特許第6681636号(P6681636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6681636識別体、物品管理システム、及び暗証番号管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6681636
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】識別体、物品管理システム、及び暗証番号管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20200406BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   G06K19/06 046
   G06K19/06 037
   G06K17/00
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-217835(P2019-217835)
(22)【出願日】2019年12月2日
【審査請求日】2019年12月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519198454
【氏名又は名称】株式会社Techno−idea
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】潮田 和広
(72)【発明者】
【氏名】新島 由浩
(72)【発明者】
【氏名】柴田 斎
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−134975(JP,A)
【文献】 実開昭60−074168(JP,U)
【文献】 特許第6591119(JP,B2)
【文献】 特開2018−005409(JP,A)
【文献】 特開2007−128134(JP,A)
【文献】 特開2016−207127(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第2003−0072310(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
G09F 1/00−5/04
B42D 1/00−25/485
G06Q 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通貨引出物品に取り付け可能な識別体であって、
印刷可能な基材を有し、
前記基材に、
光学的読み取り手段により読み取り可能な識別コードと、
前記識別コードに対応する識別情報とが、予め設けられており、
前記識別コードは複数の種類が準備されており、複数の種類の前記識別コードにそれぞれ対応する前記識別情報が設けられており、
複数の前記識別体が一組とされて識別体セットをなしており、
一の前記識別体セットに含まれる複数の前記識別体には、それぞれ異なる種類の前記識別コード及び前記識別コードに対応する前記識別情報が設けられている識別体を貼付された前記通貨引出物品と、
端末装置とを有し、
前記通貨引出物品は、通貨引出装置と連携し、前記通貨引出装置に暗証番号を入力することで通貨を引き出し可能であり、
前記端末装置が、
前記暗証番号を入力可能な入力部と、
前記識別コードの読み取りが可能なカメラ部と、
前記カメラ部により撮影された画像を格納する画像格納部とを備え、
前記画像格納部には、前記識別体の前記識別コードと紐付けられて前記暗証番号が格納されており、
前記カメラ部により前記識別コードを読み取ると、当該識別コードに紐付けられた前記暗証番号を表示させる、暗証番号管理システム。
【請求項2】
前記識別体は、前記基材が、表裏をなす面のうちの一方の面に粘着層を備えるラベル体により構成されており、
複数の前記識別体が、1枚の剥離紙に対して複数の前記識別体が配置されて一の前記識別体セットをなしている、請求項1に記載の暗証番号管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を管理するための二次元コード等が設けられたラベル等の識別体、及び識別体を用いて物品の管理を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品を管理するツールとして、二次元コードやRFIDタグなど、様々なツールが提供されている。例えば、下記特許文献1には、物品を管理するためのRFIDタグが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−86926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、RFIDタグは、多数かつ多種類の物品を効率的に管理し得るものの、専用のリーダライタなどを要するため、家庭内など小規模の範囲で手軽に利用できるものであるとは言えない。また、二次元コードについても、印字装置が必要となり、さらに印字された二次元コードと内容とを紐付けるシステムが必要となり、家庭内の物品管理に気軽に利用できるものであるとは言えなかった。
