(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
炭化水素系ブロックコポリマーが、少なくとも一のスチレンブロック並びにブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソプレン、又はそれらの混合物より選択される単位を含む少なくとも一のブロックを含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
インデン炭化水素系樹脂、ペンタンジエン脂肪族樹脂、ペンタンジエンとインデンとの混合樹脂、シクロペンタンジエンダイマーのジエン樹脂、イソプレンダイマーのジエン樹脂、及びそれらの混合物より選択される、少なくとも一の炭化水素系樹脂を含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実際に、本発明による組成物は、乾燥後に光沢があるままである、非粘着性で耐久性のある沈殿物をもたらすことが観察されてきた。加えて、本発明による組成物は、適用しやすく、快適であり、様々なメイクアップ用途(唇、睫毛等のケラチン繊維、特に眉毛)に使用することができる。
【0012】
しかしながら、他の利点は以下の記載及び実施例を読むことでより明確になるであろう。
【0013】
残りの記載において、別途指示がない限り、範囲を示す境界値はその範囲に含まれることを留意すべきである。
【0014】
「少なくとも一の」及び「複数の」という表現は、区別せずに使用される。
【0015】
炭化水素系の油
本発明による組成物は炭化水素系の油を含む。
【0016】
この油は揮発性(25℃で測定される蒸気圧が0.13Pa以上)又は不揮発性(25℃で測定される蒸気圧が0.13Pa未満)であり得る。
【0017】
好ましくは、炭化水素系の油は揮発性である。
【0018】
炭化水素系の油は、室温(25℃)で液体の油(非水性化合物)である。
【0019】
「炭化水素系の油」という用語は、シリコン又はフッ素原子を含有しない、炭素及び水素原子、任意選択的に酸素及び窒素原子により基本的に形成されるか、又はそれらから成る油も意味する。それは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミド基を含有し得る。
【0020】
炭化水素系の油は、
8個から16個の炭素原子を含有する炭化水素系の油、特に:
−分岐状C
8−C
16アルカン、例えば石油由来のC
8−C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる。)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしても知られる。)、イソデカン、イソヘキサデカン及び例えばIsopar又はPerメチルの商品名で販売される油、
−直鎖状アルカン、例えばSasolによりそれぞれParafol 12−97及びParafol 14−97の商品名で販売されるn−ドデカン(C
12)及びn−テトラデカン(C
14)並びにそれらの混合物、ウンデカン−トリデカン混合物、Cognis社による国際公開第2008/155059号の実施例1及び2で得られるn−ウンデカン(C
11)とn−トリデカン(C
13)の混合物、並びにそれらの混合物、
−短鎖エステル(合計で3個から8個の炭素原子を含有する。)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル又は酢酸n−ブチル、
−植物由来の炭化水素系の油、例えばグリセロールの脂肪酸エステルから成るトリグリセリド、この脂肪酸はC
4からC
24まで変化し得る鎖の長さを有し、これらの鎖は直鎖状又は分岐状、及び飽和又は不飽和である可能性がある。これらの油は、特にヘプタン若しくはオクタン酸トリグリセリド、又は小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油、アンズ油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、甘扁桃油、ヤシ油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、クロフサスグリ油、月見草油、雑穀油、大麦油、キノア油、ライ麦油、ベニバナ油、ククイノキ油、トケイソウ油及びジャコウバラ油;シアバター;又はその他カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されるもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol 810
(R)、812
(R)及び818
(R)の商品名で販売されるもの、
−10個から40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
−鉱物又は合成由来の直鎖状又は分岐状炭化水素、例えばワセリン、ポリデセン、Parleam
(R)等の水素化ポリイソブテン、スクワラン及び流動パラフィン、並びにそれらの混合物、
−合成エステル、例えばR
1+R
2≧10である条件で、R
1が1個から40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状脂肪酸残基を表し、R
2が特に1個から40個の炭素原子を含有する分岐状炭化水素系鎖を表す、式R
1COOR
2の油、例えばパーセリン油(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C
12からC
15アルキルベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2−ヘキシデシル、パルミチン酸2−オクチデシル、ミリスチン酸2−オクチドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸若しくはリシノール酸アルキル又はポリアルキル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;水酸化エステル、例えば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル及び乳酸2−オクチドデシル;ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、
−12個から26個の炭素原子を含有する、分岐状及び/又は不飽和炭素ベース鎖を有する室温で液体である脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール及び2−ウンデシルペンタデカノール
−それらの混合物
より選択され得る。
【0021】
特に、炭化水素系の油の含有量は、組成物の重量に対して20重量%から75重量%、特に30重量%から75重量%、好ましくは40重量%から60重量%の範囲である。
【0022】
この炭化水素系の油は、特に、表面安定化したポリマー粒子が安定化したポリマー粒子の事前調製された分散液の形態の組成物中に導入される場合、全部又は表面安定化ポリマー粒子と共に部分的に提供され得る。この場合、組成物中に存在する炭化水素系の油は、ポリマー粒子の分散体の少なくとも一の非水性媒体を表す。
【0023】
有利には、炭化水素系の油は無極性である(したがって炭素及び水素原子のみで形成される)。
【0024】
炭化水素系の油は、好ましくは8個から16個、更に良いのは12個から16個の炭素原子を含有する炭化水素系の油、特に前述の無極性の油より選択される。
【0025】
優先的には、炭化水素系の油はイソドデカンである。特に、イソドデカンの含有量は、組成物の重量に対して20重量%から75重量%、特に30重量%から75重量%、好ましくは40重量%から60重量%の範囲である。
【0026】
好ましくは、炭化水素系の油、特にイソドデカンは、組成物の唯一の油を構成するか、又は組成物中に存在し得る追加の油に対して最も多い重量含有量で存在する。
【0027】
本発明の特定の実施態様にしたがって、組成物が一又は複数の不揮発性油を含有する場合、それらの含有量は、組成物の重量に対して有利には20重量%を超えず、特に10重量%を超えず、好ましくは5重量%を超えず、更に良いのは2重量%を超えないか、又は不揮発性油を含有しない。
【0028】
ポリマー粒子
本発明による分散体は、非水性媒体中の一般的に球状の粒子から、少なくとも一の表面が安定したポリマーから成る。
【0029】
好ましくは、粒子は、油性(非水性)媒体中の少なくとも一の表面安定化したポリマーの粒子(一般的には球状である)の分散体の形態の、有利には、前述のとおり、少なくとも一の炭化水素系の油を含有する組成物に導入される。
【0030】
粒子のポリマーはC
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートポリマーである。
【0031】
C
1−4アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びtert−ブチル(メタ)アクリレートより選択されてもよい。
【0032】
C
1−C4アルキルアクリレートモノマーが有利には使用される。優先的には、粒子のポリマーはメチルアクリレート及び/又はエチルアクリレートポリマーである。
