【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)IRBR5N−CIPLS−MSBS 販売日:平成27年3月11日等、販売場所:照明事業部等 (2)IRBR5L−CIPLS−MSBS 販売日:平成27年3月11日等、販売場所:照明事業部等 (3)IRBR5N−SQPLS−MSBS 販売日:平成27年3月11日等、販売場所:照明事業部等 (4)IRBR5L−SQPLS−MSBS 販売日:平成27年3月11日等、販売場所:照明事業部等 (5)IRBR5L−CIPLS−MSBS−P 販売日:平成27年5月15日、販売場所:販促イベント部 展示会・祭
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の人感センサは固定されているため、その検知エリアは器具本体の取付位置によって決定される。
【0006】
一方、近年、照明装置を取り付けた後において、センサの検知エリアを自由に変更したいとの要望がある。例えば、玄関のレイアウトによっては、人の進入経路とセンサ検知エリアが一致しておらず、死角が生じることもあり、取り付け後に検知エリアを調整したい場合がある。また、照明装置を取り付けた後で変化した人の進入経路に対応して調整したい場合もある。
【0007】
上記の要望に対し、特許文献2では、検知エリアに対応するマスキングパーツの一部を分離除去することで検知エリアを設定し、さらに、右回り90°、左回り90°の水平回転可能な検知センサにより検知エリアが調整可能である。しかしながら、フルネルレンズが半球ドーム型であるため、フルネルレンズを指でつまんで回転角度を微調整することは簡単ではない。また、マスキングパーツを再利用する場合に、その保管や使用したい時に探す手間もあり煩雑である。
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、センサの検知エリアを簡単な機構で可変できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明装置は、
取付対象に取り付けられる器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる透光性カバーと、
前記器具本体と前記透光性カバーとの間に配置されるLED照明ユニットと、
前記LED照明ユニットと電気的に接続されるセンサユニットと、を備える照明装置であって、
前記センサユニットは、
センサと、
前記センサを覆うセンサカバーと、
前記センサおよび前記センサカバーが前記器具本体に対して回動可能な回動機構と、を有し、
前記センサカバーが、その外方向に延設される複数の凸部を有する。
【0010】
この構成によれば、センサおよびセンサカバーを回動することで、照明装置を取り付けた後でも、センサの検知エリアを簡単に可変にできる。また、複数の凸部は、例えば、センサ検知エリア方向以外の外面に設けられる。この凸部があることで掴みやすくなり、回動操作(手動の回動操作)を簡単に行える。例えば、濡れた手であっても簡単に回動できる。凸部の形状、数、種類は制限されない。
【0011】
上記発明の一実施形態として、
前記回転機構は、
前記センサユニットの筐体の底面に設けられる環状枠と、
前記センサが取り付けられ、かつ前記環状枠の内周側に少なくとも一部が前記センサユニットに対し回動可能に配置されるセンサ基台と、
前記センサ基台と連動する前記センサカバーを、前記センサユニットに対し回動可能に前記環状枠の外周側に取り付ける取付部材と、を有する。
【0012】
環状枠に対し、センサ基台とセンサカバーが摺動可能(回動可能)に取り付けられることで、横ぶれすることなくスムーズに回動できる。
【0013】
上記発明の一実施形態として、前記回動機構は、前記センサおよび前記センサカバーを、正面視で右方向および/または左方向に水平回転可能な構成である。水平回転の角度(パン角)の範囲は、例えば、中心位置を基準に±30°〜±60°である。
【0014】
上記発明の一実施形態として、前記センサが、人感センサを有する。また、上記発明の一実施形態として、前記センサが、照度センサを有する。
【0015】
