(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弁室と該弁室に連通する第1の流路及び第2の流路とが形成されたバルブ本体と、第1の流路から前記弁室への開口の周囲に形成された環状の弁座と、駆動部により弁座に対して垂直方向に移動され弁座に接離する弁体とを備えるバルブ装置であって、
前記弁座及び前記弁体の一方に、平坦な環状面と、前記弁座及び前記弁体の他方から離れる方向に該環状面の内周側及び外周側の一方から凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面とが形成され、前記弁座及び前記弁体の他方に前記環状面と対向して平坦な当接面が形成されており、前記弁体が前記弁座に当接するときに、前記環状面と前記当接面との面接触の後に、前記弁座及び前記弁体の少なくとも一方の変形により前記凸面状当接湾曲面と前記当接面との線接触へと移行することを特徴としたバルブ装置。
前記凸面状当接湾曲面は、前記環状面と前記凸面状当接湾曲面との境界における接平面が前記環状面と平行に延びるように形成されている、請求項1に記載のバルブ装置。
前記弁座及び前記弁体の一方に他方へ向かって突出する環状のリブが設けられており、前記環状面が前記リブの頂部に形成されている、請求項1又は請求項2に記載のバルブ装置。
前記環状面を挟んで前記凸面状当接湾曲面と反対側の前記リブの側面に、前記環状面から離れる方向に前記環状面から凸面状に湾曲して延びる凸面状補助湾曲面が形成されている、請求項3に記載のバルブ装置。
前記凸面状補助湾曲面は、前記環状面と前記凸面状補助湾曲面との境界における接平面が前記環状面と平行に延びるように形成されている、請求項4に記載のバルブ装置。
前記環状面が円環形状を有しており、前記凸面状当接湾曲面が前記リブの内周側側面に形成されていると共に、前記ステムの前記接続端の外径が前記環状面の内径よりも小さくなるように前記環状面が形成されている、請求項9に記載のバルブ装置。
前弁体の周囲から半径方向外方に延びるダイヤフラムをさらに備え、前記弁体が前記ダイヤフラムを介して前記バルブ本体に支持されている、請求項1から請求項11の何れか一項に記載のバルブ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高い清浄性が求められる分野では、バルブ装置内で発生するパーティクルが問題となる場合がある。例えば半導体ウエハの製造工程では、パーティクル、種々の金属やポリマー化合物などの汚染物質が生じ、これが半導体ウエハ上に残存したり付着すると品質に大きな影響を与える。このため、半導体ウエハの製造工程では、洗浄液を用いて半導体ウエハの洗浄が行われる。しかしながら、特許文献1に記載のバルブ装置のように、弁座に当接する弁体の底面領域に、断面半円形状の先端を有した環状リブを設けると、弁体が弁座に当接したときに作用する単位面積当たりの力が大きくなるため、リブが変形したり擦れて、パーティクルを発生させることがある。このようなパーティクルを含んだ洗浄液がバルブ装置から排出されて半導体ウエハの洗浄のために用いられると、十分な洗浄が行われず、半導体ウエハの清浄性が低下するという問題が生じる。
【0006】
このような弁体と弁座との当接によるパーティクルの発生を抑制するために、例えば特許文献2に記載のように、弁座及び弁体にそれぞれ平坦面を設けて、弁座と弁体とを面接触させる方法も提案されている。このように弁座と弁体とを面接触させれば、衝突時の衝撃が面によって受け止められて衝撃を吸収しやすくなり、パーティクルの発生を抑制することができる。しかしながら、特許文献2に記載のように弁座と弁体とを面接触させる構造のバルブ装置では、特許文献1に記載のように弁座と弁体とを線接触させる構造のバルブ装置と比較すると、同じ押付力の作用下では、当接時の単位面積当たりの圧力が減少し、シール性が低下する。このため、線接触の場合と同じシール性を確保させるためには、弁座に対する弁体の押付力を増加させるために駆動部の推力を増加させる必要がある。しかしながら、駆動部の推力を増加させると、弁座と弁体との当接時の衝撃が大きくなって弁座及び弁体の変形を生じやすくなり、パーティクルが発生しやすくなる。また、弁体の推力を増加させると、駆動部の大型化を招くという問題が生じる。
【0007】
よって、本発明の目的は、従来技術に存する課題を解決して、弁座に対する弁体の着座時のパーティクルの発生を低減させつつ、シール性の低下も抑制することができるバルブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的に鑑み、本発明は、弁室と該弁室に連通する第1の流路及び第2の流路とが形成されたバルブ本体と、第1の流路から前記弁室への開口の周囲に形成された環状の弁座と、駆動部により弁座に対して垂直方向に移動され弁座に接離する弁体とを備えるバルブ装置であって、前記弁座及び前記弁体の一方に、平坦な環状面と、前記弁座及び前記弁体の他方から離れる方向に該環状面の内周側及び外周側の一方から凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面とが形成され、前記弁座及び前記弁体の他方に前記環状面と対向して平坦な当接面が形成されており、前記弁体が前記弁座に当接するときに、前記環状面と前記当接面との面接触の後に、前記弁座及び前記弁体の少なくとも一方の変形により前記凸面状当接湾曲面と前記当接面との線接触へと移行するようにしたバルブ装置を提供する。