【0033】
粒子のポリマーは、特に、少なくとも一のカルボン酸官能基、リン酸官能基又はスルホン酸官能基、例えばクロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸若しくはアクリルアミドグリコール酸、及びそれらの塩を含むエチレン性不飽和モノマーより選択されるエチレン性不飽和酸モノマー又はその無水物も含み得る。
【0034】
好ましくは、エチレン性不飽和酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸より選択される。
【0035】
塩は、アルカリ金属の塩、例えばナトリウム又はカリウム;アルカリ土類金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウム若しくはストロンチウム;金属塩、例えば亜鉛、アルミニウム、マンガン若しくは銅;式NH
4+のアンモニウム塩;第4級アンモニウム塩;有機アミンの塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン若しくはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン;リジン又はアルギニン塩より選択され得る。
【0036】
したがって、粒子のポリマーは、ポリマーの総重量に対して、80重量%から100重量%のC
1−C
4アルキル(メタ)アクリレート及び0から20重量%のエチレン性不飽和酸モノマーを含むか又はそれらから基本的に成る。
【0037】
本発明の第一の実施態様によれば、ポリマーは、一又は複数のC
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートモノマーのポリマーから基本的に成る。
【0038】
本発明の第二の実施態様によれば、ポリマーは、C
1−C
4(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸のコポリマーから基本的に成る。
【0039】
粒子のポリマーは、
メチルアクリレートホモポリマー
エチルアクリレートホモポリマー
メチルアクリレート/エチルアクリレートコポリマー
メチルアクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸コポリマー
メチルアクリレート/エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー
メチルアクリレート/アクリル酸コポリマー
エチルアクリレート/アクリル酸コポリマー
メチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー
エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー
より選択され得る。
【0040】
有利には、粒子のポリマーは架橋されていないポリマーである。
【0041】
粒子のポリマーは、好ましくは2000から10000000、好ましくは150000から500000の範囲の数平均分子量を有する。
【0042】
粒子分散体の場合、粒子のポリマーは、分散体の総重量に対して21重量%から58.5重量%の範囲、好ましくは36重量%から42重量%の範囲の含有量で分散体中に存在する。
【0043】
安定剤は、イソボルニル(メタ)アクリレートホモポリマー並びに4より大きい、好ましくは4.5より大きい、さらにより有利には5以上のイソボルニル(メタ)アクリレート/C
1−C
4アルキル(メタ)アクリレート重量比で存在するイソボルニル(メタ)アクリレート及びC
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートの統計的コポリマーより選択されるイソボルニル(メタ)アクリレートポリマーである。有利には、前記重量比は4.5から19、好ましくは5から19、特に5から12の範囲である。
【0044】
有利には、安定剤は、先述の重量比で
イソボルニルアクリレートホモポリマー
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレートの統計的コポリマー
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート/エチルアクリレートの統計的コポリマー
イソボルニルメタクリレート/メチルアクリレートの統計的コポリマー
より選択される。
【0045】
好ましくは、安定剤は炭化水素系の油に溶け、特にイソドデカンに溶ける。
【0046】
安定化ポリマーは、好ましくは約10000から約40000の範囲、好ましくは約20000から約200000の範囲の数平均分子量を有する。
【0047】
安定剤はポリマー粒子の表面と接触し、したがって、特にこれらの粒子を分散体の非水性媒体中に分散した状態に保つために、これらの粒子を表面で安定化させることを可能にすると考えられる。
【0048】
本発明の範囲を限定するべきではない理論によれば、発明者は、C
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートポリマー粒子の表面安定化は安定剤のC
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートポリマー粒子への表面吸着の現象をもたらすという仮説を提案した。
【0049】
有利には、特に分散体中に存在する安定剤+ポリマーの組合せは、粒子の安定剤+ポリマーの組合せの総重量に対して、10重量%から50重量%の重合イソボルニル(メタ)アクリレート、及び50重量%から90重量%の重合C
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0050】
優先的には、特に分散体中に存在する安定剤+ポリマーの組合せは、粒子の安定剤+ポリマーの組合せの総重量に対して、15重量%から30重量%の重合イソボルニル(メタ)アクリレート、及び70重量%から85重量%の重合C
1−C
4アルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0051】
ポリマー粒子が事前調製された分散体の形態の組成物中に提供される場合、このポリマー分散体の油性媒体は炭化水素系の油を含む。その性質に関してこの油に関して以前に示されたものを参照することができる。
【0052】
有利には、炭化水素系の油は、無極性であり、好ましくは8個から16個の炭素原子を含有する炭化水素系の油、特に前述の無極性の油より選択される。
【0053】
優先的には、炭化水素系の油はイソドデカンである。
【0054】
特に分散体中のポリマー粒子は、好ましくは平均粒径、特に50から500nmの範囲、特に75から400nmの範囲、更に良いのは100から250nmの範囲の数平均粒径を有する。
【0055】
一般的に、本発明での使用に適したポリマー粒子の分散体は、実施例に示される以下の方法で調製され得る。
【0056】
重合は分散体中で、即ち、形成中のポリマーの沈殿により、形成された粒子を安定剤を用いて保護してなされ得る。
【0057】
第一の段階において、安定化ポリマーは、合成溶媒として知られる溶媒中で安定化ポリマーの構成モノマーをフリーラジカル開始剤と混合し、それらのモノマーを重合することにより調製される。第二の段階において、粒子のポリマーの構成モノマーは、形成される安定化―ポリマーに添加され、フリーラジカル開始剤の存在中、それらの添加されたモノマーの重合が行われる。
【0058】
非水性媒体が不揮発性の炭化水素系の油である場合、重合は、無極性有機溶媒(合成溶媒)中でなされ、続いて、(前記合成溶媒と混ざるはずの)不揮発性の炭化水素系の油を添加し、合成溶媒を選択的に蒸留させる。
【0059】
したがって、得られるポリマー粒子がそれらの形成中に沈殿するように、安定化ポリマーのモノマー及びフリーラジカル開始剤が溶けやすく、得られるポリマー粒子が溶けにくいような合成溶媒が選択される。
【0060】
特に、合成溶媒はアルカン、例えばヘプタン又はシクロヘキサンより選択され得る。
【0061】
非水性媒体が揮発性の炭化水素系の油である場合、重合は直接前記油中で行われ、したがってそれは合成溶媒として機能する。合成溶媒中でフリーラジカル開始剤及び得られる粒子のポリマーが溶けにくい場合、モノマーはまた溶けやすくあるべきである。
【0062】
好ましくは、モノマーは重合前に、5から20重量%の割合で合成溶媒中に存在する。モノマーの総量は反応開始前に溶媒中に存在してもよく、又は重合反応が進むにつれて、モノマーの一部が次第に添加されてもよい。
【0063】
フリーラジカル開始剤は、特にアゾビスイソブチロニトリル又はtert−ブチルペロキシ−2−エチルヘキサノエートであり得る。
【0064】
重合は70から110℃の範囲の温度でなされ得る。
【0065】
ポリマー粒子は、安定剤によって重合中に形成される場合、表面が安定している。
【0066】
安定化は、重合中、あらゆる公知の手段、特に安定剤の直接添加によりなされ得る。
【0067】
安定剤は、好ましくは粒子のポリマーのモノマーの重合前に、混合物中にも存在する。しかしながら、特に粒子のポリマーのモノマーも継続して添加される場合、安定剤を継続して添加することも可能である。
