【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弁カバー(10)の内面の一部と前記弁座(20)の内面の一部とによって前記取付キャビティ(11)の周壁(112)が構成され、前記阻止部(32)の前記周壁(112)に対向する端面と前記周壁(112)とが間隔をあけて、第3の通路(43)を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具の蒸気弁(1)。
前記弁座の底壁(111)は、少なくとも1つの第2の傾斜セクションを含み、前記第2の傾斜セクションは、前記第3の通路(43)に向かって傾斜して液体を前記第3の通路(43)内にガイドする、
ことを特徴とする請求項5に記載の調理器具の蒸気弁(1)。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術における少なくとも1つの技術的課題を解決することを目的とする。そのため、本発明は、構造が簡単で、溢れ防止の効果が優れるという利点を有する調理器具の蒸気弁を提供する。
【0004】
本発明は、上述した調理器具の蒸気弁を備える調理器具をさらに提供する。
【0005】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁は、弁カバーと、弁座と、阻止部材と、を含み、前記弁カバーと前記弁座とによって取付キャビティが構成され、前記弁座は、蒸気流入口を備え、前記弁座と前記弁カバーとのうち少なくとも一方は、蒸気流出口を備え、前記阻止部材は、前記取付キャビティ内に設けられ、前記阻止部材と前記弁カバーの頂壁との間に第1の通路が形成され、蒸気は、前記蒸気流入口から流入して前記第1の通路を通過して前記蒸気流出口へ流れ、前記弁座の前記阻止部材に対応する底壁が傾斜して設けられて液体を前記蒸気流入口に還流させる。
【0006】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁によれば、取付キャビティ内に阻止部材が設けられることにより、阻止部材は、取付キャビティの内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ内の蒸気の流れをガイドすることができ、蒸気を取付キャビティから良好に排出させることができる。また、阻止部材が重湯を阻止する役割を果たすことができるため、重湯は、阻止部材に沿って還流することができる。それに、弁座の底壁が傾斜して設けられるため、底壁にある液体が蒸気流入口へ流れるようにガイドすることができ、取付キャビティ内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0007】
本発明の一部の実施例によれば、前記阻止部
材と前記弁座の底壁との間には、液体が流れる第2の通路を有し、前記弁座の底壁は、第1の傾斜セクションを含み、前記第1の傾斜セクションは、前記第2の通路内に位置し、前記第1の傾斜セクションは、液体を前記蒸気流入口にガイドする。これにより、第1の通路の少なくとも一部を流れる液体は、第2の通路に流入することができ、第2の通路内にある第1の傾斜セクションは、液体が蒸気流入口へ流れるようにガイドすることができる。
【0008】
本発明の別の実施例によれば、前記阻止部材は、導流部を含み、前記導流部は、阻止片と補強リブとを含み、前記阻止片は、切り欠きを備え、前記切り欠きと前記弁座の底壁とによって前記第2の通路が規定され、前記阻止片は複数であり、複数の前記阻止片は、前記第2の通路の延在方向に間隔をあけて配置され、隣接する2つの前記阻止片は、いずれも前記補強リブにより接続され、前記第1の傾斜セクションは、前記切り欠きに対向する。これにより、複数の阻止片に設けられた切り欠きと底壁とによって液体が流れる通路を規定することができ、設置が容易で、実現しやすい。補強リブは、複数の阻止片を連結して複数の阻止片を一体にすることができ、取り付けおよび取り外しが容易であるとともに、補強リブは、導流部の強度を高めることができる。
本発明の一部の実施例において、前記阻止片は平板又は円弧状板である。これにより、阻止片の重さを小さくすることができ、取り付けが容易で、コストが低い。
【0009】
本発明の一部の実施例において、前記補強リブは、前記阻止片の前記弁カバーに近い端部に位置する。これにより、補強リブは、阻止片の弁カバーに近い位置で蒸気が混じった液体に対して泡を破壊する役割を果たし、溢れ防止の効果を向上させることができる。
【0010】
本発明の一部の実施例において、前記阻止部材は、阻止部をさらに含み、前記阻止部は、前記導流部と間隔をあけ、前記阻止部は、前記導流部よりも前記蒸気流入口に近い側に位置し、前記阻止部の前記弁座に近い端部がガイドセクションとして構成されて液体を前記蒸気流入口にガイドする。これにより、ガイドセクションは、第2の通路から流出した液体が蒸気流入口へ流れるようにガイドすることができる。
【0011】
本発明の別の実施例において、前記ガイドセクションは、前記弁座の底壁に接続される。これにより、阻止部を底壁に接続することができる。
【0012】
本発明の一部の例において、前記弁カバーの内面の一部と前記弁座の内面の一部とによって前記取付キャビティの周壁が構成され、前記阻止部の前記周壁に対向する端面と前記周壁とが間隔をあけて、第3の通路を形成する。これにより、液体は、第3の通路から蒸気流入口に還流することもできる。
【0013】
本発明の別の実施例において、前記阻止部と前記周壁との距離
dは、2mm≦d≦3mmである。これにより、蒸気流入口から流出したばかりの液体は、体積が大きいため、第3の通路を通過することができない。
【0014】
さらには、前記弁座の底壁は、少なくとも1つの第2の傾斜セクションを含み、前記第2の傾斜セクションは、前記第3の通路に向かって傾斜して液体を前記第3の通路内にガイドする。これにより、第2の傾斜セクションは、ガイドセクションにある液体が第3の通路へ流れるようにさらにガイドすることができて、当該液体がさらに蒸気流入口へ流れることができる。
【0015】
本発明の一部の例において、
前記調理器具が水平面に置かれた状態において、前記阻止部と前記底壁との接触点は、点aと点eとを含み、前記点aは、前記阻止部の中央位置に近く、前記点eは前記第3の通路に近く、前記点aから
前記水平面までの距離をhaとし、前記点eから
前記水平面までの距離をheとし、前記導流部は、第1の阻止片と第2の阻止片とを含み、前記第2の阻止片は、前記第1の阻止片と前記阻止部との間に位置し、前記第2の阻止片と前記底壁との接触点は、点bと点fとを含み、前記点bは前記切り欠きに近く、前記点fは前記第3の通路に近く、前記点bから
前記水平面までの距離をhbとし、前記点fから
