【実施例】
【0135】
薬理試験
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩は、有用な薬理学的特性を持つ。本発明の化合物は、BACE1活性の阻害に関連することが見い出された。本化合物を本明細書において以下で与えられる試験に従って調査した。
【0136】
細胞性Aβ−低下アッセイ:
Aβ40αLISAアッセイを使用することができる。HEK293APP細胞を、細胞培養培地(Iscove、+10%(v/v)ウシ胎仔血清、ペニシリン/ストレプトマイシン)中96ウェルマイクロタイタープレートに播種して約80%コンフルエントにし、そして化合物を、1/3容量の培養培地中3×濃度で加えた(最終DMSO濃度は、1%v/vに保持した)。加湿したインキュベーター中37℃及び5% CO
2で18〜20時間インキュベーション後、Perkin-Elmerヒトアミロイドβ1−40(高特異性)キット(Cat# AL275C)を使用するAβ40濃度の測定のために、培養上清を回収した。
【0137】
Perkin-Elmer White Optiplate-384(Cat# 6007290)中、培養上清2ulを、2μlの10×αLISA抗hAβアクセプタービーズ+ビオチン化抗体抗Aβ1−40ミックス(50μg/mL/5nM)と合わせた。室温で1時間インキュベーション後、16μlの1.25×ストレプトアビジン(SA)ドナービーズ調製物(25μg/mL)を加え、暗所で30分間インキュベートした。次に、EnVision-Alpha Readerを使用して615nmでの発光を記録した。培養上清中のAβ40のレベルを、最大シグナル(阻害剤を含まず1% DMSOで処理した細胞)のパーセントとして計算した。IC
50値は、Excel XLfitソフトウェアを使用して計算した。
【0138】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0139】
医薬組成物
式Iの化合物及び薬学的に許容されるうる塩は、治療活性物質として、例えば医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で、経口投与されうる。しかし、投与はまた、例えば坐薬の形態で経直腸的に、又は例えば注射液の形態で非経口的に実施されうる。
【0140】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容されうる塩は、医薬製剤の製造のため、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などが、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセルのためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物性油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常、担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油などである。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール類などである。
【0141】
更に、医薬製剤は、薬学的に許容されうる補助物質、例えば、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。これらはまた、更に他の治療上価値のある物質を含有することができる。
【0142】
式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容されうる塩と、治療上不活性な担体とを含有している医薬も、本発明により提供され、それは1個以上の式Iの化合物及び/又はそれらの薬学的に許容されうる塩と、所望により、1個以上のその他の治療上価値のある物質とを、1個以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、それらの製造方法でもある。
【0143】
投与量は、広い範囲内で変化させることができ、そして当然ながら各特定の症例における個々の要求に適合させる必要がある。経口投与の場合には、成人の投与量は、一般式Iの化合物、又は対応する量のその薬学的に許容しうる塩を1日に約0.01mgから約1000mgまで変化させることができる。1日投与量は、1回用量として又は分割用量で投与されてもよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0144】
下記の実施例は本発明を限定することなく説明するが、単にその代表的なものとして役立つ。医薬製剤は、好都合には、式Iの化合物を約1〜500mg、特に1〜100mg含有する。以下は本発明による組成物の例である:
【0145】
実施例A
通常の方法で、以下の組成の錠剤を製造する。
【表2】
【0146】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒化する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.成分5を加え、3分間混合し、適切な加圧成形機で圧縮する。
【0147】
実施例B−1
以下の組成のカプセル剤を製造する。
【表3】
【0148】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0149】
式Iの化合物、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、それにタルクを加え、十分に混合する。混合物を、機械により適切なカプセル、例えば硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0150】
実施例B−2
以下の組成の軟ゼラチンカプセル剤を製造する。
【表4】
【0151】
【表5】
【0152】
製造手順
式Iの化合物を、他の成分の加温溶融物に溶解し、そして混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟質ゼラチンカプセルを、通常の手順に従って処理する。
【0153】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する。
【表6】
【0154】
製造手順
坐薬用錬剤をガラス又はスチール容器中で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却する。直ちに、微粉末化した式Iの化合物をそれに加え、それが完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切な大きさの坐剤型に注ぎ入れ、放冷し、次に坐剤を型から取り外し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包む。
【0155】
実施例D
以下の組成の注射液を製造する。
【表7】
【0156】
製造手順
式Iの化合物を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸でpHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0157】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する。
【表8】
【0158】
製造手順
式Iの化合物を、乳糖、微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、ポリビニルピロリドンの水中混合物で顆粒化する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び香味添加剤と混合し、サッシェに充填する。
【0159】
実験の部
以下の実施例は、本発明の例示のため提供される。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の代表的なものとして見なされるべきである。
【0160】
一般
略語:
Boc=tert−ブトキシカルボニル、DCM=ジクロロメタン、EDC・HCl=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩、EtOAc=酢酸エチル、HCl=塩化水素、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、LDA=リチウムジイソプロピルアミド、MS=質量スペクトル、THF=テトラヒドロフラン、及びT3P=2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド。
【0161】
NMR:
1H NMRスペクトルは、Bruker AC-300分光計にて、25℃で、TMS(テトラメチルシラン)又は所定の重水素化溶媒の残存
1Hを内部標準として用いて記録した。
MS:質量スペクトル(MS)は、Perkin-Elmer SCIEX API 300でのイオンスプレー正イオン又は負イオン(ISP又はISN)法、又はFinnigan MAT SSQ 7000分光計での電子衝撃法(EI、70eV)のいずれかで測定した。
【0162】
LC−MS(ESI、正イオン又は負イオン)データを、Waters Acquity、CTC PALオートサンプラ及びESイオン化モード(正及び/又は負)を使用するWaters SQDシングル四重極質量分析計を備えた、Waters UPLC-MSシステムで記録した。分離を、Zorbax Eclipse Plus C18 1,7μm 2.1×30 mmカラム上にて50℃で達成した;A=水中0.01%ギ酸、B=アセトニトリル、流速1;勾配:0分 3%B、0.2分 3% B、2分 97% B、1.7分 97% B、2.0分 97% B。注入容量は、2μLであった。MS(ESI、陽イオン又は陰イオン):FIA(フローインジェクション分析)−MSを、AppliedBiosystem API150質量分析計で記録した。試料注入を、CTC PALオートサンプラ及びShimadzu LC-10ADVPポンプで行った。試料を、カラムを用いず、流速50μL/分のアセトニトリルと10mM酢酸アンモニウム(1:1)の混合物を用いて、質量分析計のESI源へと直接流した。注入容量は、2μLであった。
【0163】
中間体A2の合成
A2a: 6−クロロ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミド
【化12】
ジクロロメタン(430mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中の市販の6−クロロ−3−フルオロピコリン酸(CAS-no. 884494-76-2)(25g、142mmol、Eq:1.00)の室温の磁気撹拌した懸濁液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(22.2g、228mmol、Eq:1.6)、N−メチルモルホリン(23.0g、25.1mL、228mmol、Eq:1.6)及びDMAP(1.74g、14.2mmol、Eq:0.1)を加え、0℃に冷却し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimid hydrochloride)(EDC・HCl)(32.8g、171mmol、Eq:1.2)を加え、混合物を一晩放置して、周囲温度に達した。室温で16時間撹拌後、混合物を1M HClに注ぎ、DCMで抽出し、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、褐色の液体(34.2g)が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜30% EtOAc)により精製して、生成物を得、これをヘプタンでトリチュレートして、6−クロロ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミド(29.23g、134mmol、収率93.9%)を白色の固体として得た。MS(ISP):m/z=219.4[M+H]
