(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1)実施形態の樹脂製パネル
図1に、実施形態の樹脂製パネル100の斜視図及びその一部の拡大破断図を示す。
図1に示すように、実施形態に係る樹脂製パネル100の外形は、おもて面および裏面をそれぞれ構成する熱可塑性樹脂の樹脂シートである表皮材シートSA,SBによって、発泡構造体1を両側から挟み込むようにしたサンドイッチ構造となっている。
図1に示すように、実施形態の樹脂製パネル100には、平坦部分から隆起する左右一対の隆起部125L,125Rが形成されている。
【0018】
実施形態の樹脂製パネル100において、表皮材シートSA,SBは、その樹脂材料を限定せず、発泡樹脂でもよいし、非発泡樹脂でもよいが、樹脂製パネル100の剛性を確保するために非発泡樹脂から形成されることが好ましい。例えば、成形性を考慮して、表皮材シートSA,SBは、主材料であるポリプロピレン(PP)にポリスチレン(PS)とスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)を混合させてもよい。
表皮材シートSA,SB及び発泡体2は、剛性及び強度を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラスなどが挙げられる。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられる。
なお、ガラスフィラーに限らず、剛性を上げるためのタルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
【0019】
(2)実施形態の発泡構造体
次に、
図2〜10を参照して実施形態の発泡構造体1について説明する。
図2の(a)は、実施形態の発泡構造体1の主要部である発泡体2のおもて側から見た斜視図であり、
図2の(b)は発泡体2の裏側から見た斜視図である。
図3は、発泡体2に組み込まれる補強材3の斜視図である。
図4は、発泡体2の平面図である。
図5は、
図4に示す発泡体2のCL部を拡大して示す図である。
図6は、
図4の矢視Aから見た矢視図である。
図7〜10は、それぞれ、
図4に示すB−B、C−C、D−D、E−Eの断面図である。
【0020】
先ず
図2の(a)を参照すると、発泡構造体1は、発泡体2と、発泡体2に対して局部的に装着されて剛性および強度を確保するための補強材3と、を有する。
発泡構造体1の全体形状は、
図1に示した樹脂製パネル100から表皮材シートSA,SBを取り除いたものであるため、
図1の樹脂製パネル100の全体形状と同様の形状となっている。すなわち、発泡構造体1は、平坦面であるおもて面2Tおよび裏面2Bを有する平坦部23と、おもて面2Tから隆起している左右一対の隆起部25L,25R(以下、総称して、あるいは個々に「隆起部25」ともいう。)と、を備える。
発泡体2の平坦部23の厚さは、樹脂製パネル100としての目標厚さ、さらには、樹脂製パネル100の目標となる剛性および強度を確保するために適宜決定され、特に限定されるものではない。
【0021】
発泡体2は例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。その樹脂材料は限定しないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のアクリル誘導体のいずれか、又は2種類以上の混合物を含む。発泡体2は発泡構造体1の体積に占める割合が大きいため、軽量化のために発泡剤を用いて発泡させた発泡樹脂で構成されている。発泡体2となる発泡樹脂の発泡倍率は、例えば10〜60倍の範囲であり、代表的には30倍である。なお、発泡倍率とは、発泡前の混合樹脂の密度を、発泡後の発泡樹脂の見かけ密度で割った値である。
【0022】
発泡構造体1では、補強材3が発泡体2の収容部20に装着されている。
図3に示すように、補強材3は、互いに対向しつつ直線状に延伸する第1板31および第2板32と、第1板31および第2板32を連結する連結板33と、を含む。
図3に示す例では、補強材3の断面がH型形状となっている。補強材3が発泡体2に装着された状態では、補強材3の第1板31および第2板32のうち、連結板33が接続されている面とは反対側の面が、それぞれ、発泡体2のおもて面2Tおよび裏面2Bの一部を構成する。
第1板31の両端には第2板32に向かって突出する突起311が設けられており、第2板32の両端には第1板31に向かって突出する突起321が設けられている。
