(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
リソソーム酵素により劈開可能なADCのための様々な種類の非ペプチドリンカーが本明細書に記載される。例えば、ジペプチド(例えば、Val−Cit)内のアミド結合がアミド模倣体により置換された及び/またはアミノ酸の全体(例えばVal−Cit内のバリンアミノ酸)が非アミド酸部分(例えばシクロアルキルジカルボニル構造(例えば環のサイズ=4または5))により置換された。
【0009】
本発明は式(I)の抗体−薬剤複合体に関する。
【0010】
本発明は、
Yがヘテロアリールであり、
R
4及びR
5はともにシクロブチル環を形成する、式(I)の抗体複合体にも関する。
【0011】
本発明は、
Yが
【化4】
からなる群から選択される部分である、式(I)の抗体複合体にも関する。
【0012】
本発明は、
Strが下記の式:
【化5】
で表される化学部分であって、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルケニル、C
3−C
8シクロアルキル、(C
1−C
8アルキレン)O−及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Spが
−Ar−R
b−
であり、
式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)−C(=O)O−である、
式(I)の抗体複合体にも関する。
【0013】
本発明は、
Strが式:
【化6】
を有し、
式中、R
7はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルケニル、(C
1−C
10アルキレン)O−、N(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)−N(R
c)及びN(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)から選択され、各R
cは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Spが
−Ar−R
b−
であり、
式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)−C(=O)O−である、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0014】
本発明は、
Ab−(L−D)
p
で表され,
式中、Abは抗体であり、
Lは下記の式:
【化7】
で表される非ペプチド化学部分であり、
R
1はC
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルケニル、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2であり、
R
3及びR
2はそれぞれ独立してH、C
1−C
10アルキルである、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0015】
本発明は、
Ab−(L−D)
p
で表され、
式中、Abは抗体であり、
Lは下記の式:
【化8】
で表される非ペプチド化学部分であり、
R
1はC
1−C
6アルキル、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2であり、
R
4及びR
5はともにC
3−C
7シクロアルキル環を形成する、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0016】
本発明は、
Ab−(L−D)
p
で表され、
式中、Abは抗体であり、
Lは下記の式:
【化9】
で表される非ペプチド化学部分であり、
R
1はC
1−C
6アルキル、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2である、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0017】
本発明は、下記の式:
【化10】
で表され、
式中、
Strは下記の式:
【化11】
で表される化学部分であり、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレン及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Pは1、2、3または4である、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0018】
本発明は、下記の式:
【化12】
で表され、
式中、
Strは下記の式:
【化13】
で表される化学部分であり、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレン及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Pは1、2、3または4である、
式(I)の抗体−薬剤複合体にも関する。
【0019】
本発明は、Yがヘテロアリール、アリールまたはアルケニルであり、R
6がC
1−C
10アルキレンである、上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0020】
本発明は、Yが
【化14】
である、上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0021】
本発明は、Yが
【化15】
である、上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0022】
本発明は、Yが
【化16】
である、上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0023】
本発明は、
Strが下記の式:
【化17】
で表される化学部分であり、
R
6はC
1−C
6アルキレンであり、
Spが、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールであり、R
bは(C
1−C
3アルキレン)−C(=O)−O−である、
上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0024】
本発明は、下記の式:
【化18】
で表され、
式中、
R
1はC
1−C
6アルキル−NH
2、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2であり、
pは1、2、3または4である、
上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0025】
本発明は、下記の式:
【化19】
で表され、
式中、
pは1、2、3または4であり、
R
1はC
1−C
6アルキル−NH
2、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2であり、
R
4及びR
5はそれぞれ独立してC
1−C
6アルキルであり、当該アルキルは未置換であるか、あるいはR
4及びR
5はC
3−C
7シクロアルキル環を形成可能である、
上記のいずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0026】
本発明は式(IV):
【化20】
に記載の非ペプチド化合物にも関し、
式中、
Strは抗体に共有結合可能なストレッチャー単位であり、
Spは結合または薬剤部分に共有結合しているスペーサー単位であり、
R
1はC
1−C
10アルキル、(C
1−C
10アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
10アルキル)NHC(O)NH
2であり、
R
4及びR
5はそれぞれ独立して、C
1−C
10アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C
1−C
10アルキル)OCH
2−であるか、またはR
4及びR
5はC
3−C
7シクロアルキル環を形成可能であり、
Dは式Aまたは式B:
【化21】
【化22】
の薬剤部分及びその塩及び溶媒和物であり、式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
点線はC1とC2またはC2とC3の間に二重結合の任意の存在を示し、
R
22はH、OH、=O、=CH
2、CN、R
m、OR
m、=CH−R
D、=C(R
D)
2、O−SO
2−R
m、CO
2R
m及びCOR
mから独立して選択され、またハロまたはジハロから任意にさらに選択され、そこでR
DはR
m、CO
2R
m、COR
m、CHO、CO
2H及びハロから独立して選択され、
R
66及びR
99はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
R
77はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
QはO、S及びNHから独立して選択され、
R
11はHまたはR
mであるか、あるいはQがOである場合、SO
3Mであり、そこでMは金属カチオンであり、
R
m及びR
pはそれぞれ任意に置換されたC
1-8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3-8ヘテロシクリル、C
5-20アリール及びC
5-20ヘテロアリールの基から独立して選択され、そして任意にNR
mR
p基に対して、R
m及びR
pは、それらが付着している窒素原子とともに任意に置換された4員、5員、6員または7員のヘテロシクロ環を形成し、
R
12、R
16、R
19、R
21及びR
17はそれぞれR
22、R
66、R
99、R
11及びR
77について定義されたとおりであり、
R”はC
3−C
12アルキレン基であり、その鎖は1つ以上のヘテロ原子、例えば、O、S、N(H)、NMeによって中断され得、及び/または芳香族環、例えばベンゼンまたはピリジンであり、それらの環は任意に置換され、
X及びX’はO、S及びN(H)から独立して選択され、
R
Cはキャッピング基である。
【0027】
本発明は、下記の式:
【化23】
で表される、非ペプチド化合物にも関し、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレンであり、R
4及びR
5はともにC
3−C
7シクロアルキル環を形成する。
【0028】
本発明は、下記の式:
【化24】
で表される、非ペプチド化合物にも関する。
【0029】
本発明は、式:
【化25】
に記載の非ペプチド化合物にも関し、
式中、
Strは抗体に共有結合可能なストレッチャー単位であり、
Spは薬剤部分に共有結合している任意のスペーサー単位であり、
Yはヘテロアリール、アリール、−C(O)C
1−C
6アルケニル、C
1−C
6アルケニルまたは−C
1−C
6アルケニル−NH−であり、
R
1はC
1−C
10アルキル、(C
1−C
10アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
10アルキル)NHC(O)NH
2であり、
R
3及びR
2はそれぞれ独立してH、C
1−C
10アルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであるか、またはR
3及びR
2はともにC
3−C
7シクロアルキルを形成可能であり、
Dは式Aまたは式B:
【化26】
【化27】
の薬剤部分及びその塩及び溶媒和物であり、式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
点線はC1とC2またはC2とC3の間に二重結合の任意の存在を示し、
R
22はH、OH、=O、=CH
2、CN、R
m、OR
m、=CH−R
D、=C(R
D)
2、O−SO
2−R
m、CO
2R
m及びCOR
mから独立して選択され、またハロまたはジハロから任意にさらに選択され、そこでR
DはR
m、CO
2R
m、COR
m、CHO、CO
2H及びハロから独立して選択され、
R
66及びR
99はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
R
77はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
QはO、S及びNHから独立して選択され、
R
11はHまたはR
mであるか、あるいはQがOである場合、SO
3Mであり、そこでMは金属カチオンであり、
R
m及びR
pはそれぞれ任意に置換されたC
1-8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3-8ヘテロシクリル、C
5-20アリール及びC
5-20ヘテロアリールの基から独立して選択され、そして任意にNR
mR
p基に対して、R
m及びR
pは、それらが付着している窒素原子とともに任意に置換された4員、5員、6員または7員のヘテロシクロ環を形成し、
R
12、R
16、R
19、R
21及びR
17はそれぞれR
22、R
66、R
99、R
11及びR
77について定義されたとおりであり、
R”はC
3−C
12アルキレン基であり、その鎖は1つ以上のヘテロ原子、例えば、O、S、N(H)、NMeによって中断され得、及び/または芳香族環、例えばベンゼンまたはピリジンであり、それらの環は任意に置換され、
X及びX’はO、S及びN(H)から独立して選択され、
R
Cはキャッピング基である。
【0030】
本発明は、下記の式:
【化28】
で表され、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレンである、非ペプチド化合物にも関する。
【0031】
本発明は、下記の式:
【化29】
で表される、非ペプチド化合物にも関する。
【0032】
本発明は、
Strが下記の式:
【化30】
を有し、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレン、C
3−C
8シクロアルキル、O−(C
1−C
8アルキレン)及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Spが、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)−C(=O)O−である、
上記いずれか1つの非ペプチド化合物にも関する。
【0033】
本発明は、R
6がC
1−C
10アルキレンであり、Spが、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールであり、R
bは(C
1−C
6アルキレン)−C(=O)O−である、非ペプチド化合物にも関する。
【0034】
本発明は、R
6が−(CH
2)
qで、1〜10である、非ペプチド化合物にも関する。
【0035】
本発明は、
Strが式:
【化31】
を有し、
式中、R
7はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルキレン−O、N(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)−N(R
c)及びN(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)からなる群から選択され、各R
cは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Spが、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)−C(=O)O−である、
非ペプチド化合物にも関する。
【0036】
本発明は、R
6がC
1−C
10アルキレンであり、Spが、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールであり、R
bは(C
1−C
6アルキレン)−C(=O)O−である、非ペプチド化合物にも関する。
【0037】
PM
上記の通り、PMは、
【化32】
からなる群から選択される、非ペプチド化学部分である。
【0038】
PM1、PM2及びPM3のそれぞれにおいて、R
1は独立してC
1−C
10アルキル、C
1−C
10アルケニル、(C
1−C
10アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
10アルキル)NHC(O)NH
2である。幾つかの実施形態において、R
1はC
1−C
6アルキル、(C
1−C
6アルキル)NHC(NH)NH
2または(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH
2である。幾つかの実施形態において、R
1はC
3H
6NHC(O)NH
2である。
PM1において、Wは−NH−ヘテロシクロアルキル−またはヘテロシクロアルキルである。幾つかの実施形態において、
【0039】
PM2において、Yはヘテロアリール、アリール、−C(O)C
1−C
6アルキレン、C
1−C
6アルケニル、C
1−C
6アルキレニルまたは−C
1−C
6アルキレン−NH−である。幾つかの実施形態において、Yはヘテロアリールである。これらの実施形態の幾つかにおいて、Yは
【化33】
である。
【0040】
別の実施形態において、YはC
1−C
6アルキレニルである。これらの実施形態に幾つかにおいて、Yは
【化34】
である。
【0041】
PM2において、R
3及びR
2はそれぞれ独立してH、C
1−C
10アルキル、C
1−C
10アルケニル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであるか、またはR
3及びR
2はともにC
3−C
7シクロアルキルを形成してもよい(付着の炭素原子と)。幾つかの実施形態において、R
2及びR
3は独立してHまたはC
1−
10アルキルである。それらの実施形態の1つにおいては、R
2はHであり、R
3はイソプロピルである。
【0042】
PM3において、R
4及びR
5はそれぞれ独立してC
1−C
10アルキル、C
1−C
10アルケニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、(C
1−C
10アルキル)OCH
2−であるか、またはR
4及びR
5はC
3−C
7シクロアルキル環を形成してもよい(付着の炭素原子と)。具体的にそれらは、シクロブチル基を形成してもよく、そこでPM3は
【化35】
である。
【0043】
幾つかの実施形態において、PM基は
【化36】
であってもよい。
【0044】
Str
上記の通りにStrはAbに共有結合しているストレッチャー単位である。
【0045】
幾つかの実施形態において、Strは下記の式:
【化37】
で表される化学部分であり、
式中、R
6はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルケニル、C
3−C
8シクロアルキル、(C
1−C
8アルキレン)O−及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルであり、
Spは、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)−C(=O)O−である。
【0046】
これらの実施形態の幾つかにおいて、R
6はC
1−C
10アルキレン及びC
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
a)−C
2−C
6アルキレンからなる群から選択され、各アルキレンはハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸、アルキルチオアリール、C
3−C
8シクロアルキル、C
4−C
7ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基に置換されてもよく、各R
aは独立してHまたはC
1−C
6アルキルである。
【0047】
これらの実施形態の幾つかにおいて、R
6はC
1−C
10アルキレン、C
1-6アルキレンである。特定の実施形態において、R
6はC
5アルキレンである。
【0048】
幾つかの実施形態においてStrは、式:
【化38】
を有し、
式中、R
7はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルケニル、(C
1−C
10アルキレン)O−、N(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)−N(R
c)及びN(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)から選択され、各R
cは独立してHまたはC
1−C
6アルキルである。
【0049】
これらの実施形態の幾つかにおいて、R
7はC
1−C
10アルキレン、C
1−C
10アルケニル、(C
1−C
10アルキレン)O−、N(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)−N(R
c)及びN(R
c)−(C
2−C
6アルキレン)から選択され、各R
cは独立してHまたはC
1−C
6アルキルである。
【0050】
Sp
Spは薬剤部分に共有結合している結合またはスペーサー単位である。
【0051】
幾つかの実施形態において、Spは、−Ar−R
b−であって、式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり、R
bは(C
1−C
10アルキレン)OC(=O)−である。これらの実施形態の幾つかにおいて、R
bは(C
1−C
3アルキレン)OC(=O)−である。さらにこれらの実施形態の幾つかにおいて、R
bは−CH
2−OC(=O)−である。幾つかの実施形態において、Arはフェニレンであり、
【化39】
であってもよい。したがって、Spは
【化40】
であってもよい。
【0052】
Str、PM、Sp
幾つかの実施形態において、−Str−PM−Sp−は
【化41】
から選択される。
【0053】
R
C
R
C基はPBD部分のN10位から取り外し、N10−C11のイミン結合、カルビノールアミン、置換カルビノールアミン、QR
11がOSO
3Mである場合に重亜硫酸塩の付加物、チオカルビノールアミン、置換チオカルビノールアミン、または置換カルビナルアミンを残してもよい。
【0054】
一実施形態において、R
Cは取り外し、N10−C11のイミン結合、カルビノールアミン、置換カルビノールアミン、QR
21がOSO
3Mである場合に重亜硫酸塩の付加物を残す保護基であってもよい。一実施形態において、R
Cは取り外し、 N10−C11のイミン結合を残す保護基である。
【0055】
R
c基は、例えばN10−C11のイミン結合、カルビノールアミン等を得るために、ペプチド模倣薬リンカーの劈開に必要となる条件と同様な条件下で取り外せることが意図される。キャッピング基は、意図されたN10位における官能基のための保護基として作用する。キャッピング基は抗体に対して反応性が無いため、例えばR
CはStr−(PM)−Sp−ではない。
【0056】
キャッピング基は、国際公開第00/12507に定義される通りの、治療的に取り外せる窒素保護基として言及され得、その定義は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0057】
一実施形態において、R
C基はペプチド模倣薬基PMを劈開する条件下で取り外せる。したがって、一実施形態において、キャッピング基は酵素の作用により劈開可能である。
【0058】
キャッピング基はN10−C11のイミン結合に対するマスクとして使用してもよい。キャッピング基は、化合物においてイミン官能基が必要となるなどの時点で取り外してもよい。キャッピング基は、上記の通りにカルビノールアミン、置換カルビノールアミン、重亜硫酸塩付加物のマスクでもある。
【0059】
一実施形態において、R
Cはカルバメート保護基である。
【0060】
一実施形態において、カルバメート保護基はAlloc、Fmoc、Boc、Troc及びTeocから選択される。
【0061】
一実施形態において、R
Cは抗体への接続用の官能基基を欠くリンカー基Str−(PM)−Sp−から得られる。
【0062】
本出願は特にカルバメートであるR
C基に関する。
【0063】
一実施形態において、R
Cは
【化42】
の基であり、
式中、アスタリスクはN10位への付着箇所を示し、G
2は末端基であり、L
3は共有結合または劈開可能なリンカーL
1であり、L
2は共有結合であるか、またはOC(=O)とともに自壊性リンカーを形成する。あるいは、L
3はPMであってもよく、L
2とOC(=O)とともにSpを形成してもよい。
【0064】
L
3及びL
2の両方が共有結合である場合、G
2及びOC(=O)は上記の通りに、ともにカルバメート保護基を形成する。
【0065】
L
1は、好ましくは劈開可能なリンカーであり、劈開のためのリンカーの活性化のトリガーと呼ばれることがある。
【0066】
存在する場合は、L
1及びL
2の性質が広く異なり得る。これらの基は劈開特徴に基づいて選択され、複合体が送達される部位での条件に左右され得る。酵素作用により劈開されるリンカーが望ましいが、pH(例えば酸または塩基不安定)、温度の変化または放射(例えば感光性)により劈開可能であるリンカーも使用可能である。還元または酸化条件下で劈開可能なリンカーも本発明に有用であることがある。
【0067】
L
1はアミノ酸の連続配列を含んでもよい。アミノ酸配列は酵素的劈開の標的基質であってもよく、それによってN10位からR
10の解放が可能になる。
【0068】
一実施形態において、L
1は酵素作用により劈開可能である。一実施形態において、酵素はエステラーゼまたはペプチダーゼである。
【0069】
一実施形態において、L
2は存在し、−C(=O)O−とともに自壊性リンカーを形成する。一実施形態において、L
2は酵素作用の基質であり、それによってN10位からR
10の解放が可能になる。
【0070】
一実施形態において、L
1が酵素作用により劈開可能であり、L
2が存在し、酵素はL
1及びL
2の間の結合を劈開する。
【0071】
存在する場合、L
1及びL
2は
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−及び
−NHC(=O)NH−
から選択される結合により接続されてもよい。
【0072】
L
2に接続するL
1のアミノ基はアミノ酸の第N末端であるか、またはアミノ側鎖、例えばリジンのアミノ酸側鎖のアミノ基から得られてもよい。
【0073】
L
2に接続するL
1のカルボキシル基はアミノ酸の第C末端であるか、またはアミノ側鎖、例えばグルタミン酸のアミノ酸側鎖のカルボキシル基から得られてもよい。
【0074】
L
2に接続するL
1のヒドロキシル基はアミノ側鎖、例えばセリンのアミノ酸側鎖のヒドロコシル基から得られてもよい。
【0075】
「アミノ酸側鎖」という用語は、(i)天然アミノ酸、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリン、(ii)非主要アミノ酸、例えばオルニチン及びシトルリン、(iii)非天然アミノ酸、β−アミノ酸、合成類似体及び天然アミノ酸の誘導体及び(iv)それらのすべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、異性体濃縮、同位体ラベル(例えば
2H、
3H、
14C、
15N)の保護形態及びそのラセミ混合物に見出される基を含む。
【0076】
一実施形態において、−C(=O)O−及びL
2はともに基:
【化43】
の基を形成し、
式中、アスタリスクはN10位への付着箇所を示し、波線はリンカーL
1への付着箇所を示し、Yは−N(H)−、−O−、−C(=O)N(H)−または−C(=O)O−であり、nは0〜3である。フェニレン環は本明細書に記載されるように、1つ、2つまたは3つの置換基により任意に置換される。一実施形態において、フェニレン基はハロ、NO
2、RまたはORにより任意に置換される。
【0077】
一実施形態において、YはNHである。一実施形態において、nは0または1である。好ましくは、nは0である。
【0078】
YがNHであり、nが0である場合、自壊性リンカーはp−アミノベンジルカルボニルリンカー(PABC)と呼ばれてもよい。
【0079】
自壊性リンカーは、遠隔部位が活性化される際に保護された化合物の放出を可能にし、下記のように作用し(n=0の場合):
【化44】
ここで、L
*はリンカーの残る部分の活性化形態である。これらの基は活性化部位を保護された化合物から分離する利点を有する。上記の通りに、フェニレン基は任意に置換されてもよい。
【0080】
本明細書に記載される一実施形態において、L
*基は本明細書に記載のリンカーL
1であり、ジペプチド基を含む。
【0081】
別の実施形態においては、−C(=O)O−及びL
2はともに
【化45】
から選択される基を形成し、
式中、アスタリスク、波線、Y及びnは上記の定義通りである。各フェニレン環は本明細書に記載されるように、1つ、2つまたは3つの置換基により任意に置換される。一実施形態において、置換基Yを有するフェニレン環は任意に置換され、Y置換基Yのないフェニレン環は未置換である。一実施形態において、置換基Yを有するフェニレン環は未置換であり、Y置換基Yのないフェニレン環は任意に置換される。
【0082】
別の実施形態において、−C(=O)O−及びL
2はともに
【化46】
から選択される基を形成し、
式中、アスタリスク、波線、Y及びnは上記の定義通りであり、EはO、SまたはNRであり、DはN、CH、またはCRであり、FはN、CH、またはCRである。
【0083】
一実施形態において、DはNである。一実施形態において、DはCHである。一実施形態において、EはOまたはSである。一実施形態において、FはCHである。
【0084】
好適な実施形態において、リンカーはカテプシン不安定リンカーである。
【0085】
一実施形態において、L
1はジペプチドを含む。ジペプチドは、−NH−X
1−X
2−CO−として表されてもよく、式中、−NH−及び−CO−はアミノ酸基X
1及びX
2のそれぞれのN−及びC−末端を表す。ジペプチド内のアミノ酸は天然アミノ酸のいかなる組み合わせであってもよい。リンカーがカテプシン不安定リンカーである場合、ジペプチドはカテプシン仲介劈開の作用部位であり得る。
【0086】
さらに、カルボキシルまたはアミノ側鎖の官能基を有するアミノ酸の基、例えばGlu及びLysのそれぞれに関して、CO及びNHはその側鎖の官能基を表し得る。
【0087】
一実施形態において、ジペプチド−NH−X
1−X
2−CO−における−X
1−X
2−基は
−Phe−Lys−、
−Val−Ala−、
−Val−Lys−、
−Ala−Lys−、
−Val−Cit−、
−Phe−Cit−、
−Leu−Cit−、
−Ile−Cit−、
−Phe−Arg−、
−Trp−Cit−
から選択され、Citはシトルリンである。
【0088】
好ましくは、ジペプチド−NH−X
1−X
2−CO−における−X
1−X
2−基は
−Phe−Lys−、
−Val−Ala−、
−Val−Lys−、
−Ala−Lys−、
−Val−Cit−
から選択される。
【0089】
最も好ましくは、ジペプチド−NH−X
1−X
2−CO−における−X
1−X
2−基は、−Phe−Lys−または−Val−Ala−である。
【0090】
他のジペプチドの組み合わせを使用してもよく、Dubowchikら、Bioconjugate Chemistry、2002、13,855−869に記載の物を含み、当該文献は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0091】
一実施形態において、アミノ酸側鎖は、適切な場合に誘導体化されてもよい。例えばアミノ酸側鎖のアミノ基またはカルボキシ基は誘導体化されてもよい。一実施形態において、側鎖アミノ酸、例えばリジンのアミノ基NH
2は、NHR及びNRR’からなる群から選択される誘導体化の形態である。一実施形態において、側鎖アミノ酸、例えばアスパラギン酸のカルボキシ基COOHは、COOR、CONH
2、CONHR及びCONRR’からなる群から選択される誘導体化の形態である。
【0092】
一実施形態において、アミノ酸側鎖は、適切な場合に化学的に保護される。側鎖保護基は、下記に記載されるように基R
