(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カシメ加工により各ケース間を封止する場合には、機械的に気密性を高めるために、カシメ荷重に耐えうる強度を負極ケースおよび正極ケースに持たせる必要が生じる。このため、負極ケースおよび正極ケースの厚さが増大し、電極体を収容する有効体積が減少して、外装体の外形寸法に対する電気化学セルのエネルギー密度が小さくなる。したがって、従来の電気化学セルにあっては、エネルギー密度を向上させるという点で改善の余地がある。
【0006】
そこで本発明は、エネルギー密度の高い小形円筒形の電気化学セルおよび電気化学セルの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気化学セルは、正極体および負極体を含む電極体と、金属材料および樹脂材料を含むラミネートフィルムからなる第1部材および第2部材が前記電極体を間に挟んだ状態で重ね合わされるとともに、前記電極体の周囲で溶着され、前記電極体を気密封止する外装体と、前記電極体から延出し、前記外装体の内部から外部へ引き出された電極端子と、を備え、前記外装体は、前記電極体が収容された
円筒状の収容部と、前記収容部の周囲に設けられた周縁部と、を備え、前記周縁部は、前記第1部材と前記第2部材との間に前記電極端子を保持する端子保持部を備え、前記周縁部のうち前記端子保持部以外の部分の外周縁から前記収容部の外周縁までの距離は、前記端子保持部の外周縁から前記収容部の外周縁までの距離よりも小さ
く、
前記周縁部は、前記収容部の周囲で全周に亘って同一方向に折曲され、前記収容部の外周面上で前記収容部の軸方向に沿って延在している、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、外装体の内部が第1部材および第2部材を溶着することにより気密封止されているので、外装体の内部がカシメ加工により封止される構成と比較して、第1部材および第2部材を薄くすることができる。これにより、外装体の内部の体積を大きく確保でき、電気化学セルのエネルギー密度を向上させることができる。
さらに、周縁部のうち端子保持部以外の部分の外周縁から収容部の外周縁までの距離が、端子保持部の外周縁から収容部の外周縁までの距離よりも小さいので、端子保持部における外装体の外部から内部へ至る経路の距離を大きく確保しつつ、周縁部のうち端子保持部以外の部分の幅を十分に小さくすることができる。これにより、端子保持部での気密性を低下させることなく、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た外装体の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電気化学セルが得られる。
【0009】
上記の電気化学セルにおいて、前記収容部は、前記第1部材に形成された有底筒状の第1ケースと、前記第2部材に形成され、前記第1ケースの開口部に向けて開口するとともに、前記第1ケースの開口部を閉塞する第2ケースと、により形成されている、ことが望ましい。
【0010】
一般に、ラミネートフィルムに絞り加工を行って有底筒状のケースを形成する場合、ラミネートフィルムの強度の低下を抑制するために、ケースの深さを制限する必要がある。
本発明によれば、第1部材に形成された第1ケースと、第2部材に形成された第2ケースと、により収容部が形成されているので、第1部材および第2部材のうちいずれか一方に形成された有底筒状のケースにより収容部が形成されている構成と比較して、外装体の強度を維持しつつ、収容部をより大きく形成することができる。したがって、信頼性の高い大容量の小形円筒形の電気化学セルが得られる。
【0011】
上記の電気化学セルにおいて、前記収容部は、前記第1部材および前記第2部材のうちいずれか一方の部材に形成された有底筒状の一方側ケースと、他方の部材に形成され、前記一方側ケースの開口部を閉塞する平板部と、により形成されている、ことが望ましい。
【0012】
本発明によれば、収容部が、第1部材および第2部材のうちいずれか一方の部材に形成されたケースと、他方の部材に形成され、ケースの開口部を閉塞する平板部と、により形成されているので、ラミネートフィルムに対する絞り加工の工数を削減でき、低コストな電気化学セルとすることができる。また、収容部が小型に形成されるので、小型な電極体を備える電気化学セルに好適である。
【0013】
上記の電気化学セルにおいて、前記周縁部は、前記収容部の外面上で前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向に沿って延在している、ことが望ましい。
【0014】
本発明によれば、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見て、収容部からの周縁部の突出量を抑制できるので、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た外装体の外形を小さくすることが可能となる。したがって、電気化学セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0015】
上記の電気化学セルにおいて、前記端子保持部および前記電極端子は、前記第1部材および前記第2部材の重ね合わせ方向から見て前記収容部と重なる位置に配置されている、ことが望ましい。
