特許第6681640号(P6681640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6681640
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】サーバ及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20200406BHJP
【FI】
   G16H10/00
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-565356(P2019-565356)
(86)(22)【出願日】2018年12月11日
(86)【国際出願番号】JP2018045514
【審査請求日】2019年11月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】318004947
【氏名又は名称】株式会社ファーストスクリーニング
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】角田 義人
【審査官】 貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−90784(JP,A)
【文献】 特表2016−511890(JP,A)
【文献】 特開2005−305134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付ける受け付け手段と、
前記受け付け手段により入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定する特定手段と、
前記受け付け手段により入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定手段により特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込む書き込み手段と、
前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を受信する受信手段と、
前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力する出力手段と
を有し、
前記提供要求が、前記装置を認証するための認証キーを含み、
前記サーバは、前記提供要求に含まれる認証キーを用いて前記装置の認証をする認証手段を有し、
前記認証手段により前記装置が認証された場合、前記出力手段が、前記提供要求に従って選択された時系列バイタルデータを出力し、
前記認証キーは、前記装置において過去に取得された時系列バイタルデータのうち、少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の少なくとも一方を含み、
前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータと照合することにより前記認証を行う
サーバ。
【請求項2】
前記バイタルデータベースは、前記属性データを、前記属性の時間変化を参照可能な形式で記憶する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記対象となる被験者の前記属性を推定する推定手段を有する
請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記出力手段は、前記抽出された時系列バイタルデータとともに、当該時系列バイタルデータが前記クラスタリング手段により分類されたクラスターを示す分類情報を前記装置に送信する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記特定手段は、前記時系列バイタルデータに対応するリンクに基づいて前記属性データを特定する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記認証キーに含まれる前記時系列バイタルデータにおけるデータ点の数がしきい値より小さい場合、前記認証キーは、前記少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の双方を含み、
前記認証キーに含まれる前記時系列バイタルデータにおけるデータ点の数が前記しきい値より大きい場合、前記認証キーは、前記少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の一方のみを含む
請求項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記認証キーが、前記装置が記憶する時系列バイタルデータ群の中からデータ点を特定するためのインデックス情報を含み、
前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータのうち前記インデックス情報で特定されるデータ点と照合することにより前記認証を行う
請求項1乃至のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記インデックス情報が複数の被験者の中から一の被験者を特定する被験者識別情報を含み、
前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータのうち前記一の被験者の時系列バイタルデータに含まれるデータ点と照合することにより前記認証を行う
請求項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記受け付け手段は、第2被験者群から第2種類の時系列バイタルデータを収集する第2システムから当該第2種類の時系列バイタルデータの入力を受け付け、
前記特定手段は、前記第2種類の時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定し、
前記書き込み手段は、前記第2種類の時系列バイタルデータを、前記特定手段により特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、前記バイタルデータベースに書き込む
請求項1乃至のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項10】
前記受け付け手段が受け付けた時系列バイタルデータに、前記第1システム又は前記第2システムにおいて個別に付与された、当該時系列バイタルデータの被験者を識別する個別識別情報が付与されている場合、当該個別識別情報を前記バイタルデータベースにおいて共通に用いられる共通識別情報に変換する変換手段を有し、
前記バイタルデータベースは、被験者を識別する情報として前記共通識別情報を記憶する
請求項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記クラスタリング手段は、複数種類の時系列バイタルデータのうち前記第1種類の時系列バイタルデータに基づいて前記第2種類の時系列バイタルデータを分類する
請求項又は10に記載のサーバ。
【請求項12】
前記受け付け手段は、前記第1システムから第1書式で記述されたバイタルデータを受け付け、前記第2システムから第2書式で記述されたバイタルデータを受け付け、
前記バイタルデータベースは、前記第1書式のバイタルデータを基準書式のバイタルデータに変換する第1規則、及び前記第2書式のバイタルデータを当該基準書式のバイタルデータに変換する第2規則を記憶し、
前記書き込み手段は、前記受け付け手段が受け付けたバイタルデータから前記基準書式に変換したデータを、前記バイタルデータベースに書き込む
請求項乃至11のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
前記バイタルデータベースが、複数種類の時系列バイタルデータを記憶し、
前記提供要求が、前記複数種類のうち少なくとも一部の種類を選択する情報を含み、
前記出力手段は、前記バイタルデータベースに記憶されている、前記第1被験者群及び前記第2被験者群を含む全被験者群のバイタルデータから、前記提供要求に従って選択された種類のバイタルデータを前記装置に送信する
請求項乃至12のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項14】
前記提供要求が、時間帯を絞り込むための時間帯情報を含み、
前記出力手段は、前記バイタルデータベースに記憶されている時系列バイタルデータから、前記提供要求に従って限定された時間帯に測定されたバイタルデータを前記装置に送信する
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項15】
前記受け付け手段が受け付けた前記時系列バイタルデータに対し対価の計算をする対価計算手段 を有する
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項16】
