特許第6681442号(P6681442)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6681442照明装置を器具に装着するステップを含む、方法および照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681442
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】照明装置を器具に装着するステップを含む、方法および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20200406BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200406BHJP
   F21W 131/20 20060101ALN20200406BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200406BHJP
【FI】
   F21L4/00 600
   F21S2/00 610
   F21W131:20
   F21Y115:10
【請求項の数】42
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-142846(P2018-142846)
(22)【出願日】2018年7月30日
(62)【分割の表示】特願2016-506575(P2016-506575)の分割
【原出願日】2014年4月1日
(65)【公開番号】特開2018-186100(P2018-186100A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月29日
(31)【優先権主張番号】61/853,232
(32)【優先日】2013年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515273379
【氏名又は名称】パシー ビノド ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パシー ビノド ヴイ
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05785408(US,A)
【文献】 特開2009−050705(JP,A)
【文献】 特開2005−193012(JP,A)
【文献】 特開2005−312727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
F21S 2/00
F21W 131/20
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置を器具に装着する装着ステップを含む、方法であって、
前記照明装置が、
基端及び先端を有して、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に前記器具の少なくとも一部を収容するように構成されているハウジングと、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
電源と、
前記電源から前記少なくとも1個の光源へと電力を送る電気回路であって、前記電気回路が開き、少なくとも1個の光源に電力が供給されない開状態と、前記電気回路が閉じ、少なくとも1個の光源に電力が供給される閉状態と、を有する電気回路と、
前記電気回路が前記開状態にある第1位置と、前記電気回路が前記閉状態にある第2位置との間を移動する可動部分であって、当該可動部分の前記第1位置と前記第2位置との間の移動は、前記可動部分の前記照明装置軸方向への移動を含む、可動部分と、
を備え、
前記光源、前記電気回路、および前記可動部分は、前記器具の少なくとも一部が前記内部空洞または開口に収容され、前記照明装置が前記器具に対して可脱固定された場合に、前記少なくとも1個の光源に自動的に送られる電力を供給するように構成されており、
前記装着ステップが、
前記器具と前記照明装置とを相対的に移動させて前記器具の少なくとも一部を前記内部空洞または開口の少なくとも一部内に配置する移動ステップと、
前記照明装置を前記器具に固定するステップと、
を含み、
前記移動ステップの間に、前記可動部分が前記第1位置から前記第2位置に動くステップであって、前記可動部分の前記照明装置軸方向への動きを含むステップと、
前記器具の前記少なくとも一部が前記内部空洞または開口に収容され、前記照明装置が前記器具に可脱固定されると、前記少なくとも1個の光源に電力を自動的に送るステップと、
前記少なくとも1個の光源を発光させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1個の光源で視野を照明する照明ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記照明ステップが、前記少なくとも1個の光源からのUV光で前記視野を照明するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記照明ステップが、前記視野を略対称的に照明するステップを含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1個の光源が複数個の光源を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記複数個の光源が、(a)前記照明装置が器具に装着された際には器具の、または(b)前記内部空洞または開口の先端の、少なくともいずれかの周面の周りに配置されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数個の光源が前記周面の周りに略等間隔に配置されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記照明装置を前記器具から取り外す取り外しステップをさらに含む、請求項1からに記載の方法。
【請求項9】
前記取り外しステップが、前記可動部分を前記第2位置から前記第1位置に移動させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取り外しステップのあいだに、前記少なくとも1個の電源を自動的に切るステップをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
照明装置を器具に装着する装着ステップを含む、方法であって、
前記照明装置が、
基端及び先端を有して、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に前記器具の少なくとも一部を着脱可能に収容するように構成されているハウジングと、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
前記内部空洞または開口の内部に延び、前記器具の前記少なくとも一部に連接して前記照明装置を前記器具に可脱に固定するように構成された、少なくとも1個の出っ張りまたは突起と、
を備え、
前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起が、(i)前記先端に向かい所定の角度で前記内部空洞または開口内部に延びるか、(ii)前記内部空洞または開口内部に延びる梃子腕を含むか、(iii)前記器具と係合される第1部分と、前記器具が前記空洞に配置された際に前記第1部分にバネ装荷するまたはバネ力を付与する第2部分と、を含むか、(iv)前記器具の前記少なくとも一部に連接して前記照明装置を前記器具に可脱取付するように構成されたタングを含むか、の少なくともいずれかであり、
前記装着ステップが、
前記器具と前記照明装置とを相対的に移動させて前記器具の少なくとも一部を前記内部空洞または開口の少なくとも一部内に配置するステップと、