上記発明の一実施形態として、前記人感センサの検知中心は、前記LED照明ユニットの光出射方向(水平方向)を基準として30°〜60°下方向を向いている(俯角30°〜60°である)。照明装置は、例えば、玄関壁に取り付けられる。例えば、玄関壁の高さ1700mm〜2600mmの範囲に取り付けられる場合に、人感センサの検知中心が光射出方向(例えば、水平方向、壁面から垂直方向)を基準にして30°〜60°斜め下方向を向いていることが好ましい。人感センサの検知中心と鉛直線とで構成される角度(俯角)θが、例えば30°〜60°である。
【0016】
上記発明の一実施形態として、前記センサカバーの内面は、前記人感センサの検知方向位置に凹部および/または凸部を有する。この構成によれば、センサカバー内面の所定エリアを粗面化(例えば、凹部、凸部形成)することで、人感センサの検知感度を低下させ、検知エリア(例えば、前方遠位方向、前方近位方向、下方向、右方向、左方向など)を調整することができる。
【0017】
上記発明の一実施形態として、LED素子は、例えばシングルチップの砲弾型と表面実装型、マルチチップの表面実装型が挙げられる。
【0018】
上記発明の一実施形態として、人感センサとしては、例えば焦電センサ、モーションセンサ、光センサ、温感センサなどが挙げられる。
【0019】
上記発明の一実施形態として、照度センサとしては、例えばフォトトランジスタを使うタイプ、フォトダイオードを使うタイプ、フォトダイオードにアンプ回路を追加したタイプなどが挙げられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、センサの検知エリアを簡単な機構で可変できる照明装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態1)
実施形態1の照明装置は、玄関に設置するポーチ灯1であり、以下において図面を参照しながら説明する。
図1はポーチ灯1の外観斜視図であり、
図2A〜2Dは、それぞれ
図1のポーチ灯の正面図、左側面図、底面図、右側断面図である。
図2Eは、LED照明ユニットを器具本体へ取り付けた状態を示す横断面図を示す。
【0023】
(ポーチ灯の基本構成)
ポーチ灯1は、取付対象に取り付けられる器具本体11と、器具本体11の内部に配置されるLED照明ユニット2と、LED照明ユニット2を覆う透光性カバー12と、LED照明ユニット2と電気的に接続されるセンサユニット5を備える。
【0024】
器具本体11は、筒状であり、筒状の一方開口は取付面110によって塞がれている(
図2D参照)。取付面110の略中央に開口部(不図示)が形成され、この開口部に商業用電源ケーブルが挿通される。取付面110の裏面に弾性部材のシート111が設けられる。この弾性部材のシート111は、取付対象(壁)が破損しないための防護機能(クッション機能)と固定性の向上機能を有する(
図2D参照)。
【0025】
器具本体11の他方開口は、防水部材122を介し乳白色の透光性カバー12が取り付けられる。器具本体11の他方開口の内面に第1凸ネジ113を設け、透光性カバー12の外面に第2凸ネジ123が設けられ、これら螺合手段によって、器具本体11と透光性カバー12が固定される。本実施形態において、器具本体11と透光性カバー12は、アクリル等の熱可塑性樹脂製であるが、器具本体11をアルミ、その他の金属、陶器などで構成してもよく、透光性カバー12をガラスなどで構成してもよい。
【0026】
LED照明ユニット2は、円形のLEDカバー25を有する。LEDカバー25は、左右のカバー外縁から外に向かって延設され、取付穴251aが形成される取付片251と、取付穴252aが形成される取付片252を有する(
図2E、
図3A参照)。器具本体11は、取付面から透光性カバー12側に突設される突設部115、117を有する。突設部115、117は、それぞれ、雌ネジ構造を有している。
図2Eに示すように、LEDカバー25の取付片251、252を突設部115、117の天面に配置し、それぞれの取付穴251a、252aに固定ネジ(雄ネジ)116、118で固定することで、LED照明ユニット2を器具本体11に取り付ける。
【0027】
