(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の代表的な実施形態に係る布地及び布製品について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もあり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
ここでは、第1及び第2実施形態において、布地の例として2種類の織物を挙げ、これら織物を適用した布製品の例としてバッグ及び帽子を挙げる。第3実施形態では、布地の他の例として編物及びその編物を適用した衣類を説明する。したがって、本発明は、布地全般及び布製品全般をその技術的範囲に含むものである。
【0017】
1.第1及び第2実施形態:布地の例としての織物について
第1及び第2実施形態では、布地を構成する織物の組織(つまりベース)に塑性変形性の線材を織り込み、これにより布地がその形状を自在に変化すること及びその形状を保持することが可能になっている。ただし、この線材がベースに含まれる経糸及び緯糸よりも硬い場合には、表面に露出した線材が布地及び布製品の肌触りや風合いに影響することがある。そこで、発明者らは、塑性変形性の線材が布地及び布製品のユーザにできるだけ接触しないように工夫し、布地及び布製品の肌触りや風合いを良好に保つことに成功した。線材がユーザに触れることを防止する手法の例として、第1実施形態では、他の糸で線材を覆う手法を挙げ、第2実施形態では、塑性変形性の線材の両側を他の糸で挟む手法を挙げる。
【0018】
1−1 第1実施形態
図1及び
図2を参照して、第1実施形態に係る布地10を説明する。
図1は布地10の一例を概略的に示し、
図2は、布地10を線材17及び他の糸19に沿って切断した断面の一例を示す。
【0019】
1−1−1 布地10の構成について
図1に示すように、布地10は、経糸13及び緯糸15で構成される織物である。布地10としては、例えば平織、綾織、朱子織のような種々の織物組織を単独で又は組合せで利用することができる。本実施形態では、平織の例を挙げているが、布地10に柔らかさを出すためには例えば1/2綾織などが好適である。
【0020】
経糸13及び緯糸15は、同種の繊維でもよいし、異種の繊維でもよい。また、経糸13及び緯糸15として、それぞれ複数種類の繊維を使用してもよい。更に、経糸13及び緯糸15は、単繊維でもよいし、複数の繊維を撚り合わせた撚糸でもよい。経糸13及び緯糸15は、同じ径でもよいし異なる径でもよい。
【0021】
本実施形態では、経糸13及び緯糸15として、ポリエステル繊維等の化学繊維や天然繊維を用いることが可能であるが、肌触り、風合い、取扱性、保存性及びコスト等の観点から、ポリエステル及びナイロン繊維を採用するのが好ましい。ここでは、経糸13としてポリエステル75デニール/144フィラメントを、緯糸15としてポリエステル75/36フィラメントのウーリー糸を使用している。
【0022】
布地10の組織には、所定の割合で塑性変形性の線材17が含まれている。線材17は、折り曲げ自在かつ形状保持特性を持つ、ポリエチレン等の樹脂製の線材であり、詳細な材料については追って述べる。
【0023】
本実施形態では、線材17は、緯糸として所定間隔で織り込まれている。線材17は、例えば50〜5000デニール(好ましくは500〜3000デニール、更に好ましくは1000〜3000デニール)の太さを有していればよく、緯糸として3〜10mm間隔に1本の割合で織り込まれていればよい。なかでも、1000デニールの太さを有する線材17が、緯糸として5mm間隔に1本の割合で織り込まれているのが好ましいことを、発明者らは見出している。線材17は、更に経糸として所定間隔で織り込まれてもよく、これにより布地10の形状保持性能が高まる。
【0024】
このように、本実施形態では、布地10のベースとなる組織が、経糸13、緯糸15及び線材17から構成されている。そして、かかるベースに更に他の糸19が織り込まれている。