前記水平面までの距離をhfとし、前記第1の阻止片と前記底壁との接触点は、点cと点gとを含み、前記点cは、前記切り欠きに近く、前記点gは、前記第3の通路に近く、前記点cから
前記水平面までの距離をhcとし、前記点
gから
前記水平面までの距離をhgとすると、前記ha、前記he、前記hb、前記hf、前記hc、及び前記hgは、ha>he、hb>hf、hc>hg、及びhg
>hf
>heという関係式を満たす。これにより、重湯の還流を実現することができる。
【0016】
本発明の実施例に係る調理器具は、上記何れかに記載の前記調理器具の蒸気弁を含む。
【0017】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁によれば、取付キャビティ内に阻止部材が設けられることにより、阻止部材は、取付キャビティの内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ内の蒸気の流れをガイドすることができ、蒸気を取付キャビティから良好に排出させることができる。また、阻止部材が重湯を阻止する役割を果たすことができるため、重湯は、阻止部材に沿って還流することができる。それに、弁座の底壁が傾斜して設けられるため、底壁にある液体が蒸気流入口へ流れることをガイドすることができ、取付キャビティ内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0018】
本発明の付加的な側面及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明確になり、又は、本発明の実践により理解される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部品、或いは、同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0021】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利に又は簡潔に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。また、「第1」、「第2」と限定される特徴は、1つ又はより多くの当該特徴を含むことを指示又は暗示することができる。本発明の説明では、ほかの説明がない限り、複数とは、2つ以上を意味する。
【0022】
なお、本発明の説明において、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、或いは一体的な接続でも可能である。機械的な接続又は電気的な接続も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、2つの部品の内部が連通することも可能である。当業者であれば、具体的な場合に応じて上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0023】
図1〜
図13に示すように、本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1は、弁カバー10と、弁座20と、阻止部材30と、を含む。
【0024】
具体的には、
図2に示すように、弁カバー10と弁座20とによって取付キャビティ11が構成され、弁カバー10の内面の一部によって取付キャビティ11の頂壁110が構成され、弁座20の内面の一部によって取付キャビティ11の底壁111が構成され、弁カバー10の内面の他の一部と弁座20の内面の他の一部とによって取付キャビティ11の周壁112が構成される。弁座20は、蒸気流入口12を備え、弁座20と弁カバー10とのうち少なくとも一方は、蒸気流出口13を備える。阻止部材30は、少なくとも1つの阻止片310を含み、少なくとも1つの阻止片310と弁カバー10との間に第1の通路41が形成され、蒸気が蒸気流入口12から流入した後、第1の通路41を通過して蒸気流出口13へ流れる。
【0025】
なお、
図2〜
図3、
図5〜
図7に示すように、弁カバー10は、弁座20に接続され、弁カバー10の内面と弁座20の内面とによって取付キャビティ11が形成されてもよい。弁座20に蒸気流入口12が設けられ、蒸気流入口12は弁座20を貫通する。蒸気は、取付キャビティ11の外部から蒸気流入口12を介して取付キャビティ11内に流入することができる。蒸気流出口13は、弁カバー10に設けられてもよいし、弁座20に設けられてもよい。また、蒸気流出口13は、弁カバー10の一部と弁座20の一部とによって構成されてもよい。取付キャビティ11内の蒸気は、蒸気流出口13を介して取付キャビティ11から流出することができる。
【0026】
図2に示すように、蒸気が蒸気流入口12から蒸気流出口13へ流れる方向において、阻止部材30は、蒸気流入口12と蒸気流出口13との間に位置し、阻止部材30は、蒸気流入口12と間隔をあけ、阻止部材30は、蒸気流出口13とも間隔をあけている。阻止部材30は、1つの阻止片310を含んでもよいし、複数の阻止片310を含んでもよい。少なくとも1つの阻止片310と弁カバー10の内面とが間隔をあけて、第1の通路41を形成し、取付キャビティ11内の蒸気は、第1の通路41を流れることができる。
【0027】
なお、蒸気流入口12から取付キャビティ11に流入するものは、蒸気と液体(例えば、重湯)とを含んでもよい。蒸気は、第1の通路41を流れて蒸気流出口13から流出することができる。液体は、第1の通路41の一部を通過することができるが、液体の重力が大きいため、液体は、阻止部材30に沿って弁座20の底壁111に滑り落ちることができ、蒸気流入口12に還流することができる。
【0028】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1によれば、取付キャビティ11内に阻止部材30が設けられることにより、阻止部材30は、取付キャビティ11の内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ11内の蒸気の流れ方向をガイドすることができ、蒸気を取付キャビティ11から良好に排出させることができる。また、阻止部材30は、液体(例えば、重湯)を阻止する役割も果たすことができるので、液体は、阻止部材30に沿って還流することができる。これにより、取付キャビティ11内の液体の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁1の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材30の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0029】