【0005】
その一方で、家庭内など、規模の小さい範囲において物品管理するものについては、事業で管理が必要とされる数百や数千といった物品の数と比較して、さほど多い訳ではない。しかしながら、箱などに収容された物品を探す際に、多数の箱を開封して中身を確認することとなるため、このような煩雑な作業を軽減することが求められていた。
【0006】
そこで本発明は、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる識別体、物品管理システム、及び暗証番号管理システムの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述の課題を解決すべく提供される本発明の識別体は、物品を収容可能な収容体に取り付け可能な識別体であって、印刷可能な基材を有し、前記基材に、光学的読み取り手段により読み取り可能な識別コードと、前記識別コードに対応する識別情報とが、予め設けられており、前記識別コードは複数の種類が準備されており、複数の種類の前記識別コードにそれぞれ対応する前記識別情報が設けられているものである。
【0008】
本発明の識別体によれば、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる。より詳細に説明すると、本発明の識別体を収容体に貼付して、ユーザがスマートフォン(端末装置)等の読み取り機能を用いて識別コードを読み取り、識別コードに対応した画像(収容体の中身の物品の写真)を表示させることが可能となる。このようにして、本発明の識別体によれば、家庭内などの物品管理に貢献することができる。
【0009】
さらに、本発明の識別体は、複数の前記識別体が一組とされて識別体セットをなしており、一の前記識別体セットに含まれる複数の前記識別体には、それぞれ異なる種類の前記識別コード及び前記識別コードに対応する前記識別情報が設けられているものであるとよい。
【0010】
本発明の識別体によれば、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる。より詳細に説明すると、本発明の識別体では、複数の識別体が予め1セットとされており、複数の識別体には、それぞれ異なる種類の識別コードが予め設けられている。そのため、本発明の識別体セットに係る識別体を複数の収容体にそれぞれ貼付して、ユーザがスマートフォン(端末装置)等の読み取り機能を用いて識別コードを読み取り、識別コードに対応した画像(収容体の中身の物品の写真)を表示させることが可能となる。このようにして、本発明の識別体によれば、それぞれの収容体に収容された物品の中身を、収容体を開けることなく個別に確認することができる。その結果、本発明の識別体によれば、家庭内などの物品管理に貢献することができる。
【0011】
(2)本発明の識別体は、前記基材が、表裏をなす面のうちの一方の面に粘着層を備えるラベル体により構成されており、複数の前記識別体が、1枚の剥離紙に対して複数の前記識別体が配置されて一の前記識別体セットをなしているものであるとよい。
【0012】
上述の構成によれば、手間をかけずに識別体を収容体に貼付することができる。
【0013】
(3)本発明の識別体は、前記識別体セットが、一列に複数の前記識別体が配置されており、1枚の前記剥離紙に対して複数列の前記識別体が配置されているものとすることができる。
【0014】
(4)本発明の識別体は、前記基材が、暗色(例えば黒色)の下地色とされており、前記基材に対して設けられた印刷層が明色(例えば白色)で構成されて、前記識別コード及び前記識別情報が形成されているものであるとよい。
【0015】
(5)本発明の物品管理システムは、上述したいずれかの識別体と、端末装置とを有し、前記端末装置が、写真の撮影、及び前記識別コードの読み取りが可能なカメラ部と、前記カメラ部により撮影された画像を格納する画像格納部とを備え、前記画像格納部には、前記識別体の前記識別コードと紐付けられて前記画像が格納されており、前記カメラ部により前記識別コードを読み取ると、当該識別コードに紐付けられた前記画像を表示させるものである。
【0016】
本発明の物品管理システムによれば、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる。より詳細に説明すると、本発明の物品管理システムに係る識別体を収容体に貼付して、ユーザがスマートフォン(端末装置)等の読み取り機能を用いて識別コードを読み取り、識別コードに対応した画像(収容体の中身の物品の写真)を表示させることが可能となる。このようにして、本発明によれば、家庭内などの物品管理に貢献することができる。
【0017】
