(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681481
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】スプリンクラーノズルの保護キャップ、保護キャップの使用、及び、パイプラインへのスプリンクラーノズルの組立及び/又は分解方法
(51)【国際特許分類】
A62C 31/28 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
A62C31/28
【請求項の数】23
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-557907(P2018-557907)
(86)(22)【出願日】2016年5月2日
(65)【公表番号】特表2019-516461(P2019-516461A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2016059763
(87)【国際公開番号】WO2017190761
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2018年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】509102188
【氏名又は名称】ミニマックス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】シュネル、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】レンフェルト、フランク
【審査官】
櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0002350(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0030149(KR,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0201286(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0173094(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル出口(56)を備えるノズル本体(8)を有する消火ノズル、特にスプリンクラーノズル(10)用の保護キャップ(1、1’、1”)であって、
前記保護キャップは、キャップ本体(2、2’)、及び、前記キャップ本体に配置されたキャップネック(4、4’)と、を備え、
前記キャップ本体(2、2’)は、前記消火ノズルのノズル本体(8)に対して力伝達する、好ましくは形状結合(蟻継式結合)的にロックする態様で当接する力伝達部(6)を有し、
前記保護キャップ、特に前記キャップネック(4、4’)は、前記消火ノズルの前記ノズル出口(56)を機械的に遮蔽するように構成され、
前記キャップ本体(2、2’)は、工具を取り付けるための1つ以上の作用面(12、12’)を備える外郭(13)を有し、
前記外郭における前記工具を取り付けるための工具取付部は、前記キャップ本体の内郭の前記力伝達部と同じレベルに配置される、
保護キャップ。
【請求項2】
前記消火ノズルは、噴霧ヘッド(22)を有し、
前記保護キャップ、特に前記キャップネック(4、4’)は、前記消火ノズルに取り付けられた状態で、前記噴霧ヘッド(22)が部分的又は完全に閉じ込められるように、寸法決めされている、
請求項1記載の保護キャップ。
【請求項3】
前記噴霧ヘッド(22)に配置された噴霧ディスク(16)を有し、
前記キャップネック(4、4’)は、前記取り付けられた状態で、前記消火ノズルの前記噴霧ヘッド(22)の前記噴霧ディスク(16)から離間して配置されるように、寸法決めされている、
請求項2記載の保護キャップ。
【請求項4】
前記消火ノズルは、トリガ要素を有し、
前記保護キャップ、特に前記キャップネック(4、4’)は、前記トリガ要素を機械的に遮蔽するように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項5】
前記消火ノズルは、前記ノズル出口に配置された閉鎖要素(58)を有し、
前記保護キャップ、特に前記キャップネック(4、4’)及び/又は前記キャップ本体は、前記取り付けられた状態で、前記閉鎖要素を機械的に遮蔽するように構成されている、
請求項1乃至4のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項6】
前記キャップ本体(2、2’)及び前記キャップネック(4、4’)の各々は、前記保護キャップの長手方向軸(L)に略平行に延在している側方導入排出スロット(20、20’、20”)を有する、
請求項1乃至5のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項7】
前記側方導入排出スロット(20、20’、20”)は、前記保護キャップ(1、1’、1”)の高さ全体に渡って延在しており、
前記側方導入排出スロット(20、20’、20”)のスロット幅は、前記保護キャップの前記高さ全体に渡って変化する、