図2に示すように、阻止部材30は、弁カバー10と弁座20とのうち少なくとも一方に接続される。なお、阻止部材30は、取付キャビティ11内に位置し、阻止部材30は、弁カバー10に接続されてもよいし、弁座20に接続されてもよい。また、阻止部材30の一端が弁カバー10に接続され、阻止部材30の他端が弁座20に接続されてもよい。
【0030】
図8〜
図13に示すように、本発明の一部の実施例によれば、阻止片310は、平板又は円弧状板であってもよい。平板又は円弧状板は、いずれも液体を阻止する役割を果たすことができ、液体が阻止部材30を流れる際には阻止片310を乗り越える必要がある。平板又は円弧状板が、いずれも取付キャビティ11内で蒸気をガイドする通路を形成してもよい。さらに、蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向で見ると、円弧状板には、蒸気流出口13に向かって突起15が形成される。なお、円弧状板の曲率中心及び蒸気流入口12は、円弧状板の同一側に位置する。これにより、円弧状板は、液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができる。さらに、円弧状板は、蒸気流入口12の周方向に延びてもよい。
【0031】
図2、
図5及び
図11に示すように、本発明の一部の実施例によれば、阻止部材30の他端と弁座20の底壁111との間には、液体が流れる第2の通路42を有してもよい。なお、阻止部材30の底壁111に近い少なくとも一部の端面と底壁111とが間隔をあけて、第2の通路42を形成することができる。液体(例えば、重湯)が第1の通路41の一部を流れた後、重力の作用で、液体は、阻止部材30に沿って底壁111へ流れることができ、第2の通路42を流れる。これにより、第2の通路42は、液体の流れをガイドすることができ、液体が阻止部材30で滞留することを回避することができる。
【0032】
図8、
図10及び
図13に示すように、本発明の別の実施例によれば、阻止片310は、切り欠き311を備え、切り欠き311と弁座20の底壁111とによって第2の通路42が規定される。阻止片310は複数であり、複数の阻止片310は、第2の通路42の延在方向に沿って間隔をあけて配置される。阻止部材30は、補強リブ320をさらに含み、隣接する2つの阻止片310は、いずれも補強リブ320により接続される。言い換えると、阻止部材30は、複数の阻止片310と複数の補強リブ320とを含んでもよい。蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向において、複数の阻止片310は、間隔をあけて配置される。隣接する2つの阻止片310の間にいずれも補強リブ320が設けられ、補強リブ320の一端が1つの阻止片310に接続され、補強リブ320の他端がもう一つの阻止片310に接続され、複数の補強リブ320は、複数の阻止片310を連結して1つの全体を形成することができる。各阻止片310の底壁111に近い一端は、いずれも切り欠き311を備え、複数の阻止片310の複数の切り欠き311と底壁111とによって第2の通路42が規定される。
【0033】
これにより、液体(例えば、重湯)は、1つ又は複数の阻止片310を乗り越えることができるが、阻止片310は、液体に対する障害となり、液体の流れ速度を低下させ、液体の流れの慣性を低減させることができ、液体が重力の作用で阻止片310に沿って底壁111の方向へ流れ、切り欠き311から第2の通路42へ流れることができ、蒸気流入口12に還流することができ、液体が蒸気流出口13へ流れて液体が溢れる状況を回避することができる。
【0034】
図2、
図5、
図10及び
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、補強リブ320は、阻止片310の弁カバー10に近い端部に位置してもよい。なお、2つの阻止片310の間にある補強リブ320は、いずれも阻止片310の上端に近い。これにより、液体の流れ方向において、阻止片310の上端が阻止片310下端の上流に位置する。阻止片310の上端にある液体は、蒸気の存在及び液体自体の高温によって泡を形成するが、補強リブ320は、泡を破壊する役割を果たすことができる。また、補強リブ320の設置も容易であり、補強リブ320の設置が切り欠き311の設置に影響を及ぼすことが回避される。
【0035】
図8、
図10及び
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、阻止部材30は、阻止部32をさらに含んでもよい。阻止部32は、阻止片310と間隔をあけ、阻止部32は、阻止片310よりも蒸気流入口12に近い側に位置してもよい。阻止部32の弁座20に近い端部がガイドセクション321として構成されて液体を蒸気流入口12にガイドする。なお、阻止部32は、阻止片310と蒸気流入口12との間に位置し、阻止部32の一方側が複数の阻止片310であり、阻止部32の他方側が蒸気流入口12であり、阻止部32は、蒸気流入口12及び阻止片310のそれぞれと間隔をあけ、阻止部32の下端が弁座20の底壁111に接触し、第2の通路42から流出した液体は、阻止部32の下端へ流れることができ、阻止部32の下端は、液体の流れをガイドすることができる。これにより、阻止部32は、第2の通路42と蒸気流入口12との直接連通を阻止し、蒸気流入口12から流出した液体が直接に蒸気流入口12から第2の通路42へ流れることを回避することができる。
【0036】
本発明の別の実施例において、ガイドセクション321は底壁111に接続されてもよい。これにより、阻止部32を底壁111に接続することができる。さらに、ガイドセクション321は、底壁111に係合されてもよい。例えば、底壁111に長尺状溝が設けられ、ガイドセクション321の底壁111に近い端部が長尺状溝内に係合される。本発明の一部の例において、阻止部32は円弧状板であってもよい。これにより、ガイドセクション321を円弧状に形成することができ、液体の流れ方向をガイドすることができる。
【0037】
図1に示すように、本発明の一部の例において、弁カバー10の内面の一部と弁座20の内面の一部とによって取付キャビティ11の周壁112が構成される。阻止部32の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第3の通路43を形成する。これにより、第3の通路43によって、ガイドセクション321と蒸気流入口12とが連通することができ、ガイドセクション321は、液体が第3の通路43へ流れるようガイドすることができ、液体が第3の通路43から蒸気流入口12に還流する。本発明の別の実施例において、阻止部32と周壁112との距離
dは、2mm≦d≦3mmである。
【0038】
