(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の手動タッカ21(留め具打込み工具)においては、ステープル(留め具)を打ち出したとき、その反動で、手動タッカ21の打出し口26(射出口)側が打込み対象(打込み面)から跳ね上がり、ステープルをしっかりと打ち込むことができない虞があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、留め具打込み工具の跳ね上がりを抑えて、留め具を打込み面にしっかりと打ち込むことができる、留め具打込み工具、および留め具打込み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る留め具打込み工具、および留め具打込み装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る留め具打込み工具は、留め具に備わる釘部を打込み面に打ち込
んでその留め具によりケーブルを前記打込み面に固定するように、前記留め具を打ち出す、打込み工具である。この留め具打込み工具は、本体と、前記打込み面に対して前記本体の姿勢を保持するために、その打込み面に当接する姿勢保持部とを備える。ここで、前記本体は、弾装部と、送出し機構と、打撃ドライバと、操作ハンドルと、連動機構とを備える。弾装部は、前記留め具が複数並んで収容されるものであり、送出し機構は、前記弾装部に収容された前記留め具をその並ぶ一方の方向に送り出すものである。打撃ドライバは、前記留め具のうちの送り出される方向の端に位置する留め具を射出口から前記打込み面に向けて打ち出すものである。操作ハンドルは、前記打撃ドライバのある側に位置するハンドル軸を中心に、回動可能に軸支され、前記打撃ドライバから離れた側に延びて手で操作されるものである。連動機構は、前記操作ハンドルの、前記打込み面側への回動移動に連動して、前記打撃ドライバを前記打込み面から離れた側に移動させ、その回動移動の終端部で、前記打撃ドライバで前記留め具を打ち出すようその打撃ドライバを前記打込み面側に移動させるものである。そして、前記姿勢保持部は、前記打撃ドライバ側に位置する第1姿勢保持部と、前記打撃ドライバから離れた、前記操作ハンドルの延びる側に位置する第2姿勢保持部とを備える。そこで、前記第1姿勢保持部
は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。前記第2姿勢保持部
は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、その第2姿勢保持部は、前記本体が、前記打撃ドライバ側よりも前記操作ハンドルの延びる側が前記打込み面から離間した傾斜姿勢となるよう、前記第1姿勢保持部よりも突出している。そして、前記第2姿勢保持部は、回動させる前記操作ハンドルの手が載る中央位置よりも、前記操作ハンドルの延びる側となる後ろ側に位置する。
また、留め具打込み工具は、前記ケーブルよりも横断面が小さい外形の小ケーブルに対応できるように、その小ケーブルを挟む一対の突設部を有して、それら突設部が前記第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置されるアタッチメントを備える。そして、このアタッチメントは、前記突設部の先端が前記第1姿勢保持部の先端と同一面から前記小ケーブルの高さの半分までの範囲内の高さに位置するように、前記本体に固定可能である。
【0007】
この留め具打込み工具によると、操作ハンドルは、打撃ドライバのある側が、ハンドル軸となって、打撃ドライバから離れた側に延びている。そこで、操作ハンドルを手で打込み面側に回動移動させると、連動機構により、打撃ドライバは、打込み面から離れた側に移動する。そして、操作ハンドルの打込み面側への回動移動の終端部で、打撃ドライバは、留め具を打ち出すよう打込み面側に移動する。こうして、留め具は、射出口から打ち出され、その釘部が打込み面に打ち込まれ
、その留め具によって、ケーブルが打込み面に固定される。ここで、留め具打込み工具は、本体の姿勢を保持するために打込み面に当接する姿勢保持部を備えており、この姿勢保持部により、打撃ドライバ側よりも操作ハンドルの延びる側が打込み面から離間した傾斜姿勢となり、操作ハンドルに掛けた手の位置が、射出口の直上側に寄る。このため、留め具を打込み面に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができる。
また、アタッチメントを、第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置することで、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面に固定することができ、また、アタッチメントを用いない状態では、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブルを打込み面に固定することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る留め具打込み工具は、留め具に備わる釘部を打込み面に打ち込
んでその留め具によりケーブルを前記打込み面に固定するように、前記留め具を打ち出す、打込み工具である。この留め具打込み工具は、本体と、前記打込み面に対して前記本体の姿勢を保持するために、その打込み面に当接する姿勢保持部とを備える。ここで、前記本体は、弾装部と、送出し機構と、打撃ドライバと、操作ハンドルと、連動機構とを備える。弾装部は、前記留め具が複数並んで収容されるものであり、送出し機構は、前記弾装部に収容された前記留め具をその並ぶ一方の方向に送り出すものである。打撃ドライバは、前記留め具のうちの送り出される方向の端に位置する留め具を射出口から前記打込み面に向けて打ち出すものである。操作ハンドルは、前記打撃ドライバのある側に位置するハンドル軸を中心に、回動可能に軸支され、前記打撃ドライバから離れた側に延びて手で操作されるものである。連動機構は、前記操作ハンドルの、前記打込み面側への回動移動に連動して、前記打撃ドライバを前記打込み面から離れた側に移動させ、その回動移動の終端部で、前記打撃ドライバで前記留め具を打ち出すようその打撃ドライバを前記打込み面側に移動させるものである。そして、前記姿勢保持部は、前記打撃ドライバ側に位置する第1姿勢保持部と、前記打撃ドライバから離れた、前記操作ハンドルの延びる側に位置する第2姿勢保持部とを備える。そこで、前記第1姿勢保持部