【0068】
使用されるモノマーの総重量(粒子の安定剤+ポリマー)に対して、10重量%から30重量%、好ましくは15重量%から25重量%の安定剤が使用され得る。
【0069】
ポリマー粒子分散体は、分散体の総重量に対して、有利には30重量%から65重量%、好ましくは40重量%から60重量%の固体を含む。
【0070】
更に、本発明による組成物は、組成物の重量に対して有利には5重量%から55重量%の間、好ましくは5重量%から50重量%の間、特に8重量%から45重量%の間、好ましくは10重量%から40重量%の間、更により優先的には10重量%から25重量%の間の上記の表面安定化したポリマー粒子の含有量(活性物質として表される含有量)を含む。
【0071】
ブロック炭化水素系コポリマー
先に示される通り、本発明による組成物は、2個から5個の炭素原子を含み、一又は二のエチレン性不飽和基を含有する不飽和炭化水素種の少なくとも一のモノマーの重合により得られる、非晶質ブロックを生成する少なくとも一の炭化水素系コポリマーを含む。
【0072】
これらのブロック炭化水素系コポリマーは、好ましくは油相に溶けるか又は分散する。
【0073】
それらは、特にジブロック、トリブロック、マルチブロック、放射状若しくはスターバーストタイプ、又はそれらの混合物である。
【0074】
このようなブロック炭化水素系コポリマーは、例えば米国特許公開第2002/005562号及び米国特許第5221534号に記載される。
【0075】
コポリマーは、ガラス転移温度が好ましくは20℃未満、好ましくは0℃以下、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−40℃以下である少なくとも一のブロックを含有し得る。前記ブロックのガラス転移温度は、−150℃から20℃の間、特に−100℃から0℃の間であり得る。
【0076】
「非晶質ポリマー」という用語は、結晶形態を有さないポリマーを意味する。
【0077】
2個から5個の炭素原子を含み、一又は二のエチレン性不飽和基を有する不飽和炭化水素種のモノマーは、特にエラストマーエチレン性不飽和モノマーであり得る。
【0078】
2個から5個の不飽和炭素原子を含む不飽和炭化水素種のモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン又はペンタジエンが挙げられる。
【0079】
有利には、ブロック炭化水素系コポリマーは、スチレン及び2個から5個の炭素原子を含み、一又は二のエチレン性不飽和基を含む炭化水素モノマーの非晶質ブロックコポリマーである。
【0080】
少なくとも一のスチレンブロック並びにブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソプレン又はそれらの混合物より選択される単位を含む少なくとも一のブロックを含むブロックコポリマーが特に好ましい。
【0081】
好ましい実施態様によれば、ブロック炭化水素系コポリマーは水素化され、モノマーの重合後に残ったエチレン性不飽和基を減少させる。
【0082】
特に、炭化水素系ブロックコポリマーは、スチレンブロック及びエチレン/C
3−C
4アルキレンブロック又はイソプレンブロックを生成する、任意選択的に水素化されたコポリマーである。
【0083】
好ましい実施態様において、本発明による組成物は、好ましくはスチレン−エチレン/プロピレンコポリマー、スチレン−エチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン−エチレン/ブチレンコポリマー及びスチレン−イソプレンコポリマーより選択される、好ましくは水素化された少なくとも一のジブロックコポリマーを含む。ジブロックポリマーは、特にKraton Polymers社によりKraton
(R) G1701Eの商品名で販売されている。
【0084】
別の好ましい実施態様において、本発明による組成物は、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー及びスチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーより選択される、好ましくは水素化された少なくとも一のトリブロックコポリマーを含む。トリブロックポリマーは、特にKraton Polymers社よりKraton
(R) G1650、Kraton
(R) D1101、Kraton
(R) D1102及びKraton
(R) D1160の商品名で販売されている。
【0085】
本発明の一実施態様によれば、炭化水素系ブロックコポリマーは、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマーである。
【0086】
本発明の好ましい実施態様によれば、特にスチレン−ブチレン/エチレン−スチレントリブロックコポリマーとスチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物、特にKraton Polymers社によりKraton
(R) G1657Mの商品名で販売されているものが使用され得る。
【0087】
別の好ましい実施態様によれば、本発明による組成物は、水素化スチレン−ブチレン/エチレン−スチレントリブロックコポリマーと水素化エチレン−プロピレン−スチレンスターバーストポリマーの混合物を含み、そのような混合物は特にイソドデカン又は別の油中にあり得る。そのような混合物は、例えばPenreco社によりVersagel
(R) M5960及びVersagel
(R) M5670の商品名で販売されている。
【0088】
有利には、前述のようなジブロックコポリマーは、ブロック炭化水素系コポリマー、特にスチレン−エチレン/プロピレンジブロックコポリマー、又は先述のようなジブロック及びトリブロックの混合物、例えばスチレン−ブチレン/エチレン−スチレントリブロックコポリマーとスチレン−エチレン/ブチレンジブロックコポリマーの混合物として使用される。
【0089】
ブロック炭化水素系コポリマーは、組成物の総重量に対して2.5重量%から15重量%の範囲、好ましくは組成物の総重量に対して2.5重量%から8重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0090】
追加のシリコン油
本発明による組成物はまた、少なくとも一の追加の揮発性(飽和蒸気圧が25℃で0.13Pa以上)又は不揮発性(飽和蒸気圧が0.13Pa未満)、好ましくは揮発性シリコン油を含み得る。
【0091】
「シリコン油」という用語は、少なくとも一のシリコン原子を含有する、特にSi−O基を含有する油を意味する。
【0092】
使用に適した揮発性シリコン油の中でも、言及され得る例には、揮発性直鎖状又は環状シリコン油、特に粘性≦8センチストーク(8×10
−6m
2/s)を有し、特に2個から7個のシリコン原子を含有するものが含まれ、これらのシリコンは任意選択的に1個から10個の炭素原子を含有するアルキル又はアルコキシ基を含む。
【0093】
本発明で使用され得る揮発性シリコン油としては、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
不揮発性シリコン油としては、非フェニル不揮発性シリコン油、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)が挙げられ、PDMSは脂肪族基、特にペンダント及び/又はシリコン鎖の末端のアルキル又はアルコキシを含み、これらの基はそれぞれ2個から24個の炭素原子を含む。例としては、Evonik Goldschmidtにより商品名Abil Wax 9801で販売されるセチルジメチコンが挙げられる。
【0095】
任意選択的に一又は複数のジメチコン断片(−(CH
3)
2−SiO−;この断片はポリマーの末端にはない)を含む不揮発性フェニルシリコン油はまた、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン及びトリメチルペンタフェニルトリシロキサン、並びにそれらの混合物にも適している。
【0096】
組成物が追加の、好ましくは揮発性の油を含む場合、油は組成物の重量に対して1重量%から15重量%の間で変化する。
【0097】
好ましくは、組成物は組成物の重量に対して10重量%を超える、特に5重量%を超える追加の不揮発性油を含まず、好ましくは一切含まない。
【0098】
ワックス
本発明による組成物は任意選択的に少なくとも一のワックスを含み得る。
【0099】
本発明の目的上、「ワックス」という用語は、室温(25℃)で固形の、可逆的な固体/液体状態変化を有し、30℃以上で120℃までの融点を有する親油性化合物を意味する。
【0100】
ワックスの融点は、示差走査熱量測定(DSC)、例えばMettler社によりDSC 30の商品名で販売される熱量計を使用して測定され得る。
【0101】
ワックスは、炭化水素系ワックス、フルオロワックス及び/又はシリコンワックスであってもよく、植物、鉱物、動物及び/又は合成由来であってもよい。特に、ワックスは、25℃を超える、更に良いのは45℃を超える融点を有する。
【0102】
