)−C(=NR
13)[N(R
10)(R
11)]であり、その際、R
10、R
11、R
12及びR
13はそれぞれ独立して、H又はC
1−C
6アルキルである。特定の実施形態では、Gはハロゲン、OCH
3、OCF
3、OCH
2CH
3、OCH
2CF
3、OCH
2−CH=CH
2、O(CH
2)
2−OCH
3、O(CH
2)
2−O(CH
2)
2−N(CH
3)
2、OCH
2C(=O)−N(H)CH
3、OCH
2C(=O)−N(H)−(CH
2)
2−N(CH
3)
2又はOCH
2−N(H)−C(=NH)NH
2である。特定の実施形態では、GはF、OCH
3又はO(CH
2)
2−OCH
3である。特定の実施形態では、GはO(CH
2)
2−O
CH
3である。
【0331】
特定の実施形態では、5’−末端ヌクレオシドは式IIe:
【化16】
を有する。
【0332】
特定の実施形態では、ssRNAに特に好適なものを含むアンチセンス化合物は、定義されたパターン又は糖修飾モチーフにおけるオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置される1以上の種類の修飾された糖部分及び/又は天然に存在する糖部分を含む。そのようなモチーフには、本明細書で議論される糖修飾及び/又は他の既知の糖修飾のいずれかが挙げられ得る。
【0333】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは均一な糖修飾を有する領域を含む又はそれから成る。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドは同一のRNA様の糖修飾を含む。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドは2’−Fヌクレオシドである。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドは2’−OMeヌクレオシドである。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドは2’−MOEヌクレオシドである。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドはcEtヌクレオシドである。特定の実施形態では、領域の各ヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。特定の実施形態では、均一な領域はオリゴヌクレオチドのすべて又は本質的にすべてを構成する。特定の実施形態では、領域は1〜4の末端ヌクレオシドを除いてオリゴヌクレオチド全体を構成する。
【0334】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは交互糖修飾の1以上の領域を含み、ヌクレオシドは第1の型の糖修飾を有するヌクレオチドと第2の型の糖修飾を有するヌクレオチドとの間で交互に存在する。特定の実施形態では、双方の型のヌクレオシドはRNA様のヌクレオシドである。特定の実施形態では、交互ヌクレオシドは、2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA及びcEtから選択される。特定の実施形態では、交互修飾は2’−Fと2’− OMeである。そのような領域は隣接してもよく、又は異なって修飾された又は抱合されたヌクレオシドによって中断されてもよい。
【0335】
特定の実施形態では、交互修飾の交互領域はそれぞれ単一のヌクレオシドから成る(すなわち、パターンは、Aが第1の型の糖修飾を有するヌクレオチドであり、Bが第2の型の糖修飾を有するヌクレオチドである(AB)
xA
yであり;xは1〜20であり、yは0又は1である)。特定の実施形態では、交互モチーフにおける1以上の交互領域にはある型の単一を超えるヌクレオシドが含まれる。たとえば、オリゴヌクレオチドは以下のヌクレオシドモチーフ:
AABBAA;
ABBABB;
AABAAB;
ABBABAABB;
ABABAA;
AABABAB;
ABABAA;
ABBAABBABABAA;
BABBAABBABABAA;又は
ABABBAABBABABAA;
のいずれかの1以上の領域を含んでもよく、その際、Aは第1の型のヌクレオシドであり、Bは第2の型のヌクレオシドである。特定の実施形態では、A及びBはそれぞれ2’−F、2’−OMe、BNA及びMOEから選択される。
【0336】
特定の実施形態では、そのような交互モチーフを有するオリゴヌクレオチドは、式IIc又はIIeのもののような修飾された5‘末端ヌクレオシドも含む。
【0337】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは2−2−3モチーフを有する領域を含む。そのような領域は以下のモチーフ:
−(A)
2−(B)
x−(A)
2−(C)
y−(A)
3−
を含み、その際、Aは第1の型の修飾されたヌクレオシドであり;
B及びCはAとは異なって修飾されるヌクレオシドであるが、B及びCは互いに同一の又は異なる修飾を有してもよく;
x及びyは1〜15である。
【0338】
特定の実施形態では、Aは2’−OMe修飾されたヌクレオシドである。特定の実施形態では、B及びCは双方とも2’−F修飾されたヌクレオシドである。特定の実施形態では、Aは2’−OMe修飾されたヌクレオシドであり、B及びCは双方とも2’−F修飾されたヌクレオシドである。
【0339】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは以下の糖モチーフ:
5’−(Q)−(AB)
xA
y−(D)
z
を有し、その際、Qは安定化されたリン酸部分である。特定の実施形態では、Qは式IIc又はIIeを有するヌクレオシドであり;
Aは第1の型の修飾されたヌクレオシドであり;
Bは第2の型の修飾されたヌクレオシドであり;
Dはそれに隣接するヌクレオシドとは異なる修飾を含む修飾されたヌクレオシドである。従って、yが0であれば、そのとき、DはBとは異なって修飾されねばならず、yが1であれば、そのとき、DはAとは異なって修飾されねばならない。特定の実施形態では、DはA及びBの双方とは異なる。
Xは5〜15であり;
Yは0又は1であり;
Zは0〜4である。
【0340】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは以下の糖モチーフ:
5’−(Q)−(A)
x−(D)
z
を有し、その際、Qは安定化されたリン酸部分である。特定の実施形態では、Qは式IIc又はIIeを有するヌクレオシドであり;
Aは第1の型の修飾されたヌクレオシドであり;
DはAとは異なる修飾を含む修飾されたヌクレオシドであり;
Xは11〜30であり;
Zは0〜4である。
【0341】
特定の実施形態では、上記モチーフにおけるA、B、C及びDは2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA及びcEtから選択される。特定の実施形態では、Dは末端ヌクレオシドを表す。特定の実施形態では、そのような末端ヌクレオシドは、標的核酸とハイブリッド形成するようには設計されない(1以上が偶然ハイブリッド形成するかもしれないが)。特定の実施形態では、標的核酸の相当する位置での核酸塩基の正体にかかわらず、各Dヌクレオシドの核酸塩基はアデニンである。特定の実施形態では、各Dヌクレオシドの核酸塩基はチミンである。
【0342】
特定の実施形態では、ssRNAとして使用するために特に適合させたものを含むアンチセンス化合物は、定義されたパターン又は修飾されたヌクレオシド間結合モチーフにおけるオリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置される修飾されたヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは交互のヌクレオシド間結合モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは均一に修飾されたヌクレオシド間結合の領域を含む。そのような特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドはホスホロチオエートヌクレオシド間結合によって均一に連結される領域を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドはホスホロチオエートヌクレオシド間結合によって均一に連結される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択され、少なくとも1つのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートである。
【0343】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも6のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも8のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも10のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも6の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも8の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも10の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも12の連続するホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定のそのような実施形態では、少なくとも1つのそのようなブロックはオリゴヌクレオチドの3’末端に位置する。特定のそのような実施形態では、少なくとも1つのそのようなブロックはオリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内に位置する。
【0344】
本明細書で記載される種々の糖モチーフのいずれかを有するオリゴヌクレオチドは任意の結合モチーフを有し得る。たとえば、上記で記載されたものを含むが、これらに限定されないオリゴヌクレオチドは以下の非限定の表から選択される結合モチーフを有し得る:
【表1】
(ii)siRNA化合物
【0345】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は二本鎖RNAi化合物(siRNA)である。そのような実施形態では、一方又は双方の鎖がssRNAについて上述した修飾モチーフを含み得る。特定の実施形態では、ssRNA化合物は未修飾のRNAであってもよい。特定の実施形態では、siRNA化合物は未修飾のRNAヌクレオシドを含んでもよいが、修飾されたヌクレオシド間結合を含まない。
【0346】
幾つかの実施形態は、各鎖が1以上の修飾された又は未修飾のヌクレオシドの位置によって定義されるモチーフを含む二本鎖組成物に関する。特定の実施形態では、完全に又は少なくとも部分的にハイブリッド形成して二本鎖領域を形成する第1と第2のオリゴマー化合物を含み、さらに核酸標的に対して相補性であり、それとハイブリッド形成する領域を含む組成物が提供される。そのような組成物が核酸標的に対して完全な又は部分的な相補性を有するアンチセンス化合物である第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴヌクレオチドに対して相補性の1以上の領域を有し、第1のオリゴマー化合物と共に少なくとも1つの二本鎖領域を形成するセンス鎖である第2のオリゴマー化合物を含むことは好適である。
【0347】
幾つかの実施形態の組成物は、核酸標的とハイブリッド形成して正常な機能の喪失を生じることによって遺伝子発現を調節する。一部の実施形態では、標的核酸はApoCIIIである。特定の実施形態では、標的とされたApoCIIIの分解は本発明の組成物と共に形成される活性化されたRISC複合体によって促進される。
