【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため、第1の態様によれば、底部および、底部から延びる側壁を備えた外側部品と、底部および、底部から延びる側壁を備えた内側部品と、を備え、内側部品が外側部品内に挿入されるとともに締結されている、化粧用製品容器であって、外側部品の底部が、ブリッジの形態のタブを備えていることと、内側部品の底部が爪を備え、この爪がタブの下で係合し、内側部品を外側部品内に締結することとを特徴とする、化粧用製品容器が提供される。
【0012】
内側部品と外側部品とはこうして、相互に機械式に、取外し不可能な方式で結合しており、すなわち、内側部品と外側部品とは、かなりの困難性を伴ってのみ、場合によっては、部品に傷を付けることになるツールを使用して、相互に分離することができる。
【0013】
さらに、どのような材料でそれら部品が構成されていても、2つの部品を組み合わせるのにかなり都合がよい。一方はたとえばプラスチックとし、他方は金属とすることができる。
【0014】
2つの部品間のカップリングシステムに関する嵩も極めて小さい。さらに、外側部品と内側部品との間の体積の損失が最小になるか、損失がなくなりさえする。
【0015】
ここで、各部品は、底部および、底部の1つの側部から延びる壁を備えている。壁が延びる底部の側部は、こうして、部品の内側を形成する。この側部の外側は、部品の外側である。
【0016】
好ましくは、外側部品の側壁はほぼ円筒状である。側壁は、たとえば底部の周囲全体から、一様な断面で延び、この断面は、底部とほぼ同じ形状を有している。さらに、断面が貫通されていないことが好ましい。
【0017】
内側部品の側壁は、たとえば、所定の位置で貫通されている。さらなる例として、内側部品の側壁は、1つまたは複数の直立部を備えている。例示的実施形態によれば、内側部品の底部はほぼ正方形であり、直立部が底部の1つの角から延びる。
【0018】
有利な例示的実施形態によれば、外側部品の底部と内側部品の底部とが同じ形状を有している。内側部品の底部は、たとえば、外側部品の底部より相似的に小さい。
【0019】
さらに、内側部品の側壁の外側表面が外側部品の側壁の内側表面に接していることがさらに有利である場合がある。
【0020】
例示的実施形態によれば、タブは、2つの並行なスロットによって範囲が規定された外側部品の底部のあるセグメントをプレス成型することによって形成され得る。
【0021】
外側部品は、たとえば金属製である。底部のプレス成型は、このため、タブの形成が特に容易である。
【0022】
タブは、仕上げ動作におけるプレス成型、または任意の他の適切な手段によって形成され得る。
【0023】
たとえば、タブは、外側部品の底部の内側の起伏の中央部分と、中央部分の両側で、中央部分を外側部品の底部に結合する2つの結合アーチと、を備えている。例示的実施形態によれば、中央部分は、ほぼ平坦で、外側部品の底部に平行な部分である。これにより、爪をタブの下に容易に挿入する可能性を最大化しつつ、タブの嵩を低減することが可能である。
【0024】
実際の例示的実施形態によれば、爪は、爪をタブ下に挿入しやすくするように構成された傾斜面を備えている。
【0025】
好ましい例示的実施形態によれば、内側部品の底部は、タブの少なくとも一部分が通る少なくとも1つの主開口を備え、爪がこの主開口の縁部に形成され、主開口内に延び、主開口を通るタブの一部分の下に係合する。タブが平坦部分を備えている場合、タブは、可能な限り小さく、内側部品の底部を越えて延びる。
【0026】
特に有利な別の例示的実施形態によれば、爪が内側部品の底部の厚さの中に形成され、主開口の縁部からその開口内に延びる突出する段状構成を形成する。
【0027】
このことには、外側部品と内側部品との間の結合によって生じる嵩を可能な限り良好に低減するという利点がある。
【0028】
たとえば、爪は、対応するタブ下に当接するように適合した支持面と、爪を対応するタブ下に挿入しやすくするように構成された傾斜面と、を備えている。可能な場合では、支持面は、内側部品の内側の底部の表面と一列に並んで延びるように形成されることが有利であり、主開口内でその開口の縁部から延びる。傾斜面に関して、この傾斜面は、支持面の自由端部の縁部を主開口の縁部に、または任意選択的には、内側部品の外側の底部の表面に結合する平坦な傾斜表面を備えることが有利である。
【0029】
換言すると、爪は、たとえば、内側部品の底部の外側表面の面と、内側表面の面との間に含まれる主開口の輪郭の段状構成によって形成され得る。
【0030】
さらに別の有利な例示的実施形態によれば、内側部品の底部には、少なくとも1つの二次開口を備えている。二次開口は、二次開口自体と、主開口との間に、ロッドの形態の枝部を形成し、爪が枝部上に形成されている。
【0031】
例示的実施形態によれば、内側部品は、タブの少なくとも一部分が通る主開口を間に形成する、2つの枝部を備えている。
【0032】
換言すると、内側部品の底部は、主開口とともに第2の枝部を形成する第2の二次開口を備えている。
【0033】