前記器具の前記少なくとも一部を、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起に連接させ、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を用いて可脱に前記照明装置を前記器具に固定するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起が、第1リムと、前記第1リムから所定の角度で前記基端に向かって延びている第2リムとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1個の出っ張りが、前記器具の前記少なくとも一部との間に摩擦を起こすように構成された、前記出っ張りを覆って延びる弾性スリーブまたは前記出っ張りの端部に付された被覆を備える、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を前記器具から分離させるために前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を連接させるステップと、
前記照明装置を前記器具から取り外すステップと、
をさらに含む、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記照明装置が、さらに、第1位置と第2位置とのあいだを移動可能な可動部分であって、前記第1位置では、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を前記器具から分離させず、前記第2位置では、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を連接させて少なくとも1個の出っ張りまたは突起を前記器具から分離させる、可動部分を含み、
前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を連接させるステップが、前記可動部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
照明装置を器具に装着する装着ステップを含む、方法であって、
前記照明装置が、
基端及び先端を有しており、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に前記器具の少なくとも一部を着脱可能に収容するように構成されているハウジングと、
前記内部空洞の内部に延び、前記器具の前記少なくとも一部に連接して前記照明装置を前記器具に可脱に固定するように構成された、少なくとも1個の出っ張りまたは突起と、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
第1位置と第2位置とのあいだを移動可能な可動部分であって、前記可動部分が前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を前記器具から分離させない第1位置と、第2位置と、のあいだを移動可能な可動部分であって、前記可動部分が前記第1位置から前記第2位置に移動すると前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起が前記器具から離れる方向に動く、可動部分と、を含み、
前記装着ステップが、
前記器具と前記照明装置とを相対的に移動させて前記器具の少なくとも一部を前記内部空洞または開口の少なくとも一部内に配置するステップと、
前記器具の前記少なくとも一部を、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起に連接させ、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を用いて可脱に前記照明装置を前記器具に固定するステップと、
を備え、
前記可動部分を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、これにより、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起が前記器具から離れる方向に動く、前記可動部分を移動させるステップと、
前記照明装置を前記器具から取り外すステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記第2位置において、前記可動部分は、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起に連接される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記可動部分を移動させるステップが、前記可動部分を先端方向に前記先端に向かって移動させるステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記可動部分がユーザによって前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起と連接可能であり、前記可動部分を移動させるステップが、ユーザが前記可動部分を連接するステップを含む、請求項16から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記装着ステップの間または後に、前記少なくとも1個の光源に電力を送るステップと、
前記少なくとも1個の光源を発光させるステップと、
前記少なくとも1個の光源で視野を照明するステップと、
をさらに含む、
請求項11から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記照明装置が、前記ハウジング内に配置され、前記少なくとも1個の光源に電力を送るように構成された電源を含む、請求項11から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記照明装置の前記器具への前記装着時に、前記少なくとも1個の光源を自動的に発光させるステップを含む、請求項11から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記器具がハンドヘルド式電子手術装置である、請求項から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記照明装置がその先端部またはその付近に先細または円錐状の部分を有し、前記照明装置を前記器具に固定するステップが、前記照明装置を、前記先細または円錐状部分において、前記電子手術装置に固定するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記器具が基端ハンドル部分を含み、前記装着ステップが、前記照明装置を、前記電子手術装置の、前記基端ハンドル部分より先端方向に位置する部分に装着するステップを含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記照明装置を前記器具から取り外す前に、前記電子手術装置から電子手術ブレードを分離するステップを含む、請求項23から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記電子手術装置に電子手術ブレードを取り付けるステップを含む、請求項23から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記取り付けるステップが、前記電子手術ブレードの基端を、前記内部空洞または開口の先端を通過して挿入するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記取り付けるステップを前記装着ステップの前に行うステップを含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記電子手術ブレードを前記電子手術装置から分離するステップと、
(a)前記電子手術ブレードを前記電子手術装置に再び取り付けるステップ、または(b)前記照明装置を前記電子手術装置から取り外さずに、第2の電子手術ブレードを前記電子手術装置に取り付けるステップと、請求項27から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
照明装置であって、
基端及び先端を有して、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に器具の少なくとも一部を収容するように構成されているハウジングと、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
電源と、
前記電源から前記少なくとも1個の光源へと電力を送る電気回路であって、前記電気回路が開き、少なくとも1個の光源に電力が供給されない開状態と、前記電気回路が閉じ、少なくとも1個の光源に電力が供給される閉状態と、を有する電気回路と、
