特許第6681439号(P6681439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6681439ウェーハ洗浄装備の温度制御装置およびこれを用いた温度制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681439
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】ウェーハ洗浄装備の温度制御装置およびこれを用いた温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20200406BHJP
   G01K 7/18 20060101ALI20200406BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   H01L21/304 648G
   G01K7/18 A
   H01L21/304 642A
   H01L21/304 648A
   H01L21/304 648F
   H01L21/68 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-128706(P2018-128706)
(22)【出願日】2018年7月6日
(65)【公開番号】特開2019-29653(P2019-29653A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0094514
(32)【優先日】2017年7月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511028928
【氏名又は名称】エスケー シルトロン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ハ、セ グン
【審査官】 加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−289894(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3169239(JP,U)
【文献】 特開2006−234382(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第2002−0093203(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
G01K 7/18
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセットに収納されたウェーハを洗浄するための洗浄液が収容される内槽と、前記内槽からあふれる前記洗浄液が収容される外槽とを含む洗浄槽、
前記内槽の内側に備えられ、洗浄工程を通して前記洗浄液にさらされ、前記洗浄液の温度を測定して第1測定値を生成する第1温度センサー、
前記外槽から前記内槽に前記洗浄液を循環させる循環流路、
前記循環流路上に備えられ、前記第1温度センサーの前記第1測定値に基づいて洗浄液を加熱するヒーター、
前記カセットを把持した状態で前記内槽の内側にウェーハを出入させるトランスファーロボット、
前記トランスファーロボットに備えられ、前記洗浄工程において、前記ウェーハが前記洗浄液に投入される場合にのみ前記洗浄液にさらされ、前記洗浄液の温度を測定して第2測定値を生成する第2温度センサー、および、
前記第1温度センサーの前記第1測定値と前記第2温度センサーの前記第2測定値と比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する制御部、を含み、
前記制御部は、
前記第1測定値と前記第2測定値との間の差が設定温度以上の場合、前記第1温度センサーが誤動作したと判断して、前記第1温度センサーの感知異常を知らせる、
ウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【請求項2】
前記トランスファーロボットは、
前記カセットの前/後面を把持することができる一対のロボットアームを含み、
前記第2温度センサーは、
前記ロボットアームが前記内槽に投入された場合、前記第1温度センサーと近接するように前記ロボットアームの少なくとも一つのロボットアームに設けられる、
請求項1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【請求項3】
前記第2温度センサーは、
アルカリに対して耐性のあるテフロン(登録商標)系のコーティング層が備えられた白金温度計である、
請求項2に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1測定値と前記第2測定値との間の差が設定温度未満の場合、前記第1温度センサーが正常に動作していると判断する、
請求項1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【請求項5】
カセットに収納されたウェーハを洗浄するための洗浄液が収容される内槽と、前記内槽からあふれる前記洗浄液が収容される外槽とを含む洗浄槽、
前記内槽の内側に備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第1測定値を生成する第1温度センサー、
前記外槽から前記内槽に前記洗浄液を循環させる循環流路、
前記循環流路上に備えられ、前記第1温度センサーの前記第1測定値に基づいて洗浄液を加熱するヒーター、
前記カセットを把持した状態で前記内槽の内側にウェーハを出入させるトランスファーロボット、
前記トランスファーロボットに備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第2測定値を生成する第2温度センサー、および、