炭化水素系ワックス、例えば蜜ろう、ラノリンワックス又は支那ろう;糠ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、エスパルトグラスワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、木ろう及びウルシロウ;モンタンワックス、微結晶ワックス、パラフィン及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、Fischer−Tropsch合成により得られるワックス、及びワックス状コポリマー並びにそれらのエステルが特に使用され得る。
【0103】
直鎖状又は分岐状C
8−C
32脂肪酸鎖を含有する動物又は植物油の接触水素化により得られるワックスも挙げられる。
【0104】
これらのワックスの中でも、特に、水素化ホホバ油、異性化ホホバ油、例えばDesert Whale社によりIso−Jojoba−50
(R)の商品名で製造又は販売されているトランス異性化部分水素化ホホバ油、水素化ヒマワリ油、水素化ヒマシ油、水素化ヤシ油、水素化ラノリン油及びHeterene社によりHest 2T−4Sの商品名で販売されるbis(1,1,1−トリメチルオールプロパン)テトラステアレート、Heterene社によりHest 2T−4Bの商品名で販売されるbis(1,1,1−トリメチルオールプロパン)テトラベヘネートが挙げられる。
【0105】
シリコンワックス、例えば16個から45個の炭素原子を含有するアルキル又はアルコキシジメチコン、ポリプロピルシルセスキオキサンワックス(国際公開第2005/100444号に記載のようなもの)、特にDow CorningによりSW−8005 C30Resin Waxの商品名で販売されるC30−C45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン化合物が挙げられる。
【0106】
Phytowax Olive 18 L 57の商品名で販売される、ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブ油の水素化により得られるワックス又はSophim社によりPhytowax Castor 16L64及び22L73の商品名で販売される、セチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化により得られるワックスも使用され得る。そのようなワックスはFR−A−2792190に記載される。
【0107】
組成物がワックスを含む場合、ワックスの含有量は、組成物の重量に対して0.1重量%から30重量%、有利には0.3重量%から20%重量を占める。
【0108】
本発明の特定の実施態様に従い、ワックスの含有量は、組成物の重量に対して10重量%を超えず、特に組成物の重量に対して5重量%を超えない。本発明の特定の実施態様によれば、組成物はワックスを含まない。
【0109】
染料
本発明に従った組成物は少なくとも一の染料を含み得る。
【0110】
この(又はこれらの)染料は、好ましくは粉状物質、脂溶性染料、及びそれらの混合物である。
【0111】
好ましくは、本発明による組成物は少なくとも一の脂溶性染料を含む。脂溶性染料は、顔料及び真珠層、好ましくは染料より選択され得る。
【0112】
染料は、白色又は有色であり、無機物及び/又は有機物であり、並びに被覆されているか又はされていない可能性がある。無機顔料の中でも、金属酸化物、特に二酸化チタン、任意選択的に表面処理したジルコニウム、亜鉛又は酸化セリウム、及び鉄、酸化チタン若しくは酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及び第二鉄青が挙げられる。有機顔料の中でも、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料及びコチニールカーマインに基づく又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムに基づくレーキが挙げられる。
【0113】
真珠層は、チタン若しくはオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母等の白色真珠箔、酸化鉄を有するチタン雲母、特に第二鉄青若しくは酸化クロムを有するチタン雲母、上記の種類の有機顔料を有するチタン雲母等の有色真珠箔、及びオキシ塩化ビスマスに基づく有色顔料より選択され得る。
【0114】
脂溶性染料は、例えばスダンレッド、D&C赤色17号、D&C緑色6号、β−カロテン、大豆油、スダンブラウン、D&C黄色11号、D&C紫色2号、D&C橙色5号、キノリンイエロー及びアナトーである。
【0115】
好ましくは、組成物、特にマスカラのタイプの阻止絵物に含有される顔料は、金属酸化物より選択される。
【0116】
より好ましくは、本発明による組成物中に含有される染料は、特にSun社よりSunpuro Black Iron Oxide C33−7001
(R)の商品名で販売されるような酸化鉄より選択される。
【0117】
これらの染料は、組成物の総重量に対して0.2重量%から40重量%の範囲、特に0.5重量%から22重量%の範囲の含有量で存在し得る。本発明の具体的な変化形によれば、染料の含有量は、組成物の総重量に対して0.8重量%から15重量%を占める。
【0118】
繊維
本発明による組成物は少なくとも一の繊維も含み得る。
【0119】
「繊維」という用語は、LがDよりも大きく、好ましくはDより非常に大きく、Dが繊維の横断面が内接している円の直径であるような長さL及び直径Dの物体を意味するものと理解されるべきである。特に、比L/D(又は縦横比)は、3.5から2,500の範囲、好ましくは5から500の範囲、更に良いのは5から150の範囲より選択される。
【0120】
本発明の組成物に使用され得る繊維は、合成又は天然由来の、無機又は有機繊維であり得る。それらは短いか又は長く、個別であるか又はまとめられて、例えば編まれているか、且つ隙間があるか又は中身が詰まっていてもよい。それらはあらゆる形を有してもよく、想定される特定の用途に応じて特に円又は多角形(四角形、六角形又は八角形)の横断面を有してもよい。特に、怪我を防ぐためにそれらの末端は丸く及び/又は磨かれている。
【0121】
特に、繊維は1μmから10mm、好ましくは0.1mmから5mm、更に良いのは0.3mmから3mmの範囲の長さを有する。それらは、2nmから500μmの範囲、好ましくは100nmから100μmの範囲、更に良いのは1μmから50μmの直径を有する円内に含まれる横断面を有し得る。繊維の重量又は糸番手は、しばしばデニール又はデシテックスで示され、糸9km当たりのグラムで重量を表す。好ましくは、糸番手は、0.01から10デニールの範囲、好ましくは0.1から2の範囲、更に良いのは0.3から0.7の範囲より選択される糸番手を有する。
【0122】
本発明による組成物に使用され得る繊維は、硬質又は軟質繊維から選択されてもよく、合成又は天然、無機又は有機由来であってもよい。
【0123】
更に、繊維は表面処理されているか又はされておらず、被覆されているか又はされておらず、且つ着色されているか又はされていない可能性がある。
【0124】
本発明による組成物に使用され得る繊維としては、
ポリアミド(Nylon
(R))繊維等の軟質繊維又はポリイミドアミド等の硬質繊維、例えばRhodia社によりKermel
(R)及びKermel Tech
(R)の商品名で販売されるもの又は特にDuPont de Nemours社によりKevlar
(R)の商品名で販売されるポリ(p−フェニレンテレフタルアミド(若しくはアラミド)が挙げられる。
【0125】
繊維は、組成物の総重量に対して0.5重量%から30重量%の範囲、特に2重量%から25重量%の範囲の含有量で存在し得る。本発明の好ましい実施態様に従って、繊維の含有量は、存在する場合、組成物の重量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0126】
追加充填剤
「充填剤」という用語は、組成物の媒体中に溶けず且つ分散する形態である、あらゆる形態の、無機又は有機性の、無色又は白色の固体粒子を意味するものと理解されるべきである。
【0127】
本願において、「無機充填剤」は室温(25℃)で媒体に溶けないあらゆる無機固体を意味するものと理解される。
【0128】
「無機」という用語は、化学構造が炭素原子を含まない、あらゆる化合物又はポリマーを指す。
【0129】
充填剤は表面被覆されているか又はされていなくてもよく、特にそれらはシリコン、アミノ酸、フルオロ誘導体又は組成物中の充填剤の分散及び適合性を促進する他の物質で表面処理されていてもよい。
【0130】
そのような充填剤は、無機増粘剤とは異なり、先述の着色剤とも異なる。
【0131】
充填剤は球状であってもよく、即ち少なくとも円形の一般部を含み、好ましくは少なくとも球状部を定義し、好ましくは凹面又は隙間(球、小球、ボウル、馬蹄形等)、又はラメラを内部定義し得る。
【0132】
そのような充填剤は、有利には、
−シリカ粉末、例えば三好化成株式会社によりシリカビーズSB−700の商品名で販売されるか又は旭硝子株式会社によりサンスフェアH51若しくはサンスフェアH33の商品名で販売される多孔性シリカミクロスフェア;又は旭硝子株式会社によりSAサンスフェアH33若しくはSAサンスフェアH−53の商品名で販売されるポリジメチルシロキサン被覆の非晶質シリカミクロスフェア、