【0009】
上記バルブ装置では、弁体が弁座に着座するときに、まず、弁座及び弁体の一方に形成された環状面が弁座及び弁体の他方に形成された当接面と面接触し、その後に、弁座又は弁体の変形により、環状面に隣接する凸面状当接湾曲面が当接面と線接触する。このため、弁座に対する弁体の押付力が同じ条件下では、弁体と弁座との着座直後は、面接触することで接触面積が広くなり、単位面積当たりの押付力が減少するので、着座時の衝撃が軽減される。また、面接触後は、線接触に移行するので、接触面積が狭くなって単位面積当たりの押付力が高くなり、弁座と弁体との密着性が高まる。
【0010】
上記バルブ装置では、前記凸面状当接湾曲面は、前記環状面と前記凸面状当接湾曲面との境界における接平面が前記環状面と平行に延びるように形成されていることが好ましい。これにより、環状面とこれに隣接する凸面状当接湾曲面への遷移が滑らかになって、環状面と凸面状当接湾曲面との境界にエッジが形成されなくなり、エッジの削れによるパーティクルの発生を防止又は抑制することができる。
【0011】
また、前記弁座及び前記弁体の一方に他方へ向かって突出する環状のリブが設けられており、前記環状面が前記リブの頂部に形成されていることが好ましい。
【0012】
この場合、前記環状面を挟んで前記凸面状当接湾曲面と反対側の前記リブの側面に、前記環状面から離れる方向に前記環状面から凸面状に湾曲して延びる凸面状補助湾曲面が形成されていることが好ましく、前記凸面状補助湾曲面は、前記環状面と前記凸面状補助湾曲面との境界における接平面が前記環状面と平行に延びるように形成されていることがさらに好ましい。凸面状補助湾曲面の形成により、弁座に対する弁体の着座の際の衝撃を軽減させる効果を奏し、また、環状面が凸面状補助湾曲面との境界における凸面状補助湾曲面の接平面と平行になるように形成することにより、境界にエッジが形成されなくなり、着座時のエッジの削れによるパーティクルの発生を抑制することができる。
【0013】
また、前記凸面状当接湾曲面の曲率半径が前記凸面状補助湾曲面の曲率半径よりも大きくなっていることが好ましい。
【0014】
一つの実施形態では、前記リブが前記弁座に対向する前記弁体の底面に形成される。
【0015】
この場合、前記弁体の底面が平坦面であり、前記リブの側面と前記平坦面とが凹面状湾曲面によって接続されているようにしてもよい。
【0016】
また、前記弁体が、前記駆動部によって駆動されるステムの先端に設けられた接続端に接続されているようにしてもよい。この場合、前記環状面が円環形状を有しており、前記凸面状当接湾曲面が前記リブの内周側側面に形成されていると共に、前記ステムの前記接続端の外径が前記環状面の内径よりも小さくなるように前記環状面が形成されていることが好ましい。また、前記弁体が前記ステムの前記接続端を前記弁体に圧入することによって前記接続端に接続されていることが好ましい。
【0017】
一つの実施形態として、上記バルブ装置は、前弁体の周囲から半径方向外方に延びるダイヤフラムをさらに備え、前記弁体が前記ダイヤフラムを介して前記バルブ本体に支持されているようにすることができる。
【0018】
また、前記駆動部は、例えば、空気駆動式又はばね駆動式とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のバルブ装置によれば、弁体が弁座に着座するときに、まず面接触した後に線接触に移行する。よって、面接触時には、着座時の衝撃が軽減されると共に、面接触後の線接触時には、単位面積当たりの押圧力が高くなる。よって、弁座に対する弁体の着座時のパーティクルの発生を抑制しつつ、その後の弁座と弁体との間に高いシール性を確保することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明によるバルブ装置の実施の形態を説明する。
最初に、
図1及び
図2を参照して、バルブ装置の第1の実施形態であるダイヤフラムバルブ11の全体構成を説明する。
【0022】
ダイヤフラムバルブ11は、バルブ本体13と、弁体15と、弁体15を駆動するための駆動部17とを備え、バルブ本体13の上部に駆動部17が取り付けられている。
【0023】
バルブ本体13には、上部中央に弁室19が形成されていると共に、弁室19に連通する第1の流路及び第2の流路が形成されており、第1の流路から弁室19への開口の周囲に、弁体15が接離する環状の弁座21が切削加工により形成されている。図示されている実施形態では、第1の流路として、バルブ本体13の一方の側面に形成された流入口23から延び且つ弁室19の底部中央に開口する流入路25が形成されていると共に、第2の流路として、バルブ本体13の他方の側面に形成された流出口27から延び且つ弁室21の側面に開口する流出路29が形成されており、流入路25から弁室21への開口の周囲に環状の弁座21が形成されている。
【0024】