図7A〜7Dに示す通り、器具本体11の下部にセンサユニット5が設けられている。本実施形態では、センサユニット5は、センサ51とセンサ51を覆うセンサカバー52と、センサ駆動回路(不図示)を有する。センサ51とセンサカバー52は、器具本体11の下端に露出するように配置され、センサ駆動回路(不図示)は器具本体11の筒内に配置される。センサ51は、焦電型の人感センサで、照度センサと共にセンサ基板511に搭載されている。人感センサが人を検知した場合、かつ照度センサが閾値以下の照度を検知した場合に、直流電流が各LED素子21へ供給されて点灯する構成である(
図2E参照)。人感センサの検知中心と鉛直線とで構成される角度θが、例えば30°〜60°である(
図2D参照)。
【0028】
(防水カバー)
器具本体11から防水カバー112が延設されている。防水カバー112は、センサ51およびセンサカバー52の前側および両側面側をカバーする形状である。本実施形態では、センサカバー52の先端部52aが、防水カバー112下端から正面視で露出し、前方および下方斜め方向でのセンサ検知エリアを確保する。防水カバー112は、後述する光導出部551c、552cが外部から視認可能な切欠き部位112a、112bを有する。
【0029】
(センサユニットの基本構成)
図7A〜7Dはセンサユニット5と器具本体11に取り付けた正面、裏面、底面、側断面の各図である。
図8A〜8Dはセンサユニット5の構成を説明するための図である。
図9はセンサ51の側面図である。
図10A〜10Cはセンサカバー52の前正面、後正面、底面の各図である。
図11A〜11Bは導光部材の斜視図、平面図である。以下図面を参照しながら説明する。
【0030】
センサユニット5は、筐体57、筐体蓋575、筐体内に配置されるセンサ駆動回路基板58、センサ51、センサカバー52などを有する。
【0031】
筐体57は、器具本体11の裏面11bの雌ネジ(ナット)穴(不図示)に取り付けられる取付片571、572を有する。取付片571、572がそれぞれ貫通穴571a、572aを有する。筐体57は、この貫通穴571a、572aと裏面11bの雌ネジ穴を合わせて雄ネジ(固定ネジ)573a、573bによって器具本体11と固定される。
【0032】
筐体蓋575は、センサ駆動回路基板58の貫通穴582a、582bを通り、筐体57の雌ネジ(ナット)(不図示)と雄ネジ(固定ネジ)575a、575bで固定することで、筐体57をカバーする(
図8A、8C参照)。この際、筐体蓋575の内側の周囲に設けられたパッキン(不図示)を筐体57の開口縁部に当接させることで、筐体57と筐体蓋575との防水性を確保する。筐体蓋575は、ケーブルブッシュ575cと、固定ネジ575a、575bが貫通する貫通穴(不図示)を有する。
【0033】
図8Dに示す通り、筐体57は、その底面に環状枠577を有する。筐体57は、その底面に、環状枠577の内側に貫通口577a(
図7D参照)を有し、後述するセンサ基板511とセンサ駆動回路基板58とを結線する配線が、この貫通口577aを通っている。貫通口577aは、後述するセンサ基台53の底面サイズよりも小さく、センサ基台53が貫通穴577aに入り込むことはない。筐体57は、その底面に、後述する導光部材55を取り付けるための雌ネジ穴(ナット)を有する。また、筐体57は、その底面に、後述する光導入部551a、552aが配置される貫通穴(不図示)を有する。また、環状枠577の(筐体57の底面からの)立設根本の外周に防水性のOリング56が配置される(
図8D参照)。
【0034】
センサ駆動回路基板58は、表示用LED素子581a、581b、各種電子部品が実装される。センサ駆動回路基板58は、センサ駆動制御、後述するセンサ動作切替制御などの各種制御機能を有する。
【0035】
センサ基台53は、センサ51が実装されるセンサ基板511をセンサ51の俯角(チルト)を所定角度に規制するように取り付ける取付構造を有する(
図9参照)。本実施形態において、この取付構造は、センサ基板511を係合する複数の係合爪を有し、係合爪は、下爪531、上爪532、左側爪533a、右側爪(左側爪533aの反対側にあり、不図示)を有し、これによって、センサ基板511を固定している。センサ基板511が斜めに固定され、人感センサの検知中心方向が俯角45°に設定されている。また、センサ51の先端ドーム部位51aは、集光用のフレネルレンズを構成している。また、センサ基台53は、環状枠577の内周面と当接する凸条部536a、536b(