【0016】
本発明によれば、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向に直交する方向から見て、収容部からの端子保持部および電極端子の突出量を抑制できるので、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向に直交する方向から見た外装体の外形を小さくすることが可能となる。したがって、電気化学セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0017】
上記の電気化学セルにおいて、前記外装体を収容するとともに、少なくとも内面が絶縁材料により形成されたケース体を備える、ことが望ましい。
【0018】
本発明によれば、第1部材および第2部材の端面において露出するラミネートフィルムの金属層、および電極端子をケース体により覆うことができる。しかも、ケース体の内面は絶縁材料により形成されているので、ラミネートフィルムの金属層や電極端子の短絡を容易に防止できる。したがって、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【0019】
本発明の電気化学セルの製造方法は、上記の電気化学セルの製造方法であって、前記電極体を間に挟んで重ね合わされた前記第1部材を形成する第1フィルム、および前記第2部材を形成する第2フィルムを、前記電極体の周囲において全周に亘って溶着し、前記収容部および前記収容部の周囲を取り囲む溶着部を形成するシール工程と、前記溶着部を切断して前記周縁部を形成する切断工程と、を備え、前記切断工程では、前記周縁部のうち前記端子保持部以外の部分となる部分の外周縁から前記収容部の外周縁までの距離が、前記端子保持部となる部分の外周縁から前記収容部の外周縁までの距離よりも小さくなるように、前記溶着部を切断する、ことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、シール工程において溶着部を形成した後、切断工程において溶着部を切断して周縁部を形成するので、第1フィルムおよび第2フィルムの切断後に溶着を行って収容部および周縁部を形成する方法と比較して、第1フィルムと第2フィルムとが溶着される部分の面積を大きく確保できる。これにより、外装体の内部の気密性を保ちつつ、第1フィルムと第2フィルムとを容易に溶着することができる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電気化学セルを容易に製造できる。
【0021】
上記の電気化学セルの製造方法において、前記切断工程の後、加熱手段を用いて、前記周縁部を加熱しつつ、前記収容部の外面に沿うように折り曲げる折曲工程を備え、前記折曲工程では、前記加熱手段に設けられた孔部に前記外装体を通過させることで、前記周縁部を前記収容部の前記外面と前記孔部の内面との間に挟み込んで折り曲げる、ことが望ましい。
【0022】
本発明によれば、加熱手段の孔部に外装体を通過させるだけで、容易に周縁部の全周を収容部の外面に沿うように一括で折り曲げて配置することができる。これにより、収容部からの周縁部の突出量を抑制できるので、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た外装体の外形を小さくすることが可能となる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電気化学セルを容易に製造できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外装体の内部が第1部材および第2部材を溶着することにより気密封止されているので、外装体の内部がカシメ加工により封止される構成と比較して、第1部材および第2部材を薄くすることができる。これにより、外装体の内部の体積を大きく確保でき、電気化学セルのエネルギー密度を向上させることができる。
さらに、周縁部のうち端子保持部以外の部分の外周縁から収容部の外周縁までの距離が、端子保持部の外周縁から収容部の外周縁までの距離よりも小さいので、端子保持部における外装体の外部から内部へ至る経路の距離を大きく確保しつつ、周縁部のうち端子保持部以外の部分の幅を十分に小さくすることができる。これにより、端子保持部での気密性を低下させることなく、第1部材および第2部材の重ね合わせ方向から見た外装体の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電気化学セルが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、小形円筒形の電気化学セルとして、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態の電池1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る電池の側面図である。
図2は、第1実施形態に係る電池の平面図である。
図3は、第1実施形態に係る電極体および電極端子の斜視図である。
図1から
図3に示すように、電池1は、いわゆる小形円筒形の電池である。電池1は、正極体11および負極体12を含む電極体10と、電極体10が収容された外装体20と、電極体10から延出する電極端子(正極端子13および負極端子14)と、を主に備えている。
【0027】
