(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681430
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法
(51)【国際特許分類】
A44B 19/26 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
A44B19/26
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-100789(P2018-100789)
(22)【出願日】2018年5月25日
(65)【公開番号】特開2019-202072(P2019-202072A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】518185831
【氏名又は名称】顔 鄭栄
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100111442
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 英一
(72)【発明者】
【氏名】顔 鄭栄
【審査官】
田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−100411(JP,A)
【文献】
特開昭62−027070(JP,A)
【文献】
特開昭56−038291(JP,A)
【文献】
特開昭52−100526(JP,A)
【文献】
実公昭34−017769(JP,Y1)
【文献】
実公昭34−011944(JP,Y1)
【文献】
実公昭34−015280(JP,Y1)
【文献】
特開2017−079884(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0053379(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2006−0084706(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第2003−0021966(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 19/00 − 19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下塗りスプレー及び乾燥ステップを行う必要のあるファスナースライダー及びその引き手素材のプラスチック又は金属材質、元のベース色の深さ程度、表面粗さ等の要素又は要求に応じて5〜10回のドラム式スプレー機構のスプレー及び乾燥工程を行い、各ファスナースライダー及びその引き手素材の表面に均等な下塗り層を有し、そのうち、毎回のドラム式スプレー機構の下塗りスプレー及び乾燥工程は、先ず、所定の数量のファスナースライダー及びその引き手素材をドラム式スプレー機構に投入し、下塗りスプレー作業を行い、その後、取り出した後、乾燥機構によって摂氏130℃〜180℃の温度により15〜20分間の乾燥作業を行うことを含む、下塗りスプレー及び乾燥ステップと、
前記下塗りスプレー及び乾燥ステップの完成後の均等下塗り層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を治具に安置し、搬送機構でパターンカラー自動スプレー機構に搬送し、該搬送作業の搬送停止を制御し、静止状態で前記乾燥後の均等下塗り層を有するファスナースライダー及びその引き手素材に対して必要な異なるパターンに従って複数回の自動スプレーを行い、前記ファスナースライダー及びその引き手素材に必要なカラーパターンコーティング層をスプレーさせるパターンカラースプレーステップと、
前記パターンカラースプレーステップの完成後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送機構によって継続搬送して第2乾燥機構にとって乾燥作業を行い、前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材が金属材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏110℃〜170℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の該第2乾燥機構による乾燥時間が10〜20分間で乾燥を行い、前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材がプラスチック材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏50℃〜100℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の第2乾燥機構による乾燥時間が30〜50分間で乾燥作業を行う、第2乾燥ステップと、
前記第2乾燥ステップの後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送機構によって光沢塗料自動スプレー機構に継続搬送し、搬送を停止し、停止状態で光沢塗料スプレー作業を行い、前記第2乾燥ステップの完成後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の表面に更に光沢塗料表面保護層を、前記光沢塗料自動スプレー機構でスプレーする光沢塗料表面保護層スプレーステップと、
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送機構によって第3乾燥機構に搬送して乾燥を行い、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材の光沢塗料表面保護層を乾燥させて完成品を取得する、第3乾燥ステップと、
第3乾燥ステップの完成後の完成品を前記搬送機構によって完成品収集位置に継続的に搬送した後に搬送を停止し、停止状態で手動又は自動取得機構によって前記完成品を治具から取り出す、完成品取り出しステップと、
を含む、カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【請求項2】
前記下塗りスプレー及び乾燥ステップ、パターンカラースプレーステップ、第2乾燥ステップ、光沢塗料表面保護層スプレーステップ及び第3乾燥ステップは、何れも無塵室内で行って加工を完成する請求項1に記載のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【請求項3】
