特許第6681526号(P6681526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681526
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20200406BHJP
【FI】
   A63F5/04 603C
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-70973(P2018-70973)
(22)【出願日】2018年4月2日
(65)【公開番号】特開2019-180479(P2019-180479A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2018年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 誉
【審査官】 佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−046980(JP,A)
【文献】 特開2018−038645(JP,A)
【文献】 特開2018−000323(JP,A)
【文献】 特開2006−158522(JP,A)
【文献】 特開2005−143843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する第1情報と、前記第1情報とは異なる第2情報とを表示可能な表示手段と、
前記第1情報の表示態様を第1の条件の成立に基づいて変更可能であり、前記第2情報の表示態様を前記第1の条件とは異なる第2の条件の成立に基づいて変更可能な表示制御手段と、
前記第1の条件の成立と前記第2の条件の成立を特定条件の成立に基づいて判定可能な条件判定手段と、
遊技に関する所定の数値情報を第1判定用数値に置換可能であり、所定の閾値を第2判定用数値に置換可能な置換手段と、
を備え、
前記特定条件は、遊技に関する所定の数値情報が、所定の閾値に到達している場合に成立する条件であり、
前記第1の条件は、第1数値情報が、第1閾値に満たない場合に成立する条件であり、
前記第2の条件は、第2数値情報が、第2閾値に到達している場合に成立する条件であり、
前記置換手段は、
前記第1数値情報を前記第1判定用数値に置換可能であり、前記第1閾値を前記第2判定用数値に置換することが可能であり、
前記条件判定手段は、
前記第1判定用数値が、前記第2判定用数値に到達している場合、前記特定条件が成立したと判定することが可能であり、
前記第2数値情報が、前記第2閾値に到達している場合、前記特定条件が成立したと判定することが可能であり、
前記表示制御手段は、
前記条件判定手段による前記特定条件の判定結果に基づいて、前記第1情報と前記第2情報の表示態様を変更することが可能であり、
前記第1判定用数値は、前記第1数値情報が大きいほど小さい値が設定され、
前記第2判定用数値は、前記第1閾値が大きいほど小さい値が設定される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1判定用数値と前記第2判定用数値は、遊技機の電源が投入されたことに基づいて所定の演算により算出される
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1判定用数値は、前記第1数値情報が大きくなるにつれて所定の段階幅で連続的に小さくなるように設定され、
前記第2判定用数値は、前記第1閾値が大きくなるにつれて所定の段階幅で連続的に小さくなるように設定される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ、スロットマシン等の遊技機においては、例えば、発光による演出や報知を行うランプや、所定の数値を表示する7セグメント表示器等の電飾装置が設けられている。
このような電飾装置の表示態様を、遊技の進行に応じて点灯態様と点滅態様に変化させる遊技台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−187801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、遊技に関する第1情報と、前記第1情報とは異なる第2情報とを表示可能な表示手段と、前記第1情報の表示態様を第1の条件の成立に基づいて変更可能であり、前記第2情報の表示態様を前記第1の条件とは異なる第2の条件の成立に基づいて変更可能な表示制御手段と、前記第1の条件の成立と前記第2の条件の成立を特定条件の成立に基づいて判定可能な条件判定手段と、遊技に関する所定の数値情報を第1判定用数値に置換可能であり、所定の閾値を第2判定用数値に置換可能な置換手段と、を備え、前記特定条件は、遊技に関する所定の数値情報が、所定の閾値に到達している場合に成立する条件であり、前記第1の条件は、第1数値情報が、第1閾値に満たない場合に成立する条件であり、前記第2の条件は、第2数値情報が、第2閾値に到達している場合に成立する条件であり、前記置換手段は、前記第1数値情報を前記第1判定用数値に置換可能であり、前記第1閾値を前記第2判定用数値に置換することが可能であり、前記条件判定手段は、前記第1判定用数値が、前記第2判定用数値に到達している場合、前記特定条件が成立したと判定することが可能であり、前記第2数値情報が、前記第2閾値に到達している場合、前記特定条件が成立したと判定することが可能であり、前記表示制御手段は、前記条件判定手段による前記特定条件の判定結果に基づいて、前記第1情報と前記第2情報の表示態様を変更することが可能であり、前記第1判定用数値は、前記第1数値情報が大きいほど小さい値が設定され、前記第2判定用数値は、前記第1閾値が大きいほど小さい値が設定される構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】スロットマシンの外観を示す概略正面図である。