補強材3の材料は特に限定するものではないが、樹脂製パネル100の強度を確保するために、好ましくはアルミニウムなどの金属製あるいは硬質のプラスチック製である。補強材3は、例えば押出成形によって成形される。
【0023】
図2および
図4に示すように、発泡体2は、補強材3を収容するための直線状の収容部20と、収容部20を挟んで形成された第1発泡部21および第2発泡部22と、を有する。
図4および
図6に示すように、収容部20は、発泡体2の左側の第1側面24Lに設けられた第1開口200Lと右側の第2側面24Rに設けられた第2開口200Rに亘って形成されている。第1開口200Lおよび第2開口200R(以下、総称して、あるいは個々に「開口200」ともいう。)は、補強材3を第1側面24Lまたは第2側面24Rから収容部20内に挿入するために設けられている。
【0024】
図2(a)に示すように、本実施形態の例では、直線状の収容部20の両端付近に一対の隆起部25L,25Rが形成されている。言い換えれば、発泡体2の平面視において、収容部20と隆起部25L,25Rが重なった状態となっている。隆起部25L,25Rは、樹脂製パネル100の隆起部125L,125Rにそれぞれ対応して形成されている。
【0025】
図4に示すように、補強材3を収容するための収容部20は、対称構造となっている。
収容部20の中央部分には、発泡体2のおもて面2Tおよび裏面2Bと直交する方向の補強材3の移動を規制するための突出部201,202が形成されている。突出部201,202の間には、発泡体2のおもて面2Tと裏面2Bを貫通する貫通口205が設けられている。突出部201,202の長手方向の両端の第1側面24L側および第2側面24R側には(つまり、突出部201,202の一端および他端に隣接して)、それぞれ、貫通口206Lおよび貫通口206R(以下、総称して、あるいは個々に「貫通口206」ともいう。)が設けられている。収容部20の両端近傍には、連結部203L,203R(以下、総称して、あるいは個々に「連結部203」ともいう。)および突起204L,204R(以下、総称して、あるいは個々に「突起204」ともいう。)が形成されている。
【0026】
図6および
図9に示すように、第1発泡部21と第2発泡部22を連結しない部位(すなわち、
図4の収容部20の長手方向で貫通口206L,205,206Rが設けられている部位)において、第1発泡部21から第2発泡部22に向けて突出部201が突出しており、第2発泡部22から第1発泡部21に向けて突出部202が突出している。突出部201と突出部202は、貫通口205を挟んで対向している。
図9に示すように、貫通口205は、補強材3が収容部20に挿入されたときに補強材3の連結板33が配置される。
【0027】
図9に示すように、収容部20の突出部201,202の厚さは第1発泡部21,第2発泡部22の厚さより小さく、それによって、おもて面2T側および裏面2B側には、貫通口205を挟んでそれぞれ溝g1および溝g2が形成されている。おもて面2T側の溝g1および裏面2B側の溝g2は、それぞれ、補強材3の第1板31および第2板32が配置される溝である。好ましくは、おもて面2T側の溝g1の幅および裏面2B側の溝g2の幅は、それぞれ補強材3の第1板31の幅および第2板32の幅と等しいか、またはそれより僅かに広くなっており、それによって補強材3が発泡体2に装着されたときの補強材3の幅方向の移動が規制される。
おもて面2T側の溝g1の深さは補強材3の第1板31の突起311を含めた厚みに等しく、裏面2B側の溝g2の深さは補強材3の第2板32の突起312を含めた厚みに等しいことが好ましい。それによって、補強材3が収容部20に収容されたときに第1発泡部21、収容部20、および、第2発泡部22がおもて面2T側および裏面2B側において同一平面となるため、樹脂製パネル100が完成したときの外観が良好となる。
【0028】
図9に示したように、補強材3が収容部20に収容された状態では、突出部201および突出部202は、発泡体2の厚み方向において補強材3の第1板31および第2板32の間に介在している状態となる。そのため、補強材3が発泡体2に装着された後に、発泡体2のおもて面2Tおよび裏面2Bと直交する方向の補強材3の移動が、突出部201,202によって規制され、当該方向に補強材3が脱落することはない。
【0029】
なお、補強材3が収容部20に収容された状態では、補強材3の第1板31の突起311の先端と第2板32の突起312の先端が突出部201および突出部202のそれぞれの表面に当接する。そのため、第1板31の本体(突起311以外の部分)および第2板32の本体(突起321以外の部分)と、突出部201および突出部202のそれぞれの表面との間には、間隙が形成される。