前記電気回路が前記開状態にある第1位置と、前記電気回路が前記閉状態にある第2位置との間を移動する可動部分であって、前記可動部分の前記第1位置と前記第2位置との間の移動は、前記可動部分の前記照明装置軸方向への移動を含む、可動部分と、
を備え、
前記光源、前記電気回路、および前記可動部分は、前記器具の少なくとも一部が前記内部空洞または開口に収容され、前記照明装置が前記器具に対して可脱固定された場合に、前記少なくとも1個の光源に自動的に送られる電力を供給するように構成されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項32】
照明装置であって、
基端及び先端を有して、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に器具の少なくとも一部を着脱可能に収容するように構成されているハウジングと、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
前記内部空洞または開口の内部に延び、前記器具の前記少なくとも一部に連接して前記照明装置を前記器具に可脱に固定するように構成された、少なくとも1個の出っ張りまたは突起であって、前記器具と連接される第1部分と、前記器具が前記空洞に配置された際に前記第1部分にバネ装荷するまたはバネ力を付与する第2部分と、を含む少なくとも1個の出っ張りまたは突起と、
を備える照明装置。
【請求項33】
前記第2部分は、梃子腕を画定する、請求項32に記載の照明装置。
【請求項34】
前記第2部分は、可撓性、および/または、圧縮性、および/または、弾性を有する、請求項32または33に記載の照明装置。
【請求項35】
前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起は、前記先端に向かい所定の角度で前記内部空洞または開口内部に延びる、請求項32から34のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項36】
前記第1部分は、タングを画定する、請求項32から35のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項37】
前記第1部分が、前記器具の前記少なくとも一部との間に摩擦を起こすように構成されている、請求項32から36のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項38】
前記第1部分が、弾性素材を含む、請求項32から37のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項39】
照明装置であって、
基端及び先端を有しており、その基端から先端に延びる内部空洞または開口を画定し、内部に器具の少なくとも一部を着脱可能に収容するように構成されているハウジングと、
前記内部空洞の内部に延び、前記器具の前記少なくとも一部に連接して前記照明装置を前記器具に可脱に固定するように構成された、少なくとも1個の出っ張りまたは突起と、
視野を照らすように構成されている上記照明装置のほぼ前記先端に配置された少なくとも1個の光源と、
第1位置と第2位置とのあいだを移動可能な可動部分であって、前記可動部分が前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起を前記器具から分離させない第1位置と、第2位置と、のあいだを移動可能な可動部分であって、前記可動部分が前記第1位置から前記第2位置に移動すると前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起が前記器具から離れる方向に動く、可動部分と、
を備える照明装置。
【請求項40】
前記可動部分が、ユーザによって前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起と連接可能である、請求項39に記載の照明装置。
【請求項41】
前記可動部分は、前記第2位置において、前記少なくとも1個の出っ張りまたは突起と係合される、請求項39または40に記載の照明装置。
【請求項42】
前記照明装置は、前記ハウジング内に配置され、前記少なくとも1個の光源に電力を供給するように構成された電源を含む、請求項39から41のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、この参照を以て本願の一部として明示的に組み入れられるところの、「手術器具照明アタッチメント」(Operative Instrument Light Attachment)と題する2013年4月1日付米国暫定特許出願第61/853232号につき、米国特許法第119条(e)に基づく利益を享受する出願である。
【0002】
[発明の分野]
本発明は照明装置に関する。より具体的には、本発明は、器具又は物体に取り付けうる無線照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
照明装置を使用することで、オペレータは、空間又は領域を照明して明るい視野をもたらし、それによりその空間又は領域をより精密に管制、強調することができる。照明装置は、多くの場合、さもなければ十分な量の光を安定的に受け取れないであろう閉空間又は狭隘空間を照明するのに役立てることができる。既存の照明装置のうち、種々の器具例えば医用装置やネジ回しに連結可能なものなら、その装置又は器具が使用されようとしている領域を照明することができる。そうした照明装置及び光源としては、そのアタッチメント(取付体)から延びていて電源に接続可能な電気コードを有するアタッチメントや、電池から給電を受けるアタッチメントや、個別の視野上に光が送られるよう器具内に一体形成された光源がある。
【0004】
医療現場では、照明装置が、手術又は検査の対象となる個別の領域に光を差し向けるのに使用されている。例えば、照明装置を、経組織切開用BOVIE(登録商標)ペン等のハンドヘルド式電子手術装置や、他の様々な手術器具例えば開創器及び鉗子と、併用することができる。照明付開創器は手術に広く使用されていて、手術野の照明に役立っている。
【0005】
本発明の発明者は、従来から既知の照明装置が有する多数の難点について洞察した。例えば、既知の照明装置のうちその内部に光源が一体形成されているものは、一般に高価、嵩高であり、しかも負傷を引き起こしかねない。既知のコードレス照明装置やコード付照明装置では器具に顕著な嵩が加わるので、ユーザは、多くの状況で必要とされる精度にてその器具を操ることや、その器具を狭空間内に届かせることができない。加えて、多くの照明装置特にコード付照明装置では、恒常的な再位置決めが必要であり、その取扱が厄介であり、保持又は再位置決めをアシスタントに頼ることになり、更には手術野を損ねかねない。更に、コード付照明装置や器具内一体形成型光源は、高温になってユーザ及び/又は患者にやけどを負わせかねず、更には火災さえも引き起こしかねない。照明装置の代わりにヘッドライトを使用することもできる。しかしながら、照明装置と同じくヘッドライトも嵩高であり、一般に電源接続用ケーブルを必要とし、恒常的な再調整を必要とし、しかも潜在的な安全性ハザードをもたらしかねない。更に、頭部に装着される分、ヘッドライトは手術野からの距離が大きくてその有効性が低く、しかもユーザにとり取扱が厄介になりがちで、更には長時間装着していると疲労してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0054890号明細書(A1)
【特許文献2】米国特許第7927240号明細書(B2)
【特許文献3】米国特許第6084422号明細書(A)
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/0283728号明細書(A1)
【特許文献5】米国特許第5692863号明細書(A)
【特許文献6】米国特許第4539003号明細書(A)
【特許文献7】米国特許出願公開第2013/0331657号明細書(A1)
【特許文献8】米国特許第7500947号明細書(B2)
【特許文献9】米国特許第6517551号明細書(B1)
【特許文献10】米国特許第7008076号明細書(B2)