Lに対する基であってもよい。本発明の発明者は保護アミノ酸配列が酵素により劈開可能であることを証明した。例えば、Boc側鎖保護のLys残基を含むジペプチド配列がカテプシンにより劈開可能であることを証明した。
【0093】
アミノ酸側鎖用のアミノ酸保護基側鎖は既知であり、Novabiochem Catalogに記載されている。さらなる保護基の戦略はProtective Groups in 有機 Synthesis、Greene及びWutsに記載されている。
【0094】
反応性側鎖機能性を有するアミノ酸に対する、可能性のある側鎖保護基を以下に示す。
Arg:Z、Mtr、Tos;
Asn:Trt、Xan;
Asp:Bzl、t−Bu;
Cys:Acm、Bzl、Bzl−OMe、Bzl−Me、Trt;
Glu:Bzl、t−Bu;
Gln:Trt、Xan;
His:Boc、Dnp、Tos、Trt;
Lys:Boc、Z−Cl、Fmoc、Z、Alloc;
Ser:Bzl、TBDMS、TBDPS;
Thr:Bz;
Trp:Boc;
Tyr:Bzl、Z、Z−Br。
【0095】
一実施形態において、側鎖保護は、キャッピング基が存在する場合にそのキャッピング基として、またはその一部として、提供される基に直交するように選択される。したがって、側鎖保護基を取り外すことは、キャッピング基またはキャッピング基の一部であるいかなる保護基官能基も取り外すことにはならない。
【0096】
本発明の別の実施形態において、選択されるアミノ酸は反応性側鎖官能基のないものである。例えば、アミノ酸はAla、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro及びValから選択されてもよい。一実施形態において、ジペプチドは自壊性リンカーと組み合わせて使用される。自壊性リンカーは−X
2−に接続してもよい。
【0097】
自壊性リンカーが存在する場合、−X
2−は直接に自壊性リンカーに接続される。好ましくは、−X
2−CO−基はYに接続され、YはNHであり、それによって−X
2−CO−NH−基を形成する。
【0098】
−NH−X
1−は直接にAに接続される。Aは−CO−官能基を含み、それによって−X
1−とアミド結合を形成する。
【0099】
一実施形態において、L
1及びL
2は−OC(=O)−とともにNH−X
1−X
2−CO−PABC−基を形成する。PABC基はN10位に直接に接続されている。好ましくは自壊性リンカー及びジペプチドはともに下に示される−NH−Phe−Lys−CO−NH−PABC−基:
【化47】
を形成し、
式中、アスタリスクはN10位への付着箇所を示し、波線はリンカーL
1の残る部分への付着箇所またはAへの付着箇所を示す。好ましくは、波線はAへの付着箇所を示す。Lysアミノ酸の側鎖は、上記の通りに、例えばBoc、Fmoc、またはAllocにより保護されてもよい。
【0100】
あるいは、自壊性リンカー及びジペプチドはともに、以下に示される−NH−Val−Ala−CO−NH−PABC−基:
【化48】
形成し、
式中、アスタリスク及び波線は上に定義されるとおりである。
【0101】
あるいは、自壊性リンカー及びジペプチドはともに、以下に示される−NH−Val−Cit−CO−NH−PABC−基:
【化49】
を形成し、
式中、アスタリスク及び波線は上に定義されるとおりである。
【0102】
以下、既知の保護基に基づくものを含めて様々な末端基が記載される。
【0103】
一実施形態において、L
3は劈開可能なリンカーL
1であり、L
2はOC(=O)とともに、自壊性リンカーを形成する。本実施形態においては、G
2はAc(アセチル)またはMoc、あるいは、Alloc、Fmoc、Boc、Troc、Teoc、Psec、Cbz及びPNZから選択されるカルバメート保護基である。任意に、カルバメート保護基はさらにMocから選択される。
【0104】
別の実施形態において、G
2はアシル基−C(=O)G
3であり、G
3はアルキル(シクロアルキル、アルケニル及びアルキニルを含む)、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル及びアリール(ヘテロアリール及びカルボアリールを含む)から選択される。これらの基は、任意に置換されてもよい。アシル基はL
3またはL
2のアミノ基とともに、適切な場合にアミド結合を形成してもよい。アシル基はL
3またはL
2のヒドロキシ基とともに、適切な場合にエステル結合を形成してもよい。
【0105】
一実施形態において、G
3はヘテロアルキルである。ヘテロアルキル基はポリエチレングリコールを含んでもよい。ヘテロアルキル基はアシル基に隣接するヘテロ原子、例えばOまたはNを有し、それによって、適切な場合に、カルバメートまたはカルボネート基を形成し、適切な場合に、ヘテロ原子がL
3またはL
2の基に存在する。
【0106】
一実施形態において、G
3はNH
2、NHR及びNRR’から選択される。好ましくは、G
3はNRR’である。
【0107】
一実施形態においてG
2は基:
【化50】
【0108】
であり、
式中、アスタリスクはL
3への付着箇所を示し、nは0〜6であり、G
4はOH、OR、SH、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’、NH
2、NHR、NRR’、NO
2及びハロから選択される。OH、SH、NH
2及びNHRの基は保護される。一実施形態において、nは1〜6であり、好ましくはnは5である。一実施形態において、G
4はOR、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’及びNRR’である。一実施形態において、G
4はOR、SR及びNRR’である。好ましくは、G
4はOR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG
4はORである。最も好ましくはG
4はOMeである。
【0109】
一実施形態において、G
2基は
【化51】
であり、
式中、アスタリスクはL
3への付着箇所を示し、n及びG
4は上に定義されるとおりである。
【0110】
一実施形態において、G
2基は
【化52】
であり、
式中、アスタリスクはL
3への付着箇所を示し、nは0または1であり、mは0〜50であり、G
4はOH、OR、SH、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’、NH
2、NHR、NRR’、NO
2及びハロから選択される。好適な実施形態において、nは1であり、mは0〜10、1〜2、好ましくは4〜8、最も好ましくは4または8である。別の実施形態において、nは1であり、mは10〜50、好ましくは20〜40である。OH、SH、NH
2及びNHR基が保護されている。一実施形態において、G
4はOR、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’及びNRR’である。一実施形態において、G
4はOR、SR及びNRR’である。好ましくは、G
4はOR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG
4はORである。好ましくはG
4はOMeである。
【0111】
一実施形態において、G
2基は
【化53】
であり、
式中、アスタリスクはL
3への付着箇所を示し、n、m及びG
4は上に定義されるとおりである。
【0112】
一実施形態において、G
2基は
【化54】
であり、
式中、nは1〜20であり、
mは0〜6であり、G
4はOH、OR、SH、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’、NH
2、NHR、NRR’、NO
2及びハロから選択される。一実施形態において、nは1〜10である。別の実施形態において、nは10〜50、好ましくは20〜40である。一実施形態において、nは1である。一実施形態において、mは1である。OH、SH、NH
2及びNHR基が保護されている。一実施形態において、G
4はOR、SR、COOR、CONH
2、CONHR、CONRR’及びNRR’である。一実施形態において、G
4はOR、SR及びNRR’である。好ましくは、G
4はOR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG
4はORである。好ましくはG
4はOMeである。
【0113】
一実施形態において、G
2基は
【化55】
であり、
式中、
アスタリスクはL
3への付着箇所を示し、n、m及びG
4は上に定義されるとおりである。
【0114】
上記それぞれの実施形態において、G
4はOH、SH、NH
2及びNHRであってもよい。これらの基は好ましくは保護されている。一実施形態において、OHはBzl、TBDMSまたはTBDPSにより保護される。一実施形態において、SHはAcm、Bzl、Bzl−OMe、Bzl−MeまたはTrtにより保護される。一実施形態において、NH
2またはNHRはBoc、Moc、Z−Cl、Fmoc、Z、またはAllocにより保護される。
【0115】
一実施形態において、G
2基はL
3基との組み合わせで存在し、その基はジペプチドである。
【0116】
キャッピング基は細胞結合剤との接続のために意図されない。したがって、二量体に存在する他のモノマーは、リンカーを介した細胞結合剤への接続箇所として働く。よって、キャッピング基に存在する官能基は、細胞結合剤との反応に利用不可能であることが好ましい。したがって、反応的性官能基、例えばOH、SH、NH
2、COOHを、好ましくは回避する。しかし、上記の通りに、そのような機能性は、保護される場合にキャッピング基に存在してもよい。
【0117】
本発明の幾つかの実施形態において、Dは式A
【化56】
の薬剤部分及び塩及びその溶媒和物であり、式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
点線はC1とC2またはC2とC3の間に二重結合の任意の存在を示し、
R
22はH、OH、=O、=CH
2、CN、R
m、OR
m、=CH−R
D、=C(R
D)
2、O−SO
2−R
m、CO
2R
m及びCOR
mから独立して選択され、またハロまたはジハロから任意にさらに選択され、そこでR
DはR
m、CO
2R
m、COR
m、CHO、CO
2H及びハロから独立して選択され、
R
66及びR
99はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
R
77はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
QはO、S及びNHから独立して選択され、
R
11はHまたはR
mであるか、あるいはQがOである場合、SO
3Mであり、そこでMは金属カチオンであり、
R
m及びR
pはそれぞれ任意に置換されたC
1-8アルキル、C
3-8ヘテロシクリル及びC
5-20アリール基から独立して選択され、そして任意にNR
mR
p基に対して、R
m及びR
pは、それらが付着している窒素原子とともに任意に置換された4員、5員、6員または7員のヘテロシクロ環を形成し、
R
12、R
16、R
19、及びR
17はそれぞれR
22、R
66、R
99、R
77及びR
77について定義されたとおりであり、
R”はC
3−C
12アルキレン基であり、その鎖は1つ以上のヘテロ原子、例えば、O、S、N(H)、NMeによって中断され得、及び/または芳香族環、例えばベンゼンまたはピリジンであり、それらの環は任意に置換され、
X及びX’はO、S及びN(H)から独立して選択される。
【0118】
本発明はpが2である、上記の抗体−薬剤複合体のいずれか1つにも関する。
【0119】
本発明は、抗体が、以下からなる群から選択される1つ以上のポリペプチドに結合する、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する:
BMPR1B、
E16、
STEAP1、
0772P、
MPF、
Napi3b、
Sema5b、
PSCAhlg、
ETBR、
MSG783、
STEAP2、
TrpM4、
CRIPTO、
CD21、
CD79b、
FcRH2、
HER2、
NCA、
MDP、
IL20Rα、
ブレビカン、
EphB2R、
ASLG659、
PSCA、
GEDA、
BAFF−R、
CD22、
CD79a、
CXCR5、
HLA−DOB、
P2X5、
CD72、
LY64、
FcRH1、
IRTA2、
TENB2、
PMEL17、
TMEFF1、
GDNF−Ra1、
Ly6E、
TMEM46、
Ly6G6D、
LGR5、
RET、
LY6K、
GPR19、
GPR54、
ASPHD1、
チロシナーゼ、
TMEM118、
GPR172A、
MUC16及び
CD33。
【0120】
本発明は、疾患を治療することを、それを必要とするヒトにおいて行う方法にも関し、当該方法は、請求項1に記載の抗体−薬剤複合体の有効な投与量を当該ヒトにに投与することを含む。
【0121】
本発明は請求項1に記載の化合物及びそれに対する薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物にも関する。
【0122】
本発明は、抗体が、以下からなる群から選択される1つ以上のポリペプチドに結合する、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する:
STEAP1、
Napi3b、
STEAP2、
TrpM4、
CRIPTO、
CD21、
CD79b、
FcRH2、
HER2、
CD22、
CD79a、
CD72、
LY64、
Ly6E、
MUC16及び
CD33。
【0123】
本発明は抗体がCD33に結合する、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0124】
本発明は、抗体がCD33に結合し、抗CD33抗体が、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L3、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号16のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0125】
本発明は、抗体がCD33に結合し、抗CD33抗体が、配列番号17のアミノ酸配列を含むVLドメイン及び配列番号18のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、
上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0126】
幾つかの実施形態において、抗体−薬剤複合体の抗体はCD33と結合する。幾つかの実施形態において、抗体−薬剤複合体の抗体は、(a)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(f)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
【0127】
幾つかの実施形態において、抗体は上記のいずれかの実施形態に記載のVH及び上記のいずれかの実施形態に記載のVLを含む。一実施形態において、抗体は配列番号25及び配列番号26のそれぞれに記載のVLを含み、それらの配列の翻訳後の変更を含む。
【0128】
本発明は抗体がNaPi3bに結合する、上記抗体−薬剤複合体のいずれか1つにも関する。
【0129】
本発明は、抗体がNaPi3bに結合し、NaPi3b抗体は配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−L2、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、上記抗体−薬剤複合体のいずれか1つにも関する。
【0130】
本発明は、抗体がNaPi3bに結合し、配列番号7のアミノ酸配列を含むVLドメイン及び配列番号8のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0131】
本発明は、抗体がNaPi3bに結合し、NaPi3b抗体は配列番号9のアミノ酸配列及び配列番号10のアミノ酸配列を含む、上記いずれか1つの抗体−薬剤複合体にも関する。
【0132】
定義
特に明記しない限り、本明細書に使用される場合、以下の語及び表現は以下の意味を有することが意図される:商品名が本明細書で使用される場合、出願人は、その商品名製品の製剤、そのジェネリック薬剤、及びその商品名製品の活性医薬品成分を独立して含むことを意図する。
【0133】
「ペプチド模倣の」という用語または「PM」は、本明細書に使用される場合、非−ペプチド化学部分を指す。ペプチドは、1つのアミノ酸のカルボキシル基が別のアミノ基と反応するとき、化学共有結合によって形成されるペプチド(アミド)結合によって結合されるアミノ酸モノマーの短い連鎖である。最も短いペプチドは一つのペプチド結合でつながれる2つのアミノ酸から成るジペプチドであり、トリペプチド、テトラペプチドなどがそれに続く。ペプチド模倣化学部分は非−アミノ酸化学部分を含む。ペプチド模倣化学部分は1つ以上の非−アミノ酸性の化学単位によって切り離された1つ以上のアミノ酸を含みうる。ペプチド模倣化学部分は、化学構造のどの部分にも、ペプチド結合によって結合される隣接するアミノ酸を2つ以上含まない。
【0134】
「アミノ酸」という用語は、本明細書に使用される場合グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミンまたはシトルリンを意味する。
【0135】
本明細書の「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び望ましい生物活性を示す限り抗体断片を含む、(Millerら(2003)Jour.of Immunology170:4854−4861)。抗体はマウス、ヒト、ヒト化、キメラであり得、または他の種に由来する。抗体は、特定の抗原と結合し、それを認識することができる免疫系によって生成されるするタンパク質である(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immuno Biology,5th Ed., Garl and Publishing,New York)。目標とする抗原は、一般に多数の、エピトープと呼ばれる、複数の抗体の上のCDRにより認識される結合部位を有する。特定の異なるエピトープに結合する各々の抗体は、異なる構造を有する。このように、1つの抗原は、複数の対応する抗体有し得る。抗体は、全長免疫グロブリン分子または全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、目的の標的の抗原またはその一部と免疫特異的結合する抗原結合部位を含む分子を含む。そのような標的は、自己免疫疾患と関連した自己免疫抗体を産する細胞または癌細胞を含むが、それらに限られるものではない。本明細書で開示される免疫グロブリンは、任意の免疫グロブリン分子のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)またはサブクラスでありうる。免疫グロブリンは、任意の種に由来することができる。しかしながら、一態様において、免疫グロブリンはヒト、ネズミ、またはウサギ起源である。
【0136】
単語「抗体断片(複数可)」という用語は、本明細書に使用される場合、全長抗体の一部分、一般的にはその抗原結合またはその可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)
2、及びFv断片、二特異性抗体、線形抗体、ミニボディ(Olafsenら(2004)Protein Eng.Design&Sel.17(4):315−323)、発現ライブラリーによって生成された断片、反イディオタイプ(反Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及び癌細胞抗原と免疫特異的に結合する上記のどれかのエピトープ結合断片、ウィルス抗原または微生物抗原、単鎖抗体分子、及び抗体断片から生じた多重特異性抗体を含む。
【0137】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書に使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体が、少量に存在する場合がある考えられる自然に生じる突然変異を除いて、同一であるものである。モノクローナル抗体は非常に特異的で、一つの抗原性部位に向けられる。さらにまた、異なる決定要素(エピトープ)に向けられる異なる抗体を含む多クローン性抗体調製物と対照的に、各々のモノクローナル抗体は、抗原の上で一つの決定要素に向けられる。特異性に加えて、他の抗体によって汚染されずに合成され得るという点で、モノクローナル抗体は有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体の集団から得られるという抗体の特性を示し、一つの特定の方法によって抗体が産生されることを必要とすると解釈されない。たとえば、本発明に従って使われるモノクローナル抗体はKohlerら(1975)Nature,256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって、または組み換えDNA方法によって作成され得る(たとえば:米国特許第4816567号、米国特許第5807715号)。たとえば、Clacksonら(1991)Nature,352:624−628;Marksら(1991)J.Mol.Biol.,222:581−597で記載される技術を用いたファージ抗体ライブラリから、モノクローナル抗体が単離され得る。
【0138】
ここでのモノクローナル抗体は特に「キメラ」抗体、及び望ましい生物活性を示す限り、その抗体の断片を含み、重鎖及び/または軽鎖の一部が、特定の抗体クラスまたはサブクラスに属しているまたは特定の種に由来する抗体の中に存在し、対応する配列に同族または同一であるが、鎖の残りは、別の抗体クラスまたはサブクラスに属しているまたは別の種に由来する抗体の中に存在し、対応する配列に同族または同一であるものである。(米国特許第4816567号;及びMorrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855)本明細書で目的とするキメラ抗体は、非ヒトの霊長類(例えば、旧世界ザル、類人猿など)に由来する可変領域抗原結合配列及びヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体を含む。
【0139】
本明細書に使用される単語「インタクト抗体」は、VL及びVH領域、ならびに軽鎖定常領域(CL)及び重鎖定常領域、CH1、CH2及びCH3を含む。定常領域は、天然配列定常領域(例えばヒトの天然配列定常領域)またはそれのアミノ酸配列変異形であり得る。インタクト抗体は、抗体のFc定常領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列変形Fc領域)に起因しているそれらの生物活性を指す一つ以上のエフェクター機能を有し得る。抗体エフェクター機能の例は、C1q結合、補体依存性細胞障害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介細胞障害性(ADCC)、食菌作用;B細胞受容体及びBCRのような細胞表面受容体のダウンレギュレーションを含む。
【0140】
「Fc領域」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも定常領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を意味する。この用語は、天然配列FC領域及び変異Fc領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226からまたはPro230から、重鎖のカルボキシル末端にわたる。しかし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は存在するまたはしない場合がある。本明細書で特定されない限り、Fc領域または定常領域のアミノ酸残基の付番は、EU付番システム(また、EU指標と呼ばれている)に従う(Kabatら.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991)。
【0141】
「フレームワーク」または「FR」という用語は、本明細書に使用される場合、超可変的領域(HVR)の残基以外の可変領域残基を指す。可変領域のFRは、4つのFRの領域から一般的に成る:FR1、FR2、FR3、及びFR4。したがって、HVR及びFr配列は、VH(またはVL)において、一般に以下の順序で発生する:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。重鎖の定常領域のアミノ酸配列に依存して、インタクト抗体は、異なる「クラス」に割り当てられ得る。インタクト免疫グロブリン抗体には5つの主要なクラスがある:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、そしてこれらのいくつかが「サブクラス」(アイソタイプ)に分けられる場合がある、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び3次元構成は周知である。Igの形態は、ヒンジ修飾またはヒンジのない形態を含む。(Rouxら(1998)J.Immunol.161:4083−4090;Lundら(2000)Eur.J.Biochem.267:7246−7256;米国特許第2005/0048572号;米国特許第2004/0229310号)。
【0142】
「ヒト抗体」という用語は、本明細書に使用される場合、ヒトの抗体レパートリーまたは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒトの源に由来する、またはヒトの細胞またはヒトによって生み出される抗体のそれに対応するアミノ酸配列を有する抗体を指す。ヒト抗体のこの定義は、特定的に、非ヒトの抗原結合性残基を含むヒト化抗体を除外する。
【0143】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」という用語は、本明細書に使用される場合、ヒトの免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択で最も一般に発生するアミノ酸残基を表すフレームワークを指す。一般に、ヒトの免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変領域配列のサブグループからのものである。一般に、配列のサブグループは、Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, NIH Publication91−3242,Bethesda MD(1991),vols.1−3に記載されるようなサブグループである。一実施形態において、VLについて、サブグループは上記KabatらにあるようなサブグループkappaIである。一実施形態において、VHについて、サブグループは,上記KabatらにあるようなサブグループIIIである。
【0144】
「ヒト化抗体」という用語は、本明細書に使用される場合、非ヒトHVR(複数)からのアミノ酸残基と、ヒトのFR(複数)からのアミノ酸残基とを含むキメラ抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つまたは一般的に2つの、すべての可変的領域を含み、その領域では、HVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のそれらに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のそれらに対応する。ヒト化抗体は、ヒト抗体から誘導される抗体定常領域の少なくとも一部のを任意で含み得る。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化された形態」は、ヒト化を経た抗体を指す。
【0145】
「超可変領域」または「HVR」という用語は、本明細書に使用される場合、配列において超可変である及び/または構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する超可変抗体変数領域の領域の各々を指す。通常、天然4本鎖抗体は、6つのHVRを含み、VHに3つ(H1、H2、H3)及びVLに3つ(L1、L2、L3)である。HVRは超可変ループ及び/または「相補性決定領域」(CDR)からのアミノ酸残基を含み、後者は最も高い配列可変性であり及び/または抗原認識に関与する。例示的超可変ループは、アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)及び96〜101(H3)で発生する。(Chothia及びLesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987).)例示的なCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2、及びCDR−H3)は、L1の24〜34、L2の50〜56、L3の89〜97、H1の31〜35B、H2の50〜65、及びH3の95〜102アミノ酸残基で発生する(Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991).)。CDR1(VH)を除いて、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは抗原と接触する「特異決定残基」または「SDR」を含む。SDRは、省略CDR(a−CDR)と呼ばれるCDRの領域に含まれる。例示的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2、及びa−CDR−H3)は、L1の31〜34、L2の50〜55、L3の89〜96、H1の31〜35B、H2の50〜58、及びH3の95〜102アミノ酸残基で発生する(Almagro及びFransson,Front.Biosci.13:1619−1633(2008).参照)。特に明記しない限り、HVR残基及び可変領域にある他の残基(例えばFR残基)は上記Kabatらに従い付番される。
【0146】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、本明細書に使用される場合、抗原と抗体を結合させる抗体重鎖または軽鎖の領域を指す。天然抗体の重さ及び軽鎖の可変領域(それぞれVH/VL)は一般に似た構造を有し、それぞれの領域は4つの保存フレームワーク領域及び3つの可変可変領域(HVR)を有する。(例えばKindtらKuby Immunology,6
thed.,W.H.Freeman及びCo.,page91(2007).参照)。単一のVHまたはVL領域は、抗原結合特異性を付与するのに十分である。さらに、特定の抗原と結合する抗体を、その抗原と結合する抗体からのVHまたはVL領域を用いて、それぞれの相補的VHまたはVL領域のライブラリーをスクリーニングすることによって単離されうる。例えばPortolanoら,J.Immunol.150:880−887(1993);ら,Nature352:624−628(1991)参照。
【0147】
「ベクター」という用語は、本明細書に使用される場合、それが結合する別の核酸を伝播することができる核酸分子を指す。この用語は、自己再生する核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに取り込まれるベクターとを含む。ある特定のベクターは、作用可能に結合した核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、ここでは「発現ベクター」と称する。
【0148】
「フリーシステインアミノ酸」という用語は、本明細書に使用される場合、親抗体に操作され、チオール官能基(−SH)を有し、分子内または分子間ジスルフィド橋として対にされないシステインアミノ酸残基を指す。
【0149】
「リンカー」、「リンカー単位」、または「リンク」という用語は、本明細書に使用される場合、薬剤部分を抗体に共有結合させる原子の連鎖を含む化学部分を意味する。様々な実施形態において、リンカーは二価基で、Lとして特定される。
【0150】
「薬剤部位」という用語は、本明細書に使用される場合、、細胞機能を妨げる及び/または細胞死または破壊を起こす物質を指す。細胞障害性剤は、以下を含むが、これに限定されるものではない:放射性同位元素(例えば、At