【0030】
図5、
図6および
図10に示すように、収容部20には、第1側面24Lおよび第2側面24Rにおいて、補強材3が収容部20に収容された後に補強材3の長手方向の移動を規制するための突起204が設けられている。すなわち、
図10に示すように、補強材3が収容部20に収容された状態では、補強材3の第2板32が突起204に当接し、それによって補強材3の外側(
図10の右側)への移動が規制される。
本実施形態の例では、突起204は、開口200の開口の近傍に形成されている。
【0031】
図5、
図7および
図10に示すように、収容部20は、第1発泡部21と第2発泡部22を連結する連結部203を有している。連結部203は、補強材3を挟んで第1発泡部21と第2発泡部22を別体にせず、補強材3が収容部20に収容される前後で発泡体2の一体構造を維持するために設けられている。収容部20に連結部203が形成されているため、発泡体2に補強材3が収容される前後で、補強材3を境にして第1発泡部21と第2発泡部22の位置のずれが生じることがなく、発泡体2の寸法精度が高い。
【0032】
本実施形態の発泡体2では、発泡体2の平面視において、収容部20と隆起部25が重なっているため、
図10に示すように、連結部203と隆起部25は一体構造となっている。連結部203は、収容部20の長手方向の両端近傍(すなわち、開口200の近傍)に形成されて補強材3の第2板32の両端を支持することで、安定的に補強材3を収容部20に収容させることができる。つまり、
図10において、補強材3を突出部201,202および連結部203で(収容部20の長手方向の異なる位置で)補強材3を、
図10の上方向および下方向の両方で支持することになるため、補強材3が収容部20に収容された後に安定的に補強材3を支持することができる。
【0033】
図5および
図8に示すように、収容部20には、突出部201,202の長手方向の一端に隣接して、発泡体2のおもて面2Tと裏面2Bとを貫通する貫通口206が形成されている。本実施形態の収容部20の例では、突出部201,202の長手方向の両端と連結部203との間に貫通口206が形成されている。貫通口206を突出部201,202の長手方向の一端に隣接して設けることで、後述するように、第1開口200Lまたは第2開口200Rからの補強材3の突出部201,202への挿入が容易になる。
【0034】
(3)発泡体の成形方法
次に、本実施形態の発泡体2の成形方法について、
図11Aおよび
図11Bを参照して説明する。
図11Aおよび
図11Bはそれぞれ、実施形態の発泡体2を成形する工程を説明する図である。
発泡体2は、
図11A及び
図11Bに示す成形装置50を使用してビーズ法型内発泡成形法によって成形される。
図11Aの段階S10に示すように、成形装置50には対向して配置される型51,52が設けられる。型51,52はそれぞれ、空室53,54の一部を構成している。空室53,54には、冷却管41,42が配設されている。
【0035】
図11Aにおいて、段階S10に示す状態から型51,52を閉じると、段階S11に示すように型51,52による密閉空間50aが形成される。型51,52が閉じられた状態で、フィーダ43,44を通して発泡ビーズを充填する。充填される発泡ビーズの量は、例えば密閉空間50aの容積の105〜110%である。次に、
図11Bの段階S12に示すように、蒸気注入口55,56より、空室53,54に蒸気(例えば蒸気圧3.0〜3.5kgf/cm
2 )を、例えば10〜30秒間注入する。蒸気は型に形成された細孔から発泡ビーズ内の気泡、個々間の空隙に入り込み、ビーズ相互を融着させる。その後、
図11Bの段階S13に示すように、冷却水注入口57,58から冷却水を冷却管41,42に注入し、型51,52に噴霧して型51,52および発泡体2を冷して発泡体2を固化させる。次いで、
図11Bの段階S14に示すように型を開けて発泡体2を取り出す。発泡体2はその後、例えば50〜70°Cの部屋に12〜24時間置いて養生させることで硬化を促進させ、ヒケ、変形を防止する。
【0036】
なお、
図4および
図5に示したように、収容部20の長手方向において、突出部201,202と連結部203の間に貫通口206を設けているのは、型51,52の開閉を可能とするためでもある。仮に、突出部201,202を
図4,