は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。前記第2姿勢保持部
は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、その第2姿勢保持部は、前記本体が、前記打撃ドライバ側よりも前記操作ハンドルの延びる側が前記打込み面から離間した傾斜姿勢となるよう、前記第1姿勢保持部よりも突出している。そして、前記第2姿勢保持部は、前記操作ハンドルを押圧して前記打込み面側へと回動移動させる際に、前記傾斜姿勢を維持する位置に設けられる。
また、留め具打込み工具は、前記ケーブルよりも横断面が小さい外形の小ケーブルに対応できるように、その小ケーブルを挟む一対の突設部を有して、それら突設部が前記第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置されるアタッチメントを備える。そして、このアタッチメントは、前記突設部の先端が前記第1姿勢保持部の先端と同一面から前記小ケーブルの高さの半分までの範囲内の高さに位置するように、前記本体に固定可能である。
【0009】
この留め具打込み工具によると、操作ハンドルは、打撃ドライバのある側が、ハンドル軸となって、打撃ドライバから離れた側に延びている。そこで、操作ハンドルを手で打込み面側に回動移動させると、連動機構により、打撃ドライバは、打込み面から離れた側に移動する。そして、操作ハンドルの打込み面側への回動移動の終端部で、打撃ドライバは、留め具を打ち出すよう打込み面側に移動する。こうして、留め具は、射出口から打ち出され、その釘部が打込み面に打ち込まれ
、その留め具によって、ケーブルが打込み面に固定される。ここで、留め具打込み工具は、本体の姿勢を保持するために打込み面に当接する姿勢保持部を備えており、この姿勢保持部により、打撃ドライバ側よりも操作ハンドルの延びる側が打込み面から離間した傾斜姿勢となり、操作ハンドルに掛けた手の位置が、射出口の直上側に寄る。このため、留め具を打込み面に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができる。
また、アタッチメントを、第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置することで、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面に固定することができ、また、アタッチメントを用いない状態では、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブルを打込み面に固定することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る留め具打込み工具は、
留め具に備わる釘部を打込み面に打ち込んでその留め具によりケーブルを前記打込み面に固定するように、前記留め具を打ち出す、打込み工具である。
この留め具打込み工具は、本体と、前記打込み面に対して前記本体の姿勢を保持するために、その打込み面に当接する姿勢保持部とを備える。ここで、前記本体は、弾装部と、送出し機構と、打撃ドライバと、操作ハンドルと、連動機構とを備える。弾装部は、前記留め具が複数並んで収容されるものであり、送出し機構は、前記弾装部に収容された前記留め具をその並ぶ一方の方向に送り出すものである。打撃ドライバは、前記留め具のうちの送り出される方向の端に位置する留め具を射出口から前記打込み面に向けて打ち出すものである。操作ハンドルは、前記打撃ドライバのある側に位置するハンドル軸を中心に、回動可能に軸支され、前記打撃ドライバから離れた側に延びて手で操作されるものである。連動機構は、前記操作ハンドルの、前記打込み面側への回動移動に連動して、前記打撃ドライバを前記打込み面から離れた側に移動させ、その回動移動の終端部で、前記打撃ドライバで前記留め具を打ち出すようその打撃ドライバを前記打込み面側に移動させるものである。そして、前記姿勢保持部は、前記打撃ドライバ側に位置する第1姿勢保持部と、前記打撃ドライバから離れた、前記操作ハンドルの延びる側に位置する第2姿勢保持部とを備える。そこで、前記第1姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。
前記第2姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、その第2姿勢保持部は、前記本体が、前記打撃ドライバ側よりも前記操作ハンドルの延びる側が前記打込み面から離間した傾斜姿勢となるよう、前記第1姿勢保持部よりも突出している。そして、前記第2姿勢保持部は、前記操作ハンドルを押圧して前記打込み面側へと回動移動させる際に、前記傾斜姿勢を維持する位置に設けられる。また、留め具打込み工具は、前記ケーブルよりも横断面が小さい外形の小ケーブルに対応できるように、その小ケーブルを挟む一対の突設部を有して、それら突設部が前記第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置されるアタッチメントを備える。そして、前記凹部に受け入れられた前記ケーブルを固定する場合、および、前記アタッチメントにより前記凹部の幅を狭めて前記小ケーブルを固定する場合の、いずれの場合にも、前記第1姿勢保持部および前記第2姿勢保持部が、前記打込み面に当接する。
【0011】
この留め具打込み工具によると、
操作ハンドルは、打撃ドライバのある側が、ハンドル軸となって、打撃ドライバから離れた側に延びている。そこで、操作ハンドルを手で打込み面側に回動移動させると、連動機構により、打撃ドライバは、打込み面から離れた側に移動する。そして、操作ハンドルの打込み面側への回動移動の終端部で、打撃ドライバは、留め具を打ち出すよう打込み面側に移動する。こうして、留め具は、射出口から打ち出され、その釘部が打込み面に打ち込まれ、その留め具によって、ケーブルが打込み面に固定される。