図9の裏面にも536と同様の突条部があるが、不図示)を有する。この凸条部により、センサ基台53と環状枠577との当接面積を少なくして摺動(回動)をスムーズに行う。
【0036】
図9に示す通り、センサ基台53の両側面に左キー溝535a、右キー溝(不図示)がセンサ基台53の上下方向に設けられている。この左右キー溝(535a)に、センサカバー52の側面内部で先端部52aに向かって設けられるキー522a、522b(
図10C参照)が噛み合うように配置される。センサカバー52を回動させた場合に、キーとキー溝との噛み合いによって、センサ基台53も同時に回動し、センサ基台53に固定されたセンサ51も回動する。
【0037】
(センサカバー)
図10A〜10Cに示す通り、センサカバー52は、半球状の先端部52aと、先端部52aに連接される筒状の胴部52bと、胴部52bの径サイズよりも大きい径サイズの基部52cを有する。また、センサカバー52の内面に、胴部52bから先端部52aに向かって内側中心方向に伸びるキー522a、522bが設けられている。本実施形態では、センサカバー52は、ポリエチレン(PE)等の熱可塑性樹脂を用いて作製されている。
【0038】
センサカバー52の内面の先端部52aと胴部52bの境界に粗面部527が設けられている(
図10C、
図10A)。この粗面部527によって、センサ検知エリア前遠方側の検知感度を弱めることができ、前遠方検知の範囲を調整することができる。本実施形態において、粗面部527は、センサカバー52の樹脂成型において粗面部527に相当する面を他面よりも粗面化させることで、センサカバー成形と同時に形成することができる。
【0039】
センサカバー52の先端部52aの外面に凸部521が設けられる。凸部521は、前正面視で先端部52aの左右側面から一対に延設される左右凸部521a、521b(
図10A参照)と、後正面視で先端部52aから延設される後方凸部521c(
図10B参照)と、前正面視で先端部52aから延設される前方凸部521d(
図10A参照)を有する。前方凸部521d、左右凸部521a、521b、後方凸部521cの内、少なくとも1箇所を手で摘まむことで、センサカバー52を確実に掴め、回動操作をスムーズに行える。本実施形態では、左右凸部形状は後方凸部形状よりも大きいが、これに制限されない。また、後方凸部521cは3つであるが、これに制限されない。また、前方凸部521dは、前正面の中央であってセンサ検知範囲と重ならない位置にあることで、センサ検知方向の位置決めの機能をも有する。
【0040】
センサカバー52の基部52cは、胴部52bとの段差面52cpを有する。段差面52cpは、センサカバー52の回動角度範囲を規制するために前正面に設けられた規制凸部525と、導光部材55に対する自由回動を規制するために後正面に設けられた波形状部位526とを有する。規制凸部525と波形状部位526のそれぞれは、後述する導光部材55の対応部位と協同して上記各機能を実現する。
【0041】
(導光部材)
図11A、11Bに示す通り、導光部材55(取付部材に相当する)は、中空筒状の本体55aと、本体55aの開口一方端から中空中心の径方向へ延びる環状縁55bと、環状縁55bが設けられた開口一方端と異なる開口他方端から外周に延設される一対の取付片を有する。一対の取付片は、貫通穴553aを有する取付片553と、貫通穴554aを有する取付片554を有する。本実施形態では、導光部材55は、透明であるアクリル等の熱可塑性樹脂を用いて作製されている。
【0042】
導光部材55は、表示用LED素子の光を導入する光導入部551a、552aと、光導入部551a、552aから光導出部551c、552cまでの光通路部551b、552bと、センサユニット外部に光を導出する光導出部551c、552cとを有する。本実施形態では、光導入部551a、552aは、それぞれ筐体57の底面と当接する取付片553、554の面から延設され、筐体底面貫通部を通じて、センサ駆動回路基板58へ延びる。(