例示的実施形態によれば、2つの枝部は、互いに対してほぼ平行である。さらに、それら2つの枝部は、タブに対してほぼ平行である。
【0034】
別の実際の実施形態によれば、内側部品は、主開口の縁部に形成された2つの爪を備え、各爪が、タブの両側から主開口を通るタブの一部分の下に係合する。
【0035】
2つの爪は、好ましくは対面している。
【0036】
たとえば、1つの爪が主開口で各枝部から延び、それにより、タブの両側から係合するようになっている。
【0037】
好ましい例示的実施形態によれば、外側部品の底部は2つのタブを有している。2つのタブは、たとえば、ほぼ同一であり、互いに対して平行である。
【0038】
可能性のある場合では、内側部品は、各タブの下と係合する少なくとも1つの爪、または、タブ毎に2つの爪さえ備えている。したがって、タブの2つの爪が、タブの両側からタブの下に係合することが有利である。好ましい実施例によれば、各爪が枝部上に形成されている。
【0039】
したがって、たとえば、内側部品は、枝部の2つの組、すなわち、合計4つの枝部を備えている。
【0040】
4つの枝部と4つの爪のこの構造の形態は、さらに良好に、取外し不可能な組合せを確実にする。この理由は、内側部品を外すために、4つの爪を同時に互いから離すように移動させることが必要になり、このため、特に様々なツールを要することなしでは、これはかなり困難であるか、実際には不可能であるためである。
【0041】
たとえば、容器は、内側部品の底部と外側部品の底部との間に位置するスペーサを備えており、このスペーサは、爪と、爪が下に係合するタブとの間の遊びを占めるように構成されている。
【0042】
そのようなスペーサはたとえば、スタッドまたは板バネである。スペーサはたとえば、内側部品の底部の外側と結合している。
【0043】
有利な実施形態によれば、内側部品が、ほぼ正方形の形状の底部の3つの角に配置された3つの直立部によって形成された壁を備えている場合、有利には、スペーサが、直立部を有していない底部の角に向かって配置され、それにより、その領域において底部のより大きい弾力性を利用するようになっている。
【0044】
別の例によれば、容器は、2つの両側の点、たとえば、底部がたとえばほぼ正方形である場合には、内側部品の底部の対角線上に配置された2つのスペーサを備えている。
【0045】
したがって、有利な例示的実施形態によれば、内側部品の底部が、製造公差から、またはスペーサによって生じる空間からの遊びにほぼ等しい距離だけ、外側部品の底部から離間している。換言すると、製造公差から、またはスペーサによって生じる空間からの潜在的な遊びを考慮することなく、内側部品の底部が外側部品の底部に実質的に接している。
【0046】
好ましい実施態様によれば、そのような容器はたとえば、液体またはペースト状の製品のための容器、たとえば、しばしば「グロス」と呼ばれるリップグロスのための容器であるか、マスカラのための容器であるか、たとえばリップブラシのためのケースであり、特に、スティックが、リップクリームなどの、特に唇を外部の攻撃から保護するための、赤味以外の色であり得る化粧用製品、または、ペースト状の衛生用製品で形成されたリップスティックのためのケースである。
【0047】
可能性のある場合では、容器は、塗布部材と、スリーブおよびケージを備えた、保管および保護のための筒状部材と、を備え、スリーブが外側部品を形成し、ケージが内側部品を形成している。
【0048】
塗布部材は、機構と呼ばれる場合がある。
【0049】
さらに、筒状本体および保管および保護のための筒状部材は、円形の断面を有するか、有していない場合がある。
【0050】
したがって、たとえば、内側部品は、たとえば欧州特許出願公開第2253241号明細書の特許出願(たとえば、外側部品19および内側部品18を示す
図13参照)のように、外側部品の内部の内張のための単一部材とすることができる。同じことが容器を閉じるもの、すなわち容器のキャップに適用可能である。さらなる例として、内側部品は、仏国特許出願公開第2906114号明細書の特許出願、または、たとえば欧州特許出願公開第1060686号明細書に示すような、化粧用製品の供給源とすることができる。
【0051】
あるいは、別の例によれば、容器がリップスティックである場合、塗布部材は、ベースと、このベースに軸方向に結合した筒状本体と、リップスティックのスティックを支持する支持部であって、筒状本体とベースとの間の相対回転移動により、筒状本体内で軸方向に移動し、それにより、スティックが外に出るか、それとは対照的に筒状本体内に引き込まれるように構成された、リップスティックのスティックを支持する支持部と、を備え、ベースと筒状本体とが、ユーザがスティックを必要としない場合にスティックを囲むか保護するために、スリーブと協同する。
【0052】
例示的実施形態によれば、本発明は、添付図面を参照して、どのようにも限定しない、説明的例として与えられた以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解され、その利点がより明確になるであろう。