図2】スロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
図3】スロットマシンの制御構成を示すブロック図である。
図4】7セグ表示部を示す図であり、(a)は、正面側から見たときの図であり、(b)は、斜め方向から見たときの図である。
図5】7セグ表示部において表示される内容を示す図表である。
図6】7セグ表示部において表示される表示データの表示順を示す図表である。
図7】第1表示部で表示される表示データの遊技回数ごとの表示態様を示す図表である。
図8】第2表示部で表示される表示データの比率ごとの表示態様を示す図表である。
図9】第1表示部及び第2表示部で表示される表示データの表示態様の変化を示す図表である。
図10】遊技回数と第1判定用数値の対応関係を示す図表である。
図11】第1閾値と第2判定用数値の対応関係を示す図表である。
図12】第1表示部における表示データの表示態様の判定方法を示す図表である。
図13】第2表示部における表示データの表示態様の判定方法を示す図表である。
図14】表示態様判定処理を示すフローチャートである。
図15】点滅フラグを説明するための図表である。
図16】表示態様判定処理の比較例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図面を参照して説明する。
遊技機には、パチンコ、スロットマシンなど様々な種類があるが、本発明をスロットマシンに適用した場合について、図1図16を参照しながら説明する。
【0008】
まず、図1及び図2を参照して、スロットマシン1の全体構成を説明する。
スロットマシン1は、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、筐体1bの開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
【0009】
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41の図柄を視認可能にしている。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、遊技の開始に際して遊技者の押下操作によりベット数を設定するベットボタン2aを備えている。
また、段部の下方には、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押下操作する停止ボタン5を備えている。
【0010】
また、表示窓6の下部には、クレジットとして貯留されたメダル枚数を表示する貯留数(クレジット)表示部12や、メダルの払い出し枚数を表示する払出数(ペイアウト)表示部13など各種表示器が備えられている。これら各表示部12、13は、2桁の7セグメントのLEDで構成されている。
【0011】
前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や情報表示を行う表示器8を備えている。この表示器8の左右には、音による演出や報知を行うスピーカ9と、発光による演出や報知を行うランプ11を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0012】
筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、リール41a、リール41b、リール41cが水平方向に並設されて構成されていて、これらリール41a〜41cは、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール41a〜41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が配されていて、リール41の停止状態において、各リール41a〜41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備え、このメダル払出装置7から払い出されたメダルはメダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0013】
また、筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10を備えている。
主制御部10は、各種演算処理等を行うメインCPU、制御プログラムや制御データ等が格納されたメインROM、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたメインRAMなどの電子部品が実装された主基板10a、これを収容し、外部から不正にアクセスすることができないように被覆する主基板ケース等から構成されている。主基板ケースは、主基板10aの部品実装面が前側(正面側)を向くようにして、筐体1b内の上部に設けられている。
【0014】