本発明の実施例に係る調理器具は、上述した調理器具の蒸気弁1を含む。
【0039】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁によれば、取付キャビティ11内に阻止部材30が設けられることにより、阻止部材30は、取付キャビティ11の内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ11内の蒸気の流れをガイドすることができ、蒸気を取付キャビティ11から良好に排出させることができる。また、阻止部材30が重湯を阻止する役割を果たすことができるため、重湯は、阻止部材30に沿って還流することができ、取付キャビティ11内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁1の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材30の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0040】
図1〜
図13に示すように、本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1は、弁カバー10と、弁座20と、阻止部材30と、を含む。
【0041】
具体的には、
図2に示すように、弁カバー10と弁座20とによって取付キャビティ11が構成され、弁カバー10の内面の一部によって取付キャビティ11の頂壁110が構成され、弁座20の内面の一部によって取付キャビティ11の底壁111が構成され、弁カバー10の内面の他の一部と弁座20の内面の他の一部とによって取付キャビティ11の周壁112が構成される。
図2〜
図3、
図5〜
図7に示すように、弁座20は、蒸気流入口12を備え、弁座20と弁カバー10とのうち少なくとも一方は、蒸気流出口13を備える。阻止部材30は、取付キャビティ11内に位置し、阻止部材30は、蒸気流入口12と蒸気流出口13との間に位置し、阻止部材30の一端と頂壁110との間には、第1の通路41を有し、蒸気は、蒸気流入口12から流入した後、第1の通路41を通過して蒸気流出口13へ流れることができる。弁座20の阻止部材30に対応する底壁111が傾斜して設けられて液体が蒸気流入口12に還流させる。
【0042】
なお、
図2〜
図3、
図5〜
図7に示すように、弁カバー10は、弁座20に接続され、弁カバー10の内面と弁座20の内面とによって取付キャビティ11が形成されてもよい。弁座20に蒸気流入口12が設けられ、蒸気流入口12は弁座20を貫通する。蒸気は、取付キャビティ11の外部から蒸気流入口12を介して取付キャビティ11内に流入することができる。例えば、
図5〜
図7に示すように、蒸気流入口12は、弁座20の底壁111に設けられてもよい。蒸気流出口13は、弁カバー10に設けられてもよいし、弁座20に設けられてもよい。また、蒸気流出口13は、弁カバー10の一部と弁座20の一部とによって構成されてもよい。取付キャビティ11内の蒸気は、蒸気流出口13を介して取付キャビティ11から流出することができる。
【0043】
蒸気が蒸気流入口12から蒸気流出口13へ流れる方向において、阻止部材30は、蒸気流入口12と蒸気流出口13との間に位置し、阻止部材30は、蒸気流入口12と間隔をあけ、阻止部材30は、蒸気流出口13とも間隔をあけている。阻止部材30の上端と弁カバー10の内面とが間隔をあけて、第1の通路41を形成することができる。取付キャビティ11内の蒸気は、第1の通路41を流れることができる。阻止部材30が設けられた弁座20の底壁111の一部が傾斜して設けられることにより、液体が蒸気流入口12に還流するようにガイドすることができる。
【0044】
なお、蒸気流入口12から取付キャビティ11に流入するものは、蒸気と液体(例えば、重湯)とを含んでもよい。蒸気は、第1の通路41を流れて蒸気流出口13から流出することができる。液体は、第1の通路41の一部を通過することができるが、液体の重力が大きいため、液体は、阻止部材30に沿って弁座20の底壁111に落ちることができ、蒸気流入口12に還流することができる。
【0045】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1によれば、取付キャビティ11内に阻止部材30が設けられることにより、阻止部材30は、取付キャビティ11の内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ11内の蒸気の流れ方向をガイドすることができ、蒸気を取付キャビティ11から良好に排出させることができる。また、阻止部材30は、液体(例えば、重湯)を阻止する役割を果たすことができるため、液体は、阻止部材30に沿って還流することができる。それに、弁座20の底壁111が傾斜して設けられるため、底壁111にある液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができ、取付キャビティ11内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁1の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材30の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0046】
図2に示すように、本発明の一部の実施例において、阻止部材30は、弁カバー10と弁座20とのうち少なくとも一方に接続される。なお、阻止部材30は、取付キャビティ11内に位置し、阻止部材30は、弁カバー10に接続されてもよいし、弁座20に接続されてもよい。又は、阻止部材30の一端が弁カバー10に接続され、阻止部材30の他端が弁座20に接続されてもよい。これにより、阻止部材30を取付キャビティ11内に固定することができる。
【0047】
図2、
図5及び
図11に示すように、本発明の一部の実施例によれば、阻止部材30の他端と弁座20の底壁111との間には、液体が流れる第2の通路42を有し、弁座20の底壁111は、第1の傾斜セクションを含み、第1の傾斜セクションは、第2の通路42内に位置してもよく、第1の傾斜セクションは、液体を蒸気流入口12にガイドする。なお、
図13に示すように、弁座20の底壁111は、第1の傾斜セクションを備えてもよい。蒸気流出口13から蒸気流入口12への方向で見ると、第1の傾斜セクションと、弁カバー10の頂壁110が所在する平面との垂直距離が次第に大きくなる。言い換えると、
図13に示すように、調理器具を水平面16に置いた後、蒸気流出口13から蒸気流入口12への方向で見ると、第1の傾斜セクションから水平面16までの垂直距離が次第に小さくなり、第1の傾斜セクションは、底壁111にある液体(例えば、重湯)が蒸気流入口12へ流れるようにガイドする。