(6)本発明の暗証番号管理システムは、上述したいずれかの識別体を貼付された通貨引出物品と、端末装置とを有し、前記通貨引出物品は、通貨引出装置と連携し、前記通貨引出装置に暗証番号を入力することで通貨を引き出し可能であり、前記端末装置が、前記暗証番号の入力が可能な入力部と、前記識別コードの読み取りが可能なカメラ部と、前記カメラ部により撮影された画像を格納する画像格納部とを備え、前記画像格納部には、前記識別体の前記識別コードと紐付けられて前記暗証番号が格納されており、前記カメラ部により前記識別コードを読み取ると、当該識別コードに紐付けられた前記暗証番号を表示させることを特徴とする。
【0018】
本発明の暗証番号管理システムによれば、銀行通帳やキャッシュカードのような通貨引出物品に、識別コードを貼付すると共に、識別コードには、貼付した銀行通帳やキャッシュカードに付随する暗証番号を入力部から入力しておく。そのようにすれば、現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)のような通貨引出装置から通貨引出物品により通貨を引き出す際に必要な暗証番号を端末装置に識別コードに紐づけて記憶することができる。そのようにすれば、暗証番号の確認が容易にできる。特に、通貨引出物品に付随する暗証番号は、通貨引出物品が複数ある場合は、各通貨引出物品ごとに異なる暗証番号を付随させることが望ましく、複数の通貨引出物品を管理するうえで、暗証番号の確認が容易にすることは、非常に利便性に富む。さらに、画像格納部が、外部の情報処理装置と通信できない状態とすることにより、端末装置のユーザのみが端末装置を利用可能とすることにより、暗証番号の秘匿性も保持できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、収容体に収容された物品や暗証番号を手軽に確認することができる識別体、物品管理システム、及び暗証番号管理プログラム提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る識別ラベルが貼付された収容体、及び識別ラベルを用いた物品管理システムを示す図である。
図2図1の識別ラベルに係る識別ラベルセットを示す平面図である。
図3図1の識別ラベルを示す図である。
図4図1の物品管理システムの端末装置を示すブロック図である。
図5図4の端末装置に構成される物品管理アプリにおける機能ブロック図である。
図6図1の物品管理システムにおける画像登録処理を示す図である。
図7図1の物品管理システムにおける表示処理を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る識別ラベルが貼付されたキャッシュカード、及び識別ラベルを用いた暗証番号管理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、本発明の第1の実施形態に係る識別ラベル10(識別体)、及び物品管理システムSについて、図面を参照しつつ説明する。なお、図1に示すとおり、物品管理システムSでは、識別ラベル10が用いられる。以下の説明では、先ず識別ラベル10について説明し、その後物品管理システムSについて説明する。
【0022】
<識別ラベルについて>
図1に示すとおり、識別ラベル10は、箱Ba(収容体)などに貼付可能なタックラベル(シール)である。識別ラベル10は、30枚の識別ラベル10が1枚の剥離紙30に配置された状態(識別ラベルセット1)で、ユーザに対して販売等の譲渡が行われる。
【0023】
図3に示すとおり、識別ラベル10は、ラベル体により構成されている。図3(b)に示すとおり、識別ラベル10は、基材12の一方の面(貼付面10b)に粘着層14が設けられており、他方の面(意匠面10a)に印刷層16が設けられている。
【0024】
図2に示すとおり、識別ラベル10は、収容体B(箱Baなど)に貼付される前の状態では、剥離紙30に貼付されている。本第1の実施形態では、1枚の剥離紙30に対して30枚の識別ラベル10が配されている。すなわち、本第1の実施形態の識別ラベル10は、1枚の剥離紙30に対して30枚の識別ラベル10が一組の識別ラベルセット1をなしている。
【0025】
図3(a)に示すとおり、識別ラベル10には、識別コード20と、識別情報22とが設けられている。より具体的には、識別ラベル10の意匠面10aには、印刷層16が形成されることで、識別コード20(二次元コード)と、識別情報22とが形成されている。
【0026】
識別ラベル10は、基材12として、黒色(暗色)の下地色のタック紙が用いられている。また、識別ラベル10は、黒色の下地色タック紙に対して、白色(明色)のインクで印刷されることにより、識別コード20や識別情報22等が形成されている。このようにすることで、黒色を印刷できない家庭用プリンター等では、同様の層構成の識別体10を作成することができず、識別体の模倣を防止することができる。
【0027】
なお、本第1の実施形態では、黒色の下地色のタック紙を基材12とした例を示したが、本発明の識別体はこれに限定されない。例えば、本発明の識別体は、白色の下地色のタック紙を基材として採用してもよい。