前記時系列バイタルデータが満たすべき時間軸上の制約条件が設定されており、前記対価計算手段は、前記受け付け手段が受け付けたデータが、前記制約条件を満たす割合に応じて前記対価の計算をする
請求項15に記載のサーバ。
【請求項17】
コンピュータが、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付けるステップと、
前記コンピュータが、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定するステップと、
前記コンピュータが、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込むステップと、
前記コンピュータが、前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするステップと、
前記コンピュータが、前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を他の装置から受信するステップと、
前記コンピュータが、前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力するステップと
を有し、
前記提供要求が、前記他の装置を認証するための認証キーを含み、
前記コンピュータが、前記提供要求に含まれる認証キーを用いて前記装置の認証をするステップを有し、
前記認証するステップにおいて前記他の装置が認証された場合、前記出力するステップにおいて、前記提供要求に従って選択された時系列バイタルデータが出力され、
前記認証キーは、前記装置において過去に取得された時系列バイタルデータのうち、少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の少なくとも一方を含み、
前記認証するステップにおいて、前記認証キーが、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータと照合することにより認証される
情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータに、
第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付けるステップと、
前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定するステップと、
前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込むステップと、
前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするステップと、
前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を他の装置から受信するステップと、
前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出するステップと、
前記抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力するステップと
を実行させるためのプログラムであって、
前記提供要求が、前記他の装置を認証するための認証キーを含み、
前記プログラムが、前記コンピュータに、前記提供要求に含まれる認証キーを用いて前記装置の認証をするステップを実行させ、
前記認証するステップにおいて前記他の装置が認証された場合、前記出力するステップにおいて、前記提供要求に従って選択された時系列バイタルデータが出力され、
前記認証キーは、前記装置において過去に取得された時系列バイタルデータのうち、少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の少なくとも一方を含み、
前記認証するステップにおいて、前記認証キーが、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータと照合することにより認証される
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルデータを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バイタルデータを収集するシステムが知られている。例えば特許文献1には、ある個人から得られた複数のバイタルセンサのうち、選択されたバイタルセンサの内容に応じてデータの表示レイアウトを変更することが記載されている。また、特許文献2には、複数の測定装置において得られたDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)データを統合DICOMサーバに集約し、検索サービスを提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−312666号公報
【特許文献2】特開2005−293026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、複数の被験者から取得したバイタルデータを他のユーザに提供するものではないという問題があった。また、特許文献2に記載のシステムは、DICOMデータのみを対象としており、多様なバイタルデータを取り扱えないという問題があった。
【0005】
これに対し本発明は、複数の被験者から多様なバイタルデータを収集し、これを他のユーザに提供する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付ける受け付け手段と、前記受け付け手段により入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す前記属性データを特定する特定手段と、前記受け付け手段により入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定手段により特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込む書き込み手段と、前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするクラスタリング手段と、前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を受信する受信手段と、前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力する出力手段とを有するサーバを提供する。
【0007】
前記バイタルデータベースは、前記属性データを、前記属性の時間変化を参照可能な形式で記憶してもよい。
【0008】
このサーバは、前記対象となる被験者の前記属性を推定する推定手段を有してもよい。
【0009】
前記出力手段は、前記抽出された時系列バイタルデータとともに、当該時系列バイタルデータが前記クラスタリング手段により分類されたクラスターを示す分類情報を前記装置に送信してもよい。
【0010】
前記特定手段は、前記時系列バイタルデータに対応するリンクに基づいて前記属性データを特定してもよい。
【0011】
前記提供要求が、前記装置を認証するための認証キーを含み、前記サーバは、前記提供要求に含まれる認証キーを用いて前記装置の認証をする認証手段を有し、前記認証手段により前記装置が認証された場合、前記出力手段が、前記提供要求に従って選択された時系列バイタルデータを出力してもよい。
【0012】
前記認証キーは、前記装置において過去に取得された時系列バイタルデータのうち、少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の少なくとも一方を含み、前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータと照合することにより前記認証を行ってもよい。
【0013】
前記認証キーに含まれる前記時系列バイタルデータにおけるデータ点の数がしきい値より小さい場合、前記認証キーは、前記少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の双方を含み、前記認証キーに含まれる前記時系列バイタルデータにおけるデータ点の数が前記しきい値より大きい場合、前記認証キーは、前記少なくとも2つのデータ点のタイムスタンプ及び測定値の一方のみを含んでもよい。
【0014】
前記認証キーが、前記装置が記憶する時系列バイタルデータ群の中からデータ点を特定するためのインデックス情報を含み、前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータのうち前記インデックス情報で特定されるデータ点と照合することにより前記認証を行ってもよい。
【0015】