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0065496号明細書(A1)
【特許文献12】米国特許出願公開第2011/0257488号明細書(A1)
【特許文献13】米国特許出願公開第2011/0261583号明細書(A1)
【特許文献14】米国特許出願公開第2012/0149992号明細書(A1)
【特許文献15】米国特許出願公開第2012/0283718号明細書(A1)
【特許文献16】米国特許第4542741号明細書
【特許文献17】米国特許第4619248号明細書
【特許文献18】米国特許第4657012号明細書
【特許文献19】米国特許第5281134号明細書
【特許文献20】米国特許第6428180号明細書
【特許文献21】米国特許第6496718号明細書
【特許文献22】米国特許第6504985号明細書
【特許文献23】米国特許第6648902号明細書
【特許文献24】米国特許第6955444号明細書
【特許文献25】米国特許第7083613号明細書
【特許文献26】米国特許第7108395号明細書
【特許文献27】米国特許第7270439号明細書
【特許文献28】米国特許第7322135号明細書
【特許文献29】米国特許第7393114号明細書
【特許文献30】米国特許第7399101号明細書
【特許文献31】米国特許第7631981号明細書
【特許文献32】米国特許第7832914号明細書
【特許文献33】米国特許第7922378号明細書
【特許文献34】米国特許第8038439号明細書
【特許文献35】米国特許第8152718号明細書
【特許文献36】米国特許第8186864号明細書
【特許文献37】米国特許第8246230号明細書
【特許文献38】米国特許第8267855号明細書
【特許文献39】米国特許第8328402号明細書
【特許文献40】米国特許第8371848号明細書
【特許文献41】米国特許第8403843号明細書
【特許文献42】国際公開第WO2006/065271号パンフレット(A2)
【特許文献43】独国実用新案第202004 002963号明細書(U1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、本発明の目的は、従来技術が有している上述の欠点及び/又は短所のうち1個又は複数個を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、器具又は物体に取り付けて視野内を照明することが可能なコードレス照明装置に関する。器具の端部に接し且つ面し本装置が摺動する構成なら、従来既知の装置に比べ小さな外形とより対称的な照明野とがもたらされる。本装置は、使用中は器具上にしっかりと保持されるが取り外しが可能である。ある種の実施形態に係る照明装置は、器具又は物体への取り付けに応じ自動的に起動させることができ、またその器具又は装置からの取り外しに応じ自動的に停止させることができる。
【0009】
ある種の実施形態に係る照明装置には、基端及び先端を有していて、基端から先端にかけ略先細り又は円錐状の内部空洞が延びていて、同ハウジングを貫き基端から先端へと延びる開口がその内部空洞により形成されるような、ハウジングが備わる。そのハウジングの先端には、視野を照明するライトが1個又は複数個備わる。その又はそれらのライトは、本装置内のオンボード電源例えば電池から給電を受ける。本装置は、器具の先細り又は円錐状の部分に可脱取付される。その内部空洞は、同空洞内に器具のうち幾らかの部分が受容されそこに同空洞が取付されるように形状設定及び構成される。このような構成では、本照明装置の位置を選び最も有利な位置にすることができる。例えば手術器具の場合、本装置を器具の鋭利部分付近に配置することで、本装置を手術部位に極力近づけ、可能な限り良好例えば直接的な照明を提供することができる。
【0010】
ある種の実施形態に係る照明装置には、基端及び先端並びに内部空洞を有していて、同ハウジングを貫き基端から先端へと延びる開口がその内部空洞により形成されるような、ハウジングが備わる。そのハウジングの先端には、視野を照明するライトが1個又は複数個備わる。その又はそれらのライトは、本装置内のオンボード電源例えば電池から給電を受ける。本装置は、内部空洞内にある前傾角(forward angle)(先端に向かう角)で延びる1個又は複数個のセルフロック型出っ張りにより、器具に可脱取付される。本装置を器具上に装着、例えば器具の先端から器具の基端へと向かう方向に沿い装着する際には、その又はそれらの出っ張りが随時前方向及び/又は上方向に撓み、本装置・器具間の相対摺動運動を可能とする。反面、器具の先端方向に本装置を動かそうとする際には、その又はそれらの出っ張りが前傾角を有していることから、器具との連接(engagement)により、その又はそれらの出っ張りが基端及び/又は下方向へと引かれることとなる。これにより、入楔(wedging)効果が生じ、及び/又は、その又はそれらの出っ張りから器具の表面に作用する力が増加して、本装置を器具上に保持する力が増すこととなる。これは、本装置が器具から不意に外れる機会を減少させる。
【0011】
ある種の実施形態に係る照明装置の先端及び/又は基端にはスプリットカラー(割襟)部分が備わる。このカラー上にスリットがあるため、本照明装置は、膨らんでその内部空洞内に器具を受け容れることができる。このような構成では、本発明を様々なサイズの器具上に装着することができる。スプリットカラーを形成する素材にバネ力があるためシャフト上に加わる圧縮力は、本装置を器具に対し例えば摩擦的にしっかりと固定するのに役立つ。
【0012】
器具のなかには、複数個のインタフィッティング(嵌合)片を有していて、第1部分例えばブレードを同器具の第2部分内例えばハンドル内に挿入取付可能なものがある。ある種の実施形態に係る本光源付装置では、器具の第2部分例えばハンドルを本装置の空洞内に入れた上で、第1部分例えばブレードを第2部分内に挿入してそこにしっかりと固定することができる。その種の器具のなかには、径方向外方に延びるカラーが第1部分に備わり、通常使用時にそのカラーが器具の端部に当接するものがある。ある種の実施形態に係る本光源付装置の先端には、ブレード上のカラーの外径より小さな内径を有するフランジ又は接触部分が備わる。器具の第1部分を第2部分に挿入/固定するとそのカラーが本装置の接触部分と接触又は当接するので、本装置が器具にしっかりと固定されると共に、本装置が器具から不意に外れにくくなる。
【0013】
ある種の実施形態に係る照明装置は、器具に取り付けると自動的に発光し、及び/又は、器具から取り外すと自動的に消灯する。例えば、ある種の実施形態には、ハウジング内で先端寄りにありその上にはライトに通電する電子部材が固定されている第1プレートと、ハウジング内でハウジングの基端寄りにありその上に電子部材が存する第2プレートとが備わる。これら第1プレート、第2プレート及び電源により、ライトに給電して照明光を発生させる全き電気回路を形成することができる。非装着ポジションでは、電源例えばバッテリを伴うこの電気回路が完成されないためライトは発光しない。本装置を器具上に装着するとその電気回路が完成してライトが発光する。本装置を器具から取り外すと同回路が再び開きライトが消灯する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の長所のうち一つは、従来装置に比べ照明装置がコンパクトなことである。他の長所は、照明装置を器具に容易に取り付けうること及びその器具から容易に取り外しうることである。更に他の長所は、器具に対する照明装置の取付と同時並行的に光源を発光させうるため、組立及び使用が効率化及び容易化されることである。更なる長所は、器具の所望部分にて又は面しその器具に照明装置をしっかりと固定できることである。これらを含め、本発明及び/又はその現下好適な実施形態の目的及び長所については、以下の詳細な説明及び別紙図面に照らせば、より速やかに明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】器具上に配置されていてその器具のシャフトが貫通している照明装置の前斜視図である。
図2図1の照明装置であって器具に連結されているものの右側面図である。
図3図1の照明装置の前斜視図である。
図4図1の照明装置の後斜視図である。
図5図1の照明装置の右側面図である。
図6図1の照明装置の正面図である。
図7図1の照明装置の背面図である。