211、I
131、I
125、Y
90、Re
186、Re
188、Sm
153、Bi
212、P
32、Pb
212及びLuの放射性同位体)、化学療法剤または薬剤(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤)、成長阻害剤、酵素及びその断片(例えばヌクレオ溶解酵素)、及び下に開示する抗腫瘍剤または抗癌剤。
【0151】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り、単語「アシル」という用語は−C(O)R’の基を指し、R’はそれぞれ本明細書で定義されるアルキル、C
3−C
6シクロアルキル、またはヘテロシクリルである。
【0152】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り、「アルコキシ」という用語は、-OR’基を指し、R’は上で定義するC
1−C
4アルキルまたはC
3−C
6シクロアルキルである。「アルコキシ」の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、シクロプロポキシ、及びシクロブトキシ、そしてそのハロゲン化された形態、例えばフルオロメトキシ及びジフルオロメトキシが挙げられる。
【0153】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アルキル」という用語は1〜12の(C1−C12)炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の一価のまたは二価炭化水素鎖ラジカルを指し、それらの炭素原子は非置換または複数の程度で置換され、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つが本発明に含まれる。置換基の例は、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、スルホニル、スルホンアミド、スルホキシド、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、カルボン酸及びアルキルチオから成る基から選択される。本明細書に使用される場合、「アルキル」の例には、メチル(Me、−CH
3)、エチル(Et、−CH
2CH
3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH
2CH(CH
3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ヘキシル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3−ヘキシル(−CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2、3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3、3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH
3)C(CH
3)
3、ならびにそれらの二価の(「アルキレン」)及びそれの置換バージョンが挙げられるが、それに限定されない。置換アルキルの例は、ヒドロキシメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルを含む。
【0154】
本明細書に使用される場合、「アルケニル」という用語は、不飽和(すなわち、炭素−炭素結合、sp2二重結合)の少なくとも1つの部位を持つ2〜8の(C1−C12)炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の一価のまたは二価炭化水素鎖ラジカルを意味し、アルケニルラジカルは、任意に、上記の「アルキル」の定義における一つ以上の置換基で独立して置換され得、「cis」及び「trans」配向、または代わりに、「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。アルケニルの例には、エテニルまたはビニル(−CH=CH
2)、プロポ−1−エニル(−CH=CHCH
3)、プロポ−2−エニル(−CH
2CH=CH
2)、2−メチルプロポ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、ブタ−1、3−ジエニル、2−メチルブタ−1、3−ジエン、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサa−1、3−ジエニルならびに二価の(「アルケニレン」)及びその置換形態が挙げられるがそれに限定されない。
【0155】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和(すなわち、炭素−炭素結合、sp2二重結合)の部位を有する2〜8の(C1−C12)炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の一価のまたは二価炭化水素鎖ラジカルを指し、アルキニルラジカルは、任意に、上記の「アルキル」の定義における一つ以上の置換基で独立して置換されうる。アルキニルの例には、エチニル(−CCH)、プロポ−1−イニル(−CCCH
3)、プロポ−2−イニル(プロパギル,−CH
2CCH),ブタ−1−イニル,ブタ−2−イニル及びブタ−3−イニル、ならびに二価の(「アルキニレン」)及びその置換形態が挙げられるが、それに限定されない。
【0156】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アルキルアミノ」という用語は、−NR’R”基を指し、R’はH、C
1−C
6アルキルまたはC
3−C
6シクロアルキルであり、R”はC
1−C
6アルキルまたはC
3−C
6シクロアルキルである。アルキルアミノの例にはメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ及びシクロプロピルアミノが挙げられるが、それに限定されない。
【0157】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アミド」という用語は−C(O)NR’R”基を指し、R’及びR”は各々独立してH、C
1−C
6アルキル,またはC
3−C
6シクロアルキルであり、アミドの例には−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、及びC(O)N(CH
3)
2が挙げられるが、それに限定されない。
【0158】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アリール」という用語は芳香族の炭化水素、環系を指す。その環系は単環式または縮合多環式で(例えば、二環式、三環系など)あり、置換または非置換である。様々な実施形態において、単環式アリール環はC
5−C
10,またはC
5−C
7,またはC
5−C
6であり、これらの炭素数は環系を形成炭素原子の数を指す。C
6環系、すなわちフェニル環はアリール基である。様々な実施形態において、多環の環は二環式アリール基であり、その例にはC
8−C1
2またはC
9−C
10が挙げられる。ナフチル環(10の炭素原子を有する)は、多環アリール基である。アリールの置換基の例は「任意に置換」の定義において下に記載される。
【0159】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「シアノ」という用語は −CN基を指す。
【0160】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の、非置換または置換の、飽和または部分的不飽和炭化水素環基を指す。置換基の例は「任意に置換」の定義において記載される。一例において、シクロアルキル基は3〜12の炭素原子(C
3−C
12)である。他の例では、シクロアルキルはC
3−C
8,C
3−C
10またはC
5−C
10である
。他の例では、シクロアルキル基は、単環式として、C
3−C
8、C
3−C
6 またはC
5−C
6である。他の例では、シクロアルキル基は、二環式として、C
7−C
12である。他の例では、シクロアルキル基は、スピロ系として、C
5−C
12である。単環式シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、過重水素を含むシクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ‐2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルが挙げられる。7〜12の環原子有する二環式シクロアルキルの例示的配列は、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]環系を含むが、これに限定されるものではない。例示的な架橋二環式シクロアルキルにはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナンが挙げられるが、これに限定されるものではない。スピロシクロアルキルの例には、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン及びはスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
【0161】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「エステル」という用語は−C(O)OR’基を指し、R’はC
1−C
6アルキルまたはC
3−C
6シクロアルキルである。
【0162】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「ヘテロ環状体」、「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」という用語は、2〜12の環炭素原子及び1〜3の環ヘテロ原子を含む、非置換及び置換の単環式のまたは多環式の非芳香族環系を指す。多環式の環系は手交号2環または3環で、スピロまたは架橋である。ヘテロ原子の例は、N、O、及びS、窒素酸化物、硫黄酸化物、及び二酸化物を含む。一実施形態において、環は3〜8員で、完全飽和または一つ以上の不飽和度を有する。本定義において、複数の置換度が含まれる。下に置換基の例が示される。「ヘテロ環状体」基の例には、テトラヒドロフラニル、ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル、オキソラニル、オキセタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルフォリニル、アゼチジニル、ピぺラジニル、ピロリジノニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、及びそれらの様々な互変異性体が挙げられる。
【0163】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「ヘテロアリール」という用語は、1〜9の炭素及び少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香族環系を指す。ヘテロ原子の例はN,O,及びSを含む。ヘテロアリールは単環式または多環式であり、置換または非置換であり得る。単環式ヘテロアリール基は2〜6の環炭素原子及び1〜3のリングヘテロ原子を環の中において有し得、多環式ヘテロアリールは3〜9の環炭素原子及び1〜5のヘテロ原子を有し得る。多環式ヘテロアリール環は縮合、スピロ、または架橋環接合を有し得、例えば、二環ヘテロアリールは多環式ヘテロアリールである。二環式ヘテロアリール環は8〜12の員原子を有し得る。単環ヘテロアリール環は5〜8の員原子(炭素及びヘテロ原子)を有し得る。例示的なヘテロアリール基は下記のものを含むがそれに限定されない:ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、イミダゾリル、インドールイル、アザインドールイル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラジニル、テトラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロールイル、キノリンイル、キナゾリニル、キノキサリニル、トリアジニル、トリアゾリル、チアゾリル及びチオフェニル。ヘテロアリールの置換基の例は「任意に置換」の定義において下に記載される。
【0164】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「ヘテロアリールアルキル」という用語は(ヘテロアリール)C
1−C
3アルキル基を意味する。
【0165】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「アリールアルキル」という用語は(アリール)C
1−C
3アルキル基を意味する。
【0166】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り、「尿素」という用語は−NR’C(O)NR”基を指し、R’及びR”はそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル、またはC
3−C
6シクロアルキルである。
【0167】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り、「任意に」という用語は、その後に記載される事情がが起きる場合もあり起きない場合もあることを意味し、起こることと起こらない事情の両方を含む。
【0168】
本明細書に使用される場合、別に定められない限り,「任意に置換」,「置換」という表現またはそれの変形は、1、2、または3のような一つ以上の置換基による、複数の置換程度を含む任意の置換を表す。この表現は本明細書で記載し説明される置換の重複として解釈されるべきではない。例示的な任意の置換基基にはアシル、C
1−C
6アルキル、スルホニル、アミノ、スルホンアミド、スルホキシド、アルコキシ、シアノ、ハロ、尿素、エステル、カルボン酸、アミド、ヒドロキシ、オキソ、及びニトロが挙げられる。
【0171】
アルコキシ:OR、Rはアルキル基、たとえばC
1-8アルキル基である。C
1-8アルコキシ基の例には−OMe(メトキシ)、−OEt(エトキシ)、−O(nPr)(n−プロポキシ)、−O(iPr)(イソプロポキシ)、−O(nBu)(n−ブトキシ)、−O(sBu)(sec−ブトキシ)、−O(iBu)(イソブトキシ)、及びO(tBu)(tert−ブトキシ)が挙げられるが、それに限定されない。
【0173】
アシル(keto):−C(=O)R、Rはアシル置換基、例えばC
1-8アルキル基(別名C
1-8アルキルアシルまたはC
1-8アルカノイル)、C
2-8アルケニル基(別名C
2-8アルケニルアシル)、C
2-8アルキニル基(別名C
2-8アルキニルアシル)、C
3-8シクロアルキル基(別名C
3-8シクロアルキルアシル),C
3-20ヘテロシクリル基(別名C
3-20ヘテロシクリルアシル)、C
5-20アリール基(別名C
5-20アリールアシル)、またはC
5-20ヘテロアリール基(別名C
5-20ヘテロアリールアシル)、好ましくはC
1-8アルキル基である。アシル基の例には−C(=O)CH
3(アセチル)、−C(=O)CH
2CH
3(プロピオニル)、−C(=O)C(CH
3)
3(t−ブチリル)、及び−C(=O)Ph(ベンゾイル、フェノン)が挙げられるが、それに限定されない。
【0174】
カルボキシ(カルボン酸):−C(=O)OH。
【0175】
エステル(カルボン酸塩、カルボン酸エステル、オキシカルボニル):−C(=O)OR、Rはエステル置換基、例えばC
1−C
8アルキル,C
2−C
8アルケニル,C
2−C
8アルキニル,C
3−C
8シクロアルキル,C
3−C
8ヘテロシクリル,C
5-C
20アリールまたはC
5-20ヘテロアリール基であり、好ましくはC
1-8アルキル基である。エステル基の例には、−C(=O)OCH
3,−C(=O)OCH
2CH
3,−C(=O)OC(CH
3)
3,及び−C(=O)OPhが挙げられるが、それに限定されない。
【0176】
アミノ:−NR
1R
2、R
1及びR
2は独立してアミノ置換基、例えば、水素、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3−C
8ヘテロシクリル、C
5-C
20アリールまたはC
5-20ヘテロアリール基、好ましくはHまたはC
1-8アルキル基、または、「環状」アミノ基の例において、R
1及びR
2は、結合する窒素原子と一緒に、4〜8の環原子を有するヘテロシクリル環を形成する。アミノ基は第1級(−NH
2)、第2級(−NHR
1)、または第3級(−NHR
1R
2)、及び陽イオン形では、第4級であり得る(−
+NR
1R
2R
3)。アミノ基の例には−NH
2、−NHCH
3、−NHC(CH
3)
2、−N(CH
3)
2、−N(CH
2CH
3)
2、及び−NHPhが挙げられるが、これに限定されない。環状アミノ基の例には、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペラジノ、モルフォリノ、及びチオモルフォリノ挙げられるが、これに限定されない。
【0177】
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキサミド):
−C(=O)NR
1R
2、アミノ基について定義されるように、R
1及びR
2は独立してアミノ置換基である。アミド基の例には、−C(=O)NH
2、−C(=O)NHCH
3、−C(=O)N(CH
3)
2、−C(=O)NHCH
2CH
3、及び−C(=O)N(CH
2CH
3)
2ならびに、R
1及びR
2が、結合する窒素原子と共に、複素環式の構造を形成するアミド基、たとえば、ピペリジノカルボニル、モルフォリノカルボニル、チオモルフォリノカルボニル、及びピペロチノカルボニルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0179】
シアノ(ニトリル、カルボニトリル):−CN。
【0180】
スルフィン(スルフィニル、スルホキシド):−S(=O)R、Rはスルフィン置換基、例えば、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3−C
8ヘテロシクリル、C
5-C
20アリールまたはC
5-20ヘテロアリール基、望ましくはC
1-8アルキル基である。スルフィン基の例には−S(=O)CH
3及び−S(=O)CH
2CH
3が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0181】
スルホン(スルホニル):−S(=O)
2R、Rはスルホン置換基、例えば、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3−C
8ヘテロシクリル、C
5-C
20アリールまたはC
5-20ヘテロアリール基、望ましくはC
1-8アルキル基、たとえば、フッ化または全フッ素置換されたC
1-8アルキル基を含む。スルホン基の例には−S(=O)
2CH
3(メタンスルホニル、メシル)、−S(=O)
2CF
3(トリフリル)、−S(=O)
2CH
2CH
3(エシル)、−S(=O)
2C
4F
9(ノナフリル)、−S(=O)
2CH
2CF
3(トレシル)、−S(=O)
2CH
2CH
2NH
2(タウロイル)、−S(=O)
2Ph(フェニルスルホニル、ベシル)、4−メチルフェニルスルホニル(トシル)、4−クロロフェニルスルホニル(クロシル)、4−ブロモフェニルスルホニル(ブロシル)、4−ニトロフェニル(ノシル)、2−ナフタレンスルホナート(napsyl)、及び5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−イルスルホナート(ダンシル)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0182】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「治療」という用語は特定された病態を緩和すること、病態の1つ以上の徴候を減少または除くこと、病態の進行を除くまたは減速することを指す。
【0183】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り、「効果的な量」という用語は、研究者または臨床医によって求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的な反応を誘発する量の薬剤または医薬品薬剤を意味する。
【0184】
本明細書に使用される場合、請求項で別に定められない限り「治療的有効量」という用語は、そのような量を受けなかった対応する対象と比較して、病気、障害、または副作用の治療の結果、または病気または障害の進行率の減少に至る量を意味する。本用語はまた、その範囲中に、通常の生理的機能を強化するのに有効な量を含む。治療で使用するために、式Iの化合物とその塩の治療的有効量は、生の化学品として投与されうる。さらに、活性成分は医薬品組成物として提示され得る。
【0185】
本発明はまた実験のセクションにおけるいずれの実施例にも関連する。
【0186】
「薬理学的に許容される塩」という表現は、本明細書に使用される場合、抗体−薬剤複合体(ADC)またはリンカー−薬剤部分の薬理学的に許容される有機または無機の塩を指す。例示的な塩は、硫酸塩、クエン酸塩、アセテート、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、ニコチネート、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸、マレアート、ゲンチシン酸塩、フマル酸エステル、グルコン酸塩、グルクロン酸、サッカラート、ギ酸塩、ベンゾアート、グルタミン酸塩、メタンスルホナート、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシラート、及びパモ酸塩(すなわち、1、1’メチレンビス‐(2‐ヒドロキシ‐3‐ナフトアート))を含むが限定されない。薬理学的に許容される塩は、別の分子(例えばアセテートイオン、コハク酸イオンまたは他対イオン)の包含を含み得る。その対イオンは、
親化合物の電荷を安定させる有機または無機の任意の部分であり得る。さらに、薬理学的に許容される塩は一つ以上の電荷を帯びた原子をその構造に含む可能性がある。複数の電荷を帯びた原子が薬理学的に許容される塩の一部であるいくつかの例は複数の対イオンを持つことが可能である。従って、薬理学的に許容される塩は一つ以上の電荷を帯びた原子及び/または一つ以上の対イオンを有することができる。
【0187】
薬理学的に許容されない、他の塩は、本発明の化合物の調製に有用であり得、本発明の更なる態様を成すとみなすべきである。これらの塩(例えばシュウ酸またはトリフルオロ酢酸塩)は、それ自体は薬学的に許容されないが、発明の化合物及びそれらの薬理学的に許容される塩を得る中間体として有効な塩の調製に有用であり得る。
【0188】
本発明の化合物は、固体のまたは液体状態として存在し得る。固体の状態では、それは結晶または非晶質の形態で、またはその混合として存在し得る。当業者は、薬理学的に許容される溶媒和物が結晶質のまたは非結晶質の化合物のために形成され得ることを理解するであろう。結晶質の溶媒和物において、溶媒分子は、結晶化の間に、結晶格子に取り込まれる。溶媒和物はエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、または酢酸エチルのような非水性溶媒を含み得、それらはまた、結晶格子に取り込まれる溶媒としての水を含み得る。水が結晶格子に取り込まれる溶媒である溶媒和物は、「水和物」と典型的に呼ばれる。水和物は、化学式の水和物ならびに可変量の水を含んでいる組成を含む。本発明は、そのような全ての溶媒和物を含む。
【0189】
当業者は、結晶形(そのいろいろな溶媒和物を含む)として存在する本発明のある特定の化合物が多形(すなわち異なる結晶構造に現れる能力)を示し得ることをさらに理解するであろう。これらの異なる結晶形は、「多形体」として典型的に知られる。本発明はすべてのそのような多形体を含む。多形体は同じ化学組成を持つが、充填、幾何学的な配列、及び結晶固体の他の記述可能な特性において異なる。多形体は、したがって、異なる物性(例えば形態、密度、硬さ、変形性、安定性、及び溶解性)を有し得る。多形体は異なる融点、赤外線スペクトル、及びX線粉回折パターンを一般的に表す。そして、それが識別のために用いられ得る。当業者は、たとえば、化合物を作る際に用いられる反応条件または試薬を変えるまたは調節することによって、異なる多形体を生成し得ることを理解するであろう。たとえば、温度、圧力、または溶媒の変化は、多形体をもたらし得る。これに加えて、1つの多形体は、ある特定の状況の下では別の多形体に自発的に変換され得る。
【0190】
本発明の化合物またはその塩は、立体異性の形として存在し得る(例えば、それはより1つ以上の不斉炭素原子を含む)。個々の立体異性体(鏡像異性体及びジアステレオマーの混合物)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、式(I)の化合物または塩は、式に示されたものとは異なる、互変異性形として存在し得、それらもまた本発明の範囲内に含まれると理解される。本発明が上に定義された特定の基のすべての組合せ及びサブセットを含むことを理解すべきである。本発明の範囲は立体異性体の混合物、ならびに、精製された鏡像異性体またはは鏡像異性的に/ジアステレオマーを富化した混合物を含む。本発明は上に定義された特定の基のすべての組合せ及びサブセットを含むことを理解すべきである。
【0191】
主題の発明は、本発明の化合物の同位体標識された形態も含むが、原子質量または質量数が通常自然で見出されるものと異なる原子が、1つ以上の原子に取って代わる事実による。本発明の化合物及びその薬理学的に許容される塩に取り込まれることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、及び塩素の同位体を含み、例えば
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123I及び
125Iである。
【0192】
前述の同位体及び/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物及び当該化合物の薬理学的に許容される塩は、本発明の範囲内である。同位体標識された本発明の化合物、例えば
3H、
14Cのような放射性同位元素が取り入れられたものは薬剤及び/または基質生体内分布分析に役立つ。トリチウム標識した、すなわち、
3H、及び炭素14、すなわち、
14C、同位体は調製の容易さ及び検出可能性のために一般的に用いられる。
11C及び
18F同位体はPET(陽電子放射断層撮影)において有用であり、及び
125I同位体はSPECT(単一光子放射のコンピュータ化された断層撮影)に有用であり、すべてが脳の撮像に有用である。さらに、ジュウテリウム(すなわち、
2H)のようなより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、増加した体内半減期または減少した投薬必要量)、から生じるある特定の治療的な利点を持つ。それゆえに、幾つかの状況では好ましい場合がある。同位体標識の式Iの化合物および本発明の以下のものは、一般に、非同位体標識試薬を、容易に入手できる同位体標識試薬に代えることによって、下記のスキーム及び/またはで実施例で開示される手順を実行することによって調製することができる。
【0193】
ADCの医薬品組成物
発明の治療的な抗体薬複合体(ADC)の医薬組成物は、典型的に、薬理学的に許容される非経口ビヒクルとともに、及び、単位投薬量注射可能の形態で、例えばボーラス、静脈内の、腫瘍内部のような、非経口投与のために調製される。望まれる純度を有する抗体薬複合体(ADC)は、凍結乾燥された製剤または水溶液の形で、任意に、薬理学的に許容される希釈剤、担体、賦形剤または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)16th edition,Osol,A. Ed.)と一緒に混合される。
【0194】
システイン操作された抗体
発明の化合物は、野生型または元の抗体の一つ以上のアミノ酸がシステインアミノ酸と入れ替えられるシステイン操作された抗体を含む抗体薬複合体を含む。抗体のどんな形でも、そのように操作、すなわち変異させることができる。たとえば、親Fab抗体断片を操作して、以下「ThioFab」と称する、システイン操作されたFabを形成することができる。同様に、元のモノクローナル抗体を操作して「ThioMab」生成し得る。注意すべきは、単点突然変異が、ThioFabで一つの操作されたシステイン残基を得るのに対し、IgG抗体の二量体性質のために、単点突然変異は2つの操作されたシステイン残基をThioMabで得る。置換された(「操作された」)システイン(Cys)残基を伴う変異体は、新しく導入され、操作されたシステインチオールグループの反応性のために評価される。チオール反応性の値は0〜1.0の範囲の相対的な数で、どんなシステイン操作された抗体についても測定することができる。発明のシステイン操作された抗体のチオール反応性値は、0.6〜1.0、0.7〜1.0、または0.8〜1.0の範囲にある。突然変異生成によってシステイン操作された抗体を調製するために、出発ポリペプチドのアミノ酸配列変形をコードするDNAは、本技術分野で知られて種々の方法によって調製される。これらの方法は、以下を含むが、これに限定されるものではない:ポリペプチドをコードする初期に用意されたDNAの、部位特異的な(またはオリゴヌクレオチドによって媒介される)突然変異生成、PCR突然変異生成とカセット突然変異生成による調製。また、組み換え型抗体の変形は、制限断片操作によって、または、合成オリゴヌクレオチドを伴う共通部分拡張PCRによって生成され得る。突然変異誘発性プライマーは、システインコドン置き換えをコード化する。突然変異によるシステイン操作された抗体をコードするDNAを生み出すために、標準的な突然変異生成技術は使用することができる。一般的なガイダンスは、SambrookらMolecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.,1989、とAusubelらCurrent Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing and Wiley−Interscience,New York,N.Y.,1993に見出される。システインアミノ酸は抗体で反応部位で設計され得、そして、内部チェーンまたは分子間ジスルフィド連結を形成しない(Junutula,ら.,2008b Nature Biotech.,26(8):925−932;Dornanら(2009)Blood114(13):2721−2729;US7521541;US7723485;国際公開第200号9/052249,Shenら(2012)Nature Biotech.,30(2):184−191;Junutulaら(2008)Jour of Immun.Methods332:41−52)。操作されたシステインチオールは、リンカー試薬、または、マレイミドまたはアルファ−ハロアミドのようなチオール反応性の、求電子基を有する本発明のリンカー−薬中間体と反応し、システイン操作された抗体(ThioMabs)と薬(D)部分を有するADCを形成し得る。薬部分の位置は、このように設計、制御、及び知ることができる。一般的には、操作されたシステインチオール基が高収率でチオール反応性リンカー試薬またはリンカー−薬中間体と反応することから、薬の負荷を制御することができる。重鎖または軽鎖上の単一の部位での置換によってシステインアミノ酸を導入すために抗体を操作することは、対称形の抗体の上で2つの新しいシステインを与える。2に近い薬物負荷と、共役製品ADCに近均一性が達成されうる。
【0195】