前記インデックス情報が複数の被験者の中から一の被験者を特定する被験者識別情報を含み、前記認証手段は、前記認証キーを、前記バイタルデータベースに記憶されている前記時系列バイタルデータのうち前記一の被験者の時系列バイタルデータに含まれるデータ点と照合することにより前記認証を行ってもよい。
【0016】
前記受け付け手段は、第2被験者群から第2種類の時系列バイタルデータを収集する第2システムから当該第2種類の時系列バイタルデータの入力を受け付け、前記特定手段は、前記第2種類の時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定し、前記書き込み手段は、前記第2種類の時系列バイタルデータを、前記特定手段により特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、前記バイタルデータベースに書き込んでもよい。
【0017】
前記受け付け手段が受け付けた時系列バイタルデータに、前記第1システム又は前記第2システムにおいて個別に付与された、当該時系列バイタルデータの被験者を識別する個別識別情報が付与されている場合、当該個別識別情報を前記バイタルデータベースにおいて共通に用いられる共通識別情報に変換する変換手段を有し、前記バイタルデータベースは、被験者を識別する情報として前記共通識別情報を記憶してもよい。
【0018】
前記クラスタリング手段は、複数種類の時系列バイタルデータのうち前記第1種類の時系列バイタルデータに基づいて前記第2種類の時系列バイタルデータを分類してもよい。
【0019】
前記受け付け手段は、前記第1システムから第1書式で記述されたバイタルデータを受け付け、前記第2システムから第2書式で記述されたバイタルデータを受け付け、前記バイタルデータベースは、前記第1書式のバイタルデータを基準書式のバイタルデータに変換する第1規則、及び前記第2書式のバイタルデータを当該基準書式のバイタルデータに変換する第2規則を記憶し、前記書き込み手段は、前記受け付け手段が受け付けたバイタルデータから前記基準書式に変換したデータを、前記バイタルデータベースに書き込んでもよい。
【0020】
前記バイタルデータベースが、複数種類の時系列バイタルデータを記憶し、前記提供要求が、前記複数種類のうち少なくとも一部の種類を選択する情報を含み、前記出力手段は、前記バイタルデータベースに記憶されている、前記第1被験者群及び前記第2被験者群を含む全被験者群のバイタルデータから、前記提供要求に従って選択された種類のバイタルデータを前記装置に送信してもよい。
【0021】
前記提供要求が、時間帯を絞り込むための時間帯情報を含み、前記出力手段は、前記バイタルデータベースに記憶されている時系列バイタルデータから、前記提供要求に従って限定された時間帯に測定されたバイタルデータを前記装置に送信してもよい。
【0022】
このサーバは、前記受け付け手段が受け付けた前記時系列バイタルデータに対し対価の計算をする対価計算手段を有してもよい。
【0023】
前記時系列バイタルデータが満たすべき時間軸上の制約条件が設定されており、前記対価計算手段は、前記受け付け手段が受け付けたデータが、前記制約条件を満たす割合に応じて前記対価の計算をしてもよい。
【0024】
また、本発明は、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付けるステップと、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す前記属性データを特定するステップと、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込むステップと、前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするステップと、前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を受信するステップと、前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出するステップと、前記抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力するステップとを有する情報処理方法を提供する。
【0025】
さらに、本発明は、コンピュータに、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの入力を受け付けるステップと、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、当該時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示す属性データを特定するステップと、前記入力が受け付けられた前記時系列バイタルデータを、前記特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込むステップと、前記バイタルデータベースに記録されている前記時系列バイタルデータを、前記属性データに基づいてクラスタリングするステップと、前記クラスタリングによる分類を指定する分類情報を含む、データの提供要求を受信するステップと、前記バイタルデータベースから、前記分類情報により指定されるクラスターに属する前記時系列バイタルデータを抽出するステップと、前記抽出された前記時系列バイタルデータを、前記提供要求により指定される装置に出力するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態に係るバイタルデータ提供システム1の概要を示す図。
図2】サーバ10の機能構成を例示する図。
図3】バイタルデータベース131の概要を示す図。
図4】サーバ10のハードウェア構成を例示する図。
図5】一実施形態に係る動作を例示するシーケンスチャート。
図6】名寄せデータベース133を例示する図。
図7】外部システム向けの時系列バイタルデータの提供に係る動作を示すシーケンスチャート。
図8】ある被験者の時系列バイタルデータを例示する図。
図9】ユーザ端末20において表示される画面を例示する図。
【符号の説明】
【0027】
1…バイタルデータ提供システム、2…外部システム、3…外部システム、10…サーバ、20…ユーザ端末、91…メッセージ、101…受け付け手段、102…特定手段、103…記憶手段、104…書き込み手段、105…クラスタリング手段、106…受信手段、107…抽出手段、108…出力手段、109…認証手段、110…対価計算手段、131…バイタルデータベース、132…属性データベース、133…データベース、151…CPU、152…メモリ、153…ストレージ、154…通信IF
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.構成
図1は、一実施形態に係るバイタルデータ提供システム1の概要を示す図である。バイタルデータ提供システム1は、バイタルデータを提供するためのシステムである。バイタルデータとは、人体から取得できるデータをいい、例えば、血圧、心拍、体温、酸素飽和濃度(血中酸素)、体重、血糖、尿糖、尿酸(血中又は尿中)、シュウ酸、比重、タンパク、ウロビリノーゲン(肝臓系)、pH、血清鉄、炎症マーカー、クレアチニン、コレステロール、ケトン体、癌マーカー、ピロリ菌、歩数、脈拍、加速度、位置、消費カロリー、外気温、外気湿度、及び睡眠量のうち少なくとも一種を含む。バイタルデータには、例えば、人間の体液(例えば、尿、汗、又は血液)から得られる情報が含まれる。また、時系列バイタルデータとは、バイタルデータが時系列で記録されたデータをいう。
【0029】
バイタルデータ提供システム1は、外部システム2、外部システム3、サーバ10、及びユーザ端末20を有する。バイタルデータ提供システム1は、外部システム2及び外部システム3から提供を受けた時系列バイタルデータを、要求に応じて他の装置に提供するシステムである。時系列バイタルデータの提供先となる他の装置とは、例えば、他の外部システム又はユーザ端末20である。この例において、サーバ10、外部システム2、及び外部システム3は、それぞれ異なる事業者により運営される。なお、ここでは図面を簡単にするため外部システムを2つ、及びクライアントを1つのみ図示しているが、バイタルデータ提供システム1は、3つ以上の外部システム及び2つ以上のクライアントを有してもよい。
【0030】
外部システム2は、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムの一例である。外部システム3は、第2被験者群から第2種類の時系列バイタルデータを収集する第2システムの一例である。第1被験者群及び第2被験者群は、それぞれ複数の被験者からなる被験者群であり、少なくとも一部が異なっている。第1種類の時系列バイタルデータ及び第2種類の時系列バイタルデータは、それぞれ1以上の種類の時系列バイタルデータであり、少なくとも一部が異なっている。一例として、外部システム2は病院が運営するシステムであり、外部システム2が収集する時系列バイタルデータには、例えば、血圧、心拍、体温、酸素飽和濃度(血中酸素)、及び体重が含まれる。また、外部システム3はパーソナルヘルスケア事業者(健康情報管理事業者)が運営するシステムであり、外部システム3が収集する時系列バイタルデータには、例えば、血糖、尿糖、尿酸(血中又は尿中)、シュウ酸、比重、及びタンパクが含まれる。この外、例えばスポーツジムが外部システムを運営してもよく、この場合、この外部システムが収集する時系列バイタルデータには、例えば、歩数、脈拍、加速度、位置、及び消費カロリーが含まれる。