ここで、留め具打込み工具は、本体の姿勢を保持するために打込み面に当接する姿勢保持部を備えており、この姿勢保持部により、打撃ドライバ側よりも操作ハンドルの延びる側が打込み面から離間した傾斜姿勢となり、操作ハンドルに掛けた手の位置が、射出口の直上側に寄る。このため、留め具を打込み面に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができる。また、アタッチメントを、第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置することで、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面に固定することができ、また、アタッチメントを用いない状態では、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブルを打込み面に固定することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る留め具打込み工具は、留め具に備わる釘部を打込み面に打ち込んでその留め具によりケーブルを前記打込み面に固定するように、前記留め具を打ち出す、打込み工具である。この留め具打込み工具は、本体と、前記打込み面に対して前記本体の姿勢を保持するために、その打込み面に当接する姿勢保持部とを備える。ここで、前記本体は、弾装部と、送出し機構と、打撃ドライバと、操作ハンドルと、連動機構とを備える。弾装部は、前記留め具が複数並んで収容されるものであり、送出し機構は、前記弾装部に収容された前記留め具をその並ぶ一方の方向に送り出すものである。打撃ドライバは、前記留め具のうちの送り出される方向の端に位置する留め具を射出口から前記打込み面に向けて打ち出すものである。操作ハンドルは、前記打撃ドライバのある側に位置するハンドル軸を中心に、回動可能に軸支され、前記打撃ドライバから離れた側に延びて手で操作されるものである。連動機構は、前記操作ハンドルの、前記打込み面側への回動移動に連動して、前記打撃ドライバを前記打込み面から離れた側に移動させ、その回動移動の終端部で、前記打撃ドライバで前記留め具を打ち出すようその打撃ドライバを前記打込み面側に移動させるものである。そして、前記姿勢保持部は、前記打撃ドライバ側に位置する第1姿勢保持部と、前記打撃ドライバから離れた、前記操作ハンドルの延びる側に位置する第2姿勢保持部とを備える。そこで、前記第1姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。そして、前記第2姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、その第2姿勢保持部は、前記本体が、前記打撃ドライバ側よりも前記操作ハンドルの延びる側が前記打込み面から離間した傾斜姿勢となるよう、前記第1姿勢保持部よりも突出している。そして、前記第1姿勢保持部と前記第2姿勢保持部とは、少なくとも、それら第1姿勢保持部と第2姿勢保持部との間の中央位置より第2姿勢保持部側において、前記本体と前記打込み面との間に、先に打ち込まれて前記ケーブルを固定している留め具を受け入れる間隔を有するように形成される。
また、留め具打込み工具は、前記ケーブルよりも横断面が小さい外形の小ケーブルに対応できるように、前記第1姿勢保持部よりも前記打込み面側に突出することなく、前記第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置されるアタッチメントを備える。
この留め具打込み工具によると、操作ハンドルは、打撃ドライバのある側が、ハンドル軸となって、打撃ドライバから離れた側に延びている。そこで、操作ハンドルを手で打込み面側に回動移動させると、連動機構により、打撃ドライバは、打込み面から離れた側に移動する。そして、操作ハンドルの打込み面側への回動移動の終端部で、打撃ドライバは、留め具を打ち出すよう打込み面側に移動する。こうして、留め具は、射出口から打ち出され、その釘部が打込み面に打ち込まれ、その留め具によって、ケーブルが打込み面に固定される。ここで、留め具打込み工具は、本体の姿勢を保持するために打込み面に当接する姿勢保持部を備えており、この姿勢保持部により、打撃ドライバ側よりも操作ハンドルの延びる側が打込み面から離間した傾斜姿勢となり、操作ハンドルに掛けた手の位置が、射出口の直上側に寄る。このため、留め具を打込み面に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができる。
また、アタッチメントを、第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置することで、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面に固定することができ、また、アタッチメントを用いない状態では、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブルを打込み面に固定することができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明に係る留め具打込み工具は、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の留め具打込み工具において、前記第1姿勢保持部の凹部の底面は、前記ケーブルを前記打込み面側に抑え込む抑え込み面となっている。
【0014】
また、請求項6に記載の発明に係る留め具打込み工具は、請求項
1ないし5のいずれか1項に記載の留め具打込み工具において、前記第2姿勢保持部は、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。こうして、第1姿勢保持部だけでなく、第2姿勢保持部が、ケーブルを跨いで打込み面に当接することで、打込み面に対する本体の姿勢を安定させることができる。
【0015】