請求項6記載の保護キャップ。
【請求項8】
前記キャップ本体(2、2’)の前記外郭は、所定の内幅を有するように構成された多角形の工具取付部(18)を有する、
請求項1乃至7のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項9】
前記キャップ本体(2、2’)は、前記ノズル本体に対面する前記キャップ本体の前記内郭にガイド手段を有し、
前記ガイド手段は、接触又は非接触の状態にある間、前記ノズル本体の対応する構成のガイド部に沿って前記消火ノズルの長手方向軸に対して半径方向に前記保護キャップ(1、1’、1”)をガイドするように構成される、
請求項1乃至8のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項10】
前記ガイド手段は、前記キャップ本体(2、2’)の前記内郭(29)で突出する突出部(32)として構成される、
請求項9記載の保護キャップ。
【請求項11】
前記キャップネック(4、4’)は、前記保護キャップの噴霧ヘッド側端部(36)で、前記噴霧ヘッド(22)の少なくとも1つの部分のための凹部(38)を備える端面(34)を有する、
請求項2記載の保護キャップ。
【請求項12】
前記端面(34)の前記凹部(38)は、前記噴霧ヘッド(22)の形状に適合した形状を有し、かつ、前記噴霧ヘッドの前記噴霧ヘッドに対面する端部を固定するように構成されている、
請求項11記載の保護キャップ。
【請求項13】
前記キャップ本体(2、2’)及び前記キャップネック(4、4’)の少なくとも1つの壁領域は、前記側方導入排出スロット(20、20’、20”)の反対側に位置するように配置され、弾性的に変形可能である、
請求項6又は7記載の保護キャップ。
【請求項14】
前記キャップ本体(2、2’)及び前記キャップネック(4、4’)は、一体に構成され、好ましくは射出成形された部分として構成される、
請求項1乃至13のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項15】
前記キャップ本体(2、2’)を前記ノズル本体(8)と接触又は非接触の状態にするために、手で作動させることができる1つ以上のハンドル(24、24’)を有する、
請求項1乃至14のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項16】
キャップネック(4、4’)上に配置され、好ましくはブラケットとして構成された第1ハンドル(24)を有する、
請求項15記載の保護キャップ。
【請求項17】
前記側方導入排出スロット(20、20’、20”)に沿って両側に延在する2つの作動翼(50、50’)として構成され、好ましくは約60°〜120°の角度範囲αで互いに対して配向されている、2つの第2ハンドルを有する、
請求項6、7及び13のいずれか一に記載の保護キャップ。
【請求項18】
前記キャップネック(4、4)に追加的に配置され、前記消火ノズルの前記噴霧ディスク(16)を部分的に囲むキャップシールド(60)を有する、
請求項3記載の保護キャップ。
【請求項19】
前記キャップシールド(60)は、前記消火ノズルの前記噴霧ディスク(16)用の側方導入排出スロット(20”)を有し、
前記側方導入排出スロット(20”)は、前記側方導入排出スロット(20”)を通じてガイド可能な前記噴霧ディスクの前記外郭に適合される、
請求項18記載の保護キャップ。
【請求項20】
消火ノズル、特にノズル出口(56)を備えるノズル本体(8)を有するスプリンクラーノズル(10)と、
前記消火ノズルに取り付けられる、請求項1乃至19のいずれか一に記載の保護キャップ(1、1’、1”)と、
を備える、
キット。
【請求項21】
消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインに、消火ノズル、特にスプリンクラーノズル(10)を取り付けるための方法であって、
消火ノズルの少なくとも1つのノズル本体に保護キャップ(1、1’、1”)を接触させる、又は、保護キャップを備えた消火ノズルを設けるステップと、
工具を使用してノズルパイプネットワークのパイプラインの出口開口部に保護キャップ(1、1’、1”)を装着した消火ノズルを固定し、前記消火ノズルを固定するための前記工具を1つ以上の作用面(12、12’)を介して保護キャップ(1、1’、1”)の外郭に取り付けるステップと、
好ましくは前記保護キャップ(1、1’、1”)が前記消火ノズルの長手方向軸に対して半径方向に引っ張ることにより、パイプラインに取り付けられた消火ノズルから前記保護キャップ(1、1’、1”)を取り外すステップと、
を含み、
前記外郭における前記工具を取り付けるための工具取付部は、前記保護キャップのキャップ本体の内郭の力伝達部と同じレベルに配置される、
方法。
【請求項22】
消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインから、消火ノズル、特にスプリンクラーノズル(10)を取り外すための方法であって、
消火ノズルの少なくとも1つのノズル本体に保護キャップ(1、1’、1”)を接触させるステップと、