【0048】
阻止部材30の底壁111に近い少なくとも一部の端面と底壁111とが間隔をあけて、第2の通路42を形成することができる。液体(例えば、重湯)は、第1の通路41の一部を流れた後、重力の作用で、液体は、阻止部材30に沿って底壁111へ流れることができる。第2の通路42の一部が、第1の傾斜セクションを形成してもよい。第1の傾斜セクションは、第2の通路42内の液体が蒸気流入口12へ流れるようガイドすることができる。これにより、第1の通路41の少なくとも一部を流れた液体は、第2の通路42に流入することができ、第2の通路42内の第1の傾斜セクションは、液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができる。
【0049】
図8、
図10及び
図13に示すように、本発明の別の実施例において、阻止部材30は導流部31を含んでもよい。導流部31は、阻止片310と補強リブ320とを含んでもよい。阻止片310は切り欠き311を備えてもよい。切り欠き311と弁座20の底壁111とによって第2の通路42が規定されてもよい。阻止片310は複数であってもよい。複数の阻止片310は、第2の通路42の延在方向に沿って間隔をあけて配置されてもよい。隣接する2つの阻止片310は、いずれも補強リブ320により接続されてもよい。第1の傾斜セクションは、切り欠き311に対向する。言い換えると、阻止部材30は、複数の阻止片310と複数の補強リブ320とを含んでもよい。蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向において、複数の阻止片310は、間隔をあけて配置される。隣接する2つの阻止片310の間にいずれも補強リブ320が設けられ、補強リブ320の一端が1つの阻止片310に接続され、補強リブ320の他端がもう一つの阻止片310に接続され、複数の補強リブ320は、複数の阻止片310を連結して1つの全体を形成することができる。
【0050】
図8、
図10及び
図13に示すように、各阻止片310の底壁111に近い一端が、いずれも切り欠き311を備え、複数の阻止片310の複数の切り欠き311と底壁111とによって第2の通路42を規定することができ、切り欠き311に対向する一部の底壁111によって第1の傾斜セクションを形成することができる。これにより、液体(例えば、重湯)は、1つ又は複数の阻止片310を乗り越えることができるが、阻止片310は、液体に対する障害となり、液体の流れ速度を低下させ、液体の流れの慣性を低減させることができ、液体が重力の作用で阻止片310に沿って底壁111の方向へ流れ、切り欠き311から第2の通路42へ流れることができ、第2の通路42内の第1の傾斜セクションは、液体が蒸気流入口12に還流するようにガイドすることができ、液体が蒸気流出口13へ流れて液体が溢れる状況を回避することができる。
【0051】
図8〜
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、阻止片310は、平板又は円弧状板であってもよい。平板又は円弧状板は、いずれも液体を阻止する役割を果たすことができ、液体が阻止部材30を流れる際には阻止片310を乗り越える必要がある。平板又は円弧状板が、いずれも取付キャビティ11内で蒸気をガイドする通路を形成してもよい。さらに、蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向で見ると、円弧状板には、蒸気流出口13に向かって突起15が形成される。なお、円弧状板の曲率中心及び蒸気流入口12は、円弧状板の同一側に位置する。これにより、円弧状板は、液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができる。さらに、円弧状板は、蒸気流入口12の周方向に延びてもよい。
【0052】
図2、
図5、
図10及び
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、補強リブ320は、阻止片310の弁カバー10に近い端部に位置してもよい。なお、2つの阻止片310の間にある補強リブ320は、いずれも阻止片310の上端に近くてもよい。これにより、液体の流れ方向において、阻止片310の上端が阻止片310下端の上流に位置する。阻止片310の上端にある液体は、蒸気の存在及び液体自体の高温によって泡を形成するが、補強リブ320は、泡を破壊する役割を果たすことができる。また、補強リブ320の設置も容易であり、補強リブ320の設置が切り欠き311の設置に影響を及ぼすことが回避される。
【0053】
図8、
図10及び
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、阻止部材30は、阻止部32をさらに含んでもよい。阻止部32は、阻止片310と間隔をあけ、阻止部32は、阻止片310よりも蒸気流入口12に近い側に位置してもよい。阻止部32の弁座20に近い端部がガイドセクション321として構成されて液体を蒸気流入口12にガイドする。なお、阻止部32は、阻止片310と蒸気流入口12との間に位置し、阻止部32は、蒸気流入口12及び阻止片310のそれぞれと間隔をあけ、阻止部32の下端が弁座20の底壁111に接触してもよい。第2の通路42から流出した液体は、阻止部32の下端へ流れることができ、阻止部32の下端は、液体の流れをガイドすることができる。これにより、阻止部32は、第2の通路42と蒸気流入口12との直接連通を阻止し、蒸気流入口12から流出した液体が直接に蒸気流入口12から第2の通路42へ流れることを回避することができる。
【0054】
本発明の別の実施例において、ガイドセクション321は弁座20の底壁111に接続されてもよい。これにより、阻止部32を底壁111に接続することができる。さらに、ガイドセクション321は、底壁111に係合されてもよい。例えば、底壁111に長尺状溝が設けられ、ガイドセクション321の底壁111に近い端部が長尺状溝内に係合される。
【0055】
さらに、
図8〜
図13に示すように、阻止部32は平板又は円弧状板であってもよい。平板又は円弧状板は、いずれも液体を阻止する役割を果たすことができ、液体が阻止部材30を流れる際には阻止片310を乗り越える必要がある。平板又は円弧状板が、いずれも取付キャビティ11内で蒸気をガイドする通路を形成してもよい。さらに、蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向で見ると、円弧状板には、蒸気流出口13に向かって突起15が形成される。なお、円弧状板の曲率中心及び蒸気流入口12は、円弧状板の同一側に位置する。これにより、円弧状板は、液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができる。さらに、円弧状板は、蒸気流入口12の周方向に延びている。