発明のシステイン操作された抗体は、好ましくはそれらの野生型の、対応する親抗体の抗原結合能力を保持する。したがって、システイン操作された抗体は、好ましくは特異的に抗原と結合することができる。そのような抗原は、たとえば、腫瘍関連抗原(TAA)、細胞表面受容体蛋白と他の細胞表面分子、膜貫通型タンパク質、シグナリングタンパク質、細胞生存制御因子、細胞増殖制御因子、組織発達または分化に関連する(例えば、機能を付与すると知られている、または思われる)分子、リンホカイン、サイトカインに関係する分子、細胞周期制御に関係する分子、脈管形成に関係する分子と血管形成に関係する((例えば、機能を付与すると知られている、または思われる)分子を含む。腫瘍関連抗原は、集団分化因子(すなわち、CDタンパク質)である場合がある。システイン操作された抗体が結合することができる抗原は、上記のカテゴリーの1つのサブセットである場合があるが、上記カテゴリーの他のサブセットは異なった特徴(関連の抗原に関して)がある他の分子/抗原を含む。システイン操作された抗体は、鎖内ジスルフィド基の還元と再酸化によるリンカー−薬中間体との複合体化のために調製される。
【0196】
腫瘍関連抗原
システイン操作された抗体を含むがそれに限定されず、癌の治療において発明の抗体薬複合体において有用であり得る抗体は、細胞表面レセプターに対する抗体と腫瘍関連抗原(TAA)が挙げられるが、それに限定されない。ある特定の腫瘍関連抗原は技術で知られており、周知の技術で用いられる方法と情報を用いて、抗体を生み出すために、調製されることができる。癌診断と治療の効果的細胞標的を発見する試みにおいて、研究者は、一つ以上の通常の非癌細胞の表面と比較して、一つ以上の特定の種類の癌細胞の表面で発現される、膜貫通であるか、さもなければ腫瘍関連のポリペプチドを特定しようとしている。しばしば、そのような腫瘍関連のポリペプチドは、非癌細胞の表面上と比較して、癌細胞の表面で、より豊かに発現される。そのような腫瘍関連の細胞表面抗原ポリペプチドの識別は、抗体ベースの治療法によって、具体的な標的癌細胞が破壊する能力を与える。
腫瘍関連抗原TAAの例は、下記のそれらを含むが、これに限定されるものではない。便宜上、National Center for Biotechnology Information(NCBI)の核酸とタンパク質配列識別の慣例に従い、これらの抗原(その全ては当該技術で知られている)に関する情報を、以下に記載され、名前、他の名前、Genbank登録番号と主要引例を含む。下記のTAAと対応する核酸とタンパク質配列は、GenBankのような公共データベースで利用できる。抗体が標的とする腫瘍関連抗原は、引用文献に見られる配列に対し、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の配列同一性を有するすべてのアミノ酸配列変形とアイソフォームを含む。そしてそれらは、TAAが引用文献にみられる配列を持っているため、ほぼ同一の生物学的特徴を持っている。たとえば、変形配列があるTAAは一般的に、対応する羅列された配列を有するTAAと結合する抗体と結合できる。特に、ここにおいて引用される配列と参考文献の開示は、参考文献により明示的に組み込まれる。
(1)BMPR1B(骨形態形成タンパク質受容体タイプ1B,Genbank登録番号NM_001203)
ten Dijke,P.,らScience264(5155):101−104(1994),Oncogene 14(11):1377−1382(1997));国際公開第2004063362号(請求項2);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許第2003134790−A1号(頁38−39);国際公開第2002102235号(請求項13;頁296);国際公開第2003055443号(頁91−92);国際公開第200299122号(実施例2;頁528−530);国際公開第2003029421号(請求項6);国際公開第2003024392号(請求項2;
図112);国際公開第200298358号(請求項1;頁183);国際公開第200254940号(頁100−101);国際公開第200259377号(頁349−350);国際公開第200230268号(請求項27;頁376);国際公開第200148204号(実施例;
図4)
NP_001194骨形態形成タンパク質受容体、タイプIB/pid=NP_001194.1−
相互参照:MIM:603248;NP_001194.1;AY065994
【0197】
(2)E16(LAT1,SLC7A5,Genbank登録番号NM_003486)
Biochem.Biophys.Res.Commun.255(2),283−288(1999),Nature395(6699):288−291(1998),Gaugitsch,H.W.,ら(1992)J.Biol.Chem.267(16):11267−11273);国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200278524号(実施例2);国際公開第200299074号(請求項19;頁127−129);国際公開第200286443号(請求項27;頁222,393);国際公開第2003003906号(請求項10;頁293);国際公開第200264798号(請求項33;頁93−95);国際公開第200014228号(請求項5;頁133−136);米国特許第2003224454号(
図3);国際公開第2003025138号(請求項12;頁150);
NP_003477溶質輸送体ファミリー7(カチオン性アミノ酸輸送体,y+系),メッンバ5/pid=NP_003477.3−ホモ・サピエンス
相互参照:MIM:600182;NP_003477.3;NM_015923;NM_003486_1
【0198】
(3)STEAP1(6回膜貫通型前立腺上皮抗原,Genbank登録番号NM_012449)
Cancer Res.61(15),5857−5860(2001),Hubert,R.S.,ら(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.9(25):14523−14528);国際公開第2004065577号(請求項6);国際公開第2004027049号(
図1L);EP1394274(実施例11);国際公開第2004016225号(請求項2);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許第2003157089号(実施例5);米国特許第2003185830号(実施例5);米国特許第2003064397号(
図2);国際公開第200289747号(実施例5;頁618−619);国際公開第2003022995号(実施例9;
図13A,実施例53;頁173,実施例2;
図2A);NP_036581 6回膜貫通型前立腺上皮抗原
相互参照:MIM:604415;NP_036581.1; NM_012449_1
【0199】
(4)0772P(CA125,MUC16,Genbank登録番号AF361486)
J.Biol.Chem.276(29):27371−27375(2001));国際公開第2004045553号(請求項14);国際公開第200292836号(請求項6;
図12);国際公開第200283866号(請求項15;頁116−121);米国特許第2003124140号(実施例16);相互参照:GI:34501467;AAK74120.3;AF361486_1
【0200】
(5)MPF(MPF,MSLN,SMR,巨核球可能因子(megakaryocyte potentiating factor),メソテリン(mesothelin),Genbank登録番号NM_005823)Yamaguchi,N.,らBiol.Chem.269(2),805−808(1994),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96(20):11531−11536(1999),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93(1):136−140(1996),J.Biol.Chem.270(37):21984−21990(1995));国際公開第2003101283号(請求項14);(国際公開第2002102235号(請求項13;頁287−288);国際公開第2002101075号(請求項4;頁308−309);国際公開第200271928号(頁320−321);国際公開第9410312号(頁52−57);相互参照:MIM:601051;NP_005814.2;NM_005823_1
【0201】
6)Napi3b(NAPI−3B,NPTIIb,SLC34A2,溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム(sodium phosphate)),メンバ2,タイプII ナトリウム依存性リン酸塩輸送体3b,Genbank登録番号NM_006424)
J.Biol.Chem.277(22):19665−19672(2002),Genomics62(2):281−284(1999),Feild,J.A.,ら(1999)Biochem.Biophys.Res.Commun.258(3):578−582);国際公開第2004022778号(請求項2);EP1394274(実施例11);国際公開第2002102235号(請求項13;頁326);EP875569(請求項1;頁17−19);国際公開第200157188号(請求項20;頁329);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第200175177号(請求項24;頁139−140);
相互参照:MIM:604217;NP_006415.1;NM_006424_1
【0202】
(7)Sema5b(FLJ10372,KIAA1445,Mm.42015,SEMA5B,SEMAG,Semaphorin5b Hlog,sema domain, 7トロンボスポンジン繰り返し(タイプ1及びタイプ1のような)(seven thrombospondin repeats (タイプ1およびタイプ1様)),膜貫通ドメイン(商標)及び短細胞質ドメイン,(semaphorin)5B,Genbank登録番号AB040878)
Nagase T.,ら(2000)DNARes.7(2):143−150);国際公開第2004000997号(請求項1);国際公開第2003003984号(請求項1);国際公開第200206339号(請求項1;頁50);国際公開第200188133号(請求項1;頁41−43,48−58);国際公開第2003054152号(請求項20);国際公開第2003101400号(請求項11);
Accession:Q9P283;EMBL;AB040878;BAA95969.1.Genew;HGNC:10737;
【0203】
(8)PSCA hlg(2700050C12Rik,C530008O16Rik,RIKEN cDNA2700050C12,RIKEN cDNA2700050C12gene,Genbank登録番号AY358628);Rossら(2002)Cancer Res.62:2546−2553;米国特許第2003129192号(請求項2); 米国特許第2004044180号(請求項12);米国特許第2004044179号(請求項11);米国特許第2003096961号(請求項11);米国特許第2003232056号(実施例5);国際公開第2003105758号(請求項12);米国特許第2003206918号(実施例5);EP1347046(請求項1);国際公開第2003025148号(請求項20);
相互参照:GI:37182378;AAQ88991.1;AY358628_1
【0204】
(9)ETBR(エンドセリン受容体タイプB(Endothelin type B receptor),Genbank登録番号AY275463);
Nakamuta M.,らBiochem.Biophys.Res.Commun.177,34−39,1991;Ogawa Y.,らBiochem.Biophys.Res.Commun.178,248−255,1991;Arai H.,らJpn.Circ.J.56,1303−1307,1992;Arai H.,らJ.Biol.Chem.268,3463−3470,1993;Sakamoto A.,Yanagisawa M.,らBiochem.Biophys.Res.Commun.178,656−663,1991;Elshourbagy N.A.,らJ.Biol.Chem.268,3873−3879,1993;Haendler B.,らJ.Cardiovasc.Pharmacol.20,s1−S4,1992;Tsutsumi M.,らGene228,43−49,1999;StrausbergR.L.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99,16899−16903,2002;Bourgeois C.,らJ.Clin.Endocrinol.Metab.82,3116−3123,1997;Okamoto Y.,らBiol.Chem.272,21589−21596,1997;Verheij J.B.,らAm.J.Med.Genet.108,223−225,2002;HofstraR.M.W.,らEur.J.Hum.Genet.5,180−185,1997;Puffenberger E.G.,らCell79,1257−1266,1994;Attie T.,ら,Hum.Mol.Genet.4,2407−2409,1995;Auricchio A.,らHum.Mol.Genet.5:351−354,1996;Amiel J.,らHum.Mol.Genet.5,355−357,1996;Hofstra R.M.W.,らNat.Genet.12,445−447,1996;Svensson P.J.,らHum.Genet.103,145−148,1998;Fuchs S.,らMol.Med.7,115−124,2001;Pingault V.,ら(2002)Hum.Genet.111,198−206;国際公開第2004045516号(請求項1);国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004040000号(請求項151);国際公開第2003087768号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200261087号(
図1);国際公開第2003016494号(
図6);国際公開第2003025138号(請求項12;頁144);国際公開第200198351号(請求項1;頁124−125);EP522868(請求項8;
図2);国際公開第200177172号(請求項1;頁297−299);米国特許第2003109676号;米国特許第6518404号(
図3);米国特許第5773223号(請求項1a;Col31−34);国際公開第2004001004号;
【0205】
(10)MSG783(RNF124,仮説タンパク質FLJ20315,Genbank登録番号NM_017763);
国際公開第2003104275号(請求項1);国際公開第2004046342号(実施例2);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第2003083074号(請求項14;頁61);国際公開第2003018621号(請求項1);国際公開第2003024392号(請求項2;
図93);国際公開第200166689号(実施例6);
相互参照:LocusID:54894;NP_060233.2;NM_017763_1
【0206】
(11)STEAP2(HGNC_8639,IPCA−1,PCANAP1,STAMP1,STEAP2,STMP,前立腺癌関連遺伝子1,前立腺がん関連タンパク質1,6回膜貫通型前立腺上皮抗原2,6回膜貫通型前立腺タンパク質,Genbank登録番号AF455138)
Lab.Invest.82(11):1573−1582(2002));国際公開第2003087306号;米国特許第2003064397号(請求項1;
図1);国際公開第200272596号(請求項13;頁54−55);国際公開第200172962号(請求項1;
図4B);国際公開第2003104270号(請求項11);国際公開第2003104270号(請求項16);米国特許第2004005598号(請求項22);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許第2003060612号(請求項12;
図10);国際公開第200226822号(請求項23;
図2);国際公開第200216429号(請求項12;
図10);
相互参照:GI:22655488;AAN04080.1;AF455138_1
【0207】
(12)TrpM4(BR22450,FLJ20041,TRPM4,TRPM4B,一過性受容体電位カチオンチャンネル,サブファミリM,メンバ4,Genbank登録番号NM_017636)
Xu,X.Z.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98(19):10692−10697(2001),Cell109(3):397−407(2002),J.Biol.Chem.278(33):30813−30820(2003));米国特許第2003143557号(請求項4);国際公開第200040614号(請求項14;頁100−103);国際公開第200210382号(請求項1;
図9A);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200230268号(請求項27;頁391);米国特許第2003219806号(請求項4);国際公開第200162794号(請求項14;
図1A−D);
相互参照:MIM:606936;NP_060106.2;NM_017636_1
【0208】
(13)CRIPTO(CR,CR1,CRGF,CRIPTO,TDGF1,テラトーマ由来成長因子,Genbank登録番号NP_003203orNM_003212)
Ciccodicola,A.,らEMBO J.8(7):1987−1991(1989),Am. J.Hum.Genet.49(3):555−565(1991));米国特許第2003224411号(請求項1);国際公開第2003083041号(実施例1);国際公開第2003034984号(請求項12);国際公開第200288170号(請求項2;頁52−53);国際公開第2003024392号(請求項2;
図58);国際公開第200216413号(請求項1;頁94−95,105);国際公開第200222808号(請求項2;
図1);米国特許第5854399号(実施例2;Col17−18);米国特許第5792616号(
図2);
相互参照:MIM:187395;NP_003203.1;NM_003212_1
【0209】
(14)CD21(CR2(補体受容体2) またはC3DR(C3d/Epstein Barrウイルス受容体)またはHs.73792Genbank登録番号M26004)
Fujisakuら(1989)J. Biol.Chem.264(4):2118−2125);Weis J.J.,らJ.Exp.Med.167,1047−1066,1988;Moore M.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84,9194−9198,1987;Barel M.,らMol.Immunol.35,1025−1031,1998;Weis J.J.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83,5639−5643,1986;Sinha S.K.,ら(1993)J.Immunol.150,5311−5320;国際公開第2004045520号 (実施例 4); 米国特許第2004005538号(実施例1);国際公開第2003062401号(請求項9);国際公開第2004045520号(実施例4);国際公開第9102536号(
図9.1−9.9);国際公開第2004020595号(請求項1);
Accession:P20023;Q13866;Q14212;EMBL;M26004;AAA35786.1.
【0210】
(15)CD79b(CD79B,CD79β,IGb(イムノグロブリン関連β),B29,Genbank登録番号NM_000626or11038674)
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(2003)100(7):4126−4131,Blood(2002)100(9):3068−3076,Mullerら(1992)Eur.J.Immunol.22(6):1621−1625);国際公開第2004016225号(請求項2,
図140);国際公開第2003087768号,米国特許第2004101874号(請求項1,頁102);国際公開第2003062401号(請求項9);国際公開第200278524号(実施例2);米国特許第2002150573号(請求項5,頁15);米国特許第5644033号;国際公開第2003048202号(請求項1,頁s306and309);WO99/558658,米国特許第6534482号(請求項13,
図17A/B);国際公開第200055351号(請求項11,頁s1145−1146);
相互参照:MIM:147245;NP_000617.1;NM_000626_1
【0211】
(16)FcRH2(IFGP4,IRTA4,SPAP1A(SH2ドメイン含有 ホスファターゼアンカータンパク質1a),SPAP1B,SPAP1C,Genbank登録番号NM_030764,AY358130)
Genome Res.13(10):2265−2270(2003),Immunogenetics54(2):87−95 (2002),Blood99(8):2662−2669(2002),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98(17):9772−9777(2001),Xu,M.J.,ら(2001)Biochem.Biophys.Res.Commun.280(3):768−775;国際公開第2004016225号(請求項2);国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項5;
図18D−1−18D−2);国際公開第2003097803号(請求項12);国際公開第2003089624号(請求項25);
相互参照:MIM:606509;NP_110391.2;NM_030764_1
【0212】
(17)HER2(ErbB2,Genbank登録番号M11730)
Coussens L.,らScience(1985)230(4730):1132−1139);Yamamoto T.,らNature319,230−234,1986;Semba K.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82,6497−6501,1985;Swiercz J.M.,らJ.Cell Biol.165,869−880,2004;Kuhns J.J.,らJ.Biol.Chem.274,36422−36427,1999;Cho H.−S.,らNature421,756−760,2003;Ehsani A.,ら(1993)Genomics15,426−429; 国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004027049号(
図1I);国際公開第2004009622号;国際公開第2003081210号;国際公開第2003089904号(請求項9);国際公開第2003016475号(請求項1);米国特許第2003118592号;国際公開第2003008537号(請求項1);国際公開第2003055439号(請求項29;
図1A−B);国際公開第2003025228号(請求項37;
図5C);国際公開第200222636号(実施例13;頁95−107);国際公開第200212341号(請求項68;
図7);国際公開第200213847号(頁71−74);国際公開第200214503号(頁114−117);国際公開第200153463号(請求項2;頁41−46);国際公開第200141787号(頁15);国際公開第200044899号(請求項52;
図7);国際公開第200020579号(請求項3;
図2);米国特許第5869445号(請求項3;Col31−38);国際公開第9630514号(請求項2;頁56−61);EP1439393(請求項7);国際公開第2004043361号(請求項7);国際公開第2004022709号;国際公開第200100244号(実施例3;
図4);
Accession:P04626;EMBL;M11767;AAA35808.1.EMBL;M11761;AAA35808.1.
【0213】
(18)NCA(CEACAM6,Genbank登録番号M18728);
Barnett T.,らGenomics3,59−66,1988;Tawaragi Y.,らBiochem.Biophys.Res.Commun.150,89−96,1988;Strausberg R.L.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:16899−16903,2002;国際公開第2004063709号;EP1439393(請求項7);国際公開第2004044178号(実施例4);国際公開第2004031238号;国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200278524号(実施例2);国際公開第200286443号(請求項27;頁427);国際公開第200260317号(請求項2);
Accession:P40199;Q14920;EMBL;M29541;AAA59915.1.EMBL;M18728;
【0214】
(19)MDP(DPEP1,Genbank登録番号BC017023)
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99(26):16899−16903(2002));国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200264798号(請求項33;頁85−87);JP05003790(
図6−8);国際公開第9946284号(
図9);
相互参照:MIM:179780;AAH17023.1;BC017023_1
【0215】
(20)IL20Rα(IL20Ra,ZCYTOR7,Genbank登録番号AF184971);
Clark H.F.,らGenome Res.13,2265−2270,2003;Mungall A.J.,らNature425,805−811,2003;Blumberg H.,らCell104,9−19,2001;Dumoutier L.,らJ.Immunol.167,3545−3549,2001;Parrish−Novak J.,らJ.Biol.Chem.277,47517−47523,2002;Pletnev S.,ら(2003)Biochemistry42:12617−12624;Sheikh F.,ら(2004)J.Immunol.172,2006−2010;EP1394274(実施例11);米国特許第2004005320号(実施例5);国際公開第2003029262号(頁74−75);国際公開第2003002717号(請求項2;頁63);国際公開第200222153号(頁45−47);米国特許第2002042366号(頁20−21);国際公開第200146261号(頁57−59);国際公開第200146232号(頁63−65);国際公開第9837193号(請求項1;頁55−59);
Accession:Q9UHF4;Q6UWA9;Q96SH8;EMBL;AF184971;AAF01320.1.
【0216】
(21)Brevican(BCAN,BEHAB,Genbank登録番号AF229053)
Gary S.C.,らGene256,139−147,2000;Clark H.F.,らGenome Res.13,2265−2270,2003;Strausberg R.L.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99,16899−16903,2002;米国特許第2003186372号(請求項11);米国特許第2003186373号(請求項11);米国特許第2003119131号(請求項1;
図52);米国特許第2003119122号(請求項1;
図52);米国特許第2003119126号(請求項1);米国特許第2003119121号(請求項1;
図52);米国特許第2003119129号(請求項1);米国特許第2003119130号(請求項1);米国特許第2003119128号(請求項1;
図52);米国特許第2003119125号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200202634号(請求項1);
【0217】
(22)EphB2R(DRT,ERK,Hek5,EPHT3,Tyro5,Genbank登録番号NM_004442)
Chan,J.and Watt,V.M.,Oncogene6(6),1057−1061(1991)Oncogene10(5):897−905(1995),Annu.Rev.Neurosci.21:309−345(1998),Int.Rev.Cytol.196:177−244(2000));国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200053216号(請求項1;頁41);国際公開第2004065576号(請求項1);国際公開第2004020583号(請求項9);国際公開第2003004529号(頁128−132);国際公開第200053216号(請求項1;頁42);
相互参照:MIM:600997;NP_004433.2;NM_004442_1
【0218】
(23)ASLG659(B7h,Genbank登録番号AX092328)
米国特許第20040101899号(請求項2);国際公開第2003104399号(請求項11);国際公開第2004000221号(
図3);米国特許第2003165504号(請求項1);米国特許第2003124140号(実施例2);米国特許第2003065143号(
図60);国際公開第2002102235号(請求項13;頁299);米国特許第2003091580号(実施例2);国際公開第200210187号(請求項6;
図10);国際公開第200194641号(請求項12;
図7b);国際公開第200202624号(請求項13;
図1A−1B);米国特許第2002034749号(請求項54;頁45−46);国際公開第200206317号(実施例2;頁320−321,請求項34;頁321−322);国際公開第200271928号(頁468−469);国際公開第200202587号(実施例1;
図1);国際公開第200140269号(実施例3;頁s190−192);国際公開第200036107号(実施例2;頁205−207);国際公開第2004053079号(請求項12);国際公開第2003004989号(請求項1);国際公開第200271928号(頁233−234, 452−453);WO0116318;
【0219】
(24)PSCA(前立腺幹細胞抗原前駆体,Genbank登録番号AJ297436)
Reiter R.E.,らProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.95,1735−1740,1998;Gu Z.,らOncogene19,1288−1296,2000;Biochem.Biophys.Res.Commun.(2000)275(3):783−788;国際公開第2004022709号;EP1394274(実施例11);米国特許第2004018553号(請求項17);国際公開第2003008537号(請求項1);国際公開第200281646号(請求項1;頁164);国際公開第2003003906号(請求項10;頁288);国際公開第200140309号(実施例1;
図17);米国特許第2001055751号(実施例1;
図1b);国際公開第200032752号(請求項18;
図1);国際公開第9851805号(請求項17;頁97);国際公開第9851824号(請求項10;頁94);国際公開第9840403号(請求項2;
図1B);
Accession:O43653;EMBL;AF043498;AAC39607.1.