工具を使用してノズルパイプネットワークのパイプラインの出口開口部に保護キャップ(1、1’、1”)を装着した消火ノズルを取り外す(この際、前記消火ノズルを取り外すための前記工具を1つ以上の作用面(12、12’)を介して前記保護キャップの外郭に取り付ける)ステップと、
前記消火ノズルを前記パイプラインから取り外す(但し、好ましくは前記保護キャップを前記取り外された消火ノズルに残す)ステップと、
を含み、
前記外郭における前記工具を取り付けるための工具取付部は、前記保護キャップのキャップ本体の内郭の力伝達部と同じレベルに配置される、
方法。
【請求項23】
保護された態様でノズルパイプシステムのパイプラインに/から消火ノズル、特にスプリンクラーノズル(10)を取り付ける、及び/又は、取り外すための、請求項1乃至19のいずれか一に記載の保護キャップ(1、1’、1”)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル出口を備えるノズル本体と、ノズル本体に配置された噴霧ヘッドと、を有する消火ノズル、特にスプリンクラーノズル用の保護キャップに関する。さらに、本発明は、このタイプの保護キャップの使用、及び、消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインでの消火ノズル、特にスプリンクラーノズルの取り付け及び/又は取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、消火ノズルの輸送、パイプラインへの消火ノズルの取り付け、及び、消火ノズルの一時的な取り外しの場合には、消火ノズル用の保護キャップが使用される。このタイプの保護キャップを用いて、例えば、ノズル本体のノズル出口と噴霧ヘッドとの直接的な接触を避けるべきである。消火ノズルの他の改良では、噴霧ヘッドと、それに配置された噴霧ディスクと、好ましくはガラス体を備える熱トリガ要素として構成されたトリガ要素と、の接触を避けるべきである。特に、消火ノズルの損傷及び潜在的な欠陥は打ち消されるべきである。
【0003】
従来技術として、開放端部及び閉鎖端部を備える円筒形又は円錐台形のキャップ本体を有し、キャップ本体の開放端部がスプリンクラーの長手方向軸に噴霧ヘッドに押しつけられた保護キャップが知られている。US7540330B2は、このタイプの保護キャップを開示している。保護キャップを消火ノズルに固定するために、キャップ本体は、その内側に閉鎖端部の領域で1つ以上の材料突起部を有する。保護キャップは、材料突起部が消化ノズルの噴射ディスクに、当該材料突起部が噴射ディスクの周囲に係合する程度まで押し付けられる。保護キャップを塞いだり離している間、押し付け方向以外の方向に力が加わるたびに撓み荷重が噴霧ディスクに作用し、その結果、噴霧ディスクの望ましくない変形が生じ、当該噴霧ディスクによって生成される噴霧パターンに不都合な影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US7540330B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに、US7540330B2から知られる保護キャップのキャップ本体の円筒形又は円錐形部分は、噴霧ヘッド、及び、噴霧ヘッドをノズル本体に接続する噴霧ヘッドホルダの上に延在している。消火ノズルの取り付け又は取り外しの際、取り付け工具をノズル本体の工具取付部に直接接触させている。これは塗装された消火ノズルには欠点があるが、取り付け、及び、それに続く取り外しは、目で見える損傷なしに行うことができない。
【0006】
本発明は、消火ノズルを確実に取り付け、及び/又は、取り外しすることができ、同時に消化ノズル、特にその表面コーティングの損傷を回避する、消火ノズルの保護キャップ、消火ノズルの取り付け及び/又は取り外し方法を特定(提供)することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、キャップ本体による最初に示されたタイプの消火ノズル、特にスプリンクラーノズル用の保護キャップと、キャップ本体に配置されたキャップネックと、に基づいて目的を達成する。キャップ本体は、消火ノズルのノズル本体に対して力伝達する、好ましくは形状結合(蟻継式結合)的にロックする態様で当接する力伝達部を有し、保護キャップ、特にキャップネックは、消化ノズルのノズル出口を機械的に遮蔽するように構成され、キャップ本体は、工具を取り付けるための1つ以上の作用面を備える外郭を有する。保護キャップは、好ましくは、噴霧ヘッドを備える消化ノズルに設けられ、前記保護キャップ、特にキャップネックは、消火ノズルに取り付けられた状態で、噴霧ヘッドが部分的又は完全に閉じ込められるように、寸法決めされている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
さらに好ましくは、消火ノズルは、噴霧ヘッドに配置された噴霧ディスクを有し、保護キャップ、特にキャップネックは、取り付けられた状態で、噴霧ディスクから離間されるように、噴霧ディスクに対して寸法決めされる。
【0009】