【0028】
また、本発明の識別体は、ミラーコート、上質紙等の紙材、あるいは、ユポ、PP等のフィルム材を基材として用いてもよい。
【0029】
識別コード20は、所定の情報を含む二次元コードである。より具体的には、識別コード20は、所定のアドレスを示す情報であり、本第1の実施形態では、後述する端末装置100の画像格納部210に設けられたいずれかの格納領域Rのアドレスを示す情報とされている。本第1の実施形態の識別ラベル10の識別コード20は、マトリクス型二次元コードであるQRコード(登録商標)とされている。本発明の識別ラベル10(識別体)は、予め識別コード20及び識別情報22が設けられた状態で、ユーザに対する販売などの譲渡が行われる。言い方を換えれば、本発明の識別ラベル10(識別体)は、識別コード20に含まれている情報が、予め設定された状態とされている。
【0030】
本第1の実施形態の識別ラベル10では、30種類の識別コード20がある。より具体的には、図2に示すとおり、識別ラベルセット1(識別体セット)には、それぞれ異なる種類(30種類)の識別コード20に係る識別ラベル10が含まれている。なお、以下の説明では、識別コード20の種類を「コード種別C」と記載して説明する場合がある。また、30種類のコード種別Cの各種別を、「01」〜「30」の数字で記載して説明する場合がある。
【0031】
本第1の実施形態の識別ラベル10では、識別コード20としてマトリクス型二次元コードであるQRコード(登録商標)を採用した例を示したが、本発明の識別体は本第1の実施形態に限定されない。例えば、本発明の識別体の識別コードは、一次元コード(例えば、バーコード)であってもよいし、マトリクス型の二次元コード以外の二次元コード、あるいはカラーコード等を用いることができる。
【0032】
識別情報22は、識別コード20の種別(コード種別C01〜30)に対応する番号である。本第1の実施形態の識別ラベル10の識別情報22には、30種類の番号がある。言い方を換えれば、本第1の実施形態の識別ラベル10には、番号種別N01〜30の30種類の識別情報22のうち、いずれかの番号種別Nに係る識別情報22がある。
【0033】
識別ラベルセット1の1シートに配置される識別ラベル10の識別情報22は、全て異なる番号とされている。より具体的には、1つの識別ラベルセット1には、「01」〜「30」の各番号が付与された識別ラベル10が各1つずつ配置されている。
【0034】
また、上述のとおり、識別情報22と識別コード20とは対応している。例えば、番号Nが「01」の識別情報22は、コード種別Cが「01」の識別コード20に対応している。また、番号種別Nが「02」の識別情報22は、コード種別C「02」の識別コード20に対応している。このように、識別情報22及び識別コード20は、各種類に対応している。
【0035】
なお、本第1の実施形態の識別ラベル10では、30種類の番号種別Nのうちいずれかの番号種別Nに係る識別情報22が設けられたものとした例を示したが、本発明の識別ラベルは本第1の実施形態に限定されない。
【0036】
例えば、本発明の識別ラベルは、識別情報としてアルファベットや平仮名などの文字を用いてもよいし、記号、図柄等であってもよい。本発明の識別ラベルの識別情報は、複数種類の中から特定のものを識別し得るものであれば、文字、数字、記号、図柄等いかなるものであってもよい。
【0037】
識別ラベル10は、製造時において、ロール状のタック紙を送り出しつつ印刷が行われる。図2に示すとおり、識別ラベル10は、剥離紙30の幅方向Wに交差する方向に送り出されて印刷が行われる。なお、以下の説明では、識別ラベル10の製造時における送り出し方向を、単に「送り方向X」と記載して説明する場合がある。
【0038】
図2に示すとおり、本第1の実施形態では、30枚の識別ラベル10を一組として、識別ラベルセット1をなしている。より具体的には、識別ラベルセット1は、幅方向Wに沿って3つの識別ラベル10が列をなし、送り方向Xに沿って10列の識別ラベル10が配置されている。
【0039】
なお、本第1の実施形態では、識別体の一例として、粘着層14を備えるラベル体により識別ラベル10が構成される例を示したが、本発明の識別体は本第1の実施形態に限定されない。例えば、本発明の識別体は、収容体に対して取り付け可能なものであれば、いかなる形態としてもよい。例えば、本発明では、粘着層を有しない識別体として、紐体などを用いて収容体に取り付け可能としてもよい。
【0040】
また、識別ラベル10の粘着層14は、基材12の貼付面10bの全域に形成されたものであってもよいし、基材12の貼付面10bの一部に形成されたものであってもよい。さらに、識別ラベル10の粘着層14は、再剥離可能なものであってもよいし、再剥離が困難なものであってもよい。
【0041】
<物品管理システムについて>
続いて、本発明の第1の実施形態に係る物品管理システムSについて説明する。図1に示すとおり、物品管理システムSでは、識別ラベル10と、端末装置100とが用いられる。