【0031】
図2は、サーバ10の機能構成を例示する図である。サーバ10は、受け付け手段101、特定手段102、記憶手段103、書き込み手段104、クラスタリング手段105、受信手段106、抽出手段107、及び出力手段108を有する。
【0032】
受け付け手段101は、外部システムから時系列バイタルデータの入力を受け付ける。受け付け手段101が受け付けるデータには、外部システム2が収集した第1種類の時系列バイタルデータ、及び外部システム3が収集した第2種類の時期列バイタルデータの少なくとも一方が含まれる。特定手段102は、受け付け手段101により入力が受け付けられた時系列バイタルデータのうち対象となる時系列バイタルデータについて、その時系列バイタルデータが測定された時刻における、対象となる被験者の属性を示すデータをその属性データとして特定する。記憶手段103は、各種のデータを記憶する。記憶手段103が記憶するデータには、例えばバイタルデータベース131、属性データベース132、及び名寄せデータベース133が含まれる(図では単に、DB131、DB132、及びDB133と表す)。属性データベース132は、バイタルデータベース131を記憶する。バイタルデータベース131は、受け付け手段101が入力を受け付けた時系列バイタルデータを記録するデータベースである。属性データベース132は、被験者の属性を記録するデータベースである。被験者の属性は、時間変化が無いものと時間変化があるものに分類される。時間変化が無い属性は、例えば、性別、生年月日、生誕地、及び人種等である。時間変化がある属性は、例えば、年齢層、既往症、喫煙歴、飲酒歴、運動歴、居住地域、平均睡眠時間等である。名寄せデータベース133は、被験者の名寄せに用いられるデータベースである。書き込み手段104は、受け付け手段101により入力が受け付けられた時系列バイタルデータを、特定手段102により特定された属性データとの対応関係を示す情報と共に、バイタルデータベースに書き込む。
【0033】
図3は、バイタルデータベース131の概要を示す図である。ここでは、便宜的にバイタルデータベース131をマトリクスで表している。1つのマトリクスは、ある単一の被験者から得られたバイタルデータを示す。この例において、バイタルデータベース131は、いわゆる個人情報を含んでいない。ここでいう個人情報は、特定の個人を識別するための情報であり、例えば、氏名、住所、マイナンバー(社会保障番号)、電話番号、メールアドレス、及び母親の旧姓の少なくとも1つをいう。このマトリクスにおいて、各行は、ある種類のバイタルデータの時系列変化を示す。各列は、各バイタルデータの測定値を示す。ここでは、説明を簡単にするため、マトリクスの各セルには単一の測定値が格納される例を説明する。また、各セルには、バイタルデータの測定値に加え、その測定値に関するタイムスタンプが含まれる。タイムスタンプは、バイタルデータが測定された時刻、又はバイタルデータが取得された時刻を示す。この例において、ある列に属する測定値は、必ずしも同じ時間帯における測定により得られた値とは限らない。例えば、第2列の心拍は2018年11月28日9時15分の測定値であるが、第2列の尿糖は2018年11月27日11時29分の測定値である。図2のマトリクスは被験者毎に記録される。バイタルデータベース131において、各被験者は、例えばバイタルデータ提供システム1によって与えられる識別番号によって区別される。なおバイタルデータベース131の詳細については後述する。
【0034】
再び図2を参照する。クラスタリング手段105は、バイタルデータベース131に記録されている時系列バイタルデータを、属性データに基づいてクラスタリングする。
【0035】
受信手段106は、外部システムからデータの提供要求を受信する。この提供要求は、クラスタリング手段105におけるクラスタリングの結果として得られるクラスター(分類)を指定する情報(以下「分類情報」という)を含む。抽出手段107は、バイタルデータベース131から、分類情報により指定されるクラスターに属する時系列バイタルデータを抽出する。出力手段108は、抽出手段107により抽出された時系列バイタルデータを、提供要求により指定される装置に出力する。一例において、提供要求により指定される装置は、提供要求の送信元である装置である。
【0036】
受信手段106は、時系列バイタルデータの提供を求める要求(以下「提供要求」という)を他の装置から受信する。この提供要求は、外部システム2、外部システム3、又はユーザ端末20から送信される。この提供要求は、記憶手段103に記憶されている時系列バイタルデータの少なくとも一部を指定する情報を含む。この情報は、例えば、クラスタリング手段105により得られたクラスターを指定する情報(以下「分類情報」という)を含む。
【0037】
この例において、サーバ10は、さらに、認証手段109及び対価計算手段110を有する。認証手段109は、ユーザ端末20等の他の装置からの要求を認証する。認証が成功した場合、抽出手段107は、提供要求により指定されるデータをバイタルデータベース131から抽出する。出力手段108は、抽出されたデータを提供要求の送信元である装置(以下「送信元装置」という)又は提供要求により指定される装置に送信する。認証が失敗した場合、出力手段108は、認証要求により指定された時系列バイタルデータを送信元装置等に送信しない。
【0038】
対価計算手段110は、受け付け手段101が受け付けた時系列バイタルデータに対し支払われる対価を計算する。サーバ10の運営事業者は、時系列バイタルデータの提供者(例えば、外部システム2及び外部システム3の運営事業者、又は各被験者)に対し、時系列バイタルデータ提供の対価を支払う。対価計算手段110は、この対価の額を計算する。
【0039】
再び図1を参照する。ユーザ端末20は、サーバ10、外部システム2、及び外部システム3の少なくとも1つにアクセスするための情報処理装置である。ユーザ端末20は、例えばエンドユーザにより使用される。エンドユーザは、例えば被験者である。被験者とは、自身の時系列バイタルデータをバイタルデータ提供システム1に提供する者をいう。ユーザ端末20は、自装置又は被験者を特定する情報を含む提供要求を、例えば外部システム2に送信する。外部システム2は、この提供要求に応じたデータをユーザ端末20に送信する。なお図1においてユーザ端末20は包括的に1台のみ図示したが、それぞれ異なる被験者により使用される複数台のユーザ端末20が、それぞれ、サーバ10、外部システム2、及び外部システム3の少なくとも1つにアクセスできる。
【0040】
図4は、サーバ10のハードウェア構成を例示する図である。サーバ10は、CPU151、メモリ152、ストレージ153、及び通信IF154を有するコンピュータ装置である。CPU151は、プログラムを実行し、サーバ10の他の要素を制御する制御装置である。メモリ152は、CPU151がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置である。ストレージ153は、各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置である。通信IF154は、所定の通信規格に従って他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0041】
この例において、ストレージ153は、コンピュータ装置をバイタルデータ提供システム1におけるサーバ10として機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という)を記憶する。CPU151がサーバプログラムを実行している状態において、CPU151が、受け付け手段101、特定手段102、書き込み手段104、クラスタリング手段105、受信手段106、抽出手段107、出力手段108、認証手段109、及び対価計算手段110の一例である。また、メモリ152及びストレージ153の少なくともいずれか一方が記憶手段103の一例である。
【0042】