図8図1の照明装置の図4内A−A線沿い後斜視断面図である。
図9図1の照明装置の図6内B−B線沿い断面図である。
図10図1の照明装置の分解図である。
図11図1の照明装置のうち外ハウジングの図10内C−C線沿い後斜視断面図である。
図12図1の照明装置のうち外ハウジング内に受容される内フレームの前斜視図である。
図13図1の照明装置のうちその上に光源が配置されている第1プレートの後斜視図である。
図14図1の照明装置のうち第2プレートの前斜視図である。
図15図14の照明装置のうち第2プレートの後斜視図である。
図16図1の照明装置のうち、第1プレート、第2プレート及びそれらプレート間に配置された電源からなるアセンブリの側面図である。
図17】他の実施形態に係り、器具のシャフトの周沿いに延びるショルダによりその器具にしっかりと固定されている照明装置の前斜視図である。
図18】更に他の実施形態に係りスプリットカラーを有する照明装置の構成の斜視図である。
図19】他の実施形態に係り、スリーブから内側に延びる出っ張りを有していてその出っ張りにより器具にしっかりと可脱固定される照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を示す別紙図面を参照しつつ、本発明についてより詳らかに説明する。但し、本発明は多様な形態で具現化されうるので、本願記載の実施形態に限定されるものとして本発明を認定すべきではない。同様の部材には一貫して同様の符号を付してある。
【0017】
図1及び図2に示す実施形態では、コードレス照明装置、即ち参照符号10でその全体が指し示されている装置が、器具12の先端のうち一部分に接し且つ面するよう装着されており、またその部分に対し可脱となっている。器具12のシャフト14は、本装置10で器具12が囲まれることとなるよう、本照明装置10の基端から先端へと延びる開口を通じ更に先に延ばすことができる。図示実施形態における器具12はBOVIE(登録商標)ペン、そのシャフト14はBOVIE(登録商標)ペンのブレードである。しかしながら、本発明は、手術用か非手術用かを問わず、様々な形状及び寸法を有する様々な種類の器具上に装着することができる。本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には本願中の詳述に従いご理解頂けるように、本照明装置10及びその諸構成要素の寸法及び形状は、所望の器具を受け容れること及びその器具上に装着することができるように、改変することができる。
【0018】
大略、器具12上の所定位置に本照明装置10を摩擦連接させると、指向性のある光ストリームが同装置10から自動的に発射される。本照明装置10は、同照明アタッチメント10の基端に軸力を印加することでターンオフさせ器具12から分離させることができ、ひいてはその器具12から本照明装置10を取り外すことができる。実施形態によっては、本照明装置に、光源の動作状態をコントロールするためのオン/オフスイッチ又はボタンが、代わりに設けられる。
【0019】
図3図7に照明装置10の諸方向外観及び構成部材を示す。これから詳述する通り、本照明装置10には、大略、ハウジング16、少なくとも1個の光源18、第1プレート20、フレーム22、第2プレート24、スリーブ26及び電源28が備わっている。
【0020】
図3図7及び図10に示すように、ハウジング16は、第1ハウジング要素30と、第1ハウジング要素30に連結すること例えば差し込むことが可能でその連結によりハウジング16が完成する第2ハウジング要素32とを有している。実施形態によっては、第1ハウジング要素30及び第2ハウジング要素32が、連結時に、内部部材をハウジング16内への流体侵入から保護できるよう概ね流体密なシール(封止部)を形成する。ここで示した実施形態ではハウジング18が2個のハウジング要素30,32を有しているが、それら2個の相独立な要素に代え1個の単体要素でハウジング20を形成することも難しくない。
【0021】
第1ハウジング要素30は、基端から先端へと延び内部空洞を画定している開口34と、第1ハウジング要素30の外周沿いにあり外方に張り出している複数個の出っ張り36と、ハウジング16の先端から基端に向かい内方に延びる窪み38とを有している。光源18はその窪み38内に位置している。即ち、窪み38は、外部の面との接触から光源18を保護している。その逆に、窪み38は、光源18に直に接触すると損傷しかねない外部の面例えば組織に光源18が接触することを減らし又は防ぐのにも役立つ。窪み38は、また、特定の照明対象空間へと光源18を差し向ける助けにもなる。実施形態によっては、窪み38の表面を反射素材で形成又は被覆できるので、いわゆる当業者にとり自明な通り、窪みの形状と相俟ち、光源18に発する光をその面で方向転換させて照明を更に指向させ又は制御することができる。
【0022】
実施形態によっては、光源18に、第1ハウジング要素30先端の周沿いに配置された複数個のLEDライトが備わる。これらLEDライトで白色光を発生させてもよいし、例えばUV発光染料又は素材を照明すべくUV光を発生させてもよい。図3図5図9図10図13及び図16ではLEDライトが2個使用されている。LEDライトが2個なので、本照明装置10により特定の空間へと十分な量の光を差し向けその領域を穏健な電力消費で照明することができると共に、ユーザの視界が遮られないよう装置10を流線形状に保ち、本照明装置の重量及び価格を抑えることができる。とはいえ、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、ライトはユーザが必要とするところに応じ何個でも使用することができるし、LEDライトに代え既知の又は既知となるであろうどのような光源、例えばホトルミネッセンス、化学発光、エレクトロルミネッセンス、スナップスティック及びグロースティックでも使用することができる。更に、図示の通り、これらのライト18は本装置10内にほぼ等角度間隔で配置されている。これは、光をより均等に分布させるのに役立つ。とはいえ、本発明には光源18の様々な好適配置が包括される。
【0023】
本装置10は、種々のアタッチメント機構を用い器具12又は物体に可脱取付することができる。図8及び図11に示す実施形態では、本照明装置10に複数個の出っ張り40が備わっており、それらがハウジング16内に形成された窪み42内に配置されているため、本照明装置10を器具14に可脱取付することができる。この出っ張り40は、窪み42内にあってハウジング16の内周からある角度で内方に延びて出っ張り40と摩擦接触する角度付ストップ43により、その窪み42内に固定されている。出っ張り40は、また、第2ハウジング要素32から延びていてその出っ張り40と接触しうる出っ張り44により、窪み42内に固定されている。図示実施形態では、それらの出っ張り40がある前傾角にて装置10の先端方向に向けられている。それらにバネ装荷してもよい。出っ張り40は、第1リム46、その第1リム46からある前傾角で延びる第2リム48、並びにその第2リム48からより小さな前傾角で延びるタング50を有している。出っ張り40及びタング50は、本装置10が器具12上に装着されたときにその器具12の外面に接触するよう配置及び構成されている。
【0024】
タング50・器具12間の接触により、本装置10は器具12上に配置されたままに保たれる。タング50・器具12外面間の接触で生じる摩擦は、本装置10・器具12間相対摺動を妨げるのに役立つ。その摩擦の量は、部分的には、タング50が器具12に及ぼす力に左右される。その力は、器具12・タング50間干渉の度合いと、出っ張り40のバネ特性とにより左右される。前者に関していえば、干渉が強いほど、即ち器具12の外面がタング非圧縮状態におけるタング50間空間より大きい度合いが高いほど、出っ張り40が器具表面により例えば図8の実施形態では外方へとより多く圧縮されることとなり、また器具12に働く逆向きのバネ力が強くなる。後者に関していえば、出っ張り40のバネ特性は、その出っ張り40を形成している素材のバネ特性と、出っ張り40それ自体の構成とにより左右される。図8に示すように、第2リム48は第1リム46との関係で梃子腕として作用する。この出っ張りの実効バネ定数は、第2リム48の長さ及び前傾角を大きくすると小さくなる。
【0025】