【0042】
物品管理システムSは、家庭内や店舗などにおいて、収容体Bの中身を管理するためのものである。物品管理システムSによれば、収容体Bを開けることなく、複数の収容体Bに収容された中身を把握することができる。
【0043】
物品管理システムSの端末装置100には、所定のアプリケーションプログラム(物品管理アプリ200)がインストールされている。
【0044】
端末装置100は、主に、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC等の携帯型の情報処理装置(以下、「携帯型端末」とも称す。)である。
【0045】
端末装置100は、カメラ機能や、二次元コード等のコードを光学的に読み取る読み取り機能を備えている。
【0046】
図4は、本実施の形態に係る物品管理システムSにおいて用いられる端末装置100のハードウエア構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すとおり、本実施の形態に係る物品管理システムSで用いられる端末装置100は、ハードウエア構成として、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)120、ROM(Read Only Memory)130、HDD(Hard Disk Drive)140、表示装置150、操作装置160、カメラ部170、およびI/F180を含み、それぞれがバスを介して接続されている。
【0047】
このようなハードウエア構成において、ROM130、HDD140または光ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM120に読み出され、CPU110がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウエア制御部が構成される。そのようなソフトウエア制御部とハードウエアとの組み合わせによって、本実施の形態に係る物品管理システムSを実現する端末装置100の機能ブロックが構成される。
【0048】
本実施形態において、表示装置150および操作装置160は、いわゆるタッチパネルディスプレイが採用されている。したがって、表示装置150は、端末装置100の内部に記憶された情報を表示可能である。また、操作装置160は、ユーザがディスプレイを操作することで、操作可能であり、テキスト情報等を入力可能な入力部として機能する。
【0049】
物品管理アプリ200は、本実施の形態に係る物品管理システムSの機能を端末装置100において作動させるために、端末装置100にインストールされて動作するソフトウエアプログラムによって構成される。物品管理アプリ200は、例えば、物品管理システムSのサービスを提供するサービス提供者のサーバ(図示を省略)から、ダウンロードする等して取得することができる。
【0050】
図5は、本実施の形態に係る物品管理システムSにおける端末装置100の機能構成を示す図である。物品管理アプリ200が端末装置100にインストールされて動作することにより、図5に示す機能ブロックが構成される。図5に示すとおり、物品管理アプリ200がインストールされた端末装置100には、画像格納部210、登録処理部220、及び読取処理部230が構成される。
【0051】
画像格納部210には、カメラ部170により撮影された画像Pが格納される記憶領域である。画像格納部210には、複数の格納領域Rが設けられている。より具体的に説明すると、図5に示すとおり、画像格納部210には、格納領域R01〜30の各領域が設けられている。
【0052】
格納領域R01〜30の各領域は、識別ラベル10に設けられた識別コード20(コード種別C01〜30)に対応している。例えば、コード種別C01の識別コード20が示すアドレスは格納領域R01のアドレスに対応しており、コード種別C02の識別コード20が示すアドレスは格納領域R02のアドレスに対応している。このように、画像格納部210には、識別ラベル10の30種類の識別コード20に対して、それぞれ対応する格納領域Rが設けられている。
【0053】
登録処理部220は、ユーザにより撮影された物品Gの画像を画像格納部210に格納する処理を行う。より具体的に説明すると、登録処理部220は、カメラ部170により撮影された画像を、ユーザの入力操作に応じて、画像格納部210の該当する格納領域Rに格納する。例えば、撮影された画像Pを登録する際に、ユーザが入力受付部241に「01」の入力が行われた場合には、格納領域R01に当該画像Pを格納する。
【0054】
読取処理部230は、カメラ部170により撮影された識別コード20を読み取って、画像格納部210のアドレス(格納領域R01〜30のいずれかのアドレス)を参照し、当該領域に格納されている画像を表示させる。
【0055】