図8C参照)センサ駆動回路基板58は、表示用LED素子581a、581bが実装されている。光導入部551a、552aは、表示用LED素子581a、581bと近接させて、それぞれ表示用LED素子581a、581bの光を導入する。また、光導出部551c、552cの光導出面は、凹凸構造の拡散面を有し、これにより光の出射状況を識別し易い構造としている。
【0043】
(回動機構)
センサ基台53の下部が、環状枠577の内部に挿入配置され、センサカバー52の基部52cが、環状枠577の外周に挿入配置され、基部52cの底面がOリング56に当接し、導光部材55がセンサカバー52の基部52cの外周に挿入配置される。導光部材55が筐体57の底面に取り付けられる(
図7C、7D参照)。本実施形態では、センサ基台53の下部が環状枠577内に配置され、センサカバー52のキー522a、552bとセンサ基台53のキー溝535a(および不図示のキー溝)を噛み合わせた状態にして、センサ基台53をセンサカバー52で覆い、センサカバー52の基部52cの段差面52cpと、導光部材55の環状縁55bの内側面55bpとを向い合せにして配置する。センサカバー52の底面でOリング56を押さえつけ、取付片553の貫通穴553a、取付片554の貫通穴554aのそれぞれに、雌ネジ穴(不図示)を合わせて、雄ネジ558a、558bで固定し、導光部材55を筐体57に取り付ける。センサカバー52がOリング56と当接することで、防水性を確保する。
【0044】
センサ基台53とセンサカバー52は、環状枠577および導光部材55と摺接可能(回動可能)に配置されている。また、環状枠577および導光部材55によって、センサ基台53およびセンサカバー52が左右前後の横方向へ動くことを規制し、回動をスムーズに行える(
図7D参照)。
【0045】
環状縁55bは、その内側面55bpに、センサカバー52の規制凸部525に当接して回動範囲を規制する第1、2規制部555a、555bと、回動操作においてセンサカバー52の波形状部位526の一部と噛みあい自由回動を規制するストッパ部556とを有する。本実施形態では、規制凸部525が、第1、2規制部555a、555bで挟まれた範囲(検知中心を基準にして±55°)を動くことで回動範囲が規制される。そして、センサカバー52を回動している際は、Oリング56の弾性力を利用し、ストッパ部556が波形状部位526を乗り越えることができる。また、回動を停止してその角度位置を維持する際は、Oリング56の弾性力を利用し、ストッパ部556が波形状部位526の一部に留まることで自由回動を規制する。
【0046】
(センサ動作モード)
図7B、8Cに示す通り、第1切替スイッチ591は、防水カバー112内に配置、人感センサ(センサ51)の動作モードを切り替えるためのスイッチである。第2切替スイッチ592は、防水カバー112内に配置され、センサ基板511上の照度センサ(不図示)の明るさ感度を切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、センサ基板511に照度センサ(不図示)が実装され、センサカバー52から入る光を検知する。人感センサもセンサ基板511に実装される。
【0047】
第1、第2切替スイッチ591、592は、筐体57の底面の貫通口(不図示)を通じてセンサ駆動回路基板58上のスイッチ部品591a、592aと機械的に接続されており、第1、第2切替スイッチ591、592の操作が伝わる。第1、第2切替スイッチ591、592は、防水構造を有してセンサユニット5に組み込まれる。第1、第2切替スイッチ591、592の押部が、筒状のシリコーンで構成されており、その中に機械的操作を伝えるための樹脂製の伝達部が配置され、スイッチ部品591a、592aに操作を伝えて電気信号に変換される。
【0048】
センサ駆動回路基板58に実装される表示用LED素子581bは、第1切替スイッチ591をプッシュ操作して人感センサの動作モードを切り替えたことに連動して光色が変化する。動作モードは、例えば、長時間(例えば60秒間)点灯後消灯するモード(表示用LED素子は緑色)、短時間(例えば20秒間)点灯後消灯するモード(表示用LED素子は赤色)、人感センサ設定なしモード(表示用LED素子は消灯)である。表示用LED素子581bの光は、上述した導光部材55を通じて外部へ表示させることができ、この光変化によって、動作モード(人感センサ動作切替モード)を簡単に確認できる。
