特許第6681777号(P6681777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681777
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】商品積み付けシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20200406BHJP
   B65G 57/09 20060101ALI20200406BHJP
【FI】
   B65G1/137 E
   B65G57/09
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-86830(P2016-86830)
(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公開番号】特開2017-197299(P2017-197299A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】598059387
【氏名又は名称】株式会社PALTAC
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】山岸 十郎
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 清孝
(72)【発明者】
【氏名】佐塚 大介
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−233416(JP,A)
【文献】 特開2013−052938(JP,A)
【文献】 実開平05−068952(JP,U)
【文献】 特開2007−284151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 57/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー店舗別に仕分けされた商品が作業ブースの作業者によって搬送台車に積み付けられて出荷される商品積み付けシステムであって、
前記搬送台車を前記作業ブースへ供給し商品の積み付けが完了すると払い出される搬送台車供給払い出し手段と、
仕分けされた商品を前記作業ブースへ供給する商品供給手段と、
前記作業ブースに供給された商品を前記搬送台車供給払い出し手段まで移動させるためのスライド台と、
を有した商品積み付け機構が前記作業ブース近傍に複数設けられ、
前記搬送台車供給払い出し手段は、前記搬送台車が前記作業ブースへ供給されると前記搬送台車の底面が前記スライド台上端近傍の高さに移動調整され、商品が前記スライド台上を移動して積み付けられて移動調整された高さで積み付けられる上限となると積み付けられた商品群のうちの一番上端の高さが前記スライド台上端近傍の高さとなるように移動調整が繰り返され、商品が前記搬送台車の所定の高さまで積み付けられると前記搬送台車が払い出されること
を特徴とする商品積み付けシステム。
【請求項2】
前記スライド台の上端の高さが作業者の腰の高さに調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品積み付けシステム。
【請求項3】
前記搬送台車供給払い出し手段は前記搬送台車の自重によって供給及び/又は払い出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品積み付けシステム。
【請求項4】
前記商品供給手段は商品の自重によって供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の商品積み付けシステム。
【請求項5】
前記商品積み付け機構に商品を仮置きするための仮置き台が前記スライド台上端と同じ高さに設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の商品積み付けシステム。
【請求項6】
複数の前記商品積み付け機構が前記作業ブースを取り囲み、各々の前記搬送台車供給払い出し手段によって供給されて商品が積み付けられる前記搬送台車が前記作業ブースの中心に近くなるように配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の商品積み付けシステム。
【請求項7】
前記商品積み付け機構が前記作業ブースに4つ配置されていることを特徴とする請求項6に記載の商品積み付けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダー店舗別に仕分けした商品又は商品の入った段ボールケースを作業者がカートラック等の搬送台車に高速で積み付ける商品積み付けシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の高齢化社会,生産年齢人口の減少により、物流センターでの労働力確保が難しくなった。また、物流コスト削減に追い打ちをかけるように人件費の上昇も続いている。
一般的な卸売業含む中間流通業の物流センターでは、顧客からのオーダー情報に合わせて商品単体やケース単位で商品を出荷する機能を有しているが、その作業における1人当たりの生産性は高くても1時間当たり150ケース〜200ケースとなっているのが現状である。この生産性を飛躍的に上げることで流通全体の生産性アップにも寄与し、また流通コスト削減にもつながる。これからの労働力不足の社会では高いニーズとなっている。
【0003】
商品は通常顧客の注文に合わせて顧客の店別にカートラックなどの搬送台車に仕分けしてトラックで店に届ける。その状態にする過程では、センターの各エリアで保管されている商品を各エリア毎に複数店舗分のまとまりで集約(バッチ)して一括ピッキングをし、最寄りのコンベヤ等の設備へ投入する。