上述の説明から明らかなとおり、本第1の実施形態の物品管理システムSでは、収容体Bに収容された物品Gの画像Pを、ユーザの端末装置100に格納する。そのため、ユーザが収容体Bの中身の物品Gを確認しようとする際に、端末装置100をネットワークに接続することを要さず、迅速に収容体Bの中の物品Gを確認することができる。
【0056】
続いて、物品管理システムSを用いて物品を管理する方法(物品管理方法)について、図面を参照しつつ説明する。物品管理システムSでは、物品G(収容対象物)と識別コード20(二次元コード)とを紐付ける処理(画像登録処理)と、識別コード20の情報から物品登録処理で紐付けられた物品Gの画像を表示させる処理(表示処理)とが実行可能とされている。
【0057】
先ず、物品Gと識別コード20とを紐付ける処理(対象物登録処理)について説明する。対象物登録処理では、ユーザが収容体Bに収容しようとする物品Gを、端末装置100の撮影アプリ(カメラアプリ)を起動させて撮影する。
【0058】
具体的には、図6(a)に示すとおり、ユーザが物品管理アプリ200を起動させると、表示装置150には、写真登録ボタン240が表示される。ユーザの操作により、写真登録ボタン240がタップ等されると、カメラ部170により画像の撮影が行われ、次いで識別番号の入力を受け付ける入力受付部241が表示される(図6(b)参照)。
【0059】
ユーザが入力受付部241に、識別ラベル10の識別情報22に係る番号種別Nを入力すると、当該番号に対応する格納領域Rに、その画像Pが格納される。このように、物品管理システムSでは、識別情報22とユーザの操作により選択された画像Pとが紐付けられる。
【0060】
その後、収容体Bに物品Gを収容するとともに、当該収容体Bに物品Gの画像Pを登録した際に入力した識別情報22が記載された識別ラベル10を収容体Bに貼付する。例えば、物品Gが花束Gaである場合、花束Gaをアップロードした際に入力した識別情報22に係る番号(Q01)が記載された識別ラベル10を収容体Bに貼付する。
【0061】
次に、収容体Bに収容された物品Gを確認する場合(表示処理)について説明する。
【0062】
端末装置100の物品管理アプリ200を起動させ、識別コード20を読み込むと、識別コード20に紐付けられた画像Pが表示装置150に表示される。
【0063】
例えば、図7に示すとおり、番号種別N01に係る識別ラベル10の識別コード20を読み取ると、予め登録処理において登録された画像P(図7の例では花束Gaの画像Pa)が表示される。また、番号種別N04に係る識別ラベル10の識別コード20を読み取ると、予め登録処理において登録された画像P(図7の例では運動靴Gbの画像Pb)が表示される。さらに、番号種別N06に係る識別ラベル10の識別コード20を読み取ると、予め登録処理において登録された画像P(図7の例ではパンプスGcの画像Pc)が表示される。このように、物品管理システムSによれば、収容体Bを開けることなく、中身の物品Gを確認することができる。
【0064】
このように、物品管理システムSでは、端末装置100に構成された画像格納部210の各格納領域Rと、識別情報22及び識別コード20とが紐付けられている。そのため、物品管理システムSによれば、ユーザが物品Gの画像Pを登録する際に、識別情報22に係る番号を入力することで、識別コード20と画像Pとが紐付けられる。その結果、ユーザが画像Pを登録する際に、識別コード20を読み取ることを要さず、手間をかけずに画像Pと識別コード20の紐付けを行うことができる。
【0065】
次に、本発明の第2の実施形態に係る識別ラベル10(識別体)、及び暗証番号管理システムTについて、図面を参照しつつ説明する。なお、図10に示すとおり、暗証番号管理システムTでは、第1の実施形態に係る識別ラベル10および端末装置100と同様の識別ラベルおよび端末装置が用いられる。したがって、以下の説明では、識別ラベル10および端末装置100の詳細な説明については省略し、暗証番号管理システムTについてのみ詳細に説明する。
【0066】
<暗証番号管理システムについて>
【0067】
暗証番号管理システムTは、識別ラベル10(識別体)を貼付されたキャッシュカードCと、端末装置100とを有する。キャッシュカードは、現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)のような通貨引出装置と連携し、前記通貨引出装置に暗証番号を入力することで通貨を引き出し可能である。
【0068】
暗証番号管理システムTを用いて暗証番号を管理する方法(暗証番号管理方法)について説明する。暗証番号管理システムTでは、キャッシュカードC(通貨引出物品)と識別コード20(二次元コード)とを紐付ける処理(暗証番号登録処理)と、識別コード20の情報から暗証番号登録処理で紐付けられた暗証番号を表示させる処理(表示処理)とが実行可能とされている。
【0069】