【0348】
幾つかの実施形態は、鎖の一方が、たとえば、RISC(又は切断)複合体への対向する鎖の優先的な負荷に影響することにて有用である二本鎖組成物を指向する。組成物は、選択された核酸分子を標的とし、1以上の遺伝子の発現を調節するのに有用である。一部の実施形態では、本発明の組成物は標的RNAの一部とハイブリッド形成して標的RNAの正常な機能の喪失を生じる。
【0349】
特定の実施形態は、双方の鎖がヘミマーモチーフ、完全に修飾されたモチーフ、部分的に修飾されたモチーフ、又は交互モチーフを含む二本鎖組成物に引き付けられる。本発明の組成物の各鎖を修飾して、たとえば、siRNA経路における特定の役割を満たすことができる。各鎖において異なるモチーフを使用すること又は各鎖において異なる化学修飾を持つ同一モチーフを使用することによって、RISC複合体についてアンチセンス鎖を標的とする一方で、センス鎖の取り込みを阻害することが可能になる。このモデルの範囲内で、各鎖を、その特定の役割についてそれが増強されるように独立して修飾することができる。アンチセンス鎖を5’末端で修飾してRISCの1領域でその役割を増強することができる一方で3’末端を差次的に修飾してRISCの異なる領域でその役割を増強することができる。
【0350】
二本鎖オリゴヌクレオチド分子は自己相補性のセンス領域とアンチセンス領域を含む二本鎖ポリヌクレオチド分子であることができ、その際、アンチセンス領域は標的核酸分子又はその一部におけるヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は標的核酸分子又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有する。2つの別々のオリゴヌクレオチドから二本鎖オリゴヌクレオチド分子を組み立てることができ、その際、一方の鎖はセンス鎖であり、他方はアンチセンス鎖であり、アンチセンス鎖とセンス鎖は自己相補性である(すなわち、各鎖は他の鎖におけるヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレオチド配列を含み;たとえば、アンチセンス鎖とセンス鎖が二本鎖又は二本鎖構造を形成する、たとえば、二本鎖領域は約15〜約30、たとえば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30の塩基対であり;アンチセンス鎖は標的核酸分子又はその一部に対して相補性であるヌクレオチド配列を含み、センス鎖は標的核酸分子又はその一部に相当するヌクレオチド配列を含む(たとえば、二本鎖オリゴヌクレオチド分子の約15〜約25以上のヌクレオチドが標的核酸分子又はその一部に対して相補性である)。或いは、二本鎖オリゴヌクレオチドは単一のオリゴヌクレオチドから組み立てられ、その際、siRNAの自己相補性のセンス領域とアンチセンス領域は核酸系のリンカー又は非核酸系のリンカーによって連結される。
【0351】
二本鎖オリゴヌクレオチドは、自己相補性のセンス領域とアンチセンス領域を有する、二本鎖、非対称性二本鎖、ヘアピン又は非対称性ヘアピンの構造を伴うポリヌクレオチドであることができ、その際、アンチセンス領域は別個の標的核酸分子又はその一部におけるヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は標的核酸分子又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有する。二本鎖オリゴヌクレオチドは、2以上のループ構造と、自己相補性のセンス領域及びアンチセンス領域を含むステムとを有する環状の一本鎖ポリヌクレオチドであることができ、その際、アンチセンス領域は標的核酸分子又はその一部におけるヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレオチド配列を含み、センス領域は標的核酸分子又はその一部に相当するヌクレオチド配列を有し、環状ポリヌクレオチドは生体内又は試験管内で処理されてRNAiに介在することが可能である活性のあるsiRNA分子を生成することができる。
【0352】
特定の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは別々のセンス及びアンチセンスの配列又は領域を含み、その際、センス領域とアンチセンス領域は、当該技術で既知のようなヌクレオチド系リンカー分子又は非ヌクレオチド系リンカー分子によって共有結合する、又はイオン相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用及び/又はスタッキング相互作用によって相互に非共有結合する。特定の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは標的遺伝子のヌクレオチド配列に対して相補性であるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、二本鎖オリゴヌクレオチドは標的遺伝子の発現の阻害を引き起こす方法で標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用する。
【0353】
本明細書で使用されるとき、二本鎖オリゴヌクレオチドはRNAのみを含有する分子に限定される必要はないが、さらに化学的に修飾されたヌクレオチド及び非ヌクレオチドを包含する。特定の実施形態では、小分子干渉核酸分子は2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有のヌクレオチドを欠く。特定の実施形態では、小分子干渉核酸分子は任意で任意のリボヌクレオチド(たとえば、2’−OHを有するヌクレオチド)を含まない。しかしながら、RNAiを支える分子内でリボヌクレオチドの存在を必要としないそのような二本鎖オリゴヌクレオチドは、2’−OH基を伴った1以上の分子を含有する連結されたリンカー(単数)又はリンカー(複数)又は他の連結された又は会合した基、部分又は鎖を有する。任意で、二本鎖オリゴヌクレオチドはヌクレオチド部分の約5、10、20、30、40、又は50%でリボヌクレオチドを含むことができる。本明細書で使用されるとき、用語siRNAはRNAi、たとえば、小分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、小分子干渉オリゴヌクレオチド、小分子干渉核酸、小分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学的に修飾されたsiRNA、転写後遺伝子スプライシングRNA(ptgsRNA)、ssRNAi及びその他に特異的な配列に介在することができる核酸分子を記載するにの使用されるものと同等であるとする。加えて、本明細書で使用されるとき、用語RNAiは転写後遺伝子スプライシング、翻訳阻害又はエピジェネティクスのようなRNA干渉に特異的な配列を記載するのに使用される他の用語と同等であることにする。たとえば、二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して転写後レベル及び翻訳後レベルの双方で遺伝子を後成的にスプライシングすることができる。非限定例では、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現の後成的な調節は、クロマチン構造又はメチル化のパターンのsiRNAが介在する修飾から生じて遺伝子発現を変化させることができる(たとえば、Verdel ら., 2004, Science, 303, 672-676; Pal-Bhadra ら., 2004, Science, 303, 669-672; Allshire, 2002, Science, 297, 1818-1819; Volpe ら., 2002, Science, 297, 1833-1837; Jenuwein, 2002, Science, 297, 2215-2218;およびHall ら., 2002, Science, 297, 2232-2237を参照)。
【0354】
本明細書で提供される幾つかの実施形態の化合物及び組成物は、たとえば、自己相補性配列を伴った一本鎖RNAがRNAの2つの別々の鎖を含む二本鎖構成又は二本鎖dsRNAエフェクター分子を仮定することができる「ヘアピン」又はステム/ループの二本鎖RNAエフェクター分子を含むdsRNAが介在する遺伝子スプライシング又はRNAiのメカニズムによってApoCIIIを標的とすることができることが熟考される。種々の実施形態では、dsRNAは全体としてリボヌクレオチドから成り、又は、たとえば、2000年4月19日に出願されたWO00/63364又は1999年4月21日に出願された米国特許出願番号60/130,377によって開示されたRNA/DNAハイブリッドのようなリボヌクレオチド/デオキシリボヌクレオチドの混合物から成る。dsRNA又はdsRNAエフェクター分子は、分子の1つの断片のヌクレオチドが分子の別の断片のヌクレオチドと塩基対合するように自己相補性の領域を伴った単一分子であってもよい。種々の実施形態では、単一分子から成るdsRNAは全体としてリボヌクレオチドから成る、又はデオキシリボヌクレオチドの領域に対して相補性であるリボヌクレオチドの領域を含む。或いは、dsRNAは互いに相補性の領域を有する2つの異なる鎖を含み得る。
【0355】
種々の実施形態では、双方の鎖は全体としてリボヌクレオチドから成り、一方の鎖は全体としてリボヌクレオチドから成り、一方の鎖は全体としてデオキシリボヌクレオチドから成り、一方又は双方の鎖はリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドの混合物を含有する。特定の実施形態では、相補性の領域は互いに及び標的核酸配列に対して少なくとも70、80、90、95、98又は100%相補性である。特定の実施形態では、二本鎖構成で存在するdsRNAの領域は少なくとも19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、50、75、100、200、500、1000、2000又は5000のヌクレオチドを含む、又はdsRNAで表されるcDNA又は他の核酸の配列のヌクレオチドすべてを含む。一部の実施形態では、dsRNAは一本鎖末端のような一本鎖領域を含有しない、又はdsRNAはヘアピンである。他の実施形態では、dsRNAは1以上の一本鎖領域又はオーバーハングを有する。特定の実施形態では、RNA/DNAのハイブリッドにはアンチセンスの鎖又は領域であるDNAの鎖又は領域(標的核酸に対して少なくとも70、80、90、95、98又は100%相補性を有する)及びセンスの鎖又は領域であるRNAの鎖又は領域(標的核酸に対して少なくとも70、80、90、95、98又は100%同一性を有する)が含まれ、逆もまた同様である。
【0356】
種々の実施形態では、RNA/DNAのハイブリッドは、本明細書で記載されるもの又は2000年4月19日に出願されたWO00/63364又は1999年4月21日に出願された米国特許出願番号60/130,377にて記載されたもののような酵素法又は化学合成法を用いて試験管内で作製される。他の実施形態では、試験管内で合成されるDNAは細胞でのDNA鎖の形質転換の前、後又はそれと同時に生体内で又は試験管内でRNA鎖と複合体化する。さらに他の実施形態では、dsRNAはセンス領域とアンチセンス領域を含有する一本鎖環状核酸である、又はdsRNAは環状核酸と第2の環状核酸又は線状核酸を含む(たとえば、2000年4月19日に出願されたWO00/63364又は1999年4月21日に出願された米国特許出願番号60/130,377を参照)。例となる環状核酸には、ヌクレオチドの遊離の5’ホスホリル基がループバックの方法で別のヌクレオチドの2’ヒドロキシル基に連結するようになるラリアート構造が挙げられる。
【0357】
他の実施形態では、dsRNAは、糖における2’位が水素またはヒドロキシル基を含有する相当するdsRNAに比べて試験管内又は生体内でdsRNAの半減期を延ばす、相当する2’位がハロゲン(たとえば、フッ素基)を含有する又はアルコキシ基(たとえば、メトキシ基)を含有する1以上の修飾されたヌクレオシドを含む。さらに他の実施形態では、dsRNAは天然に存在するホスホジエステル結合以外の隣接するヌクレオシド
