特許第6681511号(P6681511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 金城 博紀の特許一覧

<>
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000002
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000003
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000004
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000005
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000006
  • 特許6681511-網戸用補助具 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6681511
(24)【登録日】2020年3月25日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】網戸用補助具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   E06B9/52 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-227101(P2019-227101)
(22)【出願日】2019年12月17日
【審査請求日】2019年12月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519449703
【氏名又は名称】金城 博紀
(74)【代理人】
【識別番号】100076082
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】金城 博紀
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3156050(JP,U)
【文献】 実開昭51−048837(JP,U)
【文献】 実開昭54−039948(JP,U)
【文献】 実公昭61−041920(JP,Y2)
【文献】 実公平05−004546(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52−9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と前記枠体の内側に張設される網とを有する網戸に対し、前記枠体の幅方向に延在して取り付けられる棒状体と、
前記棒状体の幅方向両端部に設けられ、前記枠体の周縁の一部に対し着脱可能な一対の支持部と、を有し、
前記棒状体には、前記網に対向する第1面が形成され、
前記第1面の少なくとも一部は前記網に面接触し、
前記第1面は、断面視でその中間部が前記網側に膨出する凸状曲面に形成され、前記網を押圧する、
網戸用補助具。
【請求項2】
枠体と前記枠体の内側に張設される網とを有する網戸に対し、前記枠体の幅方向に延在して取り付けられる棒状体と、
前記棒状体の幅方向両端部に設けられ、前記枠体の周縁の一部に対し着脱可能な一対の支持部と、を有し、
前記棒状体には、前記網に対向する第1面が形成され、
前記第1面の少なくとも一部は前記網に面接触し、
前記第1面の表面には、クッション体が貼設され、
前記第1面は、前記クッション体を介して前記網に面接触する、
戸用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体と枠体の内側に貼り付けられる網とを有する網戸に取り付けられる網戸用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
網戸は、その枠体の内側に張設される網自体の剛性が低い。また、網戸は、出口窓などに配置されており、犬などの愛玩動物や子供などが不意に寄りかかってしまいその網が破れてしまう場合がある。網戸が破損した場合、その網を交換する必要があり、その展張作業も含め交換作業は煩雑である。そのため、網戸の網が破損しないように網を強化などして破損防止策を日頃から講じることが求められる。
【0003】
網戸や網を保護補強するものとして、網状及び格子状のものを設けたものが知られる(例えば、特許文献1参照)。すなわち、網戸は、網戸の枠体と、この枠体の内側に張設される網と、枠体の上下中央部において幅(横)方向で掛け渡される補強桟と、網を保護し枠体を補強する装置(網戸用補助具)と、から構成される。この網戸用補助具は、網状又は格子状に形成される。網戸用補助具により、外部から網自体へ接触する機会を減少することが可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭54−39948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の網戸用補助具は、単に枠体の幅方向に延在して取り付けられる棒状体のみから単に構成されるものであり、網自体の剛性を向上されるものではなく改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構造ながら、棒状体の第1面で網に面接触して網に張力を発生させて網自体の剛性を向上させ、網が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網の破損を防止することができる網戸用補助具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)
枠体と前記枠体の内側に張設される網とを有する網戸に対し、前記枠体の幅方向に延在
して取り付けられる棒状体と、
前記棒状体の幅方向両端部に設けられ、前記枠体の周縁の一部に対し着脱可能な一対の
支持部と、を有し、
前記棒状体には、前記網に対向する第1面が形成され、
前記第1面の少なくとも一部は前記網に面接触し、
前記第1面は、断面視でその中間部が前記網側に膨出する凸状曲面に形成され、前記網を押圧する、
網戸用補助具。
(2)
枠体と前記枠体の内側に張設される網とを有する網戸に対し、前記枠体の幅方向に延在して取り付けられる棒状体と、
前記棒状体の幅方向両端部に設けられ、前記枠体の周縁の一部に対し着脱可能な一対の支持部と、を有し、