また、主制御部10は、スタートレバー3、停止ボタン5などの各操作手段から出力された信号等を受信し、これらの信号に基づいて、筐体1bの内部に設けられたドラムユニット4やメダル払出装置7などの各装置を制御することで、スロットマシン遊技を進行させることができるようになっている。
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部10に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部10に入力される。主制御部10は、これらの信号の入力の有無から遊技可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
遊技開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、主制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0015】
さらに、主制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回遊技の抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理を実行し、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
また、主制御部10は、所定の図柄の組合せが停止表示されるときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0016】
前扉1aの上部には、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
副制御部20は、サブCPU、サブROM、サブRAMなどの電子部品が実装された副基板20a、これを収容する副基板ケース等から構成され、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行することで、表示器8に所定の表示態様で表示演出を行わせるとともに、スピーカ9から所定の音データを出力させ、さらに、ランプ11の点灯制御を行う。なお、副制御部20は、筐体1bの上部に備えてもよい。
【0017】
次に、図3を参照して、スロットマシン1の制御系の構成を説明する。なお、図1及び図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
【0018】
主制御部10には、メインCPU(図示省略)、メインROM(図示省略)及びメインRAM(図示省略)等が備えられている。
メインROMは、例えば、最大16KBの記憶容量を有し、そのうちプログラム用の領域が最大4.5KB、データ用の領域が最大3KBという容量の制限がある。また、メインRAMは、例えば、最大1KBの記憶容量を有し、各種データを一時的に記憶する領域が512Bという容量の制限がある。
また、主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a〜5c)が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
【0019】
また、主制御部10には、ドラムユニット4、メダル払出装置7、各表示部(貯留数表示部12、払出数表示部13)、7セグ表示部30、副制御部20が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
また、副制御部20には、表示器8、スピーカ9、ランプ11が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されており、主制御部10からの一方向のみの制御情報に基づき、各機器に対して演出処理を行う。
【0020】
[7セグ表示部]
本実施形態のスロットマシン1は、遊技に関する情報を表示可能な7セグ表示部30を備えている。
7セグ表示部30は、本発明に係る表示手段の一例であり、遊技に関する情報を英数字等の情報で表示する。具体的には、8つ(ドットを含む)のセグメントを有しており、所定のセグメントを発光させることで、当該発光に対応した1桁の英数字の表示が可能な7セグメントLED(以下、7セグLEDという)を左右方向に4つ配列している。
【0021】
また、7セグ表示部30は、図4に示すように、左2桁の7セグLEDからなる第1表示部31と、右2桁の7セグLEDからなる第2表示部32により構成されている。
第1表示部31は、識別情報(第1情報)を示す表示領域であり、2桁の英数字の略記によって表示内容を識別可能に表示する。
第2表示部32は、第1表示部31で示された表示内容の比率情報(第2情報)を示す表示領域であり、2桁の数字によって比率(割合)を表示する。
例えば、7セグ表示部30の表示が、「U1.70」であれば、識別情報が「U1」であり、比率情報が「70」であることを示している。なお、比率が100%の場合には、第2表示部32には数字「99」を表示する。
【0022】
このような7セグ表示部30は、スロットマシン1内部の任意の箇所に備えることが可能であり、例えば、主基板10aの部品搭載面に設けることで、前扉1aを開放したときに、遊技場の従業員や管理者など(以下、従業員等という)が外部から視認可能な位置に配置することができる。
【0023】
7セグ表示部30が表示する内容としては、例えば、次に示すような遊技に関する表示データ(1)〜(5)を表示する。
表示データ(1):総累計ゲーム間における「特定遊技区間比率(累計)」
表示データ(2):直近6000ゲーム間における「連続大当り比率(直近)」