図5に示した状態よりも外側に延伸させて発泡体2の平面視で突出部201,202の一部が連結部203と重なった場合には、その突出部201,202の一部がアンダーカットとなり、型の開閉(型の開閉方向は、
図4において紙面に直交する方向)ができなくなる。
【0037】
(4)発泡構造体の組み立て方法
次に、本実施形態の発泡構造体1の組み立て方法について、
図12Aおよび
図12Bを参照して説明する。
図12Aおよび
図12Bは、それぞれ、本実施形態の発泡体2に補強材3を装着(挿入)することで発泡構造体1を組み立てる手順を説明する図である。
図12Aに示すように、補強材3が装着されていない発泡体2(段階S1)に対して、第1側面24Lの第1開口200Lまたは第2側面24Rの第2開口200Rから、補強材3の先端が斜め下方となるようにして突出部201,202の端部に向けて補強材3を挿入する(段階S2)。
【0038】
前述したように、突出部201,202の長手方向の一端に隣接して、発泡体2のおもて面2Tと裏面2Bとを貫通する貫通口206が形成されているため、段階S2において補強材3の先端を貫通口206に入り込ませ、補強材3の第1板31および第2板32をそれぞれ、突出部201,202によって形成されるおもて面2T側の溝g1(
図9参照)および裏面2B側の溝g2(
図9参照)に円滑に導入させることができる。補強材3の第1板31および第2板32をそれぞれ溝g1および溝g2に導入した後は、補強材3を挿入方向にさらに押し込む。このとき、前述したように、補強材3の第1板31の本体(突起311以外の部分)および第2板32の本体(突起321以外の部分)と、突出部201および突出部202のそれぞれの表面との間には、間隙が形成されているため、挿入抵抗が小さく、比較的小さい押し込み力で補強材3を収容部20内に押し込むことができる。
最終的に、補強材3の先端が突起204に当接し、
図12Bの段階S3に示すように、補強材3の両端が、収容部20の両端にある突起204間にセットされ、補強材3が収容部20に収容される。
なお、収容部20の長手方向における貫通口206の長さは、補強材3の挿入容易性の観点から適宜設定してもよい。
【0039】
(5)樹脂製パネルの成形方法
次に、
図13および
図14を参照して、実施形態の樹脂製パネル100を、金型を用いて成形する装置および方法について説明する。
【0040】
図13を参照すると、型締装置70は、押出装置(図示せず)から鉛直下方に押し出された溶融樹脂シートP,Pに対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させられる一対の分割金型71A,71Bを有する。一対の分割金型71A,71Bは、各々に対応する形成面72A,72Bを対向させた状態で配置される。形成面72Aは、発泡体2のおもて面2Tに対応した形状となっている。
【0041】
一対の分割金型71A,71Bの各々において、各々に対応する形成面72A,72Bの上下端近傍には、ピンチオフ部74A,74Bが形成されている。このピンチオフ部74A,74Bはそれぞれ、形成面72A,72Bのまわりに環状に形成され、対向する分割金型71B,71Aに向かって突出する。これにより、一対の分割金型71A,71Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部74A,74Bの先端部が当接し、溶融樹脂シートP,Pの周縁にパーティングラインPLが形成されるようになっている。
【0042】
一対の分割金型71A,71Bには、形成面72A,72Bの周囲において、形成面72A,72Bから突出可能に摺動部75A,75Bが設けられている。摺動部75A,75Bは、形成面72A,72Bから突出した状態において、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させ、それによって溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間を形成するために設けられている。
【0043】
一対の分割金型71A,71Bには、真空チャンバ(図示せず)が内蔵されている。真空チャンバは、真空ポンプおよび真空タンク(いずれも図示せず)と接続されている。真空チャンバと形成面72A,72Bの間には、真空吸引のための連通路(図示せず)が設けられている。
【0044】
一対の分割金型71A,71Bは、金型駆動装置(図示せず)によって、開位置と閉位置の間を移動可能となるように駆動される。開位置では、一対の分割金型71A,71Bの間に、2枚の連続した溶融樹脂シートP,Pが、互いに間隔を隔てて配置可能となっている。2枚の溶融樹脂シートP,Pは、成形後に、樹脂製パネル100における表皮材シートSA,SBとなる。閉位置では、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bが当接する。