【0004】
投入された商品は、通常当該バッチ内に処理する店舗数を有する仕分け機を経由して各店舗別に自動仕分けを行い最終は人手で搬送台車に積み付けられる。その際、当該バッチの商品が全て流れ終わらなければ次バッチに移ることができない。
【0005】
尚、積み付け時の1人当たりの生産性は副作業(搬送台車満杯時の入替えなどの作業、バッチ間ロス、積み付け時の商品入れ替えなど)を含めて最大でも150ケース〜200ケース/時間である。
【0006】
また、特許文献1や特許文献2のように、全自動によって商品のピッキングから各店舗にまとめて仕分けし、商品を搬送台車へ積載し出荷する自動システムも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3430100号公報
【特許文献2】特開平6−40568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のような全自動商品出荷仕分けシステムの場合、既存の物流センターの設備を活用することは非常に難しく、全てを全自動にするための制御システムや設備の構築とシステム維持等に膨大なコストと労力を必要とする可能性がある。さらに、全自動であるがためシステムの柔軟性が乏しくなるという恐れもある。
【0009】
また、従来の人手による商品積み付け作業においては、人手により搬送台車に商品を積み付けていく過程で商品重量3Kg〜12Kg/個の商品を膝下の高さから頭の高さまで積み付けていかなければならない。また、軽い商品の後に重い商品が流れてくると、商品が潰れないように入替え作業を行わなければならない。積み付け中の搬送台車が商品で満載になると、空の搬送台車への入替えを行わなければならないため積み付け作業を一旦中断し、満載の搬送台車を所定の位置まで払い出し、空の搬送台車を保管位置から積み付け位置まで搬送しセットしなければならない。さらに、前述のように各エリア毎に複数店舗分のまとまり(バッチ)で集約して一括ピッキングを行う運用においては、現バッチから次バッチを処理する間のバッチ間ロスが発生することになる。
【0010】
本発明では、作業効率を高め、作業者の商品積み付け動作の負担を減らすことのできる商品積み付けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の商品積み付けシステムは、オーダー店舗別に仕分けされた商品が作業ブースの作業者によって搬送台車に積み付けられて出荷される商品積み付けシステムであって、前記搬送台車を前記作業ブースへ供給し商品の積み付けが完了すると払い出される搬送台車供給払い出し手段と、仕分けされた商品を前記作業ブースへ供給する商品供給手段と、前記作業ブースに供給された商品を前記搬送台車供給払い出し手段まで移動させるためのスライド台と、を有した商品積み付け機構が前記作業ブース近傍に複数設けられ、前記搬送台車供給払い出し手段は、前記搬送台車が前記作業ブースへ供給されると前記搬送台車の底面が前記スライド台上端近傍の高さに移動調整され、商品が前記スライド台上を移動して積み付けられて移動調整された高さで積み付けられる上限となると積み付けられた商品群のうちの一番上端の高さが前記スライド台上端近傍の高さとなるように移動調整が繰り返され、商品が前記搬送台車の所定の高さまで積み付けられると前記搬送台車が払い出されることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記スライド台の上端の高さが作業者の腰の高さに調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品積み付けシステムである。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記搬送台車供給払い出し手段は前記搬送台車の自重によって供給及び/又は払い出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品積み付けシステムである。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記商品供給手段は商品の自重によって供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の商品積み付けシステムである。
【0015】
請求項5記載の発明は、前記商品積み付け機構に商品を仮置きするための仮置き台が前記スライド台上端と同じ高さに設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の商品積み付けシステムである。
【0016】
請求項6記載の発明は、複数の前記商品積み付け機構が前記作業ブースを取り囲み、各々の前記搬送台車供給払い出し手段によって供給されて商品が積み付けられる前記搬送台車が前記作業ブースの中心に近くなるように配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の商品積み付けシステムである。
【0017】
請求項7記載の発明は、前記商品積み付け機構が前記作業ブースに4つ配置されていることを特徴とする請求項6に記載の商品積み付けシステムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の商品積み付けシステムによれば、商品積み付け機構は搬送台車供給払い出し手段によって搬送台車の積み付け高さとスライド台上端近傍の高さが同じとなるように移動調整されるので、作業者はスライド台によって商品を持ち上げること無く滑らせるように移動させて押し込むように積み付けることができるため作業者の負担が軽減され、また従来のような膝下から頭の高さほどまで商品を積み上げる必要が無くなり、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