弁体15は、円柱上に円錐台が連結されたような上端部がテーパ状になった錘形状を有しており、底面が弁座21に対向するようにバルブ本体13に支持されている。
【0025】
駆動部17は、バルブ本体13の上部に取り付けられ且つ内部にシリンダ部の空間が形成されているシリンダ本体31と、シリンダ本体31の上部に取り付けられる蓋部材33と、シリンダ部内に収容されているピストン35と、付勢部材としての圧縮コイルばね37とを備えている。
【0026】
ピストン35は、シリンダ本体31のシリンダ部内に摺動可能に収容されるピストン本体35aと、ピストン本体35aの上面から上方に延びる案内軸35bと、ピストン本体35aの下面から下方に延びるステム35cとを有している。ピストン本体35aは、外周面がシリンダ部の内周面に上下方向に摺動可能に接触しており、シリンダ部の内部空間を、ピストン本体35aの上面とシリンダ部の内周壁とシリンダ部の天井面(すなわち蓋部材33の下面)によって囲まれた上部空間39と、ピストン本体35aの下面とシリンダ部の内周壁とシリンダ部の底面(すなわちシリンダ本体31の底部)とによって囲まれた下部空間41とに区画している。案内軸35bは、蓋部材33を貫通して設けられた貫通孔に摺動可能に挿入されており、ピストン35の上下動を案内するようになっている。ステム35cは、シリンダ本体31の底部を貫通して設けられた貫通孔に摺動可能に挿入されて、弁室19まで延びており、その先端に位置する接続端35dに弁体15が接続されている。
【0027】
本実施形態では、ステム35cの接続端35dに拡径された係止部が設けられており、弁体15に設けられた相補形状の連結孔15aにステム35cの接続端(係止部)35dを圧入することによって、ステム35cの接続端35dに弁体15が接続されている。しかしながら、ステム35cの接続端35dへの弁体15の接続は、圧入に限定されるものではなく、例えばステム35cの接続端35dの外周面に雄ねじ部を設けると共に弁体15の連結孔15aの内周面に雌ねじ部を設け、螺合によってステム35cの接続端35dに弁体15を接続してもよい。
【0028】
蓋部材33には、上部空間39を区画するシリンダ部の天井面に連通する通気口43が形成されており、通気口43を通して上部空間39と外部との間で通気を行うことができるようになっていると共に、シリンダ本体31の側部には、下部空間41を区画するシリンダ部の底面に連通する作動流体供給口45が形成されており、作動流体供給口45から下部空間41内へ作動流体を供給できるようになっている。また、ピストン本体35aの上面の外周部と蓋部材33の下面(シリンダ部の天井面の外周部)には、それぞれ、ばね座として機能する環状溝47,49が形成されており、両端部を環状溝47,49に挿入して蓋部材33の下面(シリンダ部の天井面)とピストン本体35aの上面との間に圧縮コイルばね37を配置している。
【0029】
なお、駆動部17は、ピストン35の案内軸35b及びステム35cが弁座面に対して垂直となるようにバルブ本体13に取り付けられる。また、ピストン本体35aの外周面及びシリンダ本体31の底部の貫通孔に挿入されたステム35cの外周面にそれぞれOリング51,53を装着し、ピストン本体35aの外周面とシリンダ部の内周面との間及びステム35cの外周面とシリンダ本体31の底部(シリンダ部の底面)の貫通孔の内周面との間から、下部空間41に供給された作動流体が漏出することを防止している。
【0030】
このような構成により、通常時には、ピストン本体35aが圧縮コイルばね37によって下方に付勢されて押し下げられ、ステム35cを介してピストン本体35aに連結されている弁体15が弁座21に圧接される。この結果、流入路25が閉止され、
図1に示されているように、ダイヤフラムバルブ11が閉状態となる。この状態から作動流体供給口45に作動流体(例えば圧縮空気)を供給すると、シリンダ部の下部空間41に作動流体が流入して、ピストン本体35aに上向きの流体圧が作用し、ピストン本体35aが圧縮コイルばね37の付勢力に抗して押し上げられる。このとき、シリンダ部の上部空間39内の空気は通気路43から外部に放出される。ピストン本体35aが上方へ移動すると、ステム35cを介してピストン本体35aに連結されている弁体15が上方へ移動して弁座21から離間する。この結果、流入路25が開放され、
図2に示されているように、ダイヤフラムバルブ11が開状態となる。開状態では、ダイヤフラムバルブ11の流入口23から流入路25に流入した流体は弁室19、流出路29を経て流出口27から外部に流出するようになる。
【0031】
ダイヤフラムバルブ11では、弁体15の上端部の外周部から半径方向外方にダイヤフラム55が延設されており、弁体15は、ダイヤフラム55を介してバルブ本体13に支持されている。詳細には、