【0045】
次に、樹脂製パネル100の成形方法について説明する。
先ず、
図13に示したように、押出装置から溶融樹脂シートP,Pが鉛直下方に押し出され、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bの間に供給される。この時点で、一対の分割金型71A,71Bは開位置にある。
【0046】
次に、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bを突出させて、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させる。これにより、溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間が形成される。そして、真空チャンバと形成面72A,72Bの間に設けられた連通路によって、密閉空間内の空気を吸引する。この吸引により、2枚の溶融樹脂シートP,Pがそれぞれ、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図14に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、樹脂製パネル100の略外形に賦形(形成)される。
【0047】
次に、マニピュレータ(図示せず)を用いて一対の分割金型71A,71Bの間で発泡構造体1を位置決めし、
図14に示すように、側方より一方の分割金型(
図14では、分割金型71B)に押し付けるようにして挿入する。これにより、発泡構造体1が一方の溶融樹脂シートPに溶着される。
【0048】
その後、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の溶融樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた発泡構造体1は、他方の溶融樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の溶融樹脂シートP,Pの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。
【0049】
最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル100を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。以上で、表皮材シートSA、発泡構造体1、樹脂シートSBが積層された樹脂製パネル100が完成する。
【0050】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の発泡構造体および樹脂製パネルは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0051】
以下、上述した実施形態の変形例について述べる。
【0052】
(変形例1)
上述した実施形態では、収容部20の両端に第1側面24Lの第1開口200L、および、第2側面24Rの第2開口200Rが形成されている場合について説明したが、この限りではない。第1開口200Lまたは第2開口200Rのいずれか一方が形成されていれば、補強材3の収容部20に対する挿入が容易となる。
また、収容部20の両端が開口していなくもよい。例えば、突出部201,202の一端に隣接する貫通口206L,206Rのいずれか一方において、収容部20の長手方向の開口量を長くとることで、貫通口206L,206Rのいずれか一方から補強材3を突出部201,202に挿入することができる。
【0053】
(変形例2)
上述した実施形態では、連結部203と突起204が一体構造となっている例を説明したが、この限りではない。連結部203と突起204は別体であってもよい。例えば、
図5の平面図において、連結部203と突起204の間に、おもて面2Tと裏面2Bを貫通する貫通口が形成されていてもよい。
なお、上述した実施形態のように、連結部203と突起204を一体構造とすることで、補強材3の端面を第1発泡部21および第2発泡部22の両方で支持する構成となるため、安定的に補強材3を収容させることができる。
【0054】
(変形例3)