+及び221.4[M+2+H]
+。
【0164】
中間体A3の合成
A3a: 1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタノン
【化13】
テトラヒドロフラン(500mL)中の6−クロロ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミド(27.04g、124mmol、Eq:1.00)の0℃の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(2−メチル−THF中3.2M)(58.0mL、186mmol、Eq:1.5)を滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。3M HClに注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去し、HVで乾燥して、1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタノン(20.86g、120mmol、収率97.2%)を明黄色の固体として得た。MS(ISP):m/z=174.3[M+H]
+及び176.3[M+2+H]
+。
【0165】
中間体A4の合成
A4a: (R,E)−N−(1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化14】
1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタノン(22.6g、130mmol、Eq:1.00)、(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(17.4g、143mmol、Eq:1.1)及びチタン(IV)エトキシド(44.6g、41.3mL、195mmol、Eq:1.5)を、テトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、混合物を75℃に加熱し、この温度で一晩撹拌した。混合物を23℃に冷却し、飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、セライトで濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、濾液層を分離し、有機層を飽和NaHCO
3溶液及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。溶媒を除去すると、暗橙色の固体が残り、これをまずシリカゲルショートカラムろ過により精製して、残留チタン塩を除去し、次にカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜50%酢酸エチル)により、(R,E)−N−(1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(32.15g,116mmol、収率89.2%)を橙色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=277.4[M+H]
+及び279.4[M+2+H]
+。
【0166】
中間体A5の合成
A5a: (S)−エチル3−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート
【化15】
活性亜鉛(11.3g、173mmol、Eq:3.0)及び塩化銅(I)(5.72g、57.8mmol、Eq:1.00)をテトラヒドロフラン(100mL)に懸濁し、20分間加熱還流した。20℃に冷却し、次にテトラヒドロフラン(40.0mL)中の2−ブロモ酢酸エチル(24.1g、16.0mL、145mmol、Eq:2.5)の溶液を滴下(dropwis)し、更に15分間撹拌を続けた。次に、テトラヒドロフラン(40.0mL)中の(R,E)−N−(1−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(16g、57.8mmol、Eq:1.00)の溶液を25℃〜30℃で滴下した。23℃で1時間撹拌を続けた。 次にエタノール(4.79g、6.08mL、104mmol、Eq:1.8)を、氷冷下で加え、全固形分を濾過して取り除き、濾液を酢酸エチル及び飽和NH
4Cl溶液で2回抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィーに付して(SiO
2100g、 Flashmaster、ヘプタン中0〜50%EtOAc)、(S)−エチル3−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート(11.57g、31.7mmol、収率54.9%)を黄色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=365.4[M+H]
+及び367.4[M+2+H]
+。
【0167】
中間体A6の合成
A6a: (R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化16】
テトラヒドロフラン(167mL)中の(S)−エチル3−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート(11.57g、31.7mmol、Eq:1.00)の0℃の溶液に、水素化ホウ素リチウム(THF中2M)(23.8mL、47.6mmol、Eq:1.5)、続いてEtOH(1.46g、1.85mL、31.7mmol、Eq:1.00)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、褐色の油状物が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により精製して、(R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8.85g、27.4mmol、収率86.5%)を黄色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=323.4[M+H]
+及び325.4[M+2+H]
+。
【0168】
中間体A7の合成
A7a: (R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化17】
DMSO(20mL)及びトリエチルアミン(6.06g、8.34mL、59.8mmol、Eq:6.0)中の(R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.22g、9.97mmol、Eq:1.00)の溶液に、三酸化硫黄−ピリジン錯体(4.76g、29.9mmol、Eq:3.0)を15℃で加えた。混合物を23℃で2時間撹拌した。氷水及び飽和NaCl溶液 100mLを反応混合物に加え、10分間撹拌し、次に酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、黄色の油状物を得た。残留物をクロマトグラフィーに付して(シリカゲル、50g、ヘプタン中0〜80%酢酸エチル)、(R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(2.96g、9.23mmol、収率92.5%)を明黄色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=321.5[M+H]
+及び323.5[M+2+H]
+。
【0169】
中間体A8の合成
A8a: (R)−N−((2S,4S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド及び(R)−N−((2S,4R)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化18】
テトラヒドロフラン(50mL)中の(R)−N−((S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(2.96g、9.23mmol、Eq:1.00)の溶液に、0℃で、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.97g、2.04mL、13.8mmol、Eq:1.5)を滴下した。次に、0℃でテトラメチルアンモニウムフルオリド(172mg、1.85mmol、Eq:0.2)を加え、褐色の溶液を0℃で10分間撹拌し、氷浴を除き、溶液を放置して室温に達し、2時間撹拌を続けた。次に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M)(10.1mL、10.1mmol、Eq:1.1)を滴下し、混合物を周囲温度で更に2時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液及び氷に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾別した。真空下で溶媒を除去すると、明黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0〜80%酢酸エチル)により精製し、(R)−N−((2S,4S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(710mg、1.82mmol、収率19.7%;低極性異性体)及び(R)−N−((2S,4R)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(580mg、1.48mmol、収率16.1%; 高極性異性体)が、共に褐色の油状物として残った。MS(ISP):m/z=391.5[M+H]
+及び393.5[M+2+H]
+。
【0170】
中間体A9の合成
A9a: (2S,4S)−4−アミノ−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オール
【化19】
テトラヒドロフラン中の(R)−N−((2S,4S)−2−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(710mg、1.82mmol、Eq:1.00)の溶液に、周囲温度で、濃HCl(水中37%)(537mg、448μL、5.45mmol、Eq:3.0)を加えた。褐色の反応溶液を23℃で2時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、ブラインで有機層を洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、明褐色の油状物が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)により精製して、(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オール(264mg、921μmol、収率50.7%)を褐色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=287.4[M+H]
+及び289.5[M+2+H]
+。
【0171】
中間体A10の合成
A10a: (4S,6S)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化20】