【0056】
図1に示すように、本発明の一部の例において、弁カバー10の内面の一部と弁座20の内面の一部とによって前記取付キャビティ11の周壁112が構成される。阻止部32の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第3の通路43を形成する。これにより、第3の通路43によって、ガイドセクション321と蒸気流入口12とが連通することができ、ガイドセクション321は、液体が第3の通路43へ流れるようにガイドすることができ、液体が第3の通路43から蒸気流入口12に還流する。本発明の別の実施例において、阻止部32と周壁112との距離
dは2mm≦d≦3mmであってもよい。これにより、蒸気流入口12から流出した重湯は、温度が高く、且つ泡を有するため、重湯の体積が大きくて、阻止部32と周壁112との間を通過することができないが、蒸気が阻止部32と周壁112との間を通過することができる。重湯は、阻止部材30を乗り越えた後、泡が破壊され、体積が小さくなるため、阻止部32と周壁112との間を通過して蒸気流入口12に還流することができる。
【0057】
さらに、弁座20の底壁111は、少なくとも1つの第2の傾斜セクションを含んでもよい。第2の傾斜セクションは第3の通路43に向かって傾斜して液体を第3の通路43内にガイドすることができる。なお、少なくとも一部の底壁111によって第2の傾斜セクションが形成され、第2の傾斜セクションは、底壁111のガイドセクション321に近い位置にある液体が第3の通路43へ傾斜するようにガイドする。例えば、
図13に示すように、底壁111は、2つの第2の傾斜セクションを含んでもよい。2つの第2の傾斜セクションは、底壁111の中心に対して対称である。調理器具を使用状態で水平面16において、底壁111の中央位置から阻止部32の両側の第3の通路43への方向で見ると、底壁111と水平面16との距離が次第に小さくなる。これにより、第2の傾斜セクションは、ガイドセクション321にある液体が第3の通路43へ流れることをさらにガイドすることができ、これにより、当該液体がさらに蒸気流入口12へ流れることができる。
【0058】
図11〜
図13に示すように、本発明の一部の実施例において、阻止部32と底壁111との接触点は、点aと点eとを含み、点aは、前記阻止部32の中央位置に近く、点eは前記第3の通路43に近く、点aから水平面までの距離をhaとし、点eから水平面までの距離をheとする。導流部31は、第1の阻止片310aと第2の阻止片310bと含み、第2の阻止片310bは、第1の阻止片310aと阻止部32との間に位置し、第2の阻止片と底壁111との接触点は、点bと点fとを含み、点bは切り欠き311に近く、点fは第3の通路43に近く、点bから水平面までの距離をhbとし、点fから水平面までの距離をhfとする。第1の阻止片310aと底壁と111との接触点は、点cと点gとを含み、点cは、切り欠き311に近く、点gは、第3の通路43に近く、点cから水平面までの距離をhcとし、点
gから水平面までの距離をhgとする。ha、he、hb、hf、hc、及びhgは、ha>he、hb>hf、hc>hg、及びhg
>hf
>heという関係式を満たす。これにより、重湯の還流を実現することができる。
【0059】
図1に示すように、本発明の一部の実施例において、導流部31の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第4の通路44を形成する。第4の通路44は、蒸気流入口12と蒸気流出口13とに連通することができる。例えば、導流部31の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第4の通路44を形成し、阻止部32の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第3の通路43を形成する。第3の通路43の一端が第4の通路44の一端に連通され、第3の通路43の他端が蒸気流入口12に連通され、第4の通路44の他端が蒸気流出口13に連通される。これにより、蒸気は、蒸気流入口12から第3の通路43へ流れ、第4の通路44から蒸気流出口13へ流れることができる。本発明の別の実施例において、導流部31と周壁112のとの距離
dは2mm≦d≦3mmであってもよい。これにより、蒸気流入口12から流出した重湯は、温度が高く、泡を有するため、重湯の体積が大きく、導流部31と周壁112との間を通過することができないが、蒸気は導流部31と周壁112との間を通過することができる。
【0060】
本発明の実施例に係る調理器具は、上述した調理器具の蒸気弁1を含む。
【0061】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1によれば、取付キャビティ11内に阻止部材30が設けられることにより、阻止部材30は、取付キャビティ11の内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ11内の蒸気の流れをガイドすることができ、蒸気を取付キャビティ11から良好に排出させることができる。また、阻止部材30が重湯を阻止する役割を果たすことができるため、重湯は、阻止部材30に沿って還流することができる。また、弁座20の底壁111が傾斜して設けられるため、底壁111にある液体が蒸気流入口12に流れるようにガイドすることができ、取付キャビティ11内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁1の溢れ防止の效果を大きく改善することができるとともに、阻止部材30の設置構造が簡単で、コストが低く、実現しやすい。
【0062】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1について、以下、
図1〜
図13を参照して詳しく説明する。なお、下記の説明は、単に例示するものであり、本発明を具体に限定するものと理解してはいけない。
【0063】
図1-13に示すように、本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1は、弁カバー10、弁座20と、阻止部材30と、を含む。
【0064】
具体的には、
図2に示すように、弁カバー10は、弁座20に係合され、弁カバー10の内面と弁座20の内面とによって取付キャビティ11を形成することができる。弁カバー10の内面の一部によって取付キャビティ11の頂壁110が構成され、弁座20の内面の一部によって取付キャビティ11の底壁111が構成され、弁カバー10の内面の他の一部と弁座20の内面の他の一部とによって取付キャビティ11の周壁112が構成される。