いわゆる当業者にはご理解頂けるように、その際、摩擦量は、部分的には、出っ張り40の構成を定めること及び出っ張り40を形成する素材を選定することによりコントロールすることができる。従って、本装置10に働く摩擦保持力を、想定動作条件下で本装置10が器具12から不意に外れないようにするのに十分なものとすることができる。故に、出っ張り40は、金属、プラスチック、炭素繊維その他、既知の又は既知となるであろうあらゆる好適な素材で形成することができる。
【0026】
摩擦力は、また、部分的に、器具12に接触するタング50を形成している素材の摩擦係数にも左右される。例えば、強い摩擦力が望まれる場合、タングを比較的高摩擦な素材例えばラバー等の弾性素材で形成するか、或いはタングの接触面に接し又は面しスリーブ、エンドキャップ又は被覆をそのタングに設けることで、所望の摩擦把持力を発生させることができる。例えば、出っ張り40を金属又はプラスチックで形成することで、出っ張り40に対し強度及び全体として好ましいバネ定数を付与すること、それでいて器具に対し低摩擦接触面をもたらすことができる。高めの摩擦係数を有する素材例えばラバーをタング50に組み込むこと、例えばその素材でタング50を被覆することにより、所望の摩擦係数を実現してもよい。
【0027】
器具12の外面が比較的柔軟な素材で形成されており、且つタング50が十分に硬質な素材で形成されているか尖鋭な構造例えば鋭利な縁を有している場合、タング50で器具12の外面をある程度変形させること、例えばそこに“食い込ませる”ことによって、単なる摩擦連接だけの場合よりしっかりと本装置10を固定することができる。本発明の発明者が発見したところによれば、多くの場合器具12に有害な損傷を及ぼすのに不十分なほど少量の変形でも、本装置10の保持性が顕著に強まる。
【0028】
図示実施形態では、第2リム48の前傾角により、装着が過剰に阻害されないようにしながら、器具12からの本装置10の分離に抗するセルフロック効果即ち入楔効果を提供している。図8から最もよく分かるように、本装置10が器具12上に装着(或いは逆に器具12が本装置10の空洞/開口内に挿入)されているとき、器具12の外面がタング50と接触すると、それによりタング50上ひいては出っ張り40上に先端方向の力が作用する。出っ張り40がこれにより前方(先端方向)及び外方に付勢されるので、器具12上での保持力が穏当になる。他方、諸部品を逆方向(図8では器具12を相対的に右、本装置10を相対的に左)に動かそうとすると、器具12の表面とタング50との間の接触を通じ、タング50上ひいては出っ張り40上に基端方向(後方)の力が作用する。その出っ張りがこれにより後方(基端方向)及び内方に付勢されるので、器具12に対し出っ張り40が入楔される等、出っ張り40が器具12に及ぼす力が強まるため、器具12上における本装置10の保持性が高まる。この動作は、器具12及び本装置10の不意な分離を防ぐのに役立つ。
【0029】
図示実施形態特に図8及び図9のそれでは、スリーブ26がフレーム22内、フレーム22がハウジング16内に入っている。そのスリーブ26は、基端から外方に延びるフランジ62と、面取済の先端面64とを有している。その面取済面64は、出っ張りの第2リム48に当接するか、その付近に存している。器具12から本照明装置10を取り外す際には、フランジ62に対し先端方向に力を加えることで、スリーブ26に撓み、或いは本照明アタッチメント10の先端に向かう軸方向移動を起こさせる。面取済面64は第2リム48と接触し、その第2リム48に抗する楔又はランプとして機能する。これにより前方(先端方向),径方向外方双方の力が第2リム48に作用するので、第2リム48が偏向して例えば器具12との連接が解かれ、及び/又は、取り外しの間、出っ張り40に対する上述の入楔作用が妨げられる。こうなれば、本装置10を器具12から取り外すことができる。図示実施形態の場合、それらスリーブ26及びフランジ62がハウジング16を越え外方(基端方向)に延び、本装置10の基端を形成している。そのため、器具12から本装置10を取り外す際は、ユーザが、装置の後端(基端)例えばフランジに強く触れ、本装置10を先端方向(前方)に動かす。シャフト14が大きすぎ、器具12におけるシャフト14の位置を保ったまま本装置10を取り外すことができない場合は、装置10を取り外せるよう、シャフト14を器具12から取り払う。
【0030】
図示実施形態では、スリーブ26がテーパを帯びて略円錐状又は先細り形状となっており、器具14に備わり略円錐状又は先細り形状を有する先端に面し延びている。しかしながら、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、スリーブ26は、その上にそのスリーブ26が配置される器具14の形状を受け容れうるものなら、どのような既知形状の形態も採りうる。例えば、器具14が円筒状である場合や、器具14の先端ではなく器具12のシャフト14が本装置10の取付先でありそこが円筒状である場合には、その器具12及び/又はシャフト14の輪郭におおよそ整合するようスリーブ26を円筒状にするとよい。
【0031】
いわゆる当業者にはご理解頂けるように、図示実施形態では角度付でバネ装荷型の出っ張り40が使用されているが、スリーブ26に人力を印加しないとアタッチメント10が察知されないよう十分な把持力が同じく確保されるものである限り、出っ張り40は様々な構造的構成を採りうる。例えば、実施形態によっては、出っ張り40を、バネ装荷型ではなく、ややリジッドで塑性変形可能なものとする。その種の実施形態では、装置10を器具12に取り付けたとき及び/又は装置10を器具12から取り外したときに出っ張り40が塑性変形しうる。結果として、出っ張り40を変形させるにはその出っ張り40にある程度の力を作用させることが必要になるため、本装置10が器具12から不意に外れることはなく、それでいて概ね意図的な程度の分離力を装置10に及ぼしたときだけ外れることとなる。実施形態によっては、或いは、出っ張り40を、本装置10(ひいては出っ張り40)に対しある程度の分離力を作用させることでハウジング16から破断又は分離可能なものとする。ひとたび破断又は分離すると、その出っ張り40では本装置10が器具12上に保持されなくなる。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、出っ張り40は、分離力が指定程度となるよう、例えば出っ張り40が十分に変形、破断又は分離して本装置10が器具12から分離されるよう設けるとよい。例えば、設計上、特定及び/又は所定の力によりそこで出っ張り40が変形、破断又は分離する脆化部分又は領域を、出っ張り40に設けるとよい。
【0032】
加えて、出っ張り40に代え他のアタッチメント機構及び/又は付勢部材を用いてもよい。その例としては、これに限られるものではないが、接着剤、ラッチ、スナップ若しくはシンチタイ若しくはファスナ、クランクファスナ、リング、アイレット等、既知の又は既知となるであろう他のあらゆる技術がある。器具12が磁性素材例えば鉄系素材に吸着させうる素材を含有している場合、本装置10に更に又は代わりに磁性的な部材を設けてもよい。このようにすれば、本装置10を、少なくとも部分的には磁気的に、器具12にしっかりと固定することができる。
【0033】
図10は一実施形態に係る照明装置10の分解図であり、その照明装置10を構成する諸部材と、それらのハウジング16内配置とを描出している。
【0034】
図10及び図16に示す通り、電源28には1個又は複数個の電池を組み込むことができる。図10及び図16に示した電池28はピン型電池であるので、本照明装置10を、全体として細長く(基端と先端を結ぶ方向に長く)、その径方向外形(直径)が小さなものにすることができる。但し、太陽電池やコンデンサを含め、既知の又は既知となるであろう他のどのような種類の電源も、電池に代え使用することができる。加えて、ピン型電池に代え他種電池、例えばストリップ型電池、コイン電池及びクロス電池を用いてもよい。更に、電池は使い捨て電池でも充電式電池でもよい。1回だけ使用できる使い捨て電池の例としてはアルカリ電池、炭素亜鉛電池、リチウム電池、銀亜鉛電池及び亜鉛空気電池がある。図10及び図16に示したピン型電池28は使い捨て型のリチウム電池である。こうしたピン型電池は高いエネルギ密度(例.800Wh/l)をもたらすものであり、広い温度域(例.−20℃〜約60℃)下で使用でき、2年超に亘りエネルギを蓄積でき、低い放電率(例.1%/年未満)を呈し、漏れ抵抗性があり、信頼でき、且つ重金属を含まなくて環境に優しい製品である。