図3に示すように、電極体10は、円柱状に形成されている。具体的に、電極体10は、帯状の正極体11および負極体12が、図示しないセパレータを介して積層された状態で、捲回軸P周りに捲回された構造を有している。電極体10の最外周には、正極体11、負極体12およびセパレータのうちいずれが配置されていてもよい。なお、以下では、捲回軸Pに沿う方向を軸方向といい、捲回軸P回りに周回する方向を周方向といい、捲回軸Pに直交する方向を径方向という。
【0028】
正極端子13および負極端子14(以下、「各電極端子13,14」という。)は、外装体20の内部から外部へ引き出された帯状に形成されている。正極端子13は、正極体11の正極集電体と一体形成され、正極体11に導通している。負極端子14は、負極体12の負極集電体と一体形成され、負極体12に導通している。各電極端子13,14は、正極体11および負極体12の外周部のうち捲回軸Pを間に挟んで径方向で対向する位置から互いに離間する向きに突出している。各電極端子13,14は、電極体10から軸方向一方側にそれぞれ突出した後、軸方向他方側に折り返されて電極体10の外周面に沿って延び、さらに径方向外側に折り曲げられて径方向外側に向かって延びている。各電極端子13,14の先端部は、外装体20の外部に突出している(
図1および
図2参照)。
【0029】
図1および
図2に示すように、外装体20は、第1シート21(第1部材)および第2シート22(第2部材)が電極体10を間に挟んだ状態で軸方向に重ね合わされることで形成されている。外装体20は、電極体10の周囲で熱溶着され、電極体10を気密封止している。外装体20は、内部に電極体10が収容された円筒状の収容部23と、収容部23の周囲に設けられ、第1シート21と第2シート22とが重なり合った周縁部24と、を備えている。
【0030】
第1シート21および第2シート22は、金属箔と、重ね合わせ面(内側面)に設けられた樹脂製の融着層と、外側面に設けられた樹脂製の保護層と、を有するラミネートフィルムにより形成されている。金属箔は、例えばステンレスやアルミニウムなどの外気や水蒸気を遮断する金属材料を用いて形成され、金属箔と融着層との間に予め防錆処理を施すことができる。重ね合わせ面の融着層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて形成されている。ポリオレフィンとしては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)や低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、インフレーションポリプロピレン(IPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(L−LDPE、メタロセン触媒仕様)のいずれかの材質を用いることができ、特にポロプロピレン樹脂が好ましい。外側面の保護層は、例えば、上述のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等を用いて形成されている。重ね合わせ面の融着層および外側面の保護層は、それぞれ金属箔との間に接合層を介して、熱融着または接着剤により接合される。
【0031】
第1シート21には、有底円筒状に形成された第1ケース25と、第1ケース25の開口縁からその径方向外側に向かって張り出す第1フランジ部26と、が形成されている。第1シート21は、第1ケース25の内面に上述したラミネートフィルムの融着層が位置するように形成されている。第1ケース25の内径は、電極体10の外径よりも大きくなっている。
【0032】
第2シート22には、有底円筒状に形成され、第1ケース25に向けて開口する第2ケース27と、第2ケース27の開口縁からその径方向外側に向かって張り出す第2フランジ部28と、が形成されている。第2シート22は、第2ケース27の内面に上述したラミネートフィルムの融着層が位置するように形成されている。第2ケース27は、第1シート21の第1ケース25と同軸に配置されている。第2ケース27は、第1ケース25よりも浅く形成されている。第2ケース27の内径は、第1ケース25の内径と同等になっている。第2フランジ部28の外形は、第1フランジ部26の外形と略一致している。第2シート22は、第2フランジ部28を第1フランジ部26に重ね合わせるようにして、第1シート21に熱溶着されている。なお、第2ケース27は、第1ケース25と同じ深さに形成されていてもよいし、第1ケース25よりも深く形成されていてもよい。
【0033】
収容部23は、第1ケース25および第2ケース27により形成されている。収容部23の内部には、電極体10が捲回軸P(
図3参照)を収容部23の中心軸と略一致させた状態で配置されている。
【0034】
周縁部24は、第1フランジ部26および第2フランジ部28を重ね合わせて形成されている。周縁部24は、収容部23のうち第1ケース25および第2ケース27の開口縁を径方向の外側から全周に亘って取り囲んでいる。周縁部24は、収容部23から径方向に沿って突出するとともに周方向に沿って延びている。周縁部24は、第1シート21と第2シート22との間に各電極端子13,14を各別に保持する一対の端子保持部31A,31Bと、周方向における一対の端子保持部31A,31B間に設けられ、端子保持部31A,31Bよりも幅の狭い幅狭部32と、を備えている。
【0035】