本発明は、キャップ本体の取り付けにより、消火ノズルの取り付け及び取り外しが可能であり、当該キャップ本体は、ノズル本体に設けられた工具取付部に力伝達部を介して連結可能であり、加えて、消火ノズル自体が工具と直接接触することなく、トルク伝達工具用の少なくとも1つ、好ましくは複数の作用面を備える外郭を有する。このようにして、消火ノズルの工具取付部への取り付け、及び/又は、取り外しの際、どんな損傷も回避することができる。したがって、噴霧ディスクに対する力の直接の作用は、消火ノズルのパイプラインへの取り付け/からの取り外しの際、又は、保護キャップの取り付け又は取り外しの際、回避される。
【0010】
しかしながら、噴霧ヘッドの噴霧ディスクと接触することなく、キャップネックの領域は、噴霧ヘッド又は噴霧ヘッドホルダに直接に当接することができる。
【0011】
さらに好ましくは、消火ノズルの保護キャップには、保護キャップ、特にキャップネックによって、トリガ(レリース)要素に設けられ、トリガ要素は、取り付けられた状態で、トリガ要素を機械的にシールドするように、寸法決めされ、かつ、構成される。噴霧ディスクからの、又は、消火ノズルのトリガ要素からのキャップネックとの間隔によって十分に大きな保護空間が画定されることが好ましく、当該保護空間は熱トリガ要素であるトリガ要素との望ましくない接触を防止することが好ましい。
【0012】
さらに好ましくは、消火ノズルは、ノズル出口に配置された閉鎖要素を有し、保護キャップ、特にキャップネック及び/又はキャップ本体は、取り付けられた状態で、閉鎖要素を機械的に遮蔽するように構成される。
【0013】
本発明の1つの好ましい展開では、キャップ本体及びキャップネックはそれぞれ、保護キャップの長手方向軸に略平行に延在する側方導入排出スロットを有する。導入排出スロットには、保護キャップが消化ノズルの長手方向軸に対して半径方向に消化ノズルと接触及び/又は非接触となることができるように、キャップ本体及びキャップネックが配置されることが好ましい。保護キャップを消火ノズルと接触又は非接触としたときのダメージフリー(損傷回避)は、側方導入排出スロットによって可能になる。
【0014】
導入排出スロットは、保護キャップの高さ全体に渡って延在し、導入排出スロットのスロット幅は、保護キャップの高さ全体に渡って変化する。導入排出スロットは、キャップ本体の領域においてノズル本体の外郭に適合されたスロット幅、及び/又は、キャップネックの領域において噴霧ヘッド及び噴霧ヘッドホルダの形状に適合されたスロット幅、を有することが好ましい。その結果、接触及び非接触の際の消化ノズルの横方向の移動、好ましくは消火ノズルの長手方向軸に対して垂直な方向の移動は、わずかな労力で可能である。
【0015】
キャップ本体の外郭は、所定のフラット幅で構成された多角形工具取付部を有するものが、本発明に係る保護キャップの1つの好ましい改良において提供される。したがって、工具用の複数の作用面は、異なる方向で本発明に係る保護キャップのキャップ本体の外郭に工具を取り付けることができるように、キャップ本体の外郭で構成されることが好ましい。これにより、消火ノズルの取り付け及び/又は取り外しが容易になる。キャップ本体は、その工具取付部の領域において実質的に六角形の外郭を有し、当該外郭は、所定のフラット幅を有することが好ましい。外郭の工具取付部は、キャップ本体の内郭の力伝達部と同じレベルに配置されることが好ましい。キャップ本体は、力伝達部として実質的に六角形の内郭を有することが好ましい。
【0016】
さらに好ましい改良では、キャップ本体は、ノズル本体に対面する前記内郭にて、接触又は非接触の間、ノズル本体の対応する構成のガイド部に沿って、消化ノズルの長手方向軸に対して半径方向に保護キャップをガイドするように構成されたガイド手段を有する。保護キャップを消火ノズルに接触又は非接触にするための移動の間、消火ノズルの軸方向、すなわち消火ノズルの長手方向軸に平行な移動は、ガイド手段によって打ち消される。本発明に係る保護キャップの1つの代替的な改良では、このタイプのガイド手段は、キャップネック、又は、キャップ本体とキャップネックとの間の接続領域に設けられている。
【0017】
ガイド手段は、突出部として、特にキャップ本体の内郭上に突出するウェブ(腹板)として構成されていることが好ましい。キャップ本体は、凹部、特にノズル本体の溝状のアンダーカット部の突起部によって係合することが好ましい。これにより、保護キャップが消火ノズルと接触又は非接触の間、消火ノズルの長手方向軸に対して、強制的に厳密に半径方向に移動することが可能である。さらに、消火ノズルの保護キャップが取り付けられた状態では、キャップ本体の内郭の突起部を介して長手方向にロック動作を確保することが好ましい。したがって、突起部は、同時に、ロック手段として機能する。
【0018】
さらに、その噴霧ヘッド側端部において、キャップネックは、噴霧ヘッドの少なくとも1つの区画のための凹部を備える終端面を有することが好ましい。噴霧ヘッドに対面するキャップネックの端部は、終端面によって噴霧ディスクに向かって終端される。このようにして、使用される消火ノズルのタイプに応じて、ノズル本体のノズル出口、又は、ノズル出口の閉鎖要素、又は、消火ノズルのトリガ要素との望ましくない接触を回避することができる。終端面の凹部は、溝状又はスロット状の壁開口部であることが好ましい。本発明の1つの好ましい形態では、キャップネックの終端面の凹部の中心軸と、キャップネック内の導入排出スロットの中心軸と、キャップ本体と、が1つの平面内にある。