また、請求項7に記載の発明に係る留め具打込み工具は、留め具に備わる釘部を打込み面に打ち込んでその留め具によりケーブルを前記打込み面に固定するように、前記留め具を打ち出す、打込み工具である。この留め具打込み工具は、本体と、前記打込み面に対して前記本体の姿勢を保持するために、その打込み面に当接する姿勢保持部とを備える。ここで、前記本体は、弾装部と、送出し機構と、打撃ドライバと、操作ハンドルと、連動機構とを備える。弾装部は、前記留め具が複数並んで収容されるものであり、送出し機構は、前記弾装部に収容された前記留め具をその並ぶ一方の方向に送り出すものである。打撃ドライバは、前記留め具のうちの送り出される方向の端に位置する留め具を射出口から前記打込み面に向けて打ち出すものである。操作ハンドルは、前記打撃ドライバのある側に位置するハンドル軸を中心に、回動可能に軸支され、前記打撃ドライバから離れた側に延びて手で操作されるものである。連動機構は、前記操作ハンドルの、前記打込み面側への回動移動に連動して、前記打撃ドライバを前記打込み面から離れた側に移動させ、その回動移動の終端部で、前記打撃ドライバで前記留め具を打ち出すようその打撃ドライバを前記打込み面側に移動させるものである。そして、前記姿勢保持部は、前記打撃ドライバ側に位置する第1姿勢保持部と、前記打撃ドライバから離れた、前記操作ハンドルの延びる側に位置する第2姿勢保持部とを備える。そこで、前記第1姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。そして、前記第2姿勢保持部は、前記本体から前記打込み面側に突出するとともに、その第2姿勢保持部は、前記本体が、前記打撃ドライバ側よりも前記操作ハンドルの延びる側が前記打込み面から離間した傾斜姿勢となるよう、前記第1姿勢保持部よりも突出している。また、前記第2姿勢保持部は、前記ケーブルを跨いで前記打込み面に当接するよう前記ケーブルを受け入れる凹部を有する。そして、前記第2姿勢保持部の凹部の幅は、前記第1姿勢保持部の凹部の幅よりも大きく形成される。
また、留め具打込み工具は、前記ケーブルよりも横断面が小さい外形の小ケーブルに対応できるように、前記第1姿勢保持部よりも前記打込み面側に突出することなく、前記第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置されるアタッチメントを備える。
この留め具打込み工具によると、操作ハンドルは、打撃ドライバのある側が、ハンドル軸となって、打撃ドライバから離れた側に延びている。そこで、操作ハンドルを手で打込み面側に回動移動させると、連動機構により、打撃ドライバは、打込み面から離れた側に移動する。そして、操作ハンドルの打込み面側への回動移動の終端部で、打撃ドライバは、留め具を打ち出すよう打込み面側に移動する。こうして、留め具は、射出口から打ち出され、その釘部が打込み面に打ち込まれ、その留め具によって、ケーブルが打込み面に固定される。ここで、留め具打込み工具は、本体の姿勢を保持するために打込み面に当接する姿勢保持部を備えており、この姿勢保持部により、打撃ドライバ側よりも操作ハンドルの延びる側が打込み面から離間した傾斜姿勢となり、操作ハンドルに掛けた手の位置が、射出口の直上側に寄る。このため、留め具を打込み面に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができる。また、第1姿勢保持部だけでなく、第2姿勢保持部が、ケーブルを跨いで打込み面に当接することで、打込み面に対する本体の姿勢を安定させることができる。そして、第2姿勢保持部の凹部の幅は、前記第1姿勢保持部の凹部の幅よりも大きく形成されることから、第2姿勢保持部は、ケーブルの曲がり癖に対して、幅をもって対応することができる。
また、アタッチメントを、第1姿勢保持部の凹部の幅を狭めるように配置することで、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面に固定することができ、また、アタッチメントを用いない状態では、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブルを打込み面に固定することができる。
【0016】
また、請求項8に記載の発明に係る留め具打込み工具は、請求項6または7に記載の留め具打込み工具において、前記第2姿勢保持部の凹部の底面は、前記ケーブルを前記打込み面側に抑え込む抑え込み面となっている。
【0017】
【0018】
また、請求項
9に記載の発明に係る留め具打込み装置は、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の留め具打込み工具と、複数の前記留め具とからなる
。前記留め具は、前記釘部を有する金属製の釘体と、合成樹脂製の基体とを備えて、複数の前記留め具が、前記基体部分で、分断可能な結合部により連結された、留め具集合体となっている。前記釘体は、相対向位置する一対の前記釘部と、それら釘部を一端で繋ぐ連設部とからなって、略コ字状に形成される。前記基体は、相対向位置して内部が前記釘部が挿入される挿入部となる一対の筒部と、それら筒部を、前記連設部のある側で繋ぐ繋ぎ部とを備え、その繋ぎ部と前記打込み面との間の前記筒部間が、前記ケーブルが通る配置空間となる。そこで、前記釘体は、その釘部を前記筒部に挿入して、前記連設部が前記繋ぎ部に当接したときの、前記筒部からの前記釘部の突出高さが、その釘部が突出する筒部の先端から前記連設部が前記繋ぎ部に当接する面までの高さ以上である。また、前記結合部は、前記繋ぎ部に設けられた第1結合部と、一対の前記筒部におけるそれら筒部の先端から前記配置空間の高さの半分の位置までの所要の位置に設けられた第2結合部とを備える
。
【0019】
また、請求項
10に記載の発明に係る留め具打込み装置は、請求項
9に記載の留め具打込み装置において、前記送出し機構は、前記留め具集合体を送り出す方向へと付勢する付勢手段と、その付勢手段に抗して、前記留め具集合体をその送り出す方向の先端で止めるストッパー面とを備える。そこで、前記ストッパー面には、前記結合部の分断部分を逃がす逃がし部が設けられる。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る留め具打込み工具、および留め具打込み装置によれば、姿勢保持部により、操作ハンドルに掛けた手の位置を、射出口の直上側に寄らせることで、手で、この留め具打込み工具を打込み面に強く押し付けることができ、反動による留め具打込み工具の跳ね上がりを抑えて、留め具を打込み面にしっかりと打ち込むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明に係る留め具打込み工具、および留め具打込み装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜
図12は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、打込み面を示す。2は、電線等のケーブルを示す。3は、留め具を示す。4は、留め具集合体を示す。5は、留め具打込み工具を示す。6は、留め具打込み装置を示し、この留め具打込み装置6は、前記留め具打込み工具5と、複数の前記留め具3、3とからなる。
【0024】
留め具打込み工具5は、留め具3に備わる釘部3aを打込み面1に打ち込むように、留め具3を打ち出す、打込み工具である。この留め具打込み工具5は、本体7と、打込み面1に対して本体7の姿勢を保持するために、その打込み面1に当接する姿勢保持部8とを備える。そして、本体7は、留め具3が複数並んで収容される弾装部9と、その弾装部9に収容された留め具3、3をその並ぶ一方の方向(詳しくは、後述するストッパー面10bに向かう方向)に送り出す送出し機構10と、打撃ドライバ11と、操作ハンドル12と、連動機構13とを、備える。ここで、打撃ドライバ11は、留め具3、3のうちの送り出される方向の端に位置する留め具3を射出口14から打込み面1に向けて打ち出すものである。操作ハンドル12は、打撃ドライバ11のある側に位置するハンドル軸15(詳しくは、打込み面1に平行となるハンドル軸15)を中心に、回動可能に軸支され、打撃ドライバ11から離れた側に延びて(詳細には、ハンドル軸15に垂直な面に沿うとともに打撃ドライバ11から離れた側に延びて)手で操作されるものである。連動機構13は、操作ハンドル12の、打込み面1側への回動移動に連動して、打撃ドライバ11を打込み面1から離れた側に移動させ(
図2参照)、その回動移動の終端部で(
図3参照)、打撃ドライバ11で留め具3を打ち出すようその打撃ドライバ11を打込み面1側に移動させるものである(
図4参照)。
【0025】
そして、姿勢保持部8は、打撃ドライバ11の、留め具3を打込み面1に向けて打ち出す打出し方向Pが、操作ハンドル12の延びる側に傾くよう(つまり、打込み面1に向かって垂直に下降する方向に対して、操作ハンドル12の延びる側に傾くよう)、本体7に設けられる。詳細には、姿勢保持部8は、打撃ドライバ11側に位置する第1姿勢保持部801と、打撃ドライバ11から離れた、操作ハンドル12の延びる側に位置する第2姿勢保持部802とを備える。そこで、第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802のうち少なくとも第2姿勢保持部802(図示実施の形態においては、第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802の両方)が、本体7から打込み面1側に突出するとともに、第2姿勢保持部802は、本体7が、打撃ドライバ11側よりも操作ハンドル12の延びる側が打込み面1から離間した傾斜姿勢となるよう、第1姿勢保持部801よりも突出している。
【0026】
また、図示実施の形態においては、留め具3は、ケーブル2を打込み面1に固定するためのものである。したがって、留め具打込み工具5は、留め具3に備わる釘部3aを打込み面1に打ち込んでその留め具3によりケーブル2を打込み面1に固定するように、その留め具3を打ち出すものである。そして、第1姿勢保持部801においては、本体7から打込み面1側に突出するとともに、前記ケーブル2を跨いで打込み面1に当接するようそのケーブル2を受け入れる凹部8aを有する。同様に、第2姿勢保持部802は、前記ケーブル2を跨いで打込み面1に当接するようそのケーブル2を受け入れる凹部8bを有する。
【0027】
また、第1姿勢保持部801の凹部8aの底面は、前記ケーブル2を打込み面1側に抑え込む抑え込み面となっている。同様にして、第2姿勢保持部802の凹部8bの底面は、前記ケーブル2を打込み面1側に抑え込む抑え込み面となっている。そして、第2姿勢保持部802の凹部8bの幅は、第1姿勢保持部801の凹部8aの幅よりも大きく形成される。
【0028】
また、第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802とは、少なくとも、それら第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802との間の中央位置より第2姿勢保持部802側において、本体7と打込み面1との間に、先に打ち込まれてケーブル2を固定している留め具3を受け入れる間隔を有するように形成される。
【0029】
具体的には、留め具3は、前記釘部3aを有する金属製の釘体3bと、合成樹脂製の基体3cとを備えている。そして、釘部3aが基体3c(詳しくは、後述する筒部3f)に挿入されることで、釘体3bは、基体3cに組み付けられている。ここにおいて、留め具3は、複数の留め具3、3が、基体3c部分で、分断可能な結合部4aにより連結された、留め具集合体4となっている。
【0030】
ここで、釘体3bは、相対向位置する一対の前記釘部3a、3aと、それら釘部3a、3aを一端で繋ぐ連設部3dとからなって、略コ字状に形成されている。また、基体3cは、相対向位置して内部が前記釘部3aが挿入される挿入部3eとなる一対の筒部3f、3fと、それら筒部3f、3fを、釘体3bの連設部3dのある側で繋ぐ繋ぎ部3gとを備えて、略コ字状に形成されている。そして、その繋ぎ部3gと打込み面1との間の前記筒部3f、3f間が、ケーブル2が通る配置空間3hとなる。
【0031】
また、釘体3bは、その釘部3aを前記筒部3f(詳しくは、挿入部3e)に挿入して、連設部3dが前記繋ぎ部3gに当接したときの、筒部3fからの釘部3aの突出高さ3iが、その釘部3aが突出する筒部3fの先端から連設部3dが前記繋ぎ部3gに当接する面までの高さ3j以上となっている(
図11参照)。そして、前記結合部4aは、繋ぎ部3gに設けられた第1結合部4bと、一対の筒部3f、3fにおけるそれら筒部3f、3fの先端から前記配置空間3hの高さ3k(
図10参照)の半分の位置までの所要の位置(図示実施の形態においては、筒部3fの先端)に設けられた第2結合部4cとを備える(
図8、
図9参照)。詳細には、第1結合部4bは、繋ぎ部3gの延びる方向に離れるようにして一対設けられている。したがって、基体3c、3c、ひいては留め具3、3は、一対の第1結合部4b、4bと一対の第2結合部4c、4cとの四箇所で互いに連結される。
【0032】
留め具打込み工具5の本体7においては、弾装部9は、本体7の底壁7aに沿って前後に長手となるように設けられる。そこで、留め具集合体4は、留め具3の並ぶ方向が弾装部9の長手方向となる向きでその弾装部9に収容される。そして、底壁7aの前端部分に、前記射出口14が設けられる。