【0035】
図11は、一実施形態に係る第1ハウジング要素30の図10内C−C線沿い断面図である。前述の通り、第1ハウジング要素30には、電池28の外殻を受容しうるよう本要素から外方に張り出された出っ張り36と、第1ハウジング要素30内に形成されていて出っ張り40を受容可能な窪み42と、ハウジング16の先端付近にある壁56の内法に形成された開口34,58,60とを設けるとよい。更に、内方に延びる複数個の出っ張り66を第1ハウジング要素30に設けてハウジング16をフレーム22に連結するのに役立ててもよいし、Oリング68その他の弾性手段をハウジングの開口内に配して汚染物質又は流体の侵入から保護してもよい。
【0036】
図9及び図10から最もよく分かるように、第1プレート20がハウジング16内で締める位置は、ハウジング16の先端付近にある壁56とフレーム22との間であり、光源18は、そのハウジング16の壁56を貫く開口58,60を通り外方に張り出している。第2プレート24がハウジング16内で占める位置はハウジング16の基端付近である。
【0037】
図13には一実施形態に係る第1プレート20を示しており、これは、プレート20の内法にありそれを通じ器具12のシャフト14を受け容れうる開口76と、プレート20を貫く複数個の開口78,80,82,84を通り延びていてプレート20の周沿いにある光源18と、を有している。光源18には、第1プレート20の開口78,80,82,84内を通り延びるプロング86,88が備わっており、それらプロングは、第1プレート20に固定又は形成されている複数個の電気回路90,92,94に接続することができる。
【0038】
図14及び図15として示されているのは、それぞれ、第2プレート24の前斜視図及び後斜視図である。この第2プレート24は、第1プレート20に固定又は形成された複数個の電気回路96,98,99と、回路96,98及び第2プレート24を貫き延びる複数個の開口100,102,104,106と、プレート24を貫き延びる開口100,102,104,106の位置にて第2プレート24の第1面上にある回路96,98,99に固定された複数個の圧縮バネ108とを有している。この実施形態では圧縮バネ108を示したが、既知の又は既知となるであろう他の付勢機構をそれに代え使用してもよい。
【0039】
図16からよく分かるように、複数個ある電源28は第1プレート20・第2プレート24間に亘っており、その電源28の端子110は第2プレート24の開口100,102,104,106を貫き延びている。組立後に、端子110を第2プレート24の第2面に半田付けすることで、電源28をその場に固定することができる。圧縮バネ108は、圧縮状態では電源28の導電性外殻、例えばアルミニウム又は鋼たりうるそれと接触する。この圧縮バネ108に内在する復元バネ力が、電源28の外殻との接触を維持するのに役立つ。同じく図16から分かるように、光源18に備わっていて径方向内側にある端子86,88は互いに電気的に導通していない。従って、完全な又は閉じた回路が形成されておらず、光源18には電力が流れ込んでいない。
【0040】
図12は一実施形態に係るフレーム22の斜視図である。このフレーム22は、自フレーム22の先端から延びる複数個のベロ−70を有しており、また、任意の好適な導電素材例えば導電性金属で形成された導電リング又はプレート72が、フレーム22の先端に固定され又はフレーム22内にモールドされている。フレーム22のうち少なくともベロ−70が弾性素材で形成されているので、フレーム22及び/又はベロ−70は膨れる(伸長する)余地及び縮む(短縮する)余地がある。このフレーム22は少なくとも部分的に弾性素材で形成されているが、他の任意な素材で、少なくともベロ−70が膨縮しうるようフレーム22を形成することもできる。即ち、フレーム22は複数素材の組合せでも単一の弾性素材でも形成できる。
【0041】
フレーム22先端の周沿い、ベロ−70間には、装置10の他の構成要素との連携及びクリアランス目的でギャップが延設されている。フレーム22には、更に径方向内方及び外方に延びる複数個の出っ張り74が備わっており、これは、フレーム22をハウジング16及びスリーブ26に連結することで、フレーム22を本照明アタッチメント10の他の構成要素に連結している。更に、図10ではフレーム22及びスリーブ26が2個の相独立した構成要素として示されているが、これらフレーム22及びスリーブ26を1個の単体要素として構成してもよい。
【0042】
器具12上への本装置10の装着に先立つ初期状態では、図9から最もよく分かるように、ベロ−70が生得的な状態であり、導電リング72が第1プレート20と接触せず例えばギャップで隔てられるよう十分に圧縮されている。光源18に備わる径方向内側の端子86,88が互いに電気的に導通していないため、(図16に示す如く)電気回路は開いていて光源が発光していない。ベロ−70には(例えば図10に示す如く)ベローズリング70aが備わっており、器具12上に本装置10を装着するとそれを通り器具12が延びることとなる開口が、そのリングにより画定されている。
【0043】
器具12上に本照明アタッチメント10を取り付けている最中には、ベロ−70が軸方向に膨らむ。本装置10が器具12先端の指定部分に面し配されると、それは器具12と連接する。連接中には、器具12とフレーム22例えばベローズリング70aとの間の摩擦によりフレーム22の先端例えばベロ−70が膨らみ、本装置10の他構成部材に比べ伸びる。特に、導電リング72が、第1プレート20と接触するに至るまで第1プレート20に対し先端方向に動く。より具体的には、光源18に備わり径方向内側にあるプロング86,88にその導電リングが接触し、それらを互いに電気的に導通させる。これにより、電源28との電気回路が完成して閉じられるので、電気が光源18に供給されてその光源18が発光する。
【0044】
器具12から本装置10が外される際には逆の動作によって光源18がターンオフされる。外される際にフレーム22及びベロ−70に働く摩擦力は装着する際のそれとは逆方向である。これらの力や、装着する際にその伸長によりベロ−70内に蓄積された復元バネ力は、フレーム22例えばベロ−70を縮ませ、ひいては導電プレート72を本装置10の他構成部材に対し基端方向に動かす。その結果、ベロ−70が図9に示したポジションへと縮み又は圧縮されるため、導電プレート72が第1プレート20及び径方向内方のプロング86,88から分離される。プロング86,88は互いに電気的に導通しなくなり、それにより回路が開かれる。そのため、本照明装置10が器具12に取り付けられていないときには、その光源18はもはや発光しない。
【0045】
注記すべきことに、上述の構成は、光源18をターンオン及び/又はオフ可能な手法の一つに過ぎない。本発明は、既に既知のものか今後発見されるものかを問わず、これを実現できるあらゆる好適な手法を包括する。例えば、本照明装置10にスイッチ又はボタンを設け、ユーザがそれを手動操作することで本装置10をターンオン及びオフさせるようにしてもよい。
【0046】
図17に示す実施形態では、器具それ自体により器具112上に保持される別のコードレス照明付装置100が提示されている。その器具112は基端及び先端を有している。器具112の先端には、シャフト114例えばブレードを受容しうる開口がある。そのシャフト114は器具112に挿入可能であり、既知の形態に従いその器具112の体部で保持可能である。この例では、シャフト114に、挿入時に器具112の先端上に座すよう構成されたカラー、リム又はショルダ115が備わっている。
【0047】
照明付器具100の諸構成要素は、指示のある個所を除き照明装置10のそれと略同様である。例えば、本装置100は、照明付装置10と同様、ハウジング116とコードレス電源から給電を受ける少なくとも1個の光源118とを有し、自装置100の基端から先端へと延びる開口又は空洞内に器具を受け容れる構成である。その空洞は、器具112の所定部分が本装置100で囲まれるよう、例えば当該所定部分に本装置10を取り付けうるよう形状設定及び構成されている。図示の通り、本装置100は、器具112の先端上に連接させうるよう構成されている。このような構成では、光源118がシャフト114の極力近く、例えば手術部位の近くに位置することとなるが、器具112の機能性が貶められることはない。