−アクリル(コ)ポリマー粉末及びその誘導体、特に:
*Wackherr社によりCovabead
(R)LH85の商品名で販売される又は松本油脂製薬株式会社によりマイクロスフェアーM−100
(R)の商品名で販売されるポリメチルメタクリレート粉末、
*Dow Corning社によりDow Corning 5640 Microsponge
(R) Skin Oil Adsorberの商品名で販売されるか又はGanz Chemical社によりGanzpearl
(R) GMP−0820の商品名で販売されるポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末、
*Amcol Health and Beauty Solutions Inc.によりPoly−Pore
(R) L200又はPoly−Pore
(R) E200の商品名で販売されるポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末、
*Dow Corning社によりPolytrap
(R) 6603の商品名で販売されるエチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー粉末、
*積水化成品工業株式会社によりテクポリマーACP−8Cの商品名で販売される任意選択的な架橋アクリレート/アルキルアクリレートコポリマー粉末架橋アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー粉末、
*住友精化株式会社によりフロービーズ
(R)の商品名で販売される製品のようなエチレン/アクリレートコポリマー粉末、
*ExpancelによりExpancelの商品名で販売されるアクリロニトリル(コ)ポリマーの拡張中空粒子又は松本油脂製薬株式会社によりマイクロパールF 80 ED
(R)の商品名で販売されるマイクロスフェア、
−例えば、東色ピグメント株式会社によりプラスチックパウダーD−400、プラスチックパウダーCS−400、プラスチックパウダーD−800及びプラスチックパウダーT−75の商品名で販売されるポリウレタン粉末、
−有利には以下より選択されるシリコン粉末:
*ポリメチルシルセスキオキサン粉末、とくにMomentive Performance Materials社によりTospearlの商品名、特にTospearl 145 Aの商品名で販売されるもの、
*シリコン樹脂、特に信越化学工業株式会社によりKSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104又はKSP−105の商品名で販売される製品(INCI名称:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー)のような、シルセスキオキサン樹脂で被覆されたオルガノポリシロキサンエラストマー粉末、
*Dow Corning社によりTrefil
(R) Powder E−505C又はTrefil
(R) Powder E−506Cの商品名で販売される製品のようなシリコンエラストマー粉末、
*例えば公開特許公報第2003−128788号又は第2000−191789号又はEP1579841に記載されるもの及び特に竹本油脂株式会社により販売されるもののようなボウルの形態のオルガノシリコン粒子の粉末、
−Nylon
(R)粉末、特に、Arkema社によりOrgasol
(R) 2002 EXS NAT COSの商品名で販売されるナイロン粉末のようなナイロン12粉末のようなポリアミド粉末、
−多糖粉末、特にデンプン粉末、特に架橋又は無架橋トウモロコシ、小麦又は米デンプンのような天然有機物、National Starch社によりDry−Flo
(R)の商品名で販売されるオクテニルコハク酸無水物で架橋されたデンプン粉末又はCargill社によりC*Gel 04201の商品名で、Roquette社によりCorn Starch Bの商品名で、Draco Natural Products社によりOrganic Corn Starchの商品名で販売されるようなワックス状コーンスターチ粉末、
−大東化成工業株式会社によりセルロースビーズD−10、セルロースビーズD−5及びセルロースビーズUSFの商品名で販売されるような球状セルロース微小粒子、
−N−(C
8−C
22炭素原子アクリル化)アミノ酸の粒子;アミノ酸は、たとえばリジン、グルタミン酸又はアラニン、好ましくはリジン、例えば味の素株式会社製のアミホープLL又はCorum社によりCorum 5105 Sの商品名で販売されるもの、
−World Minerals社によりPerlite P1430、Perlite P2550、Perlite P2040又はOpTiMat
TM 1430 OR若しくは2550 ORの商品名で販売されるもののようなパーライト粉末、Imerys社製のEuroperl EMP−2及びEuroperl 1
−Zeochem社によりZeoflair 300、Zeoflair 200、Zeoflair 100、X−Mol及びX−Mol MTの商品名で販売されるもののようなゼオライト
−Imerys社によりCalcidolの商品名で販売されるもの、LCW(Sensient)社によりCarbomatの商品名で販売されるもの又はOmya社によりOmyacare 60−AVの商品名で販売されるもののような炭酸マグネシウムカルシウム粒子
より選択される。
【0133】
例えばImerys社によりLuzenac harma M及びUMの商品名で販売される並びに日本タルク株式会社によりタルクSG−2000の商品名で販売されるタルク粒子;Merck社によりMica M RP及びSilk Micaの商品名で販売されるようなもの、若しくは三好化成工業株式会社によりセリサイトS−152−BCの商品名で販売される製品のような天然又は合成雲母粒子;炭酸カルシウム及び炭酸水素マグネシウム;窒化ホウ素;フッ素金雲母;並びにそれらの混合物も使用され得る。
【0134】
球状充填剤は、疎水性処理剤で被覆されていてもよい。疎水性処理剤は、脂肪酸、例えばステアリン酸;金属石鹸、例えばジミリスチン酸アルミニウム、水素化タロウグルタメートのアルミニウム塩;アミノ酸;N−アシルアミノ酸又はその塩;レシチン、チタン酸イソプロピルトリイソステアリル、及びそれらの混合物より選択されてもよい。N−アシルアミノ酸は、8個から22個の炭素原子を含有するアシル基、例えば2−エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル又はココイル基を含んでもよい。これらの化合物の塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよい。アミノ酸は、例えばリジン、グルタミン酸又はアラニンであってもよい。前述の化合物において言及される「アルキル」という用語は、特に1個から30個の炭素原子を含有する、好ましくは5個から16個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。
【0135】
組成物は、有利には、組成物の重量に対して0.5重量%から30重量%の間、特に2重量%から15重要%、より好ましくは2重量%から15重量%の追加充填剤の含有量を有する。
【0136】
特定の実施態様によれば、追加充填剤の含有量は、組成物の重量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。好ましくは、組成物は充填剤を含まない。
【0137】
炭化水素系樹脂
本発明による組成物はまた、インデン炭化水素系樹脂、ペンタンジエン脂肪族樹脂、ペンタンジエン及びインデンの混合樹脂、シクロペンタンジエンダイマーのジエン樹脂、イソプレンダイマーのジエン樹脂、並びにそれらの混合物より選択される少なくとも一の炭化水素系樹脂も含む。
【0138】
好ましくは、炭化水素系樹脂は、10000g/mol以下、特に250から5000g/molの範囲、更に良いのは2000g/mol以下、特に250から2000g/molの範囲の数平均分子量を有する。
【0139】
数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透液体クロマトグラフィー(THF溶媒、直鎖状ポリスチレン標準で確立された較正曲線、屈折率検出器)により決定される。
【0140】
本発明による組成物の樹脂は、有利には粘着力を高める樹脂である。そのような樹脂は、特にDonatas Satasにより編集されたHandbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、第3版、1989年、609−619ページに記載される。
【0141】
好ましくは、炭化水素系樹脂は、それらが含むモノマーの種類に従って、
−好ましくはインデンモノマーの大部分及びスチレン、メチルインデン及びメチルスチレン、及びそれらの混合物より選択されるモノマーの小部分の重合から誘導される樹脂のような、インデン炭化水素系樹脂