図3に詳細に示されているように、ダイヤフラム55の外周縁部に、最外縁部に位置し且つ水平方向に延びる環状の水平支持部55aと、水平支持部55aよりも内側に位置し且つ上下方向(鉛直方向)に延びる環状の垂直支持部55bとが設けられており、シリンダ本体31の底部中央から延びる突出部31aをバルブ本体13の弁室19の上部開口内に挿入したときに、突出部31aよりも外側に位置するシリンダ本体31の底面とバルブ本体13の弁室19の上部開口の周囲領域の上面との間に水平支持部55aを挟持し且つシリンダ本体31の突出部31aの外周面とバルブ本体13の弁室19の上部の内周面との間に垂直支持部55bを挟持することにより、ダイヤフラム55をバルブ本体13に固定するようになっている。また、水平支持部55aの底面に、断面台形状の環状溝55cが設けられ、垂直支持部55bの外側表面に、断面半円形状の環状突起55dが設けられている一方、バルブ本体13の弁室19の上部開口の周囲領域の上面に、断面半円形状の環状突起13aが設けられ、バルブ本体13の弁室19の上部の内周面に、断面台形状の環状溝13bが設けられている。環状突起13a,55dはそれぞれ環状溝55c,13bよりも僅かに大きく形成されており、水平支持部55aの環状溝55cにバルブ本体13の上面の環状突起13aを係合させ且つ垂直支持部55bの外側表面の環状突起55dを弁室19の内周面の環状溝13bに係合させた状態で、シリンダ本体31の突出部31aをバルブ本体13の弁室19内に挿入してシリンダ本体31をバルブ本体13の上部に取り付けたときに、環状突起13a,55dが変形して環状溝55c,13bに密着嵌合し、シール性が高まるようになっている。
【0032】
本実施形態では、上述したように、ダイヤフラム55の水平支持部55aに環状溝55cを設けると共に垂直支持部55bに環状突起55dを設け、環状溝55c及び環状突起55dをそれぞれバルブ本体13の上部の環状突起13aと弁室19の内周面の環状溝13bに係合させている。しかしながら、ダイヤフラム55の水平支持部55aに環状突起を設けると共に垂直支持部55bに環状溝を設け、設けた環状突起及び環状溝をそれぞれをバルブ本体13の上部に設けた環状溝と弁室19の内周面に設けた環状突起に係合させるようにしてもよく、水平支持部55aと垂直支持部55bの両方に環状突起又は環状溝を設けたり、水平支持部55aと垂直支持部55bの一方のみに環状溝又は環状突起を設けるようにしてもよい。
【0033】
本発明によるバルブ装置では、さらに、弁体15及び弁座21の一方に、平坦な環状面57と、環状面57と隣接して弁体15及び弁座21の他方から離れる方向に凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面59が形成され、弁体15及び弁座21の他方に、環状面57と対向して、環状面57と平行に延びる平坦な当接面61が形成されている。本実施形態では、
図3及び
図4に示されているように、弁座21に対向する弁体15の底面に、弁座21に向かって突出して延びる円環形状のリブ63が設けられており、リブ63の頂部に円環形状の平坦な環状面57が形成され、弁座21に、環状面57と対向して環状面57と平行に延びる平坦な当接面61が形成されている。また、リブ63の側面に、弁座21から離れる方向に環状面57の内周側から凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面59が形成されている。凸面状当接湾曲面59は、環状面57と凸面状当接湾曲面59との境界における凸面状当接湾曲面59の接平面が環状面57と平行に延びるように形成されていることが好ましい。
【0034】
このように、弁体15の底面に設けられたリブ63の頂面に環状面57を形成し、且つ、弁座21に環状面57と対向して環状面57と平行に延びる当接面61を形成すれば、弁座21に弁体15を接近させて着座させたときに弁体15の環状面57と弁座21の当接面61とが面接触する。したがって、着座時の衝撃が軽減され、パーティクルの発生を抑制することができる。また、環状面57に隣接して凸面状当接湾曲面59を設ければ、弁体15の環状面57が弁座21の当接面61に着座した状態からさらに弁体15を弁座21に押し付けたときに、リブ63が変形して、凸面状当接湾曲面59が弁座21の当接面61に当接するようになる。このとき、凸面状当接湾曲面59と当接面61とは線接触となる。すなわち、弁体15と弁座21との当接は、面接触から線接触に移行する。このような面接触から線接触への移行により、弁座21に対する弁体15の単位面積当たりの押圧力が高くなって、シール性が高まる。
【0035】
さらに、環状面57が、凸面状当接湾曲面59との境界における凸面状当接湾曲面59の接平面と平行に延びていれば、境界がエッジ状にならないので、当接面61と当接する弁体15上の領域が環状面57から凸面状当接湾曲面59に円滑に移行することができ、境界において弁体15と弁座21との摩擦によるパーティクルの発生を抑制させることができる。したがって、凸面状当接湾曲面59の曲率半径が大きいほど、環状面57と凸面状当接湾曲面59との境界が滑らかとなり、パーティクルの発生を抑制する効果が高まる。なお、凸面状当接湾曲面59の曲率半径とは、リブ63の横断面において凸面状当接湾曲面59がなす湾曲線を近似する円の半径を意味するものとする。
【0036】