【0048】
図17から分かるように、ハウジング116は先端から延びる出っ張り117を有しており、本装置の貫通孔がその出っ張り117により取り巻かれている。この出っ張り117によりその先端にリム119が形成されている。出っ張り117及びリム119の内径は、シャフト114を器具の先端に十分に挿入及び実装できるほど大きいが、シャフトのカラー115の外径よりは小さい。従って、シャフト114を器具内に挿入するとカラー115・リム119間に寸法的干渉が生じ、それにより、器具112の先端からの本装置100の脱落が妨げられる。本装置110は、シャフト114、より具体的にはそのショルダ115により、器具にしっかりと固定される。シャフト114を器具112から取り外せる場合、更に、照明装置10に関し上述したのと似た要領で、器具から本装置110を取り外すことができる。
【0049】
図18に示す別の実施形態例では、照明装置300が器具上にまた別の要領で保持される。本照明装置300の諸構成要素は、指示のある個所を除き、諸実施形態の照明装置10及び100で示したそれと略同様である。本装置300のハウジング301はスリット303付のスプリットカラー302を有しており、そのスリット303は、長手方向に沿い、本装置300の基端から幾ばくか入ったところまで延びており、同装置300の先端に向かう途中で終わっている。この実施形態では、ハウジング301が、少なくとも僅かには可撓又はバネ状の素材で形成されている。本装置300の空洞又は開口は器具の外面より小さい。本装置300を器具上に装着すると、器具と本装置300の空洞との間の寸法的干渉によって、またハウジング301を形成している素材の可撓性に応じ、そのスリットが拡大又は拡幅する。即ち、その空洞又は開口が、器具の外面を受け容れうる程に拡がる。
【0050】
同時に、ハウジング301を形成している偏向素材内に蓄積されている復元バネ状力の働きで、器具の外面に対し逆向きの圧縮力が作用し、器具上への把持力及び/又は器具に対する摩擦力が生じることとなる。この力は、本装置300を器具に取り付けられたままに保つのに役立とう。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、この保持力は所望の通り又は好適な如くに定めることができる。例えば、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、諸項目のうち、ハウジングを形成する素材をその素材の可撓性が所定程度となるよう選定すること、器具と本装置300の空洞との間の寸法的干渉の量を選定することで器具上への本装置300の装着に必要な撓み量又は偏向量を決めること、並びにハウジング301の全体としての可撓性に影響するスロット301の形状、寸法及び構成を選定することで、この力を定めることができる。
【0051】
図19に示す別の実施形態では、器具に照明装置400をしっかりと固定するためにまた別の構成が採られている。本照明装置400の諸構成要素は、指示のある個所を除き、諸実施形態の照明装置10,100及び300について示したそれと略同様である。この実施形態のスリーブ426は複数個の出っ張り427を有しており、その出っ張り427は、スリーブ426の内周面から器具の受容先たる本装置の空洞内へと径方向内方に延びている。出っ張り427は可撓性、可圧縮性及び/又は弾性である。空洞内への出っ張り427の張り出し長は、その出っ張り427と器具の外面との間に寸法的干渉が生じるよう定めておく。器具を空洞内に挿入すると、これらの出っ張りが撓み又は圧縮されて器具が入っていく。更に、圧縮された/撓んだ出っ張り427に蓄積されている復元バネ力の働きで器具の外面に対し逆向きの内方圧縮力が作用する。これにより出っ張り427・器具間に生じる把持/摩擦力が、装置400を器具に連接したままに保つのに役立つ。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、この保持力は所望の通り又は好適な如くに定めることができる。例えば、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、諸項目のうち、出っ張り427を形成する素材をその素材の可圧縮性/可撓性及び出っ張り427・器具間摩擦係数が所定程度となるよう選定すること、並びに器具・出っ張り427間の寸法的干渉の量を選定することで器具上への装置300の装着に必要な撓み量又は偏向量ひいては逆向き圧縮力を決めることで、この力を定めることができる。ご理解頂けるように、この保持力は、本照明装置400が稼働中に器具から不意に外れないよう、それでいて穏当な程度の力でユーザが本照明装置400を取り付けること及び取り外すことができるように、定めるとよい。
【0052】
他の実施形態としては、出っ張り427が磁性素材を含有するものがありうる。そうした実施形態では、本装置400を、少なくとも部分的には磁気的に、磁性的な器具12に対ししっかりと固定することができる。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、出っ張り427・器具12間磁性力の強さは、本装置400・器具12間の不意な分離が概ね生じない程度に強く、それでいて所望時に意図的に外せる程度に定めるとよい。
【0053】
本発明の照明装置には複数の長所がある。同照明装置の長所のうち一つはそのサイズである。本照明アタッチメントの直径は器具の外周をほんの僅かに越える程度であるので、ユーザが器具を容易に操れる一方、機動性が損なわれることやユーザの視線が遮られることもない。実施形態によっては、その向きが本装置に対し概ね基端・先端間位置関係に沿っているピン形状電池の使用によりこうした実装上の長所がもたらされる。
【0054】
更なる長所は、本照明アタッチメントを器具に容易に取り付けうること及び器具から容易に取り外しうることである。前述のように、本照明アタッチメントは、容易に、器具の先端に面し摺動させ使用中の器具と連接させることができる。器具から本照明アタッチメントを取り外したい場合、ユーザは、単に、本照明アタッチメントを取り外せるような軸方向圧力を本照明アタッチメントの基端に加えるだけでよい。同時に、器具からの本装置の不意な脱落も生じにくくなる。
【0055】
もう一つの長所は、器具への本照明アタッチメントの取付と同時並行的に光源を発光させることができて組立及び使用が効率的になることである。本照明アタッチメントは器具に対する連接及び分離が可能な取付手段を有しており、使用中に器具から本装置が自然に外れてしまわないようにするための付加的なファスナが必要でない。
【0056】
加うるに、本装置はコードレスであり自給式電源を有している。本装置は、電源コードを介し別の場所のコンセントや光源に接続する必要がない。コードがあると器具の扱いは面倒になり、その操作に助力が必要になることもある。また、既知のコード付装置では、高温になってユーザ及び/又は患者がやけどを負うことがあり得、更には火災が発生する余地もあった。本発明によれば、やけどや火災発生のリスクが軽減される。
【0057】
更なる長所は、本発明の照明アタッチメントを器具上の所望又は所定個所にしっかりと固定できることである。そのため、照明の観点からも器具の操作性の観点からも、本装置の好適配置が可能である。
【0058】
いわゆる当業者には本願での教示に基づきご理解頂けるように、上述のものを含め本発明の諸実施形態には、別紙特許請求の範囲で規定される本発明の技術的範囲からの逸脱無しに、様々な変更及び変形を施すことができる。そこで、本願での詳細説明は例示と捉えるべきで説明した個別の実施形態に限定されるものではないこと、並びに変形その他の実施形態が別紙特許請求の範囲による技術的範囲への包含を意図したものであることを、ご理解されたい。ある種の構成要素が別のある種の構成要素との組合せにて実施形態中に記述されているが、本発明がそうした組合せに限定されず、本願記載の構成要素の任意且つ生起しうる全ての組合せを包括及びカバーすることを、ご理解頂きたい。更に、本願では具体的な用語が使用されているが、それらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されているのであって、限定を目的として使用されているのではない。
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