エタノール(5mL)中の(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オール(262mg、914μmol、Eq:1.00)の溶液に、アルゴン下、周囲温度で、重炭酸ナトリウム(30.7mg、366μmol、Eq:0.4)及び臭化シアン(290mg、2.74mmol、Eq:3.00)を加えた。褐色の反応溶液を、密閉チューブ中80℃で20時間撹拌した。氷水及び飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、次に酢酸エチルで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0〜80%酢酸エチル)により精製して、(4S,6S)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(170mg、436μmol、収率47.7%)を明褐色の固体として得た。MS(ISP):m/z=312.5[M+H]
+及び314.5[M+2+H]
+。
【0172】
中間体A11の合成
A11a: (4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化21】
ジクロロメタン(10mL)及びジイソプロピルエチルアミン(113mg、152μL、873μmol、Eq:2.0)中の(4S,6S)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(170mg、436μmol、Eq:1.00)の溶液に、周囲温度で、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(222mg、655μmol、Eq:1.5)を加えた。反応溶液を23℃で4時間撹拌した。反応混合物を水及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)により精製して、(4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(163mg、265μmol、収率60.8%)をオフホワイトの泡状物として得た。MS(ISP):m/z=615.1[M+H]
+及び617.2[M+2+H]
+。
【0173】
中間体A12の合成
A12a: (4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化22】
アルゴン下、密閉チューブ中で、トルエン(3mL)中の(4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(160mg、261μmol、Eq:1.00)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(75.1mg、782μmol、Eq:3.00)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos)(18.6mg、39.1μmol、Eq:0.15)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(11.9mg、13.0μmol、Eq:0.05)を加えた。ベンゾフェノンイミン(94.4mg、87.5μL、521μmol、Eq:2.00)を、最後にシリンジを介して加えた。チューブをアルゴン下で密閉し、混合物を85℃で3.5時間撹拌した。周囲温度に冷却後、褐色の溶液を酢酸エチル及び水で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、褐色の油状物を得た。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)により精製して、(4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(123mg、162μmol、収率62.2%)を明黄色の泡状物として得た。MS(ISP):m/z=759.3[M+H]
+。
【0174】
中間体A13の合成
A13a: (4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化23】
ジクロロメタン(10mL)中の(4S,6S)−N−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メチル)−4−(6−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(122mg、161μmol、Eq:1.00)の溶液に、周囲温度で、トリフルオロ酢酸(1.83g、1.24mL、16.1mmol、Eq:100)を加えた。橙色の反応溶液を23℃で1時間撹拌し、次に蒸発させた。残留物をジオキサン(20mL)に溶解し、1N HCl(3.22mL、3.22mmol、Eq:20)を加えた。23℃で3時間撹拌を続けた。1M Na
2CO
3に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。真空下で溶媒を除去すると、褐色の油状物が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、5g;酢酸エチル/MeOH 8:1)により精製して、(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(35mg、120μmol、収率74.5%)をオフホワイトの泡状物として得た。MS(ISP):m/z=293.5[M+H]
+。
【0175】
中間体A14の合成
A14a: tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化24】
ジクロロメタン(1mL)及びジイソプロピルエチルアミン(19.8mg、26.8μL、153μmol、Eq:1.4)中の(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン(32mg、110μmol、Eq:1.00)の溶液に、室温で、ジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc
2O)(28.7mg、131μmol、Eq:1.2)を加えた。清澄で無色の反応溶液を23℃で20時間撹拌した。全ての揮発物を真空下で除去し、残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、10g;酢酸エチル/MeOH 8:1)により精製して、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(41.3mg、105μmol、収率96.1%)を白色の泡状物として得た。MS(ISP):m/z=393.4[M+H]
+。
【0176】
中間体A15の合成
A15a: tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化25】
5−シアノピコリン酸(19.4mg、131μmol、Eq:1.30)をジクロロメタン(0.8mL)及びDMF(0.4mL)に溶解し、次にジイソプロピルエチルアミン(39.0mg、52.7μL、302μmol、Eq:3.00)及び(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチル(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)メタンイミニウムへキサフルオロホスファート(HATU)(57.4mg、151μmol、Eq:1.50)を周囲温度で加えた。得られた黄色の溶液を10分間撹拌し、次にジクロロメタン(0.8mL)中のtert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(39.5mg、101μmol、Eq:1.00)の溶液を加えた。褐色の反応溶液を23℃で16時間撹拌した。反応混合物を氷冷飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、5g、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)により精製して、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(16mg、30.6μmol、収率30.4%)を無色の油状物として得た。MS(ISP):m/z=523.6[M+H]
+。
【0177】
中間体ピリジンB2b(R2=Cl)の合成:2−ブロモ−5−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン
【化26】
THF(170mL)中のジイソプロピルアミン(10.6g)の溶液に、−20℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、65.6mL)を30分間かけて加え、溶液を放置して0℃まで温め、30分間撹拌を続けた。溶液を再度−78℃に冷却し、THF(30mL)中の2−ブロモ−5−クロロピリジン(19.2g)の溶液で15分間かけて処理し、1時間撹拌を続けた。暗褐色の溶液にトリエチルクロロシラン(16.6g)を3分間かけて加え、混合物を−20℃に温め、水性HCl(1M、110mL)及び半飽和水性NH
4Cl(110mL)の混合物に注ぎ、t−ブチルメチルエーテル(300mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜20% EtOAc)により精製して、標記化合物(30.7g、86%)を淡黄色の液体として得た。MS(ESI):m/z=306.3、308.3、310.3[M+H]
+。
【0178】
中間体ケトンB3b(R2=Cl)の合成:1−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エタノン
【化27】
THF(400mL)中のジイソプロピルアミン(17.2g)の溶液に、−20℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、106mL)を30分間かけて加え、溶液を放置して0℃まで温め、30分間撹拌を続けた。溶液を再度−78℃に冷却し、THF(40mL)中の2−ブロモ−5−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジンB2b(40.0g)の溶液で15分間かけて処理し、15分間撹拌を続けた。暗赤色の溶液にN,N−ジメチルアセトアミド(14.8g)を2分間かけて加え、20分間撹拌を続けた。混合物を−40℃に温め、水性HCl(1M、200mL)及びブライン(200mL)の混合物に注ぎ、t−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて、粗標記化合物を褐色の油状物(41.5g)として得た。
【0179】
中間体スルフィニルイミン類B4の合成
B4a(R
2=F):(R,E)−N−(1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化28】
THF(59mL)中のBadiger, S. et al., 国際特許出願WO2012095469A1に従って調製した1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エタノン(8.13g)の溶液に、22℃で、(R)−(+)−tert−ブチルスルフィンアミド(3.26g)及びチタン(IV)エトキシド(11.2g)を逐次的に加え、溶液を60℃で6時間撹拌した。混合物を22℃に冷却し、ブラインで処理し、懸濁液を10分間撹拌し、ジカライトで濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、n−ヘプタン/EtOAc、5:1)により精製して、標記化合物(7.5g、70%)を黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=435.3、437.3[M+H]
+。
【0180】
B4b(R
2=Cl):(R,E)−N−(1−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化29】