【0220】
(25)GEDA(Genbank登録番号AY260763);
AAP14954lipoma HMGIC fusion−partner−like protein/pid=AAP14954.1−Homo sapiens
Species:Homo sapiens(human)
国際公開第2003054152号(請求項20);国際公開第2003000842号(請求項1);国際公開第2003023013号(実施例3,請求項20);米国特許第2003194704号(請求項45);
相互参照:GI:30102449;AAP14954.1;AY260763_1
【0221】
(26)BAFF−R(B細胞活性化因子受容体,BLyS受容体3,BR3,Genbank登録番号AF116456);BAFF受容体/pid=NP_443177.1−ホモ・サピエンス
Thompson,J.S.,らScience293(5537),2108−2111(2001);国際公開第2004058309号;国際公開第2004011611号;国際公開第2003045422号(実施例;頁32−33);国際公開第2003014294号(請求項35;
図6B);国際公開第2003035846号(請求項70;頁615−616);国際公開第200294852号(Col136−137);国際公開第200238766号(請求項3;頁133);国際公開第200224909号(実施例3;
図3);
相互参照:MIM:606269;NP_443177.1;NM_052945_1;AF132600
【0222】
(27)CD22(B細胞受容体CD22−Bアイソフォーム,BL−CAM,Lyb−8,Lyb8,SIGLEC−2,FLJ22814,Genbank登録番号AK026467);
Wilsonら(1991)J.Exp.Med.173:137−146;国際公開第2003072036号(請求項1;
図1);
相互参照:MIM:107266;NP_001762.1;NM_001771_1
【0223】
(28)CD79a(CD79A,CD79α,イムノグロブリン関連α,共有結合してIgベータ(CD79B)と相互作用して、Ig M分子と表面で複合体を形成するB細胞特有のタンパク質、細胞分化に関する信号を送る)
,pI:4.84,MW:25028TM:2[P]Gene Chromosome:19q13.2,Genbank登録番号NP_001774.10)
国際公開第2003088808号,米国特許第20030228319号;国際公開第2003062401号(請求項9);米国特許第2002150573号(請求項4,頁s13−14);国際公開第9958658号(請求項13,
図16);国際公開第9207574号(
図1);米国特許第5644033号;Haら(1992)J.Immunol.148(5):1526−1531;Muellerら(1992)Eur.J.Biochem.22:1621−1625;Hashimotoら(1994)Immunogenetics40(4):287−295;Preud’hommeら(1992)Clin.Exp.Immunol.90(1):141−146;Yuら(1992)J.Immunol.148(2)633−637;Sakaguchiら(1988)EMBOJ.7(11):3457−3464;
【0224】
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1,CXCL13ケモカインによって活性化される蛋白質共役受容体、リンパ球移動と体液防御に機能し、HIV−2感染症とおそらくAIDS、リンパ腫、骨髄腫と白血病の発展で役割を果たす。);372aa,pI:8.54MW:41959TM:7[P] Gene Chromosome:11q23.3,Genbank登録番号NP_001707.1)
国際公開第2004040000号;国際公開第2004015426号;米国特許第2003105292号(実施例2);米国特許第6555339号(実施例2);国際公開第200261087号(
図1);国際公開第200157188号(請求項20,頁269);国際公開第200172830号(頁s12−13);国際公開第200022129号(実施例1,頁s152−153,実施例2,頁s254−256);国際公開第9928468号(請求項1,頁38);米国特許第5440021号(実施例2,col49−52);国際公開第9428931号(頁s56−58);国際公開第9217497号(請求項7,
図5);Dobnerら(1992)Eur.J.Immunol.22:2795−2799;Barellaら(1995)Biochem.J.309:773−779;
【0225】
(30)HLA−DOB(ペプチドを結びつけて、それらをCD4+Tリンパ球に出すMHCクラスII分子(Ia抗原)のベータサブユニット);273aa,pI:6.56MW:30820TM:1[P]Gene Chromosome:6p21.3,Genbank登録番号NP_002111.1)
Tonnelleら(1985)EMBO J.4(11):2839−2847;Jonssonら(1989)Immunogenetics29(6):411−413;Beckら(1992)J.Mol.Biol.228:433−441;Strausbergら(2002)Proc.Natl.Acad.Sci USA99:16899−16903;Serveniusら(1987)J.Biol.Chem.262:8759−8766;Beckら(1996)J.Mol.Biol.255:1−13;Naruseら(2002)Tissue Antigens59:512−519;国際公開第9958658号(請求項13,
図15);米国特許第6153408号(Col35−38);米国特許第5976551号(col168−170);米国特許第6011146号(col145−146);Kasaharaら(1989)Immunogenetics30(1):66−68;Larhammarら(1985)J.Biol.Chem.260(26):14111−14119;
【0226】
(31)P2X5(細胞外ATPによって集められたイオンチャネルである、プリン受容体P2Xリガンド開口型のイオンチャネル5、神経発生とシナプス伝達に関係しているかもしれない、不十分性は特発性排尿筋不安定性の病態生理に寄与し得る);422aa),pI:7.63,MW:47206TM:1[P]Gene Chromosome:17p13.3,Genbank登録番号NP_002552.2)
Leら(1997)FEBS Lett.418(1−2):195−199;国際公開第2004047749号;国際公開第2003072035号(請求項10);Touchmanら(2000)Genome Res.10:165−173;国際公開第200222660号(請求項20);国際公開第2003093444号(請求項1);国際公開第2003087768号(請求項1);国際公開第2003029277号(頁82);
【0227】
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72,Lyb−2)PROTEIN SEQUENCE Full maeaity...tafrfpd(1..359;359aa),pI:8.66,MW:40225TM:1[P]Gene Chromosome:9p13.3,Genbank登録番号NP_001773.1)
国際公開第2004042346号(請求項65);国際公開第2003026493号(頁s51−52,57−58);国際公開第200075655号(頁s105−106);Von Hoegenら(1990)J.Immunol.144(12):4870−4877;Strausbergら(2002)Proc.Natl.Acad.Sci USA99:16899−16903;
【0228】
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105),ロイシンリッチリピートファミリーの膜タンパク質タイプI(type I membrane protein of the leucine rich repeat(LRR)family),B細胞の活性化と自然死を規制,機能の喪失は全身性紅斑性狼瘡患者の増加する病気活動と関係);661aa,pI:6.20,MW:74147TM:1[P]Gene Chromosome:5q12,Genbank登録番号NP_005573.1)
米国特許第2002193567号;国際公開第9707198号(請求項11,頁s39−42);Miuraら(1996)Genomics38(3):299−304;Miuraら(1998)Blood92:2815−2822;国際公開第2003083047号;国際公開第9744452号(請求項8,頁s57−61);国際公開第200012130号(頁s24−26);
【0229】
(34)FcRH1(Fc受容体様タンパク質1,C2type Ig様及びITAMドメインを含むイムノグロブリンFcドメインの推測受容体,Bリンパ球分化に機能する可能性);429aa,pI:5.28,MW:46925TM:1[P]Gene Chromosome:1q21−1q22,Genbank登録番号NP_443170.1)
国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項6,
図18E−1−18−E−2);Davisら(2001)Proc.Natl.Acad.Sci USA98(17):9772−9777;国際公開第2003089624号(請求項8);EP1347046(請求項1);国際公開第2003089624号(請求項7);
【0230】
(35)IRTA2(イムノグロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2,リンパ腫形成とB細胞発達に機能する可能性がある推定の免疫受容体;移動による遺伝子の規制緩和は、若干のB細胞悪性腫瘍に起こる);977aa,pI:6.88MW:106468TM:1[P]Gene Chromosome:1q21,Genbank登録番号Human:AF343662,AF343663,AF343664,AF343665,AF369794,AF397453,AK090423,AK090475,AL834187,AY358085;Mouse:AK089756,AY158090,AY506558;NP_112571.1
国際公開第2003024392号(請求項2,
図97);Nakayamaら(2000)Biochem.Biophys.Res.Commun.277(1):124−127;国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項3,
図18B−1−18B−2);
【0231】
(36)TENB2(TMEFF2,tomoregulin,TPEF,HPP1,TR,推定膜貫通プロテオグリカン,EGF/ヘレグリンファミリー成長因子及びホリスタチンに関連する);374aa,NCBI Accession:AAD55776,AAF91397,AAG49451,NCBI RefSeq:NP_057276;NCBI Gene:23671;OMIM:605734;SwissProt Q9UIK5;Genbank登録番号AF179274;AY358907,CAF85723,CQ782436
国際公開第2004074320号(SEQ ID NO810);JP2004113151(SEQ ID NOS2,4,8);国際公開第2003042661号(SEQ ID NO580);国際公開第2003009814号(SEQ ID NO411);EP1295944(頁s69−70);国際公開第200230268号(頁329);国際公開第200190304号(SEQ ID NO2706);米国特許第2004249130号;米国特許第2004022727号;国際公開第2004063355号;米国特許第2004197325号;米国特許第2003232350号;米国特許第2004005563号;米国特許第2003124579号;Horie ら(2000)Genomics67:146−152;Uchidaら(1999)Biochem.Biophys.Res.Commun.266:593−602;Liangら(2000)Cancer Res.60:4907−12;Glynne−Jonesら(2001)Int J Cancer.Oct15;94(2):178−84;
【0232】
(37)PMEL17(silver相同体(homolog);SILV;D12S53E;PMEL17;(SI);(SIL);ME20;gp100)BC001414;BT007202;M32295;M77348;NM_006928;McGlinchey,R.P.ら(2009)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.106(33),13731−13736;Kummer,M.P.ら(2009)J.Biol.Chem.284(4),2296−2306;
【0233】
(38)TMEFF1(EGF様および2つのホリスタチン様ドメイン1を有する膜貫通蛋白質);Tomoregulin−1;H7365;C9orf2;C9ORF2;U19878;X83961)NM_080655;NM_003692;Harms,P.W.(2003)GenesDev.17(21),2624−2629;Gery,S.ら(2003)Oncogene 22(18):2723−2727;
【0234】
(39)GDNF−Ra1(GDNFファミリー受容体α1;GFRA1;GDNFR;GDNFRA;RETL1;TRNR1;RET1L;GDNFR−alpha1;GFR−ALPHA−1;U95847;BC014962;NM_145793)NM_005264;Kim,M.H.ら(2009)Mol.Cell.Biol.29(8),2264−2277;Treanor,J.J.ら(1996)Nature382(6586):80−83;
【0235】
(40)Ly6E(リンパ球抗原6複合体,遺伝子座E(locus E);Ly67,RIG−E,SCA−2,TSA−1)NP_002337.1;NM_002346.2;de Nooij−van Dalen,A.G.ら(2003)Int.J.Cancer103(6),768−774;Zammit,D.J.ら(2002)Mol.Cell.Biol.22(3):946−952;
【0236】
(41)TMEM46(SHISA相同体2(shisa homolog2(Xenopus laevis));SHISA2)NP_001007539.1;NM_001007538.1;Furushima,K.ら(2007)Dev.Biol.306(2),480−492;Clark,H.F.ら(2003)Genome Res.13(10):2265−2270;
【0237】
(42)Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体,遺伝子座G6D;Ly6−D,MEGT1)NP_067079.2;NM_021246.2;Mallya,M.ら(2002)Genomics80(1):113−123;Ribas,G.ら(1999)J.Immunol.163(1):278−287;
【0238】
(43)LGR5(G蛋白質共役受容体5を含むロイシンリッチリピート(leucine−rich repeat−containing G protein−coupled receptor5);GPR49,GPR67)NP_003658.1;NM_003667.2;Salanti,G.ら(2009)Am.J.Epidemiol.170(5):537−545;Yamamoto,Y.ら(2003)Hepatology37(3):528−533;
【0239】
(44)RET(retプロト癌遺伝子;MEN2A;HSCR1;MEN2B;MTC1;(PTC);CDHF12;Hs.168114;RET51;RET−ELE1)NP_066124.1;NM_020975.4;Tsukamoto,H.ら(2009)Cancer Sci.100(10):1895−1901;Narita,N.ら(2009)Oncogene28(34):3058−3068;
【0240】
(45)LY6K(リンパ球抗原6複合体,遺伝子座K;LY6K;HSJ001348;FLJ35226)NP_059997.3;NM_017527.3;Ishikawa,N.ら(2007)Cancer Res.67(24):11601−11611;de Nooij−van Dalen,A.G.ら(2003)Int.J.Cancer103(6):768−774;
【0241】
(46)GPR19(G蛋白質共役受容体19(G protein−coupled receptor19);Mm.4787)NP_006134.1;NM_006143.2;Montpetit,A.and Sinnett,D.(1999)Hum.Genet.105(1−2):162−164;O’Dowd,B.F.ら(1996)FEBS Lett.394(3):325−329;
【0242】
(47)GPR54(KISS1受容体;KISS1R;GPR54;HOT7T175;AXOR12)NP_115940.2;NM_032551.4;Navenot,J.M.ら(2009)Mol.Pharmacol.75(6):1300−1306;Hata,K.ら(2009)Anticancer Res.29(2):617−623;
【0243】
(48)ASPHD1(アスパラギン酸βヒドロキシラーゼドメイン含有1;LOC253982)NP_859069.2;NM_181718.3;Gerhard,D.S.ら(2004)Genome Res.14(10B):2121−2127;
【0244】
(49)チロシナーゼ(TYR;OCAIA;OCA1A;チロシナーゼ(tyrosinase);SHEP3)NP_000363.1;NM_000372.4;Bishop,D.T.ら(2009)Nat.Genet.41(8):920−925;Nan,H.ら(2009)Int.J.Cancer125(4):909−917;
【0245】
(50)TMEM118(リングフィンガータンパク質,膜貫通2;RNFT2;FLJ14627)NP_001103373.1;NM_001109903.1;Clark,H.F.ら(2003)Genome Res.13(10):2265−2270;Scherer,S.E.ら(2006)Nature440(7082):346−351
【0246】
(51)GPR172A(G蛋白質共役受容体172A(G protein−coupled receptor172A);GPCR41;FLJ11856;D15Ertd747e)NP_078807.1;NM_024531.3;Ericsson,T.A.ら(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100(11):6759−6764;Takeda,S.ら(2002)FEBS Lett.520(1−3):97−101.
【0247】
一実施形態において、抗体は下記のポリペプチド:BMPR1B、E16、STEAP1、0772P、MPF、Napi3b、Sema5b、PSCA hlg、ETBR、MSG783、STEAP2、TrpM4、CRIPTO、CD21、CD79b、FcRH2、HER2、NCA、MDP、IL20Rα、ブレビカン、EphB2R、ASLG659、PSCA、GEDA、BAFF−R、CD22、CD79a、CXCR5、HLA−DOB、P2X5、CD72、LY64、FcRH1、IRTA2、TENB2、PMEL17、TMEFF1、GDNF−Ra1、Ly6E、TMEM46、Ly6G6D、LGR5、RET、LY6K、GPR19、GPR54、ASPHD1、チロシナーゼ、TMEM118、GPR172A及びCD33の1つ以上に結合する。
一実施形態において、抗体はBMPR1Bに結合し、
一実施形態において、抗体はE16に結合し、
一実施形態において、抗体はSTEAP1に結合し、
一実施形態において、抗体は0772Pに結合し、
一実施形態において、抗体はMPFに結合し、
一実施形態において、抗体はNapi3bに結合し、
一実施形態において、抗体はSema5bに結合し、
一実施形態において、抗体はPSCA hlgに結合し、
一実施形態において、抗体はETBRに結合し、
一実施形態において、抗体はMSG783に結合し、
一実施形態において、抗体はSTEAP2に結合し、
一実施形態において、抗体はTrpM4に結合し、
一実施形態において、抗体はCRIPTOに結合し、
一実施形態において、抗体はCD21に結合し、
一実施形態において、抗体はCD79bに結合し、
一実施形態において、抗体はFcRH2に結合し、
一実施形態において、抗体はHER2に結合し、
一実施形態において、抗体はNCAに結合し、
一実施形態において、抗体はMDPに結合し、
一実施形態において、抗体はIL20Rαに結合し、
一実施形態において、抗体はブレビカンに結合し、
一実施形態において、抗体はEphB2Rに結合し、
一実施形態において、抗体はASLG659に結合し、
一実施形態において、抗体はPSCAに結合し、
一実施形態において、抗体はGEDAに結合し、
一実施形態において、抗体はBAFF−Rに結合し、
一実施形態において、抗体はCD22に結合し、
一実施形態において、抗体はCD79aに結合し、
一実施形態において、抗体はCXCR5に結合し、
一実施形態において、抗体はHLA−DOBに結合し、
一実施形態において、抗体はP2X5 に結合し、
一実施形態において、抗体はCD72に結合し、
一実施形態において、抗体はLY64に結合し、
一実施形態において、抗体はFcRH1に結合し、
一実施形態において、抗体はIRTA2に結合し、
一実施形態において、抗体はTENB2に結合し、
一実施形態において、抗体はPMEL17に結合し、
一実施形態において、抗体はTMEFF1に結合し、
一実施形態において、抗体はGDNF−Ra1に結合し、
一実施形態において、抗体はLy6Eに結合し、
一実施形態において、抗体はTMEM46に結合し、
一実施形態において、抗体はLy6G6Dに結合し、
一実施形態において、抗体はLGR5に結合し、
一実施形態において、抗体はRETに結合し、
一実施形態において、抗体はLY6Kに結合し、
一実施形態において、抗体はGPR19に結合し、
一実施形態において、抗体はGPR54に結合し、
一実施形態において、抗体はASPHD1に結合し、
一実施形態において、抗体はチロシナーゼに結合し、
一実施形態において、抗体はTMEM118に結合し、
一実施形態において、抗体はGPR172Aに結合し、
一実施形態において、抗体はCD33に結合する。
【0248】
親抗体はアルブミン結合ペプチド(ABP)配列を含む融合タンパク質であってもよい(Dennisら(2002)“Albumin Binding As A General Strategy For Improving The Pharmacokinetics Of Proteins”J Biol Chem.277:35035−35043、国際公開第01/45746号)。本発明の抗体は、(i)Dennisら(2002) J Biol Chem.
277:35035−35043、表III及びIV、35038頁、(ii)米国特許第20040001827号、[0076]及び(iii)国際公開第01/45746号、12−13頁に教授される、ABP配列を含む融合タンパク質を含み、これら全てが本明細書に、参照することによって組み込まれる。抗体は、例えば、米国特許第4816567号に記載され既知であるように、組み替えの方法及び組成物を使用して生成可能である。幾つかの実施形態において、抗体は真核生物宿主の細胞(例えば哺乳類宿主の細胞)にて生成される。幾つかの実施形態において、抗体は原核生物の細胞(例えばE.coli)にて生成される。
【0249】
ある特定の実施形態において、1つ以上のアミノ酸修飾を、本明細書に記載の抗体のFc領域に導入してもよく、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域変異体は、1つ以上のアミノ酸位置でアミノ酸修飾(例えば、置換)を含む、ヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のFc領域)を含んでもよい。
【0250】
ある特定の実施形態において、本発明は全てではなく幾つかのエフェクター機能を有する抗体変異物を企図し、それによって、抗体の体内半減期が重要だが特定のエフェクター機能(例えば補体及びADCC)は不要または有害である用途に望ましい候補となる。体外及び/または体内の細胞毒性アッセイを、CDC及び/またはADCCの活性の低下/減少を確認するために実行してもよい。例えば、Fc受容体(FcR)結合に関しては、抗体がFcγR結合を欠ける(それで恐らくADCC活性も欠ける)が、FcRn結合の能力を保持することを確かめるためにアッセイを行える。
【0251】
ADCの薬剤負荷
薬剤負荷は抗体あたりの平均薬剤部分数である。薬剤負荷は抗体(Ab)につき1〜8の薬剤(D)であってもよく、すなわち、1、2、3、4、5、6、7及び8の薬剤が抗体に共有結合している。ADCの組成物は範囲1〜8の薬剤と共役される抗体の収集を含む。共役反応によるADCの組成物において抗体あたりの平均薬剤数は、質量分析、ELISAアッセイ、電気泳動及びHPLCのような従来の手段によって特定可能である。pに対してADCの量的分布も特定可能である。ELISAでは、特定のADC組成物におけるpの平均値を特定可能である(Hamblettら(2004)Clin. Cancer Res.10:7063−7070;Sandersonら(2005)Clin.Cancer Res. 11:843−852)。しかし、p値(薬剤)の分布は抗体−抗原結合及びELISAの検知制限により特定できない。また抗体−薬剤複合検知のためのELISAアッセイは、薬剤部分、例えば重鎖または軽鎖断片、または特定のアミノ酸残渣が、どこで抗体に付着するかを特定しない。幾つかの場合には、均一ADCの分離、精製及び特性化は、pがADCからの特定数値であり他の薬剤負荷を有する場合、逆位相HPLCまたは電気泳動のような手段により達成可能である。幾つかの抗体−薬剤複合体において、pは抗体にて付着部位数により制限されることがある。例えば、抗体は1つのみ、または複数のシステインチオル基を有するか、または1つのみ、またはそれらを介しリンカーを付着可能である複数の十分反応的なチオル基を有してもよい。より高い薬剤負荷、例えばp>5は、ある特定の抗体−薬剤複合体において凝集、不溶性、毒性または細胞透過性の損失を引き起こすことがある。
【0252】
典型的に共役反応において、理論上最大より少ない薬剤部分が交代に複合体化される。抗体は、例えばリンカー−薬剤中間品(X−L−D)またはリンカー試薬と反応しない多くのリジン残基を含み得る。最も反応的なリジン基のみ、アミン反応的リンカー試薬と反応することができる。また、最も反応的なシステインチオル基のみ、チオル−反応的リンカー試薬またはリンカー−薬剤中間品と反応することもある。一般的に抗体は、含むとしても、沢山の薬剤部分に結合可能な自由で反応的システインチオル基を含まない。化合物の抗体内で殆どのシステインチオル残渣は、ジスルフィドのブリッジとして存在し、部分的また全体の還元条件下でジチオスレイトール(DTT)またはTCEPのような還元剤により還元しなければならない。ADCの負荷(薬剤/抗体比率、「DAR」)は(i)抗体に対してリンカー−薬剤中間品またはリンカー試薬のモル余分を制限すること、(ii)共役反応時間または温度を制限すること、(iii)システインチオル変更における部分的または制限された還元条件を含めて多数の方法により制御可能である。
【0253】
抗体の1つより多い求核基または求電子基がリンカー−薬剤中間品またはリンカー試薬に続いて二量体薬剤部分試薬と反応する場合、結果となる生成物は抗体に付着する薬剤部分の分布、例えば1、2、3等を有する抗体−薬剤複合体の混合物である。液体クロマトグラフィー方法、例えばポリマー逆位相(PLRP)及び疎水性相互作用(HIC)は、薬剤負荷値で混合物内の化合物を分離することがある。単一の薬剤負荷値(p)を有するADCの調製を分離してもよいが、これら単一の薬剤負荷値を有するADCは、それでも異種混合物であることがあり、なぜなら薬剤部分はリンカーを介し、抗体上の異なる部位に付着出来るからである。したがって本発明の抗体−薬剤複合体組成物は、抗体が1つ以上の薬剤部分を有し、薬剤部分が様々なアミノ酸残渣にて抗体に付着可能である、抗体−薬剤複合体の化合物の混合物を含む。
【0254】
したがって、本発明は複合体の収集も含み、各複合体はp以外は同一の式である。
【0255】
例示的な薬剤部分
非制限の例示的なADCのPBD二量体成分は式AまたはB:
【化57】
【化58】
で表されるもの及びその塩及び溶媒和物であり、
式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
点線はC1とC2またはC2とC3の間に二重結合の任意の存在を示し、
R
22はH、OH、=O、=CH
2、CN、R
m、OR
m、=CH−R
D、=C(R
D)
2、O−SO
2−R
m、CO
2R
m及びCOR
mから独立して選択され、またハロまたはジハロから任意にさらに選択され、そこでR
DはR
m、CO
2R
m、COR
m、CHO、CO
2H及びハロから独立して選択され、
R
66及びR
99はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
R
77はH、R
m、OH、OR
m、SH、SR
m、NH
2、NHR
m、NR
mR
p、NO
2、Me
3Sn及びハロから独立して選択され、
QはO、S及びNHから独立して選択され、
R
11はHまたはR
mであるか、あるいはQがOである場合、SO
3Mであり、そこでMは金属カチオンであり、
R
m及びR
pはそれぞれ任意に置換されたC
1-8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
3−C
8シクロアルキル、C
3-8ヘテロシクリル、C
5-20アリール及びC
5-20ヘテロアリールの基から独立して選択され、そして任意にNR
mR
p基に対して、R
m及びR
pは、それらが付着している窒素原子とともに任意に置換された4員、5員、6員または7員のヘテロシクロ環を形成し、
R
12、R
16、R
19、R
21及びR
17はそれぞれR
22、R
66、R
99、R
11及びR
77について定義されたとおりであり、
R”はC
3−C
12アルキレン基であり、その鎖は1つ以上のヘテロ原子、例えば、O、S、N(H)、NMeによって中断され得、及び/または芳香族環、例えばベンゼンまたはピリジンであり、それらの環は任意に置換され、
X及びX’はO、S及びN(H)から独立して選択され、
R
Cはキャッピング基である。
【0256】
幾つかの実施形態において、R
99及びR
19はHである。
【0257】
幾つかの実施形態において、R
66及びR
16はHである。
【0258】
幾つかの実施形態において、R
77及びR
17は両方共OR
7Aであり、R
7Aは任意に置換されたC
1−C
4アルキルである。幾つかの実施形態において、R
7AはMeである。別の実施形態においては、R
7AはCH
2Phである。
【0259】
幾つかの実施形態において、XはOである。
【0260】
幾つかの実施形態において、R
11はHである。別の実施形態においては、R
11はSO
3Mであり、Mは金属カチオンである。カチオンはNa
+であってもよい。
【0261】
幾つかの実施形態において、C1とC2の間に、またC2とC3の間に二重結合は無い。
【0262】
幾つかの実施形態において、各モノマー単位においてC2とC3の間に二重結合がある。
【0263】
幾つかの実施形態において、R
12及び/またはR
22がC
5-20アリールまたはC
1-8アルキルである場合、C2とC3の間に二重結合がある。
【0264】
幾つかの実施形態において、各モノマー単位においてC1とC2の間に二重結合がある。
【0265】
幾つかの実施形態において、R
12及び/またはR
22がC
5-20アリールまたはC
1-8アルキルである場合、C1とC2の間に二重結合がある。
【0266】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立してH、=O、=CH
2、R
m、=CH−R
D及び=C(R
D)
2から選択される。
【0267】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立してH及びR
mから選択される。
【0268】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12はHである。
【0269】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立してR
mである。幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して任意に置換C
5−C
20アリールである。幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して任意に置換C
5-7アリールである。幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して任意に置換C
8-10アリールである。幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して任意に置換フェニルである。
【0270】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して1つ〜3つの置換基を有し、1つ及び2つがより望ましく、単独置換基が最も好ましい。置換基は、どの位置であってもよい。
【0271】
R
22及び/またはR
12がC
5-7アリール基の場合、単独の置換基は好ましくは、化合物の残りとの結合に隣接しない環の原子に置かれ、すなわち、好ましくは化合物の残りとの結合に対してβまたはγである。したがって、C
5-7アリール基がフェニルである場合、置換基は好ましくは、メタまたはパラ位置に置かれ、より好ましくは、パラ位置に置かれる。
【0272】
R
22及び/またはR
12が任意に置換されたC
5−C
20アリールである場合、置換基はハロ、ヒドロキシル、エーテル、フォルミル、アシル、カルボキシ、エステル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アヒルアミド、アミノカルボニルオキシ、ウレイド、ニトロ、シアノ及びチオエーテルから選択してもよい。
【0273】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は独立して=O、=CH
2、=CH−R
D及び=C(R
D)
2から選択される。PBD化合物内では、=CH−R
D基は下記の構成のどちらかを有してもよい。
【化59】
【0274】
幾つかの実施形態において、構成は構成(I)である。
【0275】
幾つかの実施形態において、R
22及びR
12は=CH
2である。
【0276】
幾つかの実施形態において、R”はC
3、C
5、C
7、C
9及びC
11アルキレン基から選択される。
【0277】
幾つかの実施形態において、R”はC
3、C
5及びC
7アルキレン基から選択される。
【0278】
幾つかの実施形態において、R”はC
3アルキレン基またはC
5アルキレン基である。
【0279】
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式A(I):
【化60】
の構造を有し、式中、nは0または1である。
【0280】
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式B(I):
【化61】
の構造を有し、式中、nは0または1である。
【0281】
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式A(II):
【化62】
の構造を有し、式中、nは0または1である。
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式B(II):
【化63】
のこうぞうを有し、式中、nは0または1である。
【0282】
さらなる非制限の例示的なADCのPBD二量体成分は式A(III):
【化64】
で表され、
式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
OHに接続する波線はSまたはR構成を示し、
R
V1及びR
V2は独立してH、メチル、エチル及びフェニル(そのフェニルは、特に第4位で、フルオロにより任意に置換してもよい)及びC
5-6ヘテロシクロアルキルから選択され、
nは0または1である。幾つかの実施形態において、R
V1及びR
V2は独立してH、フェニル及び4−フルオロフェニルから選択される。
【0283】
さらなる非制限の例示的なADCのPBD二量体成分は式B(III):
【化65】
で表され、
式中、
波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示し、
OHに接続する波線はSまたはR構成を示し、
R
V1及びR
V2は独立してH、メチル、エチル及びフェニル(そのフェニルは、特に第4位で、フルオロにより任意に置換してもよい)及びC
5-6ヘテロシクロアルキルから選択され、nは0または1である。
【0284】
幾つかの実施形態において、R
V1及びR
V2は独立してH、フェニル及び4−フルオロフェニルから選択される。
【0285】
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式A(IV):
【化66】
の構造を有し、
式中、Ar
1及びAr
2はそれぞれ独立して任意に置換C
5-20アリールまたはC
5-20ヘテロアリールであり、nは0または1である。Ar
1及びAr
2は同一であっても異なってもよい。
【0286】
幾つかの実施形態において、例示的なADCのPBD二量体成分は式B(IV):
【化67】
の構造を有し、
式中、Ar
1及びAr
2はそれぞれ独立して任意に置換C
5-20アリールまたはC
5-20ヘテロアリールであり、nは0または1である。Ar
1及びAr
2は同一であっても異なってもよい。
【0287】
一実施形態において、上記の各実施形態においてAr
1及びAr
2は独立して任意に置換されるフェニル、フラニル、チオフェニル及びピリジルから選択される。
【0288】
一実施形態において、上記の各実施形態においてAr
1及びAr
2は任意に置換されるフェニルである。
【0289】
上記の各実施形態においてAr
1及びAr
2は任意に置換されたチエン−2−イルまたはチエン−3−イルである。
【0290】
幾つかの実施形態において、リンカーはPBD二量体薬剤部分の様々な部位で、B環のN10イミン、C環のC−2エンド/エキソ位置またはA環を結合するテザー単位(下記の構造C(I)及びC(II)を参照)を含めて、付着可能である。
【0291】
非制限の例示的なADCのPBD二量体成分は式C(I)及びC(II):
【化68】
【化69】
を含む。
【0292】
式C(I)及びC(II)はN10−C11イミン形態として示される。例示的なPBD薬剤部分は、以下の表に示すように、カルビノールアミン及び保護カルビノールアミン形態も含む。
【化70】
式中、
XはCH
2(n=1〜5)、NまたはOであり、
R
77及びR
17は独立してOR
m及びNR
22bから選択され、R
mは1〜5の炭酸原子を含む、一次、二次または三次アルキル鎖であり、
R
22a、R
12a、R
22b及びR
12bはそれぞれ独立してH、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
5−C
20アリール(置換アリールを含む)、C
5−C
20ヘテロアリール基、−NH
2、−NHMe、−OH及びSHから選択され、そこで幾つかの実施形態において、アルキル、アルケニル及びアルキニル鎖は5つの炭酸原子まで含み、
R
66及びR
16は独立してH、OR、NHR及びNR
22bから選択され、Rは1〜5の炭酸原子を含む、一次、二次または三次アルキル鎖であり、
R
99及びR
19は独立してH、Me及びOMeから選択され、
R
11aはC
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
2−C
8アルキニル、C
5-20アリール(ハロ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アルキル、ヘテロシクリルで置換されるアリールを含み)及びC
5−C
20ヘテロアリール基から選択され、そこで幾つかの実施形態において、アルキル、アルケニル及びアルキニル鎖は5つの炭酸原子まで含み、
R
11は、H、C
1−C
8アルキルまたは保護基(例えばアセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、9−フルオレニルメチルエノキシカルボニル(Fmoc)またはバリンーシトルリンーPABのような自壊単位を含む部分)であり、
R
11aはH、C
1−C
8アルキルまたは保護基であり、
R
1、R
22a、R
12a、R
22b、R
12bまたはR
11aの1つの水素またはA環の間の−OCH
2CH
2(X)
nCH
2CH
2O−スペーサーの水素はADCのリンカーに接続する結合で置換される。
例示的なADCのPDB二量体部分は、(波線はリンカーへの共有結合性の付着部位を示す)
【化71】
を含むがそれに制限されない。
【0293】
PBD二量体及びペプチド模倣薬リンカーを含むADCの非制限の例示的な実施形態は、下記の構造体を含む。
【化72】
PBD二量体−PML−PAB−Ab;
【化73】
PBD二量体−PML−PAB−Ab;
【0294】
PBD二量体及びADCに含まれるPBD二量体は既知の方法で調製可能である。例えば、国際公開第2009/016516号、米国特許第2009/304710号、米国特許第2010/047257号、米国特許第2009/036431号、米国特許第2011/0256157号、国際公開第2011/130598号、国際公開第2013/055987号を参照。
【0295】
合成
式VIIIに記載の二量体中間体の合成において1つの可能な経路を以下に示す。
【化74】
【化75】
【0296】
上記のスキームにおいて、R
Lは抗体に結合する基、すなわちL/Str−PM−Sp−、またはその基の前駆体を表す。幾つかの合成方法において、最初に添加された基は、脱保護後にStr基を添加したPM−Sp−Inの保護形態であってもよい。
【0297】
非結合PBD単位がN10位置でR
Cを有する化合物は、上記の方法の変形で製造しても良く、そこでProt
NはR
C(または前駆体、とその後の変換物)で置換される。
【0298】
一般的に非対称の二量体は、N10−C11結合に対して、分子の対称を壊すために、式IVに記載のbis−アミノ化合物をクロロギ酸試薬の1つの同等物と反応させることによって調製可能である。残る自由アミンを独立して機能化しリンク基前駆体(R
L)を導入してもよい。さらなる機能的基操作によってPBD B−環を閉鎖して保護基を取り外すことによって標的分子を得る。
【0299】
式IVの化合物は典型的に、適切に機能化されたC環断片(I)を式IIのA環含有二量体コアに結合することによって調製される。C環断片は既知のカルバメート保護メチル4−オキソプロリネート構成部分から調製されてもよい。WittigまたはHorner−Emmons条件下でオレフィン化を活用し、エンドまたはエキソ不飽和アルケレンを生成可能である。C環及びA環断片はトリエチルアミンの存在下で標準条件下で、A環断片の酸塩化物誘導体を使用し結合し、タイプIIIの分子を得られる。この段階で異なるC環を導入することによって対称を壊してもよい。式IIIの化合物は、エンドまたはエキソC環不飽和に影響を及ぼさず、酢酸またはギ酸中で、亜鉛により還元し式IVの分子を得られる。
【0300】
あるいは、適切な4−ヒドロキシピルロリジン構成部分を式IIの二量体コアに結合してもよい。ヒドロキシル基はケトンに酸化され、エノルトリフレートに変換可能である。鈴木結合を利用しプロC2置換基を導入可能である(例えば、アリール、アルケニル、等)。
【0301】
その後ニトロ基はアミンに還元されても良く、1つのアミンは保護され、もう1つの方は、リンカー基を負荷出来るように自由にされてもよい。
【0302】
タイプVIの非対称なカルバメートは、タイプIVのbisアミンを、ピリジンまたはトリエチルアミンの存在下で市販(または容易に調製可能)クロロギ酸の単独同等物で反応させることによって調製可能である。クロロギ酸はプロリンカー基(R
L)に使用されるものに直角する適切なカルバメートに基づく窒素保護基(Prot
N)を得るように選択可能である。R
Lカルバメートは、残るアミノ基をイソシアネートに変換し、R
Lアルコールで急冷することによって導入可能である。あるいは、R
Lアルコールはクロロギ酸または機能的な同等物(フルオロギ酸、pニトロカルボネート、ペンタフルオロカルボネートまたはヒドロキシベンゾトリアゾールカルボネート)に変換可能である。最後に、残るアミノ基は反応的pニトロカルバメート、ペンタフルオロカルバメートまたはヒドロキシベンゾトリアゾールカルバメートに変換してもよく、それをR
Lアルコールで変位し式VIの分子を得られる。
【0303】
式VIIの分子は、例えば水性酢酸で、シリル保護基を取り外すことによって、式VIの分子から調製可能である。Dess−Martinペリオジナン(またはTPAP/NMO、PDCまたはSwern条件下)での酸化によって環閉鎖生成物を得る。
【0304】
式Vの複合体は、カルバメートに基づく窒素保護基を取り外すことによって式VIIの分子から調製可能である。
【0305】
化合物II
式(II)の化合物の合成は国際公開第2006/111759号に記載され、Gregsonら(J.Med.Chem.2001、44、1161−1174)にも記載される。それらに記載される化合物(II)の調製は、参照することによって明示的に本明細書に組み込まれる。
【0306】
PBD二量体の既知の合成方法も参考とし、Antonow,D.及びThurston,D.E.、Chem.