前記棒状体には、前記網に対向する第1面が形成され、
前記第1面の少なくとも一部は前記網に面接触し、 前記第1面の表面には、クッション体が貼設され、
前記第1面は、前記クッション体を介して前記網に面接触する、
戸用補助具。
【0008】
上記(1)の構成によれば、簡素な構造ながら、棒状体の第1面で網に面接触して網に張力を発生させて網自体の剛性を向上させ、網が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網の破損を防止することができる。また、その第1面に模様などを施すことで美感性や注意喚起を高めることができる。また、既に設置されている網戸に対し新たな加工や部品の追加を行うことなく、かつ様々なサイズに対応して取付することができる。また、網に対して張力を積極的に発生させ、外部衝撃に対して網の破損をより一層防止することができる。
上記(2)の構成によれば、簡素な構造ながら、棒状体の第1面で網に面接触して網に張力を発生させて網自体の剛性を向上させ、網が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網の破損を防止することができる。また、その第1面に模様などを施すことで美感性や注意喚起を高めることができる。また、既に設置されている網戸に対し新たな加工や部品の追加を行うことなく、かつ様々なサイズに対応して取付することができる。また、網に対して張力を積極的に発生させ、外部衝撃に対して網の破損をより一層防止するとともに、外部衝撃が加わった場合、そのクッション体で衝撃を吸収することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡素な構造ながら、棒状体の第1面で網に面接触して網に張力を発生させて網自体の剛性を向上させ、網が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網の破損を防止することができる。また、既に設置されている網戸に対し新たな加工や部品の追加を行うことなく、かつ様々なサイズに対応して取付することができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る網戸用補助具が取り付けられた網戸を説明する概略正面図である。
図2図2は、図1に示す網戸用補助具の構成を説明する上面図である。
図3図3は、図1に示す網戸用補助具の構成を説明する縦断面図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る網戸用補助具の構成を説明する縦断面図である。
図5図5は、実施形態の変形例に係る網戸用補助具が取り付けられた網戸を説明する概略正面図である。
図6図6は、図5に示す網戸用補助具の構成を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の網戸用補助具に関する複数の実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、各図面は符号の向きに合わせて視るものとする。
【0013】
(第1実施形態)
まず図1図3を参照して、本発明に係る第1実施形態の網戸用補助具10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る網戸用補助具10が取り付けられた網戸1を説明する概略正面図である。図2は、図1に示す網戸用補助具10の構成を説明する上面図である。図3は、図1に示す網戸用補助具10の構成を説明する縦断面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の網戸用補助具10は、網戸1に取り付けられる。網戸1は、建物の窓枠に配置されるレールに横方向移動自在に規制される横開き式の窓の外側において、左右の窓のいずれかを開放した際にその開放部を覆って配置される。
【0015】
網戸1は、矩形状の枠体2と、その枠体2の内側の空間部に対しその枠体2にその端縁が固定されて展張して設けられる網7と、を有する。網戸1の枠体2は、上下一対の横枠部3と左右一対の縦枠部4とを含んで構成され、これら枠部それぞれは、一対の板部5が平行配置されて設けられる。また、その板部5それぞれは外側に向けて延びる延出片6を有する(図2参照)。本実施形態の網戸用補助具10は、後述するように網戸1に対し着脱自在に配設され、例えば網戸1の上下中央部の下方寄りにおいて横方向に掛け渡されて配置される。
なお、網戸用補助具10の配置(高さ位置)は、愛玩動物や子供の身長に合致する高さとするとよい。
【0016】
図2に示すように、網戸用補助具10は、主に金属製部材から構成されており、網戸1に対しその枠体2の幅方向に延在して取り付けられる棒状体11と、棒状体11の幅方向両端部に設けられ、枠体2の板部5の延出片6(枠体2の周縁の一部)に対し着脱可能な一対の支持部16と、を含んで構成される。棒状体11は、断面略矩形状に形成される中空の外装部12と、外装部12に相似する断面略矩形状に形成され、外装部12にその一部が収納可能に設けられる内装部14とを有する。外装部12は収納空間Rを有し、その長手方向一端口は開放され、その長手方向他端口は壁部13により閉塞される。また、内装部14はその一部でその表面が外装部12の内面に摺接可能に設けられる。この摺接により、内装部14は棒状体11の長手方向で外装部12に対しスライド移動可能に設けられる。このスライド移動により、棒状体11は伸縮自在に設けられ、その全長が任意に調整される。
【0017】
また、内装部14の外側先端部に支持部16の一方が配設され、外装部12の外側先端部に支持部16の他方が配設される。これら一対の支持部16は横断面視でフック状に形成され、その内面には、断面U字状のゴム材17が滑り止めとして貼設される。また、外装部12の収納空間Rにおいて、外装部12及び内装部14との間にコイルバネS(弾性体)が介挿されており、コイルバネSの一端は外装部12の外側先端部(壁部13の内側)に固着され、その他端は内装部14の内側先端部(基端部)に固着される。そして、コイルバネSは、外装部12の壁部13と内装部14の基端部とが近接するように付勢されて配設される。コイルバネSの付勢及び支持部16のゴム材17により、一対の支持部16が枠体2の板部5の延出片6に引っ掛けられて取り付けられた際、網戸用補助具10は網戸1からずれ落ちることなく安定して保持される。
【0018】