表示データ(3):直近6000ゲーム間における「大当り比率(直近)」
表示データ(4):総累計ゲーム間における「連続大当り比率(累計)」
表示データ(5):総累計ゲーム間における「大当り比率(累計)」
【0024】
表示データ(1)の「特定遊技区間比率(累計)」は、スロットマシン1が遊技場に設置されてから現時点までの間の遊技において、遊技回数の累計値である総累計遊技回数に対して、特定の遊技区間(例えば、AT区間、RT区間、大当り遊技区間など)に制御された遊技回数の比率である。
表示データ(2)の「連続大当り比率(直近)」は、現時点から過去6000ゲームに遡る間の遊技において、払い出されたメダルの総払出枚数に対して、大当り遊技状態が連続して作動する大当り中に払い出されたメダルの総払出枚数の比率である。
表示データ(3)の「大当り比率(直近)」は、現時点から過去6000ゲームに遡る間の遊技において、払い出されたメダルの総払出枚数に対して、スロットマシン1が備える全ての大当り中に払い出されたメダルの総払出枚数の比率である。
表示データ(4)の「連続大当り比率(累計)」は、スロットマシン1が遊技場に設置されてから現時点までの間の遊技において、払い出されたメダルの総累計払出枚数に対して、大当り遊技状態が連続して作動する大当り中に払い出されたメダルの総払出枚数の比率である。
表示データ(5)の「大当り比率(累計)」は、スロットマシン1が遊技場に設置されてから現時点までの間の遊技において、払い出されたメダルの総累計払出枚数に対して、スロットマシン1が備える全ての大当り中に払い出されたメダルの総払出枚数の比率である。
なお、これらの表示データ(1)〜(5)は、一例であり、7セグ表示部30が表示する内容は適宜変更可能である。例えば、表示データ(2)〜(5)において、大当り中に払い出されたメダルの総払出枚数に、停止ボタン5の押し順がナビゲートされることで払い出されたメダルの払出枚数を含めたものとしてもよい。
【0025】
表示データ(1)〜(5)の各比率は、主制御部10によって算出される。
具体的には、主制御部10は、総累計遊技回数、特定遊技区間の遊技回数を集計し、これらのデータに基づいて表示データ(1)の比率を算出する。
また、直近6000ゲームの総払出枚数、連続大当り遊技状態における総払出枚数及び全ての大当り遊技状態における総払出枚数を集計し、これらのデータに基づいて表示データ(2)、表示データ(3)の比率を算出する。なお、表示データ(2)、表示データ(3)の比率を算出する場合、400ゲームを1セットとして集計を繰り返し、15セット(6000ゲーム)の累計値に基づいて算出することもできる。
また、総累計払出枚数、連続大当り遊技状態における総払出枚数及び全ての大当り遊技状態における総払出枚数を集計し、これらのデータに基づいて表示データ(4)、表示データ(5)の比率を算出する。
表示データ(1)〜(5)の各比率を算出するタイミングとしては、例えば、毎ゲーム算出してもよく、所定ゲーム数ごとに算出してもよい。また、算出した各比率は、メインRAMの所定の記憶領域に記憶される。
【0026】
第1表示部31は、図5に示すように、表示データ(1)を示す識別情報として「U1」、表示データ(2)を示す識別情報として「Y2」、表示データ(3)を示す識別情報として「Y3」、表示データ(4)を示す識別情報として「A4」、表示データ(5)を示す識別情報として「A5」を表示する。なお、図5に示す識別情報は、一例であり、表示データをそれぞれ識別可能であればよい。
また、第2表示部32は、表示データ(1)〜(5)の各比率を「00」〜「99」の範囲で表示する(図5、6参照)。なお、特定の遊技区間が存在しないスロットマシンの場合は、表示データ(1)の比率として「−−」を表示してもよい。
【0027】
また、7セグ表示部30は、表示データ(1)〜(5)を予め定められた時間間隔で切替えて表示する。
具体的には、スロットマシン1の電源が投入されると表示を開始し、その後、電源が遮断されるまで、図6に示すように、表示データ(1)〜(5)を(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(1)→(2)→・・・のように、例えば約5秒ごとに切替えて循環的に表示する。
なお、表示データ(1)〜(5)を切替える時間間隔は適宜変更可能である。
【0028】
このような7セグ表示部30によれば、従業員等が、第1表示部31と第2表示部32に表示される識別情報と比率情報を確認するだけで、そのスロットマシン1が現時点で射幸性が高い状態に制御されている状態か否かを把握することができる。
例えば、表示データ(1)〜(5)の各比率は、スロットマシン1の仕様により、通常は、所定の閾値未満になるように設計がされているものの、スロットマシン1に対して不正行為等があった場合には、表示データ(1)〜(5)の比率が、この閾値を超えて算出されることがある。
このような異常な値が7セグ表示部30(第2表示部32)に表示されるため、従業員等は、スロットマシン1に対して不正行為が行われていないかどうか(射幸性が高い状態に制御されていないかどうか)の判断に役立てることができる。
【0029】
また、7セグ表示部30は、所定の条件の成立に基づいて、第1表示部31と第2表示部32における表示態様を通常とは異なる表示態様で表示する。