なお、詳細な説明は省略するが、外部システム2及び外部システム3も、例えば、CPU、メモリ、ストレージ、及び通信IFを有する汎用のコンピュータ装置を含む。また、ユーザ端末20は、ユーザにより使用される汎用のコンピュータ装置、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータである。外部システム2、外部システム3、及びユーザ端末20において、コンピュータ装置をバイタルデータ提供システム1におけるクライアントとして機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という)が記憶される。各装置がこのクライアントプログラムを実行することにより、以下で説明する処理に係る機能が実装される。なお、外部システム2及び外部システム3(事業者)において実行されるクライアントプログラムと、ユーザ端末20(被験者)において実行されるクライアントプログラムとはそれぞれ異なっていてもよい。
【0043】
2.動作
動作説明に先立ち、バイタルデータ提供システム1の状況を説明する。この例において、ある事業者(以下「事業者A」という)が、外部システム2を用いて、バイタルデータの記録サービス(以下「サービスA」という)を提供している。サービスAにおいてバイタルデータの記録に用いられるセンサーは、例えば腕時計型のいわゆる活動量計であり、被験者の歩数及び脈拍を測定する。被験者は、例えばこのセンサーを1日中、着用する。このセンサーは、一定の時間間隔(例えば10分毎)で被験者の歩数及び脈拍を測定し、その測定値にタイムスタンプを付与して記憶する。被験者は、所望のタイミングでセンサーを中継装置(図示略)に接続し、バイタルデータを中継装置に転送する。中継装置は、例えばいわゆるパーソナルコンピュータであり、インターネット接続される。被験者は、サービスAに登録済みである。被験者は、中継装置からサービスAにログインし、自身のバイタルデータをサーバ10にアップロードする。サービスAにログインしたユーザ(被験者)は、自身のバイタルデータを閲覧又はダウンロードすることができるが、他者のバイタルデータを閲覧又はダウンロードすることはできない。
【0044】
事業者Aと別の事業者(以下「事業者B」という)は、外部システム3を用いたバイタルデータの記録サービス(以下「サービスB」という)を提供している。外部システム3においてバイタルデータの記録に用いられるセンサーは、例えば紙等の基材に貼り付けられ、尿中の特定成分と反応する酵素が塗布されたセンサーである。排尿後の泌尿器をこの基材で拭くと尿と酵素とが反応し、センサーは特定成分に応じた信号を出力する。センサーは、中継装置(例えばスマートフォン。図示略)と通信するための通信装置を有しており、この通信装置を介して、測定値を中継装置に送信する。測定値を受信した中継装置は、その測定値にタイムスタンプを付与し、サーバ10にアップロードする。サービスBにログインしたユーザ(被験者)は、自身のバイタルデータを閲覧又はダウンロードすることができるが、他者のバイタルデータを閲覧又はダウンロードすることはできない。
【0045】
サービスAとサービスBとは互換性が無く、サービスAのユーザはサービスAを用いてサービスBのバイタルデータを閲覧することができないし、サービスBのユーザはサービスBを用いてサービスAのバイタルデータを閲覧することができない。
【0046】
この状況で、ある事業者(以下「事業者C」という)は、これら複数のサービスを統合するサービス(以下「サービスC」という)を提供する。事業者Cは、サーバ10を管理する。なお、事業者Cは、事業者A及び事業者Bのいずれか一方と同一の者であってもよい。
【0047】
以上の前提の下、バイタルデータ提供システム1の動作を説明する。バイタルデータ提供システム1の動作は、大きく、(a)外部システムから時系列バイタルデータの収集、収集した時系列バイタルデータの活用、及び(c)クライアントに対する時系列バイタルデータの提供、の2つに分けられる。時系列バイタルデータの提供は、さらに、事業者向けのデータ提供及び被験者(個人)向けのデータ提供に分けられる。以下、それぞれの動作を説明する。
【0048】
2−1.時系列バイタルデータの記憶
図5は、バイタルデータ提供システム1の一実施形態に係る動作を例示するシーケンスチャートである。図5の処理の開始前の時点において、外部システム2及び外部システム3は稼働している。外部システム2及び外部システム3は、それぞれ、第1被験者群及び第2被験者群からバイタルデータを取得し、取得したバイタルデータにタイムスタンプを付与して時系列バイタルデータとして記憶する。なお、以下において受け付け手段101等の機能要素を処理の主体として記載する場合があるが、これは、CPU151等のハードウェア要素がサーバプログラム等のソフトウェア要素と協働し、必要に応じて他のハードウェア要素を制御することにより処理を実行することを意味する。
【0049】
ステップS101において、外部システム2は、時系列バイタルデータをサーバ10に送信する。ステップS101の処理は、所定のイベントを契機として行われる。このイベントは、例えば、前回時系列バイタルデータをサーバ10に送信してから所定の時間が経過したというイベントである。あるいは、このイベントは、未送信の時系列バイタルデータのデータ量がしきい値を超えた、というイベントである。外部システム2は、未送信の時系列バイタルデータと送信済の時系列バイタルデータとを特定するための情報(例えば、所定の単位に区分されたデータが送信済か否かを示すフラグ)を記憶する。外部システム2は、この情報を参照して未送信の時系列バイタルデータを特定し、サーバ10に送信する。時系列バイタルデータをサーバ10に送信すると、外部システム2は、この情報を更新する。
【0050】
この例において、外部システム2は、時系列バイタルデータをサービスC(事業者C)に提供することにつき、あらかじめ各被験者の承諾を得る。外部システム2は、この承諾の有無を示す情報を、時系列バイタルデータと対応付けて記憶する。外部システム2は、サーバ10に時系列バイタルデータを送信する際、承諾の有無を示す情報を参照し、データ提供を承諾した被験者の時系列バイタルデータのみをサーバ10に送信する。
【0051】
ステップS102において、サーバ10の受け付け手段101は、外部システム2から時系列バイタルデータの提供(入力)を受け付ける。外部システム2から提供される時系列バイタルデータは、所定の書式(以下「第1書式」という)で記述されている。ステップS103において、書き込み手段104は、外部システム2から提供された時系列バイタルデータの書式を、第1書式から基準書式に変換する。基準書式とは、サーバ10においてあらかじめ定義された、時系列バイタルデータの標準的なデータ書式(又はデータ形式)である。記憶手段103は、第1書式を基準書式に変換するための第1規則を記憶しており、書き込み手段104は、受け付け手段101が受け付けた時系列バイタルデータの書式を、記憶手段103を参照して、第1書式から基準書式に変換する。記憶手段103は、データの書式を変換する。
【0052】
同様に、受け付け手段101は、外部システム3から時系列バイタルデータの入力を受け付ける。外部システム3から提供される時系列バイタルデータは、外部システム2で用いられているものとは異なる所定の書式(以下「第2書式」という)で記述されている。記憶手段103は、第2書式を基準書式に変換するための第2規則を記憶しており、書き込み手段104は、受け付け手段101が受け付けた時系列バイタルデータの書式を、記憶手段103を参照して、第2書式から基準書式に変換する。
【0053】
ステップS104において、特定手段102は、対象時系列バイタルデータについて、対象属性データを特定する。対象時系列バイタルデータとは、受け付け手段101が入力を受け付けた時系列バイタルデータ(群)のうち、対象となる時系列バイタルデータをいう。対象被験者とは、対象時系列バイタルデータの被験者をいう。対象属性データとは、その時系列バイタルデータが測定された時刻における対象被験者の属性を示すデータをいう。特定手段102は、対象時系列バイタルデータに対応する属性データを属性データベース132に書き込む。属性データベース132において、属性データは、属性の時間変化を参照可能な形式で記録される。
【0054】
対象属性データの特定には、種々の手法が用いられる。一例において、外部システム2は、時系列バイタルデータと属性データとをセットでサーバ10に送信する。外部システム2は被験者を直接の会員としており、被験者の属性を取得することができる。時系列バイタルデータと属性データとがセットで受信された場合、特定手段102は、対象時系列バイタルデータとセットで受信された属性データを対象属性データとして特定する。別の例において、対象時系列バイタルデータが単独で(属性データとセットではなく)受信された場合、特定手段102は、従前の属性が維持されているものと判断し、その時点で属性データベース132に登録されている最新の属性データにより示される属性が維持されると判断する。詳細には、受け付け手段101が2018年12月3日の0:00〜23:59までの時系列バイタルデータを受信した場合において、この対象時系列バイタルデータとセットになっている属性データが無いときは、特定手段102は、属性データベース132に記録されているその被験者の最新の属性データにより示される属性(例えば、2018年12月2日23:59時点の属性)が、対象時系列バイタルデータの期間(2018年12月3日の0:00〜23:59)も維持されると判断する。さらに別の例において、対象時系列バイタルデータ又は属性データベース132には、属性データを記憶するリソース(ネットワーク上の所在)を示すリンクが含まれる。特定手段102は、このリンクにより示されるリソースから属性データを取得する。