間で1以上の結合を含む。そのような結合の例にはホスホルアミド結合、ホスホロチオエート結合及びホスホロジチオエート結合が挙げられる。dsRNAはまた、米国特許第6,673,661号にて教示されたように化学的に修飾された核酸分子であり得る。他の実施形態では、dsRNAは、たとえば、2000年4月19日に出願されたWO00/63364又は1999年4月21日に出願された米国特許出願番号60/130,377によって開示されたように、1又は2のキャップされた鎖を含有する。
【0358】
他の実施形態では、dsRNAはWO00/63364にて開示された少なくとも部分的にdsRNA分子のいずれか、と同様に米国特許仮出願60/399,998;及び米国特許仮出願60/419,532,及びPCT/US2003/033466で記載されたdsRNA分子のいずれかであることができ、その教示は参照によって本明細書に組み入れられる。dsRNA分子のいずれかは、本明細書で記載される方法又はWO00/63364にて記載されたもののような常法を用いて試験管内又は生体内で発現させ得る。
【0359】
組成物及び医薬組成物を製剤化する方法
アンチセンス化合物は、医薬組成物の調製のために薬学上許容可能な活性のある又は不活性の物質と混合され得る。組成物及び医薬組成物を製剤化する方法は、投与の経路、疾患の程度又は投与される用量を含むが、これらに限定されない多数の基準に左右される。
【0360】
アンチセンス化合物を好適な薬学上許容可能な希釈剤又はキャリアと組み合わせることによって、ApoCIIIに向けられるアンチセンス化合物を医薬組成物にて利用することができる。
【0361】
特定の実施形態では、「医薬キャリア」又は「賦形剤」は、1以上の核酸を動物に送達するための薬学上許容可能な溶媒、懸濁剤又は他の薬学上不活性の媒体である。賦形剤は液体又は固体であることができ、所与の医薬組成物の核酸又は他の成分と併用する際、所望の嵩高、濃度等を提供するように投与の予定される方法を考慮して選択することができる。典型的な医薬キャリアには、結合剤 (たとえば、アルファ化したトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース等.);充填剤 (たと
えば、ラクトース及び他の糖、微細結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート又はリン酸水素カルシウム等); 潤滑剤(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩、水素化された植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、等); 崩壊剤(たとえば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、等);及び 湿潤剤(たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0362】
核酸と有害に反応しない、非経口又は経口の投与に好適な薬学上許容可能な有機又は無機の賦形剤を用いて本発明の組成物を製剤化することもできる。好適な薬学上許容可能なキャリアには、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0363】
薬学上許容可能な希釈剤には、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。PBSは非経口で送達される組成物での使用に好適な希釈剤である。従って、一実施形態では、本明細書で記載される方法で採用されるのは、ApoCIII核酸に向けられるアンチセンス化合物と薬学上許容可能な希釈剤を含む医薬組成物である。特定の実施形態では、薬学上許容可能な希釈剤はPBSである。特定の実施形態では、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0364】
アンチセンス化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含む動物に投与する際、生物学的に活性のある代謝産物又はその残留物を(直接又は間接的に)提供することが可能である薬学上許容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、又はオリゴヌクレオチドを包含する。従って、たとえば、開示はまた、アンチセンス化合物の薬学上許容可能な塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬学上許容可能な塩、及び他の生物同等物にも引き付けられる。好適な薬学上許容可能な塩には、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0365】
プロドラッグは、生体内で内在性のヌクレアーゼによって切断されて活性のあるアンチセンス化合物を形成するアンチセンス化合物の一方又は双方の末端で追加のヌクレオチドの組み入れを含むことができる。
【0366】
共役結合されたアンチセンス化合物
アンチセンス化合物は、得られるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布又は細胞の取り込みを高める1以上の部分又は共役体と共有結合し得る。典型的な共役基にはコレステロール部分及び脂質部分が挙げられる。追加の共役基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン及び染料が挙げられる。
【0367】
一般にアンチセンス化合物の一方又は双方の末端に連結されて、たとえば、ヌクレアーゼ安定性のような特性を高める1以上の安定化基を有するようにアンチセンス化合物を修飾することができる。安定化基に含まれるのはキャップ構造である。これらの末端修飾はアンチセンス化合物をエキソヌクレアーゼから保護し、細胞内での送達及び局在を助けることができる。キャップは5’末端(5’−キャップ)又は3’末端(3’−キャップ)に存在することができ、又は双方の末端に存在することができる。キャップ構造は周知であり、それには、たとえば、逆デオキシ脱塩基キャップが挙げられる。アンチセンス化合物の一方の末端又は双方の末端をキャップするのに使用してヌクレアーゼ安定性を付与することができるさらなる3’及び5’の安定化基には2003年1月16日に公開されたWO03/004602で開示されたものが挙げられる。
【0368】
細胞培養及びアンチセンス化合物の処理
ApoCIIIの核酸又はタンパク質のレベル、活性又は発現に対するアンチセンス化合物の効果は試験管内で種々の細胞型にて調べることができる。そのような分析に使用される細胞型は供給業者から利用可能であり(たとえば、American Type Culture Collection, Manassus, VA; Zen-Bio, Inc., Research Triangle Park, NC; Clonetics Corporation, Walkersville, MD)、細胞は市販の試薬を用いて業者の指示書に従って培養される(たとえば、Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)。説明に役立つ細胞型には、HepG2細胞、Hep3B細胞、Huh7(肝細胞癌)細胞、一次肝細胞、A549細胞、GM04281線維芽細胞及びLLC−MK2細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0369】
アンチセンスオリゴヌクレオチドの試験管内の試験
本明細書で記載されるのは、他のアンチセンス化合物による処理のために適宜修飾することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドによる細胞の処理の方法である。
【0370】
一般に、細胞が培養でほぼ60〜80%の集密率に達すると細胞はアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。
【0371】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに一般に使用される試薬の1つはLIPOFECTIN(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)である。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM(登録商標)1(Invitrogen, Carlsbad, CA)にてLIPOFECTIN(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の最終濃度及び通常、100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12μg/mLの範囲であるLIPOFECTIN(登録商標)濃度を達成する。
【0372】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用される別の試薬にはLIPOFECTAMINE2000(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM(登録商標)1で血清を減らした培地にてLIPOFECTAMINE2000(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の最終濃度及び通常、100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12μg/mLの範囲であるLIPOFECTAMINE(登録商標)濃度を達成する。
【0373】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用される別の試薬にはCytofectin(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM(登録商標)1で血清を減らした培地にてCytofectin(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の最終濃度及び通常、100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12μg/mLの範囲であるCytofectin(登録商標)濃度を達成する。
【0374】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用される別の試薬にはOligofectamine(商標)(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドをOPTI−MEM(登録商標)1で血清を減らした培地(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)にてOligofectamine(商標)と混合して100nM当たり約0.2〜0.8μLのOligofectamine(商標)のオリゴヌクレオチドに対する比を持つオリゴヌクレオチドの所望の濃度を達成する。
【0375】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用される別の試薬にはFuGENE6(Roche Diagnostics Corp., Indianapolis, IN)が挙げられる。アンチセンスオリゴマー化合物を1mLの無血清RPMIにてFuGENE6と混合して100nM当たり1〜4μLのFuGENE6のオリゴマー化合物に対する比を持つFuGENE6を有するオリゴヌクレオチドの所望の濃度を達成する。
【0376】
培養された細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するのに使用される別の技法にはエレクトロポレーション(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)が挙げられる。