前記第1温度センサーの前記第1測定値と前記第2温度センサーの前記第2測定値とを比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する制御部、を含み、
前記洗浄槽と前記第1温度センサーは複数備えられ、
前記制御部は、
複数の前記洗浄槽のそれぞれの前記内槽から前記洗浄液を排水させ、設定温度の純水を給水した状態で複数の前記洗浄槽のそれぞれの前記第1温度センサーで測定された測定値を互いに比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する、
ェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【請求項6】
カセットに収納されたウェーハをトランスファーロボットが把持して、洗浄液が収容された内槽の内側にウェーハを投入し、前記ウェーハを洗浄するステップ、
前記洗浄中に前記内槽の内側に備えられ、洗浄工程を通して前記洗浄液にさらされる第1温度センサーと前記トランスファーロボットに備えられ、前記洗浄工程において、前記ウェーハが前記洗浄液に投入される場合にのみ前記洗浄液にさらされる第2温度センサーとで前記洗浄液の温度を測定して第1および第2測定値を生成するステップ、
前記第1測定値と前記第2測定値とを比較するステップ、
前記第1測定値と前記第2測定値との間の差が設定温度以上の場合、前記第1温度センサーが誤動作したと判断して、前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ、および、
前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ、
を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【請求項7】
前記第1および第2測定値を生成するステップは、
前記第2温度センサーが前記第1温度センサーと近接した位置で前記洗浄液の温度を測定するステップを含む、
請求項に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【請求項8】
ウェーハを複数の洗浄槽のそれぞれの内槽に収容された洗浄液によって洗浄するステップ、
前記洗浄の完了後、前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽から洗浄液を排水させ、設定温度の純水を給水した状態で前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽の内側にそれぞれ備えられた第1温度センサーで純水の温度を測定して測定値を生成するステップ、
前記第1温度センサーの測定値を互いに比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ、および、
前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ、
を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【請求項9】
前記測定値を生成するステップは、
前記内槽に純水を給水し、設定時間の経過後に前記第1温度センサーによって純水の温度を測定するステップを含む、
請求項に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【請求項10】
前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップは、
前記第1温度センサーの測定値誤差が設定温度未満であると、前記第1温度センサーを正常と判断するステップ、および、
前記第1温度センサーの測定値の誤差が設定温度以上であると、前記第1温度センサーを感知異常と判断するステップを含む、
請求項に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内部に位置した温度センサーの感知異常を迅速かつ正確に判断できるウェーハ洗浄装備の温度制御装置、およびこれを用いた温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子製造用材料として広範囲に使用されているウェーハ(wafer)は、多結晶のシリコンを原材料として作られた単結晶シリコン薄板をいう。
【0003】
このようなウェーハは、多結晶のシリコンを単結晶シリコンインゴット(ingot)に成長させた後、単結晶シリコンインゴットをウェーハの形状に切断するスライシング(slicing)工程と、ウェーハの厚さを均一化して平面化するラッピング(lapping)工程と、機械的な研磨によって発生した損傷を除去または緩和するエッチング(etching)工程と、ウェーハ表面を鏡面化するポリッシング(polishing)工程と、ウェーハを洗浄する洗浄工程(cleaning)等を経て製造される。
【0004】
普通、ウェーハの洗浄工程は一括処理(batch)方式で進行されるが、これは数枚のウェーハが収納されたカセットを洗浄液が収容された洗浄槽に浸ける方式である。
【0005】
しかし、最近、半導体素子の高密度化傾向によりウェーハの洗浄工程時に現れるウェーハ表面がエッチングされる比率も精密に制御されている。
【0006】
図1は、一般的なウェーハ洗浄装備が示された構成図である。
【0007】
一般的なウェーハ洗浄装備は、図1に示されたように、洗浄液が収容された内槽1aにウェーハWが投入されるように備えられ、前記内槽1aからあふれた洗浄液が収容され得る外槽1bが備えられ、前記外槽1bから前記内槽1aに洗浄液を循環させる循環流路Lが備えられる。
【0008】