前記ファスナースライダー及びその引き手素材が金属材質である時、無塵室において、洗浄機構によって洗浄作業を行い、それから前記下塗りスプレープ及び乾燥ステップを行う請求項1に記載のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【請求項4】
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップが高温乾燥する光沢塗料を採用してスプレーを行う場合、前記第3乾燥機構は、摂氏110℃〜170℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材の該第3乾燥機構による乾燥時間は、10〜20分間で乾燥を行う請求項1に記載のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【請求項5】
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップが、低温乾燥する光沢塗料を採用してスプレーを行う場合、前記第3乾燥機構は、摂氏70℃〜80℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材の該第3乾燥機構による乾燥時間は、40〜60分間で乾燥を行う請求項1に記載のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【請求項6】
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップがUVで硬化乾燥する光沢塗料を採用してスプレーを行う場合、前記第3乾燥機構に接続した後のUVによる硬化乾燥設備によって行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材は、先ず該第3乾燥機構により50℃〜70℃の温度で乾燥作業を行い、且つ乾燥時間が10〜15分間であり、その後、該UVによる硬化乾燥設備によって400〜700ジュールの紫外線で50〜70秒照射して乾燥作業を行う請求項1に記載のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のファスナースライダー及びその引き手は、何れも元の金属材料の色又は元のプラスチック材料の色であり、マルチカラー又はパターンの多様な変化に欠いている。
【0003】
台湾発明第I313628号「カラー金属ファスナーの成型方法及びその装置」特許は、主にファスナーのチェーンに対してラミネーション、結合、転写及び投与等の工程を行ってカラー金属ファスナーチェーンを得る金属ファスナーストリップの成形方法を開示している。
【0004】
また、台湾実用新案M263798号は、金属ファスナーチェーンを複数回の分段浸食処理及び異なる化学薬剤の浸漬を経た後、金属ファスナーチェーンに異なる色領域を持たせることを開示している。台湾公告第413621号、第379170号特許は、ファスナーのチェーン表面にカラー加工を行う製造方法を開示している。
【0005】
本発明者は、これに鑑み、絶え間ない研究及び改良を経て、カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法を発明設計している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾発明第I313628号公報
【特許文献2】台湾実用新案M263798号公報
【特許文献3】台湾公告第413621号公報
【特許文献4】台湾公告第379170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の主な目的は、カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手の完成品を得て、この種の完成品の多様な色彩の外観装飾性及び視覚変化効果が衣服、バッグ、スーツケース等の物品の上方に用いる装飾の美感を向上させることができるカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法を提供することである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダーが物性試験を経た後にコーティング層が脱落しない利点を有するカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法を提供することである。
【0009】
本発明の更にもう1つの目的は、自動化加工への組み合わせを達成するカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法は、
下塗りスプレー及び乾燥ステップを行う必要のあるファスナースライダー及びその引き手素材のプラスチック又は金属材質、元のベース色の深さ程度、表面粗さ等の要素又は要求に応じて5〜10回のドラム式スプレー機構のスプレー及び乾燥工程を行い、各ファスナースライダー及びその引き手素材の表面に均等な下塗り層を有し、そのうち、毎回のドラム式スプレー機構の下塗りスプレー及び乾燥工程は、先ず、所定の数量のファスナースライダー及びその引き手素材をドラム式スプレー機構に投入し、下塗りスプレー作業を行い、その後、取り出した後、乾燥機構によって摂氏130℃〜180℃の温度により15〜20分間の乾燥作業を行うことを含む、下塗りスプレー及び乾燥ステップを含む。
【0011】
前記下塗り層及び乾燥ステップの完成後の均等下塗り層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を治具に安置し、搬送機構でパターンカラー自動スプレー機構に搬送し、該搬送作業の搬送停止を制御し、静止状態で前記乾燥後の均等下塗り層を有するファスナースライダー及びその引き手素材に対して必要な異なるパターンに従って複数回の自動スプレーを行い、前記ファスナースライダー及びその引き手素材に必要なカラーパターンコーティング層をスプレーさせるパターンカラースプレーステップを含む。
【0012】