【0377】
細胞は日常の方法によってアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。細胞は通常、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後に回収され、その時点で標的核酸のRNA又はタンパク質のレベルを当該技術で既知の及び本明細書で記載される方法によって測定する(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)。一般に、処理を複数の反復で実施する場合、データは反復処理の平均として提示される。
【0378】
使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は細胞株によって様々である。特定の細胞株について最適なアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を決定する方法は当該技術で周知である(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)。LIPOFECTAMINE2000(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)、Lipofectin(登録商標)(Invitrogen, Carlsbad, CA)又はCytofectin(商標)(Genlantis, San Diego, CA)によって形質移入する場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは通常、1nM〜300nMの範囲である濃度で使用される。エレクトロポレーションを用いて形質移入する場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは625〜20,000nMの範囲に及ぶさらに高い濃度で使用される。
【0379】
RNAの単離
RNAの分析は細胞の全RNA又はポリ(A)+mRNAで実施することができる。RNA単離の方法は当該技術で周知である(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)。当該技術で周知の方法を用いて、たとえば、製造元の推奨プロトコールに従ってTRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いてRNAを調製する。
【0380】
標的のレベル又は発現の阻害の分析
ApoCIII核酸のレベル又は発現の阻害は当該技術で既知の種々の方
法でアッセイすることができる(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)。たとえば、ノーザンブロット解析、競合ポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は定量的リアルタイムPCRによって標的核酸のレベルを定量することができる。RNA解析は全RNA又はポリ(A)+mRNAで実施することができる。RNA単離の方法は当該技術で周知である。ノーザンブロット解析も当該技術で日常的である。定量的リアルタイムPCRはPE−Applied Biosystems,Foster City,CAから市販されているABI PRISM(登録商標)7600、7700又は7900配列検出システムを用いて好都合に達成することができ、製造元の指示書に従って使用することができる。
【0381】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR解析
標的RNAレベルの定量は、製造元の指示書に従って、ABI PRISM(登録商標)7600、7700又は7900配列検出システム(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)用いた定量的リアルタイムPCRによって達成され得る。定量的リアルタイムPCRの方法は当該技術で周知である。
【0382】
リアルタイムPCRに先立って、単離されたRNAを逆転写(RT)反応に供し、それはその後リアルタイムPCR増幅の基質として使用される相補性のDNA(cDNA)を生じる。RT及びリアルタイムPCRの反応は同一の試料ウェルにて順に実施される。RT及びリアルタイムPCRの試薬はInvitrogen(Carlsbad, CA)から入手される。RT及びリアルタイムPCRの反応は当業者に周知の方法によって実施される。
【0383】
リアルタイムPCRによって得られた遺伝子(又はRNA)標的の量は、たとえば、サイクロフィリンAのようなその発現が一定である遺伝子の発現レベルを用いて、又はRIBOGREEN(登録商標)(Invitrogen, Inc. Carlsbad, CA)を用いて全RNAを定量することによって基準化することができる。サイクロフィリンAの発現は、標的と同時に、多重的に又は別々に実行されることによってリアルタイムPCRによって定量される。全RNAはRIBOGREEN(登録商標)RNA定量試薬(Invitrogen, Inc. Carlsbad, CA)を用いて定量される。RIBOGREEN(登録商標)によるRNA定量の方法は、Jones,L.J.,ら(Analytical Biochemistry, 1998, 265, 368-374)によって教示されている。CYTOFLUOR(登録商標)4000機器 (PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いてRIBOGREEN(登録商標)の蛍光を測定する。
【0384】
ApoCIII核酸とハイブリッド形成するようにプローブ及びプライマーを設計する。リアルタイムPCRのプローブ及びプライマーを設計する方法は当該技術で周知であり、たとえば、PRIMER EXPRESS(登録商標)ソフトウエア(Applied Biosystems, Foster City, CA)のようなソフトウエアの使用が含まれ得る。
【0385】
RT、リアルタイムPCRによって得られた遺伝子標的の量はその発現が一定である遺伝子、GAPDH又はサイクロフィリンAの発現レベルを使用することができ、又はRiboGreen(商標)(Molecular Probes, Inc. Eugene, OR)を用いて全RNAを定量することによる。GAPDH又はサイクロフィリンAの発現は、標的と同時に、多重的に又は別々に実行されることによってRT、リアルタイムPCRによって定量される。全RNAはRiboGreen(商標)RNA定量試薬(Molecular Probes, Inc. Eugene, OR)を用いて定量される。
【0386】
タンパク質レベルの解析
ApoCIII核酸のアンチセンス阻害はApoCIIIタンパク質のレベルを測定することによって評価することができる。ApoCIIIのタンパク質レベルは、たとえば、免疫沈降、ウエスタンブロット解析(免疫ブロット)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質の活性のアッセイ(たとえば、カスパーゼ活性のアッセイ)、免疫組織化学法、免疫細胞化学法、又は蛍光活性化細胞選別法(FACS)のような当該技術で周知の種々の方法で評価する又は定量することができる(Sambrook and Russell in Molecular Cloning. A Laboratory Manual. Third Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York. 2001)。標的に向けられた抗体を特定し、たとえば、抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation, Birmingham, MI)のような種々の供給源から入手することができ、又は当該技術で周知の従来のモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の生成法を介して調製することができる。ヒト及びマウスのApoCIIIの検出に有用な抗体は市販されている。
【0387】
アンチセンス化合物の生体内での試験
動物にてアンチセンス化合物、たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチドを調べてApoCIIIの発現を阻害し、表現型の変化を生じるその能力を評価する。試験は正常な動物又は実験用疾患モデルにて実施することができる。動物への投与については、たとえば、リン酸緩衝化生理食塩水のような薬学上許容可能な希釈剤にてアンチセンスオリゴヌクレオチドが製剤化される。投与には投与の非経口経路が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与量及び投与回数の算出は、たとえば、投与の経路及び動物の体重のような因子に左右される。アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の期間に続いて、RNAが組織から単離され、ApoCIII核酸発現の変化が測定される。ApoCIIIタンパク質における変化も測定される。
【0388】
特定の適応
フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者におけるApoCIII阻害の新規の効果が本明細書で特定され、開示されている。以下に開示される実施例は、検出可能なLPL活性をほとんど有さない又は有さないフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者における生体マーカーのうちでTGの驚くべき低下及びHDLの上昇を開示する。
【0389】
特定の理論に束縛されないで、驚くべき結果についての2つの考えられる説明を考察する。第1に、ApoCIIIを阻害することはフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者における残留LPL活性を活性化し得る。これらの患者は検出可能なLPL活性をほとんど有さない又は有さない一方でApoCIII阻害はTG及びHDLのレベルに顕著に影響したので、これはあまり可能性の高い説明ではない。第2に及び可能性が高いのは、たとえば、低密度リポタンパク質受容体関連のタンパク質1(LRP1)又はシンデカン1のようなapoE介在性の受容体が介在するTG粒子のクリアランスをApoCIIIが阻害するということである。いったんApoCIIIがVLDL及びカイロミクロンの粒子から取り除かれると、それらは肝臓に取り込まれやすくなる。実際、これらの受容体が介在するクリアランスのメカニズムはApoCIII阻害剤で治療されたフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者にて臨床的に観察された表現型(たとえば、実質的なTG低下)に有意に寄与し得る。
【0390】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、本明細書で記載されるような1以上の組成物を投与することを含むフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象を治療する方法である。特定の実施形態では、医薬組成物はApoCIIIに向けられたアンチセンス化合物を含む。
【0391】
特定の実施形態では、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象に対するApoCIII核酸に向けられたアンチセンス化合物の投与は少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%の、又はこれらの値の2つによって定義される範囲のApoCIII発現の低下を生じる。特定の実施形態では、ApoCIIIの発現は、≦50mg/L、≦60mg/L、≦70mg/L、≦80mg/L、≦90mg/L、≦100mg/L、≦110mg/L、≦120mg/L、≦130mg/L、≦140mg/L、≦150mg/L、≦160mg/L、≦170mg/L、≦180mg/L、≦190mg/L又は≦200mg/Lに減らされる。