【0055】
外部システム2から送信される時系列バイタルデータは、属性データの特定方法(例えば、上記の3つの例のうちいずれか1つ)を指定する情報を含んでいてもよい。特定手段102は、この情報により指定される方法を用いて属性データを特定する。あるいは、これら複数の特定方法にあらかじめ優先順位が付与されており、特定手段102は、優先順位が高い特定方法から順に試し、ある方法により属性データの特定に成功すると、次の処理に移行する。
【0056】
さらに、書き込み手段104は、基準書式に変換された時系列バイタルデータをバイタルデータベース131に書き込む(ステップS105)。このとき、書き込み手段104は、時系列バイタルデータに加え、ステップS104において特定された属性データとの対応関係を示す情報をバイタルデータベース131に書き込む。属性データとの対応関係を示す情報は、例えば属性データの所在を示す情報、属性データの識別情報、及び属性データそのものの少なくとも1種を含む。この場合において、書き込み手段104は、時系列バイタルデータと属性データとを、時間軸上の対応関係が分かるデータ構造でバイタルデータベース131及び属性データベース132に書き込んでもよい。
【0057】
バイタルデータベース131への時系列バイタルデータの書き込みに際し、書き込み手段104は、被験者の識別情報の変換(又は付与)を行う。時系列バイタルデータには、そのバイタルデータが取得された被験者(ユーザ)を特定するための識別情報が含まれる。ここで、外部システム2及び外部システム3においては、各被験者にそれぞれ独自の識別情報(会員番号等。以下「個別識別情報」という)が割り当てられるところ、同一人物が外部システム2及び外部システム3の双方を利用している場合には、外部システム2及び外部システム3により与えられた識別情報だけでは被験者の同一性を特定できないことがある。識別情報の変換はこの問題に対処するために行われるものであり、いわゆる名寄せに相当する処理である。この処理には、名寄せデータベース133が用いられる。
【0058】
図6は、名寄せデータベース133を例示する図である。名寄せデータベース133において、外部システム2における識別情報、外部システム3における識別情報、及びサーバ10における識別情報が対応付けられる。図5の例において、外部システム2において識別情報「ABC001」が与えられ、さらに外部システム3において識別情報「123456」が与えられた被験者に対し、共通の識別情報(以下「共通識別情報」という)として「967754B」がサーバ10により与えられる。また、外部システム2において識別情報「DEF209」が与えられた被験者と同一の被験者は外部システム3には登録されておらず(図では「NA」と表す)、この被験者に対して共通識別情報として「823467C」が与えられる。名寄せデータベース133は、事業者A及び事業者Bから提供される被験者一覧を用いて、サーバ10の運営事業者により作成及び更新される。あるいは、名寄せデータベース133は、外部システム2から未知の識別情報を受信したときに、外部システム2に対し、識別情報に対応する個人情報の問い合わせを行ってもよい。この問い合わせに対し、外部システム2は、識別情報に対応する個人情報のうち所定数の項目の個人情報(例えば、電話番号及び生年月日)をサーバ10に送信する。サーバ10は、被験者の識別情報と個人情報の一部とを対応付けるデータベース(図示略)を記憶しており、このデータベースを参照して、受信した個人情報に対応する識別情報を特定する。この例において、書き込み手段104は、個別識別情報を共通識別情報に変換する変換手段の一例である。
【0059】
再び図5を参照する。バイタルデータベース131への時系列バイタルデータの書き込みが完了すると、対価計算手段110は、対価計算処理を行う(ステップS106)。すなわち、対価計算手段110は、外部システム2に対して提供される、時系列バイタルデータ提供への対価の額を計算する。ここで計算されたサーバ10の運営事業者は、外部システム2の運営事業者に対し、時系列バイタルデータ提供の対価を支払う。
【0060】
対価の計算は例えば以下のように行われる。一例において、対価は、被験者数、測定点数、データの品質を示す指標(以下「品質指標」という)を用いて計算される(最も単純な例はこれらの積である)。データの品質を示す指標は、例えば以下のように得られる。この例において、時系列バイタルデータに対しては、その時系列バイタルデータが満たすべき時間軸上の複数の制約条件が設定されている。これらの制約条件は、時系列バイタルデータの品質に関する条件である。対価計算手段110は、例えば、これらの制約条件が満たされる割合に応じて品質指標を計算する。一例において、この制約条件は例えば以下のとおりである。
(a)(各被験者につき)最初の測定点の時刻から最後の測定点の時刻までの時間が、しきい値時間以上である。このしきい値時間は、例えば、外部システムからサーバ10に時系列バイタルデータを送信する周期に応じて決められる。一例としては、このしきい値時間は、周期の半分である。例えば周期が24時間である場合、しきい値時間は12時間である。
(b)(各被験者につき)隣り合う2つの測定点間の時間間隔がしきい値時間以下である。このしきい値時間も(a)と同様に外部システムからサーバ10に時系列バイタルデータを送信する周期に応じて決められてもよい。(b)のしきい値時間は、(a)のしきい値時間よりも短い。
(c)単位時間当たりの測定点の数がしきい値以上である。
上記のしきい値時間及びしきい値を複数レベル設定してもよい。例えば条件(a)について、しきい値時間を2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、及び96時間の6段階に設定してもよい(後の方がデータの品質が高い)。また、条件(b)について、しきい値時間を4時間、2時間、60分、30分、5分の5段階に設定してもよい(後の方がデータの品質が高い)。さらに、これらのしきい値が、バイタルデータの種類に応じて変更されてもよい。
【0061】
条件(a)に関し、例えば100人の被験者の時系列バイタルデータが提供される場合において、このうち40人の時系列バイタルデータが条件(a)を満たし、残り60人の時系列バイタルデータが条件(a)を満たさないときは、制約条件が満たされる割合40%に相当する品質指標が計算される。
【0062】
条件(b)に関し、例えばある被験者から得られた101個の測定点からなる時系列バイタルデータについて、100個の隣接測定点間の区間のうち56区間が条件(b)を満たし、残り44区間が条件(b)を満たさない場合、この被験者について制約条件が満たされる割合は56%である。全ての被験者について平均を取ると制約条件が満たされる割合が55%であった場合、制約条件が満たされる割合55%に相当する品質指標が計算される。なお全ての被験者について平均を取る場合に、測定点の数等に応じて重み付けされてもよい。
【0063】
対価計算手段110は、上記のように計算した対価を、その対価の対象となる時系列バイタルデータを特定する情報とともに、記憶手段103に記憶する。サーバ10の運営事業者は、この記録に基づいて外部システム2の運営事業者に対して対価の支払いを行う。
【0064】
このようにして、外部システム2からの時系列バイタルデータがバイタルデータベース131に記録される。詳細な説明は省略するが、外部システム3からの時系列バイタルデータの受け付けについても外部システム2と同様である。ただし、時系列バイタルデータのサーバ10への送信をトリガするイベント及びその頻度は、外部システム2と外部システム3とで異なっていてもよい。
【0065】
また、ここでは外部システム2又は外部システム3からサーバ10に時系列バイタルデータが提供される例を説明したが、ユーザ端末20から直接、サーバ10に対して時系列バイタルデータが送信されてもよい。この場合において、外部システムの例で説明したように、時系列バイタルデータを認証キーとして用いる認証が行われてもよい。
【0066】
2−2.時系列バイタルデータの解析
クラスタリング手段105は、バイタルデータベース131に記録されている時系列バイタルデータの解析をする。この解析には、時系列バイタルデータのクラスタリング処理が含まれる。
【0067】