各端子保持部31A,31Bは、同一形状に形成され、収容部23を挟んで径方向に対向する位置にそれぞれ設けられている。端子保持部31A,31Bは、軸方向から見て、収容部23から離間する方向に突出する矩形状に形成されている。端子保持部31Aには、第1シート21および第2シート22により正極端子13が挟み込まれている。端子保持部31Aは、正極端子13よりも周方向に大きく形成され、周方向における中央部に正極端子13を挟み込んでいる。端子保持部31Bには、第1シート21および第2シート22により負極端子14が挟み込まれている。端子保持部31Bは、負極端子14よりも周方向に大きく形成され、周方向における中央部に負極端子14を挟み込んでいる。したがって、各電極端子13,14における周方向の両端部は、端子保持部31A,31Bによってそれぞれ被覆されている。
【0036】
幅狭部32は、周縁部24のうち上述した端子保持部31A,31B以外の部分である。すなわち、幅狭部32は、端子保持部31Aにおける周方向一方端部、および端子保持部31Bにおける周方向他方端部同士を周方向で接続するとともに、端子保持部31Aにおける周方向他方端部、および端子保持部31Bにおける周方向一方端部同士を周方向で接続している。幅狭部32の外周縁は、捲回軸Pを中心とする円弧状に形成されている。幅狭部32の外周縁から収容部23の外周縁までの距離D1は、各端子保持部31A,31Bの外周縁から収容部23の外周縁までの距離D2よりも小さくなっている。
【0037】
収容部23の内部は、周縁部24において重ね合わされた第1フランジ部26および第2フランジ部28が、各電極端子13,14および後述するシーラントフィルム40を挟んで溶着された状態で気密封止されている。第1シート21と第2シート22との溶着方法としては、超音波溶着や、ヒーター等を用いた溶着等の熱溶着を適用でき、必要に応じて組み合わせて適用することもできる。
【0038】
第1フランジ部26および第2フランジ部28と各電極端子13,14との間には、各電極端子13,14を被覆するシーラントフィルム40がそれぞれ介在している。シーラントフィルム40は、例えばポリオレフィンやポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなるフィルム材である。シーラントフィルム40は、一対の前記フィルム材によって、各電極端子13,14をそれぞれ軸方向の両側から挟み込んでいる。各シーラントフィルム40は、それぞれ端子保持部31Aまたは端子保持部31Bから周方向両側の幅狭部32に亘って配置されている。また、シーラントフィルム40における径方向の外側端部は、周縁部24よりも径方向の外側にはみ出し、各電極端子13,14のうち外装体20から引き出された部分の基端部を覆っている。シーラントフィルム40は、第1シート21および第2シート22に溶着されて固定されている。
【0039】
以下、本実施形態の電池1の製造方法について説明する。なお、以下の説明における電池1の各構成部品の符号については、
図1および
図2を参照されたい。
図4は、第1実施形態に係る電池の製造方法を示すフローチャートである。
図5から
図11は、第1実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。なお、
図5から
図11では、わかりやすくするため後述する第1フィルム51および第2フィルム52が溶着された領域にハッチングを付している。
図4に示すように、電池1の製造方法は、電極体配置工程S10と、第1シール工程S20と、電解液注入工程S30と、第2シール工程S40と、化成処理工程S50と、脱気工程S60と、第3シール工程S70(シール工程)と、切断工程S80と、を有する。
【0040】
最初に、電極体配置工程S10を行う。
図5および
図6に示すように、電極体配置工程S10では、第1シート21を形成する第1フィルム51と、第2シート22を形成する第2フィルム52と、の間に電極体10を配置する。
【0041】
具体的に、電極体配置工程S10は、以下の手順で行う。最初に、第1ケース25が形成された長方形状の第1フィルム51と、第2ケース27が形成された長方形状の第2フィルム52と、を準備する。各フィルム51,52は、ラミネートフィルムにより、平面視で同一形状に形成されている。第1ケース25および第2ケース27は、各フィルム51,52に対して絞り加工を行うことで形成される。本実施形態では、第1ケース25および第2ケース27は、各フィルム51,52の長手方向における一方側に寄った位置に形成されている。
【0042】
次に、
図5に示すように、第1ケース25内に電極体10を配置する。このとき、電極体10は、電極体10に接続された各電極端子13,14が第1フィルム51の長辺に対して直角に交差するように配置される。なお、各電極端子13,14のうち先端部以外の部分の両面には、矩形状のシーラントフィルム40が溶着等により密着して貼り合された状態となっている。シーラントフィルム40は、平面視で第1フィルム51よりも外側から各電極端子13,14と電極体10との接続部に亘って、かつ各電極端子13,14よりも幅広に配置されている。
【0043】
次に、
図6に示すように、第2フィルム52を第1フィルム51上に重ね合わせて、第1ケース25と第2ケース27との間に電極体10を配置した状態とする。このとき、第1フィルム51と第2フィルム52とが平面視で一致するように重ね合わせる。