【0392】
特定の実施形態では、対象はフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する疾患又は障害を有する。特定の実施形態では、疾患又は障害は循環器の又は代謝性の疾患又は障害である。特定の実施形態では、疾患は膵炎である。
【0393】
特定の実施形態では、循環器疾患には、動脈瘤、狭心症、不整脈、アテローム性硬化症、脳血管疾患、冠動脈心疾患、高血圧症、脂肪異常症、高脂質血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、発作等が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、脂肪異常症は乳糜血症(たとえば、FCS)又は高トリグリセリド血症である。特定の実施形態では、疾患は脂肪異常症が原因で生じる膵炎である。
【0394】
特定の実施形態では、代謝性の疾患又は障害には、高血糖症、前糖尿病、糖尿病(I型及びII型)、肥満、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、及び糖尿病性脂肪異常症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0395】
特定の実施形態では、本明細書で記載されるようなApoCIIIに向けられる化合物は、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象における膵炎、循環器又は代謝性の疾患又は障害の生理的なマーカー又は表現型を調節する。特定の実施形態では、化合物は、未処理の動物に比べて生理的なマーカー又は表現型を増やす又は減らすことができる。特定の実施形態では、生理的なマーカー又は表現型における増減は本明細書で記載される化合物によるApoCIIIの阻害に関連する。
【0396】
特定の実施形態では、循環器の疾患又は障害の生理的なマーカー又は表現型は定量可能であることができる。たとえば、TG又はHDLのレベルは、たとえば、標準の脂質試験によって測定することができ、定量することができる。特定の実施形態では、HDLのような生理的なマーカー又は表現型は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、又はこれらの値の2つによって定義される範囲で上昇させることができる。特定の実施形態では、TG(食後又は空腹時)のような生理的なマーカー又は表現型は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、又はこれらの値の2つによって定義される範囲で低下させることができる。特定の実施形態では、TG(食後又は空腹時)は、≦100mg/dL、≦110mg/dL、≦120mg/dL、≦130mg/dL、≦140mg/dL、≦150mg/dL、≦160mg/dL、≦170mg/dL、≦180mg/dL、≦190mg/dL、≦200mg/dL、≦210mg/dL、≦220mg/dL、≦230mg/dL、≦240mg/dL、≦250mg/dL、≦260mg/dL、≦270mg/dL、≦280mg/dL、≦290mg/dL、≦300mg/dL、≦350mg/dL、≦400mg/dL、≦450mg/dL、≦500mg/dL、≦550mg/dL、≦600mg/dL、≦650mg/dL、≦700mg/dL、≦750mg/dL、≦800mg/dL、≦850mg/dL、≦900mg/dL、≦950mg/dL、≦1000mg/dL、≦1100mg/dL、≦1200mg/dL、≦1300mg/dL、≦1400mg/dL、≦1500mg/dL、≦1600mg/dL、≦1700mg/dL、≦1800mg/dL又は≦1900mg/dLに減らされる。
【0397】
特定の実施形態では、代謝性の疾患又は障害の生理的なマーカー又は表現型は定量可能であることができる。たとえば、グルコースのレベル又はインスリン抵抗性は当該技術で既知の標準的な試験によって測定することができ、定量することができる。特定の実施形態では、グルコースのレベル又はインスリン抵抗性のような生理的なマーカー又は表現型は約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、又はこれらの値の2つによって定義される範囲で低下させることができる。特定の実施形態では、インスリン感受性のような生理的なマーカー又は表現型は約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、又はこれらの値の2つによって定義される範囲で上昇させることができる。
【0398】
また、本明細書で提供されるのは、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象における疾患又は障害に関連する症状を本明細書で記載される化合物で予防する、治療する又は改善する方法である。特定の実施形態では、提供されるのは、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する症状の発症の比率を下げる方法である。特定の実施形態では、提供されるのは、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する症状の重症度を低下させる方法である。そのような実施形態では、方法はフレドリクソンI型脂肪異常症の個体にApoCIII核酸に向けられた治療上有効な量の化合物を投与することを含む。特定の実施形態では、疾患又は障害は、膵炎、又は循環器又は代謝性の疾患又は障害である。
【0399】
循環器の疾患又は障害は多数の身体症状を特徴とする。循環器疾患に関連する当業者に既知の症状を、本明細書で記載される方法にて示されるように予防する、治療する、改善する又はさもなければ調節することができる。特定の実施形態では、症状は、狭心症、胸痛、息切れ、動悸、虚弱、目眩、吐き気、発汗、頻拍、徐脈、不整脈、心房細動、下肢における腫脹、チアノーゼ、倦怠感、失神、顔面の無感覚、四肢の無感覚、筋肉の跛行又は痙攣、腹部の膨満又は発熱のいずれかであることができるが、これらに限定されない。
【0400】
代謝性の疾患又は障害は多数の身体症状を特徴とする。代謝性障害に関連する当業者に既知の症状を、本明細書で記載される方法にて示されるように予防する、治療する、改善する又はさもなければ調節することができる。特定の実施形態では、症状は、過剰な尿産生(多尿症)、過剰な口渇及び高い流体摂取(多渇症)、視力障害、原因不明の体重低下及び倦怠感のいずれかであることができるが、これらに限定されない。
【0401】
膵炎は多数の身体症状を特徴とする。膵炎に関連する当業者に既知の症状を、本明細書で記載される方法にて示されるように予防する、治療する、改善する又はさもなければ調節することができる。特定の実施形態では、症状は、腹痛、嘔吐、吐き気及び圧迫に対する腹部の感受性のいずれかであることができるが、これらに限定されない。
【0402】
特定の実施形態では、提供されるのは、本明細書で記載されるような治療上有効な量の1以上の医薬組成物を投与することを含むフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象を治療する方法である。特定の実施形態では、ApoCIII核酸に向けられた治療上有効な量のアンチセンス化合物の投与は、ApoCIIIのレベル又はフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する疾患マーカーをモニターしてアンチセンス化合物に対する対象の応答を判定することによって達成される。アンチセンス化合物の投与に対する対象の応答は内科医によって使用されて治療介入の量及び期間を決定する。
【0403】
特定の実施形態では、ApoCIIIに向けられたアンチセンス化合物を含む医薬組成物はフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象を治療するための薬物の調製に使用される。
【0404】
投与
局所治療又は全身性治療が所望かどうか、及び治療される領域に応じて多数の方法で本発明の化合物又は医薬組成物を投与することができる。投与は経口又は非経口であることができる。
【0405】
特定の実施形態では、本明細書で記載されるような化合物及び組成物は非経口で投与される。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内又は筋肉内の注射又は注入が挙げられる。
【0406】
特定の実施形態では、非経口投与は点滴による。点滴は慢性的又は連続的、又は短期又は間欠性であることができる。特定の実施形態では、点滴される医薬剤はポンプで送達され得る。特定の実施形態では、点滴は静脈内である。
【0407】
特定の実施形態では、非経口投与は注射による。注射は注射器又はポンプで送達され得る。特定の実施形態では、注射はボーラス注射である。特定の実施形態では、注射は直接組織又は臓器に投与される。特定の実施形態では、非経口投与は皮下である。
【0408】
特定の実施形態では、非経口投与用の製剤は、たとえば、浸透増強剤、キャリア化合物及び他の薬学上許容可能なキャリア又は賦形剤のような、しかし、これらに限定されない緩衝液、希釈剤及び他の好適な添加剤も含有することもできる無菌の水溶液を含むことができる。
【0409】
特定の実施形態では、本発明の化合物又は組成物の経口投与用の製剤は、医薬キャリア、賦形剤、粉剤又は顆粒剤、微粒子、ナノ粒子、水又は非水性媒体における懸濁液又は溶液、カプセル剤、ゲルカプセル剤、サシェ、錠剤、又はミニ錠剤を含むことができるが、これらに限定されない。増粘剤、風味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、又は結合剤が望ま
しくてもよい。特定の実施形態では、経口製剤は、本発明の化合物が1以上の浸透増強剤、界面活性剤及びキレート剤と併せて投与されるものである。
【0410】
投薬
特定の実施形態では、所望の効果を達成するように投薬計画を選択することができる投薬計画(たとえば、用量、投与の回数及び持続期間)に従って医薬組成物が投与される。所望の効果は、たとえば、ApoCIIIの低下、又はフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する疾患又は状態の進行の予防、軽減、改善若しくは遅滞であることができる。
【0411】
特定の実施形態では、投薬計画の変数を調整して対象における医薬組成物の所望の濃度を生じる。「医薬組成物の濃度」は投薬計画に関連して使用されるとき、医薬組成物の化合物、オリゴヌクレオチド又は有効成分を指すことができる。たとえば、特定の実施形態では、用量及び投与回数を調整して所望の効果を達成するのに十分な量での医薬組成物の組織濃度又は血漿濃度を提供する。
【0412】
投薬は、数日から数カ月続く治療の経過とともに、又は治癒が達成されるまで、又は疾患状態の縮小が達成されるまで、治療される疾患状態の重症度及び応答性に左右される。投薬は薬剤の効能及び代謝にも依存する。特定の実施形態では、投与量は体重のkg当たり0.01μg〜100mg又は0.001mg〜1000mg投薬の範囲内であり、毎日、毎週、毎月、又は毎年1回以上、又はさらに2〜20年ごとに1回与えられ得る。上手く行った治療に続いて、患者に維持療法を受けさせて疾患状態の再発を防ぐことが望ましくてもよく、その際、オリゴヌクレオチドは1日1回以上の体重のkg当たり0.01μg〜100mgから0.001mg〜1000mg投薬の範囲である20年ごとに1回までの範囲に及ぶ維持療法で投与される。
【0413】
特定の併用療法
