(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6681903
(24)【登録日】2020年3月26日
(45)【発行日】2020年4月15日
(54)【発明の名称】払拭材を折って開く方法および装置
(51)【国際特許分類】
B31D 5/04 20170101AFI20200406BHJP
【FI】
B31D5/04
【請求項の数】17
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-532786(P2017-532786)
(86)(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公表番号】特表2018-501129(P2018-501129A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】GB2015054057
(87)【国際公開番号】WO2016097745
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月27日
(31)【優先権主張番号】1422632.8
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513019209
【氏名又は名称】ベター オール ラウンド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アボッシュ、オデイ
(72)【発明者】
【氏名】フォーカス、フィリップ ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン−ジョーンズ、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ナンニッツィ、エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ジオメッティ、ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】リード、デーブ
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/029775(WO,A1)
【文献】
特開昭63−248610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 5/00 − 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材の平らなピース(piece)から三次元形状の払拭材を製造する方法であって、
素材の前記ピースに少なくとも2つの折り目を付ける工程と、
平面形状のブランク(12)を作るために、素材の前記ピースを前記折り目に沿って折る工程と、
前記ブランク(12)を開いて三次元形状にする工程と、
を含み、
前記ブランク(12)を開いて三次元形状にする工程は、前記ブランク(12)がその間に供給される一対の反転ドラム(30,31)を用いて該ブランク(12)に推進力を与える工程を含むことを伴う方法。
【請求項2】
前記ブランク(12)に与えられる前記推進力はその平面形状の前記平面に沿う
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブランク(12)は折られていない自由端(13)を有し、前記ブランク(12)に与えられる前記推進力は該自由端(13)の先端に作用する
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ブランク(12)が前記反転ドラム(30,31)間から尖った型(37)の上に排出する工程を含む
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ブランク(12)を開く工程では、真空および/または空気圧が利用される
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ブランク(12)を素材の連続的なウェブ(10)から切り抜く工程
をさらに含む
請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ブランク(12)を切り抜く工程と前記ブランク(12)に前記折り目を付ける工程が単一の工程で行われる
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ブランク(12)は前記少なくとも2つの折り目沿いに互いに反対の方向に折られて、前記ブランク(12)の互いに反対側にそれぞれ襞(17,18)が形成される
請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
素材の平らなピース(piece)から三次元形状の払拭材を製造する装置であって、
素材の前記ピースに少なくとも2つの折り目を付ける手段と、
平面形状のブランク(12)を作るために、素材の前記ピースを前記折り目に沿って折る手段と、
前記ブランク(12)を開いて三次元形状にする手段と、
を含み、
前記ブランク(12)を開いて三次元形状にする手段は、前記ブランク(12)がその間に供給されて前記ブランク(12)に前記推進力を与える一対の前記反転ドラム(30,31)を含む装置。
【請求項10】
前記反転ドラム(30,31)は平面形状の前記平面で前記ブランク(12)に推進力を与えるように配置される