上述した実施形態では、突起204L,204Rがそれぞれ第1開口200L,第2開口200Rの近傍に形成されている場合について説明したが、この限りではない。突起204L,204Rの少なくとも一方は、収容部20の長手方向において、
図5に示した位置より内側(つまり、突出部201,202側)に設けてもよい。その場合、補強材3の第2板32が突起204Lおよび/または突起204Rに当接するように、補強材3の長手方向の長さが設定される。
【0055】
(変形例4)
上述した実施形態では、断面がH型形状となっている補強材3を発泡体に装着する場合について説明したが、補強材の形状はその限りではない。
図15に、実施形態の変形例に係る発泡体2Aを示す。
図15において、上側の図は
図5に相当する平面図を示し、下側の図は上側の図のF−Fの断面図を示している。
図15において、変形例に係る補強材3Aは、互いに対向しつつ直線状に延伸する第1板31Aおよび第2板32Aが連結板33Aによって連結され、その断面がコの字状(あるいはUの字状)をなしている。
図15に示すように、第1発泡部21と第2発泡部22を連結しない部位(すなわち、
図15の突出部201Aの長手方向で貫通口205A,206が設けられている部位)において、第1発泡部21から第2発泡部22に向けて突出部201Aが突出している。この変形例では、第2発泡部22から第1発泡部21に向けて突出する突出部は存在しない。
【0056】
図15に示すように、突出部201Aの厚さは第1発泡部21の厚さより小さく、それによって、おもて面2T側および裏面2B側には溝g1Aおよび溝g2Aが形成されている。おもて面2T側の溝g1Aおよび裏面2B側の溝g2Aには、それぞれ、補強材3Aの第1板31Aおよび第2板32Aが配置される。
このような構成によっても、補強材3Aが発泡体2Aに収容された状態では、突出部201Aは、発泡体2Aの厚み方向において補強材3Aの第1板31Aおよび第2板32Aの間に介在している状態となる。そのため、補強材3Aが発泡体2Aに装着された後に、発泡体2Aのおもて面2Tおよび裏面2Bと直交する方向の補強材3Aの移動が突出部201Aによって規制され、当該方向に補強材3Aが脱落することはない。さらに、上述した実施形態と同様に、第1発泡部21と第2発泡部22を連結する連結部203が設けられているため、発泡体2Aに補強材3Aが収容される前後で、補強材3Aを境にして第1発泡部21と第2発泡部22の位置のずれが生じることがなく、発泡体2Aの寸法精度が高い。
【0057】
(変形例5)
上述した実施形態の発泡構造体1は、樹脂製パネル100の形状に応じて隆起部25L,25Rが形成されているが、この例に限られない。発泡構造体の形状は、樹脂製パネルの形状に応じて適宜設計される。例えば、発泡構造体は、平坦部のみで構成されていてもよい。平坦部のみで構成されていても、連結部203によって第1発泡部21と第2発泡部22が連結している限り、補強材3を境にして第1発泡部21と第2発泡部22の位置のずれが生じることがなく、発泡体2の寸法精度が高いという効果が発揮される。
【0058】
なお、上述した実施形態の発泡構造体1のように、発泡体2の平面視において、補強材3の収容部20の少なくとも一部が隆起部25と重なっている場合、従来の方法、すなわち、別体の第1発泡部21と第2発泡部22を補強材3に両側から組み付ける方法を採ることが困難である。そのため、隆起部25を平坦部23と別体とする等の、形状精度の低下および/またはコストの増加を招来する別の方法を採らざるを得ない。それに対して、本発明を発泡構造体1に適用することで、発泡体2の平面視において、補強材3の収容部20の少なくとも一部が隆起部25と重なっている位置に、補強材3の収容部20を設定することができるという利点がある。
【0059】
隆起部が形成された発泡構造体であっても、補強材の位置は所望の位置に設定してよい。例えば、発泡体の平面視において、必ずしも補強材の収容部の少なくとも一部が隆起部と重なっていなくてもよい。言い換えれば、本発明を適用することで、平坦部と隆起部を備えた発泡構造体において、補強材を所望の位置に設定することができ、設計自由度が向上する。
【0060】
(変形例6)
上述した実施形態では、突出部201および突出部202が発泡体2の第1発泡部21と第2発泡部22を連結しない部位において形成されている場合について説明したが、この限りではない。例えば、
図5に示す平面図では、突出部201,202と連結部203とが貫通口206を挟んで離間しているが、両者を平面視で重複させてもよい。例えば、発泡体2の板厚が厚い場合には、おもて面または裏面に近い部分に連結部を形成し、板厚方向の中央に突出部を形成することができる。