【0019】
終端面の凹部は、噴霧ヘッドの形状に適合した形状を有し、かつ、噴霧ヘッド上で噴霧ヘッドに対向する端部を噴霧ヘッドに固定するように構成されることが好ましい。凹部を区切る側面は、好ましくは噴霧ヘッドに対して、かつ、噴霧ヘッドホルダの領域に対して、部分的に又は完全に当接することが好ましい。
【0020】
本発明に係る保護キャップの1つの好ましい形態では、導入排出スロットに対向するように配置された、キャップ本体及びキャップネックの少なくとも1つの壁領域が、弾性的に変形可能である。本発明に係る保護キャップは、互いに対して移動可能であり、かつ、弾性変形可能壁領域を介して互いに接続された2つの保護キャップリブを有することが好ましい。弾性変形可能壁領域は、保護キャップリブが、保護キャップの消火ノズルへの/からの取り付け/取り外し中に復元力に対抗して互いから離れ、かつ、消火ノズルと接触又は非接触にした後の復元力の結果として互いに開始位置に自動的に戻ることができる、ようにさせるばね機能を有することが好ましい。キャップ本体及びキャップネックの導入排出スロットは、少なくともキャップ本体及び噴霧ヘッドの寸法よりも小さいスロット幅を有することが好ましい。その結果、消火ノズルに対する本発明に係る保護キャップの自動クランプ又はロック動作が達成される。本発明の一形態では、導入面の両側の保護キャップリブの弾性変形可能性は、保護キャップリブを互いに接続する別個の弾性ばね要素によってもたらされる。
【0021】
本発明のさらなる形態では、キャップ本体及びキャップネックは、一体に構成され、好ましくは、射出成形部品として構成される。キャップ本体、キャップネック、及び、弾性変形可能壁領域の高い強度は、本発明に係る保護キャップの単一部品構成によって達成される。これは、保護キャップリブ間の確実な接続を保証する。弾性を有し、好ましくは、射出成形法により製造することが可能なプラスチック等の材料は、保護キャップの構成に用いることが好ましい。さらに、プラスチックの使用は、保護キャップリブ間の弾性変形可能壁領域(以下の文章では連結領域ともいう)を簡単な方法で弾性的に変形可能にする利点を提供する。PE(Poly Ethylene)、PA(Polyamide)又はPP(Polyepropylene)などの熱可塑性材料を使用することが好ましい。本発明の別の形態では、弾性を有する金属材料は、保護キャップリブ間の接続領域を構成するために使用される。
【0022】
1つの好ましい形態では、キャップ本体をノズル本体と接触又は非接触にするために、手で作動することが可能な1つ以上のハンドルが、本発明に係る保護キャップに設けられている。保護キャップを手で摘むことができる部分を構成するハンドルによって、本発明に係る保護キャップは、簡単な方法、好ましくは片手だけで消火ノズルの長手方向軸に対して直角方向に消火ノズルと接触又は非接触にすることができる。保護キャップを消火ノズルに接触させることは、特に、保護キャップが消火ノズルに横方向に押し付けることによって実現されることが好ましい。保護キャップを消火ノズルと非接触にすることは、消火ノズルから保護キャップを横方向の反対方向に引き離すことを意味すると理解される。
【0023】
本発明の一形態では、保護キャップは、キャップネックに配置され、かつ、好ましくはブラケットとして構成された第1ハンドルを有する。ブラケットは、保護キャップを取り外す又は押し込む人が、前記保護キャップを移動させるために、キャップ本体又はキャップネックの保護キャップに接触させる必要がないように、構成される。これにより、消火ノズルの損傷のリスクはさらに低減される。そのハンドル部分を有するブラケットは、保護キャップの長手方向軸に対して半径方向に延在し、ブラケットの中心軸が、導入排出スロットを有する1つの平面にあることが好ましい。
【0024】
本発明のさらなる形態では、さらに、又は、第1ハンドルに代えて、2つの第2ハンドルが、側方導入排出スロットに沿って両側に延在する2つの作動翼(フランク)として構成されるように、設けられる。基本的状態では、作動翼は、60°〜120°の角度範囲αで互いに対して配向されることが好ましい。作動翼を介して、力が本発明に係る保護キャップに加えられ、保護キャップの作動翼のスライドによって接触されている間、その力が導入排出スロットの広がりを補助する。これを介して、保護キャップを消火ノズルと非接触にすることは、さらに容易化される。基本的状態では、2つの作動翼は、互いに約80°〜100°、好ましくは90°の角度αの方向であることが好ましい。特定された角度範囲以外の角度範囲も可能である。本発明の1つの形態は、第1ハンドル及び第2ハンドルが保護キャップに共に配置されることを提供する。さらなる形態では、それぞれの場合において、第1ハンドル、又は、2つの第2ハンドルのみが保護キャップ上に配置される。
【0025】