第1表示部31に表示される識別情報と第2表示部32に表示される比率情報は、通常は「点灯」の表示態様(以下、点灯態様)で表示される。一方、第1表示部31に表示される識別情報は、識別情報に対応する比率情報(比率)が収束するのに十分なデータ量が集計されていない場合には、通常(点灯態様)とは異なる「点滅」の表示態様(以下、点滅態様)で表示されるようになっている。
また、第2表示部32に表示される比率情報は、前述したような不正行為等により、算出された比率が異常な値となる場合には、通常(点灯態様)とは異なる点滅態様で表示されるようになっている。
【0030】
具体的には、第1表示部31に表示される識別情報は、スロットマシン1が遊技場に設置されてから現時点までの間の総累計遊技回数(以下、現在の遊技回数という)が、閾値(第1閾値)に満たない場合に、点滅態様で表示される。
第1閾値には、例えば、「6000回」を閾値とする第1閾値A、「17500回」を閾値とする第1閾値B、「175000回」を閾値とする第1閾値Cが設定されている。なお、第1閾値の値は、これに限らず、任意の数値を設定可能であり、遊技場の従業員等により予め設定してもよい。
【0031】
例えば、図7に示すように、現在の遊技回数が第1閾値C(175000)未満の場合には、表示データ(1)を示す識別情報(「U1」)を点滅態様で表示させ、第1閾値C(175000)以上の場合には、点灯態様で表示させる。
また、現在の遊技回数が第1閾値A(6000)未満の場合には、表示データ(2)を示す識別情報(「Y2」)、表示データ(3)を示す識別情報(「Y3」)を点滅態様で表示させ、第1閾値A(6000)以上の場合には、点灯態様で表示させる。
また、現在の遊技回数が第1閾値B(17500)未満の場合には、表示データ(4)を示す識別情報(「A4」)、表示データ(5)を示す識別情報(「A5」)を点滅態様で表示させ、第1閾値B(17500)以上の場合には、点灯態様で表示させる。
このように、第1表示部31の識別情報が、通常とは異なる点滅態様で表示されている場合には、対応して第2表示部32に表示されている比率情報(比率)に偏りが生じている可能性を従業員等は把握することができる。
【0032】
また、第2表示部32に表示される比率情報は、閾値(第2閾値)に到達している場合には、点滅態様で表示される。
第2閾値には、表示データ(1)〜(5)の各比率が、スロットマシン1の仕様に基づいて適正な値となる上限値が設定されている。例えば、表示データ(1)、(3)、(5)の比率に対して「70」が設定されており、表示データ(2)、(4)の比率に対して「60」が設定されている。なお、第2閾値の値は、これに限らず、任意の数値を設定可能であり、従業員等により予め設定してもよい。
【0033】
例えば、図8に示すように、表示データ(1)、(3)、(5)の比率が、第2閾値(70)に到達している場合には、該当する表示データの比率を点滅態様で表示させ、第2閾値(70)未満の場合には、点灯態様で表示させる。
また、表示データ(2)、(4)の比率が、第2閾値(60)に到達している場合には、該当する表示データの比率を点滅態様で表示させ、第2閾値(60)未満の場合には、点灯態様で表示させる。
このように、第2表示部32の比率情報が、通常とは異なる点滅態様で表示されている場合には、表示データ(1)〜(5)の比率が異常な値であることを従業員等は直感的に把握することができ、不正行為が行われた可能性があることを認識することができる。
【0034】
このように、7セグ表示部30は、現在の遊技回数が、予め定められた第1閾値に満たない場合には(第1の条件)、第1表示部31に表示される識別情報を通常の点灯態様(第1の表示態様)とは異なる点滅態様(第2の表示態様)で表示する。
また、算出された各比率が、予め定められた第2閾値に到達している場合(第2の条件)には、第2表示部32に表示される比率情報を通常の点灯態様(第1の表示態様)とは異なる点滅態様(第2の表示態様)で表示する。
【0035】
そして、第1表示部31に表示される識別情報と第2表示部32に表示される比率情報の双方の表示態様に基づいて、従業員等は、スロットマシン1に対して不正行為等が行われていないかどうかの判断に役立てることができる。
具体的に、表示データ(4)における表示態様を例に挙げて、図9を参照して説明する。
スロットマシン1における総累計遊技回数(現在の遊技回数)が、17500ゲームに満たない期間では、表示データ(4)を示す識別情報が第1表示部31において点滅態様で表示される。
そして、この期間に、連続して大当りが発生したこと等によって、表示データ(4)の比率が60%に到達した場合には、表示データ(4)を示す比率が第2表示部32において点滅態様で表示され、比率が60%未満になるまで維持される(図9中のA)。
このような場合、従業員等は、第1表示部31の識別情報が点滅態様で表示されているため、第2表示部32に表示されている比率が十分なデータ量(17500ゲーム分のデータ量)に基づいて集計されていないことから、表示されている比率に偏りが生じている可能性があると把握することができる。
【0036】
一方、スロットマシン1における総累計遊技回数(現在の遊技回数)が、17500ゲームに到達した以降の期間では、表示データ(4)を示す識別情報が第1表示部31において点灯態様で表示される。
そして、この期間に、表示データ(4)の比率が60%に到達した場合には、表示データ(4)を示す比率が第2表示部32において点滅態様で表示され、比率が60%未満になるまで維持される(図9中のB)。