クラスタリング手段105は、被験者の属性と時系列バイタルデータとの関連性を解析する。データの解析には、いわゆるAI、機械学習、又は深層学習等の技術が用いられてもよい。一例において、クラスタリング手段105は、時系列バイタルデータをクラスタリングする(複数のクラスターに分類する)。この場合において、クラスタリング手段105はクラスタリング手段の一例である。クラスタリングの際は、各被験者の時系列バイタルデータがそのまま用いられてもよいし、各被験者の時系列バイタルデータの統計値(平均値、最大値、又は最小値等)が用いられてもよい。一例において、クラスタリングは、時系列バイタルデータの種類毎に行われる(例えば、尿酸及びシュウ酸についてそれぞれ別個にクラスタリングが行われる)。また、クラスタリング手段105は、ある特定種類の時系列バイタルデータについてクラスタリングを行ってもよい。このとき、クラスタリング手段105は、このクラスタリングの結果を、他の種類の時系列バイタルデータにおいても参照可能な形式で付与してもよい。一例において、クラスタリング手段105は、クラスタリングの結果による分類を示す情報を、バイタルデータベース131においてその被験者の識別情報に対応付けて記憶する。あるいは、クラスタリング手段105は、被験者の属性をクラスタリングしてもよい。
【0068】
また、クラスタリング手段105は、特定の時系列バイタルデータが、どの属性により影響を受けるのかという事項を解析してもよい。より詳細には、クラスタリング手段105は、肺癌のマーカーと喫煙歴との相関を解析したり、運動歴と尿糖との相関を解析したりする。このようにして、クラスタリング手段105は、蓄積した時系列バイタルデータから、バイタルデータと被験者属性との関連性を示す情報を得ることができる。クラスタリング手段105は、さらに、この情報から、特定の疾患に罹患しやすい属性を有する被験者を特定することができる。
【0069】
別の例において、クラスタリング手段105は、ある特定の被験者の時系列バイタルデータと、その被験者と同一の又は対応する属性を有する他の被験者群の時系列バイタルデータとの対比から、その特定の被験者の時系列バイタルデータにおける異常を検知してもよい。例えば、クラスタリング手段105は、ある被験者の尿酸値が、同じ年齢層及び同じ性別の他の被験者の尿酸値と比較して著しく高い、といった事象を検知することができる。
【0070】
さらに別の例において、クラスタリング手段105は、ある特定の被験者の時系列バイタルデータにおける測定値の時間変化から、異常な変化又はその兆候を検知してもよい。例えば、クラスタリング手段105は、ある被験者に対し、直近の2年間においてシュウ酸の測定値が10前後で推移していたのに、それが急に40程度に上昇した場合、異常な変化又はその兆候を検知する。
【0071】
クラスタリング手段105は、上記いずれかの解析により得られた情報を、バイタルデータベース131又は他のデータベースに記録する。また、クラスタリング手段105は、この情報を、要求に応じて、又は自発的に、他の装置に出力してもよい。この情報の出力先は、例えば、外部システム2、外部システム3、ユーザ端末20、又はそれ以外の装置である。
【0072】
2−3.時系列バイタルデータの提供
2−3−1.外部システム向け
図7は、外部システム向けの時系列バイタルデータの提供に係る動作を例示するシーケンスチャートである。ここでは、外部システム2が、外部システム2のユーザ以外の被験者を含む1人以上の被験者の時系列バイタルデータを取得する例を説明する。外部システム2は、例えば、外部システム2のユーザに対し時系列バイタルデータの統計値を提供するためにこれらの時系列バイタルデータを取得する。
【0073】
ステップS201において、外部システム2は、サーバ10に対しログイン要求を送信する。ログイン要求には、例えば、外部システム2の識別情報(契約ID等)及び認証キーが含まれる。認証キーは、例えばパスワードである。外部システム2の識別情報及びパスワードは、例えば、サーバ10の運営事業者により与えられる。ログイン要求を受信すると、サーバ10の認証手段109は、ログイン要求に含まれる識別情報及び認証キーの組が正当なものであるか認証する(ステップS202)。
【0074】
別の例において、認証キーは、外部システム2が過去に被験者から得た時系列バイタルデータの少なくとも一部を含む。この時系列バイタルデータは、既にサーバ10に送信済(バイタルデータベース131に記録済)の時系列バイタルデータの一部である。サーバ10の認証手段109は、受信した認証キーに含まれる時系列バイタルデータを、バイタルデータベース131内のデータと照合する。この照合において同一のデータが記録されていると判断された場合、認証手段109は、このログイン要求を認証する。同一のデータが記録されていないと判断された場合、認証手段109は、このログイン要求を認証しない。以下、この技術についてより詳細に説明する。
【0075】
図8は、ある被験者の時系列バイタルデータを例示する図である。この図の横軸は測定時刻を、縦軸は測定値(この例ではシュウ酸)をそれぞれ示している。図3において説明したように、時系列バイタルデータは、測定値及びタイムスタンプのセットを単位としている。バイタルデータの測定は任意のタイミングで行われるため、測定値及びタイムスタンプのセットの配列はその被験者においてユニークなものである。例えば、ある基準時(例えば現在時刻)から所定数(例えば3セット)のデータ(図において破線で囲った部分)を見ると、(測定値,タイムスタンプ)のセットは、
(20.1,2018/11/27 07:56)
(25.9,2018/11/27 11:29)
(22.2,2018/11/27 18:52)
上記3組のデータの配列が得られる。これら3組のデータの配列は被験者にユニークである確率が高い。取得するデータセットの数を増やすとその確率はより高くなる。さらに、上記の例から測定値だけを取り出した配列(20.1,25.9,22.2)もその被験者においてユニークなものである確率が高い。あるいは、上記の例からタイムスタンプだけを取り出した配列もその被験者においてユニークなものである確率が高い。したがって、時系列バイタルデータの一部を認証キーとして用いることができる。ここで、「時系列バイタルデータの一部」とは測定値及びタイムスタンプのセットを一部取り出したもの(最初の例)、測定値及びタイムスタンプのいずれか一方のみを一部取り出したもの(第2及び第3の例)の双方を含む概念である。
【0076】
この手法によれば測定点の数が多いほどデータの配列がユニークになる確率が高く、すなわちセキュリティが強固になる。しかし、時系列バイタルデータを取り始めた初期の段階等、測定点の数が少ないときは、必然的にセキュリティが弱くなってしまうという問題がある。この問題に対処するため、認証キーとして時系列バイタルデータの一部を用いる例において、この「一部」を何らかのトリガに応じて切り替えてもよい。切り替えのトリガは、例えば、アクセスの時間帯又は要求されるセキュリティ強度である。切り替えの対象は、被験者数、バイタルデータの種類、又はデータセットの内容である。例えば、認証キーに用いられる時系列バイタルデータの測定点の数がしきい値より小さい場合は測定値及びタイムスタンプのセットを認証キーとして用い、測定点の数がしきい値以上である場合は測定値及びタイムスタンプのいずれか一方のみを認証キーとして用いてもよい。あるいは、測定点の数がしきい値より小さい場合は複数種類のバイタルデータ(例えば尿酸とシュウ酸)を認証キーとして用い、測定点の数がしきい値以上の場合はより少ない種類のバイタルデータ(例えば尿酸のみ)を認証キーとして用いてもよい。
【0077】
この例によれば、認証キーは高い頻度で(新しい時系列バイタルデータが入力されるたびに)更新されることになるので、セキュリティを強固にすることができる。
【0078】
再び図7を参照する。ステップS203において、サーバ10は、ログイン要求に対する処理の結果(認証成功又は認証失敗)を、そのログイン要求の送信元である外部システム2に送信する。認証成功の通知を受信した場合、外部システム2は、時系列バイタルデータの提供要求をサーバ10に送信する(ステップS204)。この提供要求は、時系列バイタルデータを絞り込むための情報、例えば、バイタルデータの種類(例:尿酸及び尿糖)、被験者の属性(例:40代男性)、時間帯(例:2017年〜2018年の2年間)、バイタルデータの提供元の事業者(例:サービスA)、及びクラスタリング手段105による解析結果(例:肺癌患者の多いクラスター)の少なくとも一部を特定する情報(前述の分類情報)を含む。
【0079】
ステップS205において、サーバ10の抽出手段107は、バイタルデータベース131から、提供要求に含まれる情報により絞り込まれるデータを抽出する。この例において、抽出の対象となるデータは、外部システム2から提供された時系列バイタルデータのみではなく、外部システム3を含む全てのシステムから提供された時系列バイタルデータ(全被験者群の時系列バイタルデータ)である。出力手段108は、抽出されたデータを提供要求の送信元である外部システム2に送信する(ステップS206)。対価計算手段110は、外部システム2に対して送信した時系列バイタルデータの対価を計算する。対価の計算は、例えば、ステップS106で説明した手法と同様に行われる(用いられる指標はデータ入力時と異なってよい)。あるいは、事業者C(サーバ10の運営者)は、事業者A(外部システム2の運営者)と契約に従って時系列バイタルデータに課金してもよい。この契約は、例えば、定額制のものであってもよいし、従量制のものであってもよい。