として分類され得る低分子量ポリマーより選択される。これらの樹脂は任意選択的に水素化されていてもよい。これらの樹脂は290から1150g/molの範囲の分子量を有し得る。
【0142】
挙げられるインデン樹脂の例は、Exxon Chem.社によりEscorez 7105の商品名で販売されるもの、Neville Chem.社製のNevchem 100及びNevex 100、Sartomer社製のNorsolene S105、Hercules社製のPicco 6100及びResinall Corp.社製のResinall、又はEastman Chemical社によりRegalite、特にRegalite R1100、Regalite R1090、Regalite R7100、Regalite R1010 Hydrocarbon Resin及びRegalite R1125 Hydrocarbon Resinの商品名で販売される水素化インデン/メチルスチレン/スチレンコポリマー;
−1,3−ペンタンジエン(トランス−又はシス−ピペリレン)モノマーの大部分の重合とイソプレン、ブタン、2−メチル−2−ブタン、ペンタン及びそれらの混合物から選択される小モノマーの重合とに由来するもののような脂肪族ペンタンジエン樹脂を含む。これらの樹脂は1000から2500g/molの範囲の分子量を有し得る。
【0143】
そのような1,3−ペンタンジエン樹脂は、例えばEastman Chemical社によりPiccotac 95の商品名で、Exxon Chemicals社によりEscorez 1304の商品名で、Neville Chem社によりNevtac 100の商品名で、又はGoodyear社によりWingtack 95の商品名で販売される;
−上記のようなペンタンジエン及びインデンモノマーの混合物の重合に由来する、ペンタンジエンとインデンとの混合樹脂、例えばExxon Chemicals社によりEscorez 2101の商品名で、Neville Chem.社によりNevpene 9500の商品名で、Hercules社によりHercotac 1148の商品名で、Sartomer社によりNorsolene A 100の商品名で、並びにGoodyear社によりWingtack 86、Wingtack Extra及びWingtack Plusの商品名で販売される樹脂;
−インデン及びスチレンより選択される第一のモノマーとジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタンジエン及びその他ペンタンジエンダイマー、並びのそれらの混合物のようなシクロペンタンジエンより選択される第二のモノマーとの重合に由来するもののようなシクロペンタンジエンダイマーのジエン樹脂。これらの樹脂は、一般的に500から800g/molの範囲の分子量を有し、例えばArizona Chemical Co.社によりBetaprene BR 100の商品名で販売されるもの、Neville Chem.社によりNeville LX−685−125及びNeville LX−1000の商品名で販売されるもの、Hercules社によりPiccodiene 2215の商品名で販売されるもの、Lawter社によりPetro−Rez 200の商品名で販売されるもの又はResinall Corp.社によりResinall 760の商品名で販売されるもの;
−α−ピネン、β−ピネン及びリモネン、並びにそれらの混合物より選択される少なくとも一のモノマーの重合に由来するテルペン樹脂のようなイソプレンダイマーのジエン樹脂。これらの樹脂は300から2000g/molの範囲の分子量を有し得る。そのような樹脂は、例えばHercules社によりPiccolyte A115及びS125の商品名で、又はArizona Chem.社によりZonarez 7100若しくはZonatac 05 Liteの商品名で販売される。
【0144】
水素化樹脂のような特定の修飾された樹脂としては、例えばEastman Chemical Co.社によりEastotac C6−C20 Polyolefinの商品名で販売されるもの、Exxon Chemicals社によりEscorez 5300の商品名で販売されるもの、又はNeville Chem.社によりNevillac Hard若しくはNevrozの商品名で販売される樹脂、Hercules社によりPiccofyn A−100、Piccotex 100若しくはPiccovar AP25の商品名で販売される樹脂、又はSchenectady Chemical Co.社により販売されるSP−553樹脂が挙げられる。
【0145】
好ましくは、組成物は、先述の炭化水素系樹脂、特にインデン炭化水素系樹脂及び脂肪族ペンタジエン樹脂、又はそれらの混合物より選択される少なくとも一の化合物を含む。好ましい一実施態様によれば、炭化水素系樹脂は、インデン炭化水素系樹脂より選択される。
【0146】
好ましい一実施態様によれば、樹脂は、インデン/メチルスチレン/水素化スチレンコポリマーより選択される。
【0147】
特に、インデン/メチルスチレン/水素化スチレンコポリマー、例えばEastman Chemical社によりRegaliteの商品名で販売されるもの、例えばRegalite R 1100、Regalite R 1090、Regalite R−7100、Regalite R 1010 Hydrocarbon Resin及びRegalite R 1125 Hydrocarbon Resinが使用され得る。
【0148】
組成物が少なくとも一の炭化水素系樹脂を含む場合、この樹脂の含有量は、組成物の重量に対して25重量%以下、好ましくは5重量%から20重量%の範囲である。
【0149】
任意添加剤
組成物は、例えば、先述のポリマー粒子以外の塗膜形成剤;抗酸化剤;保存剤;香料;香味料;中和剤;湿潤剤;有機増粘剤;コアレッサー;保湿剤;ビタミン、及びそれらの混合物より選択される少なくとも一の任意の成分を含み得る。
【0150】
本発明の一実施態様によれば、組成物は少なくとも一の可塑剤を含む。ポリマー粒子が分散体の形態で提供される場合、可塑剤は有利には前記分散体中に存在する。
【0151】
好ましくは、可塑剤は、クエン酸トリ−n−ブチル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(INCI名:PPG−3メチルエーテル)及びトリメチルペンタフェニルトリシロキサン(Dow Corning社によりDow Corning PH−1555 HRI Cosmetic Fluidの商品名で販売される。)より選択され得る。これらの可塑剤は、ポリマー塗膜の機械的強度を増加させることを可能にする。
【0152】
可塑剤は、ポリマー粒子の総重量に対して5重量%から50重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0153】
言うまでもなく、当業者は、本発明による組成物の有利な特性が想定される添加によって影響を受けない又は実質的に受けないように、任意の追加添加剤及び/又はその量を選択するように注意するであろう。
【0154】
したがって、本発明による組成物は、ケラチン物質、特に唇、更に特に睫毛又は眉毛のようなケラチン繊維をケアすること及び/又はメイクアップすることが意図される。
【0155】
それらは有利には生理的に許容される媒体、言い換えれば、処理されたケラチン物質と適合性がある媒体を含有する。
【0156】
本発明による組成物は、液体又は固体の形態であってもよい。好ましくは、組成物は液体形態である。
【0157】
「液体」という用語は、25℃及び大気圧(1.013×10
5Pa)での粘度を測定することができる組成物を指す。
【0158】
本発明による組成物は、無水形態、又は水中油型若しくは油中水型エマルジョンの形態であってもよい。
【0159】
組成物が水を含む場合、水含有量は、組成物の重量に対して15重量%を超えず、特に10重量%を超えない。好ましくは、もし存在する場合、水含有量は、組成物の重量に対して5重量%を超えない。
【0160】
本発明の好ましい実施態様に従って、組成物は無水である。
【0161】
「無水」という用語は、水は組成物に意図的に添加されないが、組成物中に使用されるさまざまな化合物中に微量で存在してもよいことを意味する。
【0162】
有利には、本発明による組成物は、メイクアップ組成物、特に、好ましくは液体形態の、マスカラ又は口紅である。
【0163】
好ましくは、組成物の炭化水素系の油は揮発性油より選択される。
【0164】
言うまでもなく、これらの組成物は有利には着色されている。これらの化合物の性質及び含有量に関する記載が参照され得る。
【0165】
マスカラに関して、これらの組成物は従来、25℃及び大気圧(1.013×10
5Pa)で0.1から50Pa.s、特に1から30Pa.sの粘度を有する。マスカラの場合、粘度は特に4Pa.s以上である(Rheomat RM100
(R)で測定)。
【0166】
一変化形によれば、炭化水素系、好ましくは揮発性油中の分散体の形態及び炭化水素系ブロックコポリマーに好ましくは組み込まれるポリマー粒子に加えて、組成物は少なくとも一の炭化水素系樹脂を含む。樹脂は、好ましくは組成物の重量に対して5重量%から20重量%の間の含有量で組み込まれる。
【0167】