このような場合、従業員等は、第1表示部31の識別情報が点灯態様で表示されているため、第2表示部32に表示されている比率が、不正行為等が行われたことにより異常な値が算出されている可能性があることを認識することができる。
【0037】
[7セグ表示部における表示態様の制御]
以上のような7セグ表示部30(第1表示部31、第2表示部32)における表示態様を点灯態様と点滅態様に切り替える制御を行うために、本実施形態におけるスロットマシン1は、以下に示すような特徴的な処理を行う。
【0038】
[表示態様判定処理]
図14は、主制御部10が行う表示態様判定処理を示すフローチャートである。
表示態様判定処理は、例えば、第1表示部31と第2表示部32の表示を行うタイミングで実行され、第1表示部31と第2表示部32の表示態様を決定するための判定処理を行う。
【0039】
(第1表示部31における表示態様の判定処理)
まず、第1表示部31の表示態様を決定するための判定方法について説明する。
主制御部10は、判定の対象となる遊技に関する数値情報を「判定値」としてセットする(S1)。具体的には、スロットマシン1の現在の遊技回数を判定値としてセットする。
このとき、主制御部10は、本発明に係る置換手段として動作することにより、判定値としてセットした現在の遊技回数(第1数値情報)を異なる数値(第1判定用数値)に置換する。
第1判定用数値は、遊技回数の大きさに基づいて段階的に設定されており、例えば、図10に示すように、現在の遊技回数(0〜5999)に対応して「255」、現在の遊技回数(6000〜17499)に対応して「254」、現在の遊技回数(17500〜174999)に対応して「253」、現在の遊技回数(175000〜)に対応して「252」が設定されている。
このような現在の遊技回数と第1判定用数値との関連付けに基づいて、現在の遊技回数を第1判定用数値に置き換えて、第1判定用数値を判定値として適用するようになっている。
【0040】
次いで、主制御部10は、本発明に係る条件判定手段として動作することにより、判定値が閾値(第1閾値)に到達しているか否かの判定を行う(S2)。
このとき、主制御部10は、本発明に係る置換手段として動作することにより、第1閾値を異なる数値(第2判定用数値)に置換する。
第2判定用数値は、遊技回数の大きさに基づいて段階的に設定されており、例えば、図11に示すように、第1閾値A(6000)に対応して「255」、第1閾値B(17500)に対応して「254」、第1閾値C(175000)に対応して「253」が設定されている。
このような第1閾値と第2判定用数値との関連付けに基づいて、第1閾値を第2判定用数値に置き換えて、第2判定用数値を閾値として適用するようになっている。
【0041】
すなわち、S2において、主制御部10は、第1判定用数値(判定値)が第2判定用数値(閾値)に到達しているか否かを判定する。
判定の結果、第1判定用数値が、第2判定用数値に到達している場合には(S2:Yes)、主制御部10は、第1表示部31に表示される識別情報を点滅態様で表示させるための情報をセットする(S3)。例えば、第1表示部31の表示態様を管理するための「点滅フラグ」に点滅態様を示す「1」を記憶(セット)する(図15参照)。
一方、第1判定用数値が、第2判定用数値に満たない場合には(S2:No)、主制御部10は、第1表示部31に表示される識別情報を点灯態様で表示させるための情報をセットする(S4)。例えば、「点滅フラグ」に点灯態様を示す「0」を記憶(セット)する(図15参照)。
これにより、主制御部10は、本発明に係る表示制御手段として動作することで、「点滅フラグ」に記憶されている値に基づいて、第1表示部31における表示態様を点灯態様と点滅態様に切り替えて制御する。
【0042】
次に、表示態様判定処理において、表示データ(1)〜(5)の第1表示部31における表示態様の判定について説明する。
まず、スロットマシン1の現在の遊技回数を、図10に示す関連付けに基づいて第1判定用数値に置換し、当該第1判定用数値を判定値としてセットする。
次いで、判定値が、表示データ(1)〜(5)に対応付けされている閾値(第1閾値)に到達しているか否かを判定する。
第1閾値は、前述したように、表示データ(1)に対応して第1閾値C(175000)、表示データ(2)、(3)に対応して第1閾値A(6000)、表示データ(4)、(5)に対応して第1閾値B(17500)が設定されており、図11に示す第1閾値と第2判定用数値との関連付けに基づいて、表示データ(1)の場合は第2判定用数値として「253」、表示データ(2)、(3)の場合は第2判定用数値として「255」、表示データ(4)、(5)の場合は第2判定用数値として「254」に置換されて、第2判定用数値が閾値として適用される(図12参照)。
【0043】
これにより、例えば、現在の遊技回数が0〜5999の場合(第1判定用数値が255の場合)には、図12(a)に示すように、表示データ(1)については、第1判定用数値(255)が第2判定用数値(253)に到達しているため「点滅態様」として判定する。
また、表示データ(2)、(3)については、第1判定用数値(255)が第2判定用数値(255)に到達しているため「点滅態様」として判定する。
また、表示データ(4)、(5)については、第1判定用数値(255)が第2判定用数値(254)に到達しているため「点滅態様」として判定する。
【0044】
同様に、遊技回数が6000〜17499の場合(第1判定用数値が254の場合)には、図12(b)に示すように、表示データ(1)、(4)、(5)については、第1判定用数値(254)が第2判定用数値に到達しているため「点滅態様」として判定する。