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ブランク(12)は折られていない自由端(13)を有し、前記反転ドラム(30,31)は該自由端(13)の先端で前記ブランク(12)に前記推進力を与えるように配置される
請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ブランク(12)を開く手段は移動する複数のブランク(12)の列から個々のブランク(12)を選択する手段を含む
請求項9から請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記ブランク(12)を選択する手段は開閉可能な一対のピンチ・ローラー(34,35)を含む
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ブランク(12)を三次元形状にする尖った型(37)をさらに含む
請求項9から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記ブランク(12)を前記型(37)に抑えつけてその三次元形状にセット(set)する手段をさらに含む
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ブランク(12)を開く手段は、真空および/または空気圧を配置する手段を含む
請求項9から請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記真空および/または空気圧を配置する手段は前記ブランク(12)の前記型(37)上での保持および/または前記ブランク(12)の前記型(37)からの離脱を補助する
請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は払拭材に関する。
【発明の概要】
【0002】
本明細書において「払拭材」とはティッシュ、クロス、紙タオル、キッチン・ペーパー・ロールなどの様々な名称で知られる各種使い捨て吸液製品を指す。これらは紙、布、その他の適当な素材または素材の組み合わせを用いて製造されたものであってよい。また、湿らせた、濡らした、乾いたものであってよい。また、エンボス加工したもの、穿孔したもの、キルト(綿入れ)状にしたもの、プリントしたもの、他の何らかの装飾あるいは処理を表面に施したもの、あるいはそれ以外のどのような処理を施したものであってよい。また、例えば香水、化粧水および/または殺菌剤を染み込ませたものであってよい。
【0003】
本発明の一実施形態によれば、概ね平らな素材から三次元形状の払拭材を製造する方法は、前記素材に少なくとも2つの折り目を付ける工程と、前記素材を前記折り目沿いに折って概ね平面形状のブランク(blank)を得る工程と、前記ブランクを開いて三次元形状にする工程と、を含むことを特徴とする。
【0004】
本発明の別の一実施形態によれば、概ね平らな素材から三次元形状の払拭材を製造する装置は、前記素材に少なくとも2つの折り目を付ける手段と、前記素材を前記折り目沿いに折って概ね平面形状のブランクを得る手段と、前記ブランクを開いて三次元形状にする手段と、を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に本発明の実施形態を例を挙げて説明する。その際参照する図面は次の通り:
【
図1】
図1は本発明による払拭材の製造方法を示す概略図である。
【
図2】
図2は素材片から三次元形状の払拭材を作製する工程(station)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
三次元形状の払拭材をほぼ平らな素材から製造することが提案されている。作製した払拭材は三次元形状のまま入れ子のスタック(stack)の形で揃えられて(collated)包装される。適当な形状のディスペンサー(dispenser)がスタックの格納に用いられ、一番上の払拭材を使用する準備がなされる。
【0007】
払拭材の三次元形状は好ましくは円錐形で、スタックは払拭材の頂点を上に向けて使用されるようにディスペンサーに収められる。
【0008】
本発明の好ましい方法によれば、
図1に示すように、払拭材の製造プロセスは素材の連続した細長いウェブ(web)10に始まる。ウェブ10は例えばロールから製造ラインへ矢印Aの方向に供給される。最初の工程で、第1折り工程(station)においてウェブ10がその長手方向の中心線に沿って2つに折られる。これにより、折り端11を有する2つ折りのウェブ10が得られる。
【0009】
次の工程では、切断及び折り目付け工程が導入され、折られたウェブ10からブランク12が切り抜かれ、これに折り目14、15が付けられる。この一連の処理は、たとえば反転ドラムおよびフライ・カッター(fly cutter)を用いることにより、単一の工程で都合よく実現できる。切断及び折り目付け工程ではブランク12を半円形に切り抜き、その際、ブランク12その直線部分がウェブ10の折り端11側となり、ブランク12その曲線部分が自由端13とされる。ウェブ10の不要な残り16は都合よく搬出されてリサイクルされる。
【0010】
折り目14、15はブランク12反対側からブランク12に形成されるように配置される(
図1において、折り目14はブランク12の見える側(visible side)から形成されるが、折り目15はその反対側、つまりブランク12の見えない側(unseen side)から形成される)。折り目14、15を付ける目的はブランク12を折り易くするためであり、これらを反対側から形成するのは後述のようにブランク12を反対側から折るからである。
【0011】