【0025】
ここで、他の糸19は、線材17が直接にユーザの肌に触れにくいように線材17を覆って保護材乃至は被覆材としての役割を果たす。他の糸19は、線材17において表面となる側(即ち、布地10において線材17のうちの表面に露出している側。以下、単に表面側という。)を全面的に覆っていてもよいし、布地10の良好な肌触りや風合いを確保できる限り、線材17の表面側を部分的に覆っていてもよい。そのために、他の糸19は、線材17の直径と同じかそれ以上の幅を有することが好ましい。
【0026】
図1及び
図2に示すように、他の糸19は、布地10の表面を所定間隔Dで滑走するように、つまり刺し子調に、布地10に織り込まれている。他の糸19を滑走させているのは、他の糸19において肌に触れる部分を増やし、更に風合いを出すためである。他の糸19の滑走間隔は、ここでは3mmに設定されているが、布地10の用途、肌触り、風合い、硬さ及び厚さに応じて、例えば1〜10mmの範囲で適宜選択してよい。
【0027】
他の糸19は、綿、ウール、紡毛等の天然繊維でも、ポリエステル、アクリル、ナイロン、混紡等の化学繊維でもよいが、肌触りや風合いが良くかつ人体に優しいという観点からは天然繊維であることが好ましい。他の糸19は、単繊維でもよいし、複数の単繊維を撚り合わせた撚糸でもよい。また、他の糸19は、1種類の繊維で構成されてもよいし、複数種類の繊維から構成されてもよい。ここでは、他の糸19として、ギマ加工が施された綿−/8.5(デニール換算で1159デニール)を用いている。
【0028】
経糸13、緯糸15、線材17及び他の糸19の種類及び太さ、並びに織組織は、布地10の用途、肌触り、風合い、硬さ及び厚さ等、所望する機能等に応じて適宜選択してよい。
【0029】
1−1−2 塑性変形性の線材17について
本実施形態において使用する塑性変形性の線材17について詳細に説明する。
線材17としては、常温でランダムに曲線状に曲げたり直線状に戻したりすることのできる塑性変形性を発揮するポリエチレン(エチレン単独重合体又はエチレン・α-オレフィン共重合体)を用いることができる。また、当該ポリエチレンに、ポリプロピレン等の他のポリオレフィンと混合してもよい。
【0030】
線材17としては、ベース組織への織り込みやすさや織込後の肌触りや風合い等を考慮し、500〜3000デニール(直径約0.25〜0.67mm)の太さを持つプラスチック線材を使用するのが好ましい。また、線材17は、90度に曲げて5分経ったときの戻り量(角度)が5〜12度であるほどの形状保持性能を持つのが好ましい。
【0031】
なかでも、本実施形態では、線材17として三井化学株式会社製のプラスチック線材「テクノロート」(商標)を使用している。ここでは、ベース組織への織り込みやすさを考慮し、1000デニール(直径0.38mm)の太さを持つプラスチック線材を使用している。この種のプラスチック線材は、90度に曲げて5分経ったときの戻り量(角度)が12度であるほどの形状保持性能を持つ。ただし、線材17の太さは、布地10の用途、肌触り、風合い、硬さ及び厚さ等に応じ、線材17の混入度合を考慮して適宜選択することができる。
【0032】
このプラスチック線材を使用する場合、略円形の断面を持つことが、ベース組織への組み込みやすさの観点から好適である。ただし、ベース組織に組み込める限り、帯状の線材を使用してもよい。また、このプラスチック線材では、原糸としてモノフィラメントを使用してもよいし、連糸や撚糸を使用してよい。
【0033】
プラスチック線材は、例えば、上記ポリエチレン(エチレン単独重合体又はエチレン・α-オレフィン共重合体)を溶融し、原糸に押し出して最大厚み部の厚さが1mm以上の原糸に成形し、これを60℃以上、ポリエチレンの融点未満の温度で延伸することで得られる。
【0034】