また、表示データ(2)、(3)については、第1判定用数値(254)が各第2判定用数値に到達していないため「点灯態様」として判定する。
【0045】
遊技回数が17500〜174999の場合(第1判定用数値が253の場合)には、図12(c)に示すように、表示データ(1)については、第1判定用数値(253)が第2判定用数値に到達しているため「点滅態様」として判定する。
また、表示データ(2)〜(5)については、第1判定用数値(253)が第2判定用数値に到達していないため「点灯態様」として判定する。
また、遊技回数が175000〜の場合(第1判定用数値が252の場合)には、図12(d)に示すように、表示データ(1)〜(5)については、第1判定用数値(252)が第2判定用数値に到達していないため「点灯態様」として判定する。
【0046】
このように、第1表示部31の表示態様を変更可能な条件は、スロットマシン1の現在の遊技回数が、第1閾値に満たない場合に成立する条件(第1の条件)ではあるものの、現在の遊技回数を置換した第1判定用数値と、第1閾値を置換した第2判定用数値を用いて、第1判定用数値が第2判定用数値に到達している場合(特定条件)には、第1表示部31の表示態様を変更するようになっている。
すなわち、「判定値<閾値」による判定条件(第1の条件)から「判定値>=閾値」による判定条件(特定条件)に代えて、第1表示部31の表示態様を制御するようになっている。
【0047】
また、第1判定用数値と第2判定用数値は、メインROM等に予め記憶(設定)されているものではなく、スロットマシン1の電源投入時に、所定のプログラムの実行によって算出し、設定されるようになっている。
具体的には、電源投入時に所定のプログラムが実行されると、まず、第1判定用数値として、例えば「255」が、遊技回数「0〜5999」に対して関連付けられる。次いで、「255」から1減算した「254」が、遊技回数「6000〜17499」に対して関連付けられ、「254」から1減算した「253」が、遊技回数「17500〜174999」に対して関連付けられ、「253」から1減算した「252」が、遊技回数「175000〜」に対して関連付けられることで、第1判定用数値を遊技回数に基づいて段階的に設定する(図10参照)。
【0048】
また、第2判定用数値も同様に、電源投入時に所定のプログラムが実行されると、例えば「255」が、第1閾値Aに対して関連付けられる。次いで、「255」から1減算した「254」が第1閾値Bに対して関連付けられ、「254」から1減算した「253」が第1閾値Cに対して関連付けられることで、第2判定用数値を遊技回数に基づいて段階的に設定する(図11参照)。
このように、第1判定用数値と第2判定用数値を電源投入時に算出するため、予めメインROM等に記憶する必要がなく、メインROM等の記憶容量を削減することができる。
【0049】
なお、本実施形態では、第1判定用数値と第2判定用数値は、段階幅が「1」となるように設定しているが、これ限らず、段階幅を2以上に設定してもよい。
また、第1判定用数値と第2判定用数値は、図10、11に示すように、遊技回数の小さい方から順に1減算する場合で説明したが、これに限らず、遊技回数の大きい方から順に1減算するように設定してもよい。
例えば、第1判定用数値としては、遊技回数「175000〜」に対して「255」、遊技回数「17500〜174999」に対して「254」、遊技回数「6000〜17499」に対して「253」、遊技回数「0〜5999」に対して「252」のように設定してもよい。
また、第2判定用数値も同様に、第1閾値C(175000)に対して「255」、第1閾値B(17500)に対して「254」、第1閾値A(6000)に対して「253」のように設定してもよい。
この場合、S2における判定の条件を「判定値<閾値」とすることで、前述の表示態様判定処理と同様に処理することができる。
【0050】
(第2表示部32における表示態様の判定処理)
次に、第2表示部32の表示態様を決定するための判定方法について説明する。
主制御部10は、判定の対象となる遊技に関する数値情報を「判定値」としてセットする(S1)。具体的には、算出した比率を判定値としてセットする。
次いで、主制御部10は、本発明に係る条件判定手段として動作することにより、判定値(第2数値情報)が閾値(第2閾値)に到達しているか否かの判定を行う(S2)。
判定の結果、判定値が第2閾値に到達している場合には(S2:Yes)、第2表示部32に表示される比率情報を点滅態様で表示させるための情報をセットする(S3)。例えば、第2表示部32の表示態様を管理するための「点滅フラグ」に点滅態様を示す「1」をセットする(図15参照)。
一方、判定値が第2閾値に満たない場合には(S2:No)、主制御部10は、第2表示部32に表示される識別情報を点灯態様で表示させるための情報をセットする(S4)。例えば、「点滅フラグ」に点灯態様を示す「0」をセットする(図15参照)。
これにより、主制御部10は、本発明に係る表示制御手段として動作することで、「点滅フラグ」に記憶されている値に基づいて、第2表示部32における表示態様を点灯態様と点滅態様に切り替えて制御する。
【0051】
次に、表示態様判定処理において、表示データ(1)〜(5)の第2表示部32における表示態様の判定について説明する。
まず、表示データ(1)〜(5)の各比率を判定値としてセットする。