Rev.2011 111(4)、2815−2864に考案されるものを含む。
【0307】
さらなる関連開示が国際公開第2010/091150号に記載される。国際公開第2010/091150号に記載の中間化合物は上記の方法にも活用可能である。
【0308】
適応及び治法
本発明の抗体−薬剤複合体(ADC)が様々な病気または疾患(例えば、腫瘍抗原の過度発言を特徴とするもの)の治療に使用されることが企図される。例示的な病状または過剰増殖性の疾患は良性または悪性の固形腫瘍及び、白血病及びリンパの悪性腫瘍のような血液学の疾患を含む。他にも、ニューロンの、グリアの、アストロシタル、視床下部の、腺の、マクロフェージの、上皮の、間質の、胞胚腔の、炎症の、血管形成の、及びジコメ駅を含めて、免疫系の、疾患を含む。ある特定の実施形態において、上記のように、抗NaPi3b抗体を含む本発明のADCは、固形腫瘍、例えば卵巣腫瘍、の療法に使用される。別の実施形態においては、上記のように、抗CD33抗体を含む本発明のADCは、血液学悪性腫瘍、例えば非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大造血リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ細胞白血病、複数の骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄性細胞白血病(MCL)、またB細胞関係の癌及び増殖症を含む、療法に使用される。米国特許第8226945号;Liら(2013)Mol.Cancer Ther.12(7):1255−1265;Polsonら(2010)Leukemia24:1566−1573;Polsonら(2011)Expert Opin.Investig.Drugs20(1):75−85を参照。それらの内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0309】
別の実施形態において、本明細書に記載の抗MUC16抗体を含む本発明のADCは、卵巣癌、乳癌及び膵癌治法に使用される。該癌はMUC16/CA125/O772Pポリペプチドの発現または作用に関連するものであってもよい。国際公開第2007/001851号、米国特許第7989595号、米国特許第8449883号、米国特許第7723485号;Chenら(2007)Cancer Res.67(10):4924−4932;Junutulaら、(2008)Nature Biotech.、26(8):925−932を参照とし、その内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0310】
特定の実施形態において、本明細書に記載の抗HER2抗体を含む本発明のADCは、癌治法、例えば乳癌または胃癌、より具体的にHER2+乳癌または胃癌に使用され、該治法はそのような治療が必要となっている患者にそのADCを投与することを含む。そのような一実施形態において、ADCは抗HER2抗体のトラスツズマブまたはペルツズマブを含む。
【0311】
一般的に、取り扱われるべき病気は癌のような過増殖症である。治療される癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、そして、白血病またはリンパ悪性が含まれる。もっと具体的な例としては、上皮扁平上皮癌などの扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞性肺癌、肺の腺癌と肺の扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜癌、肝細胞性癌、胃腸癌を含む胃癌、膵癌、グリア芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、大腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜であるか子宮癌、唾液腺癌、腎臓または腎臓癌(前立腺癌)、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌、陰茎癌と頭頚部癌がある。
【0312】
抗体薬複合体が治療で使われる可能性がある自己免疫疾患としては、以下が含まれる:リウマチ学の障害(例えば関節リウマチ、シェーグレンの症候群、強皮症、狼瘡(例えば全身性エリテマトーデス(SLE)と狼瘡性腎炎)、多発筋炎/皮膚筋炎、寒冷グロブリン血、抗リン脂質抗体症候群、乾癬性関節炎)、骨関節炎、自己免疫胃腸及び肝臓障害、炎症性大腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎とクローン病)、自己免疫胃炎と悪性貧血、自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎とセリアック病)、脈管炎(例:チャーグストラウス症候群、ヴェゲナーの肉芽腫症と多発動脈炎を含むANCA関連の脈管炎)、自己免疫神経障害(例:多発性硬化症(眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病と自己免疫多発神経障害))、腎臓障害(例:糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群とベルガーの病気)、自己免疫皮膚科的障害(例:乾癬、蕁麻疹、尋常性天疱瘡、類天疱瘡と皮膚エリテマトーデス)、血液学的な障害(例:血小板減少紫斑病、血栓性血小板減少紫斑病、輸血後紫斑病と自己免疫溶血性貧血)、アテローム性動脈硬化症、ブドウ膜炎、自己免疫聴力病(例:内耳病と聴力損失)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植と自己免疫内分泌の障害(例:糖尿病患者関連の自己免疫病気(例:インシュリン依存性真性糖尿病(IDDM)、アジソン病と自己免疫甲状腺の病気(例:グレーブス病と甲状腺炎))。
【0313】
病気の予防または治療のために、分子が予防あるいは治療目的で投与されたかどうかにかかわらず、上記定めたように、ADCの適切な適用量は治療される病気の種類、病気のひどさと病気の過程、前の治療、患者の病歴と抗体への反応と主治の医者の裁量に依存する。分子は一度に、または数回に分けて投与されるが好ましい。病気の種類とひどさに応じて、およそ1g/kg〜15mg/kg(例えば0.1〜20mg/kg)の分子が最初の候補投薬量で、一回または数回の投与あるいは継続ある点滴による投与にかかわらず。典型的1日の投薬量は、およそ1g/kgから、上記の要因に従い、100mg/kg以上にわたり得る。患者に投与されるADCの典型的な適用量は、およそ0.1〜10mg/kg(患者計量)の範囲にある。
【0314】
実験
一般的な実験方法
分析HPLC方法
水の移動相(A)(ギ酸0.1%)及びアセトニトロリル(B)(ギ酸0.1%)を使用するLC/MS(Shimadzu LCMS−2020)。勾配:初期組成物5%Bは0.25分にわたって保持され、それから2分間で5%Bから100%Bまで増加された。組成物は0.50分で100%Bに保持され、それから0.05分で5%Bに戻され、0.05分にわたって保持された。合計勾配ラン時間は3分であった。流量は0.8mL/分であった。波長検知範囲:190〜800nm。炉温度:50°C。コラム:Waters Acquity UPLC BEH Shield RP18 1.7μm 2.1x50mm。
【0315】
分取HPLC法
逆位相超高性能の液体クロマトグラフィー (UPLC)は、調製業務のためにPhenomenex Gemini NX5μC−18 150x21.20mmコラムにて行われた。すべての実験は下記の勾配条件下で行われた:初期固定組成物13%Bから15分で75%Bまで増加され、2.0分で75%Bに保持され、それから0.10分以内に75%Bから13%Bに減少され、2.90分にわたって13%に保持された。勾配ランの合計期間は20.00分であった。使用された溶離液は溶媒A(H
2Oに0.1%ギ酸)及び溶媒B(CH
3CNに0.1%ギ酸)であった。使用された流量は分取HPLCに対して20.0mL/分であった。検知は254及び280nmであった。
【0316】
中間体の合成
a)アリル1−[[(1S)−1−[[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]カルバモイル]−4−ウレイド−ブチル]カルバモイル]シクロブタンカルボン酸塩(18)
【化76】
【0317】
(i)DCM及びMeOH(100mL/50mL)における化合物I1(4.0g、10.0mmol)の溶液に、4−アミノ−フェニル−メタノール(I2)(1.60g、13mmol、1.3当量)及びEEDQ(3.2g、13mmol、1.3当量)を添加した。混合物を室温で16時間N
2下で攪拌した後、LCMSは化合物I1が消費されたことを示した。混合物は濃縮され、茶色い固形物を得て、MTBE(200mL)を添加し、混合物を15°Cで2時間攪拌された。固形物は回収され、MTBE(50mL x2)で洗浄され、I3(4.2g、84%)をオレンジ色の固形物として得た。LCMS (ESI、5−95/1.5min):保持時間=0.807min、M+H
+=503.0;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ9.98(s、1H)、7.89(d、J=7.2Hz、2H)、7.73(d、J=4.8Hz、2H)、7.70−7.65(m、1H)、7.56(d、J=8.4Hz、2H)、7.41(d、J=7.2Hz、2H)、7.33−7.32(m、2H)、7.24(d、J=8.4Hz、2H)、5.99(m、1H)、5.42(s、2H)、5.11−5.08(t、J=5.6Hz,1H)、4.36(d、J=5.6Hz、2H)、4.27(s、2H)、4.26−4.18(m、2H)、3.33−2.94(m、2H)、1.67−1.59(m、2H)、1.47−1.40(m、2H).
【0318】
(ii)脱水DMF(20mL)中の化合物I3(4.2g、8.3mmol)の攪拌された溶液に、ピペリジン(1.65mL、17mmol、2.0当量)を室温で滴下して加えた。混合物は室温で30分攪拌され、固形物が沈殿し始めた。脱水DCM(50mL)を添付し、混合物は即座に透明となった。混合物は、さらに室温で30分攪拌され、LCMSは化合物I3が消費されたことを示した。減圧下で濃縮され、ピペリジンを除去され、残渣はEtOAc及びH
2Oに分割された(50mL/20mL)。水相をEtOAc(50mLx2)で洗浄され、濃縮され、化合物I4(2.2g、94%)を油として(DMF少量を含み)得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ7.95(s、1H)、7.58(d、J=8.4Hz、2H)、7.23(d、J=8.4Hz、2H)、5.96−5.93(m、1H)、5.37(s、2H)、5.15−5.05(m、1H)、4.42(s、2H)、3.25(m、1H)、3.0−2.9(m、2H)、1.65−1.35(m、4H).
【0319】
(iii)DME(50mL)中の化合物I5(8.0g、29.7mmol)の溶液に、水中(30mL)の化合物I4(6.0g、21.4mmol)及びNaHCO
3(7.48g、89.0mmol)の溶液を添加した。混合物は室温で16時間攪拌された。混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮され、残渣はカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)により精製され,粗製化合物I6(6.4g、68.7%)を、白い固形物として得た。LCMS(ESI、5−95/1.5min):保持時間=0.692min、M+H
+=435.0。
【0320】
(iv)THF/MeOH(20mL/10mL)中の化合物I6(6.4g、14.7mmol)の攪拌された溶液に室温でH
2O(20mL)中のLiOH・H
2O(1.2g、28.6mmol)の溶液を添加した。反応混合物が室温で16時間攪拌された後、溶媒を減圧下で除去し、残渣はプレHPLCにより精製され、化合物I7(3.5g、58.5%)を得た。LCMS(ESI、5−95/1.5min):保持時間=0.575min、M+H
+=406.9。
1H NMR(400MHz、メタノール−d
4)δ8.86(d、J=8.4Hz、2H)、8.51(d、J=8.4Hz、2H)、5.88−5.86(m、2H)、5.78(s、2H)、4.51−4.49(m、3H)、4.38−4.36(m、1H)、3.86−3.84(m、1H)、3.84−3.82(m、2H)、3.82−3.80(m、1H)、3.30−3.06(m、3H)、2.96−2.91(m、1H)、2.82−2.74(m、2H).
【0321】
(v)DMF(10mL)中の化合物I7(1.30g、3.2mmol)の混合物にKF(0.557g、9.6mmol)及びBu
4N
+HSO
-4(0.101g、0.9mmol)を添加した。化合物I8(0.50mL、過剰)を滴下して加えた。混合物を13°Cで2時間攪拌し、LCMSは254nmで化合物18(86%)の生成を示した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM中の10%〜15%MeOH)により精製され、生成物を油状物質(1.1g)として得た。油状物質を水中で溶解し、凍結乾燥により乾燥され18を粉末(1.0g、70%)として得た。SFC分析は89.4%のeeを示した。LCMS(ESI、5−95/1.5min):保持時間=0.721min、M+H
+=447.0。
1H NMR(400MHz、メタノール−d
4)δ7.58(d、J=8.8Hz、2H)、7.31(d、J=8.0Hz、2H)、6.01−5.93(m、1H)、5.35(dd、J=16.8Hz、1H)、5.24−5.21(m、J=9.6Hz,1H)、4.69−4.68(d、J=5.6Hz、1H)、4.56−4.53(m、3H)、3.25−3.05(m、2H)、2.70−2.50(m、4H)、2.10−2.00(m、1H)、2.00−1.89(m、2H)、1.76−1.58(m、1H)、1.58−1.49(m、2H).
【0322】
b)(2S)−2−[4−[(1S)−1−アミノ−2−メチル−プロピル]トリアゾール1−イル]−N−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−ウレイド−ペンタナミド(10)
【化77】
【0323】
(i)NaN
3(20g、285.7mmol)の溶液を蒸留H
2O(75mL)に溶解し、DCM(100mL)を添加した。氷浴で冷却され、Tf
2O(19.2mL、114.28mmol)を30分にわたってゆっくりと添加され攪拌は3時間続いた。混合物は分離漏斗に置かれ、CH
2Cl
2の相が回収された。水性部分をCH
2Cl
2(50mL×2)で抽出した。トリフリルアジド含有の有機画分をまとめ、一度飽和Na
2CO
3(150mL)で洗浄し、さらに精製せず使用した。化合物I9(10g、57.14mmol)はK
2CO
3(11.83g、85.7mmol)、CuSO
4・5H
2O(1.43g、5.71mmol)、蒸留H
2O(50mL)及びMeOH(100mL)と組み合わせた。生成したCH
2Cl
2(120mL)中のトリフリルアジドを添加し、混合物を室温で終夜攪拌した。その後、有機溶媒を減圧下で除去し、水性スラリーをH
2O(100mL)で希釈した。濃縮HClによりpH6まで酸性化され、0.2MpH6.2リン酸緩衝液(150mL)により希釈され、EtOAC(100mL×3)で、スルホンアミド副生物を除去するために洗浄された。それから水相を濃縮HClでpH2まで酸性化した。EtOAc/MeOH(20:1)(100mL×4)により抽出された。EtOAc/MeOH抽出物を組み合わせ、Na
2SO
4上で乾燥され、蒸発し、さらに精製せず化合物I10を得た(10g、87%)。
【0324】
(ii)無水THF(300mL)中の化合物I11(18.00g、108.36mmol)の溶液にNaH(5.2g、130.03mmol)を0
oCで添加した。混合物を1時間0
oCで攪拌し、それから化合物I12(25.64g、130.03mmol)をゆっくりと混合物に添加した。反応混合物を0°Cで0.5時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲル(PE:EtOAc=1:1)上でカラムクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物I13(20g、96%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ3.84(s、3H)、3.81(s、3H)、2.25(s、3H).
【0325】
(iii)無水DCM(150mL)中の化合物I14(20.0g、79.59mmol)の混合物にEt
3N(24.16g、238.77mmol)及びHATU(45.40g、119.39mmol)を添加した。混合物を室温で15分攪拌し、それからNHMe(OMe)HCl(11.65g、119.39mmol)を添加した。反応混合物は室温終夜攪拌された。混合物をDCMで希釈し、Na
2CO
3飽和水溶液(100mL×3)、飽和クエン酸(100mL×3)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥し、濃縮し、シリカゲル(PE:EtOAc=10:1)でカラムクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物I15(20.0g、85.4%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ7.97(s、1H)、7.73(d、J=9.2Hz、1H)、7.36−7.29(m、5H)、6.01(s、1H)、5.40(dd、J=5.2Hz、1H)、5.08−4.99(m、2H)、4.58(dd、J=2.8Hz、1H)、2.99−2.94(m、2H)、2.21−2.02(m、4H)、1.02−1.33(m、2H)、0.86−0.77(m、6H).
【0326】
(iv)化合物I15(12g、40.77mmol)を無水DCM(40mL)中で溶解し、結果の溶液を乾燥氷/アセトン浴で−78°Cまで冷却した。DIBAL−H(トルエン中で、122.3mL、122.3mmol、1.0 M)を滴下して加え、結果の溶液を−78°Cで4時間攪拌した。余分の水素化物は、MeOH(40mL)を−78°Cで添加することによって急冷され、結果の溶液を室温まで温めた。溶液を蒸発させ、化合物I16(約9.2g、96%)をさらに精製せず得た。
【0327】
(v)MeOH(150mL)中の化合物I16(粗製、約9.2g、39.1mmol)及び化合物I13(11.27g、58.65mmol)の溶液に、K
2CO
3(16.2g、117.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜攪拌した。混合物を真空で濃縮し、シリカゲル(PE: EtOAc=50:1)上でコラム クロマトグラフィーで精製し、所望の生成物I17(4g、44%)を得た。
【0328】
(vi)DMF(15mL)中の化合物I17(4.0g、17.29mmol)及び化合物I10(4.17g、20.75mmol)の溶液に、Cu(CH
3CN)
4PF
6(1.29g、3.46mmol)を添加した。反応混合物を60°C、2時間で攪拌した。混合物を精製し、化合物I18(5.0g、66.8%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 7.97(s、1H)、7.73(d、J=9.2Hz、1H)、7.36−7.29(m、5H)、6.01(s、1H)、5.40(dd、J=5.2Hz、1H)、5.08−4.99(m、2H)、4.58(dd、J=2.8Hz、1H)、2.99−2.94(m、2H)、2.21−2.02(m、4H)、1.02−1.33(m、2H)、0.86−0.77(m、6H).
【0329】
(vii)DMF(15mL)中の化合物I18(粗製、約3.8g、8.79mmol)の溶液にEEDQ(4.34g、17.58mmol)及び化合物I19(1.62g、13.18mmol)を0
oCで添加した。反応混合物は室温でN
2下で終夜攪拌された。混合物は分取HPLCにより精製され化合物I20(650mg、13.7%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 10.52 (d、J=6.8Hz、1H)、8.05(s、1H)、7.72(d、J=9.2Hz、2H)、7.33−7.23(m、7H)、6.01(s、1H)、5.47−5.43(m、3H)、5.04−4.96(m、2H)、4.59−4.54(m、1H)、4.41(s、2H)、3.04−2.94(m、3H)、2.09−1.97(m、4H)、1.24(t、J=6.4Hz、2H)、0.82−0.74(m、6H).
【0330】
(viii)MeOH(15mL)中の化合物I20(650mg、1.21mmol)の反応にPd/C(300mg)を添加した。反応混合物は室温でN
2下で2時間攪拌された。反応混合物は濾過され、濾液を濃縮し10(450mg、92%)を得た。LCMS(ESI):保持時間=0.611min、M+H
+=404.0。方法=5−95/1.5分。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 10.55(s、1H)、8.03(d、J=7.6Hz、1H)、7.51(d、J=8.4Hz、2H)、7.23(d、J=8.4、2H)、6.05(t、J=5.6Hz、1H)、5.46−5.42(m、3H)、5.14(s、1H)、4.40(s、2H)、3.76(d、J=5.2Hz、2H)、3.00−2.93(m、3H)、2.09−2.04(m、2H)、1.90−1.87(m、1H)、1.25−1.21(m、2H)、0.82−0.77(m、6H).