環状面57は、その内径が弁体15に圧入されているステム35cの接続端の外径よりも大きくなるように形成されていることが好ましい。このような内径とすることにより、リブ63の環状面57が弁座21の当接面61に当接した状態で弁体15がステム35cによってさらに弁座21に押し付けられたときに、弁体15の中央部が弁座21側へ凸状に変形する。この弁体15の変形に伴うリブ63の変形で、環状面57の内周側から延びる凸面状当接湾曲面59を確実に当接面61と当接するようにさせることができる。このため、弁体15の底面中央部15bと弁体15に圧入されるステム35cの接続端との間の領域は、弁体15が変形しやすいように薄くすることが好ましい。
【0037】
図4に示されているように、環状のリブ63に取り囲まれる弁体15の底面部分(以下、底面中央部15bと記載する。)が平坦に形成され、当該底面中央部15bと凸面状当接湾曲面59とが凹面状湾曲面15cによって接続されていることが好ましい。底面中央部15bが平坦になっていることにより、ステム35cによる押し付けで弁体15が変形するときに応力集中が発生しにくくなり、耐久性が向上する。また、底面中央部15bと凸面状当接湾曲面59が凹面状湾曲面15cによって接続されていることにより、両者の境界に角部が形成されず、リブ63の変形による応力集中が生じにくくなって、耐久性が向上する。
【0038】
また、本実施形態では、環状面57を挟んで凸面状当接湾曲面59と反対側のリブ63の側面に、環状面57から離れる方向に凸面状に湾曲した凸面状補助湾曲面65が形成されている。このようにリブ63の側面を湾曲面とすることにより、弁体15が弁座21に着座したときの衝撃を緩和しやすくなり、パーティクルの発生を抑制する効果を奏する。凸面状当接湾曲面59の曲率半径は凸面状補助湾曲面65の曲率半径よりも大きくなっていることが好ましい。この場合、環状面57から凸面状当接湾曲面59への輪郭の変化の方が環状面57から凸面状補助湾曲面65への輪郭の変化よりも緩やかとなるので、環状面57と弁座21の当接面61との面接触から凸面状当接湾曲面59と弁座21の当接面61との線接触への移行が円滑となり、パーティクルの発生の抑制効果が高められる。さらに、凸面状補助湾曲面65も、凸面状当接湾曲面59と同様に、凸面状補助湾曲面65と環状面57との境界における凸面状補助湾曲面65の接平面が環状面57と平行に延びるように形成されていることが好ましい。これにより、境界にエッジが形成されなくなり、弁座21に対して弁体15が着座したときの衝撃でエッジが削れることによるパーティクルの発生を抑制することができる。
【0039】
なお、バルブ本体13、弁体15、シリンダ本体31、ピストン35、ダイヤフラム55の材質は、例えば、PVC(塩化ビニル樹脂)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)などとすることができる。
【0040】
次に、
図1及び
図2に加えて
図5及び
図6を参照して、ダイヤフラムバルブ11の動作を説明する。
【0041】
作動流体供給口45から駆動部17に作動流体が供給されていない通常時は、駆動部17のピストン35が圧縮コイルばね37によって下方に付勢されて押し下げられる。この結果、弁体15が弁座21に圧接されて、ダイヤフラムバルブ11が
図1に示されているように閉状態となる。この状態から駆動部17の作動流体供給口45に作動流体を供給すると、シリンダ部の下部空間41に流入した作動流体の流体圧がピストン本体35aに上向きに作用し、ピストン35が圧縮コイルばね37の付勢力に抗して押し上げられる。この結果、弁体15が弁座21から離間して、ダイヤフラムバルブ11が
図2に示されているように開状態となる。
【0042】
作動流体供給口45への作動流体の供給を停止すると、圧縮コイルばね37により、再びピストン35が下方に付勢されて押し下げられ、
図5(a)に示されているように、弁体15が弁座21に着座する。このとき、まず、
図6(a)に示されているように、弁体15のリブ63の環状面57が弁座21の当接面61に面接触する。ピストン35がさらに下方へ移動すると、弁体15のリブ63の環状面57が弁座21の当接面61に当接した状態で駆動部17のステム35cによって弁体15の中央部が下方に押圧される。したがって、
図5(b)に示されているように、弁体15の中央部が下方に向けて凸状に変形して、リブ63の先端が外方に押し出される。このような弁体15の変形に伴って、
図6(b)に示されているように、弁体15のリブ63の側面の凸面状当接湾曲面59が弁座21の当接面61に当接するようになり、弁体15と弁座21との当接が面接触から線接触へと移行する。
【0043】
このように、ダイヤフラム11では、弁座21に弁体15を接近させて着座させた直後、弁体15の環状面57と弁座21の当接面61とが面接触して、駆動部17による押付力(推力)を広い面積で受ける。したがって、弁座21に対する弁体15の着座時の衝撃が軽減されて、パーティクルの発生を抑制することができる。また、弁体15の環状面57と弁座21の当接面61とが当接している状態から、駆動部17によりさらに弁体15が弁座21に押し付けられると、弁体15が変形して、リブ63の環状面57に隣接する凸面状当接湾曲面59が弁座21の当接面61に当接するようになり、弁体15と弁座21との当接が面接触からそれよりも接触面積の狭い線接触へと移行する。したがって、駆動部17による弁座21への弁体15の押付力が同じであっても、単位面積当たりの押付力が高くなって、シール性が高められる。よって、駆動部17の押付力を弱くして、弁座21に対する弁体15の着座時の衝撃を弱くしてパーティクルの発生をさらに抑制しつつ、良好なシール性を確保することも可能となる。