特定の実施形態では、本明細書で記載される化合物を含む第1の剤は1以上の第2の剤と同時投与される。特定の実施形態では、そのような第2の剤は、本明細書で記載される第1の剤と同じ疾患、障害又は状態を治療するように設計される。特定の実施形態では、そのような第2の剤は本明細書で記載される第1の剤とは異なる疾患、障害又は状態を治療するように設計される。特定の実施形態では、第1の剤は第2の剤の望ましくない副作用を治療するように設計される。特定の実施形態では、第2の剤は第1の剤の望ましくない副作用を治療するように第1の剤と同時投与される。特定の実施形態では、そのような第2の剤は、本明細書で記載されるような1以上の医薬組成物の望ましくない副作用を治療するように設計される。特定の実施形態では、第2の剤は組み合わせ効果を生じるように第1の剤と同時投与される。特定の実施形態では、第2の剤は相乗効果を生じるように第1の剤と同時投与される。特定の実施形態では、第1の剤と第2の剤の同時投与は、剤が独立療法として投与されたならば治療効果又は予防効果を達成するのに必要とされるより低い投与量の使用を可能にする。特定の実施形態では、第1の剤は第2の剤に応答できなかった又は不応答になった対象に投与される。特定の実施形態では、第1の剤は第2の剤の代わりに対象に投与される。
【0414】
特定の実施形態では、本明細書で記載される1以上の組成物を及び1以上の他の医薬剤を同時に投与する。特定の実施形態では、本発明の1以上の組成物を及び1以上の他の医薬剤を異なった時に投与する。特定の実施形態では、本明細書で記載される1以上の組成物を及び1以上の他の医薬剤は単一製剤で一緒に調製される。特定の実施形態では、本明細書で記載される1以上の組成物を及び1以上の他の医薬剤は別々に調製される。
【0415】
特定の実施形態では、第2の剤には、ApoCIII低下剤、DGAT1低下剤、LPL上昇剤、コレステロール低下剤、非HDL脂質(たとえば、LDL)低下剤、HDL上昇剤、魚油、ナイアシン(ニコチン酸)、フィブラート、スタチン、DCCR(ジアゾオキシドの塩)、グルコース低下剤、又は抗糖尿病剤が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第1の剤は、最大認容用量の第2の剤と併用して投与される。特定の実施形態では、第1の剤は第2の剤の最大認容用量に応答できない対象に投与される。
【0416】
ApoCIII低下剤の例には、第1の剤とは異なるApoCIIIアンチセンスオリゴヌクレオチド、フィブラート又はApoBアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0417】
DGAT1阻害剤の例は、家族性乳糜血症症候群(FCS)を治療するためのフェーズ3の臨床試験で現在試験されているLCQ908(Novartis Pharmaceuticals)である。
【0418】
LPL上昇剤には、LPLのレベルを上昇させる遺伝子治療剤が挙げられる。そのような剤の例には正常な遺伝子の欠如を補完する正常な遺伝子のコピーが挙げられる。たとえば、グリベラ(登録商標)はLPL遺伝子の正常なコピーを提供して正常なLPL遺伝子の欠如を補完することによってLPLレベルを上昇させる。他の例では、LPL上昇剤には、ApoC−II、GPIHBP1、APOA5、LMF1又は変異すると機能不全のLPLをもたらすことができる他の遺伝子の正常なコピーが挙げられる。特定の実施形態では、第1の剤(たとえば、ApoCIIIASO)及び第2の剤(たとえば、グリベラ)の併用は相加効果又は相乗効果を提供する。特定の実施形態では、第1の剤(たとえば、ApoCIIIASO)は第2の剤(たとえば、グリベラ)に応答できなかった又は不応答になっている対象に投与される。
【0419】
グルコース低下剤及び/又は抗糖尿病剤の例には、治療上のライフスタイルの変化、PPARアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼ(IV)阻害剤、GLP−1類似体、インスリン又はインスリン類似体、インスリン分泌促進剤、SGLT2阻害剤、ヒトのアミリン類似体、ビグアニド、α−グルコシダーゼ阻害剤、メトフォルミン、スルホニル尿素、ロシグリタゾン、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤等が挙げられるが、これらに限定されない。スルホニル尿素はアセトメキサミド、クロロプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、又はグリクラジドであることができる。メグリチニドはナテグリニド又はレパグリニドであることができる。チアゾリジンジオンはピオグリタゾン又はロシグリタゾンであることができる。α−グルコシダーゼはアカルボース又はミグリトールであることができる。
【0420】
コレステロール又は脂質の低下療法には、治療上のライフスタイルの変化、スタチン、胆汁酸分泌促進剤、ニコチン酸及びフィブラートが挙げられるが、これらに限定されない。スタチンはアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、及びシムバスタチン等であることができる。胆汁酸分泌促進剤は、コレセベラム、コレスチラミン、コレスチロポール等であることができる。フィブラートはゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート等であることができる。治療上のライフスタイルの変化は食物脂肪の制限であることができる。
【0421】
HDL上昇剤には、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害薬剤(たとえば、トルセトラピブ)、ペルオキシソーム増殖活性化受容体アゴニスト、Apo−A1、ピオグリタゾン等が挙げられる。
【0422】
特定の治療集団
高トリグリセリド血症の一部の型はフレドリクソンの分類方式又はTremblay(T
remblay ら., J Clin Lipidol, 2011, 5:37-44)によって記載された分類方式によって特
徴付けることができる。特定の実施形態では、本明細書で記載される化合物、組成物及び方法はフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象を治療するのに有用である。
【0423】
フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの対象には膵炎、循環器疾患及び代謝性疾患のリスクがある。これらの対象については、再発性膵炎が最も消耗性であり、致命的な合併症の可能性がある;他の続発症にはアテローム性硬化症及び糖尿病の傾向が高くなることが挙げられる。
【0424】
フレドリクソンI型、FCS、LPLDの対象は十分な量の機能的に活性のあるLPLを欠いている。ApoCIIIはTGの代謝で重要な役割を担い、機能的な又は部分的に機能的なLPLを持つ対象における循環器疾患の独立したリスク因子である。ApoCIIIは非フレドリクソンI型高トリグリセリド血症の対象を治療する臨床試験に現在入っている。しかしながら、ApoCIII経路はLPL経路を介して機能すると考えられるので、ApoCIIIの阻害はフレドリクソンI型、FCS、LPLDの対象にとっての治療選択肢とは見なされていない。
【0425】
本明細書で示すように、ApoCIIIの阻害は、予期に反してフレドリクソンI型、FCS、LPLDの対象にてTGレベルを下げ、及び/又はHDLレベルを上げる。TGの低下及び/又はHDLの上昇は、今度は、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDに関連する疾患、障害、又はその症状を予防し、治療し、遅滞させ、又は改善することができる。
【0426】
特定の化合物
我々は以前、すべて参照によって本明細書に組み入れられるUS20040208856(米国特許第7,598,227号)、US20060264395(米国特許第7,750,141号)、WO2004/093783及びWO2012/149495にてApoCIIIを標的とするアンチセンス化合物を含む組成物及びアンチセンス化合物によってApoCIIIを阻害する方法を開示している。これらの出願では、公開された配列(ゲノム配列を表し本明細書では配列番号4として組み入れられるGenBank受託番号NT_035088.1のヌクレオチド6238608〜6242565、及び本明細書では配列番号1として組み入れられるGenBank受託番号NM_000040.1)を用いてヒトのApoCIIIRNAの異なる領域を標的とするように一連のアンチセンス化合物を設計した。化合物は、双方の側(5’及び3’方向)で5ヌクレオチドの「ウイング」が隣接する10の2’−デオキシヌクレオチドから成る中央の「ギャップ」領域で構成される長さ20ヌクレオチドのキメラオリゴヌクレオチド(「ギャップマー」)である。ウイングは(2’−MOE)ヌクレオチドとしても知られる2’−O−(2−メトキシエチル)ヌクレオチドで構成される。ヌクレオシド間(主鎖)結合はオリゴヌクレオチドの全体を通してホスホロジチオエート(P=S)である。シトシンはすべて5−メチルシトシンである。
【0427】
定量的リアルタイムPCRによってHepG2細胞にてヒトApoCIIIのmRNAレベルに対するその効果についてアンチセンス化合物を分析した。幾つかの化合物はApoCIIIのmRNAの少なくとも45%阻害を示したので好まれる。幾つかの化合物はヒトApoCIIIのmRNAの少なくとも50%阻害を示したので好まれる。幾つかの化合物はヒトApoCIIIのmRNAの少なくとも60%阻害を示したので好まれる。幾つかの化合物はヒトApoCIIIのmRNAの少なくとも70%阻害を示したので好まれる。幾つかの化合物はヒトApoCIIIのmRNAの少なくとも80%阻害を示したので好まれる。幾つかの化合物はヒトApoCIIIのmRNAの少なくとも90%阻
害を示したので好まれる。
【0428】
これらの好まれる化合物が相補性である標的領域は「好まれる標的断片」と呼ばれるので、アンチセンス化合物によって標的とされるのに好まれる。
【実施例】
【0429】
非限定の開示及び参照による組み入れ
本明細書で記載される特定の化合物、組成物及び方法が特定の実施形態に従って特異性とともに記載されている一方で、以下の実施例は本明細書で記載される化合物を説明するのにのみ役立ち、それを限定するようには意図されない。本出願で引用される参考文献のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0430】
実施例1:ISIS304801臨床試験
本明細書で記載されるように、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者にて非盲検試験を実施して試験薬剤ISIS304801への応答及びその薬物力学効果を評価した。ISIS304801は米国特許第7,598,227号にて以前開示され、配列番号1(GENBANK受託番号NM_000040.1)の508位で開始する又は配列番号2(ヌクレオチド20262640〜20266603から切り詰められたGENBANK受託番号NT_033899.8)の3139位で開始する配列5’−AGCTTCTTGTCCAGCTTTAT−3’(配列番号3)を有する。ISIS304801は、10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と、5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含む5−10−5MOEギャップマーモチーフを有し、その際、ギャップ断片は5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドは2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンは5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。ISIS304801はApoC−IIIを阻害することにおいて強力であり、対象に投与された際、認容性であることが示されている。
【0431】
本試験に動員された患者の多くはフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDであると診断されている。試験のスクリーニングの間、TGレベル≧880mg/dL、空腹時TGレベル≧750mg/dL及び/又は治療開始前の食事療法後TGレベル≧440mg/dLの既往歴を持つフレドリクソンI型、FCS、LPLDの患者を試験に含める。