前記パターンカラースプレーステップの完成後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送機構によって継続搬送して第2乾燥機構にとって乾燥作業を行い、前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材が金属材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏110℃〜170℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の該第2乾燥機構による乾燥時間が10〜20分間で乾燥を行い、前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材がプラスチック材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏50℃〜100℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の第2乾燥機構による乾燥時間が30〜50分間で乾燥作業を行う、第2乾燥ステップを含む。
【0013】
前記第2乾燥ステップの後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送機構によって光沢塗料自動スプレー機構に継続搬送し、搬送を停止し、停止状態で光沢塗料スプレー作業を行い、前記第2乾燥ステップの完成後のカラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の表面に更に光沢塗料表面保護層をスプレーさせ、前記光沢塗料自動スプレー機構がスプレーする光沢塗料は、
高温乾燥する光沢塗料(以下、「高温光沢塗料」という。)、
低温乾燥する光沢塗料(以下、「低温光沢塗料」という。)又は
UV(紫外線)のエネルギーによって硬化乾燥する塗料(以下、「UV光沢塗料」という)である、光沢塗料表面保護層スプレーステップを含む。
【0014】
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材を前記搬送によって第3乾燥機構に搬送して乾燥を行い、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップの完成後のファスナースライダー及びその引き手素材の光沢塗料表面保護層を乾燥させて完成品を取得する、第3乾燥ステップと、
第3乾燥ステップの完成後の完成品を前記搬送機構によって完成品収集位置に継続的に搬送した後に搬送を停止し、停止状態で
手動(人工)又は自動取得機構によって前記完成品を治具から取り出す、完成品取り出しステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
上記のように、本発明は、以下の効果を有する。
1.カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダー及びその引き手の完成品を得て、この種の完成品の多様な色彩の外観装飾性及び視覚変化効果が衣服、バッグ、スーツケース等における物品上方の装飾の美感を高めることができる。
2. カラーパターンコーティング層を有するファスナースライダーが物性試験を経た後、コーティング層が脱落しない利点を有する。
3.自動化加工の目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例における方法の工程流れ図である。
【
図2】本発明の実施例のファスナースライダー及びその引き手素材の俯瞰平面図である。
【
図3】本発明の実施例の下塗り層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の俯瞰平面図である。
【
図4】本発明の実施例のパターンカラー又は異なる部位のマルチカラー層を有するファスナースライダー及びその引き手素材の俯瞰平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、本発明のカラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法は、
下塗りスプレー及び乾燥ステップ1を行う必要のあるファスナースライダー及びその引き手素材81(別途
図2参考)のプラスチック又は金属材質、元のベース色の深さ程度、表面粗さ等の要素又は要求に応じて5〜10回のドラム式スプレー機構のスプレー及び乾燥工程を行い、各ファスナースライダー及びその引き手素材81の表面に均等な下塗り層811(別途
図3参考)を有し、そのうち、毎回のドラム式スプレー機構の下塗りスプレー及び乾燥工程は、先ず、所定の数量のファスナースライダー及びその引き手素材81をドラム式スプレー機構に投入し、下塗りスプレー作業を行い、その後、取り出した後、乾燥機構によって摂氏130℃〜180℃の温度により15〜20分間の乾燥作業を行うことを含む、下塗りスプレー及び乾燥ステップ1と、
前記下塗り層及び乾燥ステップ1の完成後の均等下塗り層811を有するファスナースライダー及びその引き手素材81を治具に安置し、搬送機構でパターンカラー自動スプレー機構に搬送し、該搬送作業の搬送停止を制御し、静止状態で前記乾燥後の均等下塗り層811を有するファスナースライダー及びその引き手素材81に対して必要な異なるパターンに従って複数回の自動スプレーを行い、前記ファスナースライダー及びその引き手素材81に必要なカラーパターンコーティング層812、813、814、815をスプレーさせる(別途
図4参考)パターンカラースプレーステップ2を含む。
【0018】
前記パターンカラースプレーステップ2の完成後のカラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81を前記搬送機構によって継続搬送して第2乾燥機構にとって乾燥作業を行い、前記カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81が金属材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏110℃〜170℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81の該第2乾燥機構による乾燥時間が10〜20分間で乾燥を行うことが好ましく、前記カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81がプラスチック材質である場合、前記第2乾燥機構は、摂氏50℃〜100℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81の第2乾燥機構による乾燥時間が30〜50分間で乾燥作業を行うことが好ましい、第2乾燥ステップ3を含む。