【0044】
さらに、環状面57と凸面状当接湾曲面59との境界における凸面状当接湾曲面59の接平面が環状面57と平行に延びるように、凸面状当接湾曲面59が形成されていれば、環状面57と凸面状当接湾曲面59との境界がエッジ状にならないので、弁体15の環状面57と弁座21の当接面61との面接触から弁体15の凸面状当接湾曲面59と弁座21の当接面61との線接触へ円滑に移行することができ、境界において弁体15と弁座21との摩擦で弁体15又は弁座21が削れてパーティクルを発生することを抑制することができる。
【0045】
次に、本発明によるバルブ装置の他の実施形態を説明する。
図7は、本発明のバルブ装置の第2の実施形態によるダイヤフラムバルブ71の要部を示している。
図7では、第1の実施形態と共通する構成要素に第1の実施形態と同じ参照符号を付している。第2の実施形態のダイヤフラムバルブ71の構造は、弁体73及び弁座75の構造を除いて、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同じであるので、ここでは、弁体73及び弁座75の構造を中心に説明する。
【0046】
第1の実施形態では、弁体15が錘形状を有しているが、バルブ装置の弁体の形状は錘形状に限定されるものではない。第2の実施形態のダイヤフラムバルブ71の弁体73は、円板形状を有しており、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様に、その上端部の外周部から径方向外方へ延びるダイヤフラム77を介して弁座75と対向するようにバルブ本体13に支持されている。弁座75は、流入路25の弁室19への開口の周囲に形成された環状段差部の上向き面に形成されている。
【0047】
第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11の弁体15及び弁座21と同様に、弁座75に対向する弁体73の底面の外周部に、弁座75に向かって突出して延びる円環形状のリブ79が設けられている。リブ79の頂部には、円環形状の平坦な環状面81が形成されており、弁座75に、環状面81と対向して環状面81と平行に延びる平坦な当接面83が形成されている。リブ79の側面には、弁座75から離れる方向に環状面81の内周側及び外周側からそれぞれ凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面85及び凸面状補助湾曲面87が設けられており、凸面状当接湾曲面85及び凸面状補助湾曲面87は、環状面81との境界における接平面が環状面81と平行に延びるように形成されている。
【0048】
本実施形態の弁体73は、駆動部17のステム35cの接続端35dの外周に設けられた雄ねじを弁体73の上部中央の連結孔73aに形成された雌ねじに螺合させることによってステム35cの接続端35dに接続され、弁座75に対して接近及び離間する方向に駆動部17によって駆動されるようになっている。しかしながら、ステム35cの接続端35dに対する弁体73の接続は、螺合に限定されるものではなく、適宜の方法を採用することが可能である。例えば、第1の実施形態と同様に、弁体73にステム35cの接続端35dを圧入することによってステム35cの接続端35dに弁体73を接続してもよい。なお、ステム35cの接続端35dの外径は、環状のリブ79の内径よりも小さくなるように形成されている。
【0049】
本実施形態のダイヤフラムバルブ71では、弁体73が弁座75から離間した開状態から、弁体73が駆動部17のステム35cの駆動によって押し下げられると、
図7(a)に示されているように、弁体73のリブ79の環状面81が弁座75の当接面83と面接触して着座し、着座時の衝撃を軽減する。さらに、弁体73の環状面81が弁座75の当接面83と当接した状態から、弁体73が駆動部17のステム35cの駆動によって下方に押し下げられると、弁体15の中央部が弁座75側に凸状に湾曲する。このような弁体15の変形に伴うリブ79の変形で、
図7(b)に示されているように、環状面81の内周側から延びる凸面状当接湾曲面85が弁座75の当接面83と線接触するようになり、単位面積当たりの押付力が高められる。本実施形態では、このとき、環状面81の外周側から延びる凸面状補助湾曲面87が環状溝の外周面89にも当接して線接触をなし、付加的なシール機能を果たす。第2の実施形態のダイヤフラムバルブ71の他の作用及び効果は、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0050】
図8は、本発明のバルブ装置の第3の実施形態によるダイヤフラムバルブ91の要部を示している。
図8では、第1の実施形態と共通する構成要素に第1の実施形態と同じ参照符号を付している。第3の実施形態のダイヤフラムバルブ91の構造は、弁体93及び弁座95の構造を除いて、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様であるので、ここでは、弁体93及び弁座95を中心に説明する。