化合物B4aの調製と同様にして、粗1−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エタノンB3b(41.5g)を、(R)−(+)−tert−ブチルスルフィンアミドと反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜10% EtOAc)による精製後、標記化合物(18.0g)を橙色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=451.1、453.1、455.1[M+H]
+。
【0181】
中間体スルフィンアミドエステル類B5の合成
B5a(R
2=F):(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート
【化30】
THF(325mL)中のジイソプロピルアミド(9.41g)の溶液に、−20℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液、58.1mL)を加え、0℃で30分間撹拌を続けた。溶液を−78℃に冷却し、温度を−70℃未満に維持しながら酢酸エチル(8.19g)で処理し、−78℃で30分間撹拌を続けた。THF(65mL)中のクロロトリイソプロポキシチタン(24.2g)の溶液を加え、−78℃で30分間撹拌を続けた。混合物をTHF(65mL)中の(R,E)−N−(1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB4a(13.5g)の溶液で処理し、−78℃で1時間撹拌を続けた。混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、ジカライトで濾過し、有機層を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、n−ヘプタン/EtOAcの勾配(5〜45% EtOAc))により精製して、標記化合物(11.5g、71%)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=523.6、525.6[M+H]
+。
【0182】
B5b(R
2=Cl):(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート
【化31】
化合物B5aの調製と同様にして、(R,E)−N−(1−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB4b(14.0g)を、酢酸エチルと反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜50% EtOAc)による精製後、標記化合物(6.1g)を橙色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=539.2、541.2、543.2[M+H]
+。2番目のフラクションが出発物質(7.44g)を含んでいた。
【0183】
B5c(R
2、R
4=F):(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアート
【化32】
活性亜鉛(3.33g、51.0mmol)をテトラヒドロフラン(90mL)に懸濁し、加熱還流した。テトラヒドロフラン(50mL)中のエチル2−ブロモ−2−フルオロアセタート(9.43g、6.03mL、51.0mmol)及び(R,E)−N−(1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(11.1g、25.5mmol)の溶液を滴下し、70℃で更に1時間撹拌した。油浴から取り出し、エタノール(2mL)の滴下により反応をクエンチし、セライトで濾過し、EtOAc及び飽和NH
4Cl溶液で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアート(9.9g、18.3mmol、収率71.7%)を黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=541.6、543.6[M+H]
+。
【0184】
中間体エステル類B6の合成
B6a(R
2=F):(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート
【化33】
THF(100mL)中の(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアートB5a(11.5g)の溶液に、22℃で、酢酸(2.64g)、KF(2.55g)及びDMF(100mL)を逐次的に加え、22℃で2時間、及び40℃で30分間撹拌を続けた。混合物をEtOAc(600mL)と飽和NaHCO
3水溶液(600mL)との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて(50℃、2ミリバール)、粗標記化合物(9.27g)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=409.5、411.5[M+H]
+。
【0185】
B6b(R
2=Cl):(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアート
【化34】
化合物B6aの調製と同様にして、(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−クロロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアートB5b(3.7g)を、KFと反応させて、粗標記化合物(3.05g)を明褐色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=425.1、427.1、429.1[M+H]
+。
【0186】
B6c(R
2、R
4=F):(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアート
【化35】
N,N−ジメチルホルムアミド(105mL)及びテトラヒドロフラン(105mL)中の(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアートB5c(10.5g、19.4mmol)の溶液に、室温で、乾燥フッ化カリウム(2.25g、38.8mmol)及び酢酸(1.16g、1.11mL、19.4mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアート(6g、14.0mmol、収率72.4%)が明黄色の油状物として残った。MS(ESI):m/z=427.5、429.5[M+H]
+。
【0187】
中間体アルデヒド類B7の合成
B7a(R
2=F):(R)−N−((S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化36】
ジクロロメタン(220mL)中の粗(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアートB6a(8.8g)の溶液に、−78℃で15分間かけて水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1M、49mL)を加え、1時間撹拌を続けた。混合物を水性飽和NH
4Clで処理し、23℃に温め、ジカライトで濾過し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜100% EtOAc)により精製して、標記(4.0g、51%)を無色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=365.3、367.3[M+H]
+。
【0188】
B7b(R
2=Cl):(R)−N−((S)−2−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化37】
化合物B7aの調製と同様にして、粗(S)−エチル3−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)ブタノアートB6b(3.0g)を、水素化ジイソブチルアルミニウムと反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜50% EtOAc)後、標記化合物(2.69g、45%)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=381.1、383.1、385.1[M+H]
+。
【0189】
B7c(R
2、R
4=F):(R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化38】
【0190】
工程1: (R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化39】
テトラヒドロフラン(26.6mL)中の(2R,3R)−エチル3−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2−フルオロブタノアートB6c(4.13g、9.67mmol)及びエタノール(445mg、564μL、9.67mmol、Eq:1.00)の0℃の溶液に、THF(7.25mL、14.5mmol)中の水素化ホウ素リチウムの2M溶液を滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去して、(R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.65g、9.47mmol、収率98.0%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=385.2、387.2[M+H]
+。
【0191】
工程2: ジクロロメタン(114mL)中の工程1の生成物(R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.65g、9.47mmol)の0℃の溶液に、Dess-Martin periodinane(4.82g、11.4mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。エーテル 300mLを加え、20分間撹拌し、固体を濾別し、エーテルで洗浄し、飽和NaHCO
3溶液で抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、白色の固体が残り、これをDCMでトリチュレートし、固体を濾別し、有機層を完全に蒸発させて、黄色の泡状物 3.7gを得た。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜70% EtOAc)により精製して、(R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(2.36g、6.16mmol、収率65.0%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=383.1、385.1[M+H]
+。
【0192】
中間体トリメチルシリルエーテル類B8の合成
B8a(R
2=F):(R)−N−((2S,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化40】
THF(40mL)中の(R)−N−((S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB7a(2.0g)の溶液に、−28℃で、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.56g)及びテトラメチルアンモニウムフルオリド(51.2mg)を逐次的に加え、黄色の溶液の撹拌を1時間続けた。テトラメチルアンモニウムフルオリド(564mg)の更なる部分を加え、−20℃で1時間撹拌を続けた。混合物を水性飽和NaHCO