図2〜
図3、
図5〜
図7に示すように、弁座20の底壁111に蒸気流入口12が設けられてもよい。蒸気流入口12は、弁座20を貫通する。弁カバー10に蒸気流出口13が設けられてもよい。蒸気は、取付キャビティ11の外部から蒸気流入口12を介して取付キャビティ11内に流入することができ、取付キャビティ11内の蒸気は、蒸気流出口13を介して取付キャビティ11から流出することができる。
【0065】
図2に示すように、阻止部材30は、プラスチック製部材又は金属製部材であってもよく、阻止部材30は、取付キャビティ11内に位置する。蒸気が蒸気流入口12から蒸気流出口13へ流れる方向において、阻止部材30は、蒸気流入口12と蒸気流出口13との間に位置し、阻止部材30は、蒸気流入口12と間隔をあけ、阻止部材30は、蒸気流出口13とも間隔をあけている。
図2〜
図8、
図11に示すように、阻止部材30の中央位置の頂壁110に近い位置に突起15が設けられてもよい。頂壁110の突起15に対向する位置に係合溝14が設けられてもよい。阻止部材30の両端には、それぞれ1つの突起15が設けられてもよい。周壁112の突起15に対向する位置には、係合溝14が設けられてもよい。突起15は係合溝14内に係合することができる。係合溝14の自由端が開口端141であってもよい。開口端141は、ガイド斜面142を備えてもよい。
【0066】
図2に示すように、阻止部材30の上端とカバー10の内面とが間隔をあけて、第1の通路41を形成することができ、取付キャビティ11内の蒸気は、第1の通路41を流れることができる。蒸気流入口12から取付キャビティ11に流入するものは、蒸気と重湯とを含んでもよい。蒸気は、第1の通路41を流れ、蒸気流出口13から流出することができる。重湯は、第1の通路41の一部を通過することができるが、重湯の重力が大きいため、重湯は、阻止部材30に沿って弁座20の底壁111に滑り落ちることができる。
【0067】
図13に示すように、弁座20の底壁111は、第1の傾斜セクションを備えてもよい。蒸気流出口13から蒸気流入口12への方向で見ると、第1の傾斜セクションと、弁カバー10の頂壁110が所在する平面との垂直距離が次第に大きくなる。言い換えると、調理器具を水平面16に置いた後、蒸気流出口13から蒸気流入口12への方向で見ると、第1の傾斜セクションから水平面16までの垂直距離が次第に小さくなり、第1の傾斜セクションは、底壁111にある重湯が蒸気流入口12へ流れることをガイドする。
【0068】
図8、
図10及び
図13に示すように、阻止部材30は導流部31と阻止部32とを含んでもよい。導流部31と阻止部32とは、蒸気流入口12の径方向に沿って間隔をあけて配置される。導流部31は、2つの阻止片310と2つの補強リブ320とを含む。蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向に、2つの阻止片310は、蒸気流入口12の径方向に向かって間隔をあけて配置され、1つの補強リブ320は、2つの阻止片310の間に位置し、もう1つの補強リブ320は、導流部31と阻止部32との間に位置する。これにより、2つの阻止片310と阻止部32を連結して1つの全体を形成することができる。補強リブ320は、阻止片310の弁カバー10に近い端部に位置することができる。
【0069】
図8、
図10及び
図13に示すように、2つの阻止片310の形状は、完全に同じであってもよく、円弧状板であってもよい。蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向で見ると、円弧状板は蒸気流出口13に向かって突起15が形成され、円弧状板は、蒸気流入口12の周方向に延びる。阻止部32は円弧状板であってもよく、蒸気流入口12から蒸気流出口13への方向を見ると、円弧状板には、蒸気流出口13に向かって突起15が設けられ、円弧状板は、蒸気流入口12の周方向に延びる。
【0070】
図8、
図10及び
図13に示すように、2つの阻止片310の底壁111に近い一端は、いずれも切り欠き311を備え、切り欠き311と底壁111とによって第2の通路42を規定することができる。阻止部32の下端が、弁座20の底壁111に接触し、第2の通路42から流出した重湯は、阻止部32の下端へ流れることができる。阻止部32に近い底壁111の一部によって、2つの第2の傾斜セクションを形成することができ、2つの第2の傾斜セクションは、底壁111の中心点に対して対称である。調理器具を使用状態で水平面16に置いて、底壁111の中央位置から阻止部32の両側の第3の通路43への方向で見ると、底壁111と水平面16との距離が次第に小さくなる。第2の傾斜セクションは、重湯が阻止部32の両端へ流れるようにガイドすることができる。
【0071】
図1に示すように、阻止部32の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第3の通路43を形成する。阻止部32と周壁112との距離は2mm、2.5mm又は3mmであってもよい。第2の傾斜セクションは、重湯が第2の通路42から第3の通路43へ流れるようにガイドすることができ、そして重湯は、蒸気流入口12から調理器具の鍋体内に還流することができる。
【0072】
導流部31の周壁112に対向する端面と周壁112とが間隔をあけて、第4の通路44を形成する。第3の通路43の一端が第4の通路44の一端に連通され、第3の通路43の他端が蒸気流入口12に連通され、第4の通路44の他端が蒸気流出口13に連通される。導流部31と周壁112との距離は2mm、2.5mm又は3mmであってもよい。蒸気流入口12から流出した蒸気の一部は、順次に第3の通路43及び第4の通路44を通過して蒸気流出口13へ流れることができるが、第3の通路43の口径が小さいため、蒸気流入口12から流出した重湯は、泡があり、体積が大きいため、第3の通路43を通過することができず、第1の通路41を流れるしかない。第2の通路42から還流した重湯は、すでに補強リブ320によって泡が破壊されて、体積が小さくなり、第3の通路43を通過して蒸気流入口12に還流することができ、さらに鍋体内に還流する。
【0073】
第1の傾斜セクションと水平面16との夾角をαとし、0°<α<90°である。第1の傾斜セクションの斜度が大きければ大きいほど、液体の流れをより良好にガイドすることができる。