【0033】
送出し機構10は、留め具集合体4(複数の留め具3、3)を送り出す方向Q(弾装部9の長手方向であって前方に向かう方向)へと付勢する付勢手段10aと、その付勢手段10aに抗して、留め具集合体4(複数の留め具3、3)をその送り出す方向Qの先端で止めるストッパー面10bとを備える(
図3参照)。そして、ストッパー面10bには、留め具集合体4における結合部4aの分断部分を逃がす逃がし部(図示せず)が設けられる。詳細には、ストッパー面10bは、本体7の前壁7bの内面からなり、この前壁7bは、底壁7aに対し垂直となるよう設けられる。そして、逃がし部は、ストッパー面10bに設けられた、溝等の凹部からなる。詳細には、留め具集合体4は、ホルダー16に装着されて、前記弾装部9に収容される。このホルダー16は、ホルダー本体16aと、前記送り出す方向Qに延びる案内棒16bと、その案内棒16bによって前記送り出す方向Qに案内される押し部材16cと、その押し部材16cを前記送り出す方向Qに付勢するコイルスプリング16d(付勢手段10a)とを備える。そこで、留め具集合体4は、押し部材16cを通じて、前記送り出す方向Qへと付勢される。
【0034】
打撃ドライバ11は、前記送り出す方向Qに対し、垂直方向(図示実施の形態においては、前壁7bに沿う方向)にスライド可能となっている。そして、打撃ドライバ11が、上方(打込み面1から離れた側)に移動したときには、留め具集合体4は、ストッパー面10bに当接し、打撃ドライバ11は、留め具集合体4の前端の留め具3(つまり、前記送り出す方向Qの先端に位置する留め具3)の上方に位置する(
図1参照)。また、打撃ドライバ11が、留め具3を打ち出すように下方(打込み面1に近づいた側)に移動したときには、留め具集合体4(詳しくは、打ち出された留め具3の後方に控える留め具3)は、打撃ドライバ11の後面に当接する(
図4参照)。
【0035】
操作ハンドル12は、横断面略コ字状に形成される。そして、本体7(詳しくは、後述するケース7g)の前側に、操作ハンドル12を回動可能に軸支する前記ハンドル軸15が設けられ、操作ハンドル12は、本体7の後ろ側に延びている。この操作ハンドル12には、前側に親指と人差し指とが跨ぐようにして掛けられ、後ろ側に手の平が載せられる。そして、本体7に設けられた指掛け部7cに、人差し指から小指までの先端が掛けられる。
【0036】
連動機構13は、第1レバー13aと第2レバー13bとスプリング受け13cとからなるリンク機構を備える。第1レバー13aは、第1軸部13dで本体7の後述するケース7gに回動可能に軸支される。この第1レバー13aは、後端にローラ13eが設けられ、そのローラ13eが、操作ハンドル12の裏面に当接する。そして、この第1レバー13aは、スプリング13f(詳しくは、コイルスプリング)により回動方向(図において、反時計回り方向)に付勢される。第2レバー13bは、第2軸部13gで第1レバー13aに回動可能に軸支される。この第2レバー13bには、所定の回動位置を越えて回動(図において、反時計回り方向に回動)することのないように、第1レバー13aの係止部13hに係止される被係止部13iが設けられている(
図2〜
図4参照)。そして、この第2レバー13bは、スプリング(図示せず)により、回動方向(図において、反時計回り方向)に付勢される。スプリング受け13cは、打撃ドライバ11に打込み力を付与するための打撃スプリング13jを受けるためのものであって、打撃ドライバ11と一体となって移動する。このスプリング受け13cには、後方に突出する被係合部13kが設けられており、この被係合部13kと、第2レバー13bの先端部分の係合部13mとが係合する。
【0037】
そこで、操作ハンドル12が打込み面1から離れた側となる回動位置(
図1参照)から、操作ハンドル12を押圧して、打込み面1側へと回動移動させると、第1レバー13aを介して、第2レバー13bの係合部13mが、スプリング受け13cの被係合部13kに係合して、そのスプリング受け13c、ひいては打撃ドライバ11は、打撃スプリング13jの付勢力に抗して、打込み面1から離れた側に引き上げられる(
図2、
図3参照)。この際、操作ハンドル12の、打込み面1側への回動移動の途中で、第2レバー13bの被係止部13iが第1レバー13aの係止部13hに係止されて(
図2参照)、第1レバー13aと第2レバー13bとが一体となって回動(図において、時計回り方向に回動)し、操作ハンドル12の回動移動の終端部で、第2レバー13bの係合部13mが、スプリング受け13cの被係合部13kから外れる(
図3参照)。これに先立ち、留め具集合体4(留め具3)が、送出し機構10により、ストッパー面10bに当接するまで送り出されている。そこで、打撃スプリング13jの付勢力により、スプリング受け13c、ひいては打撃ドライバ11が、打込み面1側に急速に移動し、その打撃ドライバ11により、ストッパー面10bに当接している留め具3は、打込み面1に向かって打ち出される(
図4参照)。
【0038】
その後、操作ハンドル12に掛けた手を緩めると、操作ハンドル12は、スプリング13fの付勢力により、打込み面1から離れた側に回動移動し、これに伴って、第2レバー13bが打込み面1側に移動し、最初の状態(
図1参照)と同様の状態となる。
【0039】
詳細には、本体7は、前記底壁7aおよび前壁7b、さらには、上壁7d、後壁7e、左右の側壁7f、7fを有するケース7gを備えている。そして、このケース7g内に、前述した、弾装部9、送出し機構10、打撃ドライバ11、連動機構13が設けられ、ケース7gの上部に、操作ハンドル12が取り付けられる。
【0040】
そして、ケース7gの前端下部に、前記第1姿勢保持部801を有する第1姿勢保持部材17が取付け固定され、後部側の下部に、前記第2姿勢保持部802を有する第2姿勢保持部材18が取付け固定される。より詳細には、第1姿勢保持部材17は、一対の側板17a、17aと、それら側板17a、17aを繋ぐとともに第1姿勢保持部801を有する前板17bとを備える。そこで、第1姿勢保持部材17は、側板17aが側壁7fに被り、前板17bが前壁7bに被るようにして、ケース7gに固定される。また、第2姿勢保持部材18は、一対の側板18a、18aと、それら側板18a、18aの下部部分を繋ぐとともに第2姿勢保持部802を有する前板18bとを備える。そこで、第2姿勢保持部材18は、側板18aが側壁7fに被り、前板18bが、底壁7aの下方を横切るようにして、ケース7gに固定される。ここで、第2姿勢保持部材18(第2姿勢保持部802)は、弾装部9よりも後ろ側(つまり、弾装部9よりも第1姿勢保持部801から離れた側)に位置する。これにより、留め具集合体4(留め具3)を、本体7の底壁7a側から弾装部9に挿入する場合に、第2姿勢保持部材18(第2姿勢保持部802)が邪魔になることがない。