3(100mL)とEtOAc(200mL)との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中AcOEtの勾配、17〜25% EtOAc)により精製して、標記化合物及びその脱保護されたアルコールの分離不可能な1:1混合物(1.10g)を黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=507.3、509.3[M+H]
+。
【0193】
より遅く溶出するフラクションは、エピマーアルコールである、(R)−N−((2S,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(0.40g)を黄色の油状物として含んでいた。MS(ESI):m/z=435.3、437.3[M+H]
+。
【0194】
B8b(R
2=Cl):(R)−N−((2S,4S)−2−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化41】
化合物B8aの調製と同様にして、(R)−N−((S)−2−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB7b(1.10g)を、(トリフルオロメチル)トリメチルシランと反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、15〜35% EtOAc)後、より早く溶出する所望でないエピマー、(R)−N−((2S,4R)−2−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(165mg、11%)を無色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=523.0、525.0、527.0[M+H]
+。
【0195】
より遅く溶出するフラクションは、標記化合物(0.67g、44%)を無色の油状物として含んでいた。MS(ESI):m/z=523.0、525.0、527.0[M+H]
+。
【0196】
B8c(R
2、R
4=F):(R)−N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド及びB8d(R
2、R
4=F)(R)−N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化42】
テトラヒドロフラン(30.7mL)中の(R)−N−((2R,3R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3−フルオロ−4−オキソブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB7c(2.047g、5.34mmol)の−20℃の溶液に、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.52g、1.71mL、10.7mmol、Eq:2)、次いで、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、THF中1M)(534μL、534μmol)を加え、混合物を−20℃で2時間撹拌した。飽和NH
4Cl溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50% EtOAc)により精製して、(R)−N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8d(432mg、822μmol、収率15.4%)をより早く溶出する異性体として、(R)−N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8c(495mg、942μmol、収率17.6%)をより遅く溶出する異性体として、得た。更に(R)−N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(376mg、830μmol、収率15.5%)も単離した。
B8c:MS(ESI):m/z=525.1、527.1[M+H]
+;B8d:MS(ESI):m/z=525.1、527.1[M+H]
+。
【0197】
中間体アミノアルコール類B9の合成
B9a(R
2=F):(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オール
【化43】
ジオキサン(38mL)中の(R)−N−((2S,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8a及びその脱保護されたアルコールの1:1混合物(1.07g)に、22℃で、塩酸(ジオキサン中4M、2.5mL)を加え、溶液の撹拌を1時間続けた。混合物を蒸発させ、残留物をEtOAcと氷水との間で分配し、水層のpHを水性飽和NaHCO
3で8に調整し、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させて、粗標記化合物(0.70g)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=331.3、333.3[M+H]
+。
【0198】
B9b(R
2=Cl):(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オール
【化44】
化合物B9aの調製と同様にして、(R)−N−((2S,4S)−2−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8b(0.56g)を、塩酸で脱保護して、粗標記化合物(345mg、93%)を無色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=347.4、349.4、351.4[M+H]
+。
【0199】
B9c(R
2、R
4=F):(2S,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オール
【化45】
テトラヒドロフラン(19mL)中の(R)−N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8c(495mg、942μmol)の室温の溶液に、濃HCl(495mg、309μL、3.77mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製して、(2S,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オール(95mg、272μmol、収率28.9%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=349.1、351.1[M+H]
+。
【0200】
B9d(R
2、R
4=F):(2R,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オール
【化46】
テトラヒドロフラン(5mL)中の(R)−N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドB8d(680mg、1.5mmol)の0℃の溶液に、HCl(ジオキサン中4M)(375μL、1.5mmol)を滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50% EtOAc)により精製して、キラル補助(chiral auxiliary)がヒドロキシル基に移動した白色物373mgを得た。MeOH(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、過剰な量の3M NaOHを加え、30分間撹拌した。水及びEtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾別し、完全に蒸発させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中EtOAc、0〜50%)により精製して、(2R,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オール(373mg、1.07mmol、収率71.2%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=349.1、351.1[M+H]
+。
【0201】
中間体アミノオキサジン類B10の合成
B10a(R
2=F):(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化47】
エタノール(14mL)中の(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オールB9a(670mg)の溶液に、22℃で、アセトニトリル中のBr−CNの溶液(5M、0.61mL)を加え、混合物を密閉チューブ中85℃に15分間加熱した。混合物を蒸発させ、残留物を半飽和水性Na
2CO
3とEtOAcとの間で分配し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、20〜80% EtOAc)により精製して、標記化合物(255mg、35%)を淡黄色の固体として得た。MS(ESI):m/z=356.4、358.4[M+H]
+。
【0202】
B10b(R
2=Cl):(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミン
【化48】
化合物B10aの調製と同様にして、(2S,4S)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロペンタン−2−オールB9b(335mg)を、Br−CNと反応させて、標記化合物(148mg、41%)を淡黄色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=372.0、374.0、376,0[M+H]
+。
【0203】
中間体Boc−アミノオキサジン類B11の合成
B11a(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化49】
その後、ジクロロメタン(5mL)中の(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミンB10a(245mg)の溶液に、22℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(124mg)及びBoc−無水物(180mg)を逐次的に加え、15時間撹拌を続けた。混合物を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜100% EtOAc)により精製して、標記化合物(276mg、88%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=456.3、458.3[M+H]
+。
【0204】
B11b(R
2=Cl):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化50】
化合物B11aの調製と同様にして、(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−アミンB10b(27mg)を、Boc−無水物と反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜20% EtOAc)後、標記化合物(27mg、79%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=472.2、474.2、476.2[M+H]
+。
【0205】
B11c(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化51】
【0206】
工程1: N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド
【化52】