先ず、暗証番号と識別コード20とを紐付ける処理(暗証番号登録処理)について説明する。暗証番号登録処理では、端末装置100の入力部(操作装置160)から暗証番号を入力した後、ユーザが入力受付部241に、識別ラベル10の識別情報22に係る番号種別Nを入力すると、当該番号に対応する格納領域Rに、その暗証番号が格納される。これにより、暗証番号管理システムTでは、識別情報22とユーザの操作により選択された暗証番号とが紐付けられる。ただし、暗証番号登録処理においては、暗証番号が、ユーザの選択した識別ラベル10の識別情報22に係る番号種別Nと対応して格納されれば、他の処理により行われてもよい。
【0070】
その後、当該識別ラベル10を入力した暗証番号に対応するキャッシュカードCに貼付する。ただし、識別ラベル10を貼付した後、端末装置100に暗証番号の入力を行うようにしてもよい。
【0071】
さらに、物品管理方法と同様の手順でキャッシュカードCを撮影し、暗証番号と同じ格納領域Rに格納されるようにしてもよい。そのようにすれば、暗証番号の付随するキャッシュカードCを間違えることがなくなる。
【0072】
次に、キャッシュカードCに付随する暗証番号を確認する場合(表示処理)について説明する。
【0073】
端末装置100の物品管理アプリ200を起動させ、識別コード20を読み込むと、識別コード20に紐付けられた暗証番号が表示装置150に表示される。
【0074】
なお、本実施形態において、暗証番号は、端末装置100の格納領域Rに格納されており、格納領域Rは、他の情報処理装置から情報を取り出すことはできない構成とされている。すなわち、格納領域Rは、端末装置100を操作することでのみ情報を取得できる。したがって、暗証番号を、端末装置100のユーザ以外から取得されることはない。
【0075】
なお、本発明の物品管理プログラムは、前記端末装置に、前記識別体の前記識別コードと紐付けて、前記画像格納部に前記画像を格納する画像登録処理と、前記識別コードに紐付けられて前記画像格納部に格納された前記画像を表示させる表示処理とを実行させるものであってもよい。
【0076】
本発明の物品管理プログラムによれば、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる。より詳細に説明すると、本発明の物品管理システムに係る識別体を収容体に貼付して、ユーザがスマートフォン(端末装置)等の読み取り機能を用いて識別コードを読み取り、識別コードに対応した画像(収容体の中身の物品の写真)を表示させることが可能となる。このようにして、本発明によれば、家庭内などの物品管理に貢献することができる。
【0077】
なお、上述の第1の実施形態では、物品Gを収容する収容体Bの一例として、蓋体を備える箱Baを示したが、識別ラベル10が貼付される収容体Bは、袋状のもの、封筒等、いかなるものであってもよい。
【0078】
なお、上述の第2の実施形態では、通貨引出物品としてキャッシュカードを例に説明してきた。しかし、通貨引出物品は、通貨引出装置と連携し、前記通貨引出装置に暗証番号を入力することで通貨を引き出し可能であれば、他の物品であってもよい。例えば、通貨引出物品は、銀行通帳、クレジットカード、ポイントカード等であってもよい。
【0079】
また、上述の第1の実施形態に係る物品管理システムSでは、ユーザの端末装置100に物品Gの画像Pを格納する物品管理アプリ200を一例として示したが、物品Gの画像Pを管理者のサーバ等に格納するもの(クラウド型)としてもよい。しかし、ユーザの端末装置100に物品Gの画像Pおよび暗証番号を格納する方が、端末装置100は、サーバ等との通信速度を考慮しないため、応答速度が速く利便性が高くなる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、家庭内等において物品を管理するためのものとして、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 識別ラベルセット(識別体セット)
10 識別ラベル(識別体)
10a 意匠面
10b 貼付面
12 基材
14 粘着層
16 印刷層
20 識別コード
22 識別情報
30 剥離紙
100 端末装置
170 カメラ部
200 物品管理アプリ
210 画像格納部
220 登録処理部
230 読取処理部
B 収容体
C キャッシュカード
G 物品
S 物品管理システム

【要約】
【課題】本発明は、収容体に収容された物品を手軽に確認することができる識別体、物品管理システム、及び暗証番号管理システムの提供を目的とした。
【解決手段】本発明の識別ラベル10は、物品Gを収容可能な収容体Bに取り付け可能な識別ラベル10であって、印刷可能な基材12を有し、基材12に、光学的読み取り手段により読み取り可能な識別コード20と、識別コード20に対応する識別情報22とが設けられており、識別コード20は複数の種類が準備されており、複数の種類の識別コード20にそれぞれ対応する識別情報22が設けられている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8