また、商品積み付け機構が作業者一人が作業する作業ブース近傍に複数設けられているので、一つの商品積み付け機構で商品を積み付け終わって搬送台車が自動で払い出されている間や商品供給手段から商品が供給されるまでの間に他の商品積み付け機構での積み付け作業に素早く移行することができ従来の搬送台車入れ替え作業や待ち時間の時間ロスを削減することができ作業効率を飛躍的に伸ばすことができる。
【0019】
また、請求項2の発明によれば、スライド台上端の高さが作業者の腰の高さであるので、作業者に最も肉体的負担の少ない体勢で積み付け作業ができる利点がある。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、搬送台車供給払い出し手段は搬送台車の自重によって供給及び/又は払い出されることを特徴としているので、構造上のコスト及びランニングコストを低く抑えられる利点がある。
【0021】
また、請求項4の発明によれば、商品供給手段は商品の自重によって供給されるので構造上のコスト及びランニングコストを低く抑えられる利点がある。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、商品積み付け機構に商品を仮置きするための仮置き台がスライド台と同じ高さに設けられているので、例えば商品を上下入れ替えたい場合に商品を一時仮置きできるので作業効率や作業者の負担を軽減することができる。
【0023】
また、請求項6の発明によれば、複数の商品積み付け機構が作業ブースを取り囲み、各々の搬送台車供給払い出し手段によって供給されて商品が積み付けられる搬送台車が作業ブースの中心に近くなるように配置されていて、作業者は商品積み付け機構間を最小限の移動で積み付け作業することができるので、作業効率向上や作業者の負担を軽減することができる。また、作業ブース及び物流センターのスペースを有効活用できる利点もある。
【0024】
また、請求項7の発明によれば、商品積み付け機構が前記作業ブースを4分割して取り囲むように4つ配置されているので、作業者一人につき4つのオーダー店舗の積み付け作業を行うことができ、作業効率向上や作業者の商品積み付け機構間の移動を最小限とするように商品積み付け機構が作業ブースを取り囲むことにより作業者の移動の負担を軽減することができスペースも最大限有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る商品積み付けシステムの一実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)はA−A線一部断面図、(c)はB−B線一部断面図を示す。
図2】本発明に係る商品積み付けシステムの商品積み付け方を示す図である。
図3】本発明に係る商品積み付けシステムの一例の実機のテスト時の写真であり、(a)は全景、(b)は作業時、(c)は搬送台車供給払い出し手段、(d)は搬送台車下降スイッチ、(e)はスライド台、(f)は積み付けイメージの図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について、さらに詳しく説明する。図1は、商品積み付けシステムの一実施例であり、図1(a)は平面図、(b)はA−A線一部断面図、(c)はB−B線一部断面図を示す。図2は商品積み付けシステムの商品積み付け方。図3は商品積み付けシステムの一例の実機のテスト時の写真であり、(a)は全景、(b)は作業時、(c)は搬送台車供給払い出し手段、(d)は搬送台車下降スイッチ、(e)はスライド台、(f)は積み付けイメージの図である。
【0027】
商品積み付けシステム10は、オーダー店舗別に仕分けした商品Aを搬送台車Bに積み付けるための複数の商品積み付け機構20が作業ブースCを囲むように設けられたものであり、本実施例では4つの別々のオーダー店舗となる商品積み付け機構20によって構成されている。この商品積み付けシステム10は作業者1人分のシステムであり、物流センターのキャパシティやオーダー店舗数つまり仕分け数に応じて商品積み付けシステム10が並設されることとなる。
【0028】
商品積み付け機構20は搬送台車供給払い出し機構30と商品供給機構40とスライド台50とが設けられていて、作業者は商品供給機構40から供給される商品Aをスライド台50上を滑らせながら搬送台車供給払い出し機構30にセットされた搬送台車Bに押し込むように積み付けていく。商品Aを搬送台車Bに積み付ける高さは搬送台車供給払い出し機構30によってスライド台50と同じ高さとなる機構となっている。
【0029】
搬送台車供給払い出し機構30は、搬送台車Bを作業ブースCまで供給する台車供給機構31と、搬送台車Bを下降させながら商品を積み付けるための昇降機構32と、商品Aを積み付け終わって下降した搬送台車Bを払い出す払い出し機構33を有している。
【0030】
台車供給機構31は、搬送台車Bの自重で搬送されて昇降機構32に供給される仕組みとなっており、そのため傾斜が設けられている。台車供給機構31をベルトコンベア等の電動式で供給してもよいが、本実施例のように自重搬送供給機構であれば省電力化に貢献できまた、機構の構成も簡略化できる利点がある。
【0031】
台車供給機構31には搬送台車Bが昇降機構32に供給される直前にストッパー31aが設けられており、昇降機構32の昇降動作に連動してストッパー31aが動作して搬送台車Bが1台ずつ昇降機構32にセットされる仕組みとなっている。