【0049】
センサ駆動回路基板58に実装される表示用LED素子581aは、第2切替スイッチ592をプッシュ操作して照度センサの動作モードを切り替えたことに連動して光色が変化する。動作モードは、例えば、暗め(例えば5ルクス以下で人感センサ待機)モード(表示用LED素子は緑色)、明るめ(例えば50ルクス以下で人感センサ待機)モード(表示用LED素子は赤色)、照度センサ設定なしモード(表示用LED素子は消灯)である。表示用LED素子581aの光は、上述した導光部材55を通じて外部へ表示させることができ、この光変化によって、動作モード(照度感度切替モード)を簡単に確認できる。
【0050】
上記各種動作モードを選択することで、人感センサまたは照度センサのいずれか一方、または、両方を使用して自動点灯をさせることもでき、両方を使用しないで、手動スイッチにより点灯・消灯をさせることもできる。
【0051】
上記各種動作モードの切替制御等は、センサ駆動回路基板58の制御部(不図示)で行う。センサ駆動回路基板58は、後述する点灯回路基板22と電気的に接続されており、動作モードの指令およびセンサ検知信号などを送信する。点灯回路基板22の制御部(不図示)は、その指令、信号などを受信し、LED素子21の点灯制御を行う。
【0052】
(LED照明ユニットの基本構成)
LED照明ユニットの構成について、
図3A、3Bを参照しながら説明する。本実施形態のLED照明ユニット2は、LED素子21と、LED素子21が実装される第1面22aを有する点灯回路基板22と、第1面22aの裏面である第2面22b側に配置される絶縁カバー23と、絶縁カバー23を覆い、LED素子21の発する熱を放熱する放熱カバー24と、第1面22a側を覆い、放熱カバー23に取り付けられるLEDカバー25とを備える。LED照明ユニット2は、側断面視で、放熱カバー24、絶縁カバー23、点灯回路基板22、LEDカバー25の順に配置されている。
【0053】
(点灯回路基板)
図3Cに示すように、円形の点灯回路基板22の第1面22aの中央部に回路部品(群)D1が実装され、その周囲にLED素子21が実装される。回路部品D1は、後述する回路部品D2よりも背の低い回路部品である。LED素子21が実装される第1面22aに反射部が設けられる。本実施形態では、第1面22aに反射塗料を塗布して構成した反射層が形成されている。
【0054】
図3Dに示すように、点灯回路基板22の第2面22bの中央部に回路部品(群)D2が実装される。回路部品(群)D2は、背の高い回路部品であり、前述の回路部品(群)D1よりも背の高い回路部品である。絶縁カバー23の凹状のくぼみ部231に回路部品(群)D2が配置される。第2面22bの回路部品(群)D2の周囲に(絶縁カバー23の周縁より外側に)、放熱カバー24の放熱部位245が当接される(
図3B参照)。
【0055】
(絶縁カバー)
円形の絶縁カバー23は、中央部に凹状のくぼみ部231を有する(
図4A参照)。くぼみ部231は、その凹状の一部を点灯回路基板22側へとへこませたへこみ部位232を有する。へこみ部位232は、点灯回路基板22に対し傾斜する傾斜面232aを有する。へこみ部位232の傾斜面232aにネジ穴232bが形成され、へこみ部位232に防水性の速結端子26が固定ネジ265で固定される(
図3B参照)。
図4Cに示すように、傾斜面232aの延長線L1と点灯回路基板22の延長ラインL2とで形成させる傾斜角αは10°であるが、これに制限されず、例えば5°〜30°の範囲に設定できる。
【0056】
速結端子26は、外部電源と接続される配線用の挿入部位261a、261bがくぼみ部231の中央側を向き、点灯回路基板22と接続される配線用の配線部位262a、262bがその反対(中央とは反対の外方向)を向いている。挿入部位261a、261bおよび配線部位262a、262bは、へこみ部位232の両側壁面を向かずに開放空間を向いて露出していることで、配線の結線作業を簡単に行える。挿入部位261a、261bが、傾斜面232aに対応して傾斜しており、そのため、配線の結線作業をより簡単に行える(
図3A,
図4D参照)。