有利には、この変化形によれば、不揮発性油の含有量、組成物の重量に対して5重量%未満である。更により好ましい実施態様に従って、組成物は不揮発性油を含まない。
【0168】
この変化形の別の特定の実施態様によれば、組成物は、組成物の重量に対して5重量%未満、特に2重量%未満、更に優先的には1重量%の含有量の追加充填剤を含む。
【0169】
これらの変化形は組み合わされてもよい。
【0170】
唇のメイクアップ組成物に関して、それらは固体形態(棒状、皿状)又は液体形態(光沢)、好ましくは液体形態あであってもよい。通常、液体口紅組成物の粘度は、0.3Pa.sから3Pa.s(25℃及び1.013×10
5Paで測定)の範囲である。
【0171】
本発明の一変化形によれば、安定化したポリマー粒子及びブロックコポリマーに加えて、組成物は少なくとも一のワックスを含む。
【0172】
ワックスの含有量は、所望の生薬の形態(固体又は液体)に応じて調製される。
【0173】
好ましくは、前記組成物は、先述の少なくとも一の可塑剤を含む。
【0174】
本発明は、以下の実施例で更に詳細に説明される。
【0175】
実施例に記載される試薬の全ての百分率は、重量百分率である。
【実施例】
【0176】
合成実施例
実施例1
第一の工程において、1300gのイソドデカン、337gのイソボルニルアクリレート、28gのメチルアクリレート及び3.64gのtert−ブチルペロキシ−2−エチルヘキサノエート(AkzoのTrigonox 21S)を反応器に入れた。イソボルニルアクリレート/メチルアクリレートの質量比は92/8である。混合物をアルゴン下で撹拌しながら90℃で加熱した。
【0177】
反応2時間後、1430gのイソドデカンを反応器の原料に添加し、混合物を90℃に加熱した。
【0178】
第二の工程において、1376gのメチルアクリレート、1376gのイソドデカン及び13.75gのTrigonox 21Sの混合物を2時間30分の間入れて、混合物を7時間おいて反応させた。3.3リットルのイソドデカンを次いで添加し、イソドデカンの一部をエバポレーションさせ、50重量%の固形分を得た。
【0179】
イソドデカン中92%のイソボルニルアクリレート及び8%のメチルアクリレートを含有する統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレート粒子の分散体を得た。
【0180】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)80%のメチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含有する。
【0181】
分散体のポリマー粒子は、約160nmの数平均粒径を有する。
【0182】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0183】
実施例2
イソドデカン中のポリマーの分散体を、以下の工程を使用して、実施例1の調製方法に従って調製した。
工程1:275.5gのイソボルニルアクリレート、11.6gのメチルアクリレート、11.6gのエチルアクリレート、2.99gのTrigonox 21、750gのイソドデカン;続いて、反応後、750gのイソドデカンの添加。
工程2:539.5gのメチルアクリレート、539.5gのエチルアクリレート、10.8gのTrigonox 21S、1079gのイソドデカン。反応後、2リットルのイソドデカンを添加し、エバポレーションして、35重量%の固形分を得る。
【0184】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート/エチルアクリレート(92/4/4)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレート/エチルアクリレート(50/50)コポリマー粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0185】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)40%のメチルアクリレート、40%のエチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含有する。
【0186】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0187】
実施例3
イソドデカン中のポリマーの分散体を、以下の工程を使用して、実施例1の調製方法に従って調製した。
工程1:315.2gのイソボルニルアクリレート、12.5gのメチルアクリレート、12.5gのエチルアクリレート、3.4gのTrigonox 21、540gのイソドデカン、360gの酢酸エチル;続いて、反応後、540gのイソドデカン及び360gの酢酸エチルの添加。
工程2:303gのメチルアクリレート、776gのエチルアクリレート、157gのアクリル酸、11gのTrigonox 21S、741.6gのイソドデカン及び494.4gの酢酸エチル。反応後、3リットルのイソドデカン/酢酸エチル混合物(重量比60/40)を添加し、酢酸エチルを全てエバポレーションし、イソドデカンを部分的にエバポレーションして44重量%の固形分を得る。
【0188】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート/エチルアクリレート(92/4/4)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸(24.5/62.8/12.7)コポリマー粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0189】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)10%のアクリル酸、20%のメチルアクリレート、50%のエチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含有する。
【0190】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0191】
実施例4
イソドデカン中のポリマーの分散体を、以下の工程を使用して、実施例1の調製方法に従って調製した。
工程1:315.2gのイソボルニルアクリレート、12.5gのメチルアクリレート、12.5gのエチルアクリレート、3.4gのTrigonox 21、540gのイソドデカン、360gの酢酸エチル;続いて、反応後、540gのイソドデカン及び360gの酢酸エチルの添加。
工程2:145gのメチルアクリレート、934gのエチルアクリレート、157gのアクリル酸、12.36gのTrigonox 21S、741.6gのイソドデカン及び494.4gの酢酸エチル。反応後、3リットルのイソドデカン/酢酸エチル混合物(重量比60/40)を添加し、酢酸エチルを全てエバポレーションし、イソドデカンを部分的にエバポレーションして44重量%の固形分を得る。
【0192】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート/エチルアクリレート(92/4/4)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸(11.7/75.6/12.7)コポリマー粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0193】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)10%のアクリル酸、10%のメチルアクリレート、60%のエチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含有する。
【0194】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0195】
実施例5
イソドデカン中のポリマーの分散体を、以下の工程を使用して、実施例1の調製方法に従って調製した。
工程1:48gのイソボルニルアクリレート、2gのメチルアクリレート、2gのエチルアクリレート、0.52gのTrigonox 21、57.6gのイソドデカン、38.4gの酢酸エチル;続いて、反応後、540gのイソドデカン及び360gの酢酸エチルの添加。
工程2:98gのメチルアクリレート、73gのエチルアクリレート、25gの無水マレイン酸、1.96gのTrigonox 21S、50.4gのイソドデカン及び33.60gの酢酸エチル。反応後、1リットルのイソドデカン/酢酸エチル混合物(重量比60/40)を添加し、酢酸エチルを全てエバポレーションし、イソドデカンを部分的にエバポレーションして46.2重量%の固形分を得る。
【0196】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート/エチルアクリレート(92/4/4)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレート/エチルアクリレート/無水マレイン酸(50/37.2/12.8)コポリマー粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0197】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)10%の無水マレイン酸、30%のメチルアクリレート、40%のエチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含有する。