具体的には、上記ポリエチレンから所望形状の繊維状又は帯状の原反(厚み1〜20mm程度)を溶融成形により製造し、次いで100℃以下の温度、延伸性の点から好ましくは85〜100℃の温度で、塑性変形性及び形状保持性が発現できる程度に延伸すればよい。延伸倍率は、原反の性状や延伸温度によって、塑性変形性が発現できる範囲で選択すればよいが、通常は降伏点以上破断点以下となるような範囲である。
【0035】
1−1−3 布地10の製造について
次いで、布地10の製造工程の一例を説明する。ここでは、布地10をジャガード織機で製造することを想定しているが、布地10は他の種類の織機で製造することも可能である。
【0036】
(1)経糸13と緯糸15とで組織を織る。
(2)次いで、上記(1)の組織に、所定の間隔に1本の割合で線材17をボーダー状に入れて、布地10のベースを得る。このとき、線材17の混入割合を増やすことで、布地10の形状保持性能を高めることができる。この工程(2)は、工程(1)と同時に行われてもよい。
(3)そして、上記ベースの上に他の糸19を必要分織り込む。ここで、他の糸19の織込みは、他の糸19を布地10の表面に滑走させることで行っているが、例えば、他の糸19を布地10に縫い付けてもよい。
【0037】
このようにして製造した布地10は、布地10には、所望の面に亘って線材17が織り込まれているので、その面の形状を自在に変形できるとともに十分な形状保持性能を有する。しかも、布地10は良好な肌触り及び風合いを有する。したがって、布製品のデザイナーに多様な利用方法を提供することができるとともに、デザイナーの発想の幅を広げることができる。また、ユーザにとっても、1つの布製品で多様な形状を楽しむことができ、布製品の使用形態の幅が広がる。
【0038】
1−2 第2実施形態
図3及び
図4を参照して、第2実施形態に係る布地20を説明する。
図3は布地20の一例を概略的に示し、
図4は、布地20を経糸23に沿って切断した断面の一例を示す。
【0039】
1−2−1 布地20の構成について
布地20は、
図3に示すように、経糸23及び緯糸25で構成されている。布地20としては、例えば平織、綾織、朱子織のような種々の織物組織を単独で又は組合せで利用することができ、本実施形態では平織の例を挙げている。
【0040】
経糸23及び緯糸25としては、第1実施形態の経糸13及び緯糸15と同じ繊維を使用することができる。
図3に示すように、布地20には、所定の割合で塑性変形性の線材27が含まれ、この線材27に沿うように他の糸29が配置されている。線材27としては、第1実施形態の線材17と同じ線材を使用することができる。
【0041】
図4に示すように、線材27の両側を挟むように、一対の糸29A,29Bを含む他の糸(保護材乃至は被覆材)29が配置されている。他の糸29は、図示のように線材27と同じピッチで組織に織り込んでもよいし、経糸23を所定の本数だけ滑走させてもよい。ここで、経糸23の滑走は、風合いを出すために行われてもよい。
【0042】
他の糸29は、ユーザに線材27の硬い感触を与えないように、線材27と同じ高さ(布地20の厚み方向の長さ)であるか、線材27よりも布地20の表面側に突出している。他の糸29を構成する糸29A,29Bとしては、線材27の直径以上の直径を持つ繊維を用いることが好ましい。他の糸29は、上記の他の糸19と同様に、天然繊維でも化学繊維でもよいし、単繊維に限らず撚糸や芯鞘構造糸でもよい。
【0043】
1−2−2 布地20の製造について
第2実施形態に係る布地20は、例えば、ジャガード織機を用いて次の工程で製造することができる。
(1)経糸23と緯糸25とで組織を織る。
(2)この組織に、所定の間隔で、一組の糸29A、塑性変形性の線材27及び糸29Bをボーダー状に織り込み、布地20を得る。この工程(2)は、工程(1)と同時に行われてもよい。
【0044】
このようにして製造した布地20もまた、ユーザの好みに応じて様々な形状を取ることが可能であるとともに、その形状を保持することができる。また、線材27はユーザに触れないか、触れるとしても僅かであるから、布地20の肌触り及び風合いは良好である。