【0057】
くぼみ部231は、配線の挿入を案内する案内部235a、235bを有する。2箇所の挿入部位261a、261bに対応して、2箇所の案内部235a、235bが形成される。本実施形態において、案内部235a、235bは、挿入部位261a、261bへ向かって幅および深さが漸増するへこみ形状であり、視認性も良く、作業スペースを確保できるため、配線の結線作業をより確実に行える(
図4D参照)。
【0058】
絶縁カバー23に放熱カバー24を取り付けた際に、放熱カバー24の開口部位244の位置に、くぼみ部231の露出部234が位置する。この露出部234に、回路基板22への配線を導入するケーブルブッシュ27(防水部材に相当する)用の開口部231aを有する。くぼみ部231に、絶縁カバー23と放熱カバー24とを固定ネジ244a〜244c(第1固定手段に相当する)で固定するためのネジ穴236a〜236cが設けられる(
図4A参照)。くぼみ部231の凹状内部に、点灯回路基板22と絶縁カバー23とを固定ネジ226(第2固定手段に相当する、
図3B参照)で固定するためのネジ穴237a〜237cが設けられている(
図4B参照)。点灯回路基板22には固定ネジ226を貫通する穴22hが形成されている。
【0059】
くぼみ部231は、放熱カバー24の開口部位244と露出部234との境界に位置する凸状ライン231bを有する(
図4A参照)。放熱カバー24の厚みと略同じ高さの凸状ライン231bを設けていることで組み立て時の位置決めおよび防水性を向上できる。
【0060】
絶縁カバー23の周縁233に、防水性の発泡シリコーン製の第1のOリング29が配置される凹溝233aが形成される(
図3B、
図4A参照)。
【0061】
(放熱カバー)
円形の放熱カバー24は、絶縁カバー23のくぼみ部231に対応した形状のくぼみ部位241を有する(
図4E参照)。くぼみ部位241は、前述の露出部234に対応した位置に開口部位244と、前述の傾斜面232aに当接し速結端子26の底部と当接する中間部位242を有する。中間部位242は、速結端子26と絶縁カバー23とを固定する固定ネジが貫通する貫通穴242aを有する。放熱カバー24は、絶縁カバー23のネジ穴236a〜236cに対応する位置に貫通穴246a〜246cを有する。貫通穴246a〜246cには、前述の固定ネジ244a〜244cが挿通される。
【0062】
放熱カバー24は、前述の凹溝233aに対応した位置で第1のOリング29と当接する止水部243を有し、止水部243は、側断面視で略直角状である。放熱カバー24は、止水部243より延びる放熱部位245を有する。放熱カバー24は、LEDカバー25の凹状の溝部252に発泡性シリコーンの第2のOリング28を介在させて配置されるフランジ247を最外縁に有する。
【0063】
放熱部位245は、LED素子21が実装される位置の第1面22aの裏面(第2面22b)に当接する(
図4Eにおいて、放熱部位245の裏側が第2面22bと当接する)。
【0064】
(LEDカバー)
図5Cに示すように、LEDカバー25は、カバー外縁からカバー中心への方向において、LED素子21の光軸LXと1/2ビーム角との領域におけるカバー外縁側に位置する第1の領域E1とカバー中心側に位置する第2の領域E2とでカバーの表面形状が異なる。このLEDカバー25により、LED素子21が外部から光の点のように視認されることなく、LEDカバー25から均一な光放射を行える。
【0065】
LEDカバー25における点灯回路基板22からの高さの変化幅は、第1の領域E1が、第2の領域E2よりも大きい。
【0066】
また、
図5Bおよび
図5Cに示すように、LEDカバー25は、中央に配置される第1曲面257aと、当該第1曲面257aの外周に連続して環状に配置される第2曲面257bと、当該第2曲面257bの外周に連続して環状に配置される中空筒部257cとを有する。第1曲面257aの曲率半径(r1)は、第2曲面257bの曲率半径(r2)よりも大きい。
【0067】