次いで、判定値が、表示データ(1)〜(5)に対応付けされている各閾値(第2閾値)に到達しているか否かを判定する。
第2閾値は、前述したように、例えば、表示データ(1)、(3)、(5)に対応して「70」、表示データ(2)、(4)に対応して「60」が設定されている。
【0052】
図13に示すように、例えば、表示データ(1)の比率が「71」、表示データ(2)の比率が「80」、表示データ(3)の比率が「70」、表示データ(4)の比率が「59」、表示データ(5)の比率を「69」とした場合、表示データ(1)〜(3)については、比率が第2閾値に到達しているため「点滅態様」として判定する。
また、表示データ(4)、(5)については、比率が第2閾値に満たないため「点灯態様」として判定する。
【0053】
このように、本実施形態における表示態様判定処理では、第1表示部31の表示態様を変更するための条件(第1の条件)と、第2表示部32の表示態様を変更するための条件(第2の条件)が異なる場合でも、それぞれの条件の成立を共通の条件(特定条件)の成立に基づいて判定することで、第1表示部31の表示態様と第2表示部32の表示態様を判定することができる。
一方、図16に示すように、第1表示部31の表示態様を変更するための条件(判定値<閾値、S13)と、第2表示部32の表示態様を変更するための条件(判定値>=閾値、S16)の双方を用いて、第1表示部31と第2表示部32の表示態様の判定を行う場合には、判定対象の表示部を選択するための条件分岐処理(S12)、第1表示部31における表示態様の判定処理(S13〜S15)及び第2表示部32における表示態様の判定処理(S16〜S18)がそれぞれ必要となる。
そのため、本実施形態における表示態様判定処理と比較すると、プログラムが複雑(冗長)になるとともに、容量制限が課されているメインROM等のプログラム用領域の容量の削減を実現できないことになる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、7セグ表示部30において、第1表示部31に表示される情報(第1情報)の表示態様を変更するための条件と、第2表示部32に表示される情報(第2情報)の表示態様を変更するための条件が異なる場合でも、それぞれの条件の成立を共通の条件に基づいて判定することで、第1情報の表示態様と第2情報の表示態様を変更するようになっている。
これにより、第1情報の表示態様を変更するためのプログラムと、第2情報の表示態様を変更するためのプログラムのそれぞれが不要となり、プログラムが複雑化(冗長化)することを抑制することができ、7セグ表示部30の表示態様を制御するためのプログラムを簡単に構築することができる。
また、プログラムを簡単に構築することで、例えば、容量制限が課されているプログラム用領域の容量を削減することができるとともに、処理速度の向上を実現することができる。
一方、特許文献1には、複数の電飾装置において表示態様(点灯と点滅)を制御する遊技台が開示されているが、この遊技台では、例えば、各電飾装置における点灯と点滅を制御するための条件が異なる場合には、点灯と点滅のそれぞれを制御するためのプログラムを用意する必要があり、プログラム用領域の容量を削減することを実現するものではなかった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0055】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、第1表示部31と第2表示部32の表示態様として、第1表示態様を点灯態様、第2表示態様を点滅態様として説明したが、これに限らず、表示色や表示濃度等によって表示態様を変更してもよい。例えば、第1の表示態様として赤色、第2の表示態様として黄色で表示するようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態の7セグ表示部30は、主基板10aの部品搭載面に限らず、副基板20aの部品搭載面やその他の箇所に配置してもよい。また、従来から設けられている、貯留数表示部12や払出数表示部13を用いて、例えば、貯留数表示部12に識別情報を表示し、払出数表示部13に比率情報を表示する構成としてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、表示制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行うように説明したが、これに限らず、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
【0058】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【0059】
また、本実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリールを用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器8にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 スロットマシン
5 停止ボタン
10 主制御部(表示制御手段、条件判定手段、置換手段)
20 副制御部
30 7セグ表示部(表示手段)
31 第1表示部
32 第2表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16