また、前記循環流路Lに沿って流れる洗浄液を加熱するヒーターHが設けられ、前記内槽1aの内側に洗浄液の温度を測定する温度センサー2が備えられ、前記温度センサー2の測定値に基づいて前記ヒーターHの作動を制御する制御部Cが備えられる。
【0009】
通常、シリコンウェーハWを洗浄するために水酸化カリウム(KOH)等のような強アルカリ性洗浄液が使用される。ウェーハWの洗浄工程の間、このような強アルカリ性洗浄液によってウェーハWの表面がエッチングされる。このようなウェーハWのエッチング率を一定に維持するために洗浄液の温度が均一に維持されなければならない。
【0010】
特許文献1には、薬液槽にウェーハを投入する場合、ウェーハの数量に合わせてヒーターを制御することによって、ウェーハの投入時にも薬液槽の温度を一定に維持してウェーハの表面を均一な状態に維持できる薬液槽の温度維持装置が開示されている。
【0011】
図2は、従来技術によるウェーハ洗浄装備の洗浄液の温度測定値が示されたグラフであり、図3は、従来技術によるウェーハ洗浄装備のウェーハエッチング率が示されたグラフである。
【0012】
従来技術によると、図2に示されたように、特定区間Aで温度センサーの測定値が急に高まると、それに応じてヒーターの作動を制御して洗浄液の温度を適正温度に下げるように制御し、温度制御区間でウェーハのエッチング率も一定に維持される。
【0013】
しかし、温度センサーの測定値が高まった区間Aで洗浄液の温度を均一に制御しても、図3に示されたように、特定区間Aでウェーハのエッチング率が顕著に落ちることがあり、これは温度センサーの異常作動によるものと見なされる。
【0014】
例えば、温度センサーが長時間にわたって強アルカリ性洗浄液に露出することによりエッチングまたは腐食されるか、または他の要因によって故障した場合、温度センサーが異常作動することがある。
【0015】
このように、従来技術によると、内槽の内側に設けられた温度センサーのエッチングまたは腐食、故障などで温度センサーが異常作動したときに、異常を正確に判断することはできない。これによって温度センサーのエッチングまたは腐食でウェーハが金属汚染されるか、温度センサーの測定値を基準として洗浄液の温度を制御してもウェーハの品質を均一に維持することが困難であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国特許第659842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、洗浄槽内部に位置した温度センサーの感知異常を迅速かつ正確に判断できるウェーハ洗浄装備の温度制御装置、およびこれを用いた温度制御方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、カセットに収納されたウェーハを洗浄するための洗浄液が収容される内槽と、前記内槽からあふれる前記洗浄液が収容される外槽とを含む洗浄槽;前記内槽の内側に備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第1測定値を生成する第1温度センサー;前記外槽から前記内槽に前記洗浄液を循環させる循環流路;前記循環流路上に備えられ、前記第1温度センサーの前記第1測定値に基づいて洗浄液を加熱するヒーター;前記カセットを把持した状態で前記内槽の内側にウェーハを出入させるトランスファーロボット;前記トランスファーロボットに備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第2測定値を生成する第2温度センサー;および前記第1温度センサーの前記第1測定値を前記第2温度センサーの前記第2測定値と比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する制御部;を含むウェーハ洗浄装備の温度制御装置を提供する。
【0019】
本発明は、カセットに収納されたウェーハをトランスファーロボットが把持して、洗浄液が収容された内槽の内側に投入し、前記ウェーハを洗浄するステップ;前記洗浄中に前記内槽の内側に備えられた第1温度センサーと前記トランスファーロボットに備えられた第2温度センサーとで前記洗浄液の温度を測定して第1および第2測定値を生成するステップ;前記第1測定値と前記第2測定値とを比較して前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ;および前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ;を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法を提供する。
【0020】
本発明は、ウェーハを複数の洗浄槽のそれぞれの内槽に収容された洗浄液によって洗浄するステップ;前記洗浄の完了後、前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽から洗浄液を排水させ、設定温度の純水を給水した状態で前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽の内側にそれぞれ備えられた第1温度センサーで純水の温度を測定して測定値を生成するステップ;前記第1温度センサーの測定値を互いに比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ;および前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ;を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、内槽の内側に設けられた温度センサーのエッチングまたは腐食、故障などで温度センサーが異常作動しても、異常を正確かつ容易に判断でき、これによって温度センサーのエッチングまたは腐食でウェーハが金属汚染されるか、温度センサーの測定値を基準として洗浄液の温度を制御してもウェーハの品質を均一に維持できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一般的なウェーハ洗浄装備が示された構成図である。