図1に示すように、折り目14、15はどちらもブランク12の折り端11側の中点から自由端13側へ半径方向に延びる。折り目14、15はブランク12における対称位置に設けられ、本実施形態においてはそれぞれが折り端11に対してほぼ45°の角度を成す。これにより、所望の三次元形状を約60°の円錐角を有する完成した払拭材にすることができる。言うまでもなく、異なる円錐角にするために、折り目の配置を変えことができる。
【0012】
次の工程では、第2折り工程が導入され、ブランク12を折り目14、15に沿って折り、2つの襞17、18を作る。この折り工程では、前述のように、襞17、18のうち一方がブランク12の一方側に形成され、他方がブランク12の他方側に形成される。第2折り工程では、都合よく反転ドラムを用いることができる。エアー・ブレードによってブランク12の(矢印Aの方向に対して)先端を掴んでブランク12を折り目14沿いに折り、襞17を形成する。反転ベール・アームは、ブランク12の(矢印Aの方向に対して)後端を掴んでブランク12を折り目15沿いに折り、襞18を形成する。
【0013】
ブランク12はほぼ平らな平面形状で第2折り工程を出るが、2回折られた今では両側にそれぞれ襞17、18が形成されている。このあとブランク12は、完成した払拭材19の三次元形状に開かれる更なる作業を受ける。本実施形態において完成した払拭材19は円錐形であり、複数の払拭材が揃えられてスタック20にされる。
【0014】
図2は、開き工程22を示す。開き工程22では、ブランク12がほぼ平らに折り畳まれた平面形状から完成した払拭材の三次元形状に変形される。ブランク12は、都合良く、真空吸引圧力を用いたコンベア・ベルト21により開き工程22に搬送される。
図2に示すように、ブランク12は、ブランク12の自由端13が明らかにコンベア・ベルト21の下にぶら下がった状態で、コンベア・ベルト21によりで保持されるように配置される。これによりブランク12を開き工程22の機構に掴ませることができる。
【0015】
開き工程22の機構は一対の反転ドラム30、31を含み、これらはそれぞれの回転軸が平行となるように配置されている。反転ドラム30、31はそれぞれベルト32、33を経由してピンチ・ローラー34、35に結合されている。ピンチ・ローラー34、35もそれぞれの回転軸が平行となるように配置されている。ベルト32、33は都合よく、円筒形の外周面と基本的に面一となるように、溝に嵌める形で(in grooves)反転ドラム30、31およびピンチ・ローラー34、35に架け渡し(trained)される。反転ドラム30、31および/またはローラー34、35および/またはベルト32、33の円筒形の表面は、ブランク12を取り扱うのに十分な把持力を得ることができるようにするため、好ましくは、ざらざら(textured)にされ、かつ/または適切に選択された材料とされる。
【0016】
ブランク12の取り扱いをより容易にするため、ドラム30、31には都合よく一連の孔39が開けられる。これにより各反転ドラム30、31の円筒形の表面に空気圧を導入することが可能になる。本実施形態では真空吸引圧力が用いられる。これをドラム30、31の回転運動の特定の局面で選択的に作用させることができることが好ましい。
【0017】
ピンチ・ローラー34、35は近接離間可能に搭載されている。これはコンベア・ベルトから選択的に個々のブランク12を掴めるようにするためである。ピンチ・ローラー34、35の動作を
図3aおよび
図3bに示す。
【0018】
図3aは開いた状態のピンチ・ローラー34、35を示す。この状態において、ブランク12はピンチ・ローラー34、35間を干渉なく自由に通り抜けることができる。また、この構成だと、コンベア・ベルト21によってブランク12を製造ラインの複数の開き工程に供給することができる。
【0019】
図3bは閉じた状態のピンチ・ローラー34、35を示す。この状態において、ブランクはピンチ・ローラー34、35間に掴まれ、動いているベルト32、33を経由反転ドラム30、31へ供給される。その後ブランクはドラム30、31間のニップ(nip)から矢印Bの方向へ排出される。
【0020】
ここで矢印Bの方向に対してブランクは自由端13の先端に方向を合わせられている。これは、ブランクが反転ドラム30、31間のニップから排出されるときに、自由端13が空気を捕まえるので、パラシュートが開くのと同様の方法で、自由端13が開かれることを意味する。この開き動作は、ドラム30、31およびベルト32、33からブランクに作用する摩擦力によって補助され、選択的に作用させる吸引圧によってもまた補助される。補助が更に必要であれば、例えば、ブランクの自由端13に噴出空気を矢印Bとは反対の方向から当てる(training)とよい。ドラム30、31間のニップからの排出されたブランク36は今では半ば開いた状態となって円筒形の型37上に投げ置かれる。
【0021】
半ば開いたブランク36は好ましくは全体的に型37に被さるようにするとよい。それにより素材片36が正確に完成した払拭材の所望の円錐形となる。このプロセスを補助するために、例えば、型37に設けた孔38を通して真空吸引圧を作用させてもよい。この他に、静電気力などもこのプロセスも用いてもよい。完成した形状の払拭材は、型37上の位置にブランクを抑えつけることによってより完全にすることができる。
【0022】
型37は、都合よく、ターンテーブルなどの形状の可動架台に設置される複数の同じ型の1つであってもよい。そうすれば、架台は前方にインデックスを付けられているので、連続する型にブランクを順番に供給するようにできる。完成した払拭材は型からチューブに送り込んでスタックにする。