LEDカバー25は、不透明の乳白色を生じさせる光拡散剤を配合した熱可塑性樹脂で構成される。本実施形態では、熱可塑性樹脂がポリカーボネート、光拡散剤がポリカーボネートと屈折率の異なるアクリル系拡散剤等である。また、LEDカバー25は、その内面および外面にシボ加工によって形成された凹凸形状を有し、粗面化されている。これらの光拡散剤および粗面化により、LEDカバー25から出る光放射がより均一化される。なお、別実施形態として、光放射の均一化よりも明るさを求める場合に、LEDカバー25に拡散剤等を配合せずに透明性の高い熱可塑性樹脂(例えばポリカーボネート)で構成し、透光性カバー12の拡散機能を利用して光放射の均一化を行う構成でもよい。
【0068】
(係合手段と弾性部材による一体化構造)
図5Aに示すように、LEDカバー25は、放熱カバー24のフランジ247を第2のOリング28(弾性部材に相当する)を介在させて収納する凹状の溝部252を外周に有する。第2のOリング28を介在させることで、LEDカバー25と放熱カバー24とを堅固に取り付けでき、防水性も確保できる。
【0069】
溝部252は、外側の外壁253と内壁254を有する。外壁253には、溝内部へ突出する爪形状であって、フランジ247と係合する係合爪255a〜255c(合計5つであるが2つは不図示)を有する係合領域を5カ所有する。5カ所の係合領域の外壁253a〜253eの厚みは、他の外壁の厚みより薄い。係合爪255a〜255cが溝252内部へ傾斜する傾斜面f(f1、f2、f3・・)とフランジ247と係合する係合面gを有する。
図5Dに係合爪の側断面図を示す。
【0070】
(係合方法)
(1)絶縁カバー23に点灯回路基板22と取り付ける。次いで、(2)絶縁カバー23に第1のOリング29を押圧しながら放熱カバー24を取り付ける。なお、(1)と(2)の順序は逆でもよい。次いで、(3)LEDカバー25の溝部252に第2のOリング28を配置する。(4)放熱カバー24のフランジ247を第2のOリング28を押圧しながら、溝部252内部に進入させ、各係合爪(255a〜255cおよび不図示の2カ所)の底面gにフランジ247を配置させる(
図5D参照)。次いで(5)速結端子26を取り付ける。
【0071】
上述(4)において、フランジ247が各係合爪255a〜255cの傾斜面fと当接しながら進入する。係合爪255a〜255cがフランジの端部と傾斜面fで当接されるため、係合爪255a〜255cが外側に広がりやすくなり、抵抗力が軽減するためフランジ247が溝252内へ進入しやすくなる。
【0072】
また、
図5Aに示すように、係合領域の外壁253a〜253eは外面側が肉薄である。係合領域の外壁253a〜253eおよび係合爪255a〜255cに対向する位置の内壁254a〜254eは、切欠き形状である。内壁254a〜254eに掛かる力を逃がすことで、係合爪255a〜255cに掛かる力を軽減でき、フランジ247と係合爪255a〜255cとの係合を好適に行える。
【0073】
(配線)
ケーブルブッシュ27に挿通される配線としては、速結端子26からの配線、センサ回路基板からの配線などが挙げられる。
【0074】
(別実施形態)
上記実施形態において、センサ基台とセンサカバーとの連動は、上述のキー構造に制限されず、他の連動機構でもよい。
【0075】
また、上記実施形態において、センサカバーの取付部材として導光部材を用いたが、これに制限されず、別体の取付部材を用いることができる。
【0076】
また、上記実施形態において、防水カバーの形状は上記形状に制限されず、他の形状でもよい。また、防水カバーが器具本体から延設される構成において、一体成形されるものに限定されず、器具本体と別部材で構成し、器具本体に取付ける構成でもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、人感センサと照度センサとを有する構成であったが、照度センサを有しない構成でもよい。
【0078】
また、上記透光性カバーが正面視で円形であったが、これに限定されず、
図6Aに示すように、矩形の透光性カバー61でもよい。また、
図6Bに示すように、透光性カバー(正面視で円形でも矩形でもよい)の全面に配置されて防護機能を有する十字カバー62を備えていてもよい。
【0079】
また、上記発明の一実施形態として、センサ51は、俯角(チルト)の角度範囲を可変とする構成であってもよい。例えば、俯角45°を基準に±15°の範囲で可変にする。