【0045】
2.第1及び第2実施形態に係る布地10,20を適用した布製品の例について
図5及び
図6を参照して、第1及び第2実施形態に係る布地10,20を適用した布製品の例について説明する。
図5及び
図6は、布製品の一例としてのバッグ50及び帽子60を示すものである。ただし、布地10,20を適用可能な布製品はバッグ及び帽子に限られない。
【0046】
ここで、布地10,20は、布製品の全部を構成してもよいし、布製品の特定部分だけに含まれてもよい。特定部分は、例えば形状を変形させた状態を保持したり元の状態に戻したりすることができ、布製品にファッション性を付与する。この場合、特定部分と他の部分とは連続していても不連続であってもよい。例えば、布地10,20のベースが布製品全体で共通しつつ、特定部分のみに線材17が十分に存在していてもよい(つまり他の部分には線材17が存在しないか少ない)。
【0047】
2−1 バッグ50について
図5(A)に示すように、バッグ50は、袋体をなす本体51と、持ち手を構成する一対の帯53,55とを含む。ここでは、本体51の開口部57及びその近傍に、布地10又は布地20が使用されている。
【0048】
図5(B)に示すように、バッグ50の使用時には、帯53,55を結び合わせて持ち手とする。バッグ50を閉じるときには、開口部57の互いに対向する部位を合わせ、その状態で開口部57を巻き込む。そうすると、布地10又は布地20の形状保持機能により、開口部57は巻かれた状態で保持される。バッグ50を開くときには、開口部57を巻き戻して平らな状態にすればよい。
【0049】
布地10又は布地20を適用したバッグ50では、開口部57の閉じ方、つまり開口部57の巻き方は、多様であり、ユーザに委ねられる。したがって、バッグ50のデザインの幅が広がるとともに、ユーザにとってバッグ50を利用する楽しみが増す。しかも、バッグ50の肌触りは滑らかであり、線材17又は線材27の存在を感じさせない。
【0050】
2−2 帽子60について
図6(A)に示すように、帽子60は、ユーザの頭部Hを覆う袋状のクラウン61、そのクラウン61の前側に縫い付けられた前ツバ63、及び、クラウン61の後側に縫い付けられた後ツバ65を含む。ここでは、帽子60に全体的に布地10又は布地20が使用されている。
【0051】
帽子60は、不使用時には
図6(A)のように平坦であり、折り畳んだ状態で収納したり持ち運んだりすることができる。帽子60は、使用時には
図6(B)のように立体的な形状を取ってユーザの頭部Hに着用される。ユーザは、クラウン61、前ツバ63及び後ツバ65を所望の形状にすることができ、その形状は布地10又は布地20の形状保持機能により保持される。
【0052】
したがって、帽子60は、ユーザの気分や場の雰囲気に応じて形状を様々に変えることができ、ユーザにとって帽子60を利用する楽しみが増す。しかも、帽子60の肌触りは滑らかであり、線材17又は線材27の存在を感じさせない。
【0053】
3.第3実施形態:布地の他の例としての編物について
第3実施形態では、布地の他の例として編物を挙げる。ここでは、編地の少なくとも一部分を構成する編糸が、線材と、その線材に巻き付けられた他の糸(撚糸)と、を含む。他の糸の種類によっては、線材に係止手段(つまり係止部)を設け、他の糸が線材に沿ってスライドすることを抑制するとよい。なお、係止手段は以下に例示する3種類に限られるものではない。
【0054】
上述した編糸の一例として、ここでは次の3種類の編糸31〜34を挙げる。
編糸31は、
図7に示すように、線材37、及び線材37に巻き付けられた他の糸39で構成されている。線材37及び他の糸39として、第1実施形態で使用した線材17及び他の糸19(又は他の糸29)をそれぞれ使用することができる。他の糸39の巻き付け方は、線材37がユーザに触れなければ何でもよい。例えば、他の糸39は、一重巻きでも二重巻きでもよいし、隣り合う他の糸39同士が接するように巻かれてもよいし、線材37を露出させるように隣り合う他の糸39同士が一定の間隔で巻かれてよい。また、他の糸39は、線材37が延びる方向に対して時計回りに巻かれてもよいし、反時計回りに巻かれてもよい。