【0331】
(c)アリル N−[(1S)−1−[1−[(1S)−1−[[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]カルバモイル]−4−ウレイド−ブチル]トリアゾール4−イル]−2−メチル−プロピル]カルバメート(2)
【化78】
【0332】
(i)無水DCM(150mL)化合物I21(20.0g、79.59mmol)の混合物にEt
3N(24.16g、238.77mmol)及びHATU(45.40g、119.39mmol)を添加した。混合物を室温で15分攪拌した後、NHMe(OMe)HCl(11.65g、119.39mmol)を添加した。反応混合物は室温で終夜攪拌された。混合物をDCMで希釈しNa
2CO
3飽和水溶液(100mL×3)、飽和クエン酸(100mL×3)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層をシリカゲル(PE:EtOAc=2:1)上のカラムクロマトグラフィーで乾燥し、濃縮し、で精製し所望の生成物I22(20.0g、85.4%)を得た。
【0333】
(ii)化合物I22(5.0g、16.99mmol)を無水CH
2Cl
2(20mL)に溶解し、結果の溶液は乾燥氷/アセトン浴で−78°Cまで冷却した。DIBAL−H(トルエン中で51.0mL、51.00mmol、1.0M)を滴下して加え、結果の溶液を−78°Cで4時間攪拌した。余分の水素化物を−78°CでMeOH(10mL)を添加することで反応停止処理し、結果の溶液を室温まで温めた。溶液を蒸発させ、さらに精製せず化合物I23(3.2g、80%)を得た。
【0334】
(iii)無水THF(200mL)中の化合物I24(6.00g、36.12mmol)の溶液にNaH(1.73g、43.34mmol)を
oCで添加した。混合物は0
oCで1時間攪拌され、それから化合物I25(7.12g、36.12mmol)をゆっくりと添加した。結果の混合物を0°Cで0.5時間攪拌した。混合物をシリカゲル(PE:EtOAc=2:1)上のカラムクロマトグラフィーで乾燥し、濃縮し、で精製し所望の生成物(6.0g、86.5%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ3.76(s、3H)、3.73(s、3H)、2.22(s、3H)。
【0335】
(iv)MeOH(50mL)中の化合物I23(粗製、約3.20g、13.60mmol)及び化合物I26(5.23g、27.20mmol)の溶液にK
2CO
3(5.64g、40.80mmol)を添加した。反応混合物は室温で終夜攪拌された。混合物を真空で濃縮し、シリカゲル(PE:EtOAc=5:1)上のカラムクロマトグラフィーで精製し所望の生成物I27(2.00g、63.6%)を得た。
1H NMR (400MHz、DMSO−d
6)δ 7.77(d、J=8.8Hz、1H)、7.39−7.30(m、5H)、5.04(s、2H)、4.12−4.07(m、1H)、3.19(d、J=2.4Hz、1H)、1.83−1.74(m、1H)、0.94(d、J=6.8Hz、3H)、0.90(d、J=6.8Hz、3H)。
【0336】
(v)HOAc(20mL)中の化合物I27(2.90g、12.54mmol)の溶液にHBr水溶液(30mL、148.31mmol)を添加した。反応混合物を40
oCで3時間攪拌した後、真空で濃縮し、溶媒を除去した。残渣をH
2O(40mL)で取り上げEtOAc(20mL×3)で洗浄した。水性層をpH10までNa
2CO
3溶液で調節し、またEtOAc(20mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し、HCOOHでpH 5に調節し、濃縮し、所望の生成物I28(1.20g、66.8%)を塩として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 3.89(dd、J=5.2Hz、2.0Hz、1H)、3.59(d、J=2.4Hz、1H)、1.83−1.74(m、1H)、0.96(dd、J=6.4、4.8Hz、6H)。
【0337】
(vi)THF/H
2O(20mL/ 4mL)中の化合物I28(1.30g、9.08mmol)にK
2CO
3(3.76g、27.24mmol)を添加した。Alloc−Cl(1.64g、13.62mmol)を滴下して混合物に0
oCで加えた。反応混合物は室温で0.5時間攪拌された。混合物をEtOAc(20mL×3)抽出し、H
2O(20mL)で洗浄した。組み合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濾過し濃縮した。残渣をシリカゲル(PE:EtOAc=5:1)上のカラムクロマトグラフィーで乾燥し、濃縮し、で精製し化合物I29を得た。(1.3g、79.0%)。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 7.71(d、J=8.8Hz、1H)、5.96−5.86(m、1H)、5.31−5.26(m、1H)、5.20−5.16(m、1H)、4.48(d、J=5.2Hz、2H)、4.09−4.04(m、1H)、3.19(d、J=2.0Hz、1H)、1.82−1.73(m、1H)、0.94(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(d、J=6.8Hz、3H).
【0338】
(vii)NaN
3(7.80g、119.98mmol)の溶液を蒸留H
2O(20mL)に溶解し、CH
2Cl
2(40mL)を添加した。氷浴で冷却され、Tf
2O(3.0mL、19.65mmol)を5分にわたってゆっくりと添加され攪拌はさらに2時間続いた。混合物は分離漏斗に置かれ、CH
2Cl
2相が回収された。水性部分をCH
2Cl
2(30mL×2)で抽出した。トリフリルアジド含有の有機画分をまとめ、一度飽和Na
2CO
3(40mL)で洗浄し、さらに精製せず使用した。化合物I30(1.80g、10.27mmol)はK
2CO
3(2.13g、15.41mmol)、CuSO
4・5H
2O(257mg、1.03mmol)、蒸留H
2O(40mL)及びMeOH(80mL)中で混合した。上記生成したCH
2Cl
2(100mL)中のトリフリルアジドを添加し、混合物を室温で終夜攪拌した。その後、有機溶媒を減圧下で除去し、水性スラリーをH
2O(50mL)で希釈した。濃縮HClによりpH6まで酸性化され、0.2M pH6.2リン酸緩衝液(50mL)により希釈され、EtOAC(100mL×3)で、スルホンアミド副生物を除去するために洗浄された。それから水相を濃縮HClでpH2まで酸性化した。EtOAc/MeOH(20:1)(100mL×4)により抽出された。EtOAc/MeOH抽出物を組み合わせ、Na
2SO
4上で乾燥され、蒸発し、さらに精製せず化合物I31を得た(1.6g、77.4%)。
【0339】
(viii)DMF(10mL)中の化合物I31(1.70g、8.45mmol)及び化合物I29(1.23g、6.76mmol)の溶液にCu(CH
3CN)
4PF
6(315mg、0.85mmol)を添加した。反応混合物を50°Cで2時間攪拌し、混合物を次のステップに直接に使用した。
【0340】
(ix)DMF(15mL)中の化合物I32(粗製、約2.50g、6.54mmol)の混合物に、EEDQ(2.42g、9.81mmol)及び化合物I33(1.21g、9.81mmol)を添加した。反応混合物を0
oC〜室温でN
2保護下で終夜攪拌した。混合物はプレHPLC(FA)で精製され、粗製生成物を得て、それからMTBEで洗浄し純粋生成物を得た。SFC分離後、2(1.10g、34.5%)及び2’(220mg、6.9%)を得た.
2:LCMS(ESI):保持時間=0.973分、M+H
+=488.0。方法=10−80/2分。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ 10.53(s、1H)、8.08(s、1H)、7.66(d、J=9.6Hz、1H)、7.54(dd、J=6.8、2.0Hz、2H)、7.26(d、J=8.4Hz、2H)、6.02(t、J=5.6Hz、1H)、5.94−5.87(m、1H)、5.48(dd、J=8.8、6.8Hz、1H)、5.41(s、2H)、5.28(dd、J=17.2、1.6Hz、1H)、5.16(dd、J=10.4、1.2Hz、1H)、5.13(t、J=5.6Hz、1H)、4.58(dd、J=9.2、6.8Hz、1H)、4.49−4.46(m、2H)、4.44(d、J=5.6Hz、2H)、3.04−2.97(m、2H)、2.14−2.01(m、3H)、1.29−1.23(m、2H)、0.85(d、J=6.8Hz、3H)、0.78(d、J=6.8Hz、3H).
【0341】
2’:LCMS(ESI):保持時間=0.980min、M+H
+=488.0。方法=10−80 /2分。
1H NMR (400MHz、DMSO−d
6) δ 10.52 (s、1H)、8.07 (s、1H)、7.64 (d、J=9.2Hz、1H)、7.54 (d、J=8.4Hz、2H)、7.27 (d、J=8.8Hz、2H)、6.02 (t、J=5.6Hz、1H)、5.95 − 5.86 (m、1H)、5.47 (dd、J=8.8、6.8Hz、1H)、5.42 (s、2H)、5.28 (dd、J=16.8、1.2Hz、1H)、5.16 (d、J=11.6Hz、1H)、5.13 (t、J=6.0Hz、1H)、4.57 (dd、J=9.2、7.2Hz、1H)、4.49 − 4.46 (m、2H)、4.44 (d、J=5.6Hz、2H)、3.06 − 2.94 (m、2H)、2.16 − 2.02 (m、3H)、1.29 − 1.25 (m、2H)、0.85 (d、J=6.8Hz、3H)、0.78 (d、J=6.8Hz、3H).
【0342】
HPLC分離条件 (2&2’):
機器: SHIMADZU LC−8A
コラム: synergi−10μm、250×50mmI.D.
移動相: H
2O(2‰FAを添加、v/v)はAでMeCNはBである
勾配: B 10−50%
流量: 80mL/分
監視波長: 220nm/254nm
ラン長: 22分/25分
【0343】
SFC分離条件(2 & 2’):
機器: Thar SFC 80
コラム: Chiral PAK AD、5μm ,Daicel Chemical Industries、Ltd
250×30mm I.D.
移動相: A: Supercritical CO2、B:EtOH(0.1%のNH3H2O含有 )、60ml/分でA:B=70:30
コラム温度: 38
oC
ノズル圧力: 100Bar
ノズル温度: 60
oC
蒸発器温度: 20
oC
トリマー温度: 25
oC
波長: 220nm
実施例1: [4−[[(2S)−2−[4−[(1S)−1−[6−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)ヘキサノイルアミノ]−2−メチル−プロピル]トリアゾール1−イル]−5−ウレイド−ペンタノイル]アミノ]フェニル]メチル (6S,6aS)−3−[5−[[(6aS)−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−7,9−ジヒドロ−6aH−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]oxy]ペントキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−6,6a,7,9−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−5−カルボン酸塩 (PBD−LD2)の調製
【化79】
【0344】
化合物1は国際公開第2011/130598号の化合物6である。
【0345】
(i) 4−((S)−2−(4−((S)−1−アミノ−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(5−((5−(5−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−((R)−2−(アセトキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((R)−2−(アセトキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバメート (3)
乾燥THF(25mL)中でアルゴン雰囲気下で室温でトリエチルアミン(0.55g、0.76mL 5.5mmol、2.2当量)をモノアロック保護ビスアニリン1 (1.98g、2.5mmol、1.0当量)及びトリフォスジェン(0.27g、0.9mmol、0.36当量) の攪拌された溶液に添加した。反応混合物を40°Cまで加熱し、試薬をメタノールで処理し、LCMSでメチルカルバメートとして分析した
)、3.59(d、J=2.4Hz、1H)、1.83−1.74(m、1H)、0.96(dd、J=6.4、4.8Hz、6H).
【0346】
脱水THF/DMF(40mL/5mL)中のベンジルアルコール2(1.58g、3.24mmol、1.3当量)の溶液を滴下して新たに調製したイソシアネートに加えた。反応混合物は、LCMSでモニターし、4.5時間で40°Cで完了した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/MeOH 3%〜6%で、1%ずつの増加]で精製し、生成物を白い泡として(1.83g、56%)得た。分析データ:保持時間1.72分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1306 ([M + H]
+.、40 )。
【0347】
(ii) 4−((S)−2−(4−((S)−1−アミノ−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(5−((5−(5−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−((R)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((R)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバメート(4)
H
2O(7mL)中のK
2CO
3(0.96g、7.0mmol、5.0当量)溶液をMeOH(40mL)中の酢酸塩3(1.82g、1.39mmol、1.0当量)に添加した。反応混合物は1時間室温で攪拌された。メタノールは蒸発減圧下で、残渣はH
2O(100mL)で希釈され、1Mクエン酸でpH3まで酸性化された。混合物はDCM(5 x100mL)で抽出された。組み合わせた抽出物は飽和ブライン(200mL)で洗浄され、乾燥され(MgSO
4)、減圧下で蒸発させ、白い泡(1.51g、88%)として生成物を得た。分析データ:RT1.57分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1222 ([M + H]
+.、45 )。
【0348】
(iii)アリル(11S,11aS)−8−((5−(((11S,11aS)−10−(((4−((S)−2−(4−((S)−1−(((アリルoxy)カルボニル)アミノ)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩(5)
安定化された45重量% 2−ヨードキシベンゼン酸(IBX)(1.78g、2.9mmol、2.4当量)を脱水DMSO(90mL)中のビス−アルコール4(1.46g、1.19mmol、1.0当量)溶液に、一度に添加した。溶液を30°Cで32時間攪拌した。反応混合物をDCM(5x150mL)で抽出されたH
2O(500mL)に添加した。組み合わせた抽出物を飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(300mL)、H
2O (300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し乾燥した(MgSO
4)。溶媒は回転蒸発で減圧下で除去され、粗製生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/MeOH 0%〜8%で1%ずつの増加]による精製で白い固形物(0.8g、55%)として生成物を得た。分析データ:保持時間1.52分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1218 ([M + H]
+.,100 )。
【0349】
(iv) 4−((S)−2−(4−((S)−1−アミノ−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (6)
Pd(PPh
3)
4 (14mg、12.4 μmol 0.05当量)を、脱水DCM(20mL)中で、アルゴン雰囲気下で、ビスアロック化合物 5 (0.30g、0.25mmol、1.0当量)及びピルロリジン (39mg、45μL、0.86mmol、2.2当量)の溶液に添加した。溶液を室温で30分で攪拌し濁った懸濁液を得た。溶媒を減圧下で半分で蒸発させ、それからジエチルエーテルで希釈した。沈殿生成物は、濾過により回収され、ジエチルエーテル(x2)で洗浄された。これでは白い粉末としてさらに精製せず生成物を得た(0.25g、100%)。分析データ:保持時間1.15分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1032 ([M + H]
+.,10 ).
【0350】
(v) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ヘキサナミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (7)
EEDQ (12.6mg、51 μmol、1.5当量)を脱水DCM/MeOH(5mL/1mL)のアミン/イミン6 (35mg、34 μmol、1.0当量)及びマレイミドカプロン酸 (7.2mg、34 μmol 1.0当量)の溶液に添加した。溶液を室温で18時間攪拌した。EEDQ(12.6mg、51 μmol、1.5当量)の追加部分を添加し、反応をさらに18時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させられ、残渣は分取HPLCで精製され、凍結乾燥後に、白い泡として生成物を得た(5.5mg、13%)。分析データ:保持時間1.41分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1225 ([M + H]
+.,60)。
【化80】
【0351】
実施例2
(a) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2−ブロモアセタミド)ヘキサナミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩(9a)
EEDQ(36mg、0.15mmol、1.5当量)を脱水DCM/MeOH(6mL/3mL)中のアミン/イミン6(101mg、98 μmol、1.0当量)及びブロモアセタミドカプロン酸8a(30mg、0.12mmol 1.2当量)溶液に添加した。溶液を室温で5日間に攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させられ、残渣は分取HPLCで精製され凍結乾燥上で、白い泡として生成物を得た(25mg、20%)。分析データ:保持時間1.42分; MS (ES+) m/z (相対強度) 1267 ([M + H]+.,20).
【0352】
(b) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2−ブロモアセタミド)ヘキサナミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル(11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩(9b)
EEDQ(36mg、0.15mmol、1.5当量)を脱水DCM/MeOH(6mL/3mL)中のアミN/イミン6(100mg、98 μmol、1.0当量)及びNメチルブロモアセタミドカプロン酸8b(30mg、0.12mmol 1.2当量)の溶液に添加した。溶液を室温で5日間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させられ、残渣は分取HPLCで精製され凍結乾燥上で、白い泡として生成物を得た(16mg、13%)。分析データ:保持時間1.44分; MS (ES+) m/z (相対強度) 1280 ([M + H]+.,20 )。
【0353】
実施例3: [4−[[(2S)−2−[4−[(1S)−1−[6−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)ヘキサノイルアミノ]−2−メチル−プロピル]トリアゾール1−イル]−5−ウレイド−ペンタノイル]アミノ]フェニル]メチル (6S,6aS)−3−[5−[[(6aS)−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−7,9−ジヒドロ−6aH−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]oxy]ペントキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−6,6a,7,9−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−5−カルボン酸塩(PBD−LD2)の別の調製方法
(a) 6−(2,5−diオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)−N−((S)−1−(1−((S)−1−((4−(ヒドロキシメチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール4−イル)−2−メチルプロピル)駅真毎度(12)
【化81】
アミン10(4.37g、10.8mmol、1.0当量)及び2,5−ジオキソピローリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−プルロール−1−イル) ヘキサン塩酸11(3.67g、11.9mmol、1.1当量)を攪拌しながら無水DMF(100mL)に溶解した。反応混合物は室温で2時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発され生成物12を粘性のある黄色い油状物質として得た(6.0g、92%)。分析データ:保持時間1.20分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 597 ([M + H]
+.,100).
【0354】
(b) [4−[[(2S)−2−[4−[(1S)−1−[6−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)ヘキサノイルアミノ]−2−メチル−プロピル]トリアゾール1−イル]−5−ウレイド−ペンタノイル]アミノ]フェニル]メチル (6S,6aS)−3−[5−[[(6aS)−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−7,9−ジヒドロ−6aH−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]oxy]ペントキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−6,6a,7,9−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−5−カルボン酸塩 (7、PBD−LD2)
【化82】
要約
【0355】
(i) トリフォスジーン、ピリジン、THF
(ii) AcOH、THF、H
2O
(iii) IBX、DMSO
(iv) 95% TFA
【0356】
化合物13は国際公開第2013/055987号の化合物9である。
【0357】
(i) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2,5−diオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ヘキサンアミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル (5−((5−(5−((テルト−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−((R)−2−(((テルト−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((R)−2−(((テルト−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバメート (14)
【0358】
トリエチルアミン (0.13g、0.18mL 1.3mmol、2.2当量)を、アルゴン雰囲気下で室温で、脱水THF (15mL)中のモノボック保護ビスアニリン13(0.555g、0.58mmol、1.0当量)及びトリフォスジーン(0.062g、0.21mmol、0.36当量)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を40°Cに加熱され、試薬をメタノールで処理されメチルカルバメートとしてLCMSにより分析された。
【0359】
脱水THF/ピリジン(3mL/3mL)中のベンジルアルコール12(0.51g、0.85mmol、1.45当量)溶液を滴下して、新たに調製されたイソシアネートに加えた。反応混合物がLCMSでモニターされ、4時間で40°Cで完了した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をCHCl
3(100mL)の中に取り上げ、これを飽和CuSO
4溶液(2 x150mL)、飽和ブライン(150mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)し、減圧下で蒸発させられ黄色い泡を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/2%MeOH〜5% MeOHで、1%ずつの増加]で精製し、生成物を白い泡として (0.26g、29%)得た。分析データ:保持時間2.23分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1577 ([M + H]
+.、100)。
【0360】
(ii) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ヘキサンアミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル (5−((5−(5−((テルト−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−((R)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((R)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバメート (15)
AcOH/H
2O (1.5/1) (42mL)をTHF (17mL)中の化合物14(0.934g、0.6mmol、1.0当量)の溶液に添加し、結果の溶液を室温で72時間攪拌した。反応混合物を飽和ナトリウム水素カルボネート溶液でpH8まで塩基性化した。混合物をDCM(4 x100mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を飽和ナトリウム水素カルボネート(300mL)、H
2O (200mL)、飽和ブライン(250mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/MeOH2%〜9%で、1%ずつの増加]で精製し、生成物を白い泡として(0.573g、72%)。分析データ:保持時間1.6分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1347 ([M + H]
+.,100)。
【0361】
(iii) テルト−ブチル(11S,11aS)−8−((5−(((11S,11aS)−10−(((4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ヘキサンアミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (16)
安定化された45重量% 2−ヨードキシベンゼン酸(IBX)( 0.635g、1.02mmol、2.4当量)を脱水DMSO(90mL)中のビス−アルコール(15)(0.573g、0.425mmol、1.0当量)溶液に一度に添加した。溶液を30°Cで21時間攪拌した。さらなる部分のIBX(26mg、42.5 μmol、0.1当量)を添加し、反応をさらに24時間続けた。反応混合物をブライン溶液(500mL)に添加しDCM(5 x150mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を飽和水性重炭酸ナトリウム溶液(300mL)、H
2O (200mL)、ブライン(300mL)で洗浄し乾燥した(MgSO
4)。溶媒は回転蒸発で減圧下で除去され、粗製生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/MeOH 0%〜6%で1%ずつの増加]による精製は白い固形物(0.35g、61%)として生成物を得た。分析データ:保持時間1.53分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1343 ([M + H]
+.,97).
【0362】
(iv) 4−((S)−2−(4−((S)−1−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−プルロル−1−イル)ヘキサンアミド)−2−メチルプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール1−イル)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル (11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (7)
95%トリフルオロ酢酸(16mL)の低温(氷浴)溶液を氷浴で冷却された化合物16に添加した。溶液は0°Cで15分で攪拌され、LCMSで完了と示された。反応混合物を、トリフルオロ酢酸溶液を中和させるために氷及び飽和ナトリウム水素カルボネートの混合物に滴下して加えた。混合物を10%MeOH/CHCl
3 (4 x100mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を飽和ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、減圧下で蒸発させて、生成物を黄色い固形物 (0.337g、106%)として得た。分析データ:保持時間1.45分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1225 ([M + H]
+.,100).
【0363】
実施例4:調製 of [4−[[(2S)−2−[[1−[5−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)ペンチルカルバモイル]シクロブタンカルボニル]アミノ]−5−ウレイド−ペンタノイル]アミノ]フェニル]メチル (6S,6aS)−3−[5−[[(6aS)−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−7,9−ジヒドロ−6aH−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]オキシ]ペントキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−6,6a,7,9−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−5−カルボン酸塩 (24、PBD−LD3)
(a) アリル (5−((5−(5−アミノ−4−((S)−2−(((テルト−ブチルdiメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((S)−2−(((テルト−ブチルdiメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバメート (17)
【化83】
【0364】
化合物17Aは国際公開第2013/055987号の化合物8である。
【0365】
脱水DCM(10mL)のアリルクロロギ酸17A (0.38g、0.34mL、3.2mmol、1.0当量)の溶液を脱水DCM(30mL)中のビスアニリン(2.72g、3.2mmol、1.0当量)及び脱水ピリジン(0.5g、0.52mL、6.4mmol、2.0当量)の溶液に−78°C(ドライアイス/アセトン)で、アルゴン雰囲気下で滴滴に添加した。結果の溶液を−78°Cで1時間攪拌し、室温に至るまで放置された。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和硫酸銅溶液 (2 x200mL)、水(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出60%n−ヘキサン/40%EtOAc〜100%EtOAcで10%ずつの増加]による精製はオフホワイト泡(1.45g、48%)として生成物を得た。分析データ:保持時間2.25分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 937 ([M + H]
+.,100 )、959([M + Na]
+.,60)。
【0366】
(b) [4−[[(2S)−2−[[1−[5−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)ペンチルカルバモイル]シクロブタンカルボニル]アミノ]−5−ウレイド−ペンタノイル]アミノ]フェニル]メチル (6S,6aS)−3−[5−[[(6aS)−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−7,9−ジヒドロ−6aH−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]オキシ]ペントキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−8−メチレン−11−オキソ−6,6a,7,9−テトラヒドロピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−5−カルボン酸塩 (24)
【化84】
要約
【0367】
(i) トリフォスジーン、ピリジン、THF
(ii) TBAF、THF
(iii) IBX、DMSO
(iv) Pd(PPh
3)
4、ピルロリジン、CH
2Cl
2
(v) BOP−Cp、DIEA、DMF
【0368】
(i) アリル 1−(((S)−1−((4−((((5−((5−(5−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−((S)−2−(((テルト−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((S)−2−(((テルト−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)カルバモイル)シクロブタン−1−カルボン酸塩 (19)
脱水THF(25mL)中でアルゴン雰囲気下で室温でトリエチルアミン(1.85g、0.26mL 1.85mmol、2.2当量)をモノアロック保護ビスアニリン17(0.79g、0.84mmol、1.0当量)及びトリフォスジェン(90mg、0.3mmol、0.36当量) の攪拌された溶液に添加した。反応混合物を40°Cまで加熱し、試薬をメタノールで処理し、LCMSでメチルカルバメートとして分析した。
【0369】
脱水THF(20mL)中のベンジルアルコール18(0.49g、1.1mmol、1.3当量)の溶液を滴下して新たに調製したイソシアネートに加えた。反応混合物は、LCMSで監視され、5時間で40°Cで完了した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出EtOAc/0% MeOH〜6% MeOHで、1%ずつの増加]で精製し、生成物を白い泡として (0.73g、61%)得た。分析データ:保持時間2.20分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1410 ([M + H]
+.,50 )、1431 ([M + Na]
+.,50).