テトラヒドロフラン(14mL)中の(2S,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オールB9c(145mg、415μmol)の室温の溶液に、ベンゾイルイソチオシアナート(67.8mg、55.9μL、415μmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。全ての揮発物を真空下で除去し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製して、N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(203mg、396μmol、収率95.4%)を明黄色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=512.1、514.1[M+H]
+。
【0207】
工程2: N−((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド
【化53】
アセトニトリル(4mL)中の(上記工程1からの)N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(203mg、396μmol)の室温の溶液に、EDC・HCl(114mg、594μmol)を加え、混合物を80℃で2時間撹拌した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜30% EtOAc)により精製して、N−((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド(157mg、328μmol、収率82.9%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=478.2、480.2[M+H]
+。
【0208】
工程3: tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート
【化54】
テトラヒドロフラン(15.4mL)中の(上記工程2からの)N−((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド(157mg、328μmol)の室温の溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc
2O)(78.8mg、83.8μL、361μmol)及びトリエチルアミン(36.5mg、50.3μL、361μmol)、続いて、4−ジメチルアミノピリジン(8.02mg、65.7μmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空下、周囲温度で除去すると、明黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜35% EtOAc)により精製して、tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート(129mg、223μmol、収率67.9%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=578.2、580.2[M+H]
+。
【0209】
工程4: tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化55】
メタノール(10mL)中の(上記工程3からの)tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート(129mg、223μmol)の0℃の溶液に、MeOH中の7M アンモニア(3.19mL、22.3mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空下、周囲温度で除去すると、黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜60% EtOAc)により精製して、tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(75mg、158μmol、収率70.9%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=474.1、476.1[M+H]
+。
【0210】
B11d(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化56】
【0211】
工程1: N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド
【化57】
テトラヒドロフラン(35mL)中の(2S,3R,4R)−4−アミノ−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−1,1,1,3−テトラフルオロペンタン−2−オールB9d(373mg、1.07mmol)の室温の溶液に、ベンゾイルイソチオシアナート(174mg、144μL、1.07mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。全ての揮発物を真空下で除去し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製して、N−((2R,3R,4R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(473mg、923μmol、収率86.4%)を明黄色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=512.1、514.1[M+H]
+。
【0212】
工程2: N−((4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド
【化58】
アセトニトリル(10mL)中の(上記工程1からの)N−((2R,3R,4S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−3,5,5,5−テトラフルオロ−4−ヒドロキシペンタン−2−イルカルバモチオイル)ベンズアミド(473mg、923μmol)の室温の溶液に、EDC・HCl(265mg、1.38mmol)を加え、混合物を80℃で2時間撹拌した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜30% EtOAc)により精製して、N−((4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド(330mg、690μmol、収率74.7%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=478.2、480.2[M+H]
+。
【0213】
工程3: tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート
【化59】
テトラヒドロフラン(32.4mL)中の(上記工程2からの)N−((4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)ベンズアミド(330mg、690μmol)の室温の溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc
2O)(166mg、176μL、759μmol)及びトリエチルアミン(76.8mg、106μL、759μmol)、次いで、4−ジメチルアミノピリジン(16.9mg、138μmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。溶媒を真空下、周囲温度で除去すると、明黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜35% EtOAc)により精製して、tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート(399mg、690μmol、収率100%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=578.2、580.2[M+H]
+。
【0214】
工程4: tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化60】
メタノール(20mL)中の(上記工程3からの)tert−ブチルベンゾイル((4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル)カルバマート(399mg、690μmol)の0℃の溶液に、MeOH中の7M アンモニア(9.86mL、69.0mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空下、周囲温度で除去すると、黄色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜60% EtOAc)により精製して、tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(237mg、500μmol、収率72.4%)を無色の油状物として得た。MS(ESI):m/z=474.1、476.1[M+H]
+。
【0215】
中間体Boc−アミノピリジンB12の合成
B12a(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化61】
エタノール(5.4mL)及び水(2.4mL)中のtert−ブチル(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB11a(175mg)の溶液に、23℃で、アジ化ナトリウム(199mg)、ヨウ化銅(I)(29mg)、L−アスコルビン酸ナトリウム(15.2mg)及びtrans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(33mg)を逐次的に加え、明青色の溶液の撹拌を70℃で1時間続けた。混合物を飽和水性NaHCO
3とEtOAcとの間で分配し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、25〜40% EtOAc)により精製して、標記化合物(82mg、54%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=393.5[M+H]
+。
【0216】
B12b(R
2=Cl):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化62】
化合物B12aの調製と同様にして、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB11b(25mg)を、アジ化ナトリウムと反応させて、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中AcOEtの勾配、10〜50% EtOAc)後、標記化合物(9mg、42%)を無色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=409.2、411.2[M+H]
+。
【0217】
B12c(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化63】