【0055】
編糸32は、
図8に示すように、線材37、及び線材37に巻き付けられた他の糸39で構成されている。線材37には、係止手段の一種として疵又は溝41が形成され、線材37と他の糸39との間の摩擦力を高めている。疵41は、線材37の表面に部分的に形成されていれば足り、例えば、線材37をやすりに接触させて表面粗度を上げることで形成可能である。
【0056】
編糸33もまた、
図9に示すように、線材37、及び線材37に巻き付けられた他の糸39で構成されている。線材37には、係止手段の一種として接着剤43が塗布され、線材37を他の糸39と接着している。接着剤43は、他の糸39が線材37に沿って滑らない程度に、線材37の表面に部分的に塗布されていれば足りる。
【0057】
編糸34は、
図10に示すように、線材37、及び線材37に巻き付けられた他の糸39で構成されている。編糸34では、線材37に沿って、係止手段の一種としての糸45が配置されている。糸45は、他の糸39と異なる種類の繊維でもよいが、他の糸39と同じ動き(例えば同じ伸縮)をするように他の糸39と同じ種類の繊維であることが好ましい。これらの編糸31〜34を人手で又は編み機で編むことで、布地30が作成される。
【0058】
図11を参照して、第3実施形態に係る布地30を説明する。
図11は、布地30の一例を示す概略図である。ここでは、布地30が編糸31で編成されているものとして説明するが、布地30は編糸32〜34で編成されてもよい。
【0059】
図11は、布地30を、編糸31を緯編で編成した編物として表している。ただし、布地30は経編でもよいものとする。布地30の編み方に制限はなく、緯編では例えば平編、ゴム編、パール編などでもよく、経編ではシングル・デンビー編などでもよい。
【0060】
4.第3実施形態に係る布地30を適用した布製品の例について
図12を参照して、第3実施形態に係る布地30を適用した布製品の例について説明する。
図12は、布製品の一例としての衣類70を示す。ただし、布地30を適用可能な布製品は衣類に限られず、例えばバッグ及び帽子にも適用可能である。
【0061】
図12(A)に示すように、衣類70は、例えば前身頃71及び後ろ身頃72を含む上衣として構成することができ、その他にズボン及びスカートとすることもできる。ここでは、衣類30に全体的に布地30が使用されている。したがって、ユーザは、例えば
図12(B)に示すように、衣類70における所望の部位を変形させるとともに、衣類70を変形状態に保持することができる。ただし、布地30は、衣類70の特定部分にだけ使用されてもよいし、部位によって形状保持力を異ならせるように編糸31〜34の割合を変えてもよい。
【0062】
このように、衣類70は、ユーザの気分や場の雰囲気に応じて形状を様々に変えることができ、ユーザにとって衣類70を利用する楽しみが増す。しかも、衣類70の肌触りは滑らかであり、線材37を感じさせない。更に、衣類のデザイナーに対してより多くの表現方法を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更した態様も全て本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、形状を自在に変化できるとともにその形状を保持できる布地、及びその布地を含む布製品を提供するものであり、ベースとなる組織と、前記組織に所定の割合で含まれる塑性変形性線材と、前記線材における表面となる側を覆い又は前記線材の両側を挟むように配置される他の糸と、を含むことを特徴とする布地に関する。前記ベースは、経糸及び緯糸を含む織組織であり、前記線材は、所定間隔に1本の割合で、前記経糸及び前記緯糸のうち少なくとも一方に織り込まれていてもよい。