【0432】
試験集団を大きくするために、高いTGを患っているが、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDであると診断されていない若干の患者をフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDについてスクリーニングしてもよい。実施例では、高いTGの患者は、TGレベル≧880mg/dLの既往歴を介して、及び/又は空腹時TGレベル≧750mg/dLの血液における脂質の遠心分離によって特定されるであろう。空腹時TGレベル≧750mg/dLの患者は以下のパラメータの少なくとも1つについてスクリーニングしてフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの診断を確認するであろう:
(1)フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDを引き起こすことが知られるLPL(たとえば、P207L、G188L、D9N)、ApoC2、GPIHBP1、ApoC5又はLMF1のような遺伝子におけるホモ接合性又は複合ヘテロ接合性の機能喪失変異
(2)LPL活性が正常の≦20%
(3)抗LPL抗体
【0433】
フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDであると診断された各患者について、参加期間は、≦8週間のスクリーニング期間(4週間の厳しい食事制御実行の資格期間を含む)と、1週間の試験資格/ベースライン評価期間と、13週間の治療期間と、13週間の治療後評価期間とから成り、合計35週間の試験参加である。食事制御でのTGレベル≧440mg/dLの患者を試験に含める。併用薬物及び有害事象(AE)は試験の全期間を通して記録される。
【0434】
試験参加の期間、患者は厳しく制御された食事(スクリーニング処置を実施した後)のもとに置かれる。食事制御の28日後、患者はベースラインの測定値を有し、試験の治療フェーズの登録資格について評価される。
【0435】
評価するための評価項目には、空腹時リポタンパク質、総ApoC−III、TG、ApoC−II(合計及びVLDLに関連して)、アポリポタンパク質B−100(apoB−100及び/又はapoB−48)、アポリポタンパク質A−1(apoA−1)、アポリポタンパク質A−2(apoA−2)、アポリポタンパク質E(apoE)、総コレステロール(TC)、低密度リポタンパク質−コレステロール(LDL−C)、LDL−TG、VLDL−C、VLDL−TG、非高密度リポタンパク質−コレステロール(非HDL−C)、非HDL−TG、HDL−C、HDL−TG、カイロミクロン−コレステロール(CM−C)、カイロミクロン−トリグリセリド(CM−TG)、遊離の脂肪酸(FFA)、及びグリセロールのレベル;食後脂質、アポリポタンパク質及びリポタンパク質の特徴及び動態、及びグルコースのレベルによって測定されるようなISIS304801の薬物力学(PD)効果;並びに、ISIS304801の安全性、認容性及び薬物動態(PK)が挙げられる。評価される追加の評価項目には、CETPの低下又はApoA1の上昇、PON1、脂肪のクリアランス及びトリグリセリドのクリアランス、及びHDLのTGに対する比における改善が挙げられ得る。
【0436】
試験薬剤及び治療
2mLのストッパー付きガラスバイアルに含有される試験薬剤ISIS304801(200mg/mL、1.0mL)の溶液が提供される。バイアルは1回使用のみである。ISIS304801溶液及び偽薬は薬剤師(又は資格のある代理人)によって調製される。訓練された専門家が各投薬日に腹部、大腿部又は上腕の外面にて単回SC注射として300mgの試験薬剤を投与する。
【0437】
患者は13週間(1、8、15、22、29、36、43、50、57、64、71、78、及び85日目)週に1回のSC注射によって13回の試験薬剤の投与を受ける。患者は、1日目±0日及び±1日の範囲内での8、15、22、29、36、43、50、57、64、71、78、及び85日目に外来治療を完了する。大きなPK群の患者は24時間採血のために1日目と85日目に対してそれぞれ2日目と86日目±0日にも外来診療を受ける。患者は、予定された外来日の±1日の範囲内で92日目及び99日目、±3日の範囲内で127日目及び±5日の範囲内で176日目に経過観察外来を完了する。食後評価群は24時間採血のために±2日の範囲内で103日目と103日目の翌日も外来診療を受ける。
【0438】
PD測定のための採血を含む各外来(8、15、29、43、57、71及び85日目)に先行して、患者は、その外来の前の夕方の夕食に標準化された調理済みの食事が提供され(患者当たり、時点当たりの脂肪摂取の均一な適度を確保するために)、その後、絶食したままである。アルコール摂取は外来診療に先行して48時間許されない。
【0439】
8、15、29、43、57、71及び85日目でのVLDL、ApoC−III及び他のPDマーカーの測定のために絶食後及び/又は食事後に血液を採取する(試験薬剤の
投与に先立って)。
【0440】
食後評価群の患者は食後評価に先立って2日間、標準化された調理済みの食事(昼食及び夕食(提供される)及び朝食と間食のための指示書)を摂取する。食後評価の日のそれぞれで、採血に続いて患者は、安定な放射線同位元素トレーサーと共に1日のカロリー要求の約1/3を表す標準化された液状食事を摂取し、その後、一連の採血を行う。液状食
事を摂取した9時間後、患者は標準化された調理済みの食事を受け取り、その後、翌日の24時間採血まで絶食する。
【0441】
トラフ試料の採取に加えて、大きなPK評価群の患者は試験薬剤の最初(1〜2日目)及び最後(85〜86日目)の投薬後24時間一連の採血を受ける。曲線下面積(AUC)、トラフ濃度(Cmin)及びその他のようなPKパラメータが評価されるであろう。
【0442】
治療後評価の期間
患者は176試験日まで経過観察される。この時間の間に、安全性評価及び臨床検査評価(採血)、食事の相談及びモニタリング、併用薬物使用の記録及びAE事象の回収のために患者は、試験日92、99、127及び176日目(及び食後評価群の患者については103日目)に外来診療のために試験センターに戻る。
【0443】
PK及びPDの解析のための血液試料を治療後評価期間全体を通して定期的に採取する。試験全体を通して種々の時に、血清化学、尿分析、凝固、補体、血液学、免疫機能、甲状腺機能及び完全な脂質パネルの臨床検査測定を実施する。
【0444】
食後評価は以下に記載されるような患者のサブセットで行う。
【0445】
食後の食事、試料採取スケジュール及び評価
液状食事の中に超音波で入れた標識トレーサー3Hパルミチン酸塩(300μCi, Perkin Elmer Inc., Woodbridge, ON, Canada)によって補完された放射線標識の食事を用いてリポタンパク質代謝の食後評価を行う。パルミチン酸塩は食事の一般的な構成成分である脂肪酸である。3Hパルミチン酸塩トレーサーはX線と同等の弱い放射活性を放出する。カイロミクロンは消化管の腸細胞で形成され、食事のパルミチン酸塩はカイロミクロンに取り込まれるので、これによって循環から新しく形成されたカイロミクロンの出現及びクリアランスのモニタリングが可能になる。カイロミクロンの出現及びクリアランスの食後動態を研究するのに適用される方法論は定評がある(Mittendorfer ら. 2003, Diabetes, 52: 1641-1648; Bickerton ら. 2007; Normand-Lauziere ら. 2010, PLoS. One, 5:
e10956)。
【0446】
少量の(300μCi)の放射線標識した脂肪酸(3Hパルミチン酸塩)を含有する液状食事(ミルクセーキに類似する)が提供されるであろう。液状食事は1日のカロリー要求の約1/3を提供するであろう。食事摂取の1時間前から9時間後まで、以前記載された(Normand-Lauziere ら. 2010, PLoS. One, 5: e10956)ように、[U−13C]−Kパルミチン酸塩(100mlの25%ヒト血清アルブミンにて0.01μmol/kg/分; Cambridge Isotopes Laboratories Inc., Andover, MA)の一定の点滴及び[1,1,2,3,3−2H]−グリセロール(Cambridge Isotopes Laboratories Inc.)のプライムした(1.6μmol/kg)連続(0.05μmol/kg/分)点滴が投与される。それぞれ90ml/kg及び230ml/kgの分布の値を仮定するSteelの非定常状態方程式を用いて血漿のパルミチン酸塩とグリセロールの出現速度を算出する(Gastaldelli ら. 1999, J Appl. Physiol, 87: 1813-1822)。
【0447】
以下の表で言及されるように、治療フェーズに先立って及びその後の日における放射性標識した食事の摂取の前後で間隔を置いて血液試料を採取する。9時間の採血の後、標準化した食事が参加者に与えられる。血液はNa2EDTA及びOrlistat(30μ
g/ml, Roche, Mississauga, Canada)を含有する試験管にて採取し、試験管内でのト
リアシルグリセロールの脂質分解を防ぎ、別の試料を血漿グルコース測定のためにNaF試験管に採取する。
【0448】
以下が各時点で測定される:
・3Hトレーサーの血漿及びCM分画でのレベル
・血漿[U−13C]−Kパルミチン酸塩及び[1,1,2,3,3−2H]−グリセロールの出現速度
・TG、TC及びapoBの血漿及びCM分画でのレベル
・ApoCIII、ApoCII、及びApoEの血漿及びVLDL分画でのレベル
・グルコースの血漿レベル
【0449】
薬剤結合タンパク質、生体分析法検証目的、安定性及び代謝産物の評価のプロファイリングのために、又はISIS304801の血漿成分との他の作用を評価するために血漿試料も使用され得る。
【0450】
結果
この試験に動員されたフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDであると診断された3人の患者についての結果を以下に提示する。患者2人はP207LのヌルLPL遺伝子変異についてホモ接合体であり、患者1人はP207LとG188EのヌルLPL遺伝子変異について複合ヘテロ接合体である。患者はすべてLPL塊を有したが、LPLの活性はないか又は極めて低いレベル(<5%)だった。患者は治療開始前以外の食事療法後TGレベル≧440mg/dLを有した。患者の2人は急性膵炎の確認された既往歴を有し、1人は2007年12月グリベラ(登録商標)による遺伝子治療を受けた。
【0451】
空腹時ApoCIIIのレベルにおける変化率のデータを以下の表に提示する。結果は、ISIS304801による治療が空腹時ApoC−IIIのレベルを下げたことを示す。「nd」は特定の時点でデータが回収されなかったことを示す。
【表2】
【0452】
空腹時トリグリセリドのレベルも測定した。空腹時トリグリセリドの変化率と同様に絶対的なレベルを以下の表にて提示する。結果はISIS304801による治療が空腹時トリグリセリドのレベルを下げたことを示す。
【表3】
【表4】
【0453】
空腹時非HDLコレステロールのレベルも測定した。空腹時非HDLコレステロールのレベルの変化率と同様に絶対的なレベルを以下の表にて提示する。結果はISIS304801による治療が空腹時非HDLコレステロールのレベルを下げたことを示す。
【表5】
【表6】
【0454】
カイロミクロンの測定であるApoB−48のレベルも測定した。ApoB−48のレベルの変化率と同様に絶対的なレベルを以下の表にて提示する。結果はISIS304801による治療が空腹時ApoB−48のレベルを下げたことを示す。
【表7】
【表8】
【0455】
空腹時FCS患者における全体的な脂質プロファイルを治療の終了時に測定し、ベースラインと比較した。データは以下の表にて提示され、ISIS304801による治療が患者における全体的な脂質プロファイルを改善したことを示す。