図2】従来技術によるウェーハ洗浄装備の洗浄液の温度測定値が示されたグラフである。
図3】従来技術によるウェーハ洗浄装備のウェーハエッチング率が示されたグラフである。
図4】本発明によるウェーハ洗浄装備の温度制御装置が示された構成図である 。
図5】本発明の第1実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法が示されたフローチャートである。
図6】本発明の第2実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法が示されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施例に対して添付の図面を参照して詳細に検討する。ただし、本実施例が開示する事項から本実施例が有する発明の思想の範囲が定められ、本実施例が有する発明の思想は、提案される実施例に対して構成要素の追加、削除、変更などの実施変形を含むことができる。
【0024】
図4は、本発明によるウェーハ洗浄装備の温度制御装置が示された構成図である。
【0025】
本発明によるウェーハ洗浄装備の温度制御装置は、図4に示されたように、複数の洗浄槽110と、前記複数の洗浄槽110のそれぞれの内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120と、ウェーハが収納されたカセットを把持して前記内槽111の内側に前記ウェーハを投入するトランスファーロボット130に設けられた第2温度センサー140と、前記第1、2温度センサー120、140の第1および第2測定値を比較して前記第1温度センサー120の感知異常を判断する制御部Cとを含むように構成される。第1測定値は、第1温度センサー120により洗浄液の温度が測定されて生成され得る。第2測定値は、第2温度センサー140により洗浄液の温度が測定されて生成され得る。
【0026】
前記内槽111の外側にオーバーフローされた洗浄液が集められる外槽112が設けられ、前記内/外槽111、112の間に洗浄液が循環できる循環流路L(図1に図示したものを参照)が設けられ、前記循環流路L上に洗浄液を加熱するヒーターH(図1に図示したものを参照)が設けられ、前記制御部Cが前記第1温度センサー120の測定値に基づいて前記ヒーターHの作動を制御する。
【0027】
前記第1温度センサー120は前記内槽111の内側に設けられる。前記第2温度センサー140は前記トランスファーロボット130に設けられるが、前記第2温度センサー140は、前記内槽111の内側で前記第1温度センサー120と近接するように位置し得る。すなわち、第2温度センサー140は第1温度センサー120の周辺に位置し得る。
【0028】
実施例において、前記トランスファーロボット130は、前記カセットの前/後面を把持することができる一対のロボットアーム131が備えられ、前記第2温度センサー140は、前記ロボットアーム131が前記内槽111に投入された場合、前記第1温度センサー120と近接するように前記ロボットアーム131の少なくとも一つのロボットアームに設けられることが望ましい。
【0029】
したがって、前記第1温度センサー120は、前記内槽111に収容されている洗浄液に長時間にかけて露出する反面、前記第2温度センサー140は、前記トランスファーロボット130がウェーハを前記内槽111の洗浄液に投入するときのみ洗浄液に露出するので、前記第2温度センサー140が前記第1温度センサー120よりも相対的にエッチングまたは腐食、故障などの危険が減らされる。
【0030】
実施例において、前記第1、2温度センサー120、140は、強アルカリ性洗浄液に耐えられるようにテフロン(登録商標)系のコーティング層が備えられた白金温度計が使用されることが望ましい。
【0031】
本発明の第1実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御装置を用いたウェーハ洗浄装備の温度制御方法(図5参照)においては、洗浄工程が進行される間、洗浄槽110の内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120の第1測定値と前記トランスファーロボット130側に設けられた第2温度センサー140の第2測定値とを互いに比較することによって、前記第1温度センサー120の誤作動を判断することができる。
【0032】
本発明の第2実施例による、ウェーハ洗浄装備の温度制御方法(図6参照)においては、洗浄工程が完了した後、それぞれの洗浄槽110の内槽111から洗浄液を排水させた後、設定温度の純水を供給した状態で、それぞれの内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120の測定値を互いに比較することによって、それぞれの第1温度センサー120の誤作動を判断することもできる。
【0033】
図5は、本発明の第1実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法が示されたフローチャートである。
【0034】
本発明の第1実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法は、洗浄工程中における温度センサーの感知異常を判断するためのものである。
【0035】
図4および図5を参照すると、ウェーハの洗浄工程のために洗浄槽110の内槽111に洗浄液が供給されると(S1)、トランスファーロボット130によりウェーハが洗浄槽110の内槽111に投入される(S2)。