本実施例では昇降機構32が上昇し所定の位置に達するとストッパー31aがオフとなって搬送台車Bがセットされ、下降し始めるとストッパー31aがオンとなって後方に連なっている搬送台車Bはストッパー31aの位置まで自重搬送されて止まる構造となっている。
【0032】
昇降機構32は、平板トレイ状の載置台32aに搬送台車Bを載置固定して昇降する機構となっている。図2のように昇降機構32の上昇端において空の搬送台車Bが供給され、搬送台車B供給時には図2(a)のように搬送台車Bの底面とスライド台50上端の高さが同じであり、図2(b)〜図2(d)のように商品Aが積み付けられるに従って積み付け終わった商品Aの上端の高さがスライド台50上端の高さと同じになるように下降していき最終的には下降端で商品Aを積み付け終わった搬送台車Bが払い出される。
【0033】
昇降機構32の下降移動の動作は図3(d)の下降スイッチ32bを作業者が押すと昇降機構32の載置台32aが下降していきそれに伴い搬送台車Bも下降していく。下降スイッチ32bは手で押しても作動するし、太もも部分でも押せるように工夫された形状となっている。作業者は積み付け終わった商品Aの上端がスライド台50上端の高さとなるまで下降したら下降スイッチ32bを離せば下降が止まる機構となっている。なお、本実施例では下降スイッチ32bを用いているが、光電センサーなどのセンサー類で商品Aの積み付け高さを計測し作業者がボタンを押すと自動で次の積み付け高さまで下降する構成としてもよい。
搬送台車Bが払い出されると昇降機構32の載置台32aが自動で上昇する仕組みとなっている。
【0034】
本実施例では昇降機構32は搬送台車Bが商品が積み付けられるに従って下降することによって搬送台車Bの積み付け高さとスライド台50の高さが常に同じとなり、下降端である払い出し時の高さを物流センターの地面となっているため作業ブースCは搬送台車Bの高さに応じて地上より所定の高さ(本実施例では2mほど)に設置されている。作業ブースCを地面とするのであれば払い出しの位置を地下に構築することとなる。
【0035】
払い出し機構33は台車供給機構31と同様に傾斜が設けられていて商品Aを積み付け終わった搬送台車Bを自重搬送によって払い出して後の工程であるトラックへの積み込みへと繋がっていく。
【0036】
商品供給機構40は予めオーダー店舗別に仕分けられた商品Aをスライド台50へ供給するためのものであり、本実施例では省電力省コストである自重搬送方式となっているがそれに限らず駆動式ローラーコンベヤであってもよい。
【0037】
スライド台50は商品供給機構40から供給された商品Aを搬送台車供給払い出し機構30の昇降機構32にセットされた搬送台車Bまで移動する際に商品Aを滑らせながら移動可能となっている。スライド台50にはボールキャスター51が埋設されているため作業者は商品Aを持ち上げること無く大きな力を必要とせず楽に商品Aを滑らせるように移動させ搬送台車Bに押し込むように積み付けることができる。また、スライド台50の高さは作業者の腰の高さとなっているので屈んだりすること無く作業できるので身体への負担を最小限にすることができる。
また、昇降機構32によって商品の積み付け高さが常に負担の少ない腰の高さで行われるので、作業者の負担軽減だけで無く作業効率を大幅に向上することができる。
【0038】
なお、積み付け時に商品Aのサイズが小さかったり重さが軽いものの場合、その上に重い商品を載せてしまうと潰れてしまう可能性があるため、スライド台50と同じ高さに仮置き台60を設けそこに一旦よけて仮置きしあらためて積み直すことが可能である。本実施例では商品1個分を仮置きできる程度の大きさの仮置き台60となっているがこれに限らず複数個仮置きできる大きさとしてもよい。
【0039】
本実施例での商品積み付けシステム10は、商品積み付け機構20が4つ設けられている。1箇所の商品積み付け機構20で積み付け作業が終了して払い出しの動作を行っている間に即座に隣の商品積み付け機構20に移動して積み付け作業を開始することができるので、従来のような搬送台車Bのセット・払い出しの作業による積み付け作業効率の低下を防ぐことができる。商品積み付け機構20の数は各物流センターの処理能力に応じて2つや3つ、又は5つ等としてもよいが作業者の処理能力を超えないように余裕を持って設置するとよい。
【0040】
また、搬送台車供給払い出し機構30の昇降機構32つまり積み付け位置が作業ブースCの中心に近くなるように作業ブースCを囲んで省スペースで設けられているので、作業者の商品積み付け機構20間の移動距離を最小限とすることができ作業者の負担減に貢献している。
【0041】
本実施例のシステム構成で積み付け実験を行ったところ、一人当たりの時間生産性は800ケース〜1000ケースとなった。従来の搬送台車入れ替え作業では一人当たりの時間生産性は150ケース〜200ケースであった。これにより、本システムでは大幅な作業効率の向上を図ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0042】
物流センター等の集積場において、作業者が商品をオーダー店舗別に搬送台車に積み付ける場合において、効率的に積み付け作業を行えるので少ない作業者数でより多くの商品積み付けを行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
A 商品
B 搬送台車
C 作業ブース
10 商品積み付けシステム
20 商品積み付け機構
30 搬送台車供給払い出し機構
31 台車供給機構
31a ストッパー
32 昇降機構
32a 載置台
32b 下降スイッチ
33 払い出し機構
40 商品供給機構
50 スライド台
51 ボールキャスター
60 仮置き台
図1
図2
図3