ジオキサン(3.00mL)及び水(1.00mL)中のtert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB11c(75mg、158μmol)の室温の溶液に、アジ化ナトリウム(82.3mg、1.27mmol)、L−アスコルビン酸ナトリウム(6.27mg、31.6μmol)、trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(13.5mg、15.0μL、94.9μmol)及びヨウ化銅(I)(12.0mg、63.3μmol)を加え、10分後、暗緑青色であり、混合物を70℃で30分間撹拌した。再度、L−アスコルビン酸ナトリウム(6.27mg、31.6μmol)、trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(13.5mg、15.0μL、94.9μmol)及びヨウ化銅(I)(12.0mg、63.3μmol)を加え、70℃で更に30分間撹拌を続けた。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、暗緑色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製して、tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(29mg、70.7μmol、収率44.7%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=411.2[M+H]
+。
【0218】
B12d(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化64】
ジオキサン(3.00mL)及び水(1.00mL)中のtert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB11d(237mg、500μmol)の室温の溶液に、アジ化ナトリウム(260mg、4.00mmol)、L−アスコルビン酸ナトリウム(19.8mg、100μmol)、trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(42.7mg、47.3μL、300μmol)及びヨウ化銅(I)(38.1mg、200μmol)を加え、10分後、暗緑青色であり、混合物を70℃で1時間撹拌した。再度、L−アスコルビン酸ナトリウム(19.8mg、100μmol)、trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(42.7mg、47.3μL、300μmol)及びヨウ化銅(I)(38.1mg、200μmol)を加え、70℃で更に30分間撹拌を続けた。飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥した。真空下で溶媒を除去すると、暗緑色の油状物が残った。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製して、tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(50mg、122μmol、収率24.4%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=411.2[M+H]
+。
【0219】
中間体Boc−アミド類A15及びB13、並びに脱保護されたアミド類Iの合成
Boc−アミノピリジン類A14又はB12を酸とカップリングしてBoc−アミドA15又はB13にする一般手順
T3P法:EtOAc(1.2mL)中のBoc−アミノピリジンA14又はB12(0.10mmol)及び酸(0.2mmol)の溶液に、22℃で、T3P(EtOAc中50%、0.09mL、0.15mmol)を加え、2時間撹拌を続けた。T3Pの更なる部分(0.05mL、0.08mmol)を加え、2時間撹拌を続けた。混合物を飽和水性NaHCO
3とEtOAcとの間で分配し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配)により精製して、Boc−アミドA15又はB13を得た。
【0220】
Ghosez試薬法:乾燥ジクロロメタン(1.5mL)中の酸(197μmol、Eq:1.5)の0℃の懸濁液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(Ghosez試薬)(52.8mg、395μmol、Eq:3)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、この混合物を、乾燥ジクロロメタン(1.5mL)中のBoc−アミノピリジンA14又はB12(132μmol、Eq:1.00)及びジイソプロピルエチルアミン(51.0mg、69.0μL、395μmol、Eq:3)の0℃の溶液に、加えた。氷浴を取り除き、混合物を周囲温度で1〜16時間撹拌した。周囲温度で完全に蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中EtOAcの勾配)により直接精製して、Boc−アミドA15又はB13を得た。
【0221】
Boc−アミドA15又はB13を脱保護してアミドIにする一般手順
ジクロロメタン(0.5mL)中のBoc−アミドA15又はB13(0.04mmol)の溶液に、22℃で、トリフルオロ酢酸(1.2mmol)を加え、16時間撹拌を続けた。混合物を蒸発させ、残留物をEtOAcで希釈し、再度蒸発させた。残留物をジエチルエーテル/ペンタンでトリチュレートし、懸濁液を濾過し、残留物を乾燥して、アミドIを得た。遊離塩基を得るための代替の試案:16時間撹拌後、全ての揮発物を真空下で除去し、残留物をEtOAcと飽和NaHCO
3溶液との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。濾過し真空下で溶媒を除去すると、粗生成物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、アミドIを得た。
【0222】
B13a−1(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3−クロロ−5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化65】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(17mg、30%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=557.6、559.6[M+H]
+。
【0223】
B13a−2(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化66】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(26 mg、44%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=600.3、602.3[M+H]
+。
【0224】
B13a−3(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化67】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、5−メトキシピラジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中AcOEtの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(14mg、27%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=529.4[M+H]
+。
【0225】
B13a−4(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−シアノ−3−メチルピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化68】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(22mg、41%)を無色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=537.6[M+H]
+。
【0226】
B13a−5(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−メトキシピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化69】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、5−メトキシピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(16mg、30%)を無色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=528.6[M+H]
+。
【0227】
B13a−6(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(4−クロロ−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化70】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、H. Hilpert et al., J. Med. Chem. 2013, 56, 3980に従って調製した4−クロロ−1−(ジフルオロメチル)ピラゾール−3−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(26mg、46%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=571.5、573.5[M+H]
+。
【0228】
B13a−7(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化71】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、WO2009091016に従って調製した5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(30mg、55%)を無色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=549.2[M+H]
+。
【0229】
B13a−8(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3,5−ジクロロピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化72】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、3,5−ジクロロピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)後、標記化合物(26mg、46%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=566.5、568.5[M+H]
+。
【0230】
B13a−9(R
2=F):tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−(フルオロメトキシ)ピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化73】
T3P法に従って、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12a(39mg)を、WO2009091016に従って調製した5−(フルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜60% EtOAc)後、標記化合物(18mg、33%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=546.5[M+H]
+。
【0231】
B13b(R