【0036】
洗浄槽110の内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120が洗浄液の第1温度T1を測定し(S3)、トランスファーロボット130側に設けられた第2温度センサー140が洗浄液の第2温度T2を測定することができる(S4)。
【0037】
洗浄槽110の内槽111の内側に固定して設けられた第1温度センサー120は、洗浄工程中ずっと洗浄液に露出するが、内槽111に出入可能に設けられた第2温度センサー140は、洗浄工程中にウェーハおよび/またはトランスファーロボット130を投入させるときのみに洗浄液に露出する。
【0038】
したがって、第2温度センサー140は、第1温度センサー120より強アルカリ性洗浄液に露出する時間が短く、損傷または破損の危険が少ないため、第2温度センサー140の第2測定値T2を第1温度センサー120の第1測定値T1より信頼できる。
【0039】
制御部Cは、第1、2温度センサー120、140で測定された第1および第2測定値T1、T2を互いに比較できる(S5)。第2温度センサー140の第2測定値T2を基準として、第1温度センサー120の第1測定値T1との差が設定温度To以上の場合、制御部Cは、第1温度センサー120に異常があり誤動作したと判断し、第1温度センサー120の感知異常をユーザに知らせる(S6)。すなわち、ユーザに第1温度センサー120の異常の有無を伝達することができる。
【0040】
第1、2温度センサー120、140の測定値T1、T2の間の差が設定温度To未満の場合、制御部Cは、第1温度センサー120が正常に動作していると判断し、ユーザに別途通知することなく洗浄工程を正常に連続して進行することができる。
【0041】
図6は、本発明の第2実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法が示されたフローチャートである。
【0042】
本発明の第2実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法は、洗浄工程が完了した後、温度センサー120の感知異常を判断するためのものである。
【0043】
図4および図6を参照すると、ウェーハの洗浄工程が完了すると(S11)、それぞれの洗浄槽110の内槽111から洗浄液が排水される(S12)。
【0044】
洗浄工程が進行される間、洗浄液の温度を70〜80℃に維持するためにヒーターH(図1に図示したものを参照)により循環する洗浄液を加熱するが、洗浄工程が完了すると、ヒーターの作動を完全に停止させる。
【0045】
次に、各内槽111に設定温度の純水を供給した後(S13)、設定時間の経過後(S14)、各内槽111の内側に位置した温度センサー120が純水の温度Tnを測定する(S15)。
【0046】
各内槽111に純水が供給された直後には、洗浄工程中に収容された洗浄液の温度が温度センサー120の測定値に影響を及ぼすことがあるため、各内槽111に純水を供給した後、少なくとも設定時間が経過した後に各温度センサー120により純水の温度Tnの測定が行われるようにすることが望ましい。
【0047】
制御部Cは、それぞれの洗浄槽110の温度センサー120で測定された測定値T1ないしTnを互いに比較することができる(S16)。それぞれの洗浄槽110の温度センサー120の測定値T1ないしTnの間の誤差ΔTnが基準値の1℃以上である場合、制御部Cは、温度センサー120に異常があり誤動作したと判断し、温度センサー120の感知異常をユーザに知らせる(S17)。
【0048】
それぞれの洗浄槽110の温度センサー120の測定値T1ないしTnの間の誤差ΔTnが基準値の1℃未満である場合、制御部Cは、温度センサー120が正常に動作したと判断し、それぞれの洗浄槽110の温度センサー120における測定値T1ないしTnの間の誤差ΔTnを累積して格納する(S18)。
【0049】
このように累積して格納された温度センサー120の測定値T1ないしTnの間の誤差ΔTnは、上記のような過程を繰り返すことで、温度センサー120の感知異常を判断するときに温度センサー120の測定値T1ないしTnの間の誤差ΔTnを判断する基準値として活用できる。
【0050】
本発明の第1実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御装置およびこれを用いた温度制御方法は、洗浄槽110の内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120の測定値と、内槽111の内側にウェーハを移送させるトランスファーロボット130に設けられた第2温度センサー140の測定値とを比較することによって、内槽111の内側に設けられた第1温度センサー120の異常作動を判断することができる。
【0051】
一方、本発明の第2実施例によるウェーハ洗浄装備の温度制御方法は、それぞれの洗浄槽110の内槽111に収容された洗浄液を排出した後、それぞれの内槽111に設定温度の純水を供給した状態で、それぞれの洗浄槽110の内槽111の内側に設けられた温度センサー120の測定値を比較することによって、温度センサー120の異常作動を判断することができる。
【0052】
したがって、実施例によると、内槽111の内側に設けられた温度センサー120のエッチングまたは腐食、故障などで温度センサー120が異常作動しても、異常を正確かつ容易に判断でき、これによって温度センサー120のエッチングまたは腐食でウェーハが金属汚染されるのを回避し、温度センサー120の測定値を基準として洗浄液の温度を制御してもウェーハの品質を均一に維持できるという利点がある。
【0053】
(付記)
(付記1)
カセットに収納されたウェーハを洗浄するための洗浄液が収容される内槽と、前記内槽からあふれる前記洗浄液が収容される外槽とを含む洗浄槽、