【0041】
ところで、この留め具打込み工具5は、前記ケーブル2よりも横断面が小さい外形の小ケーブル(図示せず)に対応できるように、アタッチメント19を備える。このアタッチメント19は、前記小ケーブルを挟む一対の突設部19a、19aを有して、それら突設部19a、19aが前記第1姿勢保持部801の凹部8aの幅を狭めるように配置される。そして、アタッチメント19は、前記突設部19aの先端が第1姿勢保持部801の先端と同一面から小ケーブルの高さの半分までの範囲内の高さに位置するように(図示実施の形態においては、突設部19aの先端が第1姿勢保持部801の先端と同一面となる高さに位置するように)、本体7に固定可能となっている。
【0042】
詳細には、アタッチメント19は、一対の側板19b、19bと、それら側板19b、19bを繋ぐとともに前記突設部19aを有する連設板19cとを備えた断面略コ字状に形成される。そして、アタッチメント19は、側板19bが第1姿勢保持部材17の側板17aに被り、連設板19cが第1姿勢保持部材17の前板17bに被るようにして、本体7(詳しくは、第1姿勢保持部材17)に固定される。このアタッチメント19は、本体7に対し、打込み面1から離れた側(上側)と近づいた側(下側)との二箇所で固定可能となっており、上側に固定された場合には、第1姿勢保持部801が露出し、その第1姿勢保持部801でケーブル2を位置決めすることができる(
図1〜
図5参照)。そして、アタッチメント19が、下側に固定された場合には、突設部19aで第1姿勢保持部801の凹部8aの幅が狭まり、その突設部19aで小ケーブルを位置決めすることができる(
図6参照)。すなわち、アタッチメント19が、下側に固定された場合に、アタッチメント19は、突設部19aの先端が第1姿勢保持部801の先端と同一面から小ケーブルの高さの半分までの範囲内の高さに位置する(図示実施の形態においては、突設部19aの先端が第1姿勢保持部801の先端と同一面となる高さに位置する)。
【0043】
より詳細には、アタッチメント19は、バネ性を有して、両側板19b、19bが弾性的に離間可能となっている。そして、各側板19bには、長孔19dと、第1孔19eおよび第2孔19fが設けられている。そこで、アタッチメント19が上側に位置するとき、本体7(詳しくは、第1姿勢保持部材17の側板17a)に設けられたガイドピン17cが、長孔19dの下端部に挿入され、本体7(詳しくは、第1姿勢保持部材17の側板17a)に設けられたピン17dが第1孔19eに挿入される。そして、アタッチメント19が下側に位置するとき、前記ガイドピン17cが、長孔19dの上端部に挿入され、前記ピン17dが第2孔19fに挿入される。また、アタッチメント19の側壁19bには、掛止爪19gが設けられており、その掛止爪19gが、本体7に設けられた掛止部17e(詳しくは、第1姿勢保持部材17の側板17aの後方縁部)に掛け止められる。
【0044】
図示実施の形態においては、長孔19dは、打撃ドライバ11の移動方向に沿って上下に延びる縦孔19hと、その縦孔19hの下端から前方に延びる第1横孔19iと、その縦孔19hの上端から前方に延びる第2横孔19jとで、略コ字状に形成されている。そこで、ガイドピン17cは、アタッチメント19が上側に位置するとき、第1横孔19iに挿入され、アタッチメント19が下側に位置するとき、第2横孔19jに挿入される。そして、このガイドピン17cの突出長よりも、ピン17dの突出長が低く形成されている。そこで、アタッチメント19の両側板19b、19bを離間させるようにして、掛止爪19gを掛止部17eから外すとともに、ピン17dを第1孔19eあるいは第2孔19fから外し、ガイドピン17cが第1横孔19iあるいは第2横孔19jから縦孔19hに達するようにアタッチメント19を前方に移動させれば、縦孔19h内を相対移動するガイドピン17cに案内されて、アタッチメント19は、上下に移動可能となる。
【0045】
なお、ケーブル2と小ケーブルの組み合わせは、種々のものが考えられ、例えば、ケーブル2が、3芯のケーブルであるのに対し、小ケーブルが、2芯のケーブルであってもよい。また、ケーブル2と小ケーブルは、いずれもVVFケーブルであってもよい。そして、第1姿勢保持部801と、アタッチメント19(詳しくは、突設部19a)とは、ケーブル2の中心と小ケーブルの中心が略同一となるように設けるのがよい。
【0046】
次に、以上の構成からなる留め具打込み工具5、および留め具打込み装置6の作用効果について説明する。この留め具打込み工具5および留め具打込み装置6によると、操作ハンドル12は、打撃ドライバ11のある側が、ハンドル軸15となって、打撃ドライバ11から離れた側に延びている。そこで、操作ハンドル12を手で打込み面1側に回動移動させると、連動機構13により、打撃ドライバ11は、打込み面1から離れた側に移動する(
図1〜
図3参照)。そして、操作ハンドル12の打込み面1側への回動移動の終端部で、打撃ドライバ11は、留め具3を打ち出すよう打込み面1側に移動する(
図3〜
図4参照)。こうして、留め具3は、射出口14から打ち出され、その釘部3aが打込み面1に打ち込まれる。そして、釘部3aが打込み面1に打ち込まれることで、この留め具3によって、ケーブル2が打込み面1に固定される。ここで、留め具打込み工具5は、本体7の姿勢を保持するために打込み面1に当接する姿勢保持部8を備えている。この姿勢保持部8により、打撃ドライバ11側よりも操作ハンドル12の延びる側が打込み面1から離間した傾斜姿勢となり(言い換えれば、この姿勢保持部8により、打撃ドライバ11の、留め具3を打込み面1に向けて打ち出す打出し方向Pが、操作ハンドル12の延びる側に傾き)、つまり、留め具打込み工具5が前傾姿勢となり、操作ハンドル12に掛けた手の位置が、射出口14の直上側に寄る。このため、留め具3を打込み面1に打ち込んだときの反動に抗して、手で、この留め具打込み工具5を打込み面1に強く押し付けることができる。