本発明に係る保護キャップの本発明に係るさらなる改良では、消化ノズルの噴霧ディスクを囲むためのキャップシールドがキャップネックに追加的に配置される、ことを提供する。消火ノズルの噴射ディスクは、開閉可能なキャップシールドによって囲まれており、その結果、取り付け、取り外し、又は輸送の際の極端な作用による消火ノズル、特に噴霧ディスクの損傷のリスクの可能性が、さらに軽減される。キャップシールドは、キャップネックの噴霧ヘッド側端部に配置されることが好ましい。1つの形態では、キャップシールドは、キャップネックから離れて対面する端部で開いた構成である。代替の形態では、キャップシールドは、50%より多く、好ましくは75%より多く閉じられ、したがって実質的に完全に閉じられる、噴霧ディスクの収容空間を有する一種のカプセルとして構成されている。さらなる形態では、キャップシールドは閉じた構成である。
【0026】
キャップシールドは、消火ノズルの噴霧ディスクのための側方導入排出スロットを有し、この側方導入排出スロットは、スロットを通じてガイド可能な噴霧ディスクの外郭に適合されることが好ましい。これは、保護キャップを消火ノズルに接触又は非接触にする際に、噴霧ディスクがキャップシールドと接触しないようにする、ことを保証する。側方導入排出スロットは、噴霧ディスクの高さにおいて、噴霧ディスクの直径よりも大きいスロット幅を有することが好ましい。
【0027】
本発明のさらなるアスペクト(側面)は、ノズル出口、好ましくはノズル本体に配置された噴霧ヘッドを備えるノズル本体を有する消火ノズル、特にスプリンクラーノズルと、消火ノズルに取り付けられた上記の1つの好ましい形態の1つに従った保護キャップと、を備える。消火ノズル及び保護キャップを備える本発明に係るキットの取り付けの際、取り付けられた工具は、通常は工具取付部を有するノズル本体の代わりにキャップ本体の外郭に取り付けられる。キャップ本体に作用する力は、キャップ本体の伝達部を介してノズル本体に伝達される。キットのさらなる好ましい形態及びそれから生じる利点については、本発明に係る保護キャップに関する上記のコメントが参照される。
【0028】
さらなるアスペクトによれば、本発明は、消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインに、消火ノズル、特にスプリンクラーノズルを取り付ける方法に関する。上述のように、本発明に係る方法は、損傷のリスクがかなり低減されたパイプラインに消火ノズルを取り付ける改良された可能性を特定(提供)するという目的に対処する。
【0029】
本発明に係る方法は、以下のステップによって前記目的を達成する。すなわち、保護キャップを消火ノズルの少なくとも1つのノズル本体と接触させるステップ、又は、保護キャップを備えた消火ノズルを設けるステップと、保護キャップを備えた消火ノズルを、工具を使用してノズルパイプネットワークのパイプラインの出口開口部に固定し、工具が1つ以上の作用面によって保護キャップの外郭に取り付けられるステップと、オプションとして、保護キャップを、好ましくは取り付けられた消火ノズルの長手方向軸に対して半径方向に、パイプラインに取り付けられた消火ノズルと接触しないようにするステップと、を含む。保護キャップを接触させるために、保護キャップ、特にキャップ本体の内郭の伝達部がノズル本体に当接するように、消火ノズルに横方向に押し込むことが好ましい。ここで、キャップ本体とノズル本体との間で、形状結合(蟻継式結合)的にロック結合を行えることが好ましい。消火ノズルのパイプラインの出口開口部への固定は、出口開口部の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有する消火ノズルによって行われることが好ましい。消火ノズルをパイプラインに取り付けた後、保護キャップを消火ノズルと直ちに又は後で、好ましくは保護キャップを消火ノズルの長手方向軸に対して半径方向に引き離すことによって、接触させる。ここで、それを非接触にすることは、片手で行うことができる。
【0030】
また、さらなるアスペクトによれば、本発明は、前記目的と同様に対処することによって、すなわち再使用を意図した消火ノズルに損傷を与えるリスクなしに少なくとも一時的に消火ノズルを取り外すことによって、消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインから、消火ノズル、特にスプリンクラーノズルを取り外す方法に関する。
【0031】
消火ノズルをパイプラインから取り外すための本発明に係る方法は、以下のステップによって前記目的を達成する。すなわち、保護キャップを、消火ノズルの少なくとも1つのノズル本体に接触させるステップと、1つ以上の作用面によって保護キャップの外郭に取り付けられた消火ノズルを取り外すための工具を用いて、保護キャップを備えた消火ノズルを、ノズルパイプネットワークのパイプラインの出口開口部で開放するステップと、消火ノズルをパイプラインから取り外す(好ましくは消火ノズルに残す)ステップと、を含む。保護キャップを消火ノズルに接触させるか、又は、キャップ本体をノズル本体に接触させることは、保護キャップがその導入排出スロットを通じて手で押し込まれることによって行われることが好ましい。この場合、消火ノズルの取り外しは、消火ノズルがパイプラインの出口開口部にねじ込まれることによって行われる。ねじ込むために、取り付けと同様の方法で、工具によって保護キャップに力が発生し、その結果、消火ノズル、特に消火ノズルの表面に工具の力の直接の作用を回避することができる。続いて、消火ノズルがパイプラインから取り外され、パイプラインの取り外された消火ノズルの計画的な再取り付けの場合に、保護キャップは、取り外された消火ノズルに残される。