【0051】
第1の実施形態では、頂部に環状面57が形成されたリブ63を弁体15側に設け、環状面57が当接する当接面61を弁座側に設けているが、リブ63及び当接面61の配置は第1の実施形態の配置に限定されるものではない。第3の実施形態のダイヤフラムバルブ91の弁体93は、第1の実施形態と類似であり、先端部がテーパ形状の概略円柱形状を有しており、その上端部の外周部から径方向外方へ延びるダイヤフラム97を介して弁座95と対向するようにバルブ本体13に支持されている。弁座95は、弁室19への流入路25の開口の周囲に形成されており、弁座95には、弁体93へ向けて突出して延びる環状のリブ99が設けられている。第3の実施形態では、別体のリブ99が弁座95に取り付けられているが、リブ99を弁座95と一体的に形成してもよい。
【0052】
リブ99の頂部には、円環形状の平坦な環状面101が形成されており、弁体93の底部に、環状面101と対向して環状面101と平行に延びる平坦な当接面103が形成されている。また、リブ99の側面には、弁体93から離れる方向に環状面101の内周側及び外周側からそれぞれ凸面面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面105及び凸面状補助湾曲面107が設けられており、凸面状当接湾曲面105及び凸面面状補助湾曲面107は、環状面101との境界における接平面が環状面101と平行に延びるように形成されている。さらに、リブ99の基端部の外周側には、楔形状の環状切欠き部109が設けられている。
【0053】
本実施形態の弁体93は、駆動部17のステム35cの接続端35dに設けられた雌ねじ部に弁体の上部中央に突出して形成された雄ねじ部を螺合させることによってステム35cの接続端35dに接続され、弁座95に対して接近及び離間する方向に駆動されるようになっている。しかしながら、ステム35cの接続端35dに対する弁体93の接続は、螺合に限定されるものではなく、適宜の方法を採用することが可能である。例えば、第1の実施形態と同様に、弁体93にステム35cの接続端35dを圧入することによってステム35cの接続端35dに弁体93を接続してもよい。
【0054】
本実施形態のダイヤフラムバルブ97では、弁体93が弁座95から離間した開状態から、弁体93が駆動部17のステム35cの駆動によって押し下げられると、
図8(a)に示されているように、弁体93の底面の当接面103が弁座95に設けられたリブ99の環状面101と面接触して着座し、着座時の衝撃を軽減する。さらに、弁体93の当接面103が弁座95のリブ99の環状面101と当接した状態から、弁体93が駆動部17のステム35cの駆動によって下方に押し下げられると、リブ99が弁体93により下方へ向けて押圧されて、リブ99の外周側の切欠き部109の存在のために、リブ99の先端が外方へ向かって撓曲する。この結果、
図8(b)に示されているように、環状面101の内周側から延びる凸面状当接湾曲面105が弁体93の底面の当接面103と線接触するようになり、単位面積当たりの押付力が高められる。第3の実施形態のダイヤフラムバルブ91の他の作用及び効果は、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0055】
図9は、本発明のバルブ装置の第4の実施形態によるグローブバルブ111の要部を示している。第4の実施形態のグローブバルブ111の基本的な構造は、弁体113及び弁座115の構造を除いて、第1の実施形態のダイヤフラムバルブと同様であるので、ここでは、弁体及び弁座を中心に説明する。
【0056】
第1の実施形態から第3の実施形態では、本発明がダイヤフラムバルブに適用されているが、本発明は、弁体が弁座に対して略垂直方向に接近離間することによって開閉を行うバルブであれば適用可能であり、適用がダイヤフラムバルブに限定されるものではない。第4の実施形態は、本発明をグローブバルブ111に適用した例である。また、第1の実施形態から第3の実施形態では、弁体又は弁座に設けられたリブに環状面及びこれに隣接する凸面状当接湾曲面が形成されているが、環状面及び凸面状当接湾曲面はリブの頂部以外の場所に形成されてもよい。第4の実施形態では、円環形状の平坦な環状面117が弁座115の弁座面として形成され、弁室19への流入路25の開口の周縁を面取りすることによって環状面117に隣接して形成した湾曲面を凸面状当接湾曲面119としている。また、弁体113の底面に、弁座115に形成された環状面117と対向して環状面117と平行に延びる平坦な当接面121が形成されている。なお、凸面状当接湾曲面119は、環状面117との境界における接平面が環状面117と平行に延びるように形成されている。
【0057】
本実施形態の弁体113は、平板形状を有しており、駆動部17のステム35cの接続端35dに設けられた雌ねじ部に弁体113の上部中央に突出して形成された雄ねじ部を螺合させることによってステム35cの接続端35dに接続され、弁座115に対して接近及び離間する方向に駆動されるようになっている。しかしながら、ステム35cの接続端35dに対する弁体113の接続は、螺合に限定されるものではなく、適宜の方法を採用することが可能である。例えば、第1の実施形態と同様に、弁体113にステム35cの接続端35dを圧入することによってステム35cの接続端35dに弁体113を接続してもよい。