【0047】
すなわち、この留め具打込み工具5、および留め具打込み装置6によれば、姿勢保持部8により、操作ハンドル12に掛けた手の位置を、射出口14の直上側に寄らせることで、手で、この留め具打込み工具5を打込み面1に強く押し付けることができ、反動による留め具打込み工具5の跳ね上がりを抑えて、留め具3を打込み面1にしっかりと打ち込むことができる。
【0048】
また、姿勢保持部8にあっては、第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802とは、少なくとも、それら第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802との間の中央位置より第2姿勢保持部802側において、本体7と打込み面1との間に、先に打ち込まれてケーブル2を固定している留め具3を受け入れる間隔を有するように形成される。これにより、ケーブル2を順次留め具3で固定していく場合に、先に打ち込まれた留め具3を少なくとも第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802との間の中央位置より第2姿勢保持部802側に位置するようにして、次の留め具3を打ち込むことができる。
【0049】
また、第1姿勢保持部801に加えて、第2姿勢保持部802もまた、ケーブル2を跨いで打込み面1に当接するようケーブル2を受け入れる凹部8bを有する。こうして、第1姿勢保持部801だけでなく、第2姿勢保持部802が、ケーブル2を跨いで打込み面1に当接することで(つまり、第1姿勢保持部801の二箇所と、第2姿勢保持部802の二箇所の、計四箇所で打込み面1に当接することで)、打込み面1に対する本体7の姿勢を安定させることができる。
【0050】
また、第2姿勢保持部802の凹部8bの幅は、第1姿勢保持部801の凹部8aの幅よりも大きく形成されている。このため、第2姿勢保持部802は、ケーブル2の曲がり癖に対して、幅をもって対応することができる。
【0051】
また、第1姿勢保持部801の凹部8aの底面は、ケーブル2を打込み面1側に抑え込む抑え込み面となっている。同様に、第2姿勢保持部802の凹部8bの底面は、ケーブル2を打込み面1側に抑え込む抑え込み面となっている。こうして、第1姿勢保持部801の凹部8aにおいても、また、第2姿勢保持部802の凹部8bにおいても、その底面でケーブル2を押さえ込むことで、曲がり癖のあるケーブル2の姿勢を正すことができる。
【0052】
また、送出し機構10は、付勢手段10aと、その付勢手段10aに抗して、留め具集合体4(留め具3)をその送り出す方向Qの先端で止めるストッパー面10bとを備えており、ストッパー面10bには、留め具集合体4における結合部4aの分断部分を逃がす逃がし部が設けられる。このため、留め具集合体4において、送り出す方向Qの先端に結合部4aの分断部分が残っていても、その分断部分を逃がし部で逃がすことができ、留め具集合体4の先端の留め具3を打撃ドライバ11の直下に正確に配置することができる。
【0053】
また、この留め具集合体4においては、結合部4aは、繋ぎ部3gに設けられた第1結合部4bと、一対の筒部3f、3fにおけるそれら筒部3f、3fの先端から配置空間3hの高さの半分の位置までの所要の位置に設けられた第2結合部4cとを備えている。こうして、結合部4aが、第1結合部4bと一対の第2結合部4c、4cとを備えることで、打撃ドライバ11が、打込み面1から離れた側に移動するとき、留め具集合体4が打撃ドライバ11と擦って湾曲しようとするのを抑えることができる。特に、図示実施の形態においては、第2結合部4cに加えて第1結合部4bもまた、一対設けられており、これら結合部4b、4cにより、打撃ドライバ11が、打込み面1から離れた側に移動するとき、留め具集合体4が打撃ドライバ11と擦って湾曲しようとするのを的確に抑えることができる。
【0054】
また、留め具打込み工具5は、アタッチメント19を備えており、このアタッチメント19を本体7に固定することで(図示実施の形態においては、アタッチメント19を下側に固定することで)、横断面の小さい小ケーブルを的確に打込み面1に固定することができ、また、アタッチメント19を用いない状態では(図示実施の形態においては、アタッチメント19を上側に固定することで)、小ケーブルよりも横断面の大きなケーブル2を打込み面1に固定することができる。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第1姿勢保持部801とか第2姿勢保持部802は、それらの凹部8a、8bの底面が、ケーブル2を打込み面1側に抑え込む抑え込み面となっているが、抑え込むことなく、凹部8a、8bの底面とケーブル2との間に隙間を有していてもよい。
【0056】
また、第2姿勢保持部802は、凹部8bを有するが、この凹部8bを有することなく、ケーブル2を挟む一方のみに突出するように、第2姿勢保持部802が設けられてもよい。
【0057】
また、ケーブル2は、本体7と打込み面1との間で、第1姿勢保持部801から第2姿勢保持部802に渡っていなくとも、第1姿勢保持部801を通り、その第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802との間で、横に折れて本体7から離れてもよい。
【0058】
また、留め具打込み工具5は、アタッチメント19を備えるが、このアタッチメント19は、なくてもよい。
【0059】
また、留め具3は、打込み面1にケーブル2を固定するためのものであって、釘体3bと基体3cとを備えているが、基体3cを備えることなく釘体3bのみからなって、打込み面1を有する固定物を被固定物に固定するためのものであってもよい。すなわち、釘体3bからなる留め具が、固定物および被固定物に打ち込まれることで、固定物が被固定物に固定されてもよい。この場合、当然に、第1姿勢保持部801と第2姿勢保持部802とは、凹部8a、8bを有する必要はなく、また、第1姿勢保持部801は、本体7から突出して形成されなくともよい。さらに、第1姿勢保持部801および第2姿勢保持部802が本体7から突出することなく、姿勢保持部8が、本体7の傾斜する底面からなっていても構わない。