【表9】
【表10】
【0456】
安全性評価
ISIS304801による治療は、ULNの3倍を上回る肝臓酵素の上昇、腎機能の異常、他の臨床検査値、又は関連するSAE又は有意なAEにおける意味のある臨床的な変化の課題を有さなかった。
【0457】
治療は、治療がなければ解消される風邪のような症状はなく、稀な軽い部位反応を伴って患者すべてによって認容された。注射部位反応による中断はなかった。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDを治療する、予防する、遅滞させる又は改善する方法であって、動物にApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を投与し、それによってフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDを予防する、遅滞させる又は改善することを含む方法。
[態様2] 動物にてトリグリセリドのレベルを低下させる態様1に記載の方法。
[態様3] 動物にてHDLのレベル及び/又はTGのHDLに対する比が改善される態様1に記載の方法。
[態様4] 膵炎、循環器及び/又は代謝性の疾患又は障害の症状又はリスクが改善される態様1に記載の方法。
[態様5] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてトリグリセリドのレベルを低下させる方法であって、動物にApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を投与し、それによってフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてトリグリセリドのレベルを低下させることを含む方法。
[態様6] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLのレベルを上昇させる及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法であって、動物にApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を投与し、それによってフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLのレベルを上昇させる及び/又はTGのHDLに対する比を改善することを含む方法。
[態様7] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法であって、動物にApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を投与し、それによってフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善することを含む方法。
[態様8] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法であって、動物にApoCIII特異的な阻害剤を含む治療上有効な量の化合物を投与し、それによってフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善することを含む方法。
[態様9] ApoCIIIが配列番号1、配列番号2又は配列番号4にて示されるような核酸配列を有する上記態様のいずれかに記載の方法。
[態様10] ApoCIII特異的な阻害剤がApoCIIIの発現を阻害することが可能である、核酸、ペプチド、抗体、小分子、又は他の剤である上記態様のいずれかに記載の方法。
[態様11] 核酸がApoCIIIを標的とする修飾されたオリゴヌクレオチドであ
る上記態様のいずれかに記載の方法。
[態様12] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、配列番号3の核酸塩基配列の少なくとも8の隣接する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する態様11に記載の方法。
[態様13] 修飾されたオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1、配列番号2又は配列番号4の核酸塩基配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%又は100%相補性である態様11に記載の方法。
[態様14] 修飾されたオリゴヌクレオチドが一本鎖の修飾されたオリゴヌクレオチドから成る態様11〜13のいずれかに記載の方法。
[態様15] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、12〜30の連結されたヌクレオシドから成る態様11〜14のいずれかに記載の方法。
[態様16] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、20の連結されたヌクレオシドから成る態様15に記載の方法。
[態様17] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合、糖部分又は核酸塩基を有する態様11〜16のいずれかに記載の方法又は使用。
[態様18] 修飾されたオリゴヌクレオチドの修飾されたヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、修飾された糖部分が二環式の糖又は2’−O−メトキシエチルであり、修飾された核酸塩基が5−メチルシトシンである態様17に記載の方法又は使用。
[態様19] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが修飾された糖部分を含む態様11に記載の方法又は使用。
[態様20] 修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である態様11に記載の方法又は使用。
[態様21] 動物にてフレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDを治療する、予防する、遅滞させる、又は改善する方法であって、動物に配列番号3の配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を投与することを含み、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDが治療され、予防され、遅滞され又は改善される方法。
[態様22] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてトリグリセリドのレベルを低下させる方法であって、動物に配列番号3の配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を投与することを含み、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて修飾されたオリゴヌクレオチドが、トリグリセリドのレベルを低下させる方法。
[態様23] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLのレベルを高める及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法であって、動物に配列番号3の配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を投与することを含み、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて、修飾されたオリゴヌクレオチドがHDLのレベルを高める及び/又はTGのHDLに対する比を改善する方法。
[態様24] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法であって、動物に配列番号3の配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を投与することを含み、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(d)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(e)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(f)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて、修飾されたオリゴヌクレオチドが循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる、改善する又は軽減する方法。
[態様25] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善する方法であって、動物に配列番号3の配列を有する修飾されたオリゴヌクレオチドを含む治療上有効な量の化合物を投与することを含み、
前記修飾されたオリゴヌクレオチドが、
(a)10の連結されたデオキシヌクレオシドから成るギャップ断片と
(b)5の連結されたヌクレオシドから成る5’ウイング断片と、
(c)5の連結されたヌクレオシドから成る3’ウイング断片とを含み、
前記ギャップ断片が5’ウイング断片と3’ウイング断片に直接隣接して5’ウイング断片と3’ウイング断片の間に位置し、各ウイング断片の各ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチル糖を含み、各シトシンが5’−メチルシトシンであり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、前記修飾されたオリゴヌクレオチドが膵炎を予防する、遅滞させる、改善する又は軽減する方法。
[態様26] ApoCIII特異的な阻害剤を含む化合物であって、
(a)フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてトリグリセリドのレベルを低下させること;
(b)フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にてHDLのレベルを高める及び又はTGのHDLに対する比を改善すること;
(c)フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて循環器及び/又は代謝性の疾患、障害、状態又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善すること;及び/又は
(d)フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの動物にて膵炎又はその症状を予防する、遅滞させる又は改善することにて
使用するための化合物。
[態様27] 化合物が非経口で投与される上記態様のいずれかに記載の方法又は使用。
[態様28] 非経口投与が皮下投与である態様27に記載の方法又は使用。
[態様29] さらに第2の剤を含む上記態様のいずれかに記載の方法又は使用。
[態様30] 第2の剤が、ApoCIII低下剤、コレステロール低下剤、非HDL脂質低下剤、LDL低下剤、TG低下剤、コレステロール低下剤、HDL上昇剤、魚油、ナイアシン、フィブラート、スタチン、DCCR(ジアゾオキシドの塩)、グルコース低下剤、又は抗糖尿病剤から選択される態様29に記載の方法又は使用。
[態様31] 第2の剤が化合物と併用して又は順次投与される態様29に記載の方法又は使用。
[態様32] 化合物が塩の形態である上記態様のいずれかに記載の方法又は使用。
[態様33] さらに薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤を含む上記態様のいずれかに記載の方法又は使用。
[態様34] フレドリクソンI型脂肪異常症、FCS、LPLDの患者が遺伝子スクリーニングによって特定される上記態様のいずれかに記載の方法又は使用。