【0019】
前記第2乾燥ステップ3の後のカラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81を前記搬送機構によって光沢塗料(金泥)自動スプレー機構に継続搬送し、搬送を停止し、停止状態で光沢塗料(金泥)スプレー作業を行い、前記第2乾燥ステップ3の完成後のカラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手素材81の表面に更に光沢塗料(金泥)表面保護層をスプレーさせ、前記光沢塗料(金泥)自動スプレー機構がスプレーする光沢塗料(金泥)は、高温光沢塗料(金泥)、低温光沢塗料(金泥)又はUV光沢塗料(金泥)である、光沢塗料表面保護層スプレーステップ4を含む。
【0020】
前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4の完成後のファスナースライダー及びその引き手素材81を前記搬送によって第3乾燥機構に搬送して乾燥を行い、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4の完成後のファスナースライダー及びその引き手素材81の光沢塗料(金泥)表面保護層を乾燥させて完成品8を取得し、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4が高温光沢塗料(金泥)を採用したスプレーを行う場合、前記第3乾燥機構の
乾燥設備は、摂氏110℃〜170℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4の完成後のファスナースライダー及びその引き手素材81の該第3乾燥機構の
乾燥設備による乾燥時間は、10〜20分間で乾燥を行うことが好ましく、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4は、低温光沢塗料(金泥)を採用してスプレーを行う場合、前記第3乾燥機構は、摂氏70℃〜80℃の温度で乾燥作業を行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4の完成後のファスナースライダー及びその引き手素材81の該第3乾燥機構による乾燥時間は、40〜60分間で乾燥を行うことが好ましく、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4がUV
(紫外線)のエネルギーによって硬化乾燥する光沢塗料 (金泥)を採用してスプレーを行う場合、前記第3乾燥機
構に接続した後のUV(
紫外線)による硬化乾燥設
備で行い、且つ前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4の完成後のファスナースライダー及びその引き手素材81は、先ず該第3乾燥機構の乾燥
設備により50℃〜70℃の温度で乾燥作業を行い、且つ乾燥時間が10〜15分間であり、その後、該UV
(紫外線)による硬化乾燥設備によって400〜700ジュールの紫外線で50〜70秒照射して
硬化乾燥作業を行うことが好まし
く、これらは第3乾燥ステップに含
まれる。
【0021】
前記第3乾燥ステップ5の完成後の完成品8を前記搬送機構によって完成品収集位置に継続的に搬送した後に搬送を停止し、停止状態で
手動又は自動取得機構によって前記完成品8を治具から取り出す、完成品取り出しステップ6とを含む。
【0022】
また、前記光沢塗料表面保護層スプレーステップ4及び第3乾燥ステップ5は、何れも無塵室内で行って加工を完成し、加工工程で粉塵が付着することを回避する。
【0023】
また、前記カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法は、ファスナースライダー及びその引き手素材81が金属材質である時、洗浄機構によって洗浄作業を行い、該下塗りスプレー及び乾燥ステップ1を更に行う。
【0024】
また、前記カラーファスナースライダー及びその引き手の加工方法は、自動化加工の目的を達成でき、カラーパターンコーティング層812,813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手の完成品を得て、この種の完成品の多様な色彩の外観装飾性及び視覚変化を得る。
【0025】
また、前記カラーパターンコーティング層812,813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手の完成品8の物性は、以下である。
1.前記完成品8及び摂氏80℃で約60分間煮た後に取り出し、櫛カッター又は一般のカッターで完成品表面を切断し、テープで接着した後、該テープを剥がし、完成品はコーティングが脱落しないように保持される。
2.水洗浄設備で温度約45℃の水を用いて完成品に対して約1分間の水洗浄作業を行い、連続で水洗浄を5回行っても依然としてコーティングが脱落しないように保持できる。
3.完成品8は、脱水作業10分間を経た後、コーティングが脱落しないように保持する。
4.完成品8は、摂氏60℃のドライ洗浄油に60分間浸した後に取り出しても依然としてコーティングが脱落しないように保持する。
5.乾燥機構で摂氏65℃の条件で20分乾燥を行った後、完成品8は、コーティングが脱落しないように保持する。
6.10分間冷却した後、完成品8のコーティングが脱落しない。
7.八大金属(カドミウム、クロム、水銀、ヒ素、銅、亜鉛、ニッケル、鉛)を含まない金属材料を採用することによって、試験を経ても八大金属を含まない報告結果を
得る。
【0026】
上記のように、本発明は、以下の効果を有する。
1.カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダー及びその引き手の完成品を得て、この種の完成品の多様な色彩の外観装飾性及び視覚変化効果が衣服、バッグ、スーツケース等における物品上方の装飾の美感を高めることができる。
2.カラーパターンコーティング層812、813、814、815を有するファスナースライダーが物性試験を経た後、コーティング層が脱落しない利点を有する。
3.自動化加工の目的を達成できる。
【符号の説明】
【0027】
1 下塗りスプレー及び乾燥ステップ
2 パターンカラースプレーステップ
3 第2乾燥ステップ
4 光沢塗料表面保護層スプレーステップ
5 第3乾燥ステップ
6 完成品取り出しステップ
8 完成品
81 素材
811 下塗り層
812、813、814、815 カラーパターンコーティング層