【0198】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0199】
実施例6
イソドデカン中のポリマーの分散体を、以下の工程を使用して、実施例1の調製方法に従って調製した。
工程1:48.5gのイソボルニルメタクリレート、4gのメチルアクリレート、0.52gのTrigonox 21、115gのイソドデカン;続いて、反応後、80gのイソドデカンの添加。
工程2:190gのメチルアクリレート、1.9gのTrigonox 21S、190gのイソドデカン。反応後、1リットルのイソドデカンを添加し、イソドデカンを部分的にエバポレーションして、48重量%の固形分を得る。
【0200】
イソボルニルメタクリレート/メチルアクリレート(92/8)の統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたメチルアクリレートポリマー粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0201】
油性分散体は、合計で(安定剤+粒子)80%のメチルアクリレート及び20%のイソボルニルメタクリレートを含有する。
【0202】
室温(25℃)で7日間保存した後、分散体は安定している。
【0203】
実施例7及び8(発明)並びに9及び10(発明外)
イソボルニルアクリレート及び任意選択的にメチルアクリレートを含有する安定剤を用いて安定化されたポリメチルアクリレートの複数の油性分散体を、実施例1の手順に従って、イソボルニルアクリレート及びメチルアクリレートの質量比を変化させること並びに安定剤の化学構造の関数として得られる分散体の安定性を観察することにより調製した。
【0204】
全ての分散体は、合計で(安定剤+粒子)80%のメチルアクリレート及び20%のイソボルニルアクリレートを含む。
【0205】
実施例7
工程1:50gのイソボルニルアクリレート、0.5gのTrigonox 21、96gのイソドデカン;続いて、反応後、80gのイソドデカンの添加。
工程2:200gのメチルアクリレート、2gのTrigonox 21S、200gのイソドデカン。反応後、80gのイソドデカンを添加し、エバポレーションして、31重量%の固形分を得る。
【0206】
ポリイソボルニルアクリレート安定剤を用いて安定化されたポリメチルアクリレート粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0207】
実施例8
工程1:48.5gのイソボルニルメタクリレート、8.5gのメチルアクリレート、0.57gのTrigonox 21、115gのイソドデカン;続いて、反応後、75gのイソドデカンの添加。
工程2:185.5gのメチルアクリレート、1.85gのTrigonox 21S、185.5gのイソドデカン。反応後、75gのイソドデカンを添加し、エバポレーションして、31重量%の固形分を得る。
【0208】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート(85/15)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたポリメチルアクリレート粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0209】
実施例9(発明外):
工程1:48.5gのイソボルニルメタクリレート、12gのメチルアクリレート、0.6gのTrigonox 21、115gのイソドデカン;続いて、反応後、60gのイソドデカンの添加。
工程2:182gのメチルアクリレート、1.82gのTrigonox 21S、182gのイソドデカン。反応後、75gのイソドデカンを添加し、エバポレーションして、31重量%の固形分を得る。
【0210】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート(80/20)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたポリメチルアクリレート粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0211】
実施例10(発明外):
工程1:48.5gのイソボルニルメタクリレート、21gのメチルアクリレート、0.7gのTrigonox 21、130gのイソドデカン;続いて、反応後、65gのイソドデカンの添加。
工程2:173gのメチルアクリレート、1.73gのTrigonox 21S、173gのイソドデカン。反応後、65gのイソドデカンを添加し、エバポレーションして、31重量%の固形分を得る。
【0212】
イソボルニルアクリレート/メチルアクリレート(70/30)統計的コポリマー安定剤を用いて安定化されたポリメチルアクリレート粒子のイソドデカン中の分散体を得た。
【0213】
実施例1及び7から10のポリメチルアクリレートの油性分散体の合成の終了後12時間の安定性を比較し、以下の結果を得た。
【0214】
得られた結果は、安定剤がイソボルニルアクリレートホモポリマー又はイソボルニルアクリレート/メチルアクリレートの重量比が>80/20であるイソボルニルアクリレート/メチルアクリレートコポリマーである場合、イソドデカン中のポリメチルアクリレートの分散体は安定していることを示す。
【0215】
更に、実施例1、7及び8の油性分散体を用いて得られた塗膜は以下の特性を有する。
【0216】
実施例11及び12(発明外)
実験1の実施工程1を実施してイソボルニルアクリレートを置き換えること、即ち、環状モノマー/メチルアクリレート(92/8)の統計的コポリマー安定剤を調製することにより環状基を生成する他のモノマーを用いて試験した。イソドデカン中で調製された全ての安定剤は、粘着性沈殿物の形態の固体になる媒体をもたらした。これは、このような安定剤が、前述の実施例1から8で調製された安定剤と対照的に、イソデカンと適合しないため、油性分散体を形成するのに適さないことを示す。
【0217】
実施例13:マスカラ
以下の組成物、以下の表で供給される成分を調製する。
【0218】
量は出発物質の重量で示す。
【0219】
前記組成物を調製するためのプロトコール
成分を加熱パン中で計量し、ライネリブレンダーに入れる。
【0220】
混合物は、一度ゲルを形成し、均一になると、室温(25℃)でライネリブレンダーで撹拌しながら冷却する。したがって、マスカラ組成物のそれぞれを密閉容器に写し、空気に接触して乾燥するのを防ぐ。
【0221】
光沢の評価
室温(25℃)で24時間乾燥させた150μmの塗膜を沈着させることにより、組成物をコントラストカード(例えばByk−Gardner社のByko−charts)で評価する。
【0222】
塗膜の光沢を60°Spectro−guide 45/0gloss光沢計を使用して測定した。
【0223】
結果
組成物は81の光沢を有し、その一方で同条件下で測定された比較組成物はわずか25であった。
【0224】
本発明による組成物は、したがってより著しく光沢がある。
【0225】
実施例14:口紅
以下の組成物、以下の表で供給される成分を調製する。別途指示がない限り、量は出発物質の重量で示す。
【0226】
前記組成物を調製するためのプロトコール
Kratonのイソドデカンでの予混合(混合物中25%のKraton)は100℃でなされる。
【0227】
これとは別に、イソドデカン中の(メチルアクリレート)−コ−(イソボルニルアクリレート)コポリマーの混合物を、残存するイソドデカン及び顔料で均一化する。
【0228】
Kratonを含有する混合物を、次いで先述の混合物に室温で添加し、均一化する。
【0229】
結果
耐油性試験:
組成物を、人口ケラチン物質支持体(湿潤膜の25μmの厚さ)に適用する。
【0230】
試料を37℃、相対湿度38%で一時間乾燥させる。
【0231】
乾燥工程後、オリーブ油一滴を組成物の塗膜上に置き、10分間おく。
【0232】
次いで、油を生綿を使用して5回拭く。
【0233】
生綿を用いて拭いた後の塗膜の整合性を観察し、1から3の範囲(1:優れた耐性、2:中等度の耐性、及び3:劣った耐性)のスケールで組成物の耐油性を評価する。
【0234】
伝達試験
組成物を、人口ケラチン物質支持体(湿潤膜の25μmの厚さ)に適用する。
【0235】
試料を37℃、相対湿度38%で一時間乾燥させる。
【0236】
乾燥工程後、一片の粘着テープを組成物の塗膜に適用し、180°の角度で除去する。
【0237】
粘着テープの除去後、塗膜の整合性を観察し、1から3の範囲(1:剥離なし、2:部分的に剥離、及び3:完全に剥離)のスケールで伝達抵抗を評価する。
【0238】
結果:
結果は、本発明による組成物は、Kratonを含まない比較組成物に対して改善された組成物の持続性及び耐油性を有することを示す。