図13に示すように、弁座20の底壁111は、1つの線分に省略され、阻止部32と底壁111との接触点は、点aと点eとを含み、点aは、阻止部32の中央位置に近く、点eは、第3の通路43に近い。点aから水平面までの距離をhaとし、点eから水平面までの距離をheとする。導流部31は、第1の阻止片310aと第2の阻止片310bとを含み、第2の阻止片310bは、第1の阻止片310aと阻止部32の間に位置し、第2の阻止片と底壁111との接触点は、点bと点fとを含み、点bは、切り欠き311に近く、点fは第3の通路43に近い。点bから水平面までの距離をhbとし、点fから水平面までの距離をhfとする。第1の阻止片310aと底壁111との接触点は、点cと点gとを含み、点cは切り欠き311に近く、点gは第3の通路43に近い。点cから水平面までの距離をhcとし、点
gから水平面までの距離をhgとする。ha、he、hb、hf、hc、及びhgは、ha>he、hb>hf、hc>hg、及びhg
>hf
>heという関係式を満たす。
【0074】
言い換えると、底壁の点cから水平面16までの高さが底壁の点gから水平面16までの高さより大きい。底壁の点bから水平面16までの高さが底壁の点fから水平面16までの高さより大きい。底壁の点aから水平面16までの高さが底壁の点eから水平面16までの高さより大きい。底壁の点gから水平面16までの高さが底壁の点fから水平面16までの高さより
大きい。底壁の点fから水平面16までの高さが底壁の点eから水平面16までの高さより
大きい。
【0075】
図11〜
図12に示すように、阻止部32と底壁111との接触点は、点aと、点e1と、点e2とを含む。阻止片310と底壁111との接触点は、点b1と、点b2と、点f1と、点f2、及び、点c1と、点c2と、点g1と、点g2を含む。重湯は、それぞれ阻止部32に沿って点aから点e1及び点e2へ流れ、阻止片310に沿ってb1からf1へ流れ、b2からf2へ流れ、阻止片310に沿ってc1からg1へ流れ、c2からf2へ流れる。重湯は、点gから点eへ流れる。これにより、蒸気弁のキャビティ内の重湯の急速な還流が実現される。
【0076】
本発明の実施例に係る調理器具の蒸気弁1によれば、取付キャビティ11内に阻止部材30が設けられることにより、阻止部材30は、取付キャビティ11の内部の流路構造を良好に変更することができ、取付キャビティ11内の蒸気の流れをガイドすることができ、蒸気を取付キャビティ11から良好に排出させることができる。また、阻止部材30が重湯を阻止する役割を果たすことができるため、重湯は、阻止部材30に沿って還流することができる。また、弁座20の底壁111が傾斜して設けられるため、底壁111にある液体が蒸気流入口12へ流れるようにガイドすることができ、取付キャビティ11内の重湯の還流を早めることができ、沸騰段階での蒸気弁1の溢れ防止の效果を大きく改善することができる。また、阻止部材30の設置構造が簡単で、係合結合により着脱可能な接続が実現されるため、阻止部材30の設置は、取付キャビティ11による制約を受けず、構造が簡単で、取り外して洗浄するのが容易であり、適用範囲が広く、溢れ防止の効果が優れる。
【0077】
添付の請求項があるが、本発明は、以下の項目によっても限定される。
1、弁カバー10と、弁座20と、阻止部材30と、を含む調理器具の蒸気弁1であって、
前記弁カバー10と前記弁座20とによって取付キャビティ11が構成され、
前記弁座20は、蒸気流入口12を備え、前記弁座20と前記弁カバー10とのうち少なくとも一方は、蒸気流出口13を備え、
前記阻止部材30は、前記取付キャビティ11内に取り付けられ、前記阻止部材30は、少なくとも1つの阻止片310を含み、少なくとも1つの前記阻止片310と前記弁カバー10との間には、第1の通路41が形成され、蒸気は、前記蒸気流入口12から流入した後、前記第1の通路41を通過して前記蒸気流出口13へ流れる、
調理器具の蒸気弁1。
2、前記阻止片310は、平板又は円弧状板である、
項目1に記載の調理器具の蒸気弁1。
3、前記阻止部材3
0と前記弁座20の底壁111との間には、液体が流れる第2の通路42を有する、
項目1又は2に記載の調理器具の蒸気弁1。
4、前記阻止片310は、切り欠き311を備え、前記切り欠き311と前記弁座20の底壁111とによって前記第2の通路42が規定され、前記阻止片310は複数であり、複数の前記阻止片310は、前記第2の通路42の延在方向に沿って間隔をあけて配置され、
前記阻止部材30は、補強リブ320をさらに含み、隣接する2つの前記阻止片310は、いずれも前記補強リブ320により接続される、
項目3に記載の調理器具の蒸気弁1。
5、前記補強リブ320は、前記阻止片310の前記弁カバー10に近い端部に位置する、
項目4に記載の調理器具の蒸気弁1。
6、前記阻止部材30は、阻止部32をさらに含み、
前記阻止部32は、前記阻止片310と間隔をあけ、前記阻止部32は、前記阻止片310よりも前記蒸気流入口12に近い側に位置し、前記阻止部32の前記弁座20に近い端部がガイドセクション321として構成されて液体を前記蒸気流入口12にガイドする、
項目4に記載の調理器具の蒸気弁1。
7、前記ガイドセクション321は、前記弁座20の底壁111に接続される、
項目6に記載の調理器具の蒸気弁1。
8、前記弁カバー10の内面の一部と前記弁座20の内面の一部とによって前記取付キャビティ11の周壁112が構成され、前記阻止部32の前記周壁112に対向する端面と前記周壁112とが間隔をあけて、第3の通路43を形成する、
項目6に記載の調理器具の蒸気弁1。
9、前記阻止部32と前記周壁112との距離
dは、2mm≦d≦3mmである、
項目8に記載の調理器具の蒸気弁1。
10、項目1〜9のいずれかに記載の調理器具の蒸気弁1を含む、
調理器具。
【0078】
本発明の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「概略的な実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参照した説明は、該実施例或いは例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも一実施例或いは例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を指すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか1つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。
【0079】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び趣旨を逸脱しない限り、上記実施例に対してさまざまな変更、修正、取り替え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、請求項及びその同等物によって限定される。