前記内槽の内側に備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第1測定値を生成する第1温度センサー、
前記外槽から前記内槽に前記洗浄液を循環させる循環流路、
前記循環流路上に備えられ、前記第1温度センサーの前記第1測定値に基づいて洗浄液を加熱するヒーター、
前記カセットを把持した状態で前記内槽の内側にウェーハを出入させるトランスファーロボット、
前記トランスファーロボットに備えられ、前記洗浄液の温度を測定して第2測定値を生成する第2温度センサー、および、
前記第1温度センサーの前記第1測定値と前記第2温度センサーの前記第2測定値と比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する制御部、
を含むウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0054】
(付記2)
前記トランスファーロボットは、
前記カセットの前/後面を把持することができる一対のロボットアームを含み、
前記第2温度センサーは、
前記ロボットアームが前記内槽に投入された場合、前記第1温度センサーと近接するように前記ロボットアームの少なくとも一つのロボットアームに設けられる、
付記1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0055】
(付記3)
前記第2温度センサーは、
アルカリに対して耐性のあるテフロン(登録商標)系のコーティング層が備えられた白金温度計である、
付記2に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0056】
(付記4)
前記制御部は、
前記第1測定値と前記第2測定値との間の差が設定温度以上の場合、前記第1温度センサーが誤動作したと判断する、
付記1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0057】
(付記5)
前記制御部は、
前記第1測定値と前記第2測定値との間の差が設定温度未満の場合、前記第1温度センサーが正常に動作していると判断する、
付記1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0058】
(付記6)
前記洗浄槽と前記第1温度センサーは複数備えられ、
前記制御部は、
複数の前記洗浄槽のそれぞれの前記内槽から前記洗浄液を排水させ、設定温度の純水を給水した状態で複数の前記洗浄槽のそれぞれの前記第1温度センサーで測定された測定値を互いに比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断する、
付記1に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御装置。
【0059】
(付記7)
カセットに収納されたウェーハをトランスファーロボットが把持して、洗浄液が収容された内槽の内側にウェーハを投入し、前記ウェーハを洗浄するステップ、
前記洗浄中に前記内槽の内側に備えられた第1温度センサーと前記トランスファーロボットに備えられた第2温度センサーとで前記洗浄液の温度を測定して第1および第2測定値を生成するステップ、
前記第1測定値と前記第2測定値とを比較して前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ、および、
前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ、
を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【0060】
(付記8)
前記第1および第2測定値を生成するステップは、
前記第2温度センサーが前記第1温度センサーと近接した位置で前記洗浄液の温度を測定するステップを含む、
付記7に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【0061】
(付記9)
ウェーハを複数の洗浄槽のそれぞれの内槽に収容された洗浄液によって洗浄するステップ、
前記洗浄の完了後、前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽から洗浄液を排水させ、設定温度の純水を給水した状態で前記複数の洗浄槽のそれぞれの前記内槽の内側にそれぞれ備えられた第1温度センサーで純水の温度を測定して測定値を生成するステップ、
前記第1温度センサーの測定値を互いに比較して、前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップ、および、
前記判断結果に基づいて前記第1温度センサーの感知異常を知らせるステップ、
を含むウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【0062】
(付記10)
前記測定値を生成するステップは、
前記内槽に純水を給水し、設定時間の経過後に前記第1温度センサーによって純水の温度を測定するステップを含む、
付記9に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
【0063】
(付記11)
前記第1温度センサーの感知異常を判断するステップは、
前記第1温度センサーの測定値誤差が設定温度未満であると、前記第1温度センサーを正常と判断するステップ、および、
前記第1温度センサーの測定値の誤差が設定温度以上であると、前記第1温度センサーを感知異常と判断するステップを含む、
付記9に記載のウェーハ洗浄装備の温度制御方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6