【0032】
パイプラインの消火ノズルの取付方法及び取り外し方法の好ましいさらなる改良、並びに、それから生じる利点に関して、本発明に係る保護キャップに関する上記コメントが参照される。
【0033】
さらに、本発明は、高品質の表面コーティング、すなわち、気体の形態で塗布されるコーティング(例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)又はPVD(Physical Vapor Deposition))、液体の形態で塗布されるコーティング(例えば、ペインティング)、溶解した形態で塗布されるコーティング(例えば、亜鉛メッキ、クロメート、化学ニッケル)、又は、固体として塗布されるコーティング(例えば、粉末塗装)を有するスプリンクラーノズルの取り付け/取り外し方法である。
【0034】
さらに、本発明は、消火システムのノズルパイプシステムのパイプラインに/から消火ノズルを取り付け/取り外しするための上記の好ましい形態の1つによる保護キャップの使用に関する。このタイプの使用の本発明に係る利点に関する上記のコメントの全範囲が参照される。
【0035】
さらに、本発明は、添付図面を参照して可能な実施形態を用いて、以下のテキストでより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係る一保護キャップの実施形態1の斜視図である。
【
図2】
図1による本発明に係る一保護キャップの断面図である。
【
図3】本発明に係る一保護キャップの実施形態2の斜視図である。
【
図4】
図3による本発明に係る保護キャップの断面図である。
【
図5】スプリンクラーノズル及び保護キャップを備える本発明に係るキットの斜視図である。
【
図6】スプリンクラーノズル及び取り付けられた保護キャップの断面図である。
【
図7】キャップシールドを有する保護キャップのさらなる実施形態の側面図である。
【実施例】
【0037】
図1は、キャップ本体2と、キャップ本体2に固定されるキャップネック4と、を有する保護キャップ1の斜視図である。キャップ本体2は、スプリンクラーノズル10のノズル本体8(
図5)に力を伝達して当接又は装着するための力伝達部6(
図2)を有する。さらに、キャップ本体2は、工具を取り付けるための複数の作用面12、12’を備える外郭を有する。図示の実施形態では、外郭13の作用面12、12’は、キャップ本体2の内郭の力伝達部6と同じ高さに配置されている。
【0038】
キャップネック4は、
図6に示されたトリガ(レリース)要素14を機械的に遮蔽するために設けられており、その結果、トリガ要素14の直接的な接触が、例えば工具によって回避される。スプリンクラーノズル10に取り付けられた状態では、キャップネック4は、スプリンクラーノズル10の噴霧ディスク16(
図5)から離れて配置されている。噴霧ディスク16とキャップネック4との間には直接の接触はない。さらに、
図1から分かるように、キャップ本体2の外郭13は、所定の内幅(内径)を有する好ましくは六角形の工具取付部18を有する。したがって、スプリンクラーノズル10の取り付け又は取り外しは、市販のレンチによって工具取付部18を介して可能である。
【0039】
保護キャップ1は、保護キャップの長手方向軸「L」の方向に延在し、かつ、保護キャップ1を押すことができ、また、少なくともノズル本体8及びスプリンクラーノズル10の噴霧ヘッド22の部分で再び取り外すことができる。さらに、
図1及び
図2から分かるように、保護キャップ1は、キャップネック4に配置された第1ハンドル24を有し、それによって、保護キャップ1を、横方向に、すなわち、スプリンクラーノズルの長手方向軸に対して半径方向の移動方向にスプリンクラーノズル10と接触又は非接触にすることができる。
図1及び2に示された本発明に係る保護キャップ1の実施形態では、第1ハンドル24は、ハンドル部28を有するブラケット26として構成されている。
【0040】
図2に示すように、ガイド手段30は、キャップ本体2の内郭29に配置され、ガイド手段30を介して保護キャップ1をスプリンクラーノズル10に押し付けるか、又は、保護キャップ1をスプリンクラーノズルの長手方向軸に沿って所定の位置に後ろから取り外すことができる。このようにして、軸方向の動きが打ち消される。
図2に示す実施形態では、ガイド手段30は、キャップ本体2の内郭で突出する突出部32であり、任意にウェブ(腹板)として構成されている。
【0041】
図3及び
図4は、キャップ本体2’及びキャップネック4’を備える保護キャップ1’のさらなる可能な実施形態を示す。保護キャップ1と同様に、キャップ本体2は、略六角形状の内郭の形態で力伝達部6によってスプリンクラーノズル10のノズル本体8の部分と接触している。さらに、
図3は、
図1及び
図2に示すキャップネック4のように、キャップネック4’がその端部36に端面34を有し、端部36は、スプリンクラーノズル10の噴霧ヘッド22に対面し、端面34は、スプリンクラーノズル10の噴霧ディスク16から離れて終わっている。また、端面34は、端部36で壁を完全に貫通し、かつ、噴霧ヘッド22及び噴霧ヘッドホルダ40の領域が保護キャップ1’の取り付け状態で受けられる凹部38を有する。積極的にロック接続は、キャップネック4の端部36と噴霧ヘッド22との間に形成され、その結果、キャップネック4’の端部36も、それとともに回転するように、スプリンクラーノズル10に強固に保持又は固定されている。