【0044】
続いて、第1シール工程S20を行う。第1シール工程S20では、第1フィルム51および第2フィルム52の外周部を溶着し、一部が開口した袋状に形成する。
具体的に、重ね合わされた各フィルム51,52の外周部のうち3辺を溶着して平面視U字状の第1溶着部54を形成する。本実施形態では、各フィルム51,52の外周部のうち、第1ケース25および第2ケース27に近接する3辺をシーラントフィルム40とともに溶着する。各フィルム51,52の外周部のうち溶着されていない残り1辺には、各フィルム51,52および第1溶着部54で画成された開口部58が形成される。なお、溶着方法としては、超音波溶着や、ヒーター等を用いた溶着等の熱溶着を適用できる(以下の溶着を行う工程でも同様)。
ここで準備した各部材は、電解液を入れる前に十分乾燥する必要がある。乾燥は、加熱および減圧を適宜組み合わせることにより、効果的に行うことができる。
【0045】
続いて、電解液注入工程S30を行う。電解液注入工程S30では、第1フィルム51と第2フィルム52との間に開口部58を通じて電解液を注入する。電解液注入工程S30は、電解液への水分の混入を防止するため、ドライルームや真空環境下で行われる。
【0046】
続いて、第2シール工程S40を行う。
図7に示すように、第2シール工程S40では、第1シール工程S20で形成された開口部58を閉じるように、各フィルム51,52の外周部のうち溶着されていない1辺を溶着して第2溶着部55を形成する。第1溶着部54および第2溶着部55により、第1フィルム51と第2フィルム52との間が気密封止される。なお、第2シール工程S40は、電解液注入工程S30から引き続き、ドライルームや真空環境下で行われることが望ましい。
【0047】
続いて、化成処理工程S50を行う。化成処理工程S50では、電極体10に対して充電を行う。これにより、負極体12の表面に固体電解質被膜(SEI:Solid Electrolyte Interphase)が形成され、充放電時のガスの発生を抑制して電池を長寿命化することができる。
【0048】
続いて、脱気工程S60を行う。
図8および
図9に示すように、脱気工程S60では、第1フィルム51と第2フィルム52との間を脱気して気密封止する。
具体的に、脱気工程S60は、以下の手順で行う。最初に、
図8に示すように、真空環境下で、各フィルム51,52の一部を、第1溶着部54または第2溶着部55(
図7参照)よりも内側において切断し、第1フィルム51と第2フィルム52との間をその外部と連通させる。本実施形態では、各フィルム51,52の外周部のうち、第1ケース25および第2ケース27に最も離間した1辺(すなわち第2溶着部55)に沿って切断する。これにより、第1フィルム51と第2フィルム52との間に存在していた気体を排出することができる。
また、各フィルム51,52の一部を、第1溶着部54または第2溶着部55(
図7参照)よりも内側においてに穴を開けることでも脱気は可能である。
【0049】
次に、
図9に示すように、各フィルム51,52の切断された部分を、同様に真空環境下で、溶着して第3溶着部56を形成し、第1フィルム51と第2フィルム52との間を再び気密封止する。これにより、第1フィルム51と第2フィルム52との間の脱気が完了する。
【0050】
続いて、第3シール工程S70を行う。
図10に示すように、第3シール工程S70では、各フィルム51,52を電極体10の周囲、すなわち第1ケース25および第2ケース27の周囲において全周に亘って溶着して、収容部23、および収容部23の周囲を取り囲む第4溶着部57(溶着部)を形成する。第4溶着部57の幅は、後に形成される周縁部24の幅狭部32の幅D1(
図2参照)よりも広くなっている。第4溶着部57は、シーラントフィルム40のうち第1溶着部54に覆われた部分よりも径方向内側の部分を覆っている。
【0051】
続いて、切断工程S80を行う。
図11に示すように、切断工程S80では、第1溶着部54および第4溶着部57を切断線Lに沿って切断して、周縁部24を形成する。
具体的に、切断工程S80では、幅狭部32となる部分の外周縁から収容部23の外周縁までの距離D1が、端子保持部31A,31Bとなる部分の外周縁から収容部23の外周縁までの距離D2よりも小さくなるように、第1溶着部54および第4溶着部57を切断する。これにより、外装体20が形成される。また、切断工程S80では、外装体20よりも外側に位置するシーラントフィルム40を、外装体20および各電極端子13,14の外形に倣って切断する。
以上により、電池1の製造が完了する。
【0052】
なお、本実施形態の製造方法では、脱気工程S60は、真空環境下で行われているが、ドライルームで行ってもよい。
また、第3シール工程S70以降において、電極体10に対して充放電を行い、電池の容量選別を行ってもよい。
また、本実施形態の製造方法では、1枚ずつの各フィルム51,52により1個の電池1を製造しているが、これに限定されず、1枚ずつの第1フィルムおよび第2フィルムにより複数の電池1を同時に製造してもよい。この場合には、電池1を各別に個片化する前に、上述した容量選別を行うことで、容量選別を行う検査装置等にまとめてセットすることができるので、製造効率を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態の製造方法では、第1フィルム51および第2フィルム52が別体で形成されているが、これに限定されず、1枚のラミネートフィルムを折り曲げて第1フィルムおよび第2フィルムとしてもよい。