【0058】
本実施形態のグローブバルブ111では、弁体113が弁座115から離間した開状態から、弁体113が駆動部17のステム35cの駆動によって押し下げられると、
図9(a)に示されているように、弁体113の底面の当接面121が弁座115の環状面117と面接触して着座し、着座時の衝撃を軽減する。さらに、弁体113の当接面121が弁座115の環状面117と当接した状態から、弁体113が駆動部17のステム35cの駆動によって下方に押し下げられると、弁体113の中央部が弁座115側に凸状に湾曲する。この結果、
図9(b)に示されているように、弁体113の当接面121が弁座115の環状面117の内周側から延びる凸面状当接湾曲面119と線接触するようになり、単位面積当たりの押付力が高められる。第4の実施形態の他の作用及び効果は、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0059】
図10は、本発明のバルブ装置の第5の実施形態によるグローブバルブ131を示している。第5の実施形態のグローブバルブ131の基本的な構造は、弁体133及び弁座135の構造を除いて、第1の実施形態と同様であるので、ここでは、弁体133及び弁座135を中心に説明する。
【0060】
第1の実施形態から第4の実施形態では、弁体の上部中央において駆動部17のステム35cの接続端35dに接続されているが、ステム35cによって弁体が弁座に対して接近及び離間することができるようになっていれば、ステム35cとの接続部分は、弁体の上部中央に限定されるものではない。第5の実施形態では、ステム35cの接続端35dが筒形状に形成されており、弁体133の上部の外延部分を接続端35dの外周部に装着することによって弁体133をステム35cの接続端35dに接続している。
【0061】
本実施形態では、ステム35cの接続端35dに接続された弁体133の底面の外周部よりも内側に、弁座135へ向けて突出して延びる環状のリブ137が設けられており、リブ137の頂部に、円環形状の平坦な環状面139が形成されている。また、弁座135に、環状面139と対向して、弁体133へ向かって突出して延びる環状のリブ141が設けられており、リブ141の頂部に、環状面139と平行に延びる円環形状の平坦な当接面143が形成されている。さらに、リブ137の側面には、弁座135から離れる方向に環状面139の外周側から凸面状に湾曲して延びる凸面状当接湾曲面145が形成されている。凸面状当接湾曲面145は、環状面139との境界における接平面が環状面139と平行に延びるように形成されている。
【0062】
本実施形態のグローブバルブ131では、弁体133が弁座135から離間した開状態から、弁体133が駆動部17のステム35cの駆動によって押し下げられると、
図10(a)に示されているように、弁体133のリブ137の環状面139が弁座135のリブ141上に形成された当接面143と面接触して着座し、着座時の衝撃を軽減する。さらに、弁体133の環状面139が弁座135の当接面143と当接した状態から、弁体133が駆動部17のステム35cの駆動によって下方に押し下げられると、ステム35cによる押付力が弁体133の外周部に作用して、弁体133の中央部が弁座135から離れる方向に凹状に湾曲する。その結果、
図10(b)に示されているように、環状面139の外周側から延びる凸面状当接湾曲面145が弁座135の当接面143と線接触するようになり、単位面積当たりの押付力が高められる。第5の実施形態のグローブバルブ131の他の作用及び効果は、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0063】
このように、第2の実施形態から第5の実施形態でも、第1の実施形態のダイヤフラムバルブ11と同様に、弁座に対する弁体の着座当初は、弁体は弁座と面接触を行って着座時の衝撃を軽減して、パーティクルの発生を抑制することができる。また、弁体が弁座に着座した状態からさらに弁座に押し付けられると、弁体と弁座とが面接触から線接触に移行して、単面積当たりの押付力が高まり、シール性を向上させることができる。
【0064】
以上、図示されている実施形態を参照して、本発明を説明したが、本発明は、図示されている実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が可能である。例えば、図示されている第1の実施形態では、第1の流路として流入路25が形成されると共に、第2の流路として流出路29が形成され、流入路25から弁室21への開口の周囲に環状の弁座21が形成されている。しかしながら、第1の流路として、弁室19の底部中央に開口する流出路を形成すると共に、第2の流路として、弁室19の側面に開口する流入路を設け、流出路から弁室19への開口の周囲に環状の弁座21を形成するようにしてもよい。また、弁座21の位置は、弁体15が弁座21に対して接離できるようになっていれば、弁室15の底部に限定されるものではない。