【0042】
保護キャップ1と同様に、保護キャップ1’は、側方導入排出スロット20’を有する。キャップ本体2’及びキャップネック4’の壁領域42は、壁領域42が導入排出スロット20’に対向するように配置され、弾性的に変形可能な構成である。壁領域42は、弾性特性を有する材料から構成されていることが好ましい。端面34の凹部38、及び、保護キャップ1’の反対側の端部45の開口部44の結果として、壁領域42は、保護キャップ1の残りの壁領域と比較してより大きな変形可能性を有する。壁領域42の両側の領域は、それぞれ保護キャップリム46、46’を形成しており、保護キャップ1’がスプリンクラーノズル10と接触している際、保護キャップリム46、46’の向きは、保護キャップ1’が導入排出面48の両側で変化する。
【0043】
保護キャップ1とは対照的に、保護キャップ1’は、側方導入排出スロット20’に沿って両側に延在し、かつ、示されている実施形態において互いに約90°の角度αをとる作動翼50、50’の形態の2つの第2ハンドル24’を有する。キャップ1がスプリンクラーノズル10と非接触となっている際、
図3及び
図4に示された作動翼50、50’を介して、保護キャップリム46、46’が補助的に離れるように動作する。
【0044】
図5及び
図6は、スプリンクラーノズルに取り付けられた保護キャップ1を有するスプリンクラーノズル10を示す。保護キャップ1を着脱するために、ブラケット26は、そのハンドル部28に把持される。保護キャップ1は、そのキャップ本体2及びそのキャップネック4と共に、側方導入排出スロット20を介して、ノズル本体8、噴霧ヘッド22及び噴霧ヘッドホルダ40に押し付けることができる。図示されている1つの実施形態では、キャップ本体2の内郭のガイド手段30は、ノズル本体8に設けられた溝状ガイド部52に係合する。このようにして、保護キャップ1は、着脱の際に径方向にガイドされる。さらに、保護キャップ1のロック、スプリンクラーノズル1の長手方向軸の方向の移動に対するロックは、ガイド手段30及びガイド部52によって行われる。また、キャップネック4は、実質的に楕円形の外郭を備える壁領域を有し、当該壁領域は、キャップ本体2への移行で直角の肩部を形成する。このようにして、保護キャップリム46、46’は、壁領域42の両側に比較的剛性のある構成を与える。保護キャップ1、1’の前記実施形態のキャップネック4、4’は、いずれの場合も噴霧ヘッド22の噴霧ディスク16から離れて終わっている。噴霧ディスク16は、保護キャップ1、1’によって保護されていない。ノズル本体8では、スプリンクラーノズル10は、パイプラインの出口開口部に出入りして螺合するねじ部54を有する。さらに、ノズル出口56は、ノズル本体8に配置されており、当該ノズル出口56は、示されているスプリンクラーノズル10の実施形態において閉鎖要素58によって閉鎖されている。スプリンクラーノズル(図示せず)の他の実施形態は、閉鎖要素がない1つのノズル出口56のみを有する。
【0045】
図7及び
図8は、キャップ本体2及びキャップネック4に加えてキャップシールド60を有する保護キャップ1”の一実施形態を示す。キャップシールド60は、キャップネック4の噴霧ヘッド側の端部36に配置され、かつ、スプリンクラーノズル10の噴霧ディスク16を部分的に囲むように構成されている。当該
図7及び
図8が示すように、キャップシールド60は、キャップネック4から離れて対面するその端部が開放構成である。さらに、キャップシールド60は、キャップ本体2及びキャップネック4を共に有する共通導入排出スロット20”を有し、当該共通導入排出スロット20”は、保護キャップ1”の全高さにわたって延在している。導入排出スロット20”のスロット幅は、ノズル本体8、噴霧ヘッドホルダ40、噴霧ヘッド22及び噴霧ディスク16の異なる寸法のために、保護キャップ1”の高さにわたって変化する。側方導入排出スロット20”の部分は、キャップシールド60の領域における噴霧ディスク16の外郭に適合される。キャップ本体2及びキャップネック4の構成に関して、保護キャップ1”は、
図1及び2に記載された保護キャップ1の実施形態と実質的に同一である。したがって、同一の構成は同じ名称で示される。
【符号の説明】
【0046】
1、1’、1” 保護キャップ
2、2’ キャップ本体
4、4’ キャップネック
6 力伝達部
8 ノズル本体
10 スプリンクラーノズル
12、12’ 作用面
13 外郭
14 トリガ要素
16 噴霧ディスク
18 工具取付部
”L” 長手方向軸
20、20’、20” 導入排出スロット
22 噴霧ヘッド
24、24’ ハンドル
26 ブラケット
28、28’ハンドル部
29 内郭
30 ガイド手段
32 突出部
34 端面
36 端部
38 凹部
40 噴霧ヘッドホルダ
42 壁領域
44 開口部
45 端部
46、46’ 保護キャップリム
48 導入排出面
50、50’ 作動翼
52 ガイド部
54 ねじ部
56 ノズル出口
58 閉鎖要素
60 キャップシールド