【0054】
このように、本実施形態によれば、外装体20の内部が第1シート21および第2シート22を溶着することにより気密封止されているので、外装体の内部がカシメ加工により封止される構成と比較して、第1シート21および第2シート22を薄くすることができる。これにより、外装体20の内部の体積を大きく確保でき、電池1のエネルギー密度を向上させることができる。
【0055】
さらに、幅狭部32の外周縁から収容部23の外周縁までの距離D1が、端子保持部31A,31Bの外周縁から収容部23の外周縁までの距離D2よりも小さいので、端子保持部31A,31Bにおける外装体20の外部から内部へ至る経路の距離を大きく確保しつつ、幅狭部32の幅を十分に小さくすることができる。これにより、端子保持部31A,31Bでの気密性を低下させることなく、軸方向から見た外装体20の外形を小さくすることができる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電池1が得られる。
【0056】
また、本実施形態では、収容部23は、第1シート21に形成された第1ケース25、および第2シート22に形成された第2ケース27により形成されている構成とした。
一般に、ラミネートフィルムに絞り加工を行って有底筒状のケースを形成する場合、ラミネートフィルムの強度の低下を抑制するために、ケースの深さを制限する必要がある。
本実施形態によれば、第1シートおよび第2シートのうちいずれか一方に形成された有底筒状のケースにより収容部が形成されている構成と比較して、外装体20の強度を維持しつつ、収容部23をより大きく形成することができる。したがって、信頼性の高い大容量の小形円筒形の電池1が得られる。
【0057】
また、本実施形態では、各電極端子13,14と第1シート21および第2シート22との間にシーラントフィルム40が介在するので、シーラントフィルム40と第1シート21および第2シート22とを溶着により密着させることが可能となる。これにより、各電極端子13,14と第1シート21および第2シート22との間にすき間が形成されることを防止できる。したがって、端子保持部31A,31Bでの気密性を向上させることができる。
しかも、シーラントフィルム40は、端子保持部31A,31Bにそれぞれ対応して各別に配置されている。このため、シーラントフィルムが周縁部24の全周に亘って配置されている構成と比較して、ラミネートフィルム同士(すなわち第1シート21および第2シート22)が直接溶着される領域を大きく確保することができる。これにより、幅狭部32での気密性を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態の製造方法によれば、第3シール工程S70において第4溶着部57を形成した後、切断工程S80において第4溶着部57を切断して周縁部24を形成するので、第1フィルムおよび第2フィルムの切断後に溶着を行って収容部23および周縁部24を形成する方法と比較して、第1フィルム51と第2フィルム52とが溶着される部分の面積を大きく確保できる。これにより、外装体20の内部の気密性を保ちつつ、第1フィルム51と第2フィルム52とを容易に溶着することができる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電池1を容易に製造できる。
【0059】
[第1実施形態の第1変形例]
次に、以下、第1実施形態の第1変形例の電池101について説明する。
図12は、第1実施形態の第1変形例に係る電池の側面図である。
図1および
図2に示す第1実施形態では、周縁部24は、収容部23から径方向に沿って突出するように形成されている。これに対して、
図12に示す第1実施形態の第1変形例では、周縁部24が収容部23の外面(本変形例では第2ケース27の外面)上で軸方向に沿って延在している点で、第1変形例と異なっている。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
図12に示すように、周縁部24は、その基端部において全周に亘って直角に折曲されている。なお、本実施形態では、径方向から見て端子保持部31A,31Bの先端部、および各電極端子13,14の先端部が収容部23から軸方向に突出した形状となっている。
【0061】
以下、本変形例の電池101の製造方法について説明する。なお、以下の説明における電池101の各構成部品の符号については、
図12を参照されたい。
図13は、第1実施形態の第1変形例に係る電池の製造方法の説明図である。
電池101の製造方法は、上述した第1実施形態の切断工程S80の後に、折曲工程S90を行う。すなわち、電池101は、第1実施形態における電池1に対して折曲工程S90を行うことで形成される。
図13に示すように、折曲工程S90では、ヒーター60(加熱手段)を用いて、周縁部24を加熱しつつ、周縁部24を収容部23の外面に沿うように折り曲げる。
【0062】
具体的に、折曲工程S90は、以下の手順で行う。最初に、外装体20を軸方向両側から、支持部材61,62により支持する。支持部材61,62は、それぞれ軸方向から見て、収容部23と同一形状に形成されている。支持部材61,62のうち、電池1に接触する部分は、それぞれ収容部23の軸方向両端面に倣った形状に形成されている。