2=Cl):tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−クロロ−6−(5−シアノピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化74】
ジクロロメタン(0.6mL)及びジメチルホルムアミド(0.3mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(14mg)の溶液に、22℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(29mg)及びHATU(42mg)、15分後、tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−アミノ−3−クロロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12b(30mg)を逐次的に加え、4時間撹拌を続けた。混合物を飽和水性NaHCO
3とジクロロメタンとの間で分配し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、5〜50% EtOAc)により精製して、標記化合物(4mg、10%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=539.2、541.2[M+H]
+。
【0232】
B13c−1(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化75】
Ghosez試薬法に従って、tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12c(29mg、70.7μmol)を、5−シアノピコリン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜45% EtOAc)後、標記化合物(23mg、42.6μmol、収率60.2%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=541.3[M+H]
+。
【0233】
B13d−1(R
2、R
4=F):tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート
【化76】
Ghosez試薬法に従って、tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−アミノ−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB12d(54mg、132μmol)を、5−シアノピコリン酸とカップリングして、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜45% EtOAc)後、標記化合物(55mg、102μmol、収率77.3%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=541.2[M+H]
+。
【0234】
実施例1
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−シアノピコリンアミド
ジクロロメタン(0.5mL)中のtert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマート(16mg、30.6μmol、Eq:1.00)の溶液に、TFA(105mg、70.8μL、919μmol、Eq:30)を10℃で加えた。明黄色の反応溶液を23℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、次に氷冷した1N Na
2CO
3溶液で塩基性にし、10℃で15分間撹拌し、次に酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル、5g、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル、次に酢酸エチル中0〜10% MeOH)により精製して、N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−シアノピコリンアミド(9.5mg、22.5μmol、収率73.4%)を白色の固体として得た。MS(ISP):m/z=423.6[(M+H)
+]。
【0235】
実施例2
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−3−クロロ−5−シアノピコリンアミド
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3−クロロ−5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a(18mg)を脱保護して、標記化合物(14mg、76%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=457.1、459.1[M+H]
+。
【0236】
実施例3
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−2(26mg)を脱保護して、標記化合物(27mg、quant.)を淡黄色の固体として得た。MS(ESI):m/z=500.3、501.3[M+H]
+。
【0237】
実施例4
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−3(14mg)を脱保護して、標記化合物(14mg、80%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=429.6[M+H]
+。
【0238】
実施例5
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−シアノ−3−メチルピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−4(20mg)を脱保護して、標記化合物(21mg、78%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=437.5[M+H]
+。
【0239】
実施例6
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−メトキシピコリンアミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−メトキシピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−5(16mg)を脱保護して、標記化合物(9mg、55%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=428.2[M+H]
+。
【0240】
実施例7
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−4−クロロ−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(4−クロロ−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−6(23mg)を脱保護して、標記化合物(14mg、59%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=471.5、473.5[M+H]
+。
【0241】
実施例8
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−7(21mg)を脱保護して、標記化合物(18mg、84%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=449.2[M+H]
+。
【0242】
実施例9
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−3,5−ジクロロピコリンアミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(6−(3,5−ジクロロピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−8(26mg)を脱保護して、標記化合物(21mg、90%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=466.4、468.4、470.4[M+H]
+。
【0243】
実施例10
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−(フルオロメトキシ)ピコリンアミド、トリフルオロ酢酸との塩
tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−フルオロ−6−(5−(フルオロメトキシ)ピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13a−9(16mg)を脱保護して、標記化合物(16mg、93%)をオフホワイトの固体として得た。MS(ESI):m/z=446.5[M+H]
+。
【0244】
実施例11
N−(6−((4S,6S)−2−アミノ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−クロロピリジン−2−イル)−5−シアノピコリンアミド
tert−ブチル(4S,6S)−4−(3−クロロ−6−(5−シアノピコリンアミド)ピリジン−2−イル)−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13b(4mg)をCF
3COOHで脱保護し、蒸発させた。残留物を飽和水性Na
2CO
3とEtOAcとの間で分配し、有機層を乾燥し、蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageのNH
2相、ヘプタン中EtOAcの勾配、0〜50% EtOAc)により精製して、標記化合物(3mg、98%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=439.2、441.2[M+H]
+。
【0245】
実施例12
N−(6−((4R,5R,6S)−2−アミノ−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−シアノピコリンアミド
tert−ブチル(4R,5R,6S)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13c−1(23mg、42.6μmol)を脱保護し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜100% EtOAc)により精製して、標記化合物(12mg、27.3μmol、収率64.0%)を白色の固体として得た。MS(ESI):m/z=441.2[M+H]
+。
【0246】
実施例13
N−(6−((4R,5R,6R)−2−アミノ−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−4−イル)−5−フルオロピリジン−2−イル)−5−シアノピコリンアミド
tert−ブチル(4R,5R,6R)−4−(6−(5−シアノピコリンアミド)−3−フルオロピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチル−6−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イルカルバマートB13d−1(55mg、102μmol)を脱保護し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜100% EtOAc)により精製して、標記化合物(30mg、68.1μmol、収率66.9%)を白色の泡状物として得た。MS(ESI):m/z=441.2[M+H]
+。