そして、図3に示すように、本実施形態では、棒状体11の外装部12の裏面の一部において網7に対向する第1面15が形成される。第1面15は縦断面視でその中間部が網7側に膨出して滑らかに連続する凸状曲面に形成されており、第1面15はその凸状曲面の頂部で網7を押圧して、網7に面接触する。また、第1面15に隣接する縁部は、面取りされる。また、第1面15は、棒状体11の、第1面15以外の面よりも表面粗さを低く設けられる。この面取り及び表面粗さにより、取り付ける際の、網の破損を防止することが可能となる。
【0019】
以上説明したように本実施形態によれば、網戸用補助具10は、枠体2と枠体2の内側に張設される網7とを有する網戸1に対し、枠体2の幅方向に延在して取り付けられる棒状体11と、棒状体11の幅方向両端部に設けられ、枠体2の周縁の一部に対し着脱可能な一対の支持部16と、を有する。また、網戸用補助具10は、棒状体11には、網7に対向する第1面15が形成され、第1面15の少なくとも一部は網7に面接触する。
【0020】
このため、簡素な構造ながら、棒状体11の第1面15で網7に面接触して網7に張力を発生させて網7自体の剛性を向上させ、網7が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網7の破損を防止することができる。また、その第1面15に模様などを施すことで美感性や注意喚起を高めることができる。また、既に設置されている網戸1に対し新たな加工や部品の追加を行うことなく、かつ様々なサイズに対応して取付することができる。
【0021】
また本実施形態によれば、第1面15は、断面視でその中間部が網7側に膨出する凸状曲面に形成され、網7を押圧する。このため、網7に対して張力を積極的に発生させ、外部衝撃に対して網7の破損をより一層防止することができる。
【0022】
(第2実施形態)
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る網戸用補助具10について説明する。図4は、本実施形態に係る網戸用補助具10の構成を説明する縦断面図である。
なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、文中又は図面に同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0023】
本実施形態では、第1面25は凸状曲面に形成されず、その代わり第1面25の表面には、クッション体Cが貼設される。第1面25は、そのクッション体Cを介して網戸1の網7に面接触する。
【0024】
以上説明したように本実施形態によれば、第1面25の表面には、クッション体Cが貼設され、第1面25は、クッション体Cを介して網7に面接触する。このため、網7に対して張力を積極的に発生させ、外部衝撃に対して網7の破損をより一層防止するとともに、外部衝撃が加わった場合、そのクッション体Cで衝撃を吸収することができる。
【0025】
(変形例)
図5及び図6を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。図5は、実施形態の変形例に係る網戸用補助具10が取り付けられた網戸1を説明する概略正面図である。図6は、図5に示す網戸用補助具10の構成を説明する上面図である。
【0026】
図5及び図6に示すように、本変形例では、網戸用補助具10は網戸1にボルトBを用いて固定保持される。本変形例の網戸用補助具10には、コイルバネSが設けられない。その代わりに、外装部12の外側先端部の支持部16付近部分で、表裏方向に沿って貫通する螺合孔Hが形成される。同様に内装部14の外側部の支持部16付近部分も同様に、表裏方向に沿って貫通する螺合孔Hが形成される。
【0027】
そして、本変形例の網戸用補助具10は、例えば外装部12又は内装部14の支持部16が枠体2の板部5の延出片6に引っ掛けられた状態で、外装部12又は内装部14がスライド移動されて棒状体11の長さが調整される。この長さの調整により、その他方の支持部16が枠体2の板部5の延出片6に引っ掛けられる。このように一対の支持部16が引っ掛けられた状態で、一対の螺合孔HにボルトBが螺合結合するとともに、そのボルトBの先端面が枠体2の表面に当接する。また、ボルトBの先端面と枠体2との間にはゴム材17が介挿されており、ボルトBはゴム材17を介して枠体2に当接することになる。この当接により、網戸用補助具10は、その全長が調整された状態で網戸1に強固に固定保持される。また、ボルトBの先端面と枠体2との間に介挿されるゴム材17が緩衝材となって、枠体2の延出片6がその固定によって破損することを防止する。
【0028】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
例えば、上記実施形態の棒状体には、網部の面方向に対し交差する方向に沿って貫通穴が形成されてもよい。この場合、網戸用補助具の取付に伴う通気性の悪化を防止することができる。
また、上記実施形態の網戸用補助具は、主に金属製部材から構成され、例えば鉄、ステンレス、アルミなどの種々の金属材料を用いることが可能である。また、金属材料に限定されず、その他、合成樹脂(プラスチック)材料も適宜採用することも可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 :網戸
2 :枠体
3 :横枠部
4 :縦枠部
5 :板部
6 :延出片
7 :網
10 :網戸用補助具
11 :棒状体
12 :外装部
13 :壁部
14 :内装部
15 :第1面
16 :支持部
17 :ゴム材
25 :第1面
B :ボルト
C :クッション体
H :螺合孔
R :収納空間
S :コイルバネ
【要約】
【課題】簡素な構造ながら、棒状体の第1面で網に面接触して網に張力を発生させて網自体の剛性を向上させ、網が外部衝撃を受けた際にそれに対応する抑えになって網の破損を防止することができる網戸用補助具を提供する。
【解決手段】網戸用補助具10は、枠体2と枠体2の内側に張設される網7とを有する網戸1に対し、枠体2の幅方向に延在して取り付けられる棒状体11と、棒状体11の幅方向両端部に設けられ、枠体2の周縁の一部に対し着脱可能な一対の支持部16と、を有する。また、網戸用補助具10は、棒状体11には、網7に対向する第1面15が形成され、第1面15の少なくとも一部は網7に面接触する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6