【0080】
事業者Cは、事業者Aとの契約により、事業者Aに提供できる時系列バイタルデータに制限を設けてもよい。制限は、バイタルデータの提供元に関するもの(例:サービスA及びサービスBのデータのみ提供可)、測定時刻に関するもの(例:2018年に測定されたデータのみ提供可)、及び被験者の属性に係るもの(例:40代のデータのみ提供可、東北地方在住者のデータのみ提供可)の少なくとも1つを含んでもよい。この場合、サーバ10は、事業者Aとの契約に関する情報を記憶手段103に記憶する。抽出手段107は、この情報により示される制限に合致するデータのみ抽出する。
【0081】
抽出手段107が抽出するデータには、クラスタリング手段105による解析結果を示す情報(例えば、クラスタリングの分類を示す情報)が含まれてもよい。
【0082】
2−3−2.被験者向け
被験者向けの時系列バイタルデータの提供に係る動作も、事業者向けのものと基本的には同様である。特にこの例においては、自身のバイタルデータを認証キーとして使用すると、被験者(ユーザ)はパスワードを覚えておく必要がないという利点がある。ただし、ユーザ端末20からサーバ10に対して提供要求を送信する場合、この提供要求には、ユーザ(被験者)を特定する識別情報が含まれる。この識別情報は、個別のサービス(サービスA又はサービスB)における識別情報、及び共通識別情報のいずれであってもよい。抽出手段107は、バイタルデータベース131から、提供要求に含まれる識別情報により特定される被験者のバイタルデータを抽出する。提供要求は、被験者の識別情報に加え、バイタルデータを絞り込むための情報(例:2018年における尿酸のデータ)を含んでもよい。抽出手段107は、バイタルデータベース131から、この情報により絞り込まれたバイタルデータを抽出する。このとき、抽出手段107は、クラスタリング手段105による解析結果を示す情報を併せて抽出してもよい。出力手段108は、抽出されたデータを、提供要求の送信元であるユーザ端末20に送信する。
【0083】
図9は、ユーザ端末20において表示される画面を例示する図である。この例は、ある被験者の尿酸値の推移を示す。この例では、直近の2つの測定点において痛風の兆候が見られることがクラスタリング手段105により発見されており、その結果を示すメッセージ91が表示される。具体的には「痛風の兆候が見られます。受診をお勧めします。」というメッセージが表示される。さらに、このメッセージの下には「(提携病院を検索)」というリンクが表示されている。ユーザがこのリンクを選択すると、ユーザ端末20の画面は、バイタルデータ提供システム1の提携病院を検索するための画面に切り替わる。ここでいう提携病院は、外部システムの管理主体の一例である。ユーザは、この画面から、例えば自宅又は職場に近い病院を検索する。検索された病院の中からユーザが一の病院を選択すると、ユーザ端末20の画面は、さらに、選択した病院における診察を予約するための画面に切り替わってもよい。診察が予約されると、サーバ10は、この被験者の時系列バイタルデータを、予約された病院に送信してもよい。このように、本実施例によれば、病気の兆候をより早く発見することができ、また、その後の診察においても診察以前のバイタルデータが自動的に病院に送信され、医師は被験者の状態をより詳細に知ることができる。
【0084】
別の例において、バイタルデータ提供システム1は、スポーツクラブにおける運動を薦めてもよい。この場合、病院の検索画面に代えてスポーツクラブの検索画面が表示される。スポーツクラブも外部システムの管理主体の一例である。さらに別の例において、バイタルデータ提供システム1は、健康食品又はサプリメントの購入を薦めてもよい。この場合、病院又はスポーツクラブの検索画面に代えて健康食品又はサプリメントの通販サイトへのリンクが表示される。このように、本実施例によれば、被験者のバイタルデータに応じて多様な情報を、その被験者に提供することができる。
【0085】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0086】
実施形態においてサーバ10に実装されるものとして説明した機能の一部を、クライアント装置(外部システム2、外部システム3、又はユーザ端末20)に実装してもよい。例えば、外部システム2、外部システム3、又はユーザ端末20が、各サービス固有の識別情報を共通識別情報に変換してからサーバ10に時系列バイタルデータを送信してもよい。
【0087】
実施形態においてサーバ10に実装されるものとして説明した機能の一部を、他のサーバ装置に実装してもよい。例えば、クラスタリング手段105がサーバ10とは別のサーバ装置に実装されてもよい。
【0088】
特定手段102が属性データを特定する手法は実施形態において例示されたものに限定されない。例えば、サーバ10は、被験者の属性データを推定するための推定手段(図示略)を有してもよい。あらかじめ決められた方法によっても被験者の属性データを発見できない場合、この推定手段が、被験者の属性を推定する。一例において、推定手段は、同じ被験者の過去の属性データからその被験者の現在の属性を推定する。このとき、推定手段は、その属性データと相関のあるバイタルデータの時間変化を参照して、その属性データを推定してもよい。別の例において、推定手段は、クラスタリング手段105の解析結果において、対象となる被験者と同一のクラスターに属する他の被験者の属性データから、対象被験者の属性を推定してもよい。この場合においてクラスタリングは、ある種類の時系列バイタルデータに基づいて行われる。
【0089】
属性データは、実施形態において例示されたものに限定されない。例えば、時系列バイタルデータとして取得されたデータの一部が、別の種類の時系列バイタルデータに対する属性データとして用いられてもよい。
【0090】
サーバ10へのアクセスの認証キーとして時系列バイタルデータの一部を用いる場合において、時系列バイタルデータ群の中から認証キーとして用いられる「一部」を特定するための情報(インデックス情報)を、要求の送信元装置からサーバ10に送信してもよい。インデックス情報は、例えば、複数の被験者の中から一の被験者を特定する被験者識別情報を含んでもよい。あるいは、インデックス情報は、時系列バイタルデータが測定された時間帯を指定する時間帯情報を含んでもよい。この例によれば、サーバ10においてバイタルデータベース131を検索する範囲を絞り込むことができ、負荷を軽減することができる。
【0091】
事業者A、事業者B、又は事業者Cは、バイタルデータの提供者に対し特典を付与してもよい。この場合において、各事業者は、提供されるデータの品質に応じて特典を変えてもよい。すなわち、高品質のデータを提供した被験者に対しては高い特典を付与してもよい。なおデータの品質については、例えばステップS106における品質指標と同様の手法に基づいて評価される。
【0092】
ユーザ端末20からの提供要求に従ってバイタルデータを提供する場合、抽出手段107は、提供の対象となるバイタルデータの時間長に応じて測定点を間引いてもよい。例えば、10年分のバイタルデータが要求された場合、抽出手段107は、1年分のデータが要求された場合と比較して単位期間のデータ点の数を1/10に間引く。
【0093】
実施形態におけるシーケンスチャートはあくまで例示であり、バイタルデータ提供システム1の動作はこれに限定されない。例えば、処理の順序は実施形態で説明したものから入れ替えられてもよい。
【0094】
実施形態において各種のコンピュータ装置が実行するプログラムは、非一時的な記憶媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に記録された状態で提供されてもよい。
【要約】
サーバは、第1被験者群から第1種類の時系列バイタルデータを収集する第1システムから当該第1種類の時系列バイタルデータの提供を受け付け、第2被験者群から第2種類の時系列バイタルデータを収集する第2システムから当該第2種類の時系列バイタルデータの提供を受け付ける受け付け手段と、前記第1種類及び前記第2種類を含む複数種類の時系列バイタルデータを記憶する記憶手段と、前記バイタルデータベースに記憶されている時系列バイタルデータの少なくとも一部を指定する、当該時系列バイタルデータの提供要求を外部装置から受信する受信手段と、前記バイタルデータベースに記憶されている時系列バイタルデータのうち、前記提供要求に従って選択された時系列バイタルデータを前記装置に送信する送信手段とを有する。
図1
図2
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図4
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図7
図8
図9