【0370】
(ii) アリル 1−(((S)−1−((4−((((5−((5−(5−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−4−((S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ペンチル)オキシ)−2−((S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンピルロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)カルバモイル)シクロブタン−1−カルボン酸塩(20)
テトラ−N−ブチルフッ化アンモニウム(THF中で1.0 M、1.1mL、2.2当量)をアルゴン雰囲気下で脱水THF(20mL)中のビス−TBS化合物19(0.7g、0.5mmol、1.0当量)溶液に添加した。反応混合物は室温で15分攪拌された。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をDCMに再溶解し、ブラインで洗浄し(x1)、乾燥し(MgSO
4)、蒸発させ、淡黄色の油状物質を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出EtOAc/MeOH5%〜15%で、2.5%ずつの増加]で精製し、生成物を白い泡として (0.46g、79%)得た。分析データ:保持時間1.55分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1181 ([M + H]
+.,100).
【0371】
(iii) アリル (11S,11aS)−8−((5−(((11S,11aS)−10−(((4−((S)−2−(1−((アリルオキシ)カルボニル)シクロブタン−1−カルボキサミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,10,11,11a−ヒキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (21)
安定化された45 重量% 2−ヨードキシベンゼン酸(IBX)(0.545g、0.88mmol、2.4当量)を脱水DMSO(31mL)中のビス−アルコール20(0.43g、0.365mmol、1.0当量)溶液に一つの部分として添加した。溶液を30°Cで18時間攪拌した。反応混合物をブライン溶液に添加し、DCM(5 x 75mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)、H
2O(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し乾燥した(MgSO
4)。溶媒は回転蒸発で減圧下で除去され、粗製生成物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー[勾配溶出CHCl
3/MeOH 0%〜6%で1%ずつの増加]による精製は白い泡(0.21g、48%)として生成物を得た。分析データ:保持時間1.48分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1177 ([M + H]
+.,100).
【0372】
(iv) 1−(((S)−1−((4−((((11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,10,11,11a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10−カルボニル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)カルバモイル)シクロブタン−1−カルボン酸 (22)
Pd(PPh
3)
4 (6mg、5.1 μmol 0.06当量)をアルゴン雰囲気下で脱水DCM(5mL)中の化合物 21 (0.1g、85 μmol、1.0当量)及びピルロリジン(15mg、17μL、0.21mmol、2.5当量)の溶液に添加した。溶液を室温で35分攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル(xs)で希釈し、濾過で回収された生成物を沈殿し、ジエチルエーテル(x2)で洗浄した。これでは、さらに精製せず白い粉末として生成物を得た。分析データ:保持時間1.34分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1035 ([M + H]
+.,100).
【0373】
(v) 4−((S)−2−(1−((5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ペンチル)カルバモイル)シクロブタン−1−カルボキサミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル (11S,11aS)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−8−((5−(((S)−7−メトキシ−2−メチレン−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−8−イル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−メチレン−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンe−10(5H)−カルボン酸塩 (24)
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15mg、20μL、116 μmol、3.0当量)をbis(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)塩化ホスフィン(12mg、46.4 μmol、1.2当量)及び酸 22 (40mg、39.1 μmol、1.0当量)の脱水DMF(5mL)中の溶液に、アルゴン雰囲気下で攪拌しながら添加した。5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピルロル−1−イル)ペンタン−1−塩化アンモニウム23(9mg、39.1 μmol、1.0当量)を添加し、混合物を室温で終夜攪拌した。混合物をクエン酸で反応停止処理し、DCM(3 x 50mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を飽和ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し (MgSO
4)減圧下で蒸発させて、黄色い固形物を得て分取HPLCで精製し、生成物を白い泡として凍結乾燥 (4.5mg、10%)上で得た。分析データ:保持時間1.42分; MS (ES
+) m/z (相対強度) 1199 ([M + H]
+.,60).
【0374】
ADCの調製方法
縮小と再酸化による複合体かのためのシステイン操作された抗体の調製
いくつかの場合において、システイン操作された抗体は、発明のリンカー−薬中間体との複合体に反応するよう作られている、表4にあるように、還元剤(例えばDTT(クレランドの試薬(ジチオスレイトール))またはTCEP(塩酸トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)を使った処理によって(Getzら(1999)Anal.Biochem.Vol−273:73−80;Soltec Ventures,Beverly,MA)。全長、CHO細胞で発現されたシステイン操作されたモノクローナル抗体(ThioMabs)(Gomezら(2010)Biotechnology and Bioeng.105(4):748−760、Gomezら(2010)Biotechnol.Prog.26:1438−1445)は、例えば、新しく導入されたシステイン残基とシステインの間で形成され得る培養基に存在するジスルフィド結合を減らすために50倍過剰のDTTにより室温で終夜還元された。
【0375】
軽鎖アミノ酸はKabatによって付番される。(Kabatら,Sequences of proteins of immunological interest,(1991)5th Ed.,US Dept of Health and Human Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD)重鎖アミノ酸は、Kabat systemが言及される以外の場合EU numbering systemに従い付番される(Edelmanら(1969) Proc.Natl.Acad.of Sci.63(1):78−85)。単文字アミノ酸省略形が使われる。
【0376】
全長、CHO細胞で発現するシステイン操作されたモノクローナル抗体(ThioMabs)はシステイン付加物(シスチン)を有し、あるいは細胞培養状況によって、操作されたシステインの上にグルタチオン付加されている。操作されたシステインの反応チオール・グループを放出するために、ThioMabsは500mMのホウ酸ナトリウムと約ph8.0の500mMの塩化ナトリウムで溶かされて、37度で1〜2時間、50〜100倍過剰の1mMのTCEP(塩酸トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)によって還元される(Getzら(1999)Anal.Biochem.Vol273:73−80;Soltec Ventures, Beverly,MA)。あるいは、DTTは還元剤として使われることができる。分子間鎖ジスルフィド結合の形成は、非還元SDS−頁によって、または、逆相HPLC PLRPカラムクロマトグラフィーの特性を奪うことによって、モニターされる。還元したThioMabは薄められて、10mMのナトリウムアセテート(pH5)の中のHiTrap SP FFコラムの上にロードされて、0.3Mの塩化ナトリウムを含むPBS、または150mMの塩化ナトリウムを含む50mMのトリス−Cl(pH7.5)とともに溶出される。
【0377】
ジスルフィド結合は、再酸化を実行することによって、親Mabに存在するシステイン残基の間で復旧される。溶出した還元ThioMabは、3時間の間、15Xまたは2mMのデヒドロアスコルビン酸(dhAA)(7mM)、または50mMのトリス−Cl(pH7.5)で3時間、または終夜室温の2mMの水性硫酸銅(CuSO4)で処理される。酸化剤や酸化条件など、技術で知られている他のオキシダントが、使われるかもしれない。外気酸化は、効果的である場合もある。この軽い、部分的な再酸化ステップは、高忠実度で効率的に内部チェーンジスルフィドを形成する。緩衝装置はSephadexG25樹脂の上への溶出によって交換されて、1mMのDTPAでPBSとともに抜き取られる。溶液の280nmの吸光度から還元した抗体濃度や、DTNB(オールドリッチ、ミルウォーキー、WI)と412nmでの吸収度の決定との反応によって得られるチオール濃度を決定することによって、チオール/Ab価値は、チェックされる。
【0378】
液体クロマトグラフィー/質量分析を、拡張された質量レンジ(熱電子、 カリフォルニア州サンノゼ)で、TSQ Quantum Triple quadrupole(商標)質量分析計で実行した。PRLP−S(登録商標)という、1000A、75°Cまで加熱されるマイクロ口径のコラム(50mm´2.1mm、ポリマー研究所、シュロップシャー、英国)の上で、サンプルは色層分析された。30〜40%のBからの線形勾配(溶媒A:水の中に0.05%のTFA、溶媒B:アセトニトリルの中に0.04%のTFA)が使われて、溶離液は、エレクトロスプレーの源を直接使うことによってイオン化された。データはXcalibur(登録商標)データ・システムによって集められた、そして、解析はProMass(登録商標)(Novatia、LLC、ニュージャージー)を使って実行された。LC/MS分析の前に、抗体または薬複合体(50マイクログラム)は、Nにリンクされた炭水化物を除去するため、37°Cで2時間、PNGaseFで処理された(2単位/ml;PROzyme、サンリアンドロ、CA)。
【0379】
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)サンプルはブチルHIC NPRコラム(2.5ミクロン粒径、4.6mm´3.5cm)(Tosoh Bioscience)の上に注入されて、0.8ml/分で線形勾配0から70%Bと一緒に溶出された。(A:pH7、50mMのリン酸カリウムの中の1.5Mの硫酸アンモニウム、B:50mMのリン酸カリウム(pH7)、20%のイソプロパノール)。複数波長検知器とChemstationソフトウェアを備えたAgilent1100シリーズHPLCシステムは、抗体につき異なる比率の薬を持つ抗体種を分解し、定量するために用いられた。本発明のシステイン操作された抗体は、上述の一般的な方法で調製されることができる。
【0380】
抗体へのリンカー−薬中間体の複合体化(手順1)
操作された抗体シスチンをグルタチオンで混合ジスルフィドとして及び/またはCHO細胞で発現されるシスチンとしてブロックした。これらのシスチンは、複合化の前に「脱ブロック」されなければならなかった。
【0381】
20mMのコハク酸塩、150mMのNaCl、2mMのEDTAの中の脱ブロックされた抗体(5〜12mg/mL)は、75〜100mMのトリス(pH7.5〜8(1Mのトリスを利用する))に入れられた。共溶媒(DMSO、DMFまたはDMA)を抗体溶液に加えた。そして、リンカー−薬(DMSOまたはDMF内で)が続き、10〜13%の最終的な%−有機溶剤と抗体濃度と比較してリンカー−薬2.5〜10Xの最終濃度を得た。反応は、1〜12時間(最大の複合体化が達成されるまで)室温で進行させた。複合体化反応は、処理できるコラム(SマキシまたはZeba、それぞれ)を用いたゲル濾過及び/または陽イオン交換クロマトグラフィーによって精製された。分析SECによって天然複合体がかなり凝集する(例えば、>10%)ならば分取ゲル濾過(S200コラム)によるさらなる精製が実行される。ゲル濾過か透析を使っている製剤バッファ(20mMのHis−acetate、pH5.5、240mMの蔗糖)に、複合体はその後換えられた。トゥイーン−20が0.02%の最終濃度に達するために、精製された複合体にその後加えられた。最終的な複合体濃度は、2.4から7.5mg/mLにわたった(収率%:非ブロックされた抗体から34−81%)。複合体は薬抗体比率(DAR)の測定値を得るためにLCMSによって分析された。そして、それは1.3から2.1にわたる(平均:1.8)。分析SEC(ZenixまたはShodexコラム)を使っている高分子量集計の存在についても、複合体が分析された、最終的な、精製された複合体は、0〜10%の範囲の凝集を示した。複合体はエンドトキシン汚染についても評価された。そして、それは、すべての場合で、1.3EU/mgを超えなかった。遊離の、複合体化されていない薬剤は、最終的な複合体の1%を超えなかった。
【0382】
抗体へのリンカー−薬中間体の複合体化(手順2、代替的な手順)
上記の例の還元と再酸化手順の後、抗体はPBS(リン酸緩衝食塩水)緩衝液に溶かされて、氷の上で冷やされる。過剰は、およそ1.5モルから20当量のマレイミドまたはブロモアセトアミドのようなチオール反応性官能基とのリンカー−薬中間体まで、DMSOで溶かされて、アセトニトリルと水の中で希釈し、冷却して還元し、再酸化されたPBSの中の抗体に加えられる。およそ1時間後に、反応を停止させて、任意の反応していない抗体チオール基をキャップするために、マレイミドの過剰が加えられる。複合体混合物は、過剰な薬−リンカー中間体と他の不純物を除去するために、HiTrap SP FFコラムを通して載せられて溶出され得る。反応混合物は遠心性限外濾過によって濃縮される。そして、システイン操作された抗体薬複合体はPBSにあるG25樹脂を通しての溶出によって精製されて、脱塩され、無菌状態の下で0.2のμmフィルタで濾過され、保管のために冷凍される。
【0383】
本発明のADCは、上の切で記述される手順によって調整することができる。
【0384】
分析評価アッセイ
次いで、選ばれたリンカーが試験されて、試験管内及び生体内分析において活性であるとわかった。劈開データが、下の表に示される。
【0385】
カテプシンB分割分析
ペプチドリンカーのように、ADCのための非ペプチドリンカーは、適当な薬リリースのために適切にリソソームで劈開可能であることが期待される。細胞の消化細胞小器官として、酸性pHで最適加水分解活動を示す多少のプロテアーゼで、リソソームは富化される。カテプシンBは代表的なリソソームプロテアーゼであり、ADCペプチドリンカー(参照)の起動に寄与することが示されている。最初のスクリーンとして、抗体との結合にふさわしい劈開可能リンカー薬構成を確認するために精製されたカテプシンBを使って、分析が開発された。ノルフロキサシンが、リンカー−薬の薬構成要素を表すのに用いられた。支配ペプチド(例えばValCit)に比しての劈開のパーセンテージ、所定の時点で、ならびに劈開反応(KmとVmax)の運動パラメータが測定された。分析の詳しい説明が、下で示される。この分析から、いろいろなタンパク分解性に活発で構造的に多様なリンカーが、特定されて、ADCを作る際に、後で使われた。
【0386】
基質として実験的なリンカー−薬剤を用いるカテプシンB劈開活性が、LC/MSを用いて、ノルフロキサシンの放出をモニターすることによって測定された。様々な濃度のリンカー−薬剤(3倍の連続希釈)を、20nM Cathepsin Bを含んでいる20μL反応物で培養した(EMD Millipore cat.#219364,human liver)、10mMのMES pH 6.0、1mMのDTT、0.03%のCHAPSと25nMノルフロキサシン−d5内部の標準(Santa Cruz Biotechnology,cat.#sc−301482)。反応物は37°Cで1時間培養され、次いで反作を停止させるために60μLの2%のギ酸の追加が続いた。Waters Acquity UPLC BEH Phenyl column(2.1mmx 50mm、waters cat#186002884)へ2μL停止した反応物を注入することによって、試料を分析した。試料は、アセトニトリル(Water Acquity UPLCの0.1%のギ酸)の線形2分の勾配(0%〜80%)を使って精製された。ポジティブMRMモード(ノルフロキサシン320 233m/z、ノルフロキサシン−d5 325 233m/z)で動作するAB Sciex QTrap5500トリプル四重極質量分析計を使って、ノルフロキサシンとノルフロキサシン−d5内部の標準を検出した。定量されたノルフロキサシン(内部の標準に正規化された)をリンカー−薬濃度に対してプロットした、そして、結果として生じるプロットを、運動定数KmとVmaxのためにGraphPad Prismソフトウェアを使用して、マイケリスメンテンフィッティングでと曲線当てはめをした。
【0387】
試験管内の細胞増殖分析
以下のプロトコルを使用して、細胞増殖分析によって、ADCの効能を測定した:(CELLTITER GLO(商標)Luminescent Cell Viability Assay,Promega Corp.Technical Bulletin TB288;Mendozaら(2002)Cancer Res.62:5485−5488)。
1,媒体でおよそ104の細胞(SKBR−3、BT474、MCF7またはMDA−MB−468)を含んでいる細胞培養の100mlの分割量を、96穴、不透明な壁のプレートの各々の穴に置いた。
2.対照穴は媒体を含んで準備されて、細胞はなかった。
3.ADCが実験の穴に加えられて、3〜5日の間培養された。
4.プレートを、およそ30分の間室温に平衡させた。
5.各々の穴に存在する細胞培養培地の量と等しいCELLTITER GLO(商標)試薬の量が加えられた。
6.含有物を、細胞溶解を誘発するために、軌道シェーカーの上で2分間混ぜた。
7.プレートを、発光信号を安定化させるために、10分の間室温で暖めた。
8.発光を記録して、RLU=相対的な発光単位としてグラフので報告した。
標準偏差エラーバーとともに、データを各複製セットにつき、発光の平均としてプロットする。プロトコルは、CELLTITER GLO(商標)発光細胞の修正版である。
媒体:SK−BR−3は、50/50/10%FBS/グルタミン/250のμg/mLG−418で成長。OVCAR−3は、RPMI/20%FBS/グルタミンで成長。
【0388】
生体内分析
1.抗CD33抗体薬複合体(ADC)の有効性を、HL−60またはEOL−1(ヒトの急性脊髄性白血病)のマウス異種移植片モデルで調査した。HL−60細胞系は、ATCCから得られ(米国菌培養収集所;Manassas、VA)、EOL−1細胞系は、DSMZから得られた(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures;Braunschweig,Germany)。
【0389】
雌のC.B−17 SCIDマウス(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ;ホリスター、カリフォルニア州)の各々を、500万細胞のHL−60またはEOL−1で横腹部位の皮下に接種した。異種移植片腫瘍が平均腫瘍100〜300のmm
3(0日目と呼ばれる)量に達したとき、動物は各々7〜10のマウスの群に無作為割当されて、ADCの一回の静脈注射を受けた。ADCの投与のおよそ4時間前に、腫瘍細胞上で起こり得る非特異性の抗体結合部位をブロックするために、動物は過剰量(30mg/kg)の反gD対照抗体で、腹膜内に薬を投与された。マウスの腫瘍と体重を、試験を通して1週につき1〜2回測定した。体重損失がマウスの開始体重の20%超であったとき、マウスはすぐに安楽死させた。腫瘍が3000のmm
3に達するか、切迫した潰瘍化の徴候を示す前に、すべての動物は安楽死させた。
【0390】
2.反Napi2B抗体薬複合体(ADCs)の有効性を、OVCAR3−X2.1(ヒトの卵巣癌)のマウス異種移植片モデルで調査した。OVCAR3細胞系は、ATCCから得られた(米国菌培養収集所;Manassas、VA)、そして、下位系統OVCAR3−X2.1は、マウスの最適増大のために、ジェネンテックで生成した。
【0391】
雌のC.B−17SCID−ベージュ・マウス(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ;サンディエゴ、CA)の各々を、1000万のOVCAR3−X2.1細胞で、胸の乳房の分厚いパッド部位で接種した。異種移植片腫瘍が平均腫瘍100−300のmm
3(0日目と呼ばれる)量に達したとき、動物は各々7〜10のマウスの群れに無作為割当されて、ADCの一回の静脈注射を受けた。マウスの腫瘍と体重は、試験を通して1週につき1〜2回測定した。体重損失がマウスの開始体重の20%超であったとき、マウスはすぐに安楽死させた。腫瘍が3000のmm
3に至るか、切迫した潰瘍化の徴候を示す前に、すべての動物は安楽死させた。
【0392】
反CD22抗体薬複合体(ADC)の有効性は、BJAB−luc(ヒトのバーキットリンパ腫)またはWSU−DLCL2(ヒトのびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)のマウス異種移植片モデルで調査される。BJAB細胞系は、DSMZから得られる(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures;Braunschweig,Germany)。そして、下位系統のBJAB lucは、安定してルシフェラーゼ遺伝子を表すために、ジェネンテックで生成する。WSU−DLCL2細胞系も、DSMZから得られる。
【0393】
雌のC.B−17SCIDマウス(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ;ホリスター、CA)の各々は、2000万細胞のBJAB−lucまたはWSU−DLCL2で横腹部位の皮下に接種をされる。異種移植片腫瘍が平均腫瘍100〜300のmm
3(0日目と呼ばれる)量に達したとき、動物は各々7〜10のマウスの群れに無作為割当されて、ADCの一回の静脈注射を受けた。マウスの腫瘍と体重は、試験を通して1週につき1〜2回測定される。体重損失がマウスの開始体重の20%超であるとき、マウスはすぐに安楽死させる。腫瘍が3000mm
3に達するか、切迫した潰瘍化の徴候を示す前に、すべての動物は安楽死させる。
【0394】
4. 反Her2抗体薬複合体(ADC)の有効性は、MMTV−HER2ファウンダー#5(ネズミ乳房の腫瘍)のマウス同種移植モデルで調査される。MMTV−HER2ファウンダー#5(Fo5)モデル(ジェネンテックで発展)は、ヒトHER2遺伝子が、ネズミ乳房の腫瘍ウイルスプロモーター(MMTV−HER2)の転写調節の下で、乳房の上皮で過剰発現するトランスジェニックマウスモデルである。過剰発現によって、ヒトのHER2レセプターを過剰発現させる乳房の腫瘍の自然発達が起きる。ファウンダー動物(ファウンダー#5、Fo5)の1匹からの乳房の腫瘍は、腫瘍断片の連続移植によって、FVBマウス(チャールズリバーラボラトリーズ)で伝播された。
【0395】
有効性研究のために、Fo5のトランスジェニック乳房の腫瘍が、雌のnu/nuマウス(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ;ホリスター、CA)の胸の乳房の分厚いパッドにサイズおよそ2mm×2mmの腫瘍断片として外科的に移植された。同種移植片腫瘍が平均腫瘍100〜300のmm
3(0日目と呼ばれる)量に達したとき、動物は各々7〜10のマウスの群に無作為割当されて、ADCの一回の静脈注射を受けた。マウスの腫瘍と体重は、試験を通して1週につき1〜2回測定される。体重損失がマウスの開始体重の20%超であるとき、マウスはすぐに安楽死させる。腫瘍が3000のmm
3に達するか、切迫した潰瘍化の徴候を示す前に、すべての動物は安楽死する。
生物学的データ
ADCリンカー−薬剤の構造体
【化85】
【化86】
【化87】
【0396】
PBD−LD1は国際公開第 2011/130598号に記載の化合物87である。
【0397】
配列
NaPi3bヒト化抗体:
一実施形態において、本発明のADCのNapi3b抗体は、3つの軽鎖超可変領域及び3つの重鎖超可変領域(配列番号1−6)を含み、それらの配列を以下に示す。
【0398】
一実施形態において、本発明のADCのNapi3b抗体は、可変軽鎖配列配列番号7の可変軽鎖配列及び配列番号8の可変軽鎖配列を含む。
【0399】
一実施形態において、本発明のADCのNapi3b抗体は、配列番号9の軽鎖配列及び配列番号10重鎖配列を含む。
【0400】
抗CD33のヒト化抗体:
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、3つの軽鎖の超可変領域及び3つの重鎖の超可変領域を含み、それらの配列(配列番号11−16)を以下に示す。
【0401】
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号17の可変軽鎖配列及び配列番号 18の可変軽鎖配列を含む。
【0402】
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号19の可変軽鎖配列及び配列番号20の可変軽鎖配列を含む。
【0403】
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、3つの軽鎖の超可変領域及び3つの重鎖の超可変領域を含み、それらの配列(配列番号19−24)を以下に示す。
【0404】
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号25の可変軽鎖配列及び配列番号26の可変軽鎖配列を含む。一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号27の可変軽鎖配列及び配列番号28の可変軽鎖配列を含む。一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号29の可変軽鎖配列及び配列番号30の可変軽鎖配列を含む。
一実施形態において、本発明のADCの抗CD33抗体は、可変軽鎖配列配列番号31の可変軽鎖配列及び配列番号32の可変軽鎖配列を含む。
【0405】
ADCの体外データ
下記のADCは上記の体外測定で試験され、活性であることが判明された。該ADCの活性は下記の表に示される。
【0406】
ADC体内データ
以下のADCは上記の対内測定で試験され、活性であることが判明された。該ADCの活性度は
図1〜3及び下記の説明に示される。
図1はOVCAR3X2.1のヒト卵巣腫瘍のあるSCIDベージュマウスにおけるNaPi3bのADCの有効性比較を示す。NaPi3b PBDのADC1−1及びADC2−1は両方共、ビヒクル群と比べて腫瘍成長に対して用量依存的な阻害を示した。非標的対照gDまたはCD33 PBDのADCは腫瘍成長に対して顕著な効果があったが、同用量では対応するNaPi3b PBDのADCの効果の方がより良好であった。
【0407】
図2はOVCAR3X2.1のヒト卵巣腫瘍のあるSCIDベージュマウスにおけるNaPi3bのADCの有効性比較を示す。NaPi3b PBDのADC1−1及びADC3−1は両方共、ビヒクル群と比べて腫瘍成長に対して用量依存的な阻害を示した。非標的対照CD33 PBDのADC3−2は腫瘍成長に対して僅かな効果があった。
【0408】
図3はEOL−1ヒト急性骨髄性白血病腫瘍のあるSCIDマウスにおける様々な用量でのCD33PBDのADC2−2の有効性を示す。CD33PBDのADC2−2は腫瘍成長に対して用量依存性の阻害を示し、0.2mg/kgの抗体用量で腫瘍血行停止を、0.5mg/kg以上では腫瘍の寛解を、引き起こした。