【0063】
次に、加熱されたヒーター60に設けられた孔部63に、外装体20を保持した支持部材61,62を通過させる。孔部63は、収容部23の外径よりも僅かに大きい内径を有する円孔状に形成されている。孔部63の内面における入口端部は、開口端から内側に向かうに従い漸次縮径する傾斜面となっている。この孔部63の入口端部側から、孔部63の中心軸と捲回軸Pとが一致する状態で、外装体20を第1シート21側から挿入する。すると、収容部23から径方向に沿って突出する周縁部24が、孔部63の入口端部の開口縁に当接する。さらに外装体20を孔部63の入口端部側から出口端部側に向かって挿入すると、周縁部24は、ヒーター60により加熱されて軟化するとともに、収容部23(第2ケース27)の外面と孔部63の内面との間に挟み込まれる。これにより、周縁部24が主に孔部63の内面に倣って軸方向に折り曲げられる。その結果、周縁部24が収容部23の外面上で軸方向に沿って延在する状態となる。次いで、孔部63の出口端部から外装体20を抜き取り、加熱されて軟化した外装体20を冷却して硬化させる。
以上により、電池101の製造が完了する。
【0064】
このように、本変形例によれば、周縁部24は、収容部23の外面上で軸方向に沿って延在しているので、軸方向から見て、収容部23からの周縁部24の突出量を抑制でき、軸方向から見た外装体20の外形を小さくすることが可能となる。したがって、電池101のエネルギー密度を向上させることができる。
【0065】
また、本変形例の製造方法では、ヒーター60の孔部63に外装体20を通過させるだけで、容易に周縁部24の全周を収容部23の外面に沿うように一括で折り曲げて配置することができる。これにより、収容部23からの周縁部24の突出量を抑制できるので、外装体の軸方向から見た外形を小さくすることが可能となる。したがって、エネルギー密度の高い小形円筒形の電池101を容易に製造できる。
【0066】
[第1実施形態の第2変形例]
次に、第1実施形態の第2変形例の電池201について説明する。
図14は、第1実施形態の第2変形例に係る電池の平面図である。
図15は、第1実施形態の第2変形例に係る電池の斜視図である。なお、
図14では、わかりやすくするため後述するケース体70の図示を省略している。
【0067】
図12に示す第1実施形態の第1変形例では、径方向から見て端子保持部31A,31Bの先端部、および各電極端子13,14の先端部が収容部23から軸方向に突出している。これに対して、
図14に示す第1実施形態の第2変形例では、端子保持部31A,31Bおよび各電極端子13,14が、収容部23の外面上で径方向に沿うように配置されている点で、第1変形例と異なっている。また、
図15に示すように、第1実施形態の第2変形例では、外装体20を収容するケース体70を備えている点で、第1変形例と異なっている。なお、上述した第1実施形態の第1変形例と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図14に示すように、端子保持部31A,31Bおよび各電極端子13,14は、軸方向から見て収容部23と重なる位置に配置されている。具体的に、端子保持部31A,31Bは、収容部23との接続部から、第2ケース27の外周面上を軸方向に沿って延び、第2ケース27の外周面における第1ケース25とは反対側の端部において、径方向内側に向かって折曲している。これにより、外装体20の外形は、円柱状となっている。
【0069】
各電極端子13,14は、第2ケース27の底面に沿うように、各端子保持部31A,31Bから径方向に沿って延出している。各電極端子13,14の先端部は、互いに接触しない位置に配置されている。なお、収容部23の外面のうち、各電極端子13,14に接触する部分には、絶縁テープを貼り付けておくことが望ましい。これにより、収容部23に各電極端子13,14が接触することで、収容部23の外面に傷がつくことを防止できる。
【0070】
各電極端子13,14の先端部には、それぞれリード線34が接続されている。一対のリード線34は、その先端部の芯線に配置されたはんだとともに、各電極端子13,14の先端部に対してそれぞれ超音波溶着されている。
【0071】
図15に示すように、外装体20は、ケース体70に収容されている。ケース体70は、絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。ケース体70は、有底円筒状に形成されている。ケース体70の内形は、外装体20の外形よりも僅かに大きく形成されている。ケース体70の周壁71における底壁72側の端部には、貫通孔73が形成されている。
【0072】
ケース体70の内部には、各電極端子13,14(
図14参照)が底壁72に対向する状態で、外装体20が配置されている。ケース体70の貫通孔73には、一対のリード線34が挿通されている。外装体20とケース体70とは、例えば各電極端子13,14の先端部近傍に塗布された接着剤により互いに固定されている。
【0073】
このように、本変形例によれば、端子保持部31A,31Bおよび各電極端子13,14は、軸方向から見て収容部23と重なる位置に配置されているので、径方向から見て、収容部23からの端子保持部31A,31Bおよび各電極端子13,14の突出量を抑制できる。これにより、径方向から見た外装体20の外形を小さくすることが可能となる。したがって、電池201のエネルギー密度を向上させることができる。
【0074】
また、外装体20を収容するケース体70を備えるので、第1シート21および第2シート22の端面において露出するラミネートフィルムの金属箔(金属層)、および各電極端子13,14をケース体70により覆うことができる。しかも、ケース体70は、絶縁材料により形成されているので、ラミネートフィルムの金属箔や各電極端子13,14の短絡を容易に防止できる。したがって、電池201の信頼性を向上させることができる。
なお、本変形例では、ケース体70は全体が絶縁性を有する樹脂材料により形成されているが、これに限らず、少なくともケース体の内面を絶縁材料により形成することで、上述した作用効果を奏することができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電池301について説明する。
図16は、第2実施形態に係る電池の側面図である。
図17は、第2実施形態に係る電池の平面図である。
図18は、第2実施形態に係る電極体および電極端子の斜視図である。
図1および
図2に示す第1実施形態では、収容部23は、第1ケース25および第2ケース27により形成されている。これに対して、
図16および
図17に示す第2実施形態では、収容部323は、第1シート321に形成された第1ケース325(一方側ケース)、および第2シート322に形成された平板部327と、により形成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0076】
図16および
図17に示すように、電池301は、電極体10と、電極体10が収容された外装体320と、電極体10から延出する正極端子313および負極端子314と、を主に備えている。
正極端子313および負極端子314は、外装体320の内部から外部へ引き出された帯状に形成されている。
図18に示すように、正極端子313は、正極体11の正極集電体と一体的に形成され、正極体11に導通している。負極端子314は、負極体12の負極集電体と一体的に形成され、負極体12に導通している。各電極端子313,314は、正極体11および負極体12の外周部のうち捲回軸Pを間に挟んで径方向で対向する位置から互いに離間する向きに突出している。各電極端子313,314は、電極体10の軸方向における一方端面から、径方向外側に向かって延びている。
【0077】
図16および
図17に示すように、外装体320は、第1シート321(第1部材)および第2シート322(第2部材)が電極体10を間に挟んだ状態で軸方向に重ね合わされることで形成されている。外装体320は、電極体10の周囲で熱溶着され、電極体10を気密封止している。外装体320は、内部に電極体10を収容する円筒状の収容部323と、収容部323の周囲において第1シート321と第2シート322とが重なり合った周縁部324と、を備えている。
【0078】
第1シート321には、有底円筒状に形成された第1ケース325と、第1ケース325の開口縁からその径方向外側に向かって張り出す第1フランジ部326と、が形成されている。
第2シート322は、平面視で第1シート321と同一形状の平板状に形成されている。第2シート322は、その中心部に設けられ、第1ケース325の開口部を閉塞する平板部327と、平板部327の周囲に設けられた重ね合わせ部328と、を有する。平板部327は、平面視で第1シート321の第1ケース325と同一形状に形成されている。重ね合わせ部328は、第1実施形態における第2フランジ部28と同様に形成されている。第2シート322は、重ね合わせ部328を第1フランジ部326に重ね合わせるようにして、第1シート321に熱溶着されている。
【0079】
収容部323は、第1ケース325および平板部327により形成されている。
周縁部324は、第1実施形態における周縁部24と同様に形成されている。
収容部323の内部は、周縁部324において重ね合わされた第1フランジ部326および重ね合わせ部328が、各電極端子313,314およびシーラントフィルム40を挟んで溶着された状態で気密封止されている。
【0080】
このように、本実施形態によれば、収容部323が、第1シート321に形成された第1ケース325、および第2シート322に形成され、第1ケース325の開口部を閉塞する平板部327と、により形成されているので、ラミネートフィルムに対する絞り加工の工数を削減でき、低コストな電池301とすることができる。また、収容部323が小型に形成されるので、小型な電極体を備える電池に好適である。
【0081】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、小形円筒形の電気化学セルの一例として、非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、電気二重層キャパシタや一次電池等に上述した構成を適用することができる。
【0082】
また、上記各実施形態においては、各電極端子13,14は、シーラントフィルム40を介して第1シート21および第2シート22に挟まれているが、これに限定されるものではない。各電極端子13,14は、第1シート21および第2シート22に直接挟まれていてもよい。